JP3382132B2 - 金属板の矯正方法および矯正装置 - Google Patents

金属板の矯正方法および矯正装置

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JP3382132B2
JP3382132B2 JP20255697A JP20255697A JP3382132B2 JP 3382132 B2 JP3382132 B2 JP 3382132B2 JP 20255697 A JP20255697 A JP 20255697A JP 20255697 A JP20255697 A JP 20255697A JP 3382132 B2 JP3382132 B2 JP 3382132B2
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初重 田中
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は金属板の矯正方法お
よびその矯正方法に用いる矯正装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に圧延薄鋼板をスリッティングし
たりシャーリングして所定の幅に切断した帯状の金属板
を、レベラーに通し、孔あけ加工や切断などのプレス加
工を施し、その後にプレスブレーキなどでL字状に折り
曲げると、図9aのように横方向(幅方向)に曲がった
製品(曲げ板)101が得られることがある。なお符号
Wは同一の製品101を互いに向き合わせたときの隙間
であり、反りないし曲がりの2倍の寸法となる。そのよ
うな曲がりないし湾曲が許容寸法を超えると、不良品と
なり、歩留まりが低下する。この曲がりの原因はいくつ
か考えられるが、図9bのように元のコイル材102を
所定の幅のコイル材103にするスリッティングの時に
生じた曲がりが、レベラーによる矯正や、折り曲げ後に
そのまま現れることが原因のひとつとして考えられる。
また、元の板の厚さが不均一であったり、内部歪みを有
していたりする場合に、その金属板をレベラーに通すこ
とにより、あるいは折り曲げ加工することにより、曲が
りとして顕在化することも原因として考えられる。
【0003】たとえばコイル材102を製造する冷間圧
延などのとき、加圧ローラの中央部では比較的厚さが均
一である。しかし図9cに示すように、コイル材102
の側縁部近辺では、側縁104に近づくにしたがってわ
ずかに薄くなる傾向がある。このようなコイル材102
は内部歪みを有しており、スリッティングによりその内
部歪みが顕在化し、横方向に曲がることが考えられる。
またスリッティングしたコイル材103のうち側辺近辺
のものは、厚さTが不均一となり、プレス成形の前にレ
ベラーで波打ちを矯正するときに、内部応力の変化など
の影響で、わずかに横方向に曲がるとも考えられる。
【0004】従来、上記の曲げ板の曲がりを防止するに
は、できるだけ厚さが均一な圧延鋼板を購入するか、あ
るいはスリッティングした板を購入する場合は、できる
だけ曲がりのないものを購入するなど、購入時の寸法管
理を厳しくすることで対応している。自社で切断する場
合は、切断幅の寸法管理を厳しくし、板の横方向の曲が
りを拘束しながら切断する場合もある。また、製品が曲
がった場合は、ローラーベンダーで曲げたり、プレスな
どで矯正することも考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記購入品の寸法管理
を厳しくすることや、自社での切断時の寸法管理を厳し
くすることは、コストアップにつながる。また、曲がり
が生じた製品を矯正することは量産する場合は実際には
困難であり、できたとしてもコストがかかりすぎる。本
発明は曲がりが生じている板の顕在あるいは潜在してい
る曲がりをあらかじめ矯正する方法を提供することを技
術課題としている。さらに本発明は、そのような矯正方
法に用いる矯正装置を提供することを技術課題としてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の金属板の曲がり
矯正方法は、顕在的に横方向に湾曲している帯状の金属
板を長手方向に走行させる工程と、その金属板を、前記
湾曲の内側に該当する側縁の近辺に沿い、幅が狭い加圧
ローラで金属板の表面に線状の圧痕が残る程度に線状に
挟圧加工する工程とを含むことを特徴としている。本発
明の金属板の曲がり矯正方法の第2の態様は、潜在的に
横方向に湾曲している帯状の金属板を長手方向に走行さ
せる工程と、その金属板の潜在的な湾曲の内側に相当す
る側縁の近辺に沿い、幅が狭い加圧ローラで線状の挟圧
加工する工程とを含むことを特徴としている。前記いず
れの場合も、前記挟圧加圧する工程の後、さらに金属板
を所定の長さに切断し、曲がりを測定し、その曲がりが
なくなるように、前記挟圧加工の加工ローラの位置およ
び加圧力を調節する工程を含むのが好ましい。さらに
記挟圧加圧する工程の後、さらに金属板をレベラーに通
して全体の波打ちを矯正する工程を行ってもよい。
【0007】
【0008】本発明の矯正装置は、前記矯正方法に用い
金属板の矯正装置であって、前記帯状の金属板を加
するための上側のローラと、その上側のローラの加圧力
を支持するべく前記金属板の下面側に設けられる下側の
ローラとからなる加圧ローラを有し、前記上側のローラ
の幅が狭く、かつ軸心方向に位置調整自在に支持されて
おり、さらに加圧ローラの加圧力が調整自在に構成され
ていることを特徴としている。このような矯正装置で
は、上下一対のそれぞれのローラの幅が狭く、それぞれ
軸心方向に位置調整自在に支持されているものであって
もよい。さらに前記上側のローラが軸方向に2セット設
けられているものが好ましい。本発明の矯正装置の第2
の態様は、前記レベラーを用いる矯正方法に用いる金属
板の矯正装置であって、 レベラーと、そのレベラーの
入り口側に設けられた前述の矯正装置とからなることを
特徴としている。
【0009】
【作用】本発明の矯正方法の第1の態様(請求項1)
は、帯状の金属板があらかじめ湾曲している場合に採用
する方法であり、その湾曲している側の側縁の近辺に沿
って金属板の表面に線状の圧痕が残る程度に線状に加圧
する。そのとき、その加圧した部分がいくらか伸ばされ
る。すなわち目ではほとんど見えない程度の浅い溝を形
成するので、その部位が長手方向に伸ばされる。そのた
め帯状の金属板は、湾曲している外側の側縁方向に、い
わば同一平面内で強制的に曲げられる。それにより最初
の曲がりが緩和され、適切な加圧条件ではほとんど曲が
りがなくなる。なお浅い溝の形状は目では見えないが、
通常はローラの幅と同一の圧痕が線状に残る。また、通
常は内部応力も惹起される。このように本発明の方法で
は、単に不良な部分を矯正するというよりも、正常な部
分にあえて不良部分を生じさせ、最終的に全体の曲がり
をなくす点に特徴がある。
【0010】本発明の矯正方法の第2の態様(請求項
2)は、金属板があらかじめ湾曲しておらず、レベラー
に通すことによって湾曲が顕在化する場合に採用する方
法であり、その湾曲の内側になる側の側縁に沿って線状
に加圧する。それにより前述のように加圧した側が伸ば
され、湾曲することになる。この場合、レベラーで矯正
するときに逆方向に湾曲するので、結果としてほとんど
湾曲がない板材が得られる。本発明の矯正方法は、この
ようにあえて湾曲させることにより潜在的な湾曲を矯正
する場合を含むものである。
【0011】上記の矯正方法では、立体的な反りは矯正
することができないが、さらに帯状の金属板をレベラー
に通すことにより、立体的な反りが矯正され、平坦度が
向上する。また、帯状の金属板がコイル材の場合は、レ
ベラーを通すことにより、巻き癖や、波打ちなどの変形
が矯正される。なおこのとき、内部応力や内部歪みが惹
起されることがある。また、前述のように、もともと曲
がりが少ないコイル材をレベラーに通すことにより曲が
りが顕在化する場合は、上記の加圧ローラによる線状の
圧延であえて逆方向に曲がりを惹起しておくことによ
り、潜在的な曲がりをあらかじめ矯正することができ
る。なお、通常はレベラーによる矯正後も上記のローラ
の幅の圧痕はなくならない。曲げ加工により曲がりが生
ずる場合にも、それに相当する曲がりをあらかじめ与え
ておくことにより、曲げ加工後の製品の曲がりを除くこ
とができる。
【0012】
【0013】
【0014】本発明の矯正装置の第1の態様は、帯状の
板の側縁から特定の距離の位置を所定の幅で連続的に線
状に加圧することができる。それにより上記の矯正方法
を容易に実施することができる。また、上下のローラの
隙間ないし加圧力、軸心方向の位置が調節できるので、
帯状の板の厚さ、材質、および曲がりの程度に応じて適
切な線状加圧を行うことができ、適切な曲がり(潜在的
な曲がりを含む)の矯正を行うことができる。また上部
のローラを調節するようにすると、調節作業が容易であ
る。上下の両方のローラの幅を狭くした矯正装置の場合
は、帯状の板の上面と下面の両方で矯正するので、矯正
作用が一層向上する。
【0015】本発明の矯正装置の第2の態様では、レベ
ラーの入り口部に第1の態様の矯正装置を取り付けてい
るので、加圧ローラーによる曲がりの矯正とレベラーに
よる立体的な反りや変形の矯正を連続的に行うことがで
き、装置の設置スペースも小さくすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】つぎに図面を参照しながら本発明
の好ましい実施の形態を説明する。図1は本発明の矯正
方法の一実施形態を示す概略斜視図、図2aおよび図2
bはそれぞれ本発明の矯正方法の効果を説明するための
金属板の平面図、図3は本発明の矯正装置の一実施形態
を示す要部斜視図、図4aおよび図4bはそれぞれ図3
の矯正装置の一部断面平面図および一部断面正面図、図
5は図4bのV-V 線断面図、図6は本発明の矯正装置の
他の実施形態を示す概略断面図、図7aは図6の矯正装
置を用いた加工ラインの一実施形態を示す概略平面図、
図7bは図7aのVII-VII 線拡大断面図、図8はその加
工ラインの各工程で得られる成形品をその順に示す成形
工程図である。
【0017】図1は本発明の矯正方法の基本的な態様を
示している。この方法では、帯状の金属板1をその長手
方向(矢印F)に走行させ、一方の側縁2の近辺に沿っ
て、幅が狭い加圧ローラ3で線状に加圧する(矢印
N)。金属板1の下面側には、加圧ローラ3と対をなす
幅が広い加圧ローラ(ベースローラ)4が配置され、両
者で金属板1を挟圧することになる。この場合、押圧に
よる変形は、1000分の1ないし100分の1ミリメ
ートルのオーダーで溝状に延びている。しかし実際には
肉眼では深さの変形は確認できず、単に加圧ローラ3に
よる圧痕5、すなわち表面が艶消し状態になったよう
に、反射光の変化としてしか見えない。なお幅が狭い上
側の加圧ローラ3の幅は板厚や板の硬度などによって異
なるが、数ミリメートルから数十ミリメートル程度、と
くに5〜30mm程度が通常用いられる。
【0018】上記の変形により、金属板1の側縁2の近
辺は矢印P−P方向にわずかに引き伸ばされる。そのと
き、中心近辺においてはそれに抵抗する力(矢印Q−
Q)が働くので、長い金属板1の全体については、R方
向に円弧状に曲げられる。したがって元の金属板の状態
に応じて、加圧する位置、加圧強さなどを調節すれば、
適切な矯正加工を行うことができる。なおこの曲がりR
も実際にはほとんど肉眼では確認できないが、後述する
ように2枚の金属板を組み合わせることにより、容易に
検出することができる。
【0019】たとえば図2aの上側に示す金属板1は、
中央部が上向きになるように曲がっている。この曲がり
の程度は、たとえば所定の長さに切断した同じ金属板1
を並べ、最も大きい隙間Wを測定すること、あるいはそ
の隙間Wの寸法を金属板の長さで除すことなどで、数値
化することができる。曲がりの程度はたとえば2〜3m
の長さの板で、隙間Wが1〜5mm程度である。このよう
な金属板1の場合、金属板1の上側の側縁2に近い部分
を加圧ローラ3で線状に加圧すると、加圧条件が適切で
あれば、図2aの下側に示すようにほぼまっすぐな金属
板1が得られる。この図2aの場合はもともと顕在化し
ている曲がりを矯正する実施形態である。
【0020】他方、図2bの一番上に示す金属板1は、
外観ではまっすぐになっている。しかし厚さが幅方向で
不均一である、あるいは内部歪みが残っている、などの
原因で、レベラーに通すと曲がりが生ずるものである。
すなわちこの金属板1は潜在的な曲がりを有する。この
場合はあらかじめサンプルをレベラーに通してその潜在
的な曲がりの方向を確かめた後、それとは逆向きに曲げ
るように、製品用の金属板を加圧ローラであらかじめ押
圧しておく。すなわち図2bの場合は、もっとも下に示
すように、レベラーに通したときに、矢印R1 の向きに
曲がるので、図2bの中央に示すように、下側の側縁2
の近くに沿って加圧ローラを押圧する。それにより金属
板1は矢印R2 の向きに曲がるが、潜在的な曲がりが矯
正される。その後、レベラーに通すと、矢印R1 の向き
に曲がるので、両者が相殺され、最終的にまっすぐな金
属板1が得られる。
【0021】つぎに図3〜図5を参照して、上記の矯正
方法を実施するための矯正装置の実施形態を説明する。
図3および図4に示す加圧装置10は、左右に長いベー
ス11と、その両端から立ち上がるサイドコラム12、
12と、それらのサイドコラム12、12の上端同士の
間に渡されるクラウン13とからなるフレームを備えて
いる。クラウン13には、長手方向に3本の長孔14、
15、14が形成されている。中央の長孔15の幅は他
の2本の長孔14、14より大きい。そしてそれらの長
孔14、15、14を利用して、加圧ローラアッセンブ
リ16が左右方向に位置調節自在に3本のボルト17、
18、17により取り付けられる。さらにサイドコラム
12には、径が大きく、長さが長いベースローラ4の両
端が回転自在に支持されている。
【0022】加圧ローラアッセンブリ16は、図3にお
よび図5に示すように、クラウン13の下面に形成され
た段部ないし凹溝21内を左右に摺動自在に嵌合される
コ字状のスライドブロック22と、その中に上下に摺動
自在に嵌合されるローラサポート23とを備えている。
ローラサポート23は断面コ字状を呈し、その中に軸2
4によって加圧ローラ3を回転自在に支持している(図
4b、図5参照)。
【0023】さらに図5に示すように、スライドブロッ
ク22の上面には、太いボルト18と螺合する貫通ネジ
孔27が形成され、スライドブロック22を貫通した太
いボルト18の先端の小突起28はローラサポート23
の上面と嵌合している。したがって太いボルト18を螺
進させるとローラサポート23を下降させることができ
る。逆に後退させることにより、上昇させることができ
る。このように太いボルト18は押圧ネジとして機能す
る。なお、小突起28の周囲には、組立時にローラサポ
ート23がスライドブロック22から抜け落ちないよう
にするための摩擦部材として、O−リングを嵌めてい
る。また太いボルト18の上部には、緩み止めとしての
ナット30が螺合されている。
【0024】スライドブロック22の上面の貫通ネジ穴
27の前後には、2本の細いボルト17、17と螺合す
る、貫通しないネジ穴31、31が形成されている。2
本の細いボルト17、17はスライドブロック22を左
右方向に位置調節した後、その位置にスライドブロック
22を固定するための吊りボルトないし取付ネジであ
る。なお図4aに示すように、ベースローラ4の端部に
は同軸状に支持軸33、33が設けられている。それら
の支持軸33は、ローラベアリング34を介して前述の
サイドコラム12、12に回転自在に支持されている。
また上記の実施形態では、加圧ローラアッセンブリ16
が2セット取り付けられている。しかし1セットでもよ
く、また3セット以上であってもよい。
【0025】上記のごとく構成される加圧装置10は、
各加圧ローラアッセンブリ16の太いボルト18を上昇
させ、加圧力をなくした上で、図4bおよび図5に示す
ように、加圧ローラとベースローラ4の間に帯状の金属
板1を通す。そして細い2本のボルト17、17を緩め
て加圧ローラアッセンブリ16をクラウンの長孔14、
15に沿って左右に移動させ、左右方向の位置を定め
る。このとき、2セットの加圧ローラアッセンブリ1
6、16をほぼ同じ位置にセットし、両者で強力な矯正
作用を行わせることもでき、それぞれ幅方向における異
なる位置にセットすることもできる。
【0026】ついで太いボルト18を螺進させてローラ
サポート23を下降させ、金属板1を加圧ローラ3とベ
ースローラ4の間に挟み込み、所定の加圧力を加える。
そして金属板1を走行させる。加圧ローラ3の位置や加
圧力は、通常は製品の曲がり状態、矯正状態を確認しな
がら試行錯誤で定める。たとえば加圧力の調節は、加圧
力調節用の太いボルトをトルクレンチで回転させ、螺進
させる。そしてそのときの締め付けトルクを読みとり、
記録しておく。そして金属板を走行させて曲がりの程
度、矯正の程度を確認する。そしてその結果に応じて再
びトルクレンチで太いボルト18をさらに締め付け、あ
るいは一旦後退させた上で、ふたたび前記の締め付けト
ルクより弱いトルクで締め付ける。このようにして適切
なトルク、すなわち加圧力を検出する。
【0027】つぎに図6を参照して、本発明の矯正装置
の第2の実施形態を説明する。図6の一体矯正装置40
は、従来公知のレベラー41の入り口部に前述の加圧装
置10を取り付けたものである。レベラー41は、材料
をくわえ込むためのピンチローラ42、実際のレベリン
グ作用を行う上ローラ群43および下ローラ群44を備
えている。上ローラ群43と下ローラ群44の各ローラ
は千鳥に配置され、上ローラ群43を保持するサポート
43aは、前後、左右の傾きなどが調節可能に構成され
ている。そして千鳥の配設した上下のローラ群43、4
4の間に通す金属板1を上下に交互に、次第に弱く湾曲
させていき、最終的に平坦にしてコイル材の巻き癖をと
るようにしている。なお、レベラー41としては、プレ
スの作動と同調してコイル材を供給するフィードローラ
45を一体に設けたNC制御のフィーダレベラーなどが
好適である。しかしもちろんフィーダと別個のレベラー
であってもよい。
【0028】図7aは上記の一体矯正装置40を用いた
金属板の加工ラインの一実施形態を示す平面図である。
加工ラインの上流にはアンコイラ51が配置され、その
下流に前述のレベラー41に加圧装置10と取り付けた
一体矯正装置40が配置されている。さらにその下流
に、金属板1に孔あけ加工およびコイル材から切り離す
切断加工を行うためのプレス52が配置されている。さ
らにこの実施形態では、プレス52による加工の後工程
の曲げ加工のため、プレスブレーキ53が配置されてい
る。プレスブレーキ53は図7bに示すように、90度
のV字状の溝を有する下型54と、その下型に合う上型
55とからなる曲げ型が取り付けられている。
【0029】この加工ラインでは、まずアンコイラ51
からほどき出されたコイル材からなる金属板1が、一体
化矯正装置40で左右の曲がりおよび上下の波打ちが矯
正される。その詳細は前述したとおりである(図2参
照)。この場合、金属板1を走行させてプレスに供給す
る動力は、レベラー41のフィーダーローラ(図6の4
5)により与えられる。このときの矯正済みの金属板1
を図8の上段に示している。ついでその矯正後の金属板
1は、たとえば図8の中段に示すように、プレス52内
で孔あけ加工される。なおプレス52から送り出された
金属板1は、プレス52の出口近辺でコイル材から切り
離すために切断される(図8の中断の符号S参照)。さ
らにその切断後の金属板1は、プレスブレーキ53に運
ばれ、図8の下段に示すように、中心線に沿って90度
に折り曲げられ、製品56となる。
【0030】この加工ラインでは、金属板1はプレス5
2に入る前に波打ちの外、左右の曲がりも矯正されてい
るので、金型内で蛇行したり、浮き上がったりすること
がほとんどなく、そのため加工の精度が高い。図2の上
段などで2枚の金属板を合わせて隙間Wを測定する場
合、このプレス加工が終わった段階の平坦な中間成形品
を用いると、測定が容易であるので好ましい。そして左
右の曲がりが矯正された中間成形品は、プレスブレーキ
53で曲げ加工する場合でも、反りや曲がりが生じにく
く、2個の製品56をたとえば図9aのように合わせて
も、隙間Wがほとんどない。なお、このラインにおける
最終段階の製品の隙間Wを測定し、この隙間Wをなくす
ように加圧装置の加圧ローラの位置および加圧力を調整
すると、プレスブレーキ53の曲げ加工で生ずる左右の
曲がりについても、前述と同様に、潜在的な曲がりとし
てあらかじめ矯正しておくことができる。
【0031】前述の加圧装置の実施形態では、下側のベ
ースローラ(図1および図3の符号4)を矯正しようと
する金属板1と同じ幅ないしそれよりいくらか広い幅に
している。そのためベースローラ4は左右の位置調節す
る必要がない。しかし下側のベースローラ4も上側の加
圧ローラ3と同じ幅にしてもよい。その場合はベースロ
ーラ4を図3などのスライドブロック23に回転自在に
取り付け、スライドブロック23を左右に摺動させるこ
とにより左右の位置調節ができるようにする。なお、加
圧力の調節は上側の加圧ローラ3のみで可能であるの
で、ベースローラ4には加圧力を調節するための太いボ
ルトでローラサポートを上下に移動させる機構は不要で
ある。ただしたとえばレギュレータで油圧を調整するこ
とができる油圧シリンダなどを用いるなどにより、ベー
スローラ4で加圧力を調節自在とすることもできる。そ
の場合は上側の加圧ローラ3は位置調節自在にするだけ
でよい。このことは下側のベースローラ4の幅が広い場
合でも同様である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の矯正方法の一実施形態を示す概略斜
視図である。
【図2】 図2aおよび図2bはそれぞれ本発明の矯正
方法の効果を説明するための金属板の平面図である。
【図3】 本発明の矯正装置の一実施形態を示す要部斜
視図である。
【図4】 図4aおよび図4bはそれぞれ図3の装置の
一部断面平面図および一部断面正面図である。
【図5】 図5は図4bのV-V 線断面図である。
【図6】 本発明の矯正装置の他の実施形態を示す概略
断面図である。
【図7】 図7aは図6の矯正装置を用いた加工ライン
の一実施形態を示す概略平面図、図7bは図7aのVII-
VII 線拡大断面図である。
【図8】 図7の加工ラインの各工程で得られる加工品
をその順に示す成形工程図である。
【図9】 図9aは本発明に関わる金属製品に生ずる曲
がりの例を示す斜視図、図9bは金属板のスリッティン
グの状態を示す概略斜視図、図9cはその金属板の厚さ
の状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 金属板 2 側縁 3 加圧ローラ 4 加圧ローラ(ベースローラ) 10 加圧装置 16 加圧ローラアッセンブリ 40 一体化矯正装置 41 レベラー 51 アンコイラ 52 プレス 53 プレスブレーキ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21D 1/05 B21D 1/02

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 顕在的に横方向に湾曲している帯状の金
    属板を長手方向に走行させる工程と、その金属板を、前
    記湾曲の内側に該当する側縁の近辺に沿い、幅が狭い加
    圧ローラで金属板の表面に線状の圧痕が残る程度に線状
    に挟圧加工する工程とを含む、金属板の矯正方法。
  2. 【請求項2】 潜在的に横方向に湾曲している帯状の金
    属板を長手方向に走行させる工程と、その金属板の潜在
    的な湾曲の内側に相当する側縁の近辺に沿い、幅が狭い
    加圧ローラで線状に挟圧加工する工程とを含む、金属板
    の矯正方法
  3. 【請求項3】 前記挟圧加圧する工程の後、さらに金属
    板を所定の長さに切断し、曲がりを測定し、その曲がり
    がなくなるように、前記挟圧加工の加工ローラの位置お
    よび加圧力を調節する工程を含む請求項1または2記載
    の矯正方法。
  4. 【請求項4】 前記挟圧加圧する工程の後、さらに金属
    板をレベラーに通して全体の波打ちを矯正する工程を含
    む請求項1または2記載の矯正方法。
  5. 【請求項5】 請求項1または2記載の矯正方法に用い
    金属板の矯正装置であって、前記帯状の金属板を加
    するための上側のローラと、その上側のローラの加圧力
    を支持するべく前記金属板の下面側に設けられる下側の
    ローラとからなる加圧ローラを有し、前記上側のローラ
    の幅が狭く、かつ軸心方向に位置調整自在に支持されて
    おり、さらに加圧ローラの加圧力が調整自在に構成され
    ている金属板の矯正装置。
  6. 【請求項6】 上下一対のそれぞれのローラの幅が狭
    く、それぞれ軸心方向に位置調整自在に支持されている
    請求項記載の矯正装置。
  7. 【請求項7】 前記上側のローラが軸方向に2セット設
    けられている請求項5記載の矯正装置。
  8. 【請求項8】 レベラーと、そのレベラーの入り口側に
    設けられた請求項5、6または7記載の矯正装置とから
    なる、請求項記載の矯正方法に用いる矯正装置。
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