JP2000234256A - 合成繊維束の浴中延伸方法およびその装置 - Google Patents

合成繊維束の浴中延伸方法およびその装置

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JP2000234256A
JP2000234256A JP11034512A JP3451299A JP2000234256A JP 2000234256 A JP2000234256 A JP 2000234256A JP 11034512 A JP11034512 A JP 11034512A JP 3451299 A JP3451299 A JP 3451299A JP 2000234256 A JP2000234256 A JP 2000234256A
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fiber bundle
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roller
take
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Kenji Nishimura
謙史 西村
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 合成繊維束群の浴中延伸に際して、浴液の乱
れに起因する単繊維の混繊、単繊維切れなどを解消でき
る方法とそのための装置を提供する。 【解決手段】 浴液(4)中に浸漬された供給ローラ(2)と
引取りローラ(3)とからなる一対のローラ間の相対回転
速度差によって、合成繊維束群(1)を浴中延伸する浴中
延伸方法において、浴液(4)中を走行する繊維束群(1)に
随伴する浴液流を繊維束群(1)の走行方向へ整流板(6)に
よって常に整流するとともに、繊維束群(1)の走行方向
へ流れる随伴浴液流と干渉しないように、引取りローラ
(3)から反射する随伴浴液流を引取りローラ(3)の近傍で
上方へ分離して逃がすことを特徴とする合成繊維束の浴
中延伸方法とその装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は合成繊維束群を高倍
率延伸して極細繊維とするための浴中延伸方法とその装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ポリエステル繊維やナイロン繊維
などの合成繊維の製造においては、生産効率を高め、繊
維の製造原価を低減することは極めて重要な問題となっ
ている。このため、繊維を紡糸するに当たって、多くの
紡糸孔を持つ大径の紡糸口金を使用したり、錘数を増や
したり、製糸速度を高速化するなどが要求される。例え
ばステープルファイバーの紡糸工程において、合成繊維
を紡糸してサブトウとなし、このサブトウを数十本合せ
て数千万デニールのトウとして、このトウを浴液中で延
伸することが試みられている。
【0003】また、紡糸した繊維束群を高倍率延伸して
極細繊維とするために浴中延伸することも行われてお
り、このような場合には繊維束群を浴槽中で大量かつ高
速に浴中延伸するようになってきた。しかしながら、繊
維束群を浴槽中で大量かつ高速に浴中延伸するために
は、解決しなければ成らない問題も数多く残されてい
る。
【0004】これら諸問題の中で、浴液中で大量かつ高
速で延伸を行おうとすると、繊維束群が大量かつ高速で
浴液中を走行するため、浴液が乱されるという問題があ
る。もし、このような浴液の乱れが発生すると、繊維束
群の走行状態が乱されるため、隣接する繊維束同士が互
いに交絡して混繊したり、或いは大きな延伸張力が作用
して伸び切った状態にある繊維束同士が互いに交差して
単繊維切れを起こしたり、場合によっては繊維束自体の
切断が生じるという重大な問題を惹起する。
【0005】前述の浴液の乱れは、図3に示すように、
回転速度が異なる供給ローラ2と引取りローラ3とを浴
液4中に浸漬し、これらローラ間で繊維束群1を延伸し
ようとする場合に顕著に生じる。何故ならば、大量かつ
高速で浴液4中を走行する繊維束群1に随伴する浴液流
が繊維束群1に随伴して引取りローラ3にまで達する
と、この引取りローラ3に随伴浴液流が跳ね返されて反
射液流が生じ、この反射液流と随伴浴液流とが互いに干
渉し合って浴液を乱すからである。
【0006】この問題を解決するための従来技術として
は、特公平4−5779号公報において、図4に示すよ
うに供給ローラ2は浴液4中に浸漬させたままにして、
随伴浴液流の反射を引き起こす引取りローラ3は、浴液
に浸漬させずに浴液から出し、引取りローラ3の代わり
に固定ガイド7を浴液中に追加して設けることが提案さ
れている。しかしながら、今日のように、繊維束群を益
々大量かつ高速に処理することが要求される事態になっ
てくると、今度は固定ガイド7からの反射液流の影響も
無視できなくなってきており、既に述べたような種々の
不利益を惹起するようになってきた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上に述べた従来の諸
問題に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、「合成
繊維の浴中延伸処理における、繊維束群が大量かつ高速
に浴液中を走行することによって引き起こされる固定ガ
イド或いは引取りローラからの反射液流と随伴浴液流と
が互いに干渉し合って浴液が乱れるのを防止すること」
にある。そして、その結果として、「隣接する繊維束同
士が互いに交絡して混繊したり、或いは大きな延伸張力
が作用して伸び切った状態にある繊維束同士が互いに交
差して単繊維切れを起こしたり、場合によっては繊維束
自体の切断が生じるという問題」を解決することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】ここに、本発明の合成繊
維束の浴中延伸方法として、「浴液中に浸漬された供給
ローラと引取りローラとからなる一対のローラ間の相対
回転速度差によって、合成繊維束群を浴中延伸する浴中
延伸方法において、浴液中を走行する前記の繊維束群に
随伴する浴液流を繊維束群の走行方向へ常に整流すると
ともに、繊維束群の走行方向へ流れる該随伴浴液流と干
渉しないように、前記の引取りローラから反射する随伴
浴液流を該引取りローラの近傍で上方へ分離して逃がす
ことを特徴とする合成繊維束の浴中延伸方法」が提供さ
れる。
【0009】また、本発明の合成繊維束の浴中延伸装置
として、「合成繊維束群を浴液中で延伸するための浴
槽、該浴槽中で各繊維束の走行を浴液中で並列させて走
行させる一対の供給ローラと引取りローラ、及び該繊維
束群の走行方向に沿ってその上方に近設された整流板を
有する合成繊維束の浴中延伸装置」が提供される。この
場合、更に、本発明の合成繊維束の浴中延伸装置として
は、前記整流板の後端と引取りローラとを少なくとも1
00mm隔てることが浴液の乱れの影響を少なくする上
で好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら詳細に説明する。図1及び図2
は、本発明の合成繊維束の浴中延伸方法と装置装置とに
関して、その実施形態を模式的に説明するための側面図
と平面図をそれぞれ示す。該図に記載されている符号に
ついて先ず説明すると、1は合成繊維束群(以下、単に
「繊維束群1」と称する)、2は供給ローラ、3は引取
りローラ、4は浴液、5は浴槽、そして、6は整流板を
それぞれ示す。このような合成繊維束の液中延伸装置で
は、繊維束群1は加熱されて所定の温度に保たれた浴槽
5中に満たされた浴液4中を走行する。この時、所定の
延伸倍率となるように回転速度が互いに調整制御された
一対のローラ(前述の「供給ローラ2」と「引取りロー
ラ3」)間に繊維束群1を走行させる。そして、これに
よって、供給ローラ2と引取りローラ3との間で所定の
延伸倍率で浴中延伸される。
【0011】以上のように構成される本発明の方法で
は、「浴液4中を走行する繊維束群1に随伴する浴液流
を繊維束群1の走行方向へ常に整流するとともに、繊維
束群1の走行方向へ流れる該随伴浴液流と干渉しないよ
うに、引取りローラ3から反射する随伴浴液流を該引取
りローラ3の近傍で上方へ分離して逃がすこと」を一大
特徴とする。
【0012】そして、このような方法を具体的に適用す
るための本発明の装置として、「繊維束群1を浴液4中
で延伸するための浴槽5、該浴槽5中で各繊維束の走行
を浴液中で並列させて走行させる一対の供給ローラ2と
引取りローラ3、及び該繊維束群1の走行方向に沿って
その上方に近設された整流板6を含む合成繊維束の浴中
延伸装置」とすることを一大特徴とする。
【0013】ここで、前記の整流板6は、走行する繊維
束群1に随伴して流れる浴液を繊維束群1の走行する方
向へ整流して流すための役割を果たさせるために、繊維
束群1に近設する必要がある。このようにすることで、
随伴する浴液がその上部の浴液と互いに干渉し合って剥
離して乱れた流れとならないように、随伴浴液流を整流
することができる。
【0014】このようにして該整流板6によって、繊維
束群1に随伴する浴液流は、引取りローラ3まで繊維束
群1に随伴する。この時、図3に示した従来技術のよう
に整流板6が設けられていない場合には、随伴浴液流は
引取りローラ3に当たって反射され、反射浴液流を形成
する。しかしながら、この反射浴液流は、走行する繊維
束群1に随伴して次々に送られてくる随伴浴液流と互い
に干渉し合って、図3中の矢印で示したような浴液4の
乱れを惹起することは既に述べた所である。
【0015】そこで、本発明においては、随伴浴液流と
反射浴液流を整流板6によって分離し互いに干渉し合わ
ないように、反射浴液流を整流板6の上方へと分離して
逃がすことで、図1中に矢印で示したようなスムーズな
浴液流の循環を形成させる。この場合、引取りローラ3
から反射される浴液流の戻液が渦を形成しなうように整
流板6の上方へと分離して流すためには、整流板6の後
端(引取りローラ3に最も近い整流板6の端部)と引取
りローラ3とを少なくとも100mm隔てることが必要
である。なお、供給ローラ2部から供給されて走行する
繊維束群1へもスムーズな随伴浴液流を整流板6の上方
から下方へ供給する場合においても、同様のことが言
え、この場合も整流板6の前端と供給ローラ2との間の
距離を少なくとも100mm以上隔てておくことが好ま
しい。
【0016】次に、整流板6と繊維束群1との間の関係
について述べると、整流板6の幅は繊維束群1に対して
同幅か或いは若干広めとすることが、スムーズな随伴浴
液流を形成する上で好ましい。また、繊維束群1と整流
板6との間の距離は、浴液中を走行させる繊維束の量、
延伸倍率、走行速度などによって、随伴浴液流の流量や
流速が変わってくる上に、引取りローラ3からの反射浴
液流の量や強さも変わってくるため、これらの条件に合
わせて、その間隔を適宜調整することが好ましい。
【0017】また、整流板6は、随伴浴液流が引取りロ
ーラ3にぶつかる量を少なくするか、なるべくぶつから
ないようにするために、引取りローラ3の近傍におい
て、随伴浴液流が引取りローラ3の下方へと流れるよう
に随伴浴液流を誘導するようにしても良い。この場合、
整流板6の形状は、引取りローラ3の近傍において、随
伴浴液流が徐々に下方へと流れの方向を変えられるよう
に、下方へなだらかに屈曲させ、これによって整流板6
の屈曲面に沿って随伴浴液流を下方へ誘導しても良い。
なお、このようにして、引取りローラの下方へと随伴浴
液流を誘導して流すことで、引取りローラ3の下方へ誘
導された随伴浴液流は、今度は引取りローラ3の回転方
向に沿って形成される随伴浴液の流れに乗って移動する
ため、引取りローラ3に当たって反射することはなくな
る。したがって、最早、走行する繊維束群1によって形
成される随伴浴液流と干渉することもなくなる。
【0018】本発明の整流板6の厚みは、その形状が常
に安定して維持されるような値であればよく、特に制限
することはないが、通常0.5〜5.0mm程度で良
い。また、その材質は浴液によって腐食しない材料、例
えばステンレス鋼などを使用することが好ましい。
【0019】
【発明の効果】以上に詳細に述べたように、本発明によ
れば、合成繊維の浴中延伸処理における、繊維束群が大
量かつ高速に浴液中を走行することによって引き起こさ
れる固定ガイド或いは引取りローラからの反射液流と随
伴浴液流とが互いに干渉し合って浴液が乱れるのを防止
することができる。その結果として、隣接する繊維束同
士が互いに交絡して混繊したり、或いは大きな延伸張力
が作用して伸び切った状態にある繊維束同士が互いに交
差して単繊維切れを起こしたり、場合によっては繊維束
自体の切断が生じるという問題を解消できるという顕著
な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法とその装置を模式的に例示した説
明図(側面図)である。
【図2】本発明の方法とその装置を模式的に例示した説
明図(平面図)である。
【図3】従来の方法とその装置を模式的に例示した説明
図(側面図)である。
【図4】従来の方法とその装置を模式的に例示した他の
説明図(側面図)である。
【符号の説明】
1 合成繊維束群 2 供給ローラ 3 引取りローラ 4 浴液 5 浴槽 6 整流板

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 浴液中に浸漬された供給ローラと引取り
    ローラとからなる一対のローラ間の相対回転速度差によ
    って、合成繊維束群を浴中延伸する浴中延伸方法におい
    て、 浴液中を走行する前記の繊維束群に随伴する浴液流を繊
    維束群の走行方向へ常に整流するとともに、繊維束群の
    走行方向へ流れる該随伴浴液流と干渉しないように、前
    記の引取りローラから反射する随伴浴液流を該引取りロ
    ーラの近傍で上方へ分離して逃がすことを特徴とする合
    成繊維束の浴中延伸方法。
  2. 【請求項2】 合成繊維束群を浴液中で延伸するための
    浴槽、該浴槽中で各繊維束の走行を浴液中で並列させて
    走行させる一対の供給ローラと引取りローラ、及び該繊
    維束群の走行方向に沿ってその上方に近設された整流板
    とを含む合成繊維束の浴中延伸装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の合成繊維束の浴中延伸装
    置において、前記整流板の後端と引取りローラとを少な
    くとも100mm隔てることを特徴とする合成繊維束の
    浴中延伸装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007167509A (ja) * 2005-12-26 2007-07-05 Daio Paper Corp 吸収体の製造装置
CN101967735A (zh) * 2010-09-17 2011-02-09 西安航科等离子体科技有限公司 一种用于生产连续碳纤维的浸液机
CN114875592A (zh) * 2022-05-06 2022-08-09 福建省莆田远航服饰有限公司 一种警用服饰编织产品用涤纶纤维牵伸装置

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