JP3379954B1 - 電動射出成形装置 - Google Patents

電動射出成形装置

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    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
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    • B29C45/66Mould opening, closing or clamping devices mechanical
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  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

【要約】 【課題】 ボールネジを有する直圧式の電動射出成形装
置において、装置全体が軽量、小型化した電動射出成形
装置を提供する。 【解決手段】 電動射出成形装置1において、固定金型
11と型締められる可動金型12が開閉側可動プレート
13に取り付けられ、この可動プレート13の1組の対
角上に可動プレート13をガイドする2本のタイバー1
5,16が、残る1組の対角上に可動プレート13を移
動させる2本のボールネジ17,18が通される。一
方、射出側も対角上の2本ずつのタイバー35,36及
びボールネジ37,38により、射出用のプランジャ4
2が固定された射出側可動プレート33が移動する。開
閉側のボールネジ17,18により可動プレート13が
移動して型締めされ、その後、射出側の可動プレート3
3が移動して射出が行われるが、これらの型締め反力と
射出反力は中央固定プレート3でほぼ打ち消し合う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金型開閉と、溶融
材料の射出と、成形品の取出しとを電動機で駆動させる
全電動式の射出成形装置に関し、特に型締めを直圧式で
行う電動射出成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、射出成形機は、金型を開閉して
型締めを行う金型開閉機構と、被成形材料のペレット等
を溶かして射出する射出機構と、これらを自動的に動か
す駆動機構とにより構成される。金型開閉機構は、高圧
により金型を締め付けて型締めを行う機構であり、その
型締めの様式としては、トグル機構によって金型の開
閉、型締めを行うトグル式と、油圧シリンダ等によって
直接的に型締めを行う直圧式とに大別される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、トグル式の
電動射出成形装置は、トグル機構により高い成形圧を発
生することができるが、その機構は大きなスペースが必
要であるために、トグル式の成形装置は大型なものが多
い。一方、図10(a)に示す油圧シリンダ401を用
いる直圧式の射出成形装置400も、油圧シリンダ40
1を設置するスペースのため装置自体が大きくなってし
まっていた。また、直圧式の装置においては、油圧シリ
ンダ401を図10(b)に示すようなボールネジ30
1に置き換えた構成の電動射出成形装置300も公知で
ある。しかしながら、このボールネジ301を用いた直
圧式の電動射出成形装置300は、以下のような欠点を
有している。なお、図10において302,402はフ
レーム支持台である。
【0004】通常、金型開閉のために設けられたダイプ
レート302には、4本のタイバー303(2本は陰に
なって見えない)が設けられ、ボールネジ301の押動
によりダイプレート302がタイバー303に沿って移
動し、金型304を開閉可能にしていた。そして、この
ようなボールネジ301を用いた構成では、そのボール
ネジ301を開閉機構又は射出機構から突出させるため
のスペースSが必要であるために装置が大型化してい
た。
【0005】また、射出機構において、金型へのノズル
タッチ並びに射出の圧力を、装置全体の土台となるフレ
ーム310が受け止めていたため、該フレームを頑丈に
する必要があり、装置全体の重量が大きくなっていた。
【0006】さらに、従来の電動射出成形装置において
は、型締めストローク、射出量を検出するために、その
作業に手間が掛かったり、数多くのセンサを用いてコス
トが高く付いていた。特に、金型の位置を近接センサで
読みとり、型締めの完了位置を確認する形式では、金型
の型厚が変わる度にセンサの位置合わせが必要であるた
めに手間が掛かっていた。また、射出量の検知には、プ
ランジャ又はスクリューの移動量を近接センサで読みと
り、さらに射出圧力を射出圧センサで読みとり、両セン
サの情報をもとに射出量を検知する形式があり、この場
合、2つのセンサが必要となっていた。
【0007】本発明の課題は、ボールネジを有する直圧
式の電動射出成形装置において、装置全体を軽量、小型
化し、しかも従来のように幾つものセンサを用いなくて
も、簡単に、型締めストローク、射出量を検出すること
が可能な電動射出成形装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】上記課題
を解決するために、本発明の電動射出成形装置は、組み
付けられた金型を開閉する開閉機構と、被成形材料を金
型内に射出する射出機構と、これらを駆動するための駆
動機構とを備えており、開閉機構は、当該成形装置のほ
ぼ中央に設けられ固定金型が固定されている中央固定プ
レートと、該成形装置の一端近傍に設けられ開閉側固定
プレートと、両固定プレートの間に配置され可動金型が
固定されている開閉側可動プレートと、これら3つのプ
レートに固定あるいは摺動可能に挿通されるタイバー及
びボールネジとからなり、そのボールネジは、各プレー
トにおいて1組の対角線上にて固定あるいは挿通される
2本のもので構成され、該ボールネジのネジ部により開
閉側可動プレートに組み付けられた構造となっており、
射出機構は、中央固定プレートと、開閉側固定プレート
とは反対側の当該成形装置端部近傍に設けられた射出側
固定プレートと、両固定プレート間に配置され被成形材
料を射出するためのプランジャが固定される射出側可動
プレートと、これら3つのプレートに対し開閉機構と同
様に固定又は挿通されているタイバー及びボールネジ
と、プランジャを受け入れ可能且つ被成形材料を溶融射
出可能な射出筒とからなり、開閉機構と射出機構は、タ
イバーとボールネジとによりほぼ一直線状かつ一体状に
組み付けられた上で、中央固定プレートによって当該成
形装置の土台となるフレームに固着されるとともに、駆
動機構は、開閉機構と射出機構とにそれぞれ専用の電動
機と、その電動機から各ボールネジに駆動力を伝達する
伝動部材とからなり、電動機の駆動力によりボールネジ
が回転され、その回転により開閉側可動プレートないし
射出側可動プレートが移動されることにより、型締めな
いし射出が行われ、さらに前記開閉機構における型締め
動作において、型締めストロークの検出が、前記開閉機
構専用の電動機の負荷電流値の変化に基づいて行われる
とともに、前記開閉機構において、前記開閉側固定プレ
ートに突出し棒を固定しておき、型開き時に前記開閉側
可動プレートが前記開閉側固定プレートの方に移動する
と、前記開閉側可動プレートに開設された挿通孔を通し
て、前記可動金型に設けられたエジェクタープレートに
該突出し棒が当接し、更に前記開閉側可動プレートが移
動することにより該突出し棒がエジェクタープレートを
動かして成形品を金型の成形キャビティから突出させる
成形品突出し機構を有することを特徴とする。
【0009】上記構成の電動射出成形装置においては、
従来の構成における可動プレートを移動するために該プ
レートに設けられていた4本のタイバーのうち、対角線
上の2本をボールネジに置き換え、そのボールネジの回
転をネジ部により可動プレートに伝達し、該可動プレー
トを移動させる構成とした。よって、ボールネジを開閉
機構又は射出機構の両端の固定プレートから突出させる
ための別途なスペースが不必要となり、装置全体が小型
化する。さらに、中央固定プレートを介して開閉機構と
射出機構のタイバーを連結し、この中央固定プレートに
おいてノズルタッチ又は射出の圧力等のタイバーにかか
る全ての反力を吸収する。これにより、フレームに大き
な反力が加わらず、フレームは各機構を重量的に支える
のみでよいことから、フレームは軽量で小型のもので済
む。
【0010】また、上記駆動機構においては、開閉機構
及び射出機構のそれぞれに専用の電動機を設け、この電
動機から各ボールネジに伝動部材を介して駆動力を伝達
している。伝動部材としては、例えば歯付ベルト等を備
えたプーリー等を用いることができる。ここで、伝動部
材は例えば開閉側固定プレートと射出側固定プレートの
各外側に設ける構成とし、該伝動部材以外の殆どの部材
は、該両固定プレートの間に収容される構成とすること
が可能であり、それにより装置自体を一層小型化するこ
とができるようになる。
【0011】次に、上記構成の電動射出成形装置では、
開閉機構における型締め動作において、型締めストロー
クの検出を、開閉機構専用の電動機の負荷電流値の変化
に基づいて行う。この場合、可動プレート等の位置を検
出するセンサを用いないために、金型の型厚が変わった
場合でも、センサの位置合わせを再度行うといった手間
が省けるようになる。
【0012】一方、射出機構における射出量の制御は、
金型の成形キャビティ内への被成形材料の充填状態を検
出するセンサからの信号に基づいて行うことができる。
この場合、金型内にセンサを設けて被成形材料の充填量
を検出し、その信号により適切な射出量を制御すること
ができる。これにより、従来のようにプランジャ等の移
動量を検出するセンサと、射出圧を検出するセンサとの
2つを用いる必要が無くなりコストダウンとなる。
【0013】また、開閉機構において、開閉側固定プレ
ートに突出し棒を形成し、上記成形品突出し機構を設け
ることで、開閉機構の駆動力を用いて成形品を回収でき
るので、成形品回収のための別の駆動機構を設ける必要
がなく経済的である。また、開閉側固定プレートに突出
し棒をタイバーと並列して設けることができるために、
成形品突出し機構のための別途のスペースを設けなくて
よく、装置の大型化を抑えることができる。
【0014】さらに、射出機構において、射出筒の中に
軸方向に一定の位置で回転可能な被成形材料混練用のス
クリューと、該スクリューの中央軸線上に貫設され、混
練された被成形材料を蓄える受入孔と、該受入孔に挿通
され、該混練された被成形材料を射出するプランジャと
から構成されるプランジャインスクリューを備えること
ができる。この場合、スクリューが被成形材料をいち早
く混練しながら成形に適する温度に溶融し、その後、プ
ランジャが、混練された被成形材料を金型に適当な圧力
で射出する。よって、迅速かつ効率よく射出工程を行う
ことができるとともに、通常のスクリュータイプのもの
と比べて射出機構を小型化することができる。
【0015】また、射出機構を2組備えて別々に射出可
能な構成とし、開閉機構においては、中央固定プレート
に2つの固定金型を取り付け、開閉側可動プレートに
は、1つの可動金型をスライド機構によって2つの固定
金型とそれぞれ嵌合する位置に、可動プレートの移動方
向と直角な方向にスライド可能に構成し、該構成により
2色成形を行うことができる。すなわち、中央固定プレ
ートに2つの固定金型を取り付け、上記構成とすること
で、開閉機構にボールネジの回転を利用した本発明の電
動射出成形装置においても2色成形が可能となる。な
お、可動金型のスライド機構としては、可動プレートと
同様のボールネジ等を用いることができる。
【0016】上記2組の射出機構の組み合わせは、この
2組を1次側と2次側とし、使用する被成形材料によっ
て、2色成形における1次側と2次側の両方ともがプラ
ンジャタイプであるか、1次側と2次側のどちらか一方
がプランジャタイプで他方がプランジャインスクリュー
タイプであるか、1次側と2次側の両方ともがプランジ
ャインスクリュータイプであるか、のいずれかの組み合
わせとすることができる。射出方法は、被成形材料ない
し目的の成形体の形状等によってプランジャ向きかスク
リュー向きかに分けられる。プランジャタイプは、射出
に際して滞留部分が多く、射出圧力損失が大きいため
に、熱安定性の悪い材料は射出が困難となる。よって、
2色成形する際、上記のように使用する被成形材料によ
って、プランジャタイプとプランジャインスクリュータ
イプとを組み合わせることで、被成形材料が滞留するこ
となく効率良く射出を進めることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に示す実施例に基づき説明する。図1に示す本発明の一
実施例たる電動射出成形装置1(以下、単に装置ともい
う)は、装置1の土台となるフレーム2と、装置1の中
心に設けられ、固定部4にてフレーム2に固定されてい
る中央固定プレート3と、中央固定プレート3を境にし
て分かれている開閉機構部10と射出機構部30とを有
している。また、フレーム2の内部ないし周囲には、開
閉機構部10と射出機構部30とを駆動するための駆動
機構部50が設けられている。
【0018】開閉機構部10には、中央固定プレート3
と、装置1の一端に設けられた開閉側固定プレート14
と、中央固定プレート3と開閉側固定プレート14との
間に配置され軸方向に移動可能な開閉側可動プレート1
3とが設けられている。開閉側可動プレート13には、
その四角形の角隅に対角線上に開閉側タイバー15,1
6(16は陰になって見えない)と、もう一方の対角線
上に開閉側ボールネジ17,18とが挿通されている。
これらは、図2にも示すように、開閉側ボールネジ18
(17はタイバー15の陰になって見えないため18を
例にとり説明する)のネジ部を、開閉側可動プレート1
3に備えられているボールネジ用ナット21に螺合によ
り挿通させた構成となっている。これにより、開閉側ボ
ールネジ17,18が回転すると、開閉側可動プレート
13が軸方向に移動できるようになっている。
【0019】また、開閉側ボールネジ18は、図1に示
す開閉側モータ51により、伝動部材としてのタイミン
グベルト56及びプーリー55を介して回転可能となっ
ており、このボールネジ18は、開閉側固定プレート1
4にはベアリング20(図2)を介して、また中央固定
プレート3にはベアリング22を介して挿通されてい
る。なお、開閉側ボールネジ17も、タイミングベルト
56及びプーリー55,58を介して、モータ51の駆
動により双方のボールネジ17,18が互いに同期して
同方向に回転する。
【0020】一方、図2において開閉側タイバー15,
16(16はボールネジ18の陰になって見えないため
15を例にとり説明する)は、その端部に設けられた雄
ねじ部28が、開閉側固定プレート14に対しナット2
5により固定されており、一方の端部に設けられた雌ね
じ部26が、中央固定プレート3に対し、後述する射出
側タイバー35,36(36はボールネジ38の陰にな
って見えない)の雄ねじ部27との螺合により固定され
ている。つまり、これらタイバー35,36及び中央固
定プレート3は相互に連結・固定状態にある。また、開
閉側可動プレート13に対してタイバー15は、含油ベ
アリング24を介して挿通されている。
【0021】開閉側可動プレート13には可動金型12
が組み付けられており、また、中央固定プレート3には
固定金型11が組み付けられている。可動金型12は、
開閉側可動プレート13とともに移動し、その接近によ
り両金型11,12の型締めが、また離間により型開き
が行われる構成となっている。
【0022】図1に示すように、射出機構部30は、中
央固定プレート3と、開閉側固定プレート14とは反対
側の端部に設けられた射出側固定プレート34と、中央
固定プレート3と射出側固定プレート34との間に配置
され軸方向に移動可能な射出側可動プレート33とを備
える。また、射出側可動プレート33には対角線上に2
本の射出側タイバー35,36と、同じく2本の射出側
ボールネジ37,38が挿通されている。開閉機構部1
0と同様の機構により、射出側可動プレート33は、射
出側ボールネジ37,38が射出側モータ52によりプ
ーリー57及びタイミングベルト56を介して回転する
ことで、軸方向に移動する構成となっている。
【0023】射出側可動プレート33の中心軸線上に
は、被成形材料(樹脂)を射出するためのプランジャ4
2が固定されており、そのプランジャ42と同軸的で、
かつプランジャ42を受け入れ可能なシリンダ41が射
出機構部30のほぼ中心に備えられている。つまり、電
動射出成形装置1の射出機構部30はプランジャタイプ
にて構成されている。シリンダ41の上方には、被成形
材料を射出機構部30に送り込むためのホッパ43が設
けられており、さらに、シリンダ41の外周部には、該
被成形材料を加熱して射出可能な溶融体とするためのヒ
ーター40が備えられている。プランジャ42は、射出
側可動プレート33の軸方向の移動に伴って往復運動を
繰返す構成となっている。
【0024】ここで、開閉機構部10と射出機構部30
は、各タイバーとボールネジにより中央固定プレート3
において組み付けられて一体化されており、溶融材料は
中央固定プレート3を介して射出機構部30から開閉機
構部10へ射出される構成となっている。
【0025】前述の装置1の両端部の駆動機構部50
は、開閉機構部10の開閉側ボールネジ17,18を駆
動するための開閉側モータ51と、射出機構部30の射
出側ボールネジ37,38を駆動するための射出側モー
タ52とが、フレーム2の内部に納められている。
【0026】開閉側モータ51には、その駆動の負荷電
流値を検出するセンサが内蔵されている。これは、開閉
機構における型締めのストロークを制御するためのもの
であり、型締め圧に対応したモータ51の負荷電流値を
設定しておくことにより、予め定められた負荷電流値に
達したときにモータ51の駆動を停止させ、射出準備状
態となる。
【0027】また、電動射出成形装置1には、図3に示
すような成形品突出し機構80が設けられている。開閉
機構部10の開閉側固定プレート14に突出し棒81
が、開閉側可動プレート14の移動方向と平行に、かつ
中央固定プレート3側に向かって突出するように固定さ
れている。その突出し棒81は、開閉側可動プレート1
3に形成された挿通孔82を通して可動金型12のエジ
ェクタープレート83に当接する。ここで、エジェクタ
ープレート83は可動金型12内で、軸方向にスライド
自在となっている。
【0028】図3(b)のように、可動金型12が型開
きする方向に移動する、すなわち開閉側可動プレート1
3が開閉側固定プレート14の方に移動すると、突出し
棒81が挿通孔82の中に挿入されていく。さらに開閉
側可動プレート13が移動すると、図3(c)のように
突出し棒81がエジェクタープレート83を突き動か
し、エジェクタープレート83に形成されている成形品
突出ピン85により、成形品Aをキャビティから突出さ
せ回収している。エジェクタープレート83と可動金型
12との軸方向の隙間には、成形品突出ピン85を引込
み方向に付勢するリターンバネ84が装着されており、
一連の突出し作用は、このリターンバネ84を弾性的に
圧縮して行われ、突出し棒81がエジェクタプレート8
3から離間すれば突出ピン85はリターンバネ84によ
り原位置に引っ込み、この状態で突出ピン85の端面が
キャビティの一部を形成する。
【0029】さらに、図4に示すように、可動金型12
内のエジェクタープレート83には、プランジャ42に
より射出されてくる被成形材料Wの充填量を検出するセ
ンサ70が設けられている。このセンサ70は、特公昭
61−10292号公報の欠肉不良検出装置と同様に構
成されている。すなわち、図4(a)の型締め状態にお
いては、被成形材料Wが未充填のため、成形品突出ピン
85の先端73が、センサ70の端面に形成されたウェ
ブスプリング72に付勢されてキャビティ74内に若干
突出している。次に、図4(b)のようにプランジャ4
2により被成形材料Wが射出されてキャビティ74内に
充填されると、成形品突出ピン85は被成形材料Wの圧
力によりわずか移動するとともに、ウェブスプリング7
2は略平板状に弾性変形されてセンサ70に当接する。
そして、その当接されたセンサ70の信号に基づいて、
射出側モータ52(図1)により射出量の制御が行われ
る仕組みとなっている。
【0030】以上のような構成の電動射出成形装置1の
型締めから射出に至るまでの成形機構を、図5を用いて
説明する。なお、図5においては、理解を容易にするた
めにタイバーを省略して2つのボールネジを表した簡略
図を示している。
【0031】まず、図5(d)に示す待機状態の電動射
出成形装置1は、開閉側モータ51の作動によりボール
ネジ17,18が回転し、それにより開閉側可動プレー
ト13が中央固定プレート3の側方へ移動し、この開閉
側可動プレート13の移動に伴って可動金型12は、図
5(a)に示す型締め状態となる。この型締め完了は、
開閉側モータ51の負荷電流値が予め定められた設定値
に達することで検出される。続いて、この状態で、射出
側モータ52の作動により、ボールネジ37,38が回
転し、それにより射出側可動プレート33が中央固定プ
レート3の方へ移動し、プランジャ42も同様に中央固
定プレート3側へ移動することで、図5(b)の射出状
態となる。
【0032】ここで、射出側可動プレート33は可動金
型12に設けられたセンサ70(図4)により、被成形
材料のキャビティ74(図4)内への充填が完了となる
まで中央固定プレート3の側方へ移動し射出を完了させ
る。このとき、型締め圧及び射出圧の反力をタイバー1
5,16,35,36が受け止めている(図1、図
2)。
【0033】センサ70により、充填が完了した信号が
射出側モータ52に送られてくると、射出側モータ52
はその駆動を反転し、図5(c)のように射出側可動プ
レート33とともにプランジャ42が、射出側固定プレ
ート34の側へ移動して待機状態となる。一方、開閉側
モータ51も射出後の一定の保持時間が経過すれば反転
し、開閉側可動プレート13とともに可動金型12が開
閉側固定プレート14の方向へ移動し、図5(c)に示
す型開き状態となる。
【0034】ここで、型開き状態に向かう途中におい
て、図5には図示していないが、開閉側固定プレート1
4に設けられた突出し棒81(図3)が、可動金型12
のエジェクタープレート83を突き動かして、成形品A
をキャビティから離型させ、回収部60から成形品を回
収している。
【0035】なお、ボールネジ17,18及び37,3
8は型締め圧及び射出圧の反力を受け、これらは弾性的
に幾分伸びるようにされており、その若干の伸びを許容
するように、両固定プレート14,34は、スライド機
構を介してフレーム2に支持されている。すなわち、開
閉側固定プレート14を例にとって示すと、図9のよう
に、固定プレート14は留め具6の締め付け力により固
定部5を介してフレーム2に保持されているが、この保
持は摩擦力によるもので固定的ではなく、その嵌合部7
においてある程度の摺動ができる。ここで、固定プレー
ト14には溝14aが、固定(保持)部5には、それに
摺動可能に嵌合する突起5aが形成され、所定の面圧に
おいて潤滑油等を介した摺動面を5h等で示すことがで
きる。そして、ボールネジ17,18が型締め圧の反力
を受けて伸びた分だけ、開閉側固定プレート14はタイ
バー15,16の弾性的な伸びを伴ってわずかにスライ
ドし、ボールネジ17,18の伸びを解消している。結
果的に、各ボールネジが弾性的に伸び、両固定プレート
が移動することでタイバーが反力を受けている。
【0036】次に、電動射出成形装置1の変形例を図6
に示す。なお、電動射出成形装置1と同じ構成、機構の
ものには、同じ符号を付し説明を省略する。この電動射
出成形装置100の射出機構部130は、シリンダ14
1の中に、被成形材料を混練するスクリュー145を形
成している。そして、スクリュー145の中央軸線上に
は、混練された被成形材料を蓄える受入孔146が貫通
して形成され、この受入孔146には、プランジャ14
2がスクリュー145の回転を許容する状態で摺動可能
に嵌合してプランジャインスクリュータイプの射出機構
部130を構成している。なお、スクリュー145は、
フレーム2の内部に設けられたモータ53により駆動さ
れる。
【0037】上記構成の電動射出成形装置100によ
り、ホッパ43から導入された被成形材料は、シリンダ
141内でスクリュー145により混練されつつヒータ
ー140により溶融されるため、均一かつ効率よく材料
が溶融される。さらに、溶融された材料(樹脂)は、ス
クリュー145の前端45に形成された受入孔146に
プランジャ142を後退させつつ蓄えられ、その受入孔
146の溶融樹脂がプランジャ142の前進により金型
へ射出されるようになっている。このようにスクリュー
145が、一定の位置で回転し、その内部でプランジャ
142が前進するプランジャインスクリュータイプのも
のにおいて、プランジャ142は前述の射出側可動プレ
ート33を介して前進・後退する。
【0038】図7は図1の電動射出成形装置1の射出機
構部30を2組備えた、いわゆる2色成形可能な電動射
出成形装置200である。なお、電動射出成形装置1と
同じ構成、機構のものについては、同じ符号を付し説明
を省略する。該装置200は、開閉機構部290におい
て、中央固定プレート3に2色用に2つの固定金型すな
わち1次側固定金型220、2次側固定金型221が取
り付けられている。一方、開閉側可動プレート13には
1つの可動金型210が取り付けられ、その可動金型2
10は、可動プレート13の移動方向(軸方向)と直角
の方向に配置された金型移動用ボールネジ213によ
り、その方向にスライド可能であり、このスライドによ
り2つの固定金型220,221とそれぞれ型締めする
ことができる。
【0039】金型移動用ボールネジ213は、図示しな
い金型移動用ボールネジ専用のモータにより金型移動用
プーリー212を介して回転され、可動金型210は1
次側固定金型220に対向する第一位置と、2次側固定
金型221に対向する第二位置との間で移動する。ま
た、開閉側固定プレート14には電動射出成形装置1と
同じ構成の突出し棒が、1次側突出し棒201、2次側
突出し棒202として2本組み付けられている。
【0040】一方、射出機構部280においては、1次
側固定金型220に被成形材料(溶融樹脂)を射出する
1次側射出ユニット230と、2次側固定金型221に
被成形材料を射出する2次側射出ユニット240とを備
え、両ユニットは同じ構成、機構により駆動するように
なっている。両ユニット230,240は、端部に設け
られた射出側固定プレート234,244と、それぞれ
対角上に2本ずつ設けられた射出側ボールネジ232,
242と、これらとは交差する対角上にそれぞれ設けら
れたタイバー231,241と、射出側ボールネジ23
2,234の回転に伴いそれぞれタイバー231,24
1に沿って移動する射出側可動プレート233,243
とを有する。また、可動プレート233,243にはプ
ランジャ235,245が組み付けられ、プランジャ2
35,245は被成形材料の溶融樹脂を蓄えるシリンダ
236,246内を軸方向に移動する。そして、プラン
ジャ235,245が選択的に前進することで、溶融樹
脂が1次、2次側の両固定金型に選択的に射出される。
【0041】以下、電動射出成形装置200の作動につ
いて図8を用いて説明する。なお、各開閉機構及び射出
機構の各駆動については電動射出成形装置1と同じ機構
で行われる。まず、図8(a)に示すように、1次側固
定金型220と可動金型210とが型締めされる。型締
めの完了は電動射出成形装置1と同様に、開閉側のモー
タの負荷電流値により検出される。その後、1次側射出
ユニット230から射出側可動プレート233の移動に
より溶融樹脂が1次側へ射出される。射出の完了は、前
述のようにキャビティへの溶融樹脂の充填状態を検出す
るセンサによって規定される。射出後、一定の保持時間
を経て、図8(b)に示すように射出側可動プレート2
33及び開閉側可動プレート13が開く方向に移動す
る。このとき、開閉側可動プレート13が開閉側固定プ
レート14まで移動すると、1次側突出し棒201によ
り1次成形品を回収することが可能であるが、この場合
は、2色成形を行うため図8(b)の状態で、開閉側可
動プレート13が停止する。
【0042】図8(b)の状態から、金型移動用ボール
ネジ213が回転して可動金型210が2次側に移動す
る(図8(c))。そして、2次側に移動した可動金型
210が開閉側可動プレート13とともに中央固定プレ
ート3側へ移動し型締め状態となる。この状態も、1次
側と同様、モータ負荷電流値により検出される。その
後、図8(d)のように、射出側可動プレート243の
移動により2次側射出ユニット240から溶融が2次側
へ射出される。射出の完了を1次側と同様のセンサが検
出した後、一定の保持時間が経過してから、図8(e)
に示すように射出側可動プレート243及び開閉側可動
プレート13が開く方向に移動する。そして、開閉側可
動プレート13が開閉側固定プレート14まで移動する
と、2次側突出し棒202により2色成形品Bを回収す
ることができる。
【0043】なお、上記電動射出成形装置200の射出
機構部280は、2組の射出ユニットにおいて、1次側
と2次側の両方ともが図1の電動射出成形装置1のプラ
ンジャタイプとなっている。しかし、その組み合わせ
は、どちらか一方がプランジャタイプで他方が図6の電
動射出成形装置100におけるプランジャインスクリュ
ータイプである組み合わせ、及び両方ともがプランジャ
インスクリュータイプである組み合わせのいずれでもよ
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電動射出成形装置の一実施例としての
部分切欠斜視図。
【図2】図1の開閉機構部を拡大して示す部分拡大断面
図。
【図3】成形品突出し機構を説明する部分断面図。
【図4】射出量の制御を行うセンサの機能を示す説明
図。
【図5】図1の電動射出成形装置の作動説明図。
【図6】図1の電動射出成形装置の変形例を示す部分切
欠斜視図。
【図7】2色成形可能な電動射出成形装置の部分平面
図。
【図8】図7の電動射出成形装置の2色成形の作動説明
図。
【図9】図1の開閉側固定プレートのスライド機構を拡
大して示す説明図。
【図10】従来の電動射出成形装置の例を示す正面図。
【符号の説明】
1,100,200 電動射出成形装置 2 フレーム 3 中央固定プレート 10,290 開閉機構部(開閉機構) 11 固定金型 12 可動金型 13 開閉側可動プレート 14 開閉側固定プレート 15,16 開閉側タイバー(タイバー) 17,18 開閉側ボールネジ 35,231,241 射出側タイバー(タイバー) 30,130,280 射出機構部(射出機構) 33,233,243 射出側可動プレート 34,234,244 射出側固定プレート 37,38,232,242 射出側ボールネジ(ボー
ルネジ) 42,142,235,245 プランジャ 50 駆動機構部(駆動機構)
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B29C 45/76 B29C 45/76 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 45/00 - 45/84 B22D 17/26

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組み付けられた金型を開閉する開閉機構
    と、 被成形材料を金型内に射出する射出機構と、 これらを駆動するための駆動機構とを備えた電動射出成
    形装置であって、 前記開閉機構は、当該成形装置のほぼ中央に設けられた
    固定金型が固定されている中央固定プレートと、該成形
    装置の一端近傍に設けられた開閉側固定プレートと、両
    固定プレートの間に配置され可動金型が固定されている
    開閉側可動プレートと、これら3つのプレートに摺動可
    能に挿通されるタイバー及びボールネジとを備え、その
    ボールネジは、各プレートにおいて1組の対角線上にて
    摺動可能に挿通される2本のもので構成されるととも
    に、該ボールネジのネジ部により前記開閉側可動プレー
    トに組み付けられた構造となっており、 前記射出機構は、前記中央固定プレートと、前記開閉側
    固定プレートとは反対側の当該成形装置端部近傍に設け
    られた射出側固定プレートと、両固定プレート間に配置
    され被成形材料を射出するためのプランジャが固定され
    る射出側可動プレートと、これら3つのプレートに対し
    前記開閉機構と同様に固定又は挿通されているタイバー
    及びボールネジと、前記プランジャを受け入れ可能且つ
    被成形材料を溶融射出可能な射出筒とからなり、 前記開閉機構と前記射出機構は、タイバーとボールネジ
    とによりほぼ一直線状かつ一体状に組み付けられた上
    で、前記中央固定プレートによって当該成形装置の土台
    となるフレームに固着されるとともに、 前記駆動機構は、前記開閉機構と前記射出機構とにそれ
    ぞれ専用の電動機と、その電動機から前記各ボールネジ
    に駆動力を伝達する伝動部材とからなり、 前記電動機の駆動力により前記ボールネジが回転し、そ
    の回転により前記開閉側可動プレートないし前記射出側
    可動プレートが移動されることにより、型締めないし射
    出が行われ、 さらに前記開閉機構における型締め動作において、型締
    めストロークの検出が、前記開閉機構専用の電動機の負
    荷電流値の変化に基づいて行われるとともに、 前記開閉機構において、前記開閉側固定プレートに突出
    し棒を固定しておき、型開き時に前記開閉側可動プレー
    トが前記開閉側固定プレートの方に移動すると、前記開
    閉側可動プレートに開設された挿通孔を通して、前記可
    動金型に設けられたエジェクタープレートに該突出し棒
    が当接し、更に前記開閉側可動プレートが移動すること
    により該突出し棒がエジェクタープレートを動かして成
    形品を金型の成形キャビティから突出させる成形品突出
    し機構を有することを特徴とする電動射出成形装置。
  2. 【請求項2】 前記開閉側のボールネジ及び前記射出側
    のボールネジは型締め圧及び射出圧の反力を受けて弾性
    的に伸びるように形成され、前記開閉側固定プレート及
    び前記射出側固定プレートはスライド機構を介してフレ
    ームに支持されるとともに、前記開閉側及び射出側のボ
    ールネジが型締め圧及び射出圧の反力を受けて伸びた分
    だけ、前記開閉側固定プレート及び射出側固定プレート
    は前記タイバーの弾性的な伸びを伴ってわずかにスライ
    ドし、前記ボールネジの伸びを解消する請求項1記載の
    電動射出成形装置。
  3. 【請求項3】 前記射出機構における射出量の制御が、
    金型の成形キャビティ内への前記被成形材料の充填状態
    を検出するセンサからの信号に基づいて行われる請求項
    1又は2に記載の電動射出成形装置。
  4. 【請求項4】 前記射出機構において、前記射出筒の中
    に軸方向に一定の位置で回転可能な被成形材料混練用の
    スクリューと、該スクリューの中央軸線上に貫設され前
    記混練された被成形材料を蓄える受入孔と、該受入孔に
    挿通され該混練された被成形材料を射出するプランジャ
    とから構成されるプランジャインスクリューを備えた請
    求項1ないし3のいずれか1項に記載の電動射出成形装
    置。
  5. 【請求項5】 前記射出機構が2組備えられて別々に射
    出可能な構成をなし、前記開閉機構においては、前記中
    央固定プレートに2つの固定金型が取り付けられ、前記
    開閉側可動プレートには、1つの可動金型がスライド機
    構によって前記2つの固定金型とそれぞれ嵌合する位置
    に、前記可動プレートの移動方向と直角な方向にスライ
    ド可能に構成され、該構成により2色成形可能である請
    求項1ないし4のいずれか1項に記載の電動射出成形装
    置。
  6. 【請求項6】 前記2組の射出機構の組み合わせは、使
    用する被成形材料によって、 2色成形における1次側と2次側の両方ともがプランジ
    ャタイプであるか、 1次側と2次側のどちらか一方がプランジャタイプで他
    方がプランジャインスクリュータイプであるか、 1次側と2次側の両方ともがプランジャインスクリュー
    タイプであるか、のいずれかの組み合わせである請求項
    5記載の電動射出成形装置。
  7. 【請求項7】 前記開閉機構に専用の電動機は前記開閉
    側固定プレートの近傍にプーリを除いてその外側に突出
    しないように前記フレーム内に納められ、前記射出機構
    に専用の電動機は、前記射出側固定プレートの近傍にプ
    ーリを除いてその外側に突出しないように前記フレーム
    内に納められている請求項1ないし6のいずれか1項に
    記載の電動射出成形機。
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