JP3380001B2 - トラクターの空調装置取付構造 - Google Patents

トラクターの空調装置取付構造

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JP3380001B2
JP3380001B2 JP19639193A JP19639193A JP3380001B2 JP 3380001 B2 JP3380001 B2 JP 3380001B2 JP 19639193 A JP19639193 A JP 19639193A JP 19639193 A JP19639193 A JP 19639193A JP 3380001 B2 JP3380001 B2 JP 3380001B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、キャビンを装着したト
ラクターのキャビン内の空調を行う空調装置の取付構造
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、キャビンを装着したトラクターの
需要が増大し、騒音防止及び防塵性向上のために密閉構
造とするため、キャビン内の空調を行う空調装置をトラ
クターに配設する必要性が高まっている。空調装置は、
従来、キャビンの天井部に取付けていたが、冷却サイク
ルの配管の総延長が長くなり、それに伴ってジョイント
部が多く、配管が複雑となり、また、ガス量が多くなっ
て高コスト化を招いていた。また、空調装置への空気供
給を、外気導入式にすると、塵や埃、あるいは雨水がキ
ャビン内に浸入するので、キャビン内の空気を導入する
方式を採ることが望ましいが、天井部にて空気吸入口を
設けるのは、空気循環上、効率が悪く、キャビン下方よ
り空気導入するのでは、天井部の空調装置本体への連絡
機構が複雑になってしまう。
【0003】そこで、近年になって、空調装置をボンネ
ット内の上部に配設し、キャビン内のダッシュボードに
空気吸入口及び吹出口を配設し、空気吸入はキャビン下
方より行うという方法が用いられるようになった。これ
は、空調装置の本体部を、エンジンルームの上部に固定
的に取付ける(ボンネット内の上部に板材を横設して、
該板材の上に該本体部をボルト締結する)か、あるいは
ボンネットカバー内に一体的に取付け(ボンネットカバ
ー内に板材を横設し、該板材の上に該本体部をボルト締
結する)、該本体部とキャビン内に配置する空気吸入口
や吹出口との間は、ダクトにて連結するという配設方法
である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この場合、エンジン部
分との間が非常に短いので、該配管を短縮化、簡素化で
きるのであるが、反面、エンジンより派生する振動を伝
達しやすい。また、エンジンの騒音も、空調装置を循環
する空気に伝播してしまう。更に、空調装置の周囲の温
度上昇を抑える必要があるが、ボンネット内の上部に固
定した方法では、ボンネットカバーを開けた時に、該ボ
ンネットカバーと空調装置の本体部との間に空間を生じ
る。断熱のためには、このように発生する空間を被覆す
る複雑なシール構造が必要である。ボンネットカバー内
に一体的に取付ける方法を採れば、該本体部の周囲に断
熱材を配設しておけば、該ボンネットカバー開放時にも
該本体部周囲の断熱構造が保持されているが、キャビン
内の空気吸入口や吹出口との間にダクトを連結している
ため、例え該ダクトを収縮可能なジャバラ構造にして
も、ボンネットカバーの上げ幅が限られ、十分にボンネ
ットを開放することができない。従って、ボンネットカ
バーを十分に開けられるように、また、エンジン上部よ
り空調装置の本体部を取り外すように、該本体部をボン
ネットカバー内に固定している固定部材を外す必要があ
り、該メンテナンス作業に伴う手間が多くなってしま
う。これは、エンジンルーム上部に固定的に取付ける方
法においても同様のことが言える。
【0005】また、キャビン内の空気吸入口や吹出口
は、ダッシュボードに配設するのが一般的であり、該空
気吸入口や吹出口と本体部とのダクト配設は、通常、ジ
ャバラ管で連結するのだが、まず、この連結作業が複雑
であり、更に、ボンネット側とキャビン側で振動が異な
るので、長時間の使用によりジャバラ管に亀裂を生じて
しまうおそれがある。また、キャビン下方の空気吸入口
より配管する吸入ダクトは、エンジンに近接しており、
更に、該空調装置の本体部のブロアまで延設しなければ
ならないので、配管位置の選択が困難である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上の如き課
題を解決するために、次のような構成となっている。請
求項1においては、キャビンを装着したトラクターにお
いて、該キャビン内の空調を行う空調装置の本体部を、
ボンネットカバー内に構成した空調装置室内の上方に固
設して該室内下方に空間を設け、該空調装置室より後方
に空気吸入口及び吹出口を開口した遮蔽板材を立設し、
吸入及び吹出ダクトを、キャビン本体に設けた空気吸入
口及び吹出口と該遮蔽板材の空気吸入口及び吹出口との
間に固定し、該ボンネットカバー閉鎖時に、該空調装置
室の後端部が該遮蔽板材に圧接して、該吸入ダクト15
が該空調装置室内の下方空間部に、該吹出ダクト16
該空調装置の本体部の吹出口に各々連通するように構成
したものである。
【0007】請求項2においては、キャビンを装着した
トラクターにおいて、該キャビン内の空調を行う空調装
置をエンジン上部に配設し、該空調装置の吸入ダクト
を、キャビン本体の下方よりエンジンの上部前方まで
の位置に、円弧状の整流形状に配設したものである。
【0008】請求項3においては、キャビンを装着した
トラクターにおいて、該キャビン内の空調を行う空調装
置のケースにフランジ23を環装し、吸入口27及び吹
出口26部分を設けたキャビン本体側の境界部にはエア
コン取付用の孔を開口したキャビン板材17を設け、前
記フランジ23を、該キャビン板材17のエアコン取付
用の孔の周囲に防振用ゴム28を介して固着することに
より空調装置の本体部分をキャビン本体部に固定し、該
空調装置の本体部分をエンジンルームの上部に突設さ
せ、該吸入口27及び吹出口26部分をキャビンのダッ
シュボードC内にて支持したものである。
【0009】
【作用】請求項1記載の空調装置においては、ボンネッ
トカバー開放時に空調装置の本体部と吸入及び吹出ダク
トとが分離可能であり、十分にボンネットカバーを開け
ることができ、また、密閉性を保持したままボンネット
カバーとともに空調装置の本体部を一体に上げることが
できるので、エンジン上部を開放することができる。ま
た、空調装置室の上方に固設した本体部の下方が空間と
なっており、該空間を空気吸入路とすることにより、該
本体部のブロアまで吸入ダクトを延設する必要がない。
【0010】また、請求項2の如く吸入ダクトを、円弧
状の整流形状に成形し、キャビン下方よりエンジンルー
ム上部に配設する空調装置本体部内のブロアまで配設す
ることにより、エンジンの騒音が低減され、従って、キ
ャビン内の吹出口より吹き出す空気による騒音が低減す
る。また、ラジエーター冷却風の排出も円滑に行うこと
ができ、エンジン冷却効果も向上する。
【0011】また、請求項3記載の空調装置において
は、キャビン内のダッシュボードにて支持されているの
で、振動の伝達が少なく、更に、本体部とキャビン側の
吸入口及び吹出口との間が一体構造で、ダクトを連結す
る必要がない。
【0012】
【実施例】本発明の解決すべき課題及び構成は以上の如
くであり、次に添付の図面に示した本発明の実施例を説
明する。図1はボンネットカバー内に設けたエアコンル
ーム内にエアコンユニットを配設したトラクターの部分
側面断面図、図2は同じくボンネットカバー開放時の部
分側面断面図、図3は図1におけるエアコンルームの後
面図、図4は図1と同一の取付構造にてエアコンユニッ
トを配設するエアコンルームをボンネットカバー上方に
突設させた場合のトラクターの部分側面断面図、図5は
図4の如くエアコンユニットを取付けた場合におけるキ
ャビン内部からの前方視界を示す図、図6は図4におけ
るキャビン天井部の外気導入部の部分側面断面図、図7
は図6における外気ダクトの組立斜視図、図8は図1の
如くエアコンユニットを配設し、外気をラジエーター前
方より導入可能に構成したトラクターの部分側面断面
図、図9はエンジンルーム上部に配設したエアコンユニ
ットの吸入ダクトを整流形状に成形して配設したトラク
ターの全体側面略図、図10はエアコンユニットをダッ
シュボード内部とエンジンルーム上部に一体的に配設し
たトラクターの部分側面断面図である。
【0013】図1乃至図3は、ボンネットカバー内にエ
アコンユニット設置用のエアコンルームを設けた構成に
ついて開示されている。ボンネットは、ヒンジ回動支点
を支点に上下に開閉するボンネットカバー1と、エンジ
ンルームを構成する下部ボンネット2よりなるものであ
る。下部ボンネット2内には、前方よりラジエーター
R、冷却ファンF、エンジンEが配設されている。
【0014】そして、ボンネットカバー1の内側の、前
記ラジエーターR上端部の直後方位置より後方にエアコ
ンルーム1aを構成している。即ち、該ボンネットカバ
ー1の下端部が、図3の如く内側に折曲されており、該
折曲部分に下部板材3をボルト5にて締止して横設し、
該下部板材3の前方部は上方に折曲させ、上端部を該ボ
ンネットカバー1の上面内側に、弾性材よりなるシール
材6を介して接当させて、該ラジエーターR後部にて該
エアコンルーム1aの前壁としている。シール材6の上
方側は、円筒状の緩衝部6aとなっている。また、エア
コンルーム1aの最後部は、正面視図3の如き形状の後
部板材4にて遮蔽しており、該後部板材4には上部に吹
出口4b、下部に吸入口4aが開口されており、吸入口
4a及び吹出口4bの内周をシール材6にて被覆し、後
面側にシール材6の緩衝部6aを配置している。そし
て、該エアコンルーム1a内における該ボンネットカバ
ー1及び該下部板材3の面上に断熱材7を貼設し、該エ
アコンルーム1a内の温度上昇を抑止する構造としてい
る。
【0015】空調装置の本体部であるエアコンユニット
Aは、該エアコンルーム1a内の上方に配設される。即
ち、前方下端部を該下部板材3の前方部の中央付近に突
設する取付座8に、後端部を前記後部板材4の吹出口4
bの外周に、各々ボルト締止して配設している。該エア
コンユニットAは、前方にブロア9を、後部にエバポレ
ーター10、及びヒーター11を配置し、最後部は吹出
口となっていて、該後部板材4の吹出口4bに対峙して
いる。そして、該エアコンルーム1aの上方にエアコン
ユニットAを配設することにより、該エアコンユニット
Aと下部板材3との間に空間が生じ、該後部板材4の吸
入口4aより吸入された空気が、該空間部を通過して、
該ブロア9に吸入されるようになっている。従来は、下
部板材3の上にエアコンユニットAを固定し、該ブロア
9まで吸入ダクトを延設していたので、下方のエンジン
Eと干渉していたのであるが、このように、エアコンル
ーム1a内の上方にエアコンユニットAを配設すること
により、下方の空間部をブロアへの空気吸入路とし、該
下部板材3より下方に吸入ダクトを配設する必要がなく
なったのである。なお、下部ボンネット2のエンジンル
ーム内に配設した冷媒圧縮用のコンプレッサーより該エ
アコンユニットAのエバポレーター10にフレキシブル
ホース12・12を配管している。
【0016】次に、キャビンBの本体を構成するキャビ
ン板材17には、上方にエアコンユニットAにて処理さ
れた空気が吹き出される吹出口17bを、下方にキャビ
ンBの室内空気を該エアコンユニットAに供給するため
の吸入口17aを配設している。なお吹出口17bより
吹き出された空気は、更にダッシュボートC内を通過し
て、上部吹出口18a及び下部吹出口18bよりキャビ
ンB室内に吹き出される。また、エアコンユニットAに
は、キャビンBの室内空気を吸入口17aより吸入して
供給するのであるが、これは、キャビン内の密閉性を保
持するためと、外気を導入すると、空気中に塵埃の含有
量が多く、エアコンユニットの耐久性が劣化するととも
に、キャビン室内に吹き出される空気も汚れていること
になり、弊害が多いからである。なお、空気循環経路
上、上方に吹出口18を、下部に吸入口17aを配置し
ているが、このように上下に配置することにより、ダッ
シュボードCの形状に横に拡がらず、前方視界が広くな
るのである。
【0017】一方、該エアコンルーム1aより後方に遮
蔽板材13を、その上端部をボンネットカバー1のヒン
ジ14に、下端部をエンジンEの後端部に各々ボルト締
止して立設する。該遮蔽板材13には、吸入口13a及
び吹出口13bが開口しており、該吸入口13aとキャ
ビン板材17の吸入口17aとの間に吸入ダクト15
を、該吹出口13bと該キャビン板材17の吹出口17
bとの間に吹出ダクト16を固設する。このように構成
することにより、ボンネットカバー1を閉じた時に、該
エアコンルーム1aの後端部の後部板材4の吸入口4a
及び吹出口4bに配設したシール材6の緩衝部6aが、
各々該遮蔽板材13の吸入口13a(吸入ダクト15の
前端部)及び吹出口13b(吹出ダクト16の前端部)
に圧接し、該エアコンルーム1a内の下方空間部が該吸
入ダクト15に、該エアコンユニットAの吹出口が該吹
出ダクト16に連通するのである。
【0018】そして、ボンネットカバー1を持ち上げて
ボンネットを開ける時には、図2の如く、遮蔽板材13
に圧接していたボンネットカバー1の後部板材4が分離
し、エアコンユニットAを該ボンネットカバー1と一体
に持ち上げることができる。従来は、ダクトがキャビン
側とボンネットカバー内のエアコンユニットとの間に固
着されていて、該ボンネットカバーの持ち上げ量が制限
されていたが、図1のように構成するこにより、ボンネ
ットカバー1を十分に上げて、下部ボンネット2内のエ
ンジンルーム上方を大きく開放でき、従来必要であった
エアコンユニットの脱却作業も必要なく、容易にエンジ
ンのメンテナンス等を施すことができるのである。
【0019】なお、ボンネットカバー1内のスペースが
小さく、該カバー内にエアコンルームの上下幅を収納す
ることができない場合は、図4の如く、エアコンルーム
1aの天井部となる部分を上方に突設させてもよい。こ
の場合、エアコンルーム1a部分の突設部1a’を、キ
ャビン内の運転者から該ボンネットカバー1の前端部ま
での視線Xよりも下方に収まるようにして、視界を狭小
化しないようにすることが望ましい。即ち、図5の如
く、キャビン内の運転席より見た場合に、該突設部1
a’が、該ボンネットカバー1の前端部より下方にある
ようにすれば、良好な視界が保持されるのである。
【0020】次に、図9に開示した防音構造のエアコン
ユニットの取付方法について説明する。図9に開示した
エアコンユニットは、エンジンルーム上方に配設され
て、キャビン室内より空気を吸入し、キャビン室内に送
風する構成のもので、従来の如く、エンジンルーム上方
のエアコンユニットと、キャビン内の空気吸入口と吹出
口との間にはダクトの配管を必要とするものである。図
1に開示のエアコンルーム1a及びエアコンユニットA
を利用すると、エアコンルーム1aの下部板材3の上面
にエアコンユニットAを固設したものであり、この場
合、キャビン下方の吸入口より該エアコンユニットAの
ブロアまで、該下部板材3の下方において、吸入ダクト
が必要となる。本実施例は、この吸入ダクトを、エンジ
ン騒音の低減を図った形状に成形して取付けたものであ
る。
【0021】図9について説明すると、ボンネット1・
2内において、前方よりラジエーターR、冷却ファン
F、そしてエンジンEが配設されており、該ボンネット
前方より外気が導入され、ラジエーターRにて冷却さ
れ、冷却ファンFにてエンジンEの冷却風として送風し
ている。黒矢印は、エンジン冷却風の流れを表してい
る。そして、該エンジンEの上方において、前記の如く
にエアコンユニットAを配設し、一方、キャビンB内の
ダッシュボードCの下方に開口している吸入口19より
エアコンユニットAのブロアまで、円弧状に成形された
吸入ダクト20を配管している。また、白矢印はエアコ
ンユニットAの吸入及び吹出風を表しており、該エアコ
ンユニットAにて空調処理された空気は、キャビンB内
のダッシュボードCの上方の吹出口より吹き出される。
【0022】該吸入ダクト20は、エンジンの直上方に
配管されているが、円弧状となっているため、該ダクト
下方を通過するエンジン冷却風が整流され、エンジンル
ームの下方に排風されるようになる。従って、乱流によ
って発生するエンジン冷却風の騒音が低減され、エアコ
ンユニットAに伝達する騒音も低下され、従って、キャ
ビンB内に吹き出す空調処理済み空気による騒音も低下
するのである。また、該エンジン冷却風が、このように
整流されることにより、エンジンの冷却効率も向上する
のである。
【0023】次に、図10に開示したエアコンユニット
取付方法の実施例を説明する。まず図10におけるエア
コンユニットA’の構成より説明する。外装部は、上部
ケース21と下部ケース22とを固着してなり、また、
固着された上部ケース21と下部ケース22にフランジ
23を環状に突設させている。上部ケース21内におい
ては、該フランジ23より前方側にブロア24及びエバ
ポレーター25を配設しており、該フランジ23より後
方側は空気吹出路となっており、後方上端部に吹出グリ
ル26を付設している。下部ケース22全体は、空気吸
入路となっており、該下部ケースの後方下端部に吸入口
27を構成している。
【0024】エアコンユニットA’の取付方法について
説明する。前記フランジ23をキャビンBの本体部を構
成するキャビン板材17に開口したエアコン取付用の孔
の周囲に、防振用ゴム28を介してボルト締止し、該孔
に固着した上部ケース21及び下部ケース22を嵌挿
し、前方側の本体部分をエンジンルーム上方に突設さ
せ、後方側の吸入口及び吹出口部分をキャビンBのダッ
シュボートC内に支持固定する。エンジンルーム上方に
突設した本体部分内のエバポレーター25に対しては、
該エンジンルーム内の冷媒圧縮用のコンプレッサー30
よりゴムホース29・29を配管している。こうして取
付けたエアコンユニットA’において、キャビンB室内
の空気が、下部ケース22の吸入口27より吸入され、
該下部ケース22内を通過して、上部ケース内21内の
ブロア24に吸入され、空調処理されて上部ケース21
の後方を通過して吹出口26より吹き出されるのであ
る。
【0025】図10に開示したエアコンユニットA’
は、キャビン内の吸入口及び吹出口からエンジンルーム
上部の本体部分までが一体構成となっており、従来該吸
入口及び吹出口より本体部分までの間に配設しなければ
ならなかったダクトが不要となるので、構造が簡単で着
脱作業も容易となり、また、従来、振動によって亀裂を
生じて耐久性が低く、度々交換する必要のあったダクト
がないので、耐久性も向上し、メンテナンス作業も低減
できる。また、エアコンユニットは、従来ボンネット側
に支持されていたが、該エアコンユニットA’は、キャ
ビン本体側に支持されており、キャビンの振動は、エン
ジンを内包するボンネットに比して小さく、更に防振ゴ
ム28を施すことにより、該エアコンユニットA’自体
の振動の伝達は大幅に低減することができる。また、エ
アコンユニットA’は、エンジンルームの上部に固定的
に突設しているが、ダクト配管部分が省略されているの
で、前後長さが短く、従って、ボンネットカバー1を開
けた時に、比較的エンジンルームの上方の開放面積が大
きく、エンジンのメンテナンス作業にも有利である。但
し、ボンネットカバー開放時には、エアコンユニット
A’の上方に空間が生じるので、断熱効果が低減する。
このため、該エアコンユニットA’周囲の断熱構造は複
雑にならざるを得ない。
【0026】最後に、キャビン室内への外気導入構造に
ついて説明する。以上の如く述べたキャビン室内より空
気を吸入して空調を行う空調装置においては、キャビン
内の密閉性のため、湿度の高い日の使用時に窓ガラスが
曇ることがよくある。また、キャビン内での喫煙等で室
内空気が非常に汚れる場合もある。このような時には該
キャビン室内に外気を導入する必要がある。特に長時間
において使用する大型機種の場合、その必要性が高い。
そこで、キャビン室内への外気の導入を可能にするよう
構成するのである。
【0027】図4、図6乃び図7には、キャビン天井部
の前方部分に外気導入部Dを構成した実施例について開
示している。構成について説明すると、キャビンの屋根
板材31の前方を開口し、該屋根板材31の前方開口部
31aの下方におけるフロントガラス33の上端部より
後方に中間板材34を横設して上部外気導入室31bを
構成し、該中間板材34の下方に平行に内部天井板材3
5を横設し、両板材34・35の後端部をキャビンB内
の天井板36の前端位置にて合着して支持し、該合着部
分をシール材6にて被覆し、該シール材6上部の緩衝部
6aを屋根板材31の内装材32の前端部に接当させ
る。そして、該上部外気導入室31b内にて、該屋根板
材31より上部円筒部材37を垂設する。また、その内
側にて、該上部円筒部材37との間に隙間を生じさせる
ほどの外径を有する下部円筒部材38を、該中間板材3
4より突設させる。更に該下部円筒板材38の内側面に
沿って、リング状のエアフィルター39を配設し、その
上端部を該屋根板材31に、下端部を中間板材34に接
当させる。
【0028】該中間板材34において、該エアフィルタ
ー39のリング孔の内側位置には、外気導入孔34a及
びボルト孔34bが穿設されており、該外気導入孔34
aの周囲より外気ダクト40が垂設し、その下端部が、
シール材6を介して内側天井板材35の吹出口部35a
の周囲に接当している。該外気ダクト40の内側におい
ては、ファンモーター41及びファン42を垂設してお
り、該ファンモーター41上部の取付金具41aを該中
間板材34のボルト孔34bに合わせてボルト締止して
いる。
【0029】以上のように構成することにより、外気
は、図6の如く、屋根板材31の前方開口部31aより
上部外気導入室31b内に導入され、上部円筒部材37
と下部円筒部材38との隙間よりエアフィルター39を
通過して、該エアフィルター39のリング孔内に導入さ
れる。そして、ファンモーター41を駆動してファン4
2を回転させると、該エアフィルター39のリング孔内
に導入された外気を外気ダクト40内に導入し、更に内
部天井板材35の吹出口部35aよりキャビン室内に吹
き出すのである。
【0030】以上の如く構成した外気導入部Dは、外気
がエアフィルター39を通過するので、外気中の塵や埃
等が除外され、また、該上部外気導入室31b内に雨水
が浸入しても、上部円筒部材37と下部円筒部材38に
て遮蔽されて、エアフィルター39には浸入しない。よ
って、防塵及び防水性を保持して、清浄化された外気が
キャビン内に導入されるので、キャビン室内の快適性が
保たれるのである。
【0031】次に、外気をラジエーター前方よりエアコ
ンユニットに導入可能にし、かつ、エアコンユニットへ
の供給空気を内気と外気とに切り換え可能に構成した実
施例を図8より説明する。空調装置の構造は、図1に図
示したボンネットカバー1のエアコンルーム1a内にエ
アコンユニットAを取付けたものである。外気導入部に
ついて説明すると、下部板材3の前方部に、外気吸入口
3aを開口し、その前方にエアフィルター支持部43を
突設し、その中にエアフィルター44を充填する。該エ
アフィルター支持部43は、ラジエーターRの上方に位
置し、該前端部には外気吸入口43aが開口している。
該外気吸入口43aは、該ラジエーターRよりも前方に
位置するので、下部ボンネット2前方のフロントグリル
2aより導入された、ラジエーターR未通過で、塵や水
の影響をあまり受けていない外気を該外気吸入口43a
より導入でき、更に該エアフィルター44にて清浄化し
て外気を吸入できるのである。
【0032】そして、エアコンルーム1aの内側におい
て、該下部板材3の外気吸入口3aの下端部に回動軸4
5aを横設して、該外気吸入口3aを開閉可能に、該回
動軸45aを回動支点とする外気吸入側開閉板45を配
設する。該回動軸45aからは、該外気吸入側開閉板4
5と一体に回動する回動アーム45bが突設しており一
方、エアコンルーム1a内において、後部板材4の吸入
口4aの上端部に回動軸46aを横設して、該吸入口4
aを開閉可能に、該回動軸46aを回動支点とする内気
吸入側開閉板46を配設する。該回動軸46aからは、
内気吸入側開閉板46と一体に回動する回動アーム46
bが突設している。
【0033】そして、キャビンB内のダッシュボードC
には、内外気切換装置Hが配設されている。開閉切換装
置Hは、内外気切換レバー47の内側端を板材48に回
動可能に枢支し、該外側端を、該板材の外端部に立設し
たガイド板49のガイド溝49aより突出させたもの
で、該板材48上において、該内外気切換レバー47に
前記外気吸入側開閉板45の回動アーム45bより延設
するワイヤ50、及び内気吸入側開閉板46の回動アー
ム46bより延設するワイヤ51を連結する。
【0034】このように構成することにより、該内外気
切換レバー47を、該ガイド溝49aの内気N位置にセ
ットすると、ワイヤ50・51が、それぞれ回動アーム
45b・46b側に押され、外側吸入側開閉板45が閉
じ、内側吸入側開閉板46が開くので、キャビンB内の
内気がエアコンルーム1a内に導入される。逆に、該内
外気切換レバー47を外気G位置にセットすると、該ワ
イヤ50・51は、内外気切換レバー47側に引っ張ら
れ、外気吸入側開閉板45が開き、内気吸入側開閉板4
6が閉じるので、ラジエーターR前方よりエアフィルタ
ー44を通過した外気が該エアコンルーム1a内に導入
される。また、中間の内外気NG位置に該内外気切換レ
バー47をセットすると、両開閉板45・46が半開き
状態となり、内気及び外気を混合してエアコンルーム1
a内に導入することができるのである。
【0035】
【発明の効果】本発明は、以上の如く構成したことによ
り、次のような効果を奏するものである。請求項1の如
く、空調装置の本体部を、防振性の高いボンネットカバ
ー内側の空調装置室内に配設したので、振動の影響が少
なく耐久性が向上する。そして、キャビン本体側に設置
する吸入口及び吹出口との間に配管するダクトをキャビ
ン側に固定し、ボンネットカバーの開放時には、空調装
置の本体部と該ダクトが分離され、該本体部は、該ボン
ネットカバーと一体に上に上げてボンネットを開放でき
ることにより、エンジンルーム上方が大きく開放され、
空調装置の脱却の必要もなく、エンジンのメンテナンス
を容易に行うことができる。また、従来、該本体部がエ
ンジンルーム上方に固定的に設置されていて、ボンネッ
トカバー上昇時に該ボンネットカバーと本体部との間に
空間が生じ、断熱効果が低下していたという不具合も解
消し、断熱効果を保持できる。また、該空調装置の本体
部は、該空調装置室の上方に配設され、下方に空間があ
るので、該空間を該本体部のブロアまでの空気吸入路と
することで、吸入ダクトを該本体部のブロアまでのエン
ジン直上方位置に配管する必要がなくなるので、吸入空
気の温度上昇や振動、騒音の伝播等を低減でき、効率の
高い空調装置が得られるのである。
【0036】請求項2の如く、エンジンルームの上方に
配設した空調装置の吸入ダクトを整流形状に成形して配
管することにより、該吸入ダクトの下方を流れるエンジ
ンの冷却風を整流し、該冷却風により生じる騒音を低減
することができる。従って、キャビン内に空調装置から
の送風とともに送られる騒音も低減することができる。
また、エンジンの冷却効率を向上することができるので
ある。
【0037】請求項3の如く、空調装置の本体部分と吸
入口及び吹出口部分とを、フランジを隔てて一体に構成
し、該フランジより吸入口及び吹出口部分を、エンジン
ルームに比べて振動の少ないキャビン本体側に固定、支
持することにより、該空調装置に伝わる振動を大きく低
減することができる。また、吸入及び吹出ダクトが不要
となり、従来、振動のために耐久性が低く、頻繁に行わ
なければならなかった該ダクトの着脱作業が不要となる
のである。
【0038】以上のように空調装置を取付けることによ
り、ボンネット内のエンジンルーム上方に空調装置を配
設する場合における振動、騒音、温度上昇、エンジンメ
ンテナンス上の困難、及びキャビン側の吸入口及び吹出
口とのダクト配管の複雑さ等の諸問題を解消し、良好な
空調装置を配設し、キャビン内の快適な空調が可能なト
ラクターを得ることができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】ボンネットカバー内に設けたエアコンルーム内
にエアコンユニットを配設したトラクターの部分側面断
面図。
【図2】同じくボンネットカバー開放時の部分側面断面
図。
【図3】図1におけるエアコンルームの後面図。
【図4】図1と同一の取付構造にてエアコンユニットを
配設するエアコンルームをボンネットカバー上方に突設
させた場合のトラクターの部分側面断面図。
【図5】図4の如くエアコンユニットを取付けた場合に
おけるキャビン内部からの前方視界を示す図。
【図6】図4におけるキャビン天井部の外気導入部の部
分側面断面図。
【図7】図6における外気ダクトの組立斜視図。
【図8】図1の如くエアコンユニットを配設し、外気を
ラジエーター前方より導入可能に構成したトラクターの
部分側面断面図。
【図9】エンジンルーム上部に配設したエアコンユニッ
トの吸入ダクトを整流形状に成形して配設したトラクタ
ーの全体側面略図。
【図10】エアコンユニットをダッシュボード内部とエ
ンジンルーム上部に一体的に配設したトラクターの部分
側面断面図。
【符号の説明】
A エアコンユニット E エンジン F 冷却ファン R ラジエーター 1 ボンネットカバー 2 下部ボンネット 3 下部板材 4 後部板材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 赤嶋 晋 大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤン マーディーゼル株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−166412(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60H 1/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャビンを装着したトラクターにおい
    て、該キャビン内の空調を行う空調装置の本体部を、ボ
    ンネットカバー内に構成した空調装置室内の上方に固設
    して該室内下方に空間を設け、該空調装置室より後方に
    空気吸入口及び吹出口を開口した遮蔽板材を立設し、吸
    入及び吹出ダクトを、キャビン本体に設けた空気吸入口
    及び吹出口と該遮蔽板材の空気吸入口及び吹出口との間
    に固定し、該ボンネットカバー閉鎖時に、該空調装置室
    の後端部が該遮蔽板材に圧接して、該吸入ダクト15
    該空調装置室内の下方空間部に、該吹出ダクト16が該
    空調装置の本体部の吹出口に各々連通するように構成し
    たことを特徴とするトラクターの空調装置取付構造。
  2. 【請求項2】 キャビンを装着したトラクターにおい
    て、該キャビン内の空調を行う空調装置をエンジン上部
    に配設し、該空調装置の吸入ダクト20を、キャビン本
    体の下方よりエンジンの上部前方までの位置に、円弧状
    整流形状に配設したことを特徴とするトラクターの空
    調装置取付構造。
  3. 【請求項3】 キャビンを装着したトラクターにおい
    て、該キャビン内の空調を行う空調装置のケースにフラ
    ンジ23を環装し、吸入口27及び吹出口26部分を設
    けたキャビン本体側の境界部にはエアコン取付用の孔を
    開口したキャビン板材17を設け、前記フランジ23
    を、該キャビン板材17のエアコン取付用の孔の周囲に
    防振用ゴム28を介して固着することにより空調装置の
    本体部分をキャビン本体部に固定し、該空調装置の本体
    部分をエンジンルームの上部に突設させ、該吸入口27
    及び吹出口26部分をキャビンのダッシュボードC内に
    て支持したことを特徴とするトラクターの空調装置取付
    構造。
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