JP3378515B2 - イモゴライトの製造方法 - Google Patents

イモゴライトの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、珪酸およびアルミ
ニウムを含む無機成分並びに珪酸およびアルミニウムを
含む無機成分にガラスもしくはアルミニウムドロスを加
えて得た混合物、からのイモゴライトの製造方法に関す
るものである。さらに詳しくは、珪酸およびアルミニウ
ムを含む無機成分並びに珪酸およびアルミニウムを含む
無機成分にガラスもしくはアルミニウムドロスを加えて
得た混合物、に炭酸ナトリウムを加えて溶融した後、溶
融物を溶解し、酸性溶液を加えて中性とした後、生成し
た水溶性の塩類を除去し、さらに弱酸性とした後、加熱
する、イモゴライトの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】イモゴライトは、火山灰および軽石など
の降下火山噴出物を母材とする土壌に現れる準結晶質粘
土成分の和水珪酸アルミニウム類であって、そのイオン
交換能あるいは吸着能により利用方法が注目されてい
た。また、オルト珪酸水溶液に塩化アルミニウム水溶液
を加え、水酸化ナトリウム水溶液により処理し、純度の
高いイモゴライトを合成できるが、合成に要する時間が
数日と長いのが欠点であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、珪酸およびア
ルミニウムを含む無機成分、例えば石炭灰、焼却灰など
のような未利用の資源を原料とし、安価で品質の均一
な、イモゴライトを製造する方法を開発することが課題
となっていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
課題を解決するために種々の検討を行った結果、珪酸お
よびアルミニウムを含む無機成分を原料として、イモゴ
ライトを製造する方法を提供するにいたった。すなわ
ち、珪酸およびアルミニウムを含む無機成分に炭酸ナト
リウムを加えて、加熱し、溶融した後、冷却し、水を加
えて、溶融物を溶解した後、アルミニウムとキレート化
合物をつくらない酸性溶液を加えて中性とした後、生成
した水溶性の塩類を除去し、該酸性溶液を加えて弱酸性
とし、加熱することを特徴とする、イモゴライトの製造
方法であって、珪酸およびアルミニウムを含む無機成分
が、焼却灰、特に石炭灰、さらにはフライアッシュであ
ること、また可燃性廃棄物の焼却灰、特に都市ゴミまた
は汚泥の焼却灰であること、固形化燃料の焼却灰、ガラ
スおよびアルミニウムドロスを含む混合物、珪藻土およ
びアルミニウムドロスを含む混合物、であることが好ま
しく、アルミニウムとキレート化合物をつくらない酸性
溶液が鉱酸、特に塩酸であることが、好ましい。
【0005】本発明の第二は、珪酸およびアルミニウム
を含む無機成分にガラスまたはアルミニウムドロスを加
えて得た混合物に炭酸ナトリウムを加えて、加熱し、溶
融した後、冷却し、水を加えて、溶融物を溶解した後、
アルミニウムとキレート化合物をつくらない酸性溶液を
加えて中性とした後、生成した水溶性の塩類を除去し、
該酸性溶液を加えて弱酸性とし、加熱することを特徴と
する、イモゴライトの製造方法であって、珪酸およびア
ルミニウムを含む無機成分が、焼却灰、特に石炭灰、さ
らにはフライアッシュであること、また可燃性廃棄物の
焼却灰、特に都市ゴミまたは汚泥の焼却灰であること、
固形化燃料の焼却灰、であることが好ましく、アルミニ
ウムとキレート化合物をつくらない酸性溶液が鉱酸、特
に塩酸であることが、好ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明にいうイモゴライトとは、
主な構成元素を珪素(Si)、アルミニウム(Al)、
酸素(O)および水素(H)とし、多数のSi−O−A
l結合で組み立てられた和水珪酸アルミニウムであっ
て、図1に示すように外径a が2.0〜2.5nm、内
径b が1.0〜1.5nm、長さが5〜6μmのチュー
ブ状の形態を有するものである。該チューブの珪素(S
i)、アルミニウム(Al)、酸素(O)および水素
(H)の原子配列は図2に示すとおりであって、10個
の単位から成り立っているので、その最小単位の内角は
π/5である。天然には、火山灰および軽石などの降下
火山噴出物を母材とする土壌に分布しており、準結晶質
粘土成分である。イモゴライトは含有する成分の珪礬
比、すなわち(SiO2とAl2 3 の重量組成の比)
×1.7、が1である。本発明において、珪酸およびア
ルミニウムを含む無機成分にアルカリ水溶液を加えて、
加熱し、溶解し、酸性溶液を加えて中性とし、生成した
水溶性の塩類を除去するが、水溶性の塩類の除去が充分
に行われないと、後の加熱処理によって、アロフェンが
副生する。アロフェン分子の形態は、凡そ直径5.0n
mの球形であり、壁に凡そ10個のホールを有し、その
孔径は0.3〜0.5nmであって、その断面の1例を
示すと図3のような形状を有している。
【0007】本発明のイモゴライトは、その珪礬比が1
であるので、使用する原料の珪礬比により、ガラスまた
はアルミニウムドロスの添加量を定めることができる。
例えば、石炭灰のように珪礬比が2〜3のような場合に
は、アルミニウムドロスの添加量を多くする必要がある
が、都市ゴミの焼却灰のように珪礬比が低い場合には、
アルミニウムドロスの添加量は少なく、場合によっては
ガラスを添加する必要が生ずる。また、ガラスおよびア
ルミニウムドロスを含む混合物または珪藻土およびアル
ミニウムドロスを含む混合物にあっては、ガラスまたは
珪藻土の量および質によって、珪礬比が1になるように
アルミニウムドロスを混合する。本発明のイモゴライト
の製造方法にあっては、上述のように原料の珪礬比を1
にするのがよいが、目的とするイモゴライトの品質によ
っては、必ずしも1にする必要はなく、1より大であっ
ても、1に達しなくてもよい。しかし、その場合にはア
ロフェンの副生を避けることはできない。
【0008】本発明にいう珪酸およびアルミニウムを含
む無機成分とは、珪酸およびアルミニウムが珪酸アルミ
ニウム塩として含まれる無機成分であって、石炭の燃焼
灰である石炭灰、石炭より液化燃料を取得した際に生ず
る残渣、石炭より気体燃料を取得した際に生ずる残渣、
可燃性廃棄物の焼却灰、汚泥の焼却灰、RDFといわれ
る固形化燃料を熱源として燃焼させた場合の焼却灰、ガ
ラスおよびアルミニウムドロスを含む混合物、珪藻土お
よびアルミニウムドロスを含む混合物、などを例示する
ことができる。ここで、可燃性廃棄物とは、人間の各種
活動によって生じた廃棄物のうち、可燃性のものをい
い、一般廃棄物および産業廃棄物とを問わない。産業廃
棄物としては、土木・建築工事などにともなって生ずる
木材、紙などの可燃性の廃棄物、などを例示することが
できる。また、本発明にいう都市ゴミとは、可燃性廃棄
物のうち、一般廃棄物として家庭よりでる生ゴミその他
の可燃性のゴミのことをいう。さらに、本発明にいう汚
泥とは、古紙を離解した後、繊維を回収する工程におい
て、除塵操作により生ずる製紙スラッジおよび食品工場
の排水処理、下水処理場などにおける廃水処理によって
生ずる活性汚泥のことをいう。また、RDFといわれる
固形化燃料は、生ゴミ、紙、プラスチックなどの家庭ゴ
ミを破砕して、石灰を混合して固形化させた燃料であっ
て、石炭と同程度の熱量をもつものである。
【0009】本発明にいうガラスとは、ケイ酸塩ガラス
のことをいい、ケイ酸ガラス、ソーダ石灰ガラス、カリ
石灰ガラス、鉛ガラス、バリウムガラス、ホウケイ酸ガ
ラスなどを例示することができる。また、ソーダ石灰ガ
ラスとしては、板ガラス、ビンガラス、クラウンガラス
などを例示することができる。従って、本発明では板ガ
ラス、ビンガラス、食卓用品ガラス、家庭用品ガラス、
電気用ガラス、照明用ガラス、理化学用ガラス、医療用
ガラス、光学ガラス、などを使用したあとの廃棄物であ
るカレットを使用することができる。さらには、廃棄物
としてのガラスを回収するために粉砕した際に生ずるガ
ラスの粉末をも含むものである。本発明を実施するため
には、焼却灰、アルミニウムドロスなどにガラスを添加
して混合するので、粒子の小さい粉末状のものが好まし
い。
【0010】本発明にいうアルミニウムドロスとは、ア
ルミニウムの圧延業および合金業などにおける、アルミ
ニウム溶解工程において発生するが、その組成は発生の
状況により異なり、溶解炉から掻きだしたばかりのアル
ミニウムドロスの組成は大半が金属アルミニウムであ
り、酸化アルミニウムは15〜40%であるが、ドロス
処理業において発生するアルミニウムドロスの組成は、
酸化アルミニウムが50%を超えるものもある。しか
し、本発明におけるアルミニウムドロスの組成は、特に
限定されるものではない。アルミニウムドロスはアルミ
ニウム溶解工程において発生した酸化アルミニウムが金
属アルミニウムとからまって、ドロスとなり、溶融アル
ミニウムの表面を覆うものである。従来は、基本的には
産業廃棄物として認識され、その発生量の減少および金
属アルミニウムの回収の努力はされてきたが、その有効
利用について幾つかの試みはあるものの、実用化された
ものは見いだされていない。
【0011】本発明にいう珪藻土とは、そのほとんどが
単細胞藻類である珪藻の遺骸、すなわち珪藻殻からでき
ている珪質の堆積物で、粘土、火山灰、有機物などが混
じっているのが普通であって、その本質は含水非晶質二
酸化珪素である。珪藻土の用途は広く、吸着材、ろ過助
剤、保温・保冷材、充填材、研磨材、などに利用されて
おり、用途によっては、珪藻土原土を粉砕し、目的の用
途に適するように精製するのが、一般的である。しか
し、本発明にあっては、各種用途に使用されている珪藻
土を始めとし、使用した後の廃珪藻土をも使用すること
ができる。例えば、水処理、砂糖、水飴、醤油、酒、ビ
ール、シロップ類、植物油、などの食品工業、溶剤、機
械油、石油、などの化学工業、セルロース、レーヨン、
などの繊維工業、における濾過助材として使用した廃珪
藻土をあげることができる。
【0012】本発明にいうアルミニウムとキレート化合
物をつくらない酸性溶液とは、有機酸および鉱酸をい
い、有機酸としては、酢酸、プロピオン酸、などを、鉱
酸としては、塩酸、硝酸、硫酸、などを例示することが
できる。本発明を実施するためには、塩酸を用いること
が取扱上好ましい。また、これらの酸は希釈することな
く、用いることができる。
【0013】
【実施例】本発明の概要について説明する。本発明に使
用する珪酸およびアルミニウムを含む無機成分が石炭灰
のフライアッシュまたは都市ゴミなどの可燃性廃棄物の
焼却灰の飛散灰、である場合には、そのままイモゴライ
トの原料として使用することができるが、珪酸およびア
ルミニウムを含む無機成分が焼却炉灰である場合には、
粒子が大きいので、粉砕する必要がある。粉砕後の粒子
径は、一般的には20〜100μmにするのが好ましい
が、用途によっては粒子径をさらに小さく20μm以下
にする必要がある。また、本発明に使用するガラス、珪
藻土またはアルミニウムドロスは、多くの場合、粉末状
であるので、そのまま使用することができるが、場合に
よっては、珪酸およびアルミニウムを含む無機成分と同
程度の粒子に粉砕することがイモゴライト化反応を行う
上で好ましい。
【0014】本発明のイモゴライトの製造方法は、上記
の珪酸およびアルミニウムを含む無機成分または珪酸お
よびアルミニウムを含む無機成分とガラスまたはアルミ
ニウムドロスの混合物に、1〜5倍量の炭酸ナトリウム
を加え、よく混合し、該混合物を800〜900℃に加
熱し、溶融する。この溶融物を冷却し、水を加えて溶解
するが、状況に応じ50〜80℃に加熱して溶解する。
この溶解液を酸性溶液により、中性とした後、生成した
水溶性の塩類を、水洗、遠心分離、ろ過、などによりほ
ぼ完全に除去する。このとき水溶性の塩類の除去が不完
全であると、アロフェンが副生することがある。次い
で、溶液を弱酸性、すなわちpH3.5乃至4.5にし
た後、通常90〜95℃に加熱してイモゴライトを製造
する。
【0015】本発明の詳細を実施例に基づいて説明する
が、本発明の趣旨はこれらの実施例に限定されるもので
はない。 (実施例1) 白金製の坩堝に非結晶性の珪酸アルミニウムの含有量が
80%であり、珪礬比が約2.0の都市ゴミの焼却灰
(東京都町田市清掃局焼却場製)100gおよび炭酸ナ
トリウム300gを入れ、よく混合した後、坩堝を電気
炉に入れ、850℃に加熱し、この温度を2時間維持
し、都市ゴミの焼却灰および炭酸ナトリウムの混合物を
溶融した。この溶融物を冷却した後、脱イオン水を加え
溶解した。溶融物を完全に溶解した後、濃塩酸を加え、
溶液のpHを7.0とした。生成した塩化ナトリウムを
水洗により、除去し、再度濃塩酸を加え、pHを4.0
として、90〜95℃に加熱し、10時間維持して、イ
モゴライト120gを得たことを熱分析法により確認し
た。このとき得られたイモゴライトの比表面積はエチレ
ングリコール法により測定した結果、1100m2 /g
であった。
【0016】(実施例2) 白金製の坩堝に非結晶性の珪酸アルミニウムの含有量が
80%であり、珪礬比が約2.0の固形化燃料の焼却灰
(東京都町田市清掃局焼却場より入手)100gおよび
炭酸ナトリウム300gを入れ、よく混合した後、坩堝
を電気炉に入れ、850℃に加熱し、この温度を2時間
維持し、固形化燃料の焼却灰および炭酸ナトリウムの混
合物を溶融した。この溶融物を冷却した後、脱イオン水
を加え溶解した。溶融物を完全に溶解した後、濃塩酸を
加え、溶液のpHを7.0とした。生成した塩化ナトリ
ウムを水洗により、除去し、再度濃塩酸を加え、pHを
4.0として、90〜95℃に加熱し、10時間維持し
て、イモゴライト115gを得たことを熱分析法により
確認した。このとき得られたイモゴライトの比表面積は
エチレングリコール法により測定した結果、1150m
2 /gであった。
【0017】(実施例3) 白金製の坩堝にガラス粉末(西日本環境開発協同組合
製)10gおよびアルミニウムドロス(社団法人軽金属
協会より入手)90gを入れ、珪礬比が約1.0になる
ようにした。これに炭酸ナトリウム300gを入れ、よ
く混合した後、坩堝を電気炉に入れ、850℃に加熱
し、この温度を2時間維持し、固形化燃料の焼却灰およ
び炭酸ナトリウムの混合物を溶融した。この溶融物を冷
却した後、脱イオン水を加え溶解した。溶融物を完全に
溶解した後、濃塩酸を加え、溶液のpHを7.0とし
た。生成した塩化ナトリウムを水洗により、除去し、再
度濃塩酸を加え、pHを4.0として、90〜95℃に
加熱し、10時間維持して、イモゴライト135gを得
たことを熱分析法により確認した。このとき得られたイ
モゴライトの比表面積はエチレングリコール法により測
定した結果、1200m2/gであった。
【0018】(実施例4) 白金製の坩堝に廃珪藻土(麒麟麦酒株式会社取手工場
製)10gおよびアルミニウムドロス(社団法人軽金属
協会より入手)90gを入れ、珪礬比が約1.0になる
ようにした。これに炭酸ナトリウム300gを入れ、よ
く混合した後、坩堝を電気炉に入れ、850℃に加熱
し、この温度を2時間維持し、固形化燃料の焼却灰およ
び炭酸ナトリウムの混合物を溶融した。この溶融物を冷
却した後、脱イオン水を加え溶解した。溶融物を完全に
溶解した後、濃塩酸を加え、溶液のpHを7.0とし
た。生成した塩化ナトリウムを水洗により、除去し、再
度濃塩酸を加え、pHを4.0として、90〜95℃に
加熱し、10時間維持して、イモゴライト125gを得
たことを熱分析法により確認した。このとき得られたイ
モゴライトの比表面積はエチレングリコール法により測
定した結果、1150m2/gであった。
【0019】(実施例5) 白金製の坩堝に非結晶性の珪酸アルミニウムの含有量が
95%であり、珪礬比が約2.5のフライアッシュ(電
源開発株式会社松浦発電所製、フライアッシュ協会より
入手)35gおよびアルミニウムドロス(社団法人軽金
属協会より入手)65gを入れ、珪礬比が約1.0にな
るようにした。これに炭酸ナトリウム300gを入れ、
よく混合した後、坩堝を電気炉に入れ、850℃に加熱
し、この温度を2時間維持し、固形化燃料の焼却灰およ
び炭酸ナトリウムの混合物を溶融した。この溶融物を冷
却した後、脱イオン水を加え溶解した。溶融物を完全に
溶解した後、濃塩酸を加え、溶液のpHを7.0とし
た。生成した塩化ナトリウムを水洗により、除去し、再
度濃塩酸を加え、pHを4.0として、90〜95℃に
加熱し、10時間維持して、イモゴライト130gを得
たことを熱分析法により確認した。このとき得られたイ
モゴライトの比表面積はエチレングリコール法により測
定した結果、1200m2 /gであった。
【0020】(実施例6) 白金製の坩堝に非結晶性の珪酸アルミニウムの含有量が
80%であり、珪礬比が約2.0の都市ゴミの焼却灰
(東京都町田市清掃局焼却場製)50gおよびアルミニ
ウムドロス(社団法人軽金属協会より入手)50gを入
れ、珪礬比が約1.0になるようにした。これに炭酸ナ
トリウム300gを入れ、よく混合した後、坩堝を電気
炉に入れ、850℃に加熱し、この温度を2時間維持
し、固形化燃料の焼却灰および炭酸ナトリウムの混合物
を溶融した。この溶融物を冷却した後、脱イオン水を加
え溶解した。溶融物を完全に溶解した後、濃塩酸を加
え、溶液のpHを7.0とした。生成した塩化ナトリウ
ムを水洗により、除去し、再度濃塩酸を加え、pHを
4.0として、90〜95℃に加熱し、10時間維持し
て、イモゴライト120gを得たことを熱分析法により
確認した。このとき得られたイモゴライトの比表面積は
エチレングリコール法により測定した結果、1100m
2 /gであった。
【0021】
【発明の効果】本発明は、珪酸およびアルミニウムを含
む無機成分を原料をしたイモゴライトの製造方法であっ
て、石炭灰、可燃性廃棄物の焼却灰、固形化燃料の焼却
灰、廃ガラス、廃珪藻土、アルミニウムドロス、などの
廃棄物を原料とすることができるので、その有効利用を
図ることができる。また、イモゴライトは、その構造状
比表面積が大きく、そのため吸着力が強く、分子篩効果
がある。特に水分吸着量が大きく、親水性の溶剤、例え
ばメチルアルコール、エチルアルコールなどアルコール
類の脱水剤として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】イモゴライトの斜視図
【図2】イモゴライトの原子配列図
【図3】アロフェンの断面図の1例
【符号の説明】
1.イモゴライト 2.イモゴライトの外壁 3.イモゴライトの中空部 4.アロフェン 5.アロフェン分子の壁 6.アロフェン分子の中空部 7.アロフェン分子の壁のホール a.イモゴライトの外径 b.イモゴライトの内径 c.アロフェン分子の外径 d.アロフェン分子の壁のホールの孔径
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−124199(JP,A) 特開 平10−236818(JP,A) 特開 平6−48727(JP,A) 特開 昭64−24014(JP,A) 特開 平7−232913(JP,A) 特開 平3−159913(JP,A) 特開 昭53−115700(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01B 33/20 - 33/46

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】珪酸およびアルミニウムを含む無機成分に
    炭酸ナトリウムを加えて、加熱し、溶融した後、冷却
    し、水を加えて、溶融物を溶解した後、アルミニウムと
    キレート化合物をつくらない酸性溶液を加えて中性とし
    た後、生成した水溶性の塩類を除去し、該酸性溶液を加
    えて弱酸性とし、加熱することを特徴とする、イモゴラ
    イトの製造方法。
  2. 【請求項2】珪酸およびアルミニウムを含む無機成分に
    アルミニウムドロスを加えて得た混合物に炭酸ナトリウ
    ムを加えて、加熱し、溶融した後、冷却し、水を加え
    て、溶融物を溶解した後、アルミニウムとキレート化合
    物をつくらない酸性溶液を加えて中性とした後、生成し
    た水溶性の塩類を除去し、該酸性溶液を加えて弱酸性と
    し、加熱することを特徴とする、イモゴライトの製造方
    法。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の珪酸およびアルミニウム
    を含む無機成分がガラスおよびアルミニウムドロスを含
    む混合物または珪藻土およびアルミニウムドロスを含む
    混合物であることを特徴とする、イモゴライトの製造方
    法。
  4. 【請求項4】請求項1または2に記載の珪酸およびアル
    ミニウムを含む無機成分が焼却灰であることを特徴とす
    る、イモゴライトの製造方法。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の焼却灰が石炭灰であるこ
    とを特徴とする、イモゴライトの製造方法。
  6. 【請求項6】請求項5に記載の石炭灰がフライアッシュ
    であることを特徴とする、イモゴライトの製造方法。
  7. 【請求項7】請求項4に記載の焼却灰が可燃性廃棄物の
    焼却灰であることを特徴とする、イモゴライトの製造方
    法。
  8. 【請求項8】請求項7に記載の可燃性廃棄物が都市ゴミ
    であることを特徴とする、イモゴライトの製造方法。
  9. 【請求項9】請求項7に記載の可燃性廃棄物が汚泥であ
    ることを特徴とする、イモゴライトの製造方法。
  10. 【請求項10】請求項4に記載の焼却灰が固形化燃料の
    焼却灰であることを特徴とする、イモゴライトの製造方
    法。
  11. 【請求項11】請求項1から10の少なくとも1項に記
    載のアルミニウムとキレート化合物をつくらない酸性溶
    液が鉱酸であることを特徴とする、イモゴライトの製造
    方法。
  12. 【請求項12】請求項11に記載の鉱酸が塩酸であるこ
    とを特徴とする、イモゴライトの製造方法。
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