JP3382607B2 - 拡繊システム - Google Patents

拡繊システム

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JP3382607B2
JP3382607B2 JP2001025497A JP2001025497A JP3382607B2 JP 3382607 B2 JP3382607 B2 JP 3382607B2 JP 2001025497 A JP2001025497 A JP 2001025497A JP 2001025497 A JP2001025497 A JP 2001025497A JP 3382607 B2 JP3382607 B2 JP 3382607B2
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弘治 大石橋
俊進 奥田
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株式会社オー・ビー・エス
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数のフィラメン
トが集合されてなる繊維束を拡繊対象とする拡繊システ
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の拡繊システム(拡繊装置)として
は、静電拡繊法によるもの、プレス拡繊法によるもの、
ジェット拡繊法によるもの、超音波拡繊法によるものが
知られている。これらの拡繊法において、超音波を利用
するものは、平4−70420特許公報、特許公報特開
平7−145556号公報に示すように、超音波発生装
置を所定の液槽内に備え、この液槽内に拡繊対象の繊維
束が流送される繊維束流送部を設け、流送部において超
音波による拡繊を行う。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】現今、例えば、炭素繊
維である各フィラメントを集合させた繊維束が、プリプ
レグ等の複合材料半製品を得るために使用されるが、こ
の繊維束に要求される拡繊度合いは、急速に高いものと
なってきている。例えば、無撚炭素繊維:7μmフィラ
メントの12,000本束=元幅約6mm、元厚約0.
13から0.16mmのものを、最終的な拡繊状態で、
幅25mm、厚み0.02mm程度まで拡繊することが
要求されている。
【0004】このような要求は、繊維束に対する相手側
樹脂として、熱可塑性樹脂を採用したいという要求から
きている。このような高度な拡繊状態にあっては、従来
型の拡繊方法を単独で使用する場合は、目標とする拡繊
程度まで容易に到達しにくい場合があることが判明し
た。即ち、拡繊の対象となる繊維束は、その材料種、フ
ィラメント数、フィラメント径、撚り数、引張強度、伸
度、繊維束幅、繊維束厚、繊維束幅/厚比等との関係か
ら、多種多様に渡ると共に、製品に求められる拡繊の程
度(幅、厚)あるいは拡繊の精度(拡繊済み繊維束の長
さ方向における拡繊度合いのバラツキ)等において様々
である。
【0005】さらに、拡繊対象となる炭素繊維を例に採
った場合にあっても、その仕上げ剤(例えばサイジング
剤)として、炭素繊維の製造メーカーによって様々なも
のが使用され、さらに、その組成に関しては、秘密状態
に保たれるため、市販の繊維束を拡繊しようとすると、
最適な拡繊手法を探し出すのに困難を伴うことがある。
【0006】上記の状況に鑑みて、本発明の目的は、多
様な拡繊対象に対して、比較的高い拡繊を安定して行な
うことができる拡繊システムを得ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の本発明による拡繊システムの特徴構成は、請求項1に
記載されているように、前記繊維束が張力を付与された
状態で、複数のローラに対して各ローラ表面に接触しな
がら屈曲経路を成して流送される繊維束流送部を液中に
備えると共に、前記液中に超音波を伝播させて前記繊維
束流送部の繊維束を拡繊する超音波式拡繊装置を予備拡
繊装置として備え、前記予備拡繊装置により拡繊された
予備拡繊済み繊維束を、さらに拡繊する本拡繊装置を備
え、前記本拡繊装置が、前記予備拡繊済み繊維束を拡繊
する拡繊部と、前記予備拡繊済み繊維束を拡繊する流体
流を発生させる流体流発生手段とを備え、前記拡繊部に
おいて、流送されてくる前記予備拡繊済み繊維束に対し
て交差して前記流体流を通過させ、前記予備拡繊済み繊
維束を流体流の下流方向へ撓ませると共に、前記流体流
により前記予備拡繊済み繊維束を繊維束幅方向に解き分
ける流体流式拡繊装置である拡繊システムであって、前
記予備拡繊済み繊維束をオーバーフィード制御しながら
前記本拡繊装置へ流送供給する流送手段として、前記予
備拡繊済み繊維束に対して懸垂される重り及び前記予備
拡繊済み繊維束の撓み量を検出する検出装置を有する検
出部とを備え、 前記検出部の検出情報に基づいて前記
本拡繊装置への給糸を調整自在に構成される拡繊システ
ムである。
【0008】一方、請求項2に記載の拡繊システムに関
しては、請求項1に記載の構成とは逆に、以下のような
構造を採用する。即ち、 前記繊維束を拡繊する拡繊部
と、前記繊維束を拡繊する流体流を発生させる流体流発
生手段とを備え、前記拡繊部において、流送されてくる
前記繊維束に対して交差して前記流体流を通過させ、前
記繊維束を流体流の下流方向へ撓ませると共に、前記流
体流により前記繊維束を繊維束幅方向に解き分ける流体
流式拡繊装置を予備拡繊装置として備え、前記予備拡繊
装置により拡繊された予備拡繊済み繊維束を、さらに拡
繊する本拡繊装置を備え、前記本拡繊装置が、予備拡繊
された予備拡繊済み繊維束が張力を付与された状態で、
複数のローラに接触しながら屈曲経路を成して流送され
る繊維束流送部を液中に備えると共に、前記液中に超音
波を伝播させて前記繊維束流送部の予備拡繊済み繊維束
を、さらに拡繊する超音波式拡繊装置である拡繊システ
であって、前記予備拡繊済み繊維束をオーバーフィー
ド制御しながら前記本拡繊装置へ流送供給する流送手段
として、前記予備拡繊済み繊維束に対して懸垂される重
り及び前記予備拡繊済み繊維束の撓み量を検出する検出
装置を有する検出部とを備え、 前記検出部の検出情報
に基づいて前記本拡繊装置への給糸を調整自在に構成さ
れる拡繊システムであるものとするのである。
【0009】さて、本願にいう超音波式拡繊装置は、拡
繊対象とする繊維束を張力付与状態で、複数のローラー
表面に接触させながら屈曲経路を描かせて、超音波によ
り付与される振動効果により拡繊するものであり、この
拡繊は、強制的且つ機械的な拡繊と言える。このような
拡繊は、例えば、比較的付着性の強いサイジング剤が添
加されている場合に、初期的な拡繊(比較的緩い拡繊)
をおこなうのに比較的適している。
【0010】一方、流体流式拡繊装置は、所定の拡繊部
に、拡繊対象の繊維束をオーバーフィード状態で供給
し、この状態にある繊維束に対して、流体発生手段によ
り発生された流体流(気体流あるいは液体流)を交差状
態で当てる共に、流体流を各フィラメント間を通過させ
て、繊維束の拡繊を行うものであり、流体力学的に得る
ことができるドラッグ力を基礎とする。この場合、各フ
ィラメントはオーバーフィード状態を保たれるため、各
フィラメントに張力は、積極的な意味で掛かっていな
い。従って、この拡繊方法は、ある程度、各フィラメン
トの分離が進んでおり、各フィラメントが自由に運動し
得ることを前提とするため、例えば、サイジング剤の付
着性が低く、付着量が比較的少ないものに対して好適で
ある。また、流送手段として、前記予備拡繊済み繊維束
に対して懸垂される重り及び前記重りによる前記予備拡
繊済み繊維束の撓み量を検出する検出装置を有する検出
部とを備え、前記検出装置の検出情報に基づいて、本拡
繊装置への送り速度が制御されて、本拡繊装置への給糸
が調整自在となり、拡繊部の撓み量が調整される。
【0011】以上が、本願の拡繊システムが採用する各
拡繊装置の特徴であるが、発明者らは、多数の繊維束に
対して、所定の拡繊を行なった。この拡繊は、先に説明
した現状の技術水準において、ほぼ限界に近い拡繊を行
なうものであった。その結果、過半の拡繊対象繊維束に
対して、請求項1に記載の順(超音波による拡繊を行な
った後、流体流による拡繊を行なう)で拡繊を行なうこ
とで、本拡繊操作において予備拡繊よりさらに拡繊を進
めることができた。この場合、約半数は、拡繊順を逆に
すると、目的とする高度の拡繊状態を得ることができな
かった。この順の拡繊を行なう場合は、予備拡繊段階
で、張力付与を伴った強制的な拡繊が必要とされる繊維
束であったものと発明者らは推測している。さらに、高
度の拡繊が超音波方式でできなかった理由は、比較的伸
度が無いために、張力の付与により、フィラメントに損
傷を受けやすいものであったために、本拡繊段階で流体
式の拡繊手法が、好ましかったものと推測している。
【0012】一方、残余の拡繊対象繊維束に対しては、
予備拡繊段階から流体流による拡繊を施し、この予備拡
繊の後、本拡繊として超音波による拡繊を施すのが好ま
しいものであった。この割合は比較的低いが、サイジン
量が比較的少なく、さらにフィラメントが比較的強いも
のにあっては、この手法を採用するのが好ましい。さら
に、本拡繊段階を超音波によるものとするため、先に説
明した拡繊精度を高度に揃えることが可能となってい
た。
【0013】従って、請求項1もしくは2に記載のよう
に、両者の拡繊手法を実施できるシステムを構築するこ
とが高度な拡繊を行なうのに好ましい。本願で対象とす
る拡繊の程度は、従来、行われてきた拡繊に比べて、そ
の程度が高いものである。
【0014】結果、本願システムを採用することによ
り、繊維束の各構成フィラメントにダメージを与えず、
フィラメント1本1本が真っ直ぐに伸びて、しかも、平
行性が高く、繊維束幅方向におけるフィラメント密度が
そろった良質の拡繊済み繊維束(拡繊シートと呼べる)
を得ることができる。
【0015】このシステム構成を採用することにより、
例えば、マルチフィラメントF(無撚炭素繊維:7μm
フィラメントの12,000本束=元幅約6mm、元厚
約0.16mm)を、幅約25から30mm、厚約0.
02mm程度まで拡繊できた。従来型の拡繊装置(超音
波拡繊方式、流体流式拡繊方式)にあっては、一段の拡
繊操作で行なうには困難を伴う場合もあり、生産性の向
上効果は大きい。
【0016】さらに、請求項3に記載されているよう
に、流体流式拡繊装置において拡繊に使用される流体流
が液体流であることが好ましい。この場合、流体流式拡
繊装置において、流体流を利用して、各フィラメントに
対して拡繊力を付与するに、気体より体膨張率が格段に
小さい液体を使用するために、拡繊部における流れが安
定すると共に、均一で強力な流体力を付与できる。結
果、その拡繊能において従来より強力な拡繊能を発揮す
ることができる。
【0017】更に、例えば、同一の繊維束を対象として
複数段に亘って拡繊を行う多段拡繊、もしくは複数の繊
維束を対象としてこれをの全てを同時に拡繊する複数拡
繊を行う場合に、例えば、流体としてエアーを使用する
場合と水を使用する場合を比較すると、動力が格段に低
下する。結果、多段拡繊、多数拡繊を行う場合に、必要
となる動力が少なく、小型の動力源で実用的な製造装置
を得ることができる。
【0018】また請求項4に記載されているように、第
一絞りローラおよび、前記第一絞りローラに当接する第
二絞りローラを有する絞りローラ機構を介して、前記液
中より気体中に拡繊済み繊維束を導出する拡繊済繊維束
導出機構を備え、この拡繊済繊維束導出機構において、
前記第一絞りローラが前記液中に浸漬されており、前記
拡繊済みの繊維束が前記第一絞りローラに接触した状態
で液中より液外に導出されると共に、当該繊維束が前記
第一絞りローラ及び第二絞りローラによって絞り操作さ
れて導出されることが好ましい。
【0019】拡繊済みの繊維束が液中から液外に導出さ
れる部位で、繊維束がそのまま導出されると、液の有す
る表面張力等により、拡繊済み繊維束が萎む拡繊劣化が
起こりやすい。しかしながら、上記のように構成する
と、拡繊済みの繊維束がローラーに付着したままで、拡
繊状態を維持された状態で、繊維束に付着した液が、取
り除かれるため、良好な拡繊状態を維持できると共に、
この液により拡繊状態が劣化するのを避けることができ
る。
【0020】即ち、所定位置で、確実な液除去を行える
と共に、この絞りローラ機構に備えられる第一絞りロー
ラを半浸漬状態として、この半浸漬状態にあるローラに
接触した状態で、拡繊済みの繊維束を液中から液外に導
くことで、結果的に、液外に繊維束が出た直後の液によ
る拡繊劣化を抑制することができ、さらに、この状態で
絞り操作を施すことで、液の影響を確実に除去すること
ができる。
【0021】さて、これまで説明してきた構成におい
て、超音波を利用して拡繊を行う液中に、請求項5に記
載されているように、拡繊用の超音波に共振する共振機
構を備えることが好ましい。拡繊用の超音波は、液中に
超音波発生器を利用して伝播されるが、この液中に共振
機構を設けておくと、超音波の共振を利用することで、
より少ない動力で、超音波による拡繊を実行できる。さ
らに、例えば、超音波式拡繊装置において、繊維束の流
送路を共振機構を成す一対の共振板の間に備えてておく
と、超音波発生器の設置位置に係わらず、共振板間に超
音波の強い部位を形成して、拡繊を有効に実行し得る。
また、この場合、超音波の制御も容易となる。
【0022】更に、一対の共振板の間に、本願の拡繊用
のローラを設けておくと、ローラとの接触による拡繊と
共振した超音波による拡繊とを、特定された位置で同時
に作用させることができ、拡繊能を高めると共に、その
制御も容易となる。
【0023】
【発明の実施の形態】本願の拡繊システム1は、所謂、
マルチフィラメントFと呼ばれる繊維束2の複数を、そ
れぞれ個別に、一時に拡繊するためのシステムである。
【0024】図1は、本願の拡繊システム1の立面図で
あり、3本の繊維束2の拡繊を目的とした構成を示して
いる。図2は、本願のシステムの要部の斜視図を示すと
共に、図3に給糸調整用検出部9の概要を、図4に本願
システムにあって予備拡繊を行う予備拡繊用液槽3を備
えた予備拡繊装置4の概要を、本拡繊を行う本拡繊用液
槽5を備えた本拡繊装置6の概要を図5に示している。
【0025】本願が対象とするマルチフィラメントFの
一例を挙げると、このような繊維束2として、マルチフ
ィラメントF(無撚炭素繊維:7μmフィラメントの1
2,000本束=元幅約6mm、元厚約0.16mm)
を挙げることができる。このような繊維束を本願拡繊シ
ステム1によって、予備拡繊により、幅約7〜9mm、
厚0.08mm程度に拡繊すると共に、本拡繊により、
幅約25mm、厚0.02mm程度まで拡繊することが
できる。本願にあっては、本拡繊操作を完了した繊維束
を拡繊シート21と呼ぶ。
【0026】本願システムの概略構成を説明すると、図
1に示すように、システム1は、繊維束2の流送方向に
沿って、給糸部7、予備拡繊装置4、絞りローラ機構1
0a、駆動ローラ機構8、給糸調整用検出部9、本拡繊
装置6、絞りローラ機構10b、加熱部12、従動ロー
ラ機構11、および巻取部13を備えて構成されてい
る。
【0027】この構成より、給糸部7に配設されている
給糸ボビン70より、繊維束2を引き出して、所定の処
理を行った後、巻取部13で巻取ボビン130に巻き取
ることができる。ここで、給糸側の解除操作及び巻取側
の巻取り操作は、公知の解除、巻取り装置を備えること
で実行される。
【0028】さらに、給糸部7と巻取部13との間にお
ける繊維束2の流送制御は、前述の駆動ローラ機構8と
従動ローラ機構11との働きにより主に制御されるよう
に構成されており、この制御は給糸調整用検出部9から
の検出情報によるものとされている。
【0029】前記駆動ローラ機構8を構成する一対のロ
ーラに関して、その一方のローラ8aは、サーボモータ
8bにより駆動されるように構成されており、下記する
検出部9の出力情報に応じて、調速制御可能となってい
る。
【0030】給糸調整用検出部9は、図3に図示するよ
うに、流送されてくる繊維束2に対して、これに懸垂さ
れる重り14と、この重り14の懸垂位置を検出するた
めの懸垂位置検出機構15を備えて構成されている。こ
の懸垂位置検出機構15は、内部にレーザー式の検出装
置16を備えており、前記重り14、ひいては、この位
置における繊維束2の撓み量hを検出する。本願構造に
あっては、この位置における繊維束2の撓み量hは、後
述する本拡繊装置6に設けられている拡繊部17におけ
る撓み量Hに連動するため、この位置において、撓み量
hを検出することで、拡繊部17における撓み量H、ひ
いては、拡繊部17における繊維束2のオーバーフィー
ド状態を検出することができる。
【0031】この懸垂位置検出機構15の検出情報は、
前記駆動ローラ機構11に備えられるサーボモーター8
bに対する制御器8cに伝達され、繊維束2の流送制御
に役立てられる。ここで、制御器8cにおける制御は、
繊維束2のオーバーフィード状態を、拡繊部17におけ
る撓み量Hが所望の量となるように制御するものであ
る。
【0032】従って、給糸調整用検出部9の役割は、駆
動ローラ機構8と従動ローラ機構11との間にある繊維
束2に関して、所定の繊維束量が両者間に介在される状
態で、繊維束量を調節すると共に、後に詳細に説明する
本拡繊装置6に備えられる拡繊部17における繊維束2
の撓み量Hを所望の状態に保つものである。従って、繊
維束2の系内(駆動ローラ機構8から従動ローラ機構1
1までの間)への供給状態に従って、重り14の懸垂位
置が検出され、この懸垂位置に関連して、前記駆動ロー
ラ機構8における送り速度が制御されて、拡繊部17の
撓み量Hが調整される。以上の構成により、本願システ
ムに、本願でいう流送手段を備えることとなっている。
【0033】良好な制御が行われており、安定状態にあ
っては、両機構間にある繊維束量は一定に保たれると共
に、前記拡繊部17における繊維束2の撓み量Hが一定
に保たれる。
【0034】以上が、本願の拡繊システム1における繊
維束流送に関する記載であるが、以下に、拡繊操作に関
して説明する。
【0035】前記予備拡繊装置4は、超音波を利用した
超音波式拡繊装置として構成されており、図4に示すよ
うに超音波発生器18を備えた予備拡繊用液槽3内に繊
維束2を導くと共に、槽内に設けられている複数の拡繊
ローラ19に接触させて、繊維束2を屈曲させながら流
送すると共に、流送状態にある繊維束2に、同時に槽内
の液体を介して超音波を作用させ、繊維束を予備拡繊す
る。
【0036】この機構の構成を、図4に基づいてさらに
詳細に説明する。まず、予備拡繊用液槽内に超音波を発
生されるための超音波発生器18が槽の底に配設されて
いる。この発生器18により発生される超音波に対する
共振機構30として、この槽内に下端側部位が浸漬され
た一対の共振板30a,bが設けられている。
【0037】この共振板30a,bは、その長手方向
が、繊維束2の流送方向に合わさった配置とされてお
り、板間の離間距離を超音波の周波数との関係で、適切
に設定することで、一対の共振板30a,b間における
超音波の増強が可能となっている。図示するように、こ
の共振板30a,b間および、その導入部、導出部に亘
って、複数のローラ20a,19a,b,c,d,20
bが設けられており、これらのローラに接触して、繊維
束が流送されるようになっている。
【0038】この流送構造について説明すると、繊維束
2の流送方向に、入口ガイロドーラ20a、4本の拡繊
ローラ19、出口ガイドローラ20bを備えて構成され
ている。前記入口ガイドローラ20aは、繊維束2を予
備拡繊用液槽内の液中に案内するためのものである。前
記拡繊ローラ19は、槽内に4本千鳥状に配列されて設
けられており、繊維束はこれらのローラ19の一部表面
にそれぞれ接触しながら、屈曲経路を描いて流送される
ように構成されている。各繊維束2の拡繊は、この経路
に沿って順次進むこととなる。前記出口ガイドローラ2
0bは、このローラの下手側に設けられている絞りロー
ラ機構10aへの繊維束2の案内の用を果たす。
【0039】さて、本願にあっては、前述の拡繊ローラ
19が独特の構成を採用している。本願における拡繊ロ
ーラ19は、その表面起伏状態として、2種のものが採
用されており、さらに、その一部のローラに関しては、
表面がローラの軸方向(流送状態にある繊維束の幅方
向)で、湾曲した構造を有している。
【0040】以下、夫々に特徴に関して説明する。拡繊
ローラ19に関して、その上流側から順に、第一拡繊ロ
ーラ19a、第二拡繊ローラ19b、第三拡繊ローラ1
9c、第四拡繊ローラ19dと呼ぶと、これらのローラ
に関して、第一拡繊ローラ19aと、それ以外の拡繊ロ
ーラ19b,c,dとの表面起伏状態が、異ならせてあ
る。さらに具体的には、第一拡繊ローラ19aは、表面
がアルミナ球体のブラストを行って処理されたものであ
り、この処理の後、適度な電解研磨処理を施して、ロー
ラの表面は、図6(イ)に示すように、表面外方に突出
する突起部Pに関して、突出側pが先鋭とされ、突起底
部側が滑らかな凹状曲面となる凹部が多数形成された凹
状表面起伏を有するものとされている。この様な表面状
態の拡繊ローラ19を、本願にあっては第一種拡繊ロー
ラと呼ぶ。
【0041】一方、第二拡繊ローラ19b、第三拡繊ロ
ーラ19c、第四拡繊ローラ19dとしては、ローラ表
面を化学研磨処理したものとしている。このような処理
を施すことにより、ローラ表面は結晶粒界に沿って、鋭
い亀裂が形成されたものとなり、その表面にメッキ処理
等を施すことで、図6(ロ)に示すように、ローラの表
面は、表面外方に突出する突起部Pに関して、突出側p
が表面に沿って比較的大きな弧状を描き滑らかとされた
弧状表面起伏を有するものとされている。この様な表面
状態の拡繊ローラ19を、本願にあっては第二種拡繊ロ
ーラと呼ぶ。ここで、図示するように、第二種拡繊ロー
ラが配置されている部位は、超音波発生器18のほぼ直
上にあり、超音波の比較的強い部位である。
【0042】上記のように、拡繊の進行度合いと、超音
波の強度との関係にあって、超音波が比較的弱く、拡繊
が実質的に始まる位置に第一種拡繊ローラを、超音波に
よる拡繊力が強い位置に第二種拡繊ローラを配置するこ
とで、拡繊の初期には、繊維束を櫛けずるようにして、
拡繊を行ない、拡繊がある程度進んだ状態では、超音波
によって、突起の凸端近傍で、各フィラメントを自由に
運動できるようにして、強い拡繊能を発揮することがで
きる。
【0043】さて、各拡繊ローラ19は以上のような特
徴的なローラ表面構造を有しているが、同時に、以下の
ような工夫もされている。即ち、本願の第二拡繊ローラ
19bにあっては、このローラの繊維束2の接触部に関
して、繊維束の幅方向(ローラの軸方向)で、その全幅
に亘ってローラ表面が湾曲する(図4に示すものにあっ
ては、上に凸状の湾曲)湾曲面とされている。この構造
からも、このローラ19bに接触する繊維束は拡繊操作
を受けるようにされている。
【0044】以上のようにして、第一〜第四の拡繊ロー
ラ19a,b,c,dに亘って繊維束を流送することに
より、順次、繊維束を拡繊することができる。
【0045】拡繊された繊維束は、出口ガイドローラ2
0bにより、絞りローラ機構10aに導入される。
【0046】この絞りローラ機構10aは、一部が液中
に浸漬されている金属ローラ100a(このローラを、
本願にあっては第一絞りローラと呼ぶ)と、この金属ロ
ーラ100aに上側から当接するゴムローラ100b
(このローラを、本願にあっては第二絞りローラと呼
ぶ)から構成されており、両ローラ間を拡繊済みのシー
トが通過することで、付着した液が除去される。
【0047】この絞りローラ機構10aにおいて、予備
拡繊済みの繊維束2が金属ローラ100aに対して、こ
れに接触しながら、液中から空気中へ導き出され、さら
に、導出後、比較的短時間で絞り操作が施されることに
より、液の表面張力による拡繊不良を起こすことはな
い。前記絞りローラ機構10aが、本願にいう拡繊済繊
維束導出機構の役割をする。
【0048】次に本拡繊装置6に関して説明する。この
本拡繊装置6も繊維束2の拡繊を液体内で行うものであ
り、図5に示すように、本拡繊用液槽5を備えると共
に、繊維束2を流送方向に導くためのガイドローラ20
c、d、e、本拡繊を液体流を利用しておこなう拡繊部
17、前記拡繊部17において拡繊されて得られる拡繊
シート21を液中から気体中へ引き出すと共に、拡繊シ
ート21の絞り操作を行う絞りローラ機構10bを備え
ている。
【0049】本拡繊装置6にあっては、本拡繊用液槽5
内外において、第一、第二、第三ガイドローラ20c,
20d,20eが設けられており、第一ガイドローラ2
0cは、繊維束2を液体内に導入するための役割を果た
すと共に、拡繊部17の上流側と下流側との両側に亘っ
て設けられる二対の第二ガイドローラ20dは、拡繊部
17において繊維束2に撓みを付与するための支持用と
しての役割を果たす。第三ガイドローラ20eは、拡繊
部17より送出されてくる拡繊シート21を絞りローラ
機構10bを成す一方の金属ローラ100aに導く。
【0050】所定の経路を経て送流される繊維束2は、
拡繊部17において本拡繊を受けるのであるが、この拡
繊部17の構造は以下の通りである。
【0051】図1、5に示すように、本拡繊用液槽5に
対して、その槽内の液体を所定の循環路を介して循環さ
せる循環ポンプ22が備えられている。即ち、本拡繊用
液槽5内に設けられた拡繊部17の下流側には、吸引流
路23、さらにその下手側に貯液部24が設けられると
共に、この貯液部24の流出側が、前記循環ポンプ22
の流体吸引口22aに接続されている。
【0052】一方、この循環ポンプ22の流体吐出口2
2bは、前記本拡繊用液槽5に吐出流体を戻すように接
続されている。
【0053】さて、前記拡繊部17の近傍の構造に関し
て説明すると、この拡繊部17の上流側には整流流路形
成体25が、その下流側には吸引流路形成体26が備え
られている。これらの形成体25、26は、図2、4に
示すように、それぞれ、単一の繊維束2に対する拡繊部
17の流路断面形状(方形形状)をそのまま、流体の流
れ方向(実際は上下方向)に維持して構成されるもので
あり、各繊維束毎に、流路を独立に構成するものとされ
ている。
【0054】図示するように、整流流路形成体25の流
入口25aは、本拡繊用液槽5の液面よりも低い位置と
されており、流入口25aの周部より、整流流路27に
液が流れ込む。さらに、このようにして流入した液は、
整流流路27で整流されて拡繊部17に至り、さらに吸
引流路23を流れた後、貯液部24に流入する。
【0055】貯液部24は、複数設けられている拡繊部
17の対して共通の単一貯液空間を提供するように構成
されており、複数の拡繊部間における流量差を吸収する
ことができると共に、循環ポンプ22からの影響を低減
することができる。よって、以上の構成で、流体流発生
手段が構成されている。
【0056】前述の拡繊部17にあっては、この部位で
の液体流の流速と、繊維束2のオーバーフィード状態と
の関係で、これまで説明してきた、撓み状態が発生し、
液体流による流体力学的作用で、繊維束の拡繊が良好に
行われる。
【0057】このようにして、拡繊部17において拡繊
された繊維束(拡繊シート21と呼べる状態となってい
る)は、第三ガイドローラ20eに導かれ、絞りローラ
機構10b内に導入される。
【0058】この絞りローラ機構10bは、前述のよう
に、一部が液中に浸漬されている金属ローラ100a
と、この金属ローラ100aに上側から当接するゴムロ
ーラ100bから構成されており、両ローラ間を拡繊済
みのシートが通過することで、拡繊シート21に付着し
た液を除去する。
【0059】この絞りローラ機構10bにおいても、拡
繊シート21が金属ローラ100aに対して、これに接
触しながら、液中から空気中へ導き出され、さらに、導
出後、比較的短時間で絞り操作が施されることにより、
液の表面張力による拡繊不良を起こすことはない。
【0060】さて、絞り操作後の拡繊シート21は、適
宜配設置されるローラ28に案内されて加熱部12に導
かれると共に、巻取部13に導かれる。
【0061】加熱部12は、拡繊シート21に残存する
液体分を乾燥により除去するための乾燥部12aと、拡
繊シート21を成すフィラメントに付着されており、フ
ィラメントを接着させることがあるサイジング剤等を軟
化、再分散させるための再熱処理部12bとからなって
いる。以上の構成により、加熱部12において、乾燥お
よび再熱処理を行って、巻取部13で、拡繊シート21
を巻き取ることで、巻取ボビン130に巻き取られた拡
繊シート21を得ることができる。
【0062】
【実施例】上記の拡繊システムを使用して、予備拡繊を
行なった後、本拡繊を行なうと共に、得られた拡繊シー
トを利用して織物を製織し、その織物を利用してプリプ
レグを作成した結果を表1に示した。
【0063】実施例は3例とした。表1には、拡繊前
(但し予備拡繊を終了しているもの)の繊維束に対し
て、フィラメント平均径、フィラメント数、繊維束の厚
み(元厚t0として示す)、繊維束の幅(元幅D0とし
て示す)及び繊維束の元幅/元厚(D0/t0)、繊維
強度(MPa)、弾性率(GPa)を示した。さらに、
拡繊後の繊維束に対して、繊維束の厚み(拡繊厚tfと
して示す)、厚み方向のフィラメントの段数、繊維束の
幅(拡繊幅Dfとして示す)及び繊維束の拡繊幅/拡繊
厚(Df/tf)を示すと共に、拡繊後の繊維束の繊維
強度(MPa)、弾性率(GPa)を示した。
【0064】さらに、繊維束を使用して得られた織物に
関して、それらの織組織、目付け(g/m2)、厚み
(mm)を示した。但し、実施例2に関しては、織組織
を形成せず、繊維束を一方向に引き揃えた状態での使用
とした(表1にあっては織組織の部位にUDとして示し
ている)。
【0065】また、得られたプリプレグに関して、目付
け(g/m2)、樹脂含有率(%)、曲げ強度(MP
a)、曲げ弾性(GPa)、繊維含有重量(%)を示し
た。
【0066】
【表1】 表からも判明するように、実施例1、2、3に関して、
拡繊前、拡繊後の繊維強度について、強度の向上が見ら
れ、フィラメント個々の配向性がさらに上がっているも
のと考えられる。さらに、得られた織物、プリプレグ
は、軽量で、実用上の強度条件を充分に満たすものであ
った。
【0067】〔別実施の形態〕 (1) 上記の実施の形態においては、拡繊用の液体と
して水を使用する例を示したが、拡繊効果を上げるため
には、水にアルコール、あるいは界面活性剤を混ぜて、
拡繊を行ってもよい。
【0068】(2) 前記の実施の形態にあっては、所
定のローラに接触させながら、拡繊済みの繊維束を液中
から液外へ導いて、拡繊済みの繊維束の拡繊状態を維持
するようにして、拡繊状態維持を図る構成としたが、拡
繊状態の維持にあっては、気流等を当てることにより拡
繊状態を維持する構造を採用することができる。
【0069】(3) さらに、前記の実施の形態にあっ
ては、繊維束に対して絞り操作をすることにより、液を
絞り除去するものとしたが、繊維束からの液の除去に際
しては、任意の構造が採用でき、先に示したと同様に気
流等を利用することも可能である。
【0070】(4) 前記拡繊ローラとして、その表面
起伏状態を異ならせるに、本願にいう第一種拡繊ローラ
と第二種拡繊ローラとの組み合わせにおいて、異なった
種類のローラによる拡繊構造を得るものとしたが、例え
ば、異なった種類として、前記第一種、第二種を採用す
るほか、単に表面がフラットな拡繊ローラを採用しても
よく、さらに、第一種、第二種の拡繊ローラを組み合わ
せて使用する場合のみならず、単一種拡繊ローラ(例え
ば第一種拡繊ローラのみ)を使用する場合にあっても、
そのローラ表面に形成される突起の高さ、大きさ等を変
化させて異なった表面起伏状態の拡繊ローラを構成して
もよい。
【0071】(5) 上記の実施の形態にあって、湾曲
状接触面を構成するに、所謂、太鼓状(ローラ軸方向の
中央側が張り出したもの)のものを採用して、拡繊を高
める側に、その表面形状を利用したが、逆に、つづみ状
(ローラ軸方向の中央側が窪んだもの)として、拡繊済
みの繊維束の幅の調整(例えば、超音波により充分すぎ
るほどの拡繊状態にある場合に、各フィラメントの平行
性を整えるようにする)を目的として、採用してもよ
い。
【0072】(6) 上記の実施の形態にあっては、マ
ルチフィラメントが炭素繊維からなるものを示したが、
ガラス繊維、アラミド繊維、PBO繊維、ビニロン繊
維、セラミック繊維等からなるものにあっても、本願は
適応できる。 (7) 上記の実施の形態にあっては、超音波式拡繊装
置の後段に流体流式拡繊装置を備える構成を示したが、
繊維束によっては、先に示したように、この順番を逆と
してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願の拡繊システムの全体構造を示す立面図
【図2】本願の拡繊システムの要部構成を示す図
【図3】給糸調整用検出部
【図4】予備拡繊装置の説明図
【図5】本拡繊装置の説明図
【図6】拡繊ローラの表面起伏状態の説明図
【符号の説明】
1 拡繊システム 2 繊維束 4 予備拡繊装置 6 本拡繊装置 8 駆動ローラ機構 9 給糸調整用検出部 10a絞りローラ機構 10b絞りローラ機構 11 従動ローラ機構 17 拡繊部 18 超音波発生器 19 拡繊ローラ 20 ガイドローラ 21 拡繊シート 22 循環ポンプ 23 吸引流路 24 貯液部 25 整流流路形成体 26 吸引流路形成体 27 整流流路 30 共振機構 100a 金属ローラ 100b ゴムローラ F マルチフィラメント
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭49−19172(JP,A) 特開 昭63−59473(JP,A) 特公 平4−70420(JP,B2) 国際公開97/41285(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D02J 1/00 - 13/00 D04H 1/00 - 18/00 B29B 11/16 B29B 15/08 - 15/14 C08J 5/04 - 5/10 C08J 5/24

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のフィラメントが集合されてなる繊
    維束を拡繊対象とし、 前記繊維束が張力を付与された状態で、複数のローラに
    対して各ローラ表面に接触しながら屈曲経路を成して流
    送される繊維束流送部を液中に備えると共に、前記液中
    に超音波を伝播させて前記繊維束流送部の繊維束を拡繊
    する超音波式拡繊装置を予備拡繊装置として備え、 前記予備拡繊装置により拡繊された予備拡繊済み繊維束
    を、さらに拡繊する本拡繊装置を備え、 前記本拡繊装置が、前記予備拡繊済み繊維束を拡繊する
    拡繊部と、前記予備拡繊済み繊維束を拡繊する流体流を
    発生させる流体流発生手段とを備え、 前記拡繊部において、流送されてくる前記予備拡繊済み
    繊維束に対して交差して前記流体流を通過させ、前記予
    備拡繊済み繊維束を流体流の下流方向へ撓ませると共
    に、前記流体流により前記予備拡繊済み繊維束を繊維束
    幅方向に解き分ける流体流式拡繊装置である拡繊システ
    であって、 前記予備拡繊済み繊維束をオーバーフィード制御しなが
    ら前記本拡繊装置へ流送供給する流送手段として、 前記予備拡繊済み繊維束に対して懸垂される重り及び前
    記重りによる前記予備拡繊済み繊維束の撓み量を検出す
    る検出装置を有する検出部とを備え、 前記検出装置の検出情報に基づいて前記本拡繊装置への
    給糸を調整自在に構成される拡繊システム。
  2. 【請求項2】 複数のフィラメントが集合されてなる繊
    維束を拡繊対象とし、 前記繊維束を拡繊する拡繊部と、前記繊維束を拡繊する
    流体流を発生させる流体流発生手段とを備え、 前記拡繊部において、流送されてくる前記繊維束に対し
    て交差して前記流体流を通過させ、前記繊維束を流体流
    の下流方向へ撓ませると共に、前記流体流により前記繊
    維束を繊維束幅方向に解き分ける流体流式拡繊装置を予
    備拡繊装置として備え、 前記予備拡繊装置により拡繊された予備拡繊済み繊維束
    を、さらに拡繊する本拡繊装置を備え、 前記本拡繊装置が、予備拡繊された予備拡繊済み繊維束
    が張力を付与された状態で、複数のローラに接触しなが
    ら屈曲経路を成して流送される繊維束流送部を液中に備
    えると共に、前記液中に超音波を伝播させて前記繊維束
    流送部の予備拡繊済み繊維束を、さらに拡繊する超音波
    式拡繊装置である拡繊システムであって、 前記予備拡繊済み繊維束をオーバーフィード制御しなが
    ら前記本拡繊装置へ流送供給する流送手段として、 前記予備拡繊済み繊維束に対して懸垂される重り及び前
    記重りによる前記予備拡繊済み繊維束の撓み量を検出す
    る検出装置を有する検出部とを備え、 前記検出装置の検出情報に基づいて前記本拡繊装置への
    給糸を調整自在に構成される拡繊システム。
  3. 【請求項3】 前記流体流式拡繊装置において拡繊に使
    用される前記流体流が液体流である請求項1または2記
    載の拡繊システム。
  4. 【請求項4】 第一絞りローラおよび、前記第一絞りロ
    ーラに当接する第二絞りローラを有する絞りローラ機構
    を介して、前記液中より気体中に拡繊済み繊維束を導出
    する拡繊済繊維束導出機構を備え、 前記拡繊済繊維束導出機構において、前記第一絞りロー
    ラが前記液中に浸漬されており、前記拡繊済みの繊維束
    が前記第一絞りローラに接触した状態で液中より液外に
    導出されると共に、当該繊維束が前記第一絞りローラ及
    び第二絞りローラによって絞り操作されて導出される請
    求項1または2記載の拡繊システム。
  5. 【請求項5】 前記超音波式拡繊装置に関して、前記繊
    維側流送部に、拡繊用の超音波に共振する共振機構を備
    えた請求項1〜4の何れか1項記載の拡繊システム。
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