JP3382970B2 - 光ディスク原盤の製造方法 - Google Patents

光ディスク原盤の製造方法

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JP3382970B2 JP17846192A JP17846192A JP3382970B2 JP 3382970 B2 JP3382970 B2 JP 3382970B2 JP 17846192 A JP17846192 A JP 17846192A JP 17846192 A JP17846192 A JP 17846192A JP 3382970 B2 JP3382970 B2 JP 3382970B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光ディスク又は光磁気デ
ィスクの製造工程に用いられ、ガラス等より成る基板上
にレジストが被着されて記録情報に対応するピット又は
グルーブが形成されて成る光ディスク原盤の製造方法に
係わる。
【0002】
【従来の技術】コンパクトディスクや光磁気ディスク等
の各種光ディスクにおいて、その製造にあたって、記録
情報に対応するピットやトラック位置間のグループ
(溝)の形状をより精度よく形成することが要求されて
いる。光ディスクの製造方法の一例を図19A〜Dの製
造工程図を参照して説明するに、先ず図19Aに示すよ
うに、ガラス等より成る基板1上にレジスト2を塗布し
た後、所定の記録情報等のパターンに対応するパターン
のマスク3を介して光Lを照射してパターン露光を行
う。
【0003】この後現像を行って、図19Bに示すよう
にレジスト2の表面に記録情報又はアドレス情報に対応
するパターンのピット4、或いはトラック位置規制用の
グルーブを形成して光ディスク原盤5いわゆるガラス原
盤を作製する。
【0004】そして更にこの後無電解メッキ法等によっ
て図19Cに示すようにニッケル等の金属を全面的に被
着してスタンパー6を形成する。
【0005】次にこのスタンパー6から基板1及びレジ
スト2を剥離して、スタンパー6上に樹脂プラスチック
等の成形材料7を射出成形により形成するか、或いは図
示しないがフォトポリマーを用いたいわゆる2P法等に
よって成形材料を形成し、この後反射層及び保護層を被
着して光ディスクを形成することができる。或いはこの
成形材料7上に光磁気記録材料を形成して光磁気ディス
クを形成することができる。
【0006】このように光ディスクの製造工程において
は、その光ディスク原盤(ガラス原盤)を形成する際
に、レジストの露光現像によりピット(グルーブ)形成
を行っている。レジストの感度は、レジストの塗布・乾
燥条件とか温湿度、現像液等によって影響を受けるた
め、これらの変動によってピットの深さ及び幅等の形状
が変動する恐れがあり、また露光量の変動によっても同
様にピット形成の変動を招く恐れがある。
【0007】このため、従来は現像の進行をモニターし
て、現像処理時間を制御して上述したようなピット又は
グルーブの形状を精度良く形成するようにしている。図
20にこのようなモニターを行う場合の光ディスク原盤
の現像工程を示す。図20において5は光ディスク原盤
でこれが支持体14に保持されて矢印cで示すように回
転される。15は現像液を光ディスク原盤5上のレジス
ト(図示せず)表面に供給させるノズルで、その他端か
ら現像液17が矢印aで示すように送出され、中間部に
設けた電磁バルブ16によってこの現像液17の流量が
制御されるようになされている。
【0008】このような構成において、矢印Lで示すよ
うに光ディスク原盤5の裏面側即ち図20においては下
側からHe−Neレーザ等の光を照射すると、レジスト
の表面に形成されるピット列又はグルーブの規則性に対
応する輝線状の回折光が生じる。ピット列においては3
次元的な広がりを持った回折光となるが、トラックピッ
チ方向においては周期構造的にピットが配列されている
ため、グルーブと同様の出射角度をもって回折光が出射
され、この場合光ディスク原盤5の表面側即ち図20に
おいて上側に、矢印L0 及びL1 でそれぞれ示すように
0次の回折光及び1次の回折光が出射される。11及び
12はそれぞれ0次光検出器及び1次光検出器である。
【0009】この0次光光量I0 と1次光光量I1 との
1 /I 0 はピット又はグルーブの幅及び深さに依存
して変化するため、制御手段18によってこの光量比
1 /I 0 を計算して、露光パターンに対応する幅により
決定される深さの規定値に達した時に電磁バルブ16を
制御して現像を終了させるようにすることによって、ピ
ット又はグルーブの深さを制御することができる。
【0010】しかしながらこのような従来の方法におい
ては、露光レーザ照射密度や記録光学系の変動、または
レジスト感度の変動によってピット又はグルーブの幅が
変動し、形状制御が一定せず、ピット又はグルーブの形
状にばらつきが生じてしまう場合がある。
【0011】またピットをレジストの厚さ全体にわたっ
て形成し、即ちピットの深さがレジストの厚さに相当す
る場合は、やはり露光レーザや記録光学系、またレジス
ト感度のばらつきによりピット形状が変動し、更にレジ
ストの膜厚の変動によっても形状にばらつきが生じる恐
れがあり、再生信号の変動を招来する恐れがある。また
現像時間の大幅な変動を来す場合がある。
【0012】従って、このような従来方法による光ディ
スク原盤の製造工程においては、レジスト感度や露光レ
ーザ密度等の変動を充分に反映するような現像制御を行
うことが難しく、安定したピット又はグルーブ形状の光
ディスク原盤を製造することが困難である。
【0013】また、ピット又はグルーブが形成される過
程で発生する回折光は、レジスト表面のいわゆるランド
部とこのピット又はグルーブの底部との高低差即ちピッ
ト又はグルーブの深さに起因する位相差により発生する
ものであることから、上述したような1次回折光と0次
回折光は極めて微弱な光量であり、上述したような光量
比による現像制御を行う上でS/N(信号/ノイズ比)
が悪く、安定した形状制御を行い難い。
【0014】更に現状の光ディスクでは、トラック間の
ピッチが1.6μmとされており、この場合上述した1
次回折光と0次回折光との光量比 1 /I 0 は0.2〜
0.3%程度のきわめて小さい値であり、同様に安定し
た形状制御を行い難いという問題がある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述したよ
うな光ディスク原盤製造工程における現像制御をより精
度良く行って、ピット又はグルーブの形状を安定に精度
良く形成することができるようにする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、基板上に、レ
ジストを塗布した後露光現像することにより所定の形状
のピット又はグルーブを形成する光ディスク原盤の製造
方法において、レジストが形成された基板に対し、デー
タ領域においては所望のトラックピッチとしてピット又
はグルーブのパターン露光を行い、基板のモニター領域
においては、このモニター領域に光を照射したときの反
射回折光又は透過回折光の回折光量比が増大する方向に
トラックピッチを異ならしめたグルーブパターンの露光
を行い、現像時にはモニター領域に光を照射して、この
モニター領域からの反射回折光又は透過回折光の回折光
量比を検出し、ピット又はグルーブの目的とする幅及び
深さに対応する回折光量比の規定値に、回折光量比が達
したときに現像を終了する制御を行う。
【0017】
【0018】
【0019】また本発明は、上述の光ディスク原盤の製
造方法において、モニター領域からの反射回折光又は透
過回折光の回折光量比として、1次光量と0次光量との
比を検出する。
【0020】更に本発明は、上述の光ディスク原盤の製
造方法において、モニター領域からの反射回折光又は透
過回折光の回折光量比として、2次光量と1次光量との
比を検出する。
【0021】また更に本発明は、上述の光ディスク原盤
の製造方法において、モニター領域からの反射回折光又
は透過回折光の回折光量比として、1次光量と0次光量
との比を検出すると共に、モニター領域からの反射回折
光又は透過回折光の2次光量と1次光量との比を検出す
る。
【0022】
【0023】
【0024】
【作用】上述したように、本発明においては、光ディス
ク原盤の製造方法において、反射回折光又は透過回折光
の光量を検出するものであるが、特に基板上にレジスト
を塗布してパターン露光を行った後の現像の際に、基板
からの反射回折光の0次光量と1次光量との比を検出す
ることによって、この光量比の値を格段に大とすること
ができて、精度よく現像制御を行うことができた。
【0025】これは、前述したように透過回折光を検出
する場合、そのピット又はグルーブが形成される過程で
発生する回折光は、ピット又はグルーブの深さに起因す
る位相差により発生するものであるのに対し、反射回折
光を検出する場合はこの位相差をほぼ2倍とすることが
できることから回折光の強度をより大とすることができ
て、光量比の増大化をはかって現像制御のS/Nを改善
することができることによるものと思われる。
【0026】本発明者等は、このような透過回折光と反
射回折光との強度を解析して上述の効果を確認した。基
板上のレジストの現像が進行するにつれて、図5に模式
的な斜視図を示すようにピット又はグルーブこの場合グ
ルーブ9が例えばトラックピッチに対応するピッチpの
周期的な構造をもって形成され、ここに可干渉光を照射
することによって回折光が生じる。ここで1組のグルー
ブ9及びランド部10による透過回折光と反射回折光の
出射角度方向における強度分布を計算した結果を図6に
示す。図6において実線Tは透過回折光、実線Rは反射
回折光のそれぞれの強度分布を示し、反射回折光Rが広
い範囲で比較的強度が大となることがわかる。
【0027】通常の光ディスクではグルーブ9の幅wが
約0.5μm、深さdが約0.1μm、ピッチpは約
1.6μmであり、レーザビームのスポット径φが約1
mmであることから、複数のグルーブ9及びランド部1
0による回折光が生じる。この反射回折光及び透過回折
光の出射角度による強度分布を計算した結果を図7に示
す。図7においてI0 は透過及び反射回折光の0次光強
度、I1t及びI2tはそれぞれ透過回折光の1次光及び2
次光の強度、I1r及びI2rはそれぞれ反射回折光の1次
光及び2次光の強度を示す。この結果からわかるよう
に、反射回折光の強度は透過回折光の強度に比し格段に
高く、これらの光量比を検出するにあたって反射回折光
を測定することによってそのS/Nを改善することがで
きるものと思われる。
【0028】また他の本発明においては、上述したよう
に反射回折光又は透過回折光の1次光量と2次光量との
比を検出して現像制御を行うものであり、このようにす
ることによって、ピット又はグルーブの幅を精度良く制
御できることが本発明者等の鋭意考察研究の結果判明し
た。図8に透過回折光の2次光量と1次光量との比I 2
/I1 のグルーブの幅及び深さに対する変化を計算した
結果を示す。この場合グルーブのピッチpを1.6μm
とし、現像液の屈折率を1.33、レジストの屈折率を
1.64とした。実線W2 〜W6 はそれぞれ幅wが0.
2μm、0.3μm、0.4μm、0.5μm、0.6
μmの場合を示す。この結果からわかるように、2次光
量と1次光量の比I2 /I1 は、グルーブ(又はピッ
ト)の深さに依存することなく幅wにのみ依存し、現像
が進行して幅wが大となるにつれてその光量比は低下す
る。従って、この光量比I2 /I1 が規定の値となった
ときに現像を終了することによってピット又はグルーブ
の幅を精度良く制御することができる。
【0029】また1次光量と0次光量との比I1 /I0
の検出と共に2次光量と1次光量との比I2 /I1 の検
出を行うことによって、ピット又はグルーブの深さ及び
幅の制御を精度良く行うことができる。
【0030】更に、基板とレジストとの間に反射層を設
けることによって、反射回折光を検出する場合にはその
光強度を格段に大とすることができて、S/Nの改善を
はかり、ピット又はグルーブの形状制御性を更に向上さ
せることができる。
【0031】そして本発明においては、光ディスク原盤
のデータ領域の外部にモニター領域を設けて、ここにお
いてグルーブのトラックピッチを、データ領域における
トラックピッチとは異ならしめて形成することによっ
て、より精度良く回折光量比を検出することができるこ
とが本発明者等の鋭意考察研究の結果判明した。グルー
ブの幅wを0.5μm、深さdを0.1μmとし、現像
液の屈折率を1.33、レジストの屈折率を1.64と
して、ピッチpの変化に対する各光量比I1 /I0 、I
2 /I1 の変化を計算した結果を図9及び図10にそれ
ぞれ示す。
【0032】図9から明らかなように、1次光量と0次
光量との比 1 /I 0 は、通常の光ディスクにおいて設
定されるようにピッチが1.6μm程度のときに0.2
〜0.3%程度と極めて小さい値となるが、ピッチを
1.5μm以下或いは1.8μm以上程度とすると光量
比が徐々に大となってそのS/Nが改善され、より精度
良く光量比を検出できて、ピットまたはグルーブの深さ
の制御をより精度良く行うことができることがわかる。
【0033】また同様に図10に示されるように、2次
光量と1次光量との比I2 /I1 においても、ピッチを
通常の光ディスクにおいて設定される1.6μmからず
らすことによって、格段に大とすることができることが
わかる。
【0034】従って、このように光ディスク原盤にモニ
ター領域22を設けて、ここにおいてピッチ等を変化さ
せてピット又はグルーブの形状を異ならしめて回折光の
検出を行うことによって、各光量比I1 /I0 及びI2
/I1 のS/Nを改善でき、ピット又はグルーブの形状
をより精度良く制御することができる。
【0035】
【実施例】以下本発明方法の実施例に先立って、参考例
の各例を図面を参照して詳細に説明する。各例共に、前
述の図19A〜Dにおいて説明した光ディスク原盤の製
造にあたって、即ち基板1上にレジスト2を塗布して所
定のピット又はグルーブ形状にマスク3を介して露光し
た後の現像工程に適用し、この後図19C〜Dに示すよ
うにニッケル等より成るスタンパー6を無電界メッキ等
により形成してレジスト2及び基板1を剥離し、スタン
パー6上に成形材料7を被着形成して光ディスクや光磁
気ディスク等を形成するものである。
【0036】先ず図1に示すように、基板1に波長63
2.8nmのHe−Neレーザ等のレーザ光Li を照射
して、その反射回折光の0次光及び1次光の光量をフォ
トディテクター等より成る0次光検出器11及び1次光
検出器12によりそれぞれ検出するようになす。この例
においてはレジスト2の表面に対し垂直な方向からハー
フミラー19を介してレーザ光Li を入射して、この入
射光に対し対称に生じる1次回折光L1 及びL-1をそれ
ぞれ1次光検出器12a及び12bにより検出し、表面
から垂直な方向に反射される0次光はハーフミラー19
により反射させて例えば図1において横方向に設けた0
次光検出器11によって検出する構成とする。図示しな
いがレジスト2上に現像液が供給され、制御手段によっ
て検出器11及び12から検出される光量の比を検知
し、規定値に達したときに現像液の供給を停止して現像
処理を終了する。
【0037】この例においては、レーザ光をレジスト2
の表面側から入射した場合を示すが、この他図11に示
すように、基板1の裏面に対し垂直な方向からハーフミ
ラー19を介してHe−Neレーザ等のレーザ光Li
入射して、同様に裏面側に設けた1次光検出器12a及
び12bによって1次回折光L1 及びL-1を検出し、ハ
ーフミラー19により反射された0次回折光L0 を0次
光検出器11により検出する構成とすることもできる。
【0038】また、図12に示すように、レジスト2の
表面に対し斜め方向からHe−Neレーザ等のレーザ光
i を照射して、その反射回折光の0次光及び1次光の
光量をそれぞれ0次光検出器11及び1次光検出器12
により検出するようになすこともできる。
【0039】この場合入射光がレジスト2の表面に対し
傾斜して入射されることから、この入射光に対しピット
又はグルーブのピッチが見かけ上変化するため、表面に
対し垂直な方向から入射する場合とは回折光の反射角度
が異なる。しかしながらこの場合予め計算等により構成
を設定することができ、図1及び図11と同様に検出を
行うことができる。
【0040】このような構成により反射回折光を検出し
て、現像によるグルーブの深さの進行変化に対する1次
光量と0次光量との比I1 /I0 の変化をシミュレーシ
ョンにより求めた。この場合現像液の屈折率を1.3
3、レジストの屈折率を1.64とし、グルーブの幅を
0.5μmとした。この結果を、透過回折光による光量
比I1 /I0 の変化と共に図13に示す。図13におい
て実線rは反射回折光による光量比、実線tは透過回折
光による光量比の変化を示し、グルーブの深さが0.1
μm程度のときは透過回折光による光量比は0.2%程
度の検出能力しかなく、反射回折光による光量比が0.
8%程度である。グルーブ深さが0.2μmのときは透
過回折光では0.8%程度、反射回折光では3.2%程
度となることがわかる。
【0041】即ち透過回折光においては極めて光量比が
微小であるため、レジスト感度やレーザ照射エネルギ
ー、温湿度等の条件の変動や外乱要因によって検出精度
が低下する。これに対し反射回折光の光量比を検出する
場合は、透過回折光に比しほぼ4倍程度の値を得ること
ができ、上述したような各条件の変動や外乱要因による
検出精度の低下を抑えることができて、S/Nの改善を
はかってより精度良くグルーブ(又はピット)の深さを
測定することができることがわかる。
【0042】上述の例においては、図3に示すように、
基板1とレジスト2との間にAl、Cr等の高反射率を
有する材料より成る反射層8を設けてシミュレーション
を行った。このように反射層8を設けることによって、
反射回折光の強度を格段に大とすることができて、光量
比の増加をはかり、ピット又はグルーブの深さをより精
度良く測定することができる。しかしながらレジスト2
から充分高い反射光量を得られる場合はこの反射層8を
設けることなく検出を行うこともできる。
【0043】次に図2を参照して、1次回折光と2次回
折光との光量比I2 /I1 を検出してピット又はグルー
ブの幅及び深さを制御する場合を説明する。図2におい
て1はレジスト2が被着された基板で、レジスト2には
図示しないが所定のパターン露光がなされる。そして基
板1を支持体14に保持して、矢印cで示すように回転
させる。15は現像液を光ディスク原盤5上のレジスト
(図示せず)表面に供給させるノズルで、その他端から
現像液17が矢印aで示すように送られて、中間部に設
けた電磁バルブ16によってこの現像液17の流量を制
御する。
【0044】このような構成において、矢印Li で示す
ように基板1の裏面側即ち図2においては下側からHe
−Neレーザ等の光を照射すると、レジストの表面に形
成されるピット又はグルーブによる回折光が生じて、レ
ジスト2の表面側即ち図2において上側に、矢印L0
1 及びL2 でそれぞれ示すように0次の回折光、1次
の回折光及び2次の回折光が出射される。11〜13は
フォトディテクター等より成る光検出器で、それぞれ0
次光検出器、1次光検出器及び2次光検出器を示す。
【0045】この次光と次光との光量比 1 /I 0
において、ピットまたはグルーブの幅及び深さに対する
変化の様子を計算により求めた結果を図14に示す。こ
の例においても、現像液の屈折率を1.33、レジスト
の屈折率を1.64とし、ピット(又はグルーブ)のピ
ッチを1.6μmとして計算を行った。図14において
2 〜C6 はそれぞれピットの幅が0.2μm、0.3
μm、0.4μm、0.5μm、0.6μmの場合を示
す。このように、1次光と0次光の光量比I1/I
0 は、ピット又はグルーブの幅を設定することによっ
て、深さに対応させることができて、図2に示すように
制御手段18によってこの光量比 1 /I 0 を検出し
て、深さの規定値に達したときに電磁バルブ16を制御
して現像を終了させることによって、ピット又はグルー
ブの深さを制御することができる。
【0046】そして更にこの例においては1次光と2次
光の光量比I2 /I1 をも制御手段18によって検出す
る。図8において説明したように、この光量比I2 /I
1 はピット又はグルーブの深さに依存せず、幅のみによ
って変化する。
【0047】ピット又はグルーブの幅は、レジストのパ
ターン露光の際のビームウェスト径に対応して設定され
るが、前述したようにレジスト感度や温湿度等の条件や
外乱要因によって変動する場合がある。
【0048】現像の進行に従って図15において実線A
で示すようにI1 /I0 は上昇し、実線Bで示すように
2 /I1 は減少する。従って、これらを随時測定し
て、シーケンス制御又はマイコン制御等によりI1 /I
0 とI2 /I1 のどちらか一方がそれぞれの規定値N1
又はN2 に達するときに現像終了とするか、或いはI1
/I0 とI2 /I1 の両方が規定値N1 及びN2 に達す
るときに現像終了とすることによって、ピット又はグル
ーブの幅及び深さを精度良く制御することができ、適正
な形状のピット又はグルーブを形成することができる。
【0049】またピット又はグルーブをレジストの厚さ
全体にわたって形成する場合は、その深さがレジストの
厚さに達した後引き続いて現像を行うと、図16に模式
的に示すように、ピット又はグルーブの側面が徐々に変
化する。図16においてεはレジスト2の表面に沿う方
向からピット又はグルーブの内側の側面4Sの成す角度
を示す。現像が進行するに連れて、破線a〜cで示すよ
うに側面4Sの角度εが徐々に大となる。
【0050】この場合の各回折光の光量比I1 /I0
びI2 /I1 の変化を図17に模式的に示す。実線Aは
1 /I0 、実線BはI2 /I1 をそれぞれ示す。この
とき、現像の進行に従って、幅及び深さが徐々に大とな
ってI1 /I0 が増加すると共にI2 /I1 が減少す
る。露光パターンによって規制される幅に達するとI2
/I1 の減少量が徐々に小となり、更に現像が進行して
ピットの深さがレジスト2の厚さに相当する深さとなる
と、I1 /I0 がほぼ一定となる。この後更に現像を行
うと、I2 /I1 が再び減少を始め、側面4Sにおける
現像が進行してその傾きが変化していくものと思われ
る。
【0051】このとき、レジストの膜厚にばらつきが生
じて設定条件より膜厚が小となった場合、I1 /I0
規定値N1 に到達するまでの現像時間が非常に長くなっ
てしまい、側面4Sの傾きεが大となって適切なピット
形状が得られない。また膜厚が設定条件より大となった
場合においても同様に、傾きεが小となって適切なピッ
ト形状が得られなくなってしまう。
【0052】これに対し、上述の例においては2次光と
1次光の光量比I2 /I1 をも制御手段18によりモニ
ターして、I1 /I0 又はI2 /I1 のどちらか一報が
規定値に達するときに現像終了とすることによって側面
4Sの傾きを含めてピットの形状を最適化することがで
きることとなる。
【0053】尚、上述の例においては光量比I1 /I0
及びI2 /I1 を検出する場合であるが、光量比I1
0 又はI2 /I1 のみを検出する構成とすることもで
きる。また図1においては透過回折光を検出する構成と
したが、反射回折光を検出する構成とすることもでき
る。反射回折光を検出する構成とする場合は、基板とレ
ジストとの間にAl、Cr等より成る反射層を設けるこ
BR>とによって、その光量を大とすることができて、よ
り精度良くピット又はグルーブの形状制御を行うことが
できる。
【0054】次に、図4を参照して本発明の実施例を詳
細に説明する。この例では、レジスト2が形成された基
板1に対し、データ領域21の外部、例えば外周側にモ
ニター領域22を形成して、このモニター領域22にお
るグルーブのトラックピッチをデータ領域21におけ
るピット又はグルーブのトラックピッチとは異ならしめ
るように露光する。そして、レジスト2上のモニター領
域22にHe−Neレーザ等の入射光Li を照射して、
このモニター領域22からの反射回折光又は透過回折
光、図4においては透過回折光の光量を検出することに
よりデータ領域21のピット又はグルーブの形状を制御
しながら現像する。
【0055】この例においては、0次〜2次の回折光を
それぞれフォトディテクター等より成る検出器11〜1
3により検出し、図示しないが図2において説明した例
と同様に、制御手段によって1次回折光と0次回折光の
光量比I1 /I0 及び2次回折光と1次回折光の光量比
2 /I1 を検出する場合を示す。
【0056】このとき、前述の図9及び図10において
説明したように現状の光ディスクにおいて設定されるよ
うに、ピッチが1.6μmの場合は、I1 /I0 及びI
2 /I1 共に極小値をとるが、モニター領域22におい
てピッチを1.5μm、1.4μm‥‥、或いは1.8
μm、1.9μm‥‥とすることによって、より高い回
折強度比を得ることができる。
【0057】通常の1.6μmピッチのデータ領域21
においては、図9からわかるように1次光と0次光の光
量比 1 /I 0 は0.2〜0.3%程度である。これに
対し、例えばピッチを1.5μmとする場合、この光量
比I1 /I0 は1%程度となり、約5倍の検出精度が得
られることとなり、制御できる深さは約5分の1とな
る。更にピッチを1.4μmとすると、光量比I1 /I
0 は4%程度となって、現状の光量比に比して10倍以
上、相対出力で20dB以上とすることができ、S/N
の大幅な向上をはかって検出精度を高めることができ
る。
【0058】同様に、2次光と1次光の光量比I2 /I
1 においても検出精度の改善をはかることができ、幅方
向の形状の制御性の向上をはかることもできる。
【0059】またこのように、ピット又はグルーブの形
状を精度良く制御できることから、トラッキング信号等
の変動を抑制することができる。図18にグルーブ深さ
に対するトラッキングクロス信号(TCS)の変化を実
線Cで示し、プッシュ・プル信号(P−P)の変化を実
線Dで示す。従来の1.6μmピッチとする場合のグル
ーブ深さの制御範囲Dt に対し、モニター領域22のピ
ッチを1.5μmとすることによって、グルーブ深さの
制御範囲をDr で示すように大幅に縮小することができ
るため、各信号TCS及びP−Pの変動を抑制でき、信
号特性の改善をはかることができる。
【0060】尚、本発明は上述の各実施例に限定される
ことなく、その他種々の材料構成、装置構成を採り得る
ことはいうまでもない。
【0061】
【発明の効果】上述したように本発明によれば、光ディ
スク原盤の製造にあたってピット又はグルーブの現像の
制御性を格段に高めることができ、安定したピット形状
又はグルーブ形状の光ディスク原盤を形成することがで
きる。
【0062】即ち透過回折光によらずに反射回折光を検
出することによって、光量比を格段に大とすることがで
きて良好なS/Nが得られ、検出精度を大幅に改善する
ことができる。
【0063】更に、2次回折光と1次回折光の光量比と
を検出することによってピット又はグルーブの幅び内側
面の傾きεを制御することができ、ピット又はグルーブ
の形状制御性を高めることができる。また0次回折光と
1次回折光の光量比をも検出することによって、ピット
又はグルーブの深さ、幅及び傾きεを精度良く制御でき
て、ピット又はグルーブ形状の最適化をはかることがで
きる。
【0064】また更に、反射回折光を検出する場合に
は、基板とレジストの間に反射層を設けることによっ
て、より光量を大として、検出精度を高めることができ
る。
【0065】また、データ領域外に、グルーブのトラッ
クピッチをデータ領域のピット又はグルーブのトラック
ピッチとは異ならしめたモニター領域を設け、ここにお
いて回折光を検出して現像制御を行うことによって、回
折光の検出精度を最適化し、光量比の出力を格段に大と
することができ、ピット又はグルーブの形状を精度良く
制御することができることから、トラッキングクロス信
号、プッシュ・プル信号等の出力の変動を抑制して記録
再生特性の向上をはかることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光ディスク原盤の製造方法の一例の一製造工程
図である。
【図2】光ディスク原盤の製造方法の一例の一製造工程
図である。
【図3】光ディスク原盤の一例の略線的拡大断面図であ
る。
【図4】光ディスク原盤の製造方法の一例の一製造工程
図である。
【図5】光ディスク原盤の一例の略線的拡大斜視図であ
る。
【図6】1組のグルーブ及びランドによる回折光の出射
角度による強度分布を示す図である。
【図7】回折光の出射角度による強度分を示す図であ
る。
【図8】ピット又はグルーブの深さ及び幅と2次/1次
光量比との関係を示す図である。
【図9】グルーブピッチと1次/0次光量比との関係を
示す図である。
【図10】グルーブピッチと2次/1次光量比との関係
を示す図である。
【図11】光ディスク原盤の製造方法の他の例の一製造
工程図である。
【図12】光ディスク原盤の製造方法の他の例の一製造
工程図である。
【図13】反射回折光と透過回折光の1次/0次光量比
を示す図である。
【図14】ピット又はグルーブの深さ及び幅と1次/0
次光量比との関係を示す図である。
【図15】1次/0次光量比及び2次/1次光量比の時
間変化を示す図である。
【図16】現像進行状態を示す模式的断面図である。
【図17】1次/0次光量比及び2次/1次光量比の時
間変化を示す図である。
【図18】グルーブ形状と出力信号の関係を示す図であ
る。
【図19】光ディスクの製造方法の一例の製造工程図で
ある。
【図20】従来の光ディスク原盤の製造方法の一例の一
製造工程図である。
【符号の説明】
1 基板 2 レジスト 5 光ディスク原盤 8 反射層 11 0次光検出器 12 1次光検出器 13 2次光検出器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福田 浩 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソ ニー株式会社内 (72)発明者 大友 勝彦 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソ ニー株式会社内

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、レジストを塗布した後露光現
    像することにより所定の形状のピット又はグルーブを形
    成する光ディスク原盤の製造方法において、 上記レジストが形成された基板に対し、データ領域にお
    いては所望のトラックピッチとして上記ピット又はグル
    ーブのパターン露光を行い、 上記基板のモニター領域においては、該モニター領域に
    光を照射したときの反射回折光又は透過回折光の回折光
    量比が増大する方向にトラックピッチを異ならしめたグ
    ルーブパターンの露光を行い、 現像時には上記モニター領域に光を照射して、上記モニ
    ター領域からの反射回折光又は透過回折光の回折光量比
    を検出し、 上記ピット又は上記グルーブの目的とする幅及び深さに
    対応する回折光量比の規定値に、上記回折光量比が達し
    たときに現像を終了する制御を行う ことを特徴とする光
    ディスク原盤の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記モニター領域からの反射回折光又は
    透過回折光の回折光量比として、1次光量と0次光量と
    の比を検出することを特徴とする請求項1に記載の光デ
    ィスク原盤の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記モニター領域からの反射回折光又は
    透過回折光の回折光量比として、2次光量と1次光量と
    の比を検出することを特徴とする請求項1に記載の光デ
    ィスク原盤の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記モニター領域からの反射回折光又は
    透過回折光の回折光量比として、1次光量と0次光量と
    の比を検出するとともに、2次光量と1次光量との比を
    検出することを特徴とする請求項1に記載の光ディスク
    原盤の製造方法。
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