JP3380347B2 - Gm−Cフィルタ - Google Patents

Gm−Cフィルタ

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JP3380347B2
JP3380347B2 JP01129195A JP1129195A JP3380347B2 JP 3380347 B2 JP3380347 B2 JP 3380347B2 JP 01129195 A JP01129195 A JP 01129195A JP 1129195 A JP1129195 A JP 1129195A JP 3380347 B2 JP3380347 B2 JP 3380347B2
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敏男 安達
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Gm−Cフィルタの改
良に関し、特に、周波数特性精度の高いGm−Cフィル
タに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、Gm−Cフィルタは、スイッチキ
ャパシタフィルタ等のサンプリング系フィルタと異なり
時間連続系フィルタであるために高速化が容易であると
いう特徴がある。しかし、スイッチキャパシタフィルタ
に比較して周波数特性精度が低いために、広く実用化さ
れてはいない。
【0003】図13は、従来のGm−C型低域通過フィ
ルタを使用したGm−Cフィルタ回路Fの一例を示した
ものであり、例えば、自己調整用バイアス発生回路とし
てのPLL回路10と、例えば、Gmアンプ及び容量か
ら構成されるGm−Cフィルタ型低域通過フィルタで構
成される調整対象のフィルタである調整フィルタ13′
とから構成され、PLL回路10において基準クロック
信号CKをもとに所定のバイアス電流iPLL を形成して
調整フィルタ13′に供給し、調整フィルタ13′がこ
のバイアス電流iPLL に応じた出力特性をもって作動す
るようになされている。
【0004】このPLL回路10は、例えば、Gmアン
プ、容量から構成されるGm−C型低域通過フィルタで
形成される基準フィルタ51と、排他的論理和回路から
なる位相比較器52と、例えば低域通過フィルタで構成
される積分器53と、コンパレータ54及び55とから
構成され、基準フィルタ51とコンパレータ54とを介
して入力した、例えば、水晶発振器等からの基準クロッ
ク信号CKと、コンパレータ55を介して入力した基準
クロック信号CKとの排他的論理和を位相比較器52に
おいて求め、これを出力信号fhとして積分器53に出
力し、積分器53で出力信号fhを積分処理した値を基
準フィルタ51にバイアス電流iPLL として供給すると
共に、調整フィルタ13′にもバイアス信号電流iPLL
として供給するようになされている。ここで、積分器5
3はいわゆる完全積分器でもよく、また、低域通過フィ
ルタと等価である不完全積分器でもよく、PLL回路1
0の回路構成に適した積分器が適用される。
【0005】図14は、基準フィルタ51の出力特性を
表したものである。この基準フィルタ51は、低域通過
フィルタ特性を有すると同時に、位相遅れが低域では位
相シフト0度、高域では位相シフト180度、カットオ
フ周波数のところで位相シフト90度となる位相特性を
有するように形成されている。すなわち、図13におい
て、基準フィルタ51への入力信号、すなわち、基準ク
ロック信号CKの周波数がカットオフ周波数fcに一致
している場合には、基準フィルタ51及びコンパレータ
54を通過して入力される基準クロック信号CKと、コ
ンパレータ55を通過して入力される基準クロック信号
CKとの排他的論理和を位相比較器52で求めたとき、
位相比較器52からの出力信号fhは、周波数が基準ク
ロック信号CKの2倍で、且つ、高レベル論理と低レベ
ル論理のそれぞれの期間が等しいデューティ比50%の
信号となる。このとき、位相比較器52からの出力信号
fhを積分器53で積分処理した直流出力レベルは、デ
ューティ比50%であるので変動せず、位相ロック状態
が実現できるようになっている。
【0006】このとき、仮に、基準フィルタ51のカッ
トオフ周波数fcがカットオフ周波数の設計値fc*
りも小さいときには、図15に示すように、その位相遅
れは設計値よりも大きくなる。この結果、位相比較器5
2の出力信号fhは高レベル論理の期間が低レベル論理
の期間よりも短くなり、積分器53の出力レベルを低下
させる方向に動作する。そして、この出力レベルが下が
ったときにバイアス電圧を発生させる回路では、全ての
GmアンプのGm値が上がるように形成されおり、この
GmアンプのGm値を増加させることに伴い基準フィル
タ51のカットオフ周波数が設計値fc* に等しくなる
方向にシフトし、設計値fc* に等しくなったときに積
分器53の出力信号レベルが一定レベルとなり、逆に、
積分器53の出力レベルが増加する方向に動作したと
き、GmアンプのGm値が下がるように形成され、これ
に伴い基準フィルタ51のカットオフ周波数が設計値f
*に等しくなる方向にシフトし、設計値fc* に等し
くなったときに積分器53の出力信号レベルが一定レベ
ルとなり、位相ロック状態となるようになされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例え
ば、図13に示す上記従来のGm−Cフィルタにおい
て、PLL回路10を構成するGm−C型低域通過フィ
ルタで構成される基準フィルタ51とバイアス電流調整
対象である調整フィルタ13′とが同一に構成され、そ
のGmアンプの入力電圧に対する出力電流の比である相
互コンダクタンスを表すGm値及び容量値も共に同一に
形成されていることを前提とする。そして、PLL回路
10において、基準フィルタ51の出力信号と、基準ク
ロック信号CKとをもとにバイアス電流iPLL を形成し
てこれを調整フィルタ13′にも供給するようにし、こ
のとき、PLL回路10において基準フィルタ51の出
力信号が所定の出力特性となるようにバイアス電流i
PLL を調整することによって、調整フィルタ13′の出
力特性を基準フィルタ51の出力特性と同一となるよう
にし、このようにして調整フィルタ13′の出力特性を
所定の出力特性に設定するようにした場合等には、例え
ば、調整フィルタ13′及び基準フィルタ51が同一の
出力特性となるように予め設計されているものとする
と、調整フィルタ13′及び基準フィルタ51には同一
のバイアス電流iPLL が供給されるようになされている
ので、その出力特性も同一となるはずである。しかしな
がら、調整フィルタ13′及び基準フィルタ51を構成
する各Gmアンプは、MOSFETの素子間のばらつき
等の影響により設計値通りに実現することができないた
めに、調整フィルタ13′及び基準フィルタ51の出力
特性に誤差が生じてしまうという問題がある。
【0008】例えば、今、基準フィルタ51を図16に
示すように、GmアンプAMP1〜AMP4及び容量C
1,C2で構成し、GmアンプAMP1〜AMP3を直
列に接続し、基準クロック信号CKがGmアンプAMP
1に入力されるようになされ、GmアンプAMP1の出
力がGmアンプAMP2及びAMP4に入力され、Gm
アンプAMP2の出力がGmアンプAMP3に入力さ
れ、GmアンプAMP3及びGmアンプAMP4の出力
がGmアンプAMP2及びAMP4に入力され、さら
に、GmアンプAMP1とAMP2との間に容量C1
が、また、GmアンプAMP2とAMP3との間に容量
C2が接続され、GmアンプAMP2の出力を基準フィ
ルタ51の出力信号として出力するように構成したもの
とする。
【0009】このとき、この基準フィルタ51のカット
オフ周波数fcは、その伝達関数からGmアンプAMP
2及びAMP3のGm値の相乗平均に比例して決定され
ることがわかる。このとき、調整フィルタ13′をGm
アンプAMP1′〜AMP4′及び容量C1′及びC
2′によって、図16に示す基準フィルタ51と同一構
成に形成し、これらGmアンプの各Gm値及び容量値
も、基準フィルタ51の対応するGm値及び容量値とそ
れぞれ同一設計値となるように設定したものとする。
【0010】このとき、基準フィルタ51のカットオフ
周波数fcはGmアンプAMP2及びAMP3のGm値
の相乗平均に比例することから、仮に、基準フィルタ5
1のGmアンプAMP2及びAMP3のGm値の相乗平
均が調整フィルタ13′のGmアンプAMP2′及びA
MP3′のGm値の相乗平均に比べて1%大きいなら
ば、基準フィルタ51のカットオフ周波数fc51は調整
フィルタ13′のカットオフ周波数fc13に比べて1%
大きくなることになる。
【0011】このように、調整フィルタ13′及び基準
フィルタ51をそれぞれ対応する各GmアンプのGm値
を全く同一に設計した場合でも、プロセスの問題等によ
って誤差が発生するために、調整フィルタ13′及び基
準フィルタ51の性能を完全に一致させることができ
ず、調整フィルタ13′を所望とする性能に設定するこ
とができないという問題があり、しかも、この誤差はL
SIにおいて頻繁に用いられているスイッチキャパシタ
フィルタ等に比べて大きいために、高速化が容易である
という利点があるにも関わらず、実用に供することがで
きない状態であった。
【0012】そこで、この発明は、上記従来の未解決の
課題に着目してなされたものであり、高精度に周波数特
性を設定可能なGm−Cフィルタを提供することを目的
としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係るGm−Cフィルタは、容量と調整信
号に応じて相互コンダクタンスを制御可能に形成された
Gmアンプとで構成され、所定のフィルタ特性を有する
Gm−Cフィルタ回路と、該Gm−Cフィルタ回路のフ
ィルタ特性を調整するための調整信号を形成する調整信
号形成手段と、前記調整信号を形成するための設定信号
を出力する調整信号設定手段と、前記Gmアンプの出力
特性を設定するためのバイアス信号を発生する自己調整
用バイアス信号発生回路と、を備え前記調整信号形成
手段は、前記調整信号設定手段で設定される設定信号に
基づき、前記自己調整用バイアス信号発生回路から出力
されるバイアス信号に比例した調整信号を形成すること
を特徴としている。
【0014】また、請求項2に係るGm−Cフィルタ
は、請求項1に記載の調整信号設定手段が出力する設定
信号は、少なくとも1ビット以上のデジタル設定信号で
あることを特徴としている。
【0015】また、請求項3に係るGm−Cフィルタ
は、請求項1又は2に記載の自己調整用バイアス信号発
生回路は、前記Gm−Cフィルタ回路に用いられている
Gmアンプと同じ構成のGmアンプと容量とからなり且
つ基準クロック信号が入力されるフィルタ回路と、該フ
ィルタ回路の出力信号と前記基準クロック信号との位相
差を求める位相比較器と、積分器とから構成されるPL
L回路で形成されることを特徴としている。
【0016】また、請求項に係るGm−Cフィルタ
は、請求項1乃至の何れかに記載の調整信号設定手段
は、前記Gm−Cフィルタ回路の実際の出力特性に応じ
て前記設定信号を設定することを特徴としている。
【0017】また、請求項に係るGm−Cフィルタ
は、請求項1乃至4の何れかに記載のGm−Cフィルタ
回路は、複数のGmアンプ又は複数の容量のうちの何れ
かを選択することにより前記フィルタ特性を変更可能な
回路であって、前記Gmアンプ又は前記容量を、これら
が接続されている回路から物理的に切断する切断手段を
備えることを特徴としている。 さらに、請求項6に係る
Gm−Cフィルタは、請求項1乃至5の何れかに記載の
調整信号形成手段は、複数の電流源のうちの何れかを選
択して前記調整信号を形成するようにした手段であっ
て、前記電流源を、これらが接続されている回路から物
理的に切断する切断手段を備えることを特徴としてい
る。
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】以下に、本発明の実施例を説明する。図1
は、本発明の第1実施例におけるGm−CフィルタFの
概略構成を示す構成図である。この第1実施例における
Gm−CフィルタFは、基準クロック信号CKに基づき
バイアス電流iPLL を形成して出力する自己調整用バイ
アス信号発生回路としてのPLL回路10と、オペレー
タの設定信号に基づき所定のデジタル設定信号Fsを出
力する調整信号設定手段としてのデジタル制御回路11
と、デジタル制御回路11からのデジタル設定信号Fs
とPLL回路10からのバイアス電流iPLL とをもとに
所定のバイアス電流iBIASを形成して調整フィルタ13
に出力する、Gm−C型低域通過フィルタで構成される
調整信号形成手段としてのバイアス電流制御回路12
と、Gm−Cフィルタ回路としての調整フィルタ13と
から構成されている。
【0025】ここで、PLL回路10は、図13に示す
従来のPLL回路10と同様であり、積分器53の出力
信号はバイアス電流iPLL としてバイアス電流制御回路
12に供給されると共に、基準フィルタ51にも供給さ
れている。そして、フィルタ回路としての基準フィルタ
51は、図16に示す従来の基準フィルタ51と同一で
あり、GmアンプAMP1〜AMP4と、容量C1及び
C2とから構成されると共に、積分器53からのバイア
ス電流iPLL の出力ラインVPLL と接地ラインVSSとの
間に、後述のFET12と共に電流−電圧変換回路とし
てのカレントミラー回路を構成するFET11が接続さ
れて形成されている。そして、このフィルタ特性は、図
14に示すように、低域では位相遅れは0度、高域では
位相遅れは180度、入力信号の周波数がカットオフ周
波数と等しいとき位相遅れは90度となるように構成さ
れている。
【0026】そして、GmアンプAMP1〜AMP4
は、例えば、図2に示すように、これらは同一に形成さ
れ、正負信号をゲート端子に入力する入力MOSFET
であるFET3及びFET4と、同相信号調整用の信号
をゲート端子に入力するロード用MOSFETであるF
ET1及びFET2とから構成され、FET1及びFE
T2のソース側が電源ラインVDDに接続され、FET1
及びFET3のドレイン側が接続され、同様に、FET
2及びFET4のドレイン側が接続され、FET3及び
FET4のソース側が、カレントミラー回路を構成する
FET12のドレイン側に接続され、FET12のソー
ス側は接地ラインVSSに接続され、FET1〜FET4
のドレイン側で出力信号を取り出すようになされてい
る。
【0027】一方、デジタル制御回路11は、例えばマ
イクロコンピュータ等で構成され、例えば、オペレータ
が調整フィルタ13の出力特性に応じて所定の電流指令
値をキー入力することにより、8ビットのデジタル設定
信号Fsを出力する。このとき、このデジタル設定信号
Fsの各ビットはデコーダ回路を介して後述の図3に示
す各スイッチ29〜36にそれぞれ対応し、デジタル設
定信号Fsに応じて各スイッチ29〜36が作動するよ
うになされている。
【0028】バイアス電流制御回路12は、例えば、図
3に示すように、カレントミラー回路を構成する、それ
ぞれ発生電流の異なる電流を発生する定電流源である調
整信号発生源としてのバイアス電流源20〜28と、バ
イアス電流源21〜28を選択するためのスイッチ29
〜36とから構成され、バイアス電流源20はPLL回
路10からのバイアス電流iPLL に応じた所定のバイア
ス基準電流iref を発生する。そして、電源ラインVDD
とバイアス電圧ラインVO との間に、バイアス電流源2
1〜24と各バイアス電流源に対応するスイッチ29〜
32とが直列に接続された各直列回路が並列に接続され
ている。また、バイアス電圧ラインVOと接地ラインV
SSとの間には、スイッチ33〜36と各スイッチに対応
するバイアス電流源25〜28とが直列に接続された各
直列回路が並列に接続され、バイアス電流源21〜24
の発生電流がバイアス基準電流iref に加算され、バイ
アス電流源25〜28の発生電流がバイアス基準電流i
ref から減算されるようになされ、バイアス電流源20
〜28の発生電流をもとにバイアス電流iBIASが形成さ
れて調整フィルタ13に供給されるようになされてい
る。
【0029】このとき、バイアス電流源21はバイアス
基準電流iref に比例する8ir の微小電流を発生し、
同様に、バイアス電流源22はバイアス基準電流iref
に比例する4ir の微小電流、バイアス電流源23はバ
イアス基準電流iref に比例する2ir の微小電流、バ
イアス電流源24はバイアス基準電流iref に比例する
1ir の微小電流を発生するように形成されている。ま
た、バイアス電流源25はバイアス基準電流iref に比
例する8ir の微小電流を発生し、バイアス電流源26
はバイアス基準電流iref に比例する4ir の微小電流
を発生し、バイアス電流源27はバイアス基準電流i
ref に比例する2ir の微小電流を発生し、バイアス電
流源28はバイアス基準電流iref に比例する1ir
微小電流を発生するように形成されている。
【0030】そして、これら各バイアス電流源21〜2
8に対応する各スイッチ29〜36は、デジタル制御回
路11からのデジタル設定信号Fsに基づきオンオフ制
御され、8ビットのデジタル信号で構成されるデジタル
設定信号Fsの、例えば、最小ビットがスイッチ36、
第2ビット目がスイッチ35、……、最大ビットがスイ
ッチ29に対応し、というように各ビットが各スイッチ
にそれぞれ対応している。そして、デジタル設定信号F
sのビット信号が“1”であるとき、対応するスイッチ
がオン状態となり所定の対応するバイアス電流源から所
定の微小電流が発生される。また、ビット信号が“0”
であるとき、対応するスイッチがオフ状態となり所定の
対応するバイアス電流源からの電流出力が停止されるよ
うになされている。
【0031】したがって、各バイアス電流源21〜24
の発生電流はそれぞれ、8ir ,4ir,2ir ,1ir
に設定されてバイアス基準電流iref に加算されるよう
になされ、各バイアス電流源25〜28の発生電流はそ
れぞれ、8ir ,4ir,2i r ,1ir に設定されてバ
イアス基準電流iref から減算されるようになされてい
ることから、オン状態とするスイッチの組み合わせによ
り、−15ir 〜+15ir の範囲でバイアス基準電流
ref を調整することができるようになされている。
【0032】そして、これら各バイアス電流源21〜2
8のそれぞれには、図4に示すように、各スイッチ29
〜36のオンオフ状態を固定するための切断手段として
の設定回路101が形成されている。各スイッチに対す
る設定回路101は同一構成であるので、ここでは、ス
イッチ29にこの設定回路101を適用した場合の図4
に基づき説明する。この設定回路101は、デジタル制
御回路11からのデジタル設定信号Fsを入力しスイッ
チ29を制御するためのバッファとしてのインバータ回
路90と、電流を流して焼き切ることのできるメタル層
93及び94と、メタル層93及び94を焼き切るため
のプロービング用のパッド95〜97と、過電流防止用
の抵抗91及び92とから構成され、抵抗91の一端は
例えば接地ラインVSSに接続され、他端はメタル層93
を介してデジタル制御回路11の出力ラインに接続さ
れ、メタル層93の両端にはプロービング用のパッド9
5及び96が接続されている。また、抵抗92の一端は
接地ラインVSSに接続され、その他端はメタル層94を
介してデジタル制御回路11の出力ラインに接続され、
メタル層94の一端にはプロービング用のパッド97が
接続されている。
【0033】そして、デジタル設定信号Fsが入力され
て、その結果、調整フィルタ13の最適特性を得ること
のできるスイッチ29の状態が決まるので、この最適状
態になるように、プロービング用のパッド95〜97に
電流を流してメタル層93及び94を焼き切ることによ
り、スイッチ29がオン又はオフ状態に固定されるよう
になされている。
【0034】そして、調整フィルタ13は、PLL回路
10の構成品である図16に示す基準フィルタ51に用
いられているGmアンプと同一機能構成のGmアンプで
構成され、図5に、調整フィルタ13の一例を示す。こ
の調整フィルタ13は、例えば、Gm−C構成のリープ
フロッグ型帯域通過フィルタで形成されている。図中、
201〜213は、図2に示す基準フィルタ51のGm
アンプと同じ回路構成のGmアンプであり、214〜2
19は容量である。これらGmアンプAMP201〜2
13の入力電圧に対する出力電流の比である相互コンダ
クタンスを表すGm値はバイアス電流制御回路12から
のバイアス電流iBIASにより調整できるようになってい
る。このとき、調整フィルタ13に使用するGmアンプ
のGm値は任意のフィルタ特性を実施するために任意の
Gm値となっている。そして、これら各GmアンプAM
P201〜AMP213とFET11′のドレイン側と
が接続され、FET11′のソース側は接地ラインVSS
に接続され、図2に示す各Gmアンプの構成品であるF
ET12とFET11′とで電流−電圧変換回路として
のカレントミラー回路を構成している。そして、FET
11′のゲート端子にバイアス電流制御回路12からの
バイアス電流iBIASが入力され、所定の電圧に変換され
て、各GmアンプのGm値を制御するようになされてい
る。
【0035】このように形成されたGm−CフィルタF
において、調整フィルタ13の出力特性の調整を行う場
合には、まず、PLL回路10が作動して、基準クロッ
ク信号CKを基準フィルタ51においてフィルタ処理し
た信号と基準クロック信号CKとをもとにその位相比較
器52の出力信号fhが基準クロック信号CKの2倍の
周波数をもつデューティ比50%の信号となるように、
積分器53からのバイアス電流iPLL によって基準フィ
ルタ51の出力特性を調整する。そして、基準フィルタ
51の出力特性が所定の出力特性に調整され、バイアス
電流iPLL が一定値となったものとする。
【0036】このとき、積分器53の出力であるバイア
ス電流iPLL はバイアス電流制御回路12にも供給され
ており、バイアス電流制御回路12の各スイッチ29〜
36がオフ状態であるものとすると、バイアス電流源2
0のみからバイアス電流iPL L に応じた基準電流iref
が発生され、これがバイアス電流iBIASとして、調整フ
ィルタ13に供給される。これによって、調整フィルタ
13はこのバイアス電流iBIASに応じてそのGm値が制
御され、所定の出力特性を得ることが可能に設定される
ことになる。
【0037】そして、オペレータは例えば、試験用の入
力信号を調整フィルタ13に入力してその出力信号を検
出し、このとき、調整フィルタ13と基準フィルタ51
とのカットオフ周波数が同一に設計されている場合でも
各Gmアンプを構成するMOSFETの素子のばらつき
等のために、調整フィルタ13の出力特性が基準フィル
タ51の出力特性と異なっている場合には、オペレータ
は、デジタル制御回路11からその出力特性誤差に応じ
た電流指令値をキー入力する。
【0038】これによって、デジタル制御回路11から
は電流指令値で指定された電流を発生させるための8ビ
ットのデジタル設定信号Fsが出力され、例えば、バイ
アス電流iBIASを増加させる場合には、スイッチ29〜
32の何れか又は全部をオン状態とすることによりバイ
アス電流iBIASを1ir 〜15ir の間で増加させるこ
とが可能となり、バイアス電流iBIASを減少させる場合
には、スイッチ33〜36の何れか又は全部をオン状態
とすることによりバイアス電流iBIASを増減することが
できる。そして、例えば、スイッチ32だけオン状態と
することにより、バイアス電流iBIASを1ir だけ増加
させることができ、また、スイッチ29と31だけオン
状態とすることによりバイアス電流iBIASを8ir +2
r =10ir だけ増加させる、というように、オン状
態とするスイッチの組み合わせにより1ir 〜15ir
の間でバイアス電流iBIASを増加させることができ、同
様に、スイッチ33〜36をオン状態とするスイッチの
組み合わせにより1ir 〜15ir の間でバイアス電流
BIASを減少させることができる。
【0039】したがって、バイアス電流iBIASが増減す
ることによりそれに応じて調整フィルタ13の各Gmア
ンプAMP201〜AMP213のGm値が増減し、こ
れによりカットオフ周波数fcを設計値fc* に設定す
ることができ、所定の出力特性を得ることができる。そ
して、調整フィルタ13の出力信号が所定の出力特性と
なったとき、その状態で、各バイアス電流源21〜28
の各設定回路101のプロービング用パッド95〜97
に電流を流してメタル層93及び94を焼き切ることに
より、各スイッチ29〜36のオンオフ状態が固定さ
れ、これによって、調整フィルタ13の出力特性が所定
のフィルタ特性に固定される。
【0040】したがって、例えば、Gm−C型低域通過
フィルタを組み込んだLSIを用いた装置等を製品化し
た場合等には、このLSIを装置に組み込む前、或い
は、装置を出荷する前又は後に調整を行う必要があり、
装置によってはこのような調整はコスト上昇を招くなど
の好ましくないことがあるので、LSI出荷前の検査等
に、上述のGm−CフィルタFにおいて、デジタル制御
回路11により所定の出力特性となるようなデジタル設
定信号Fsを選定し、所定の出力特性となったときに設
定回路101によって各スイッチをデジタル設定信号F
sに応じてオン又はオフ状態に固定することにより、高
精度なフィルタ特性を有するGm−C型低域通過フィル
タを供給することができる。或いは、このGm−Cフィ
ルタFの調整をユーザ側で行うようにすることも可能で
ある。また、実際のLSIの出荷検査においては、デジ
タル制御回路11がLSI検査のためのテスター装置に
含まれており、テスター装置からプローブ用針をプロー
ビング用パッド96に当てることで設定信号を与えるこ
とが好ましい。
【0041】また、バイアス電流をデジタルで増減する
ことが可能であるので、各バイアス電流源21〜28で
発生する微小電流の単位ir を極微小に設定することに
より、ほとんど連続的にバイアス電流を可変とすること
が可能となって的確な微調整を容易に行うことができ、
調整フィルタ部13の出力特性を、容易確実に所定のフ
ィルタ特性に設定することができる。
【0042】また、バイアス電流源20〜28はカレン
トミラー回路に構成されているので、温度変化等の環境
変化が生じた場合には、PLL回路10からのバイアス
電流iPLL が変化するが、このとき、バイアス電流源2
1〜28で発生する微小電流はバイアス電流源20で発
生する基準電流iref に比例するので、この微小電流も
環境変化に追従した電流値となり、より高精度にバイア
ス電流iBIASの調整を行うことができ、より高精度な出
力特性調整を行うことができる。
【0043】なお、上記第1実施例においては、バイア
ス電流iBIASを調整することによりGm値を調整する場
合について説明したが、バイアス電流iBIASに応じた電
圧値に対して調整を行うようにすることも可能である。
また、上記第1実施例においては、デジタル設定信号F
sを8ビットの信号として形成した場合について説明し
たが、実際にデジタル制御回路11をLSIに設ける場
合には、符号用に1ビットと、設定値用に4ビットとか
らなる合計5ビットのデジタル設定信号Fsとすること
も可能である。
【0044】また、上記第1実施例においては、各バイ
アス電流源21〜28で発生させる電流値を二進数の各
ビット対応に設定した場合について説明したが、これに
限らず任意に設定することができる。また、上記第1実
施例においては、電流値の異なる複数の定電流源を設
け、これら定電流源を選択するスイッチを設け、デジタ
ル指令信号に応じてスイッチが作動するようにした場合
について説明したが、例えば、図6に示すように、PL
L回路10からのバイアス電流iPLL を微調整するため
の微調整用バイアス電流を発生する微調整用電流発生回
路14と、上述のPLL回路10と、前記微調整用電流
発生回路14からの微調整用バイアス電流とPLL回路
10からのバイアス電流iPLL に応じた基準電流iref
とをもとにバイアス電流iBIASを形成するバイアス電流
制御回路12aと調整フィルタ13とからGm−Cフィ
ルタ回路Fを構成することも可能である。
【0045】具体的には、例えば、図7に示すように、
カレントミラー回路を構成するMOSFETからなるF
ET151及び152と、電流生成用のFET150と
からバイアス電流制御回路12aを構成する。これらF
ET151及び152のソース側は電源ラインVDDに接
続され、FET151と接地ラインVSSとの間に電流加
算用の電流値を任意に設定可能な定電流源153が接続
され、FET152と接地ラインVSSとの間に電流減算
用の電流値を任意に設定可能な定電流源154が接続さ
れ、これら定電流源153と154とで微調整用電流発
生回路14を構成している。
【0046】そして、これらFET151及び152と
並列に電流生成用のFET150が接続され、このFE
T150のゲート端子にはPLL回路10からのバイア
ス電流iPLL が入力されてこのバイアス電流iPLL に応
じた基準電流iref に変換され、この基準電流iref
定電流源153及び154で発生する電流値とからバイ
アス電流iBIASが形成されて調整フィルタ13に供給さ
れるようになされている。調整フィルタ13では、上記
と同様に、このバイアス電流iBIASに応じた出力特性を
有して作動するようになされている。
【0047】したがって、例えば、図7のように形成し
たGm−CフィルタFにおいて調整フィルタ13の調整
を行う場合には、調整フィルタ13に例えば試験用の信
号を入力してその出力特性を検出し、所定の出力特性と
ならない場合には、定電流源153又は154の電流値
を、例えばその抵抗値をデジタル指令信号に基づいて変
更すること等により調整し、所望の出力特性となったと
き電流値を固定する。これにより、調整フィルタ13へ
のバイアス電流iBIASを調整し、調整フィルタ13のフ
ィルタ特性を調整することも可能である。
【0048】次に、本発明の第2実施例について説明す
る。図8は、第2実施例におけるGm−CフィルタFの
概略構成を表したものであり、基準クロック信号CKに
基づき所定のバイアス電流iPLL を形成して出力する上
記第1実施例と同一構成のPLL回路10と、オペレー
タの設定信号に基づき所定の選択信号Fcを出力する調
整手段及び選択手段としてのデジタル制御回路11a
と、デジタル制御回路11aからの選択信号Fcに基づ
きその出力特性が設定され、PLL回路10からのバイ
アス電流iPLL に応じて作動するGm−C型低域通過フ
ィルタで構成される調整フィルタ13aとから構成され
ている。
【0049】そして、調整フィルタ13aは、図9に示
すように、図16に示す基準フィルタ51と同様の構成
であるが、各GmアンプA100〜A400、容量C1
00及びC200はそれぞれ複数のGmアンプ及び複数
の容量からそれぞれ選択可能に形成されている。すなわ
ち、GmアンプA100は、例えば、図10に示すよう
にGm値の異なるGmアンプA101〜A104と、こ
の各GmアンプA101〜A104のそれぞれに対応す
るこれらGmアンプを選択するスイッチSa101〜S
a104とから構成され、それぞれ対応するGmアンプ
とスイッチとが直列に接続され、これら直列回路が並列
に接続されている。そして、GmアンプA200〜A4
00も同様に形成されている。
【0050】また、容量C100は例えば図11に示す
ように、容量値の異なる容量C101〜C104と、こ
の容量C101〜C104のそれぞれに対応するこれら
容量を選択するスイッチSc101〜Sc104とから
構成され、それぞれ対応する容量とスイッチとが直列に
接続され、この直列回路が並列に接続されている。そし
て、容量C200も同様に形成されている。
【0051】そして、これら各スイッチSa及びScの
それぞれには、上記第1実施例と同様の図4に示す設定
回路101が接続されている。デジタル制御回路11a
は、上記第1実施例のデジタル制御回路11と同様に、
例えば、マイクロコンピュータ等で構成され、前記各ス
イッチSa及びScを選択する選択信号Fcを出力し、
例えば、選択信号Fcが“1”であるとき対応するスイ
ッチがオン状態となり、選択信号Fcが“0”であると
き対応するスイッチがオフ状態となるように形成されて
いる。
【0052】そして、このように形成されたGm−Cフ
ィルタFにおいて調整フィルタ13aの出力特性の調整
を行う場合には、上記第1実施例と同様に、まずPLL
回路10が作動して、基準クロック信号CKを基準フィ
ルタ51においてフィルタ処理した信号と基準クロック
信号CKとをもとにその位相比較器52の出力信号fh
が基準クロック信号CKの2倍の周波数をもつデューテ
ィ比50%の信号となるように、積分器53からのバイ
アス電流iPLL により基準フィルタ51の出力特性が調
整される。そして、基準フィルタ51の出力特性が所定
の出力特性に調整され、バイアス電流iPLL が一定値と
なったものとする。
【0053】オペレータはこの状態から、調整フィルタ
13aの出力特性の調整を開始する。このとき、積分器
53の出力であるバイアス電流iPLL は各GmアンプA
100〜A400に供給されている。そして、オペレー
タは、デジタル制御回路11aからキー入力することに
より、調整フィルタ13aの各GmアンプA100〜A
400及び容量C100,C200の各スイッチSa及
びScに対し、所望のGm値及び容量値であるGmアン
プ及び容量を選択する選択信号Fcを出力させると共
に、例えば試験用の入力信号を調整フィルタ13aに入
力し、その出力信号を検出する。これによって、選択信
号Fcが出力されることにより所定のスイッチがオン状
態となり、所望のGm値及び容量値からなるGm−Cフ
ィルタが形成される。
【0054】ここで、GmアンプA100〜A400の
Gm値をそれぞれgm1〜gm4、容量C100及びC
200の容量値とc1及びc2とすると、このフィルタ
部14の伝達関数は次式(1)によって表すことができ
る。 また、調整フィルタ13aのカットオフ周波数fcは次
式(2)として表すことができる。
【0055】 fc=(gm2・gm3/c1・c2)0.5 /2π ……(2) したがって、gm1〜gm4,c1及びc2を任意に設
定することにより、伝達関数及びカットオフ周波数を可
変にすることができる。そして、式(2)からわかるよ
うに、gm1〜gm4を一律にa倍すると、そのカット
オフ周波数fcもa倍となるのは明らかである。
【0056】よって、デジタル制御回路11aにより調
整フィルタ13aの各GmアンプのGm値及び容量値を
任意に設定した調整フィルタ13aの出力信号が、例え
ば、各FETの素子のばらつき等によって、所定の出力
特性が得られなかったものとすると、例えば、調整フィ
ルタ13aのカットオフ周波数fcを決定するGmアン
プA200及びA300,容量C100及びC200を
他の値に変更する。すなわち、デジタル制御回路11a
からキー入力することにより各スイッチSa及びScを
操作して他のGm値、容量値を有するGmアンプ、容量
を作動することにより、調整フィルタ13aの出力信号
が所望の出力特性となるように調整を行い、所望の出力
特性を有する調整フィルタ13aを形成する。
【0057】そして、このようにして所望の出力特性を
有する調整フィルタ13aが形成されると、上記第1実
施例と同様にしてその各スイッチSa及びScに形成さ
れた設定回路101のプロービング用パッド95〜97
に電流を流すことによって、各スイッチSa及びScを
オン又はオフ状態に固定することにより、調整フィルタ
13aから、確実に所望の出力特性を有する出力信号を
得ることができる。
【0058】したがって、例えば、デジタル制御回路1
1aによって上述のように調整を行い、調整フィルタ1
3aのみをGm−Cフィルタとして出荷することも可能
であり、また、例えば、デジタル制御回路11a,PL
L回路10及び調整フィルタ13aをGm−Cフィルタ
として出荷し、ユーザ側で任意に調整することも可能で
ある。
【0059】また、例えば、選択可能に形成された各G
mアンプ及び容量の値を、それらの組み合わせによって
複数の所定の出力特性となるように設定しておき、ユー
ザ側でその所望の出力特性となるような組み合わせで各
Gmアンプ及び容量の値をデジタル制御回路11aによ
って設定することにより、任意に出力特性を設定するこ
とも可能である。
【0060】なお、上記第2実施例においては、Gmア
ンプA100〜A400、及び容量C100、C200
は、それぞれ特性の異なる4つのGmアンプ又は容量か
ら形成される場合について説明したが、特性の異なる任
意の複数のGmアンプ又は容量から形成することができ
る。また、上記第1及び第2実施例においては、周波数
特性精度の優れた性能を有したGm−Cフィルタを実現
することができるので、従来のGm−Cフィルタ回路の
ように、相対精度を向上させるためにMOSFETのチ
ャネル長及びチャネル幅の大きいものを使用することに
よって、チップサイズが大きくなることはない。
【0061】なお、上記第1及び第2実施例において
は、図2に示すようなMOSFETで形成されるGmア
ンプにより調整フィルタ13を構成した場合について説
明したが、例えば、図12に示すようにコモンフィード
バック型に構成することも可能である。また、上記第1
及び第2実施例においては、自己調整用バイアス信号発
生回路としてPLL回路を用いた場合について説明した
が、これに限らず、他のバイアス源を適用することも可
能であり、例えば、外部から固定バイアス信号を供給す
るようにすることも可能である。
【0062】また、上記第1及び第2実施例において
は、調整対象である調整フィルタの出力特性を、調整フ
ィルタへのバイアス電流iBIASにより調整する場合、或
いは、調整フィルタを形成するGmアンプ又は容量を選
択することによって調整する場合の何れか一方により調
整する場合について説明したが、例えば、調整フィルタ
を図10及び図11に示すように複数のGmアンプ及び
容量で形成し、これらGmアンプ及び容量から所望の出
力特性を得ることのできるGmアンプ及び容量を選択す
ると共に、各Gmアンプへ供給するバイアス電流iBIAS
を調整し、所定の出力特性となるように調整することも
可能である。
【0063】また、上記第1及び第2実施例において
は、設定回路101ではメタル層93及び94に電流を
流して焼き切る場合について説明したが、これに限らず
例えば、ポリシリコンの層を適用することも可能であ
り、また、例えば、レーザ光の照射等により切断するよ
うにすることも可能である。さらに、上記第1及び第2
実施例においては、図13に示すように、基準フィルタ
51を利用したPLL回路を適用した場合について説明
したが、例えば、図17に示すように、基準フィルタ5
1に替えて、通常PLL回路に頻繁に用いられるような
電流/電圧制御型発振器(VCO)61を適用すること
も可能である。このVCO61は、外部からの制御電流
又は制御電圧によって発振周波数を変更可能に形成され
ている。そして、図17に示すようなPLL回路によれ
ば、VCO61の発振周波数が基準クロック信号周波数
に一致した場合、位相比較器52の出力信号のデューテ
ィ比が50%となり、積分器53の出力レベルが一定に
なって位相ロック状態となる。そして、VCO61の発
振周波数が基準クロック周波数より大きい時には位相比
較器52の出力信号のデューティ比が50%でなくな
り、結果として積分器53の出力レベルが変化して最終
的に周波数が一致するように動作して位相ロック状態が
実現できる。
【0064】ここで、VCO61は、例えば図18に示
すように、GmアンプAMP11〜AMP13と容量C
11及びC12とから構成され、GmアンプのGm値は
積分器53の出力信号であるバイアス電流iPLL に応じ
て決定され、Gm値が大きい場合には発振周波数が大き
くなり、逆に、Gm値が小さい場合には発振周波数が小
さくなる。なお、GmアンプAMP11及びAMP12
は発振周波数を司るアンプであって、GmアンプAMP
13は回路を発振させるための負性抵抗として働いてい
る。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るGm
−Cフィルタによれば、設定信号に基づいて、自己調整
用バイアス信号発生回路から出力されるバイアス信号に
比例した調整信号を形成するようにしたから、例えば、
Gmアンプを形成するMOSFETの素子のばらつき等
によってGm−Cフィルタ回路から設計値どおりのフィ
ルタ特性を得ることができない場合でも、Gm−Cフィ
ルタ回路の出力特性が所定のフィルタ特性となるように
調整信号を発生させGmアンプの出力特性を調整するこ
とにより、Gm−Cフィルタ回路のフィルタ特性を所定
のフィルタ特性に設定することができる。特に、Gm−
Cフィルタ回路の実際の出力特性に応じて設定信号を設
定することによって、実際の出力特性に応じたフィルタ
特性を得ることができる。
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
【0070】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例におけるGm−Cフィルタ
の概略構成図である。
【図2】GmアンプAMPの一例を示す回路図である。
【図3】バイアス電流制御回路の一例を示す回路図であ
る。
【図4】設定回路の一例を示す回路図である。
【図5】調整フィルタの一例を示す回路図である。
【図6】Gm−Cフィルタのその他の例を示す構成図で
ある。
【図7】図6の詳細回路図である。
【図8】本発明の第2実施例におけるGm−Cフィルタ
の概略構成図である。
【図9】調整フィルタ13aの説明図である。
【図10】GmアンプA101の一例を示す説明図であ
る。
【図11】容量C101の一例を示す説明図である。
【図12】GmアンプAMPのその他の例を示す回路図
である。
【図13】従来のGm−Cフィルタの概略構成図であ
る。
【図14】基準フィルタ51の出力特性を表す説明図で
ある。
【図15】基準フィルタ51の動作説明に供する説明図
である。
【図16】基準フィルタ51の一例を示す説明図であ
る。
【図17】PLL回路のその他の例を示す回路図であ
る。
【図18】電流/電圧制御型発振器61の一例を示す回
路図である。
【符号の説明】
10 PLL回路 11,11a デジタル制御回路 12 バイアス電流制御回路 13,13a 調整フィルタ 20〜28 バイアス電流源 29〜36 スイッチ 51 基準フィルタ 52 位相比較器 53 積分器 54,55 コンパレータ 101 設定回路 AMP1〜4 Gmアンプ C1,C2 容量
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−93309(JP,A) 特開 平4−103288(JP,A) 特開 平5−114835(JP,A) 特開 平5−114836(JP,A) 特開 平7−202632(JP,A) 特開 平7−312533(JP,A) 特表 昭61−501675(JP,A) 米国特許5325317(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03H 11/04

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容量と調整信号に応じて相互コンダクタ
    ンスを制御可能に形成されたGmアンプとで構成され、
    所定のフィルタ特性を有するGm−Cフィルタ回路と、 該Gm−Cフィルタ回路のフィルタ特性を調整するため
    の調整信号を形成する調整信号形成手段と、 前記調整信号を形成するための設定信号を出力する調整
    信号設定手段と、 前記Gmアンプの出力特性を設定するためのバイアス信
    号を発生する自己調整用バイアス信号発生回路と、を備
    前記調整信号形成手段は、前記調整信号設定手段で設定
    される設定信号に基づき、前記自己調整用バイアス信号
    発生回路から出力されるバイアス信号に比例した調整信
    号を形成することを特徴とするGm−Cフィルタ。
  2. 【請求項2】 前記調整信号設定手段が出力する設定信
    号は、少なくとも1ビット以上のデジタル設定信号であ
    ることを特徴とする請求項1記載のGm−Cフィルタ。
  3. 【請求項3】 前記自己調整用バイアス信号発生回路
    は、前記Gm−Cフィルタ回路に用いられているGmア
    ンプと同じ構成のGmアンプと容量とからなり且つ基準
    クロック信号が入力されるフィルタ回路と、該フィルタ
    回路の出力信号と前記基準クロック信号との位相差を求
    める位相比較器と、積分器とから構成されるPLL回路
    で形成されることを特徴とする請求項1又は2記載のG
    m−Cフィルタ。
  4. 【請求項4】 前記調整信号設定手段は、前記Gm−C
    フィルタ回路の実際の出力特性に応じて前記設定信号を
    設定することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記
    載のGm−Cフィルタ。
  5. 【請求項5】 前記Gm−Cフィルタ回路は、複数のG
    mアンプ又は複数の容量のうちの何れかを選択すること
    により前記フィルタ特性を変更可能な回路であって、前
    記Gmアンプ又は前記容量を、これらが接続されている
    回路から物理的に切断する切断手段を備えることを特徴
    とする請求項1乃至4の何れかに記載のGm−Cフィル
    タ。
  6. 【請求項6】 前記調整信号形成手段は、複数の電流源
    のうちの何れかを選択して前記調整信号を形成するよう
    にした手段であって、前記電流源を、これらが接続され
    ている回路から物理的に切断する切断手段を備えること
    を特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のGm−C
    フィルタ。
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