JP3455063B2 - 可変利得増幅器 - Google Patents

可変利得増幅器

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JP3455063B2 JP14960697A JP14960697A JP3455063B2 JP 3455063 B2 JP3455063 B2 JP 3455063B2 JP 14960697 A JP14960697 A JP 14960697A JP 14960697 A JP14960697 A JP 14960697A JP 3455063 B2 JP3455063 B2 JP 3455063B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は可変利得増幅器に係
り、特に無線通信システムで有用なディジタル制御によ
って利得切り替えを行う機能を有する可変利得増幅器に
関する。
【0002】
【従来の技術】無線通信システムにおいては、ダイナミ
ックレンジを広くするために可変利得増幅器を用いるこ
とが有効である。例えば、無線受信機においてアンテナ
から入力された受信信号を増幅する際、過大な入力信号
に対しては歪みが生じないように低利得とし、微小な入
力信号に対しては雑音特性を良くするように高利得とす
る可変利得増幅器が使用される。
【0003】このような可変利得増幅器の例は、IEEE
J.Solid State Circuits, vol.SC-8,p275 “Distortion
in Bipolar Transistor Variable-Gain Amplifier”,W
ILLYM.C.SANSEN, ROBRET G.MEYER 著、に記載されてい
る。この可変利得増幅器は、図14に示すように入力信
号電圧ViをトランジスタQ101で電流に変換し、こ
の電流をトランジスタQ102,Q103に制御電圧V
cで決まる電流分割比に応じて分割することにより、ト
ランジスタQ103のコレクタから出力される出力信号
電圧Voを可変とした増幅器である。出力信号電圧Vo
は次式(1)で表され、Vcの値に応じて0からgm・
L ・Viまで連続的に変化する。
【0004】 Vo=gm・RL ・Vi/(1+exp(Vc−VT )) (1) 但し、gmはトランジスタの相互コンダクタンス、VT
は熱電圧、RL は負荷抵抗である。
【0005】この可変利得増幅器は、電流分割比をアナ
ログフィードバックで制御してアナログ的に利得を可変
するAGC回路などには有用である。しかし、利得制御
をディジタル制御で行う場合には、式(1)で示される
ように出力信号電圧Voが制御電圧Vcの関数となって
いるため、所望の利得に応じて制御電圧Vcの値を正確
に与えないと高精度の利得制御を行うことができないと
いう困難さがある。
【0006】この問題を解決するため、所定の利得を持
つ増幅器を複数個用意し、図15にに示すように各増幅
器A1〜Anを入力側スイッチSWi1〜SWinおよ
び出力側スイッチSWo1〜SWonにより選択して利
得を切り替えたり、図16に示すように各増幅器A1〜
Anを並列に接続し、外部からの制御信号により一つの
増幅器を選択的に能動状態として利得を切り替える方法
がある。
【0007】図15に示すような利得切り替えにスイッ
チを利用する方法では、可変利得増幅器全体をICで構
成する場合、FETのような素子でスイッチを実現する
必要があり、スイッチの性能によっては可変利得増幅器
全体の性能が劣化したり、利得切り替え精度が低下する
という問題がある。スイッチをIC内に集積しない場合
には、外付け部品のスイッチを用いることになるので、
回路が大型化したり、コストが高くなるという問題が起
こる。
【0008】一方、図16に示す方法によれば、利得の
切り替えにスイッチを用いないため図15に示した方法
の問題点は解消されるが、並列接続された各増幅器の入
力インピーダンスや出力インピーダンスが異なっている
と、利得の切り替え時に信号の大きさが変化してしまう
ため、予定通りの利得が得られなくなる。利得切り替え
精度を十分に確保するためには、どの増幅器を能動状態
としても入力および出力インピーダンスが一定となるよ
うに各増幅器の入力部および出力部の回路を構成しなく
てはならないという問題がある。また、各増幅器の入出
力インピーダンスがそれぞれ等しくなるように回路を設
計しても、構成素子のばらつきによっては利得切り替え
時に入出力インピーダンスが変動してしまい、所定の利
得切り替え精度が得られなくなる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の可変利得増幅器のうち二つのトランジスタの電流分割
比を変えて利得を可変としたものでは、ディジタル制御
で利得切り替えを精度良く行うことが困難であった。ま
た、複数の増幅器をスイッチで切り替える方法では、ス
イッチを集積化した場合に所望の利得切り替え精度を得
ることが難しく、外付けのスイッチを用いると大型化や
コストアップを招くという問題があり、さらに並列接続
した複数の増幅器を選択的に能動状態として利得を切り
替える方法では、各増幅器の入出力インピーダンスのば
らつきや構成素子のばらつきにより利得切り替え精度が
低下するという問題点があった。
【0010】本発明は、このような従来技術の問題点を
解消すべくなされたもので、ディジタル制御で利得を高
精度に切り替えることができる可変利得増幅器を提供す
ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明の可変利得増幅器は、入力端子からの入力信
号を受けて信号電流を出力する入力段回路と、この入力
段回路の出力インピーダンスより小さい入力インピーダ
ンスを有し、該入力段回路から出力される信号電流を選
択された電流分割比で少なくとも二つに分割する可変電
流分割回路と、この可変電流分割回路の電流分割比を選
択する電流分割比選択回路と、可変電流分割回路の出力
インピーダンスより小さい入力インピーダンスを有し、
該可変電流分割回路により分割された電流の一方を受け
て出力信号を出力端子に取り出す出力段回路とを備えた
ことを特徴とする。
【0012】入力段回路は例えば入力信号が電圧信号の
場合、電圧−電流変換回路で構成され、出力段回路は出
力信号として電圧信号を出力する場合、電流−電圧変換
回路によって構成される。
【0013】この可変利得増幅器では、可変電流分割回
路の電流分割比を変化させることによって、利得が切り
替えられる。この場合、上述のように可変電流分割回路
の入力インピーダンスを入力段回路の出力インピーダン
スより小さく、好ましくは十分に小さくし、かつ可変電
流分割回路の出力インピーダンスを出力段回路の入力イ
ンピーダンスより大きく、好ましくは十分に大きくする
ことにより、可変利得増幅器の入力インピーダンスおよ
び出力インピーダンスは、それぞれ入力段回路の入力イ
ンピーダンスおよび出力段回路の出力インピーダンスと
なる。
【0014】従って、可変利得増幅器の入出力インピー
ダンスは利得切り替えに際してほとんど変化することが
ないので、利得切り替え量は可変電流分割回路の電流分
割比のみによって決定され、極めて高精度な利得切り替
えが可能となる。また、電流分割比選択回路から可変電
流分割回路に供給される選択信号は、電流分割比をディ
ジタル的に制御できるだけの精度であればよく、アナロ
グ的に利得制御を行う場合のような高い精度は要求され
ない。
【0015】本発明においては、上述の可変利得増幅器
を単位増幅器として複数個有し、これらを直列または並
列あるいは直並列に接続して構成することによって、よ
り多段階の利得切り替えを行うこともできる。
【0016】本発明における可変電流分割回路は、基本
的には複数のバイポーラトランジスタのエミッタ面積比
で決められた複数の電流分割比を選択的に設定可能に構
成されるか、あるいは複数のMOSトランジスタのゲー
ト幅/ゲート長比(W/L)の比で決められた複数の電
流分割比を選択的に設定可能に構成される。すなわち、
可変電流分割回路は電流入力側が入力段回路に接続さ
れ、電流出力側が出力段回路に接続されたトランジスタ
と、電流入力側が入力段回路に接続され、電流出力側が
定電位点に接続されたトランジスタを少なくとも含んで
構成され、これら両トランジスタのエミッタ面積比また
はW/Lの比で電流分割比が決定される。
【0017】
【0018】
【0019】第の可変電流分割回路は、ベースまたは
ゲートが第1の定電位点に接続され、エミッタまたはソ
ースが入力段回路に接続され、コレクタまたはドレイン
が前記出力段回路に接続された第1のトランジスタと、
ベースまたはゲートが第1の定電位点に接続され、コレ
クタまたはドレインが第2の定電位点に接続された第2
のトランジスタと、第1のトランジスタのエミッタまた
はソースと第2のトランジスタのエミッタまたはソース
との間に接続されたキャパシタと、第2のトランジスタ
のエミッタまたはソースに接続され、電流分割比選択回
路からの電流分割比を選択するための選択信号によって
オン/オフ制御される定電流源とにより構成される。
【0020】第の可変電流分割回路は、ベースまたは
ゲートが第1の定電位点に接続され、エミッタまたはソ
ースが入力段回路に接続され、コレクタまたはドレイン
が出力段回路に接続された第1のトランジスタと、ベー
またはゲートが第1の定電位点に接続され、コレクタ
またはドレインが第2の定電位点に接続された複数の第
2のトランジスタと、第1のトランジスタのエミッタま
たはソースと第2のトランジスタのそれぞれのエミッタ
またはソースとの間に接続された複数のキャパシタと、
第2のトランジスタのそれぞれのエミッタまたはソース
に接続され、電流分割比選択回路からの電流分割比を選
択するための選択信号によって選択的にオン/オフ制御
される複数の定電流源とにより構成される。
【0021】さらに、上述した第1または第2の可変電
流分割回路の少なくとも一つを単位回路として複数個有
し、これらを直列または並列あるいは直並列に接続して
一つの可変電流分割回路として使用することもできる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。 (基本構成)図1に、本発明に係る可変利得増幅器の基
本構成を示す。入力端子1には、入力信号が例えば電圧
信号として与えられる。この入力信号は入力段回路2に
入力され、ここで入力信号が電圧信号の場合は電圧−電
流変換される。入力段回路2から出力される信号電流
は、可変電流分割回路3に入力される。可変電流分割回
路3では、入力段回路2から出力される信号電流が電流
分割比選択回路5により選択された電流分割比で二分割
される。分割された一方の信号電流は出力段回路4に入
力され、他方の信号電流は交流接地点(AC GND)
を流れる。出力段回路4では、入力された信号電流が電
流−電圧変換されて電圧信号となり、出力端子6から出
力信号として取り出される。
【0023】なお、入力端子与えられる入力信号や、出
力端子6へ出力される出力信号は電流信号であっても構
わない。ここで、入力段回路2の出力インピーダンスを
Zo2、可変電流分割回路3の入力インピーダンスをZi
3、可変電流分割回路3の出力インピーダンスをZo3、
出力段回路4の入力インピーダンスをZi4とすれば、こ
れらの関係は図中に示されるように、 Zo2>>Zi3 (2) Zo3>>Zi4 (3) に選ばれる。
【0024】この可変利得増幅器では、電流分割比選択
回路5によって可変電流分割回路3の電流分割比を所望
の利得に応じて選択することにより、可変電流分割回路
3から出力段回路4に入力される信号電流が変化し、入
力端子1から出力端子6までの間の利得、この場合は電
圧利得がディジタル的に切り替わる。
【0025】この利得切り替えに際しては、可変電流分
割回路3の電流分割比の変化に伴って可変電流分割回路
3の入出力インピーダンスZi3,Zo3が変化する。ここ
で、入力インピーダンスZi3を式(2)に示されるよう
に入力段回路2の出力インピーダンスZo2に比べて十分
に小さくすることによって、利得切り替えの前後で入力
インピーダンスZi3が変化しても、入力段回路2から出
力される信号電流にほとんど変化が生じないようにする
ことができる。
【0026】また、可変電流分割回路3の出力インピー
ダンスZo3を式(3)に示されるように出力段回路4の
入力インピーダンスZi4に比べて十分に大きくすること
によって、利得切り替えの前後で出力インピーダンスZ
o3が変化しても、出力段回路4には可変電流分割回路3
で分割された信号電流のみが流れ込むようにすることが
できる。
【0027】さらに、可変利得増幅器の入出力インピー
ダンスは、それぞれ入力段回路2の入力インピーダンス
および出力段回路4の出力インピーダンスであり、これ
らは利得切り替えに際し一定に保たれる。
【0028】従って、可変利得増幅器としての利得は可
変電流分割回路3の電流分割比によってのみ決定される
ので、利得切り替え精度を十分に高くとることができ、
従来技術の問題点が解決される。
【0029】次に、図1の各部について具体的に説明す
る。 (入力段回路2の具体例)図2に、入力段回路2の種々
の構成例を示す。図2(a)(b)は電圧入力・電流出
力の形式であり、図2(a)はエミッタが接地されたバ
イポーラトランジスタQ1のベースに入力端子1を接続
し、コレクタから出力電流を取り出すようにした例、図
2(b)はソースが接地されたMOSトランジスタM1
のゲートに入力端子1を接続し、ドレインから出力電流
を取り出すようにした例である。
【0030】図2(c)(d)は電流入力・電流出力の
形式であり、図2(c)はベースに定電位が与えられた
バイポーラトランジスタQ2のエミッタに入力端子1を
接続し、コレクタから出力電流を取り出すようにした
例、図2(d)はゲートに定電位が与えられたMOSト
ランジスタM2のソースに入力端子1を接続し、ドレイ
ンから出力電流を取り出すようにした例である。
【0031】図2(a)(b)(c)(d)に示した入
力段回路2は、いずれもバイアス電流が変化しない限り
入力インピーダンスは一定であり、また非常に高い出力
インピーダンスを有する。
【0032】(出力段回路4の具体例)図3に、出力段
回路4の種々の構成例を示す。図3(a)は可変電流分
割回路3からの出力電流を抵抗R1に流し、抵抗R1の
電圧降下を出力信号として出力端子6に取り出すように
した例である。図3(b)は可変電流分割回路3からの
出力電流を抵抗R2に流し、抵抗R2の電圧降下をバイ
ポーラトランジスタQ3と定電流源CSで構成されるエ
ミッタフォロワを介して出力端子6に出力信号として取
り出すようにした例である。
【0033】図3(a)(b)に示した出力段回路3
は、抵抗R1,R2の抵抗値を可変電流分割回路3の出
力インピーダンスよりも十分小さな値にとることによ
り、利得切り替えに際しても出力インピーダンスが一定
に保たれる。
【0034】(可変電流分割回路3の具体例)可変電流
分割回路3は、具体的には複数のバイポーラトランジス
タのエミッタ面積比で決められた複数の電流分割比を選
択的に設定可能に構成するか、あるいは複数のMOSト
ランジスタのW/L(ゲート幅/ゲート長比)の比で決
められた複数の電流分割比を選択的に設定可能に構成す
ることによって実現される。図4〜図7に、可変電流分
割回路3の種々の構成例を示す。
【0035】図4に示す可変電流分割回路3は、電流分
割比選択回路5からの選択信号が入力される第1および
第2の選択信号入力端子11,12と、これらの選択信
号入力端子11,12にそれぞれのベースが接続され、
それぞれのエミッタが入力段回路2に接続され、それぞ
れのコレクタが出力段回路4に接続された第1および第
2のバイポーラトランジスタQ11,Q12と、ベース
が第2の選択信号入力端子12に接続され、エミッタが
入力段回路2に接続され、コレクタが定電位点である交
流接地点AC GNDに接続された第3のトランジスタ
Q13によって構成される。
【0036】この可変電流分割回路3では、選択信号入
力端子11,12に印加される選択信号の電位関係によ
り、トランジスタQ11とトランジスタQ12,Q13
のいずれかに選択的に入力段回路2から出力される信号
電流が流れる。このとき、図4中に示されるようにトラ
ンジスタQ12とトランジスタQ13のエミッタ面積比
を1:n(n>1)とすれば、電流分割比は1または1
/nの2段階に切り替えられことになる。この動作につ
いては、後述するより具体的な実施例において詳しく説
明する。
【0037】なお、図4はバイポーラトランジスタで構
成した例であるが、トランジスタQ11,Q12,Q1
3をMOSトランジスタに置き換えてもよい。その場合
は、ベースをゲートに、エミッタをソースに、コレクタ
をドレインにそれぞれ置き換え、さらにエミッタ面積を
W/Lに置き換えて考えればよい。
【0038】図5に示す可変電流分割回路3は、電流分
割比選択回路5からの選択信号が入力される第1および
第2の選択信号入力端子11,12と、これらの選択信
号入力端子11,12にそれぞれのゲートが接続され、
それぞれのソースが入力段回路2に接続され、それぞれ
のドレインが出力段回路4に接続された第1および第2
のMOSトランジスタM11,M12と、選択信号入力
端子11,12にそれぞれのゲートが接続され、それぞ
れのソースが入力段回路2に接続され、それぞれのドレ
インが交流接地点AC GNDに接続された第3および
第4のMOSトランジスタM13,M14によって構成
される。
【0039】この可変電流分割回路3では、選択信号入
力端子11,12に入力される選択信号の電位関係によ
り、トランジスタM11,M13の組と、トランジスタ
M12,M14の組のいずれかに選択的に入力段回路2
から出力される信号電流が流れる。ここで、トランジス
タM11,M12,M13,M14のそれぞれのW/L
をW/L(11),W/L(12),W/L(13),W/L(14)と
した時、例えば W/L(11):W/L(12)=1:m W/L(13):W/L(14)=1:n としておけば、mとnの値に応じて電流分割比は2段階
に切り替えられることになる。
【0040】なお、図5はMOSトランジスタで構成し
た例であるが、トランジスタM11,M12,M13,
M14をバイポーラトランジスタに置き換えてもよい。
その場合は、ゲートをベースに、ソースをエミッタに、
ドレインをコレクタにそれぞれ置き換え、さらにW/L
をエミッタ面積に置き換えて考えればよい。
【0041】上述した図4および図5の可変電流分割回
路3によれば、その入力インピーダンスを図2に示した
入力段回路2の出力インピーダンスに比較して十分に低
くすることができる。
【0042】図6に示す可変電流分割回路3は、電流分
割比選択回路5からの選択信号が入力される第1および
第2の選択信号入力端子11,12と、ベースが第1の
定電位点であるバイアス電圧源Vbに接続され、エミッ
タが入力段回路2に接続され、コレクタが出力段回路4
に接続された第1のトランジスタQ21と、ベースがバ
イアス電圧源Vbに接続され、コレクタが第2の定電位
点である交流接地点AC GNDに接続された複数の第
2のトランジスタQ22,Q23と、第1のトランジス
タQ21のエミッタと第2のトランジスタQ22,Q2
3のそれぞれのエミッタとの間に接続されたキャパシタ
C11,C12と、第2のトランジスタQ22,Q23
のそれぞれのエミッタに接続され、選択信号入力端子1
1,12に入力される選択信号によって選択的にオン/
オフ制御される定電流源CS21,CS22によって構
成される。
【0043】この可変電流分割回路3では、定電流源C
S21,CS22が共にオフの場合は、入力段回路2か
ら出力される信号電流は全てトランジスタQ21を介し
て出力段回路4を流れる。定電流源CS21,CS22
のいずれか一方がオンの場合は、入力段回路2から出力
される信号電流はその一部がトランジスタQ21を介し
て出力段回路4を流れ、他の一部がトランジスタQ22
またはQ23およびキャパシタC21またはC22を介
して定電流源CS21,CS22のうちオンになってい
る方を流れる。
【0044】ここで、トランジスタQ22,Q23のエ
ミッタ面積は異なっており、トランジスタQ21のエミ
ッタ面積に対してQ22のエミッタ面積はn倍、Q23
のエミッタ面積はm倍となっている。従って、定電流源
CS21,CS22を選択的にオン/オフ制御すること
によって、電流分割比を1、1/n、1/mの3段階に
切り替えることができる。
【0045】なお、図6はバイポーラトランジスタで構
成した例であるが、トランジスタQ21,Q22,Q2
3をMOSトランジスタに置き換えてもよい。その場合
は、ベースをゲートに、エミッタをソースに、コレクタ
をドレインにそれぞれ置き換え、さらにエミッタ面積を
W/Lに置き換えて考えればよい。また、図6では第2
のトランジスタとキャパシタおよび定電流源を2個とし
たが、3個以上としてであってもよい。
【0046】図7に示す可変電流分割回路3は、電流分
割比選択回路5からの選択信号が入力される選択信号入
力端子11と、ゲートが第1の定電位点であるバイアス
電圧源Vbに接続され、ソースが入力段回路2に接続さ
れ、ドレインが出力段回路4に接続された第1のトラン
ジスタM21と、ゲートがバイアス電圧源Vbに接続さ
れ、ドレインが第2の定電位点である交流接地点AC
GNDに接続された第2のトランジスタM22と、トラ
ンジスタM21のソースとトランジスタM22のソース
との間に接続されたキャパシタC23と、トランジスタ
M22のソースに接続され、選択信号入力端子11に入
力される選択信号によってオン/オフ制御される定電流
源CS23により構成される。
【0047】この可変電流分割回路3では、定電流源C
S23がオフの場合は、入力段回路2から出力される信
号電流は全てトランジスタM21を介して出力段回路4
を流れる。一方、定電流源CS23がオンの場合は、入
力段回路2から出力される信号電流は一部がトランジス
タM21を介して出力段回路4へ流れ、他の一部がトラ
ンジスタM22およびキャパシタC23を介して定電流
源CS23に流れる。従って、定電流源CS23をオン
/オフ制御することによって、電流分割比を2段階に切
り替えることができる。
【0048】なお、図6はMOSトランジスタで構成し
た例であるが、トランジスタM21,M23をバイポー
ラトランジスタに置き換えてもよく、その場合はゲート
をベースに、ソースをエミッタに、ドレインをコレクタ
にそれぞれ置き換えて考えればよい。
【0049】上述した図6および図7の可変電流分割回
路3では、利得切り替えに際してトランジスタQ21,
M21のバイアス電流が変化しないため、入力段回路2
の入力インピーダンスおよび出力段回路4の出力インピ
ーダンスが変化することはない。
【0050】図8は、可変電流分割回路3の他の実施形
態を示す図であり、図4〜図7で説明した可変電流分割
回路を単位回路として複数個用意し、これらを直列また
は並列あるいは直並列に接続して構成されている。ここ
では、単位回路として3つの可変電流分割回路ユニット
3a,3b,3cを用い、ユニット3b,3cを直列に
接続し、これらをユニット3aに対して並列に接続して
いる。ユニット3a,3b,3cには、それぞれ電流分
割比切り替え端子7a,7b,7cが接続されている。
各ユニット3a,3b,3cは、それぞれ図4〜図7に
示した可変電流分割回路のいずれかであり、その組み合
せは任意である。また、図8の構成は種々変形すること
が可能であり、ユニットの直列接続数、並列接続数を3
以上にしてもよい。
【0051】このように可変電流分割回路3を構成する
と、入力段回路2に接続されているユニット3a,3b
の入力インピーダンスが入力段回路2の出力インピーダ
ンスより十分に小さければ、利得切り替えの際に入力段
回路2から出力される信号電流は一定となる。また、出
力段回路4に接続されているユニット3a,3cの出力
インピーダンスが出力段回路4の入力インピーダンスよ
り十分に大きければ、出力段回路4に入力される信号電
流は、利得切り替えの際に各ユニット3a,3b,3c
で選択された電流分割比に応じた値となる。
【0052】ここで、ユニット3a,3bの入力インピ
ーダンスがそれぞれの電流分割比の変化に伴い変化しな
ければ、入力段回路2からユニット3a,3bに入力さ
れる信号電流は利得切り替えの際に変化しないため、利
得の切り替え量は各ユニット3a,3b,3cで選択さ
れた電流分割比によって決まることになる。
【0053】次に、本発明のより具体的な実施例につい
て説明する。 (第1の実施例)図9は、第1の実施例に係る可変利得
増幅器であり、図2(a)に示したトランジスタQ1か
らなる入力段回路2と、図4に示した選択信号入力端子
11,12およびトランジスタQ11,Q12,Q13
からなる可変電流分割回路3と、図3(a)に示した抵
抗R1からなる出力段回路4および2つの選択信号を出
力する電流分割比選択回路5を組み合わせた構成となっ
ている。
【0054】この可変利得増幅器の動作を説明すると、
まず入力端子1からの入力信号電圧は入力段回路2にお
いてトランジスタQ1により電流に変換され、可変電流
分割回路3に入力される。このとき、可変電流分割回路
3の第1および第2の選択信号入力端子11,12に入
力される選択信号の電位をV11,V12とすると、 V11−V12>4VT (4) (VT は熱電圧)の場合は、トランジスタQ11がオン
となり、 V12−V11>4VT (5) の場合は、トランジスタQ12,Q13がオンとなる。
この場合、選択信号の精度は、上式を満たす程度でよ
い。また、選択信号入力端子11,12は交流的に接地
されているものとする。
【0055】入力段回路2のトランジスタQ1から出力
される信号電流は、前者の場合(高利得時:利得A1)
はトランジスタQ11に流れ、後者の場合(低利得時:
利得A2)はトランジスタQ12,Q13を流れ、トラ
ンジスタQ12を流れた電流のみが出力段回路4の抵抗
R1を流れる。
【0056】ここで、抵抗R1の抵抗値をトランジスタ
Q11,Q12の出力インピーダンスよりも十分小さな
値としておけば、高利得時(利得A1)と低利得時(利
得A2)とで抵抗R1を流れる電流の割合は、コレクタ
が出力段回路4に接続されているトランジスタQ11,
Q12にそれぞれ入力される電流の比で決定され、トラ
ンジスタQ12とQ13のエミッタ面積比を1:nとす
れば、トランジスタQ12に流れる電流はトランジスタ
Q11に流れる電流の1/nとなるので、利得A2は利
得A1の1/nとなる。なお、利得切り替えの後の可変
電流分割回路3のインピーダンス変動を小さくするた
め、トランジスタQ11とQ12のエミッタ面積比は、
(n+1):1に選ばれている。
【0057】トランジスタQ11,Q12,Q13はベ
ース接地であり、その入力インピーダンスはエミッタ接
地であるトランジスタQ1の出力インピーダンスよりも
十分に小さいので、高利得時と低利得時とでトランジス
タQ1から出力される信号電流はほとんど変化しない。
さらに、利得切り替えの際に、トランジスタQ11,Q
12,Q13のエミッタ電位がほとんど変動しないの
で、ミラー効果によるインピーダンス変動もほとんどな
い。
【0058】このように本実施例によれば、電流分割比
選択回路5から式(4)を満たす選択信号と式(5)を
満たす選択信号を選択的に可変電流分割回路3に供給す
ることによって、可変電流分割回路3に用意された電流
分割比を選択することで、利得を切り替えることができ
る。
【0059】この場合の可変利得増幅器の入力インピー
ダンスは入力段回路2のトランジスタQ1に流れるバイ
アス電流で決定され、利得切り替えの際にバイアス電流
に変化は生じないため、入力インピーダンスは一定に保
たれる。また、出力段回路4の抵抗R1の抵抗値をトラ
ンジスタQ11,Q12の出力インピーダンスより大き
な値に選んでいるため、可変利得増幅器の出力インピー
ダンスも一定となる。従って、利得切り替え量は可変電
流分割回路3に用意された電流分割比により正確に決ま
ることになる。
【0060】(第2の実施例)図10は、第2の実施例
に係る可変利得増幅器であり、二つの可変利得増幅器1
01,102を並列に配置して構成される。可変利得増
幅器101は図9に示した可変利得増幅器と同様であ
り、トランジスタQ1で構成される入力段回路2−1
と、選択信号入力端子11,12とトランジスタQ1
1,Q12,Q13で構成される可変電流分割回路3−
1と、抵抗R1で構成される出力段回路4−1および電
流分割比選択回路5−1からなる。
【0061】一方、可変利得増幅器102はトランジス
タQ1で構成される入力段回路2−2と、選択信号入力
端子21,22とトランジスタQ31,Q32,Q3
3,Q33で構成される可変電流分割回路3−2と、抵
抗R1で構成される出力段回路4−2および電流分割比
選択回路5−2からなる。
【0062】可変利得増幅器102について説明する
と、入力端子1からの入力信号は入力段回路2−22に
おいてトランジスタQ1により電圧−電流変換され、可
変電流分割回路3−2に入力される。このとき、可変電
流分割回路3−2の選択信号入力端子21,22に入力
される選択信号の電位をV21,V22とすると、 V21−V22>4VT (6) の場合は、トランジスタQ31,Q33がオンとなり、 V22−V21>4VT (7) の場合は、トランジスタQ32,Q34がオンとなる。
この場合、選択信号の精度は、上式を満たす程度でよ
い。また、選択信号入力端子21,22は交流的に接地
されているものとする。
【0063】入力段回路2−2のトランジスタQ1から
出力される信号電流は、前者の場合(高利得時:利得A
1)はトランジスタQ31,Q33を流れ、トランジス
タQ31を流れた信号電流のみが出力段回路4−2の抵
抗R1を流れる。さらに、入力段回路2−2のトランジ
スタQ1から出力される信号電流は、後者の場合(低利
得時:利得A2)はトランジスタQ32,Q34を流
れ、トランジスタQ32を流れた信号電流のみが出力段
回路4−2の抵抗R1を流れる。
【0064】ここで、出力段回路4−2の抵抗R1の抵
抗値をトランジスタQ31,Q32の出力インピーダン
スよりも十分小さな値とすれば、トランジスタQ31,
Q32を流れる電流がそのまま抵抗R1を流れるので、
トランジスタQ31とQ33のエミッタ面積比を1:m
とし、トランジスタQ32とQ34のエミッタ面積比を
1:nとしておけば、利得A2は利得A1のm/nとな
る。
【0065】なお、トランジスタQ31とQ33のエミ
ッタ面積比を1:nに、トランジスタQ32とQ34の
エミッタ面積比を1:mに保ちつつ、トランジスタQ3
1とQ33のエミッタ面積の和と、トランジスタQ32
とQ34のエミッタ面積の和を等しくしてもよい。
【0066】トランジスタQ31,Q32,Q33,Q
34はベース接地であり、その入力インピーダンスはエ
ミッタ接地であるトランジスタQ1の出力インピーダン
スよりも十分に小さいので、高利得時と低利得時とでト
ランジスタQ1から出力される信号電流はほとんど変化
しない。さらに、利得切り替えの際に、トランジスタQ
31,Q32,Q33,Q34のエミッタ電位がほとん
ど変動しないので、ミラー効果によるインピーダンス変
動もほとんどない。
【0067】このように本実施例によれば、可変利得増
幅器102は電流分割比選択回路5−2から式(6)を
満たす選択信号と式(7)を満たす選択信号を選択的に
可変電流分割回路3−2に供給することによって、可変
電流分割回路3−2に用意された電流分割比を選択する
ことで、利得を切り替えることができる。
【0068】この場合の可変利得増幅器102の入力イ
ンピーダンスは入力段回路2−2のトランジスタQ1に
流れるバイアス電流で決定され、利得切り替えの際にバ
イアス電流に変化は生じないため、入力インピーダンス
は一定に保たれる。また、出力段回路4−2の抵抗R1
の抵抗値をトランジスタQ31,Q32の出力インピー
ダンスより大きな値に選んでいるため、可変利得増幅器
102の出力インピーダンスも一定となる。これによ
り、利得の切り替え量は可変電流分割回路3−2に用意
された電流分割比により正確に決まることになる。
【0069】従って、この可変利得増幅器102を図1
0に示したように図9で説明したと同様の可変利得増幅
器101と並列に配置して使用すれば、入出力インピー
ダンスが利得切り替え時に変化することがなく、また二
つの可変利得増幅器101,102内の可変電流分割回
路3−1,3−2に用意された合計4つの電流分割比に
応じて4段階の利得切り替えが可能であって、さらに利
得切り替え精度が可変電流分割回路3−1,3−2に用
意された電流分割比に応じて高精度に決まる可変利得増
幅器を実現できる。
【0070】(第3の実施例)図11は、第3の実施例
に係る可変利得増幅器であり、図2(a)に示した入力
段回路2と、図4に示した可変電流分割回路から第2の
選択信号入力端子12とトランジスタQ23と定電流源
CS22を取り除いた可変電流分割回路3と、図3
(a)に示した出力段回路4および選択信号を出力する
電流分割比選択回路5を組み合わせた構成となってい
る。
【0071】この可変利得増幅器の動作を説明すると、
まず入力端子1からの入力信号は入力段回路2において
トランジスタQ1により電圧−電流変換され、可変電流
分割回路3に入力される。ここで、電流分割比選択回路
5からの選択信号によって定電流源CS21がオン/オ
フ制御され、トランジスタQ22のバイアス電流がオン
/オフされることにより、可変電流分割回路3の電流分
割比が選択される。
【0072】すなわち、定電流源CS21がオフの場合
は、入力段回路2から出力される信号電流は全てトラン
ジスタQ21を介して出力段回路4を流れる。定電流源
CS21がオンになると、入力段回路2のトランジスタ
Q1から出力される信号電流がトランジスタQ22にも
キャパシタC21を介して流れ、トランジスタQ21を
流れた信号電流のみが出力段回路4の抵抗R1を流れ
る。ここで、トランジスタQ21,Q22に流すバイア
ス電流の比を1:nとし、さらにトランジスタQ21,
Q22のエミッタ面積比を1:nとすると、定電流源C
S21のオン/オフにより利得比が1:nの利得切り替
えが行われることになる。
【0073】この定電流源CS21のオン/オフにより
可変電流分割回路3の入力インピーダンスが変化する
が、エミッタ接地であるトランジスタQ1の出力インピ
ーダンスがベース接地であるトランジスタQ21,Q2
2の入力インピーダンスよりも大きいので、高利得時と
低利得時とでトランジスタQ1から出力される信号電流
はほとんど変化しない。この場合の可変利得増幅器の入
力インピーダンスはトランジスタQ1に流れるバイアス
電流で決定され、このバイアス電流は利得切り替えの際
に変化しないため、入力インピーダンスは一定に保たれ
る。さらに、抵抗R1の値をトランジスタQ21の出力
インピーダンスよりも小さくすることにより、可変利得
増幅器の出力インピーダンスも一定に保たれる。従っ
て、利得切り替え量は、可変電流分割回路3の電流分割
比によって正確に決まる。
【0074】(第4の実施例)図12は、第4の実施例
に係る可変利得増幅器であり、図2(b)に示した入力
段回路2と、図4に示した可変電流分割回路のバイポー
ラトランジスタQ11,Q12,Q13をMOSトラン
ジスタM21,M22,M23に置き換え、第1および
第2の選択信号入力端子31,32を有する可変電流分
割回路3−3と、図5と同様のMOSトランジスタM3
1,M32,M33,M34と第1および第2の選択信
号入力端子33,34を有する可変電流分割回路3−4
と、図3(a)に示した出力段回路4および選択信号を
出力する電流分割比選択回路5を組み合わせた構成とな
っている。
【0075】この可変利得増幅器の動作を説明すると、
まず入力端子1からの入力信号電圧は入力段回路2にお
いてトランジスタM1により電流に変換された後、可変
電流分割回路3に入力され、二つの可変電流分割回路3
−3,3−4によって分割される。ここで、選択信号入
力端子31,32,33,34に入力される選択信号の
電位をそれぞれV31,V32,V33,V34とすると、 V31−V32>Vth (8) の場合はトランジスタM21がオンとなり、可変電流分
割回路3−3に入力される信号電流はトランジスタM2
1を流れる。また、 V32−V31>Vth (9) の場合はトランジスタM22,M23がオンとなり、可
変電流分割回路3−3に入力される信号電流はトランジ
スタM22,M23を流れる。但し、VthはMOSトラ
ンジスタがオンするに必要な電位差であり、これは特に
高精度である必要はないので、選択信号の大きさも高精
度でなくともよい。
【0076】同様に、 V33−V34>Vth (10) の場合はトランジスタM31,M33がオンとなり、可
変電流分割回路3−4に入力される信号電流はトランジ
スタM31,M33を流れる。また、 V34−V33>Vth (11) の場合はトランジスタM32,M34がオンとなり、可
変電流分割回路3−4に入力される信号電流はトランジ
スタM32,M34を流れる。ここで、選択信号入力端
子31,32,33,34は交流的に接地されている。
【0077】従って、可変電流分割回路3には、4通り
の電流分割比が用意されていることになる。すなわち、
トランジスタM21,M22,M23,M31,M3
2,M33,M34のそれぞれのW/LをW/L(21),
W/L(22),W/L(23),W/L(31),W/L(32),W
/L(33),W/L(34)とした時、例えば W/L(21) =W/L(22)+W/L(23) =W/L(31)+W/L(32) =W/L(33)+W/L(34) としておけば、それぞれのW/Lに応じて決定される4
通りの電流分割比を用意することができる。
【0078】ここで、ゲート接地であるトランジスタM
21〜M23,M31〜M34の入力インピーダンス
は、入力段回路2のトランジスタM1の出力インピーダ
ンスより十分に小さいため、利得が切り替わる際、トラ
ンジスタM1から出力される信号電流はほとんど変化し
ない。また、出力段回路4の抵抗R1の抵抗値をトラン
ジスタM21〜M23,M31〜M34の出力インピー
ダンスより十分に小さな値とすれば、トランジスタM2
1〜M23,M31〜M34を流れた電流がそのまま出
力段回路4に入力され、かつ出力段回路4の出力インピ
ーダンスは一定となる。さらに、利得切り替えの際、ト
ランジスタM1のバイアス状態も不変であるため、入力
段回路2の入力インピーダンスも一定に保たれる。従っ
て、利得切り替え量は、可変電流分割回路3に用意され
た電流分割比によって正確に決まることになる。
【0079】(他の実施形態)図13(a)(b)
(c)に、本発明の他の実施形態に係る可変利得増幅器
を示す。この可変利得増幅器は、図1に示した基本構成
の可変利得増幅器(VGAで示す)を単位増幅器として
複数個用い、これらを直列または並列あるいは直並列に
接続して構成することによって、より広範囲かつ多段階
の利得切り替えを可能としたものである。
【0080】この場合、それぞれの可変利得増幅器にお
いて、入力段回路は常に動作しており、また上述したよ
うに各入力段回路のインピーダンス変動がないため、可
変利得増幅器の入力インピーダンスは常に一定に保たれ
る。同様に、可変利得増幅器の出力インピーダンスも一
定に保たれる。従って、利得切り替え量は各可変利得増
幅器内の可変電流分割回路の電流分割比によって正確に
決まり、利得の多段切り替えを高精度の利得切り替え量
の下で実現することができる。
【0081】なお、図3(a)(b)(c)以外の種々
の構成法を用いてもよいことは勿論であり、特に単位増
幅器の直列接続数、並列接続数については種々変更する
ことが可能である。
【0082】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば入
力端子からの入力信号を受ける入力段回路から可変電流
分割回路に信号電流を入力し、可変電流分割回路から出
力される信号電流を受ける出力段回路から出力端子に出
力信号を取り出し、電流分割比選択回路によって可変電
流分割回路の電流分割比を選択することで利得切り替え
を行う可変利得増幅器において、可変電流分割回路の入
力インピーダンスを入力段回路の出力インピーダンスよ
り小さくし、かつ可変電流分割回路の出力インピーダン
スを出力段回路の入力インピーダンスより大きくするこ
とにより、可変利得増幅器の入出力インピーダンスは利
得切り替えに際してほとんど変化することがなく、従っ
て利得切り替え量を可変電流分割回路の電流分割比のみ
によって決定されるため、ディジタル制御で利得切り替
えを高精度に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る可変利得増幅器の概
略構成を示すブロック図
【図2】本発明の可変利得増幅器における入力段回路の
種々の構成例を示す回路図
【図3】本発明の可変利得増幅器における出力段回路の
種々の構成例を示す回路図
【図4】本発明の可変利得増幅器における可変電流分割
回路の構成例を示す回路図
【図5】本発明の可変利得増幅器における可変電流分割
回路の構成例を示す回路図
【図6】本発明の可変利得増幅器における可変電流分割
回路の構成例を示す回路図
【図7】本発明の可変利得増幅器における可変電流分割
回路の構成例を示す回路図
【図8】本発明の可変利得増幅器における複数の単位回
路からなる可変電流分割回路の構成例を示すブロック図
【図9】本発明の第1の実施例に係る可変利得増幅器の
構成を示す回路図
【図10】本発明の第2の実施例に係る可変利得増幅器
の構成を示す回路図
【図11】本発明の第3の実施例に係る可変利得増幅器
の構成を示す回路図
【図12】本発明の第4の実施例に係る可変利得増幅器
の構成を示す回路図
【図13】本発明の他の実施形態に係る複数の単位増幅
器からなる可変利得増幅器の種々の構成を示すブロック
【図14】従来の可変利得増幅器を示す回路図
【図15】従来の他の可変利得増幅器を示す回路図
【図16】従来のさらに別の可変利得増幅器を示す回路
【符号の説明】
1…入力端子 2…入力段回路 3,3−1,3−2,3−3,3−4…可変電流分割回
路 3a〜3c…可変電流分割回路ユニット(単位回路) 4,4−1,4−2…出力段回路 5,5−1,5−2…電流分割比選択回路 6…出力端子 7a〜7c…電流分割比切り替え端子 11,12,21,22,31,32,33,34…選
択信号入力端子 Q11…第1のトランジスタ Q12…第2のトランジスタ Q13…第3のトランジスタ Q21…第1のトランジスタ Q22,Q23…第2のトランジスタ Q31…第1のトランジスタ Q32…第2のトランジスタ Q33…第3のトランジスタ Q34…第4のトランジスタ M11…第1のトランジスタ M12…第2のトランジスタ M13…第3のトランジスタ M14…第4のトランジスタ M21…第1のトランジスタ M22,M23…第2のトランジスタ M31…第1のトランジスタ M32…第2のトランジスタ M33…第3のトランジスタ M34…第4のトランジスタ CS21,CS22,CS23…定電流源 C21,C22,C23…キャパシタ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−132412(JP,A) 特開 昭60−97712(JP,A) 特開 昭57−196609(JP,A) 特開 平8−111614(JP,A) 特開 昭49−132958(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03G 3/10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力端子からの入力信号を受けて信号電流
    を出力する入力段回路と; 前記入力段回路の出力インピーダンスより小さい入力イ
    ンピーダンスを有し、該入力段回路から出力される信号
    電流を選択された電流分割比で少なくとも二つに分割す
    る可変電流分割回路と; 前記可変電流分割回路の電流分割比を選択する電流分割
    比選択回路と; 前記可変電流分割回路の出力インピーダンスより小さい
    入力インピーダンスを有し、該可変電流分割回路により
    分割された電流の一方を受けて出力信号を出力端子に取
    り出す出力段回路とを備え 前記可変電流分割回路は、ベースまたはゲートが第1の
    定電位点に接続され、エミッタまたはソースが前記入力
    段回路に接続され、コレクタまたはドレインが前記出力
    段回路に接続された第1のトランジスタと、ベースまた
    はゲートが前記第1の定電位点に接続され、コレクタま
    たはドレインが第2の定電位点に接続された第2のトラ
    ンジスタと、前記第1のトランジスタのエミッタまたは
    ソースと前記第2のトランジスタのエミッタまたはソー
    スとの間に接続されたキャパシタと、前記第2のトラン
    ジスタのエミッタまたはソースに接続され、前記電流分
    割比選択回路からの電流分割比を選択するための選択信
    号によってオン/オフ制御される定電流源とを有する
    とを特徴とする可変利得増幅器。
  2. 【請求項2】入力端子からの入力信号を受けて信号電流
    を出力する入力段回路と; 前記入力段回路の出力インピーダンスより小さい入力イ
    ンピーダンスを有し、該入力段回路から出力される信号
    電流を選択された電流分割比で少なくとも二つに分割す
    る可変電流分割回路と; 前記可変電流分割回路の電流分割比を選択する電流分割
    比選択回路と; 前記可変電流分割回路の出力インピーダンスより小さい
    入力インピーダンスを有し、該可変電流分割回路により
    分割された電流の一方を受けて出力信号を出力端子に取
    り出す出力段回路とを備え、 前記可変電流分割回路は、ベースまたはゲートが第1の
    定電位点に接続され、 エミッタまたはソースが前記入力
    段回路に接続され、コレクタまたはドレインが前記出力
    段回路に接続された第1のトランジスタと、ベースまた
    はゲートが前記第1の定電位点に接続され、コレクタま
    たはドレインが第2の定電位点に接続された複数の第2
    のトランジスタと、前記第1のトランジスタのエミッタ
    またはソースと前記第2のトランジスタのそれぞれのエ
    ミッタまたはソースとの間に接続された複数のキャパシ
    タと、前記第2のトランジスタのそれぞれのエミッタま
    たはソースに接続され、前記電流分割比選択回路からの
    電流分割比を選択するための選択信号によって選択的に
    オン/オフ制御される複数の定電流源とを有する ことを
    特徴とする可変利得増幅器。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の可変利得増幅器
    を単位増幅器として複数個有し、これらを直列または並
    列あるいは直並列に接続してなることを特徴とする可変
    利得増幅器。
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