JP3381553B2 - フラッシュ溶接機 - Google Patents

フラッシュ溶接機

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JP3381553B2 JP14253497A JP14253497A JP3381553B2 JP 3381553 B2 JP3381553 B2 JP 3381553B2 JP 14253497 A JP14253497 A JP 14253497A JP 14253497 A JP14253497 A JP 14253497A JP 3381553 B2 JP3381553 B2 JP 3381553B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油圧駆動されるフ
ラッシュ溶接機、特にその中でも被溶接材と同期または
特定の速度で走行しながら抵抗溶接を行う走行式のフラ
ッシュ溶接機に関する。
【0002】
【従来の技術】油圧駆動装置により油圧駆動される溶接
機としては、例えば連続圧延設備において使用される走
行式のフラッシュ溶接機(またはフラッシュバット溶接
機)などが好個の対象として上げられる(特開昭52−
43754号、特開昭58−1511971号、特開昭
61−30287号等)。
【0003】図3に示した連続圧延設備は、加熱炉から
圧延ラインに次々と搬送されてくるビレットやスラブ等
の被圧延材1a、1bの突き合わせ部2を検出して、走
行式フラッシュ溶接機20によって突き合わせ部2と同
期または特定の速度で走行しながら溶接接合し、圧延機
3に送り込む前に被圧延材を一本化することで圧延の生
産性を向上させるものである。
【0004】フラッシュ溶接機20は、2つの被圧延材
1a、1bが対向する端部21a、21bをアクチュエ
ータ24a、24bで駆動される電極22a、22bに
より各々クランプして突き合わせ、可動側の一方のクラ
ンプ装置23bを、他方のクランプ装置23aに固定さ
れたアクチュエータ25で駆動させることにより、被圧
延材の突き合わせ部2で短絡とアーク放電(フラッシ
ュ)を繰り返しながら加熱し、突き合わせ部2に形成さ
れる溶融層が十分な溶融状態となったときに被圧延材同
士を強加圧(アプセット)して圧接する溶接方法を実施
するために使用される。このため上記の溶接機20にお
いて、被圧延材のクランプ動作並びにフラッシュ及びア
プセット動作を行うためのアクチュエータとしては、一
般的に油圧シリンダが使用される。ここで、クランプ動
作用のものをクランプシリンダ24a、24b、フラッ
シュ及びアプセット動作用のものをアプセットシリンダ
25とする。
【0005】ここで使用されるクランプシリンダ24
a、24bに対して、被圧延材をクランプする直前まで
は敏速な動作が必要とされ、クランプ後は一定圧力で被
圧延材を保持する動作が必要とされる。一方、アプセッ
トシリンダ25に対しては、フラッシュ行程では被圧延
材の突き合わせ部2を微妙に調整する動作が必要とさ
れ、アプセット行程では急速な加圧動作が必要とされ
る。このようにフラッシュ溶接機20には多くの油圧装
置が使用され、油圧制御弁の開閉によって油圧シリンダ
などの駆動制御を行っている。特にフラッシュ行程のア
プセットシリンダに対しては、高精度の油圧サーボ弁2
8などを用いて、必要とされる微妙な流量調整を行って
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の走行式
フラッシュ溶接機の場合、油圧源40が地面に固定設置
されているため、溶接機内部の油圧装置まで長いフレキ
シブルホース41などの配管で供給しなければならず、
ホースを引き回すためのスペースが必要となる。そのう
えフレキシブルホース41を引き回すために溶接機の走
行性が悪くなる。これに対して、ホースの引き回しを補
助するためにホース案内装置42などの装置を追加しな
ければならない。さらにフレキシブルホース41のよう
な配管は、その弾性により油圧の応答性が低下するとい
う難点もある。
【0007】また、溶接機内部においては、油圧を各油
圧シリンダに分配するため溶接機内を煩雑な油圧配管が
張り巡ることになり、配管施工に多くの時間とコストを
要することや管路抵抗が増大することなどが問題とな
る。またメンテナンスの面からも、それぞれの油圧装置
が固定配管されているため、単独の油圧装置を交換する
ことや、仕様変更による装置代替のために再設計を行う
ことも困難である。ここで、溶接機の油圧源40にある
定置固定の油圧ポンプ45は、必要圧力を供給するため
電動機46(または原動機)によって常時回転させてお
き、油圧サーボ弁28などの油圧制御弁の開閉によって
油圧シリンダを駆動させるが、油圧シリンダを駆動させ
ないときは油圧制御弁28が閉じているため、リリーフ
弁29が開いて供給した油を油タンク47に戻すことに
なり、油圧ポンプ45が発生した余分な動力は全てエネ
ルギー損失となる。さらに、油圧制御弁28が開いてい
る場合でも、油圧回路中に油圧制御弁があること自体、
そこでの圧力損失によりエネルギー損失を生じる。この
ように油圧制御弁システムはエネルギー効率が低いもの
である。
【0008】このように損失したエネルギーは熱となり
油温が上昇するため、水冷を代表とする冷却装置49が
必要となり、熱交換機や冷却水用ポンプなどの付帯設備
が欠かせなくなる。また、上記の油圧サーボ弁28など
は油内に混入したごみに弱いため、油圧回路内にフィル
タ48などの浄化装置も必要となる。このような状況に
対する放熱作用及び油の清浄作用のため、油タンク47
は非常に大きな容量のものが要求される。
【0009】本発明は、上記のような従来の溶接機等に
おける油圧アクチュエータに付随する問題点を解決する
ためになされたものであり、双方向吐出量形油圧ポンプ
を使用することにより、油圧源及び油圧回路を簡単な構
成として配管施工の容易性、スペースの削減、エネルギ
ー損失の低減、油圧の応答性の向上、及び特に走行式の
フラッシュ溶接機にあっては走行性能の向上を達成する
ことを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係るフラッシュ
溶接機は、被溶接材の抵抗溶接を行うフラッシュ溶接機
において、被溶接材をクランプする油圧シリンダ及びク
ランプした被溶接材の端部同士をフラッシュさせた後ア
プセットする油圧シリンダのそれぞれに対し、双方向吐
出量形油圧ポンプ、ポンプ駆動源及び油タンクを含む油
圧ユニットを隣設し、各々の前記油圧シリンダと前記油
圧ユニットを油圧閉回路で接続して一体型の静油圧駆動
装置をそれぞれ構成することにより溶接に必要な油圧駆
動を行うことを特徴とするものである。ここで、双方向
吐出量形油圧ポンプとしては、例えば、可逆回転形の油
圧ポンプや斜板式の油圧ポンプが挙げられ、正逆方向に
回転するサーボモータなどの駆動機構によって双方向に
吐出流量を制御可能な油圧ポンプなどが考えられる。
【0011】フラッシュ溶接機における個々の油圧シリ
ンダに上記構成の油圧ユニットを隣設し、両者を油圧閉
回路で接続することにより一体型の静油圧駆動装置とし
て、溶接機内に組み込むことにより、油圧配管が全て固
定配管となり、配管施工が容易であり、省スペース化が
可能となるとともに、エネルギー損失が少なく、応答性
が向上する。また、油タンクも小型のものでよく、油圧
サーボ弁などの高精度かつ高価な油圧制御弁が不要とな
る。さらに、油圧シリンダの出力制御は、例えば双方向
吐出量形油圧ポンプの場合その駆動用サーボモータの回
転数を制御するだけでよく、制御が容易で、かつ高精度
の制御が可能である。加えて、フレキシブルホースやホ
ース案内装置、あるいは冷却装置等が不要になり、さら
なる省スペース化が達成できる。特に走行式のフラッシ
ュ溶接機にあっては走行性能が一段と向上する。このた
め、連続圧延設備において特にタイムサイクルの短縮化
が要求されるが、この要求に対しても十分に応えること
ができる。また、メンテナンスの面でも有利であり、設
計の自由度も高い。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は本発明による走行式フラッ
シュ溶接機における油圧駆動装置の構成図である。この
例では、油圧アクチュエータとしてのクランプシリンダ
24a、24b及びアプセットシリンダ25のそれぞれ
に対して油圧閉回路70で双方向吐出量形油圧ポンプ6
1を接続している。この油圧ポンプ61はサーボモータ
63により正逆方向に回転駆動される。62は油タンク
である。代表符号71で示される油圧シリンダに対する
制御は、ポンプ駆動用サーボモータ63の回転数を制御
することにより、双方向吐出量形油圧ポンプ61の吐出
量を調整することで、制御することができる。
【0013】このように、この走行式フラッシュ溶接機
30は、双方向吐出量形油圧ポンプ61、油タンク62
及びポンプ駆動用サーボモータ63を含む油圧ユニット
60と油圧シリンダ71とを油圧閉回路70で接続し、
それぞれ独立の一体型の静油圧駆動装置75として上記
溶接機30の内部に組み込んだものである。
【0014】この実施形態に係る走行式フラッシュ溶接
機の利点を図3に示した従来の溶接機と比較して述べれ
ば、この実施形態では、個々の油圧シリンダ71と油圧
ユニット60を油圧閉回路70で構成しているため、溶
接機内における煩雑でスペースを要する長い油圧配管が
なくなり、配管施工にかかる時間やコストを大幅に削減
できる。また油圧源61〜63から油圧シリンダ71ま
でがユニット化されているため、個々の油圧装置ごとに
交換や設計変更が容易にできる構造となっている。この
静油圧駆動装置75を使用した場合、溶接機内部の油圧
装置がそれぞれ油圧源を備えることで溶接機外部の油圧
源40が不要となり、従来のようなフレキシブルホース
41やその引き回しを補助するホース案内装置42など
が全て不要となる。よって、これらが占めていたスペー
スが削減されることや、ホースの弾性による応答性への
影響がなくなるなどの効果があり、特に走行式溶接機の
走行性能が大幅に向上する。また、このように閉回路7
0を構成することで、配管長が非常に短くなるため管路
抵抗が低減するとともに、油圧回路上に油圧サーボ弁な
どの油圧制御弁28がないため圧力損失によるエネルギ
ー損失を非常に少なくすることができる。さらに、上記
油圧ポンプ61を直接油圧シリンダ71に接続して静油
圧駆動装置75を構成しているため、油圧シリンダ71
の駆動において、双方向吐出量形油圧ポンプ61の吐出
流量制御により、各々の油圧シリンダ71を直接制御す
ることが可能である。ここで、油圧シリンダ71の流量
制御には、例えばポンプ駆動用サーボモータ63の駆動
回転数を変化させればよく、油圧シリンダの駆動に必要
な出力のみによる非常にエネルギー効率の高い運転が可
能となる。これにより油温の上昇が最低限に抑えられる
ため冷却装置49が不要となることや、高精度な油圧サ
ーボ弁なども使用していないため、油内のごみによる影
響が少なく、フィルタ48などが不要になることなどか
ら、油タンク62を小型にして油圧ユニット60に収め
ることが可能となる。
【0015】図2は、より具体的な油圧アクチュエータ
の油圧閉回路を示す回路図である。同図の(a)は両ロ
ッド形の場合であり、(b)は片ロッド形の場合であ
る。図において、72は油圧シリンダ71で駆動される
被駆動要素で、フラッシュ溶接機の場合、電極や可動側
クランプ装置である。また、(a)図の両ロッド形の場
合には、被駆動要素72はロッド71cの両端に結合さ
れ、交互に反復動作をさせるものに使用される。75
a、75bはリリーフ弁、76a、76bは逆止弁、7
6cはパイロット操作形逆止弁で、ロッド71dの後退
側回路70bのパイロット圧でロッド前進側の回路70
aの油圧を逆流させることにより、ロッド71dを所定
位置に一定圧力で確実に保持する。これら2種類の油圧
シリンダ71と双方向吐出量形油圧ポンプ61とを回路
70a、70bで接続し、油圧閉回路70を構成してい
る。なお、ここでは一般産業機械における油圧アクチュ
エータに本発明を利用できるものとしてその回路構成例
を示したものであり、フラッシュ溶接機の場合は図2
(b)の片ロッド形が使用される。
【0016】
【発明の効果】以上のように、本発明のフラッシュ溶接
機は、個々の油圧シリンダに対し、双方向吐出量形油圧
ポンプ、ポンプ駆動用サーボモータ及び油タンクを含む
油圧ユニットを短い油圧閉回路で接続し一体型の静油圧
駆動装置として構成したものであるから、油圧源及び油
圧回路の構成が簡単になり、配管施工が容易で、省スペ
ース化に寄与するとともに、エネルギー損失が少なく、
応答性が速いものである。さらに、従来のように各油圧
シリンダに共通の、しかも大型で地上固定式の油タンク
が不要になるため、走行性能が著しく向上し、かつ大幅
な省スペース化が可能となる。メンテナンスの面でもそ
れぞれ個別に対応することができ、交換や設計変更が容
易であるなど多大な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の走行式フラッシュ溶接機における油圧
駆動装置の構成図である。
【図2】油圧アクチュエータの油圧回路図である。
【図3】従来の走行式フラッシュ溶接機の構成図であ
る。
【符号の説明】
1a、1b 被圧延材 2 被圧延材の突き合わせ部 3 圧延機 21a、21b 被圧延材の端部 22a、22b 電極 23a、23b クランプ装置 24a、24b クランプシリンダ 25 アプセットシリンダ 30 フラッシュ溶接機 60 油圧ユニット 61 双方向吐出量形油圧ポンプ 62 油タンク 63 ポンプ駆動用サーボモータ 70 油圧閉回路 71 油圧シリンダ 72 被駆動要素 75a、75b リリーフ弁 76a、76b 逆止弁 76c パイロット操作形逆止弁 75 静油圧駆動装置
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−271431(JP,A) 特開 平9−66302(JP,A) 実開 平3−9279(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 11/00 B21B 15/00 F15B 5/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被溶接材の抵抗溶接を行うフラッシュ溶
    接機において、 被溶接材をクランプする油圧シリンダ及びクランプした
    被溶接材の端部同士をフラッシュさせた後アプセットす
    る油圧シリンダのそれぞれに対し、双方向吐出量形油圧
    ポンプ、ポンプ駆動源及び油タンクを含む油圧ユニット
    を隣設し、各々の前記油圧シリンダと前記油圧ユニット
    を油圧閉回路で接続して一体型の静油圧駆動装置をそれ
    ぞれ構成することにより溶接に必要な油圧駆動を行うこ
    とを特徴とするフラッシュ溶接機。
  2. 【請求項2】 被溶接材と同期または特定の速度で走行
    しながら抵抗溶接を行う走行式のフラッシュ溶接機にお
    ける複数の前記油圧シリンダが前記静油圧駆動装置で構
    成されていることを特徴とする請求項記載のフラッシ
    ュ溶接機。
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