JP3379927B2 - ワイヤーロープの端末加工方法及びワイヤーロープ加工品 - Google Patents

ワイヤーロープの端末加工方法及びワイヤーロープ加工品

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    • D07B7/18Auxiliary apparatus for spreading or untwisting ropes or cables into constituent parts for treatment or splicing purposes

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  • Treatment Of Fiber Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はスプライスロープ加
工、ケーブルレイドロープのグロメット加工、及びスプ
ライスベケット加工の3種の端末加工方法おいて、引っ
張りに対する強度を強くし、これにより継ぎ代を短くす
ることができ、作業効率を高めることができ、材料コス
トを抑えることができる、ロープの端末加工方法及びワ
イヤーロープ加工品に関する。
【0002】
【従来の技術】ワイヤーロープは、土木、建築、機械、
造船、林業、漁業、その他、広範囲の産業に利用されて
おり、ワイヤーロープは使用する上において必ず端末加
工をすることが必要であり、端末加工を正しくすること
は人の生命を尊重する上からも必要である。しかも、こ
の加工がうまく出来なければ以下の工程で、どんなに修
正しようとしても良い製品は出来ない。
【0003】端末加工の方法は用途に応じて種々あり、
以下、そのうちの代表的な端末加工方法であるるロング
スプライス加工、ケーブルレイドロープのグロメット加
工、及びセミロングスプライスベケット加工の3種の加
工方法について述べる。
【0004】以下において説明する従来技術は、「全日
本ロープ加工組合連合会」編集及び発行、全日本ロープ
加工組合連合会副会長「山口芳男」著者による「ワイヤ
ーロープ加工図解」を引用した。尚、以下、長い用語表
現を避けるため、ワイヤーロープをロープと略称する。
【0005】次に、従来のロングスプライス加工方法を
図1〜図4の各図により説明する。先ず、図1の(a)
図及び(b)図により、加工に必要なロープ長さを算出
し、マーキングを印す箇所について説明する。
【0006】図1の(a)図に示すように、加工に必要
なロープ(A)の長さは、2本のロープ(A,B)の継
ぎ代(As,Bs)をどの程度の長さにするかにより決
まる。従来より、この継ぎ代(As,Bs)の長さ(L
1,L1)は、ロープ径(d)の何倍、という算式で決
められ、従来ではロープ径(d)の600倍程度、或い
はそれ以上の長さが通常である。
【0007】マーキング(P,P)を印す箇所は、各ロ
ープ(A,B)の継ぎ代(As,Bs)の基部であり、
塗料等により印す。
【0008】マーキング(P,P)を揃えるようにして
各ロープ(A,B)を対向方向から重ね合わせると、継
ぎに使用するロープの長さ(L)が、(L1+L2)で
あることが判る。
【0009】このことから、例えば、ロープ径(d)が
14mmの場合には、継ぎ代(As,Bs)の長さ(L
1,L1)は、それぞれに(14mm×600倍)、つ
まり8400mmを必要であることが判る。そして継ぎ
に使用するロープの長さ(L)が(8400mm+84
00)、つまり16800mm必要であることが判る。
【0010】続いて、図1における(b)に示すよう
に、ロープ端からロープ径(d)の50倍の長さ(L
2)に相当する箇所にマーキング(P1)を印し、続い
て、このマーキング(P1)を印した箇所からロープ径
(d)の100倍の長さ(L3)に相当する箇所毎にマ
ーキング(P2〜P6)を印しておく。
【0011】次に、ロングスプライス加工におけるロー
プの組み合わせ方を、図2の各図、及び図3の各図によ
り説明する。尚、図示していないが、これら各図におけ
る組み合わせには専用の加工用工具であるスパイキを用
いる。
【0012】先ず、図2の(a)図に示すように、双方
のワイヤーロープ(A,B)の各1本のストランド(A
a,Bb)をマーキング(P)の位置まで解き、次に、
双方のワイヤーロープ(A,B)に印したマーキング
(P,P)を重ね合わせて、ストランド(Aa,Bb)
の一方(Ba)を解きながら他方のストランド(Aa)
をこの解いた跡に縒り込んで、三ツ股状の組み合わせを
形成する。
【0013】続いて、図2の(b)図から(c)図に示
すように、ロープ(B)の1本目のストランド(Ba)
をさらに解きながら、その跡にロープ(A)の1本目の
ストランド(Aa)を右側のマーキング(P4)まで縒
り込む。
【0014】続いて、図2の(c)図に示すように、ロ
ープ(A)の2本目のストランド(Aa)を解きながら
ロープ(B)の2本目のストランド(Ba)を左側のマ
ーキング(P3)まで縒り込む。(Ab)はロープ
(A)の心綱である。
【0015】このようにして、図3の(a)図から
(c)図の順に示すように、マーキング(P)より右側
ではストランド(Ba)を解きながらその跡にストラン
ド(Aa)を縒り込み、マーキング(P)より左側では
ストランド(Aa)を解きながらその跡にストランド
(Ba)を縒り込む。これを左右各6本全てのストラン
ド(Aa〜,Ba)について所定のマーキング(P1〜
6)の箇所まで順次行う。尚、双方のロープ(A,B)
の心綱(Aa,Bb)の重なる部分は切断し、端部は露
出させる。
【0016】入目部の差し方については、図4の(a)
〜(h)図に示した方法が採っていた。尚、以下の一連
の操作にははスパイキ(S)が用いられる。
【0017】この方法を順に説明すると、先ず前述した
組み合わせを行うと、図4の(a)図に示すように、左
右のストランド(Aa,Ba)が隣り合う位置に揃って
縒り残した状態になっている。縒り残したストランド
(Aa,Ba)の長さ(L4,L4)は、元のロープ径
が14mmの場合にはロープ径の40倍の長さ、もとの
ロープ径の長さが18mmの場合にはロープ径の45倍
の長さになる。尚、図示していないが、他のストランド
も同様である。
【0018】入目部を差す手順としては、先ず、ストラ
ンド(Aa,Ba)のくせを直す。
【0019】続いて、図4の(b)図に示すように、ス
トランド(Aa,Ba)を1回結びした後、縒りを戻し
てハンマーで軽く叩いて均す。
【0020】続いて、図4の(c)図に示すように、ス
トランド(Aa,Ba)を1回結びする。このとき心綱
(Bb)を入れる。
【0021】続いて、図4の(d)図に示すように、ス
トランド(Aa,Ba)を左右1回差しする。このと
き、差したストランド(Aa,Ba)の縒りを戻してハ
ンマーで軽く均し、他のストランドと区別がつかないよ
うにする。
【0022】続いて、図4の(e)図に示すように、ス
トランド(Aa,Ba)に縒りを掛けて、やや長く差
す。
【0023】続いて、図4の(f)図に示すように、ス
トランド(Aa,Ba)を左右2回差しする。
【0024】続いて図4の(g)図に示すように、スト
ランド(Aa,Ba)を1回結びし、左右1回差しをす
る。このとき心ストランド(AB,Bb)に麻紐(2,
2)を巻いて心ストランド(Bc,Ac)を形成する。
【0025】そして図4の(h)図に示すように、心ス
トランド(Ac)を1回結びし、左右2回差しをする。
このとき心綱(Ab)はスパイキ(S)の先に出し、心
綱(Ab)を抜きながら心ストランド(Ac)を入れる
と1本のロングスプライス(WR1)が加工が完成す
る。
【0026】次に、従来技術によるケーブルレイドグロ
メット(以下、グロメットと略称する。)の加工方法を
図5〜図7の各図により説明する。尚、図示していない
が、この加工においてもスパイキ(S)が用いられる。
【0027】先ず、グロメット加工をする場合のマーキ
ングを付ける箇所と、使用するロープ長さを、図5の
(a)図により決める。
【0028】マーキング(Pa,Pa)は、心ストラン
ドの周りに6ストランドが巻かれて形成されているワイ
ヤーロープ(以下、ロープと略称する)(C)を解かず
に、塗料などで印す。
【0029】マーキング(Pa,Pa)を印す箇所は、
ロープ(C)の両端から中央方向に向けて、〔内周長×
3.5〕+詰まり〔ロープ径(d)×6〕で求められる
長さ(L5,L5)の2箇所である。そしてこの長さ
(L5,L5)に相当するロープ部分が、縒り代にな
る。
【0030】マーキング(Pa,Pa)間の長さ(L
6)は、内周長+詰まり〔ロープ径(d)×2〕で求め
られる。よって、使用するロープ長さ(L7)=(L5
+L6+L5)で求められる。
【0031】例えば、内周長が1500mmのグロメッ
トを直径18mmのロープを用いて製作する場合、マー
キング(Pa,Pa)を印す箇所は、ロープ(C)の両
端から中央方向にそれぞれ5358mmの箇所の2箇所
になる。そしてこの長さ(L5)が、縒り代になる。使
用するロープ長さは12252mmである。
【0032】グロメット加工する前に、先ず図5の
(b)図に示すように、マーキング(Pa,Pa)を印
したロープ(C)をスパイキを用いてストランド(C
a)になるように解く。
【0033】次ぎに、グロメット加工する場合のストラ
ンドの組み合わせ方と差し方について、図6の各図及び
図7の各図により説明する。
【0034】先ず、図6の(a)図に示すように、マー
キング(Pa,Pa)が組み合わせ部の中心に位置する
ようにストランド(CA,CB)を組み合わせる。尚、
この組み合わせ部に針金を巻いて仮止めすると、後の作
業がし易い。
【0035】続いて、図6の(b)図に示すように、ス
トランド(CA)を縒り合わせながら、ストランド(C
A,CB)の間にストランドを1本入れる。
【0036】続いて、図6の(c)図に示すように、ス
トランド(CA)を縒り合わせ、ストランド(CA,C
B)の間にストランドを2本入れる。
【0037】続いて、図6の(d)図に示すように、ス
トランド(CB)を縒り合わせ、ストランド(CA,C
B)の間にストランドを3本入れる。
【0038】続いて、図6の(e)図に示すように、ス
トランド(CB)を縒り合わせ、ストランド(CA,C
B)の間にストランドを4本入れる。
【0039】このようにしてストランドの組み合わせが
終了すると、次は、図7の(a)図に示すように、組み
合わせ部(V)内に図7の(b)図に示す枕(5)を入
れる。
【0040】次は、ストランドを入目部に差すのである
が、この手順は、前述した図4の(a)図〜(f)に示
した方法と同様である。
【0041】このようにしてストランド(CA,CB)
を差し終えると、図7の(c)図に示すように、ストラ
ンド(CA,CB)を1回ずつ差して、ストランド(C
A,CB)のくせを直し、ストランド(CA,CB)の
長さを揃える。
【0042】続いて、図7の(d)図に示すように、ス
トランド(CA,CB)に紐(2,2)で括って心スト
ランド(Cc,Cc)を作り、心ストランド(Cc,C
c)をグロメット(WR2)の中に巻き込む。
【0043】このような加工工程を経ると、図7の
(e)図に示すように、完成前のグロメット(WR5)
が出来上がり、さらに続いて、露出している心ストラン
ド(Cc,Cc)をグロメット(WR5)内に収める
と、図7の(f)図に示すような、グロメット(WR
5)が出来上がる。
【0044】次に、従来技術によるスプライスベケット
(以下、ベケットと略称する。)の加工方法を図8〜図
10の各図により説明する。尚、図示していないが、こ
の加工法においてもスパイキが用いられる。
【0045】先ず、ベケット加工をする場合のマーキン
グを付ける箇所と、加工に必要なロープ長さを、図8に
より決める。
【0046】マーキング(P1)を印す箇所は、ロープ
(D)の右端からロープ径(d)の120倍の長さ(L
11)の箇所に印す。そして、この長さ(L11)を細
工代(D2)とする。
【0047】さらにこのマーキング(P1)の箇所から
ロープ径(d)の40倍の長さ(L10)の箇所にもマ
ーキング(P2)を印す。そして、この長さ(L10)
をリードロープ部分(D1)とする。
【0048】次ぎに、ロープの組み合わせ方を図9の各
図及び図10の各図により説明する。先ず、図9の
(a)図に示すように、ロープ(D)を形成している6
本のストランド(Da1〜,Da2〜)のうちの3本の
ストランド(Da1〜)を右端から左側に向けて長く解
き、解いた3本のストランド(Da1〜)をマーキング
(P2)の位置で切断して右側部分3本のストランド
(Da12〜)を捨てる。心綱(Db)は、解いた3本
のストランド(Da1〜)よりも長く切って捨てる。続
いて、解いた右側部分3本のストランド(Da12〜)
を再び縒り戻す。
【0049】続いて、図9の(b)図に示すように、切
断されないで残った3本のストランド(Da2〜)の右
側部分を折り返して2つのマーキング(P1,P2)の
位置を合わせる。このようにすると、ロープ(D)の右
端には1本のストランド(Da2)による楕円状の環の
原型(D5)が形成される。
【0050】続いて、図10の(a)図に示すように、
左側のストランド(Da11〜)を1本ずつ解きなが
ら、折り返した3本のストランド(Da2〜)を1本ず
つ縒り込む。
【0051】この縒り込み作業は、図10の(b)図に
示すように、3本のストランド(Da2〜)のうちの1
本を、合わしたマーキング(P1,P2)の位置から左
に100倍の所まで行ない、もう1本は合わしたマーキ
ング(P1,P2)の位置から左に60倍の所まで行な
い、残る1本は合わしたマーキング(P1,P2)の位
置から左に20倍の所まで行う。
【0052】このようにすると、ロープ(D)の右端に
は楕円状の環(D6)が完全な形で形成されたベケット
(WR3)の原型が出来上がる。このとき入目部に差す
ストランドDa11〜,Da2〜)の長さ(L12)は
何れもロープ径(d)の40倍である。
【0053】この後の入目部の差し方は、図4の各図に
示したロングスプライス加工の場合と同じ方法で行われ
る。
【0054】
【発明が解決しようとする課題】以上、説明したような
各種の加工方法が採られていたのであるが、これら従来
の加工方法によると次のような問題があった。
【0055】つまり、左右の内装と外装のストランドを
同じロープ目から差し入れて同じストランドを挟むよう
にして結び、同じロープ目から出すようにしていた。勿
論、このような加工方法で安全基準を満たしているので
あるが、このような加工方法であると、ロープに左右方
向への強い引っ張り力を加えると、左右のストランドを
別のストランドに結んでいるにも係わらず引っ張り方向
への緩みが滑りが若干、生じ易い。
【0056】この結果、内装と外装のストランドを縒り
戻し紐で括っているにも係わらず、この緩みや滑りが僅
かでもあると、紐が抜け易くなったり、縒り戻していた
内装と外装のストランドの縒りが解け易くなったりす
る。
【0057】従来の各加工方法は、このような問題が起
こらないように、入目部に差し込むストランドの長さを
十分長くすることによって解消していた。
【0058】しかしながら、入目部に差し込むストラン
ドの長さを十分長くすると、加工作業に手間と時間を要
し、また材料コストをそれだけ要していた。
【0059】また、ストランドの長さを十分にとってい
ても、長期間の使用や過大な力が掛かるなどを原因とし
て、作業中にロープが切れてムチのように跳ね返って、
人や周辺に傷を付けるなどすることがあった。
【0060】本発明者は、当業者としてこのような従来
技術が有する課題に直面し、差し込むストランドの長さ
をもっと短くすることができ、しかも引っ張り力に対す
る対抗力を安全基準内に十分収めることは出来ないのか
という点について、鋭意検討し、様々な方法の加工を試
みてきた結果、ついに本発明による加工方法を完成する
に至った。
【0061】しかして本発明の目的は、左右のストラン
ドを外装と内装のストランドを分けて、この分けたスト
ランドの入目部の差し方、つまり経路を変えた後、再び
結ぶようにすることによって、引っ張り方向に対する抵
抗力を飛躍的に高め、このため、差し込むストランドを
短くすることを可能にし、延いては材料コストの低減化
を図り、加工時の手間と時間を短縮して作業効率を高め
ることができる、ワイヤーロープの加工方法を提供する
ことにある。
【0062】また、このような目的を有するワイヤーロ
ープの加工方法を経て出来たワイヤーロープ加工品を提
供することも本発明の目的とする。
【0063】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成すくた
めに提案される本発明に係るワイヤーロープの端末加工
方法は、スプライスロープ加工、ケーブルレイドロープ
のグロメット加工及びスプライスベケット加工の3種の
端末加工法によりロープを組み合わせた後の入目部の差
し方において、左右から対向する各1本のストランドの
縒りを戻してそれぞれ内装と外装のストランドに分け、
内装ストランドを2ストランド差し、また外装ストラン
ドを1ストランド越しに1ストランド差して、外装スト
ランドを内装ストランドと同じロープ目から出し、次
に、内装ストランドと外装ストランドを再び縒り合わ
せ、次に、縒り合わせた左右のストランドに紐を巻いて
心ストランドを形成し、最後に、左右の心ストランドを
巻き入れて収めるようにすることを特徴とする。
【0064】本発明に係るワイヤーロープは鉱山、リフ
ト、ロ−プウエイ、ベルト、OA、索道、建築、土木、
機械、船舶、海洋、漁具、橋梁、起重機、起重船舶、自
動車、航空機、電気、医療器、装飾等、あらゆる分野に
おいて使用されるワイヤーロープに適用される。尚、適
用されるワイヤーロープは、ストランドの本数を必ずし
も限定するものではないが、心綱の周りに6本のストラ
ンドが巻かれたワイヤーロープが最適である。
【0065】本発明においてスプライスロープの加工方
法には、セミロングスプライスロープの加工方法、セミ
ロングエンドレスロープの加工方法、セミロングスプラ
イスグロメットの加工方法、3ストランドベケットの加
工方法も含まれる。またスプライスベケットの加工方法
には、セミロングスプライスベケットの加工方法も含ま
れる。
【0066】本発明で最も特徴的なところは、各左右の
ストランドをそれぞれ外装と内装のストランドに分け、
内装ストランドを2ストランド差し、外装ストランドを
1ストランド越しに1ストランド差して、外装ストラン
ドを内装ストランドと同じロープ目から出した点にあ
る。
【0067】このようにすると、ロープを左右に引っ張
ったとき、外装ストランドの入目部を差す箇所を外装ス
トランドの差す箇所と変えて、別のストランドを結んで
いるために、ストランドを1本挟んで外装ストランドが
内装ストランドを押え付けているため、強く締まる力と
摩擦力が働く。またこれにより、縒り直してある内装及
び外装のストランドが解け易くなったり、紐が抜け外れ
たりしないのである。
【0068】この結果、引っ張りに対する抵抗力が従来
よりも飛躍的に高くなり、入目部に差し込むストランド
の長さを短くしても十分、安全基準を満たすことができ
るのである。このため、材料コストを抑えることがで
き、作業効率も高めることができるのである。
【0069】具体的には、例えば、入目部に差し込むス
トランドは、従来ではロープ径の40倍の長さを必要と
していたのに対し、本発明ではこれをロープ径の20倍
の長さまで抑えることが出来るのである。しかもこのよ
うに短くしても引きに対する摩擦力と抜けに対する抵抗
力は格段に高いのである。
【0070】ところで、本発明で適用されるワイヤーロ
ープは、必ずしも限定されるものではないが、心綱の周
りに6本のストランドが巻き付いたものが最適である。
例えば心綱の周りの6本のストランドが巻き付いたもの
の場合、全体の径に対する心綱の径が40%のものを用
いるのが、作業効率上、望ましい。
【0071】そして、出願人は、本発明の適用範囲がそ
の加工品にまで及ぶことを別途記載した。
【0072】
【発明の実施の形態】本発明の目的及び構成は以上の通
りであり、続いて添付図面に従って本発明に係るワイヤ
ーロープの端末加工方法、及びこの加工方法により形成
されたワイヤーロープについて具体的に詳述する。尚、
以下の説明において、ワイヤーロープをロープと略称
し、また以下の各図において共通する箇所には同一符号
を付した。
【0073】以下、セミロングスプライス加工法、ケー
ブルロイトロープのグロメット加工法、セミロングスプ
ライスベケット加工法の3種の加工法につき、ロープ長
さの算出法とマーキングの印す位置、及びロープ端末の
組み合せ方法と入目部の差し方について述べる。
【0074】最初に、図11乃至図19により、セミロ
ングスプライス加工法について説明する。
【0075】先ず、図11の(a)〜(c)図により、
セミロングスプライス加工をする2本のロープ(F,
G)の継ぎ代(L15,L15)の長さとマーキング
(P,P)を印す位置について説明する。
【0076】これら各図に示すように、セミロングスプ
ライス加工をする2本のロープ(G,F)は、何れも心
綱(Gb,Fb)の周りに6本のストランド(Ga〜,
Fa〜)を巻き付けた6ストランドロープを用いる。
【0077】マーキング(P)は、各ロープ(F,G)
の先端部から手前方向に、ロープ径(d)の各130倍
で算出される長さ(L15,L15)の箇所に、それぞ
れ例えば塗料を塗るなどして印し、次に、2箇所のマー
キング(P,P)を揃うようにして双方のロープ(F,
G)を対向方向から重ね合わせる。
【0078】継ぎ代(L18)は、ロープ径(d)の2
60倍程度にする。
【0079】このようにすると、例えば、ロープ直径
(d)が12mmの2本のロープ(F,G)を用いる場
合には、継ぎ代(L18)に必要な長さは、12mm×
260倍=3120mmになる。従来ではロープ直径の
600倍必要であったことと比べると、極めて短い継ぎ
代である。継ぎ代を短くできる理由については後述す
る。
【0080】次に、各ロープ(F,G)の先端からロー
プ直径(d)12mmの20倍の長さ(L16)を、差
し込むストランドの長さとする。そして、継ぎ代(L1
8)内における、この長さ(L16)からロープ手前方
向にロープ径(d)の44倍の長さ(L17)毎の6箇
所にそれぞれマーキング(Pa〜)を印す。
【0081】図12は後述する組み合わせが終了した状
態を想定した図であり、前記マーキング(Pa〜)毎に
ストランド(Fa,Ga)の入目部を設定する。また、
(L16)をロープ径(d)の20倍、入目部の間隔
(L17)をロープ径(d)の44倍、差し込むストラ
ンドの長さ(L18)をロープ径(d)の20倍にす
る。このようにして組み合わせを行うと、仕上がり長さ
(L19)はロープ径(d)の260倍になる。
【0082】次に、図13乃至図15により、セミロン
グスプライス加工法におけるロープの組み合わせ方と差
し方について詳述する。
【0083】先ず、先ず図13の(a)図に示すよう
に、2本のワイヤーロープ(F,G)の中央のストラン
ド(Fa,Ga)を解き、次に、2本のワイヤーロープ
(F,G)に印したマーキング(P,P)の位置を合わ
せ、解いた各ストランド(Fa,Ga)の一方のストラ
ンド(Ga)をさらに解きながら他方のストランド(F
a)をこの解いた跡に縒り込み、三ツ股状の組み合わせ
を形成する。尚、マーキング(P,P)の位置がずれな
いように針金(1)等で括って仮止めしても構わない。
【0084】又、図13の(b)図に示すように、右の
ストランド(Ga)を解きながら左のストランド(F
a)を右側の1/2まで縒り込む。
【0085】続いて、図13の(c)図に示すように、
左のストランド(Fa)を解きながら右のストランド
(Ga)を縒り込む。尚、前記針金(1)で仮止めして
いる場合には、マーキング(P,P)の位置が安定した
時点でこれを取り外す。
【0086】このようにして、図14の(a)図に示す
ように、左右各6本のストランド(Fa〜,Ga〜)の
全てを縒り込む。そして、前記マーキング(P)より左
側では、左のストランド(Ga)を解きながら右のスト
ランド(Fa)を縒り込む。また前記マーキング(P)
より右側では、右のストランド(Fa)を解きながら左
のストランド(Ga)を縒り込む。
【0087】このようにして、図14の(b)図に示す
ように、各6本のストランド(Fa〜,Ga〜)を各々
縒り込む方向の1/6まで縒り込むと、組み合わせは終
了する。尚、双方のロープ(F,G)の心綱が重なるの
は避ける。このため、この段階で余分の長さになった片
方のロープ(G)の心綱(Bb)は引き出しておく。
【0088】次いで、図15の(a)図に示すように、
マーキング(P,P)の位置がずれないように注意し
て、一方のロープ(G)のストランド(Ga)を解きな
がら、この解いた跡に他方のロープ(F)のストランド
(Fa)を縒り込む。このようにして1ストランドずつ
解いて組み合わせる。図15の(b)図はこの工程があ
る程度進んだ状態を示している。
【0089】次に、図16の(a)図に示すように、組
み合わせたロープ(F,G)のストランド(Fa〜,G
a〜)を(スパイキを用いて)内装ストランド(Fa
1,Ga1)と外装ストランド(Fa2,Ga2)とに
分ける。
【0090】そして、図16の(b)図及び(c)図に
示すように、分けた内装ストランド(Fa1)をスパイ
キ(S)を用いて2ストランド越しに差し込んで通す。
図16の(b)図に示す断面図は一方の内装ストランド
(Fa1)について示しているが、他方の内装ストラン
ド(Ga1)も同じように、反対方向に2ストランド越
しに差し込んで通す。
【0091】続いて、図17の(a)図及び(b)図に
示すように、スパイキ(S)を用いて、外装ストランド
(Fa2,Ga2)を1ストランド越しに差し込んで通
し、内装ストランド(Fa1,Ga1)と同じ位置に出
るようにする。このとき外装ストランド(Fa2,Ga
1)をスパイキ(S)を用いて縒りの方向に回す。
【0092】更に、内装ストランド(Fa1,Ga1)
と外装ストランド(Fa2,Ga1)を、それぞれ縒り
戻して元のストランド(Fa3,Ga3)に直して、ス
トランドのクセを正す。
【0093】続いて、図18の(a)図に示すように、
元になったストランド(Fa3,Ga3)を麻紐(2)
又は糸で巻き被って心ストランド(Fa3,Ga3)を
形成する。
【0094】続いて、同図から図18の(b)図に示す
ように、順次、心ストランド(Fa3,Ga3)に沿っ
たロープ目にスパイキ(S)を差し込んで、スパイキ
(S)をロープの縒り目に沿わせながら廻して心ストラ
ンド(Fa4,Ga4)をロープ内に隠れるように巻き
込んでいく。
【0095】順次、全てのストランドをこのようにする
と、図19の(a)図に示すように、継ぎ目が判らない
程奇麗に繋ぐことができ、図19の(b)図に示すよう
な、略太さの揃った1本のロープ(WR4)が出来上が
る。
【0096】次に、図20乃至図27により、ケーブル
レイドロープのグロメット加工法について説明する。
【0097】図20の(a)図はグロメット加工をする
場合のマーキングを付け方を示した図であり、マーキン
グ(P,P)は、心ストランドの周りに6ストランドが
巻かれて形成されているワイヤーロープ(以下、ロープ
と略称する)(WH)を解かずに、塗料などで印す。
【0098】マーキング(P,P)の印す箇所は、ロー
プ(WH)の両端からの長さ(L20)の箇所に印し、
この長さ(L20)に相当する部分が縒り代(H1)に
なり、2箇所のマーキング(P,P)間の長さ(L2
1)に相当する部分(H2)が、グロメットの内周長に
なる。
【0099】グロメット加工する場合には、図20の
(b)図に示すように、マーキング(P,P)を印した
ロープ(WH)をスパイキを用いてストランド(H)に
解いて行う。
【0100】このようにして解いたストランド(H)
は、図21の(a)図に示すように、マーキング(P)
が組み合わせ部の中心に位置させて、必要な大きさの環
状に組み合わせ、組み合わせた部分を針金(1)で巻い
てマーキング(P)がずれないようにする。そして一方
のストランド(Ha)を縒り合わせ、ストランド(H
a,Hb)の間にストランドを1本入れる。
【0101】さらに、図21の(b)図に示すように、
ストランド(Ha)を縒り合わせながら、ストランド
(Ha,Hb)の間にストランドを2本入れる。
【0102】続いて、図22の(a)図に示すように、
ストランド(Ha,Hb)の間にストランドを3本入れ
る。
【0103】続いて、図22の(b)図に示すように、
ストランド(Hb)を縒り合わせて、ストランド(H
a,Hb)の間にストランドを4本入れて、ストランド
(Ha,Hb)を縒り合わせ、6回の縒り合わせが終了
した後、組み合わせた中心に枕(5)を入れる。
【0104】次に、入目部の差し方を説明するが、この
差し方は基本的に前述した実施態様の場合と同じで、先
ず図23の(a)図及び(b)図に示すように、組み合
わせたロープのストランド(Ha,Hb)を(スパイキ
を用いて)内装ストランド(Ha1 ,Hb1)と外装ス
トランド(Ha2,Hb2)の2つに分ける。続いて、
内装ストランド(Ha1,Hb1)をスパイキ(S)を
用いて、それそれ反対方向に2ストランド越しに差し込
んで通す。
【0105】続いて、図23の(c)図及び(d)図に
示すように、スパイキ(S)を用いて、外装ストランド
(Ha2,Hb2)を1ストランド越しに差し込んで通
す。このようにすると、外装ストランド(Ha2)は内
装ストランド(Ha1)と同じロープ目から出る。もう
一方の外装ストランド(Hb2)は内装ストランド(H
b1)も同様に同じロープ目から出る。
【0106】続いて、図24の(a)図に示すように、
右側に向いている内装ストランド(Ha1)と外装スト
ランド(Ha2)を元のストランド(Ha)になるよう
に縒り戻して、ストランドのクセを正す。左側に向いて
いる内装ストランド(Hb1)と外装ストランド(Hb
2)も同様に行う。
【0107】続いて、図24の(b)図に示すように、
元になったストランド(Ha,Hb)を麻紐(2)又は
糸で巻いて被い、心ストランド(Ha3,Hb3)を形
成する。
【0108】このようにすると図25の(a)図に示す
ように、略環状に近いグロメット(WR5)が出来上が
るが、心ストランド(Ha3,Hb3)が露出している
ので、これをグロメット(WR5)内に収める作業が必
要になる。
【0109】この作業は、図25の(b)図から(c)
図に示すように、心ストランド(Ha3,Hb3)に沿
ってスパイキ(S)を入れ、スパイキ(S)をロープに
沿って廻しながら心ストランド(Ha3,Hb3)をグ
ロメット(WR5)内に縒り込んで行う。
【0110】このようにすると、図26に示す環状のグ
ロメット(WR5)が出来上がる。
【0111】続いて、図27乃至図33により、セミロ
ングスプライスベケット加工(以下、ベケット加工と略
称する。)法について説明する。
【0112】先ず、図27の(a)及び(b)図によ
り、ベケット加工をするロープ(K)の細工代(K2)
の長さとマーキング(P1,P2)を印す位置について
説明する。
【0113】図27の(a)図は、ベケット加工をする
ロープ(K)を示しており、先ず、このロープ(K)の
右端からロープ径(d)の120倍の長さとなる右側箇
所に、例えば塗料によるマーキング(P1)を印して、
ロープ(K)の右端からこのマーキング(P1)までの
長さ(L24)を細工代(K2)にする。
【0114】さらに、このマーキング(P1)の箇所か
らロープ径(d)の40倍の長さとなる箇所にマーキン
グ(P2)を印して、双方のマーキング(P1,P2)
間の長さ(L23)をリードロープ部分(K1)にす
る。
【0115】尚、使用するロープ(K)は、図27の
(b)図に示す、心ストランド(Kb)に6本のストラ
ンド(Ka〜)が巻き付けられたものを使用する。
【0116】続いて、図28の各図〜図30の各図によ
り、ロープ(K)の組み合わせ方について説明する。
【0117】先ず、図28の(a)図に示すように、ロ
ープ(K)を形成している6本のストランド(Ka1
〜,Ka2〜)のうちの3本のストランド(Ka1〜)
を右端から左側に向けて長く解き、解いた3本のストラ
ンド(Ka1〜)をマーキング(P2)の位置で切断し
て右側部分3本のストランド(Ka12〜)を捨てる。
心綱(Kb)は、解いた3本のストランド(Ka1〜)
よりも長く切って捨てる。続いて、解いた左側の3本の
ストランド(Ka1〜)を再び縒り戻す。
【0118】続いて、図28の(b)図に示すように、
切断されないで残った3本のストランド(Ka2〜)の
右側部分を折り返して2つのマーキング(P1,P2)
の位置を合わせる。このようにすると、ロープ(K)の
右端には1本のストランド(Ka2)による楕円状の環
(K5)が形成される。
【0119】続いて、図29の(a)図に示すように、
左側のストランド(Ka1〜)を1本ずつ解きながら、
折り返した3本のストランド(Ka2〜)を1本ずつ縒
り込む。
【0120】このようにして縒り込んだ箇所は、図30
の(a)図に示すように、左右のストランド(Ka1,
Ka2)が隣り合った状態になっている。
【0121】この縒り込み作業は、図29の(b)図に
示すように、3本のストランド(Ka2〜)のうちの1
本を、合わしたマーキング(P1,P2)の位置から左
に100倍の所まで行ない、もう1本は合わしたマーキ
ング(P1,P2)の位置から左に60倍の所まで行な
い、残る1本は合わしたマーキング(P1,P2)の位
置から左に20倍の所まで行う。
【0122】このようにすると、ロープ(K)の右端に
は楕円状の環(K5)が完全な形で形成されたベケット
(WR6)の原型が出来上がる。
【0123】次に入目部の差し方について説明する。本
実施態様における入目部の差し方も前述した各実施態様
の場合と同様である。
【0124】先ず、図31の(a)図に示すように、ロ
ープ(K)のストランド(Ka1,Ka2)を(スパイ
キを用いて)それぞれ内装ストランド(Ka11,Ka
21)と外装ストランド(Ka12,Ka22)とに分
ける。
【0125】そして、図31の(b)図及び(c)図に
示すように、分けた内装ストランド(Ka11)をスパ
イキ(S)を用いて2ストランド越しに差し込んで通
す。
【0126】図31の(c)図に示す断面図は一方の内
装ストランド(Ka11)について示しているが、他方
の内装ストランド(Ka21)も同じように、反対方向
に2ストランド越しに差し込んで通す。
【0127】さらに続いて、図32の(a)図及び
(b)図に示すように、スパイキ(S)を用いて、外装
ストランド(Ka12)を1ストランド越しに差し込ん
で通し、内装ストランド(Ka11)と同じ位置に出る
ようにする。このとき外装ストランド(Ka12,Ka
11)をスパイキ(S)を用いて縒りの方向に廻す。
【0128】続いて、図32の(c)図に示すように、
内装ストランド(Ka11,Ka21)と外装ストラン
ド(Ka12,Ka22)を、それぞれ縒り戻して元の
ストランド(Ka1,Ka2)に直してクセを正す。
【0129】続いて、図33の(a)図に示すように、
元になったストランド(ka1)に麻紐(2)又は糸で
巻いて被って心ストランド(Ka3)を形成する。もう
一方のストランドも同じようにする。そして、心ストラ
ンド(Ka3)を(スパイキを用いて)、順次、心スト
ランド(Ka3)をロープ内に隠れるように巻き込んで
いく。
【0130】全てのストランドをこのようにすると、図
33の(c)図に示すように、継ぎ目が判らない程奇麗
に繋げたベケット(WR6)が出来上がる。
【0131】
【発明の効果】以上、説明した本発明に係るワイヤーロ
ープの端末加工方法によれば、左右のストランドを分け
違えて隣り合う対抗方向のストランドの1本にそれぞれ
結んだ後、これら結んだ2本のストランドの差す箇所を
変えることによって、引っ張り力に対する対抗力を飛躍
的に高め、ワイヤーロープの継ぎ代を短くすることによ
るワイヤーロープの無駄を極力無くし、組み合わせ工程
の距離を短くして作業効率を高めることができるように
なったのである。
【0132】また、これらワイヤーロープの端末加工方
法により得られたワイヤーロープ加工品を得ることが出
来たのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1において(a)図は従来のロングスプライ
ス加工におけるロープ長さの算出法とマーキングを印す
箇所を示した図である。図1において(b)図は同じく
マーキングを印す箇所を示した図である。
【図2】図2において(a)図は従来のロングスプライ
ス加工によるロープの組み合わせ方を示した図である。
図2において(b)図は同じく次の手順を示した図であ
る。図2において(c)図は同じく次の手順を示した図
である。
【図3】図3において(a)図は同じく次の手順を示し
た図である。図3において(b)図は同じく次の手順を
示した図である。図3において(c)図は同じく次の手
順を示した図である。
【図4】図4において(a)図は同じく次の手順である
入目部の差し方を示した図である。図4において(b)
図は同じく次の手順を示した図である。図4において
(c)図は同じく次の手順を示した図である。図4にお
いて(d)図は同じく次の手順を示した図である。図4
において(e)図は同じく次の手順を示した図である。
図4において(f)図は同じく次の手順を示した図であ
る。図4において(g)図は同じく次の手順を示した図
である。図4において(h)図は同じく次の手順を示し
た図である。
【図5】図5において(a)図は従来技術のケーブルレ
イドロープグロメット加工に必要なロープ長さの算出法
とマーキングを印す箇所を示した図である。図5におい
て(b)図は同じくマーキングを印す箇所を示した図で
ある。
【図6】図6において(a)図は従来技術のケーブルレ
イドロープグロメット加工によるロープの組み合わせ方
の手順を示した図である。図6において(b)図は同じ
く次の手順を示した図である。図6において(c)図は
同じく次の手順を示した図である。図6において(d)
図は同じく次の手順を示した図である。図6において
(e)図は同じく次の手順を示した図である。
【図7】図7において(a)図は同じく次の手順である
入目部の差し方と枕を入れる箇所を示した図である。図
7において(b)図は枕を示した正面図である。図7に
おいて(c)図は同じく入目部の差し方の次の手順を示
した図である。図7において(d)図は同じく次の手順
を示した図である。図7において(e)図は同じく次の
手順を示した図である。図7において(f)図は同じく
次の手順を示した図である。
【図8】図8において(a)図は従来技術のセミロング
スプライスベケット加工に必要なロープ長さの算出法と
マーキングを印す箇所を示した図である。
【図9】図9において(a)図は従来技術のセミロング
スプライスベケット加工によるロープの組み合わせ方の
手順を示した図である。図9において(b)図は同じく
次の手順を示した図である。
【図10】図10において(a)図は同じく次の手順を
示した図である。図10において(d)図は同じく次の
手順を示した図である。図10において(c)図は同じ
く次の手順を示した図である。
【図11】図11において(a)図は本発明の1実施態
様であるセミロングスプライス加工に必要なロープ長さ
の算出法とマーキングを印す箇所を示した図である。図
11において(b)図は図11の(a)図におけるt−
t間部分の拡大図である。図11において(c)図は図
11の(b)図におけるX−X線切断部の拡大端面図で
ある。
【図12】図12は本発明の1実施態様であるセミロン
グスプライス加工によるロープの組み合わせ方を示した
図である。
【図13】図13において(a)図は同じく次の手順を
示した図である。図13において(b)図は同じく次の
手順を示した図である。図13において(c)図は同じ
く次の手順を示した図である。
【図14】図14において(a)図は同じく次の手順を
示した図である。図14において(b)図は同じく次の
手順を示した図である。
【図15】図15において(a)図は同じく次の手順を
示した図である。図15において(b)図は同じく次の
手順を示した図である。
【図16】図16において(a)図は本発明の1実施態
様であるロングスプライス加工により2本のストランド
を外装と内装に分けた状態を示した図である。図16に
おいて(b)図は内装に分けた片側のストランドを入目
部に差す手順を示した図である。図16において(c)
図は同じく断面で示した図である。
【図17】図17において(a)図は本発明の1実施態
様であるロングスプライス加工により外装に分けたスト
ランドを入目部に差す手順を示した図である。図17に
おいて(b)図は同じく断面図で示した図である。図1
7において(c)図は外装ストランドと内装ストランド
とを再び縒り合わせた状態を示した図である。
【図18】図18において(a)図は本発明の1実施態
様であるロングスプライス加工による入目部の差し方の
次の手順を示した図である。図18において(b)図は
同じく次の手順を示した図である。
【図19】図19において(a)図は本発明の1実施態
様であるロングスプライス加工を施して出来たロングス
プライスの部分拡大図である。図19において(b)図
は同じく全体図である。
【図20】図20において(a)図は本発明の1実施態
様であるケーブルレイドロープのグロメット加工に必要
なロープ長さの算出法とマーキングを印す箇所を示した
図である。図20において(b)図は同じくストランド
を1本解いて示した図である。
【図21】図21において(a)図は本発明の1実施態
様であるケーブルレイドロープのグロメット加工による
ロープの組み合わせ方の手順を示した図である。図21
において(b)図は同じく次の手順を示した図である。
【図22】図22において(a)図は同じく次の手順を
示した図である。図22において(b)図は同じく次の
手順における枕の入れる箇所を示した図である。
【図23】図23において(a)図は同じく2本のスト
ランドを外装と内装に分けて内装に分けたストランドを
入目部に差す手順を示した図である。図23において
(b)図は同じく片側の内装ストランドを入目部に差す
手順を示した断面図である。図23において(c)図は
同じく外装に分けたストランドを入目部に差す手順を示
した図である。図23において(d)図は同じく片側の
外装ストランドを入目部に差す手順を断面で示した図で
ある。
【図24】図24において(a)図は同じく外装ストラ
ンドと内装ストランドとを再び縒り合わせた状態を示し
た図である。
【図25】図25において(a)図は同じく入目部に差
す次の手順を示した図である。図25において(b)図
は同じく次の手順を示した図である。図25において
(c)図は同じく次の手順を示した図である。
【図26】本発明の1実施態様であるケーブルレイドロ
ープのグロメット加工を施して出来たグロメットの全体
図である。
【図27】図27において(a)図は本発明の1実施態
様であるスプライスベケット加工に必要なロープ長さの
算出法とマーキングを印す箇所を示した図である。図2
7において(b)図は図27の(a)図におけるX−X
線切断部端面図である。
【図28】図28において(a)図は本発明の1実施態
様であるスプライスベケット加工おけるストランドの組
み合わせ方を示した図である。図28において(b)図
は同じく次の手順を示した図である。
【図29】図29において(a)図は同じく次の手順を
示した図である。図29において(b)図は同じく次の
手順を示した図である。
【図30】図30において(a)図は図29における矢
視部分を拡大して示した図である。図30において
(b)図は図30の(a)図に示す部分を形成する箇所
と各部の寸法を示した図である。
【図31】図31において(a)図は本発明の1実施態
様であるスプライスベケット加工法により2本のストラ
ンドを外装と内装に分けて内装ストランドを入目部に差
す手順を示した図である。図31において(b)図は同
じく片側の内装ストランドを入目部に差す手順を示した
図である。図31において(c)図は同じく片側の内装
ストランドを入目部に差す手順を断面で示した図であ
る。
【図32】図32において(a)図は同じく外装ストラ
ンドを入目部に差す手順を示した図である。図32にお
いて(b)図は同じく片側の外装ストランドを入目部に
差す手順を断面で示した図である。図32において
(c)図は同じく外装ストランドと内装ストランドとを
再び縒り合わせた状態を示した図である。
【図33】図33において(a)図は同じく縒り合わせ
たストランドに紐を巻いて形成した心ストランドの入れ
方を示した図である。図33において(b)図は本発明
の1実施態様であるスプライスベケット加工を施して完
成したスプライスベケットの一部を示した図である。図
33において(c)図は本発明の1実施態様であるスプ
ライスベケット加工を施して完成したスプライスベケッ
トを示した図である。
【符号の説明】
第1の実施態様(セミロングスプライス加工法)におい
て、 G,F ロープ d ロープ径 Ga,Fa ストランド Gb,Fb 心綱 P,Pa マーキング L15 継ぎ代 L16 差し込むストランドの長さ L17 入目部の間隔 L18 継ぎ代 L19 仕上がり長さ Fa1,Ga1 内装ストランド Fa2,Ga2 外装ストランド Fa3,Ga3 心ストランド WR4 セミロングスプライスロープ S スパイキ 第2の実施態様(ケーブルロイトロープのグロメット加
工法)において、 WH ロープ d ロープ径 H ストランド Ha,Hb ストランド H1 縒り代 H2 グロメットの内周長 Ha1 ,Hb1 内装ストランド Ha2,Hb2 外装ストランド Ha3,Hb3 心ストランド 2 麻紐 5 枕 P マーキング WR5 グロメット S スパイキ 第3の実施態様(セミロングスプライスベケット加工)
において、 K ロープ d ロープ径 K2 細工代 K1 リードロープ部分 Kb 心ストランド Ka ストランド Ka1,Ka2 ストランド Ka12〜,Ka22 ストランド Ka11,Ka21 内装ストランド Ka12,Ka22 外装ストランド Ka3 心ストランド K5 環 P1,P2 マーキング Db 心綱 WR6 ベケット S スパイキ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スプライスロープの加工、ケーブルレイ
    ドロープのグロメット加工及びスプライスベケット加工
    の3種の端末加工法によりロープを組み合わせた後の入
    目部の差し方において、 左右から対向する各1本のストランドの縒りを戻してそ
    れぞれ内装と外装のストランドに分け、内装ストランド
    を2ストランド差し、また外装ストランドを1ストラン
    ド越しに1ストランド差して、外装ストランドを内装ス
    トランドと同じロープ目から出し、次に、内装ストラン
    ドと外装ストランドを再び縒り合わせ、次に、縒り合わ
    せた左右のストランドに紐を巻いて心ストランドを形成
    し、最後に、左右の心ストランドを巻き込んで収めるよ
    うにすることを特徴とするワイヤーロープの端末加工方
    法。
  2. 【請求項2】 端末加工におけるロープを組み合わせた
    後の入目部に差すストランドの長さを、それぞれロープ
    直径の20倍の長さにする請求項1に記載のワイヤーロ
    ープの端末加工方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のワイヤーロープ
    の端末加工方法により得られるワイヤーロープ加工品。
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