JP3377912B2 - 車両衝突試験の画像解析方法 - Google Patents

車両衝突試験の画像解析方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は乗員を模擬するダミ
ー人形が搭載された車両の衝突時の前後におけるダミー
人形の振舞を画像化する車両衝突試験の画像解析方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両の衝突試験においては、乗員
を模擬するダミー人形が搭載された車両の衝突時の前後
におけるダミー人形の振舞を車両外から高速カメラ等の
光学的計測手段によって撮像して、車両衝突時の前後に
おけるダミー人形の状態を判別することが行われてい
る。
【0003】また、この撮像のための光学計測手段と電
気計測手段との計測タイミングを一致させる必要があ
る。このための一例として、被測定物体を撮影するカメ
ラ用ストロボフラッシュを閃光させるための蓄電手段を
設けて、該蓄電手段からストロボフラッシュへ送出され
る電気エネルギを被測定物体の衝突によりスイッチング
して供給し、スイッチング時を衝突タイミングとし、供
給された電気エネルギに基づき被測定物体の撮影を開始
させることが知られている(特開昭62−83736号
公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の方法によれば、車両衝突時の撮影のための衝突
タイミングが検出できたとしても、高速カメラによって
撮像することができるのは車窓を通してであって、乗員
を模擬するダミー人形の肩口より上の部分しか撮像でき
ず、肩口より下の部分のダミー人形の振舞を撮像できな
いという問題点があった。
【0005】また、撮像に用いたフィルムの解像度等の
問題のためにダミー人形の振舞が詳細に見えず、ダミー
人形の振舞に対する十分な情報を得ることができないと
いう問題点があった。
【0006】さらに、同一の状態を再現することができ
ず、画像解析に困難を来すという問題点もあった。
【0007】本発明はダミー人形に加速度センサを装着
して、加速度センサからの出力を信号処理することによ
って車両衝突時におけるダミー人形の振舞を詳細に解析
することができる車両衝突試験の画像解析方法を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる車両衝突
試験の画像解析方法は、乗員を模擬するダミー人形が搭
載された車両の衝突時の前後におけるダミー人形の振舞
を画像化する車両衝突試験の画像解析方法であって、静
止車両の座席に座らせた状態におけるダミー人形の3次
元外形情報と静止車両の座席に座らせた状態におけるダ
ミー人形の予め定めた位置に装着された複数の加速度セ
ンサの位置情報とを記憶させる第1工程と、車両の衝突
前所定時間から衝突後所定時間までにわたる予め定めら
れた所定期間ごとにおける各加速度センサからの出力信
号に基づき各加速度センサの装着位置の変位量および回
動量を求める第2工程と、第2工程において求めた所定
期間ごとにおける各加速度センサの装着位置の変位量お
よび回動量に基づいて順次変更させたダミー人形の3次
元外形情報を求める第3工程と、第3工程によって求め
たダミー人形の3次元外形情報に基づくダミー人形の3
次元画像を表示させる第4工程とからなることを特徴と
する。
【0009】本発明にかかる車両衝突試験の画像解析方
法によれば、第1工程において静止車両の座席に座らせ
た状態におけるダミー人形の3次元外形情報と静止車両
の座席に座らせた状態におけるダミー人形の予め定めた
位置に装着された複数の加速度センサの位置情報とが記
憶させられ、第2工程において車両の衝突前所定時間か
ら衝突後所定時間までにわたる予め定められた所定期間
ごとにおける各加速度センサからの出力信号に基づき各
加速度センサの装着位置の変位量および回動量が求めら
れ、第2工程において求められた所定期間ごとにおける
各加速度センサの装着位置の変位量および回動量に基づ
いてダミー人形の3次元外形情報が第3工程において順
次変更させられ、第3工程において変更されたダミー人
形の3次元外形情報に基づくダミー人形の3次元画像が
表示される。
【0010】この結果、車両の衝突前所定時間から衝突
後所定時間までにわたる予め定められた所定期間ごとに
おける各加速度センサからの出力信号に基づきダミー人
形の3次元画像が経時的に表示されて、従来では撮影で
きなかった位置におけるダミー人形の振舞も詳細に知る
ことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明にかかる車両衝突試験の画
像解析方法を実施の形態によって説明する。
【0012】図1は本発明にかかる車両衝突試験の画像
解析方法が適用される装置の一形態の構成を模式的に示
すブロック図であり、図2はダミー人形に装着された加
速度センサの位置を示すための模式図である。
【0013】車両1の座席2に乗員を模擬して作成され
たダミー人形3が図1に示すように座った状態で装着さ
れる。座席2に座った状態のダミー人形3の内部および
表面には、図2に示すように3軸の加速度センサおよび
1軸の加速度センサが装着されている。以下、符号aで
3軸の加速度センサを、符号bで1軸の加速度センサを
示す。
【0014】詳細には、ダミー人形3の頭部31内に想
定した仮想軸10の上端部位置および下端部位置に夫々
3軸の加速度センサA1aおよびA2aが各別に装着し
てあり、仮想軸10に直交して想定した仮想軸11の両
端位置に仮想軸10の回動を検出するために夫々1軸の
加速度センサA1bおよびA2bが各別に装着してあ
る。
【0015】同様に、ダミー人形3の胸部32内に想定
した仮想軸20の上端部側の位置および下端部側の位置
に夫々3軸の加速度センサB1aおよびB2aが各別に
装着してあり、仮想軸20に直交して想定した仮想軸2
1の両端位置に仮想軸20の回動を検出するために夫々
1軸の加速度センサB1bおよびB2bが各別に装着し
てある。
【0016】ダミー人形3の腰部33内に想定した仮想
軸22の上端部位置および下端部位置に夫々3軸の加速
度センサC1aおよびC2aが各別に装着してあり、仮
想軸22に直交して想定した仮想軸23の両端位置に仮
想軸22の回動を検出するために夫々1軸の加速度セン
サC1bおよびC2bが各別に装着してある。
【0017】ダミー人形3の左右の上腕部34および3
5の肩側部分に夫々3軸の加速度センサD1aおよびD
2aが各別に装着してあり、左右の上腕部34および3
5の肘側部分に夫々3軸の加速度センサE1aおよびE
2aが各別に装着してあり、ダミー人形3の左右の前腕
部36および37の手首側部分には夫々3軸の加速度セ
ンサF1aおよびF2aが各別に装着してある。
【0018】さらに、ダミー人形3の左右の寛骨位置に
対応する部分38および39には夫々3軸の加速度セン
サG1aおよびG2aが各別に装着してあり、ダミー人
形3の左右の大腿部44および45の膝側部分40およ
び41には夫々3軸の加速度センサH1aおよびH2a
が各別に装着してある。また、ダミー人形3の左右の脛
部46および47の足首側部分42および43には夫々
3軸の加速度センサI1aおよびI2aが各別に装着し
てある。
【0019】一方、各加速度センサA1a、A2a、A
1b、A2b、B1a、B2a、B1b、B2b、…
…、I1a、I2aからの出力信号は各別に夫々増幅器
群51に供給して増幅し、増幅器群51からの出力を各
別に夫々A/D変換器群52に供給して所定のサンプリ
ング周期でサンプリングし、かつA/D変換する。A/
D変換器群52において変換されたA/D変換各出力は
CPU54の制御のもとに作業領域を備えたRAMから
なるメモリ53に一旦格納される。メモリ53に格納さ
れたA/D変換器群52からの出力は読み出され、CP
U54の制御のもとに演算処理されてダミー人形3の振
舞を表示させるための画像データとされてCRT55お
よびプロッタ56に送出され、CRT55およびプロッ
タ56にてダミー人形3の振舞が表示される。ここで、
CPU54は画像解析装置本体として作用する。
【0020】CPU54における演算処理のためにCP
U54と協働してメモリ53から読み出した各加速度セ
ンサA1a、A2a、A1b、A2b、B1a、B2
a、B1b、B2b、……、I1a、I2aからの出力
データに基づいてダミー人形3の振舞を表示させるため
のプログラムを記憶したROM57とEEPROM58
を備え、EEPROM58には静止状態の車両1内にお
ける座席2に座らせた状態のダミー人形3の3次元外形
情報と、静止状態の車両1内の座席2に座らせた状態の
ダミー人形3の3次元外形情報に基づき表示されたダミ
ー人形3内および表面に装着された各加速度センサA1
a、A2a、A1b、A2b、B1a、B2a、B1
b、B2b、……、I1a、I2aの装着位置情報とが
格納される。
【0021】一方、ROM57には各加速度センサA1
a、A2a、……、I1a、I2aからの出力に基づ
き、各加速度センサA1a、A2a、……、I1a、I
2aの装着位置の変位量および回動量を求めるプログラ
ムと、求められた各加速度センサA1a、A2a、…
…、I1a、I2aの装着位置の変位量および回動量に
基づきダミー人形3の3次元外形情報を修正するプログ
ラムと、修正されたダミー人形3の3次元外形情報に基
づきダミー人形3の外形の姿勢を変更させるとともに位
置を移動させて3次元画像として表示させるためのプロ
グラムとが少なくとも格納してある。
【0022】ここで、ダミー人形3の3次元外形情報お
よび各加速度センサA1a、A2a、A1b、A2b、
……、I1a、I2aの装着位置情報は、大地を基準位
置として規準化(ノルマライズ)した値で格納されてい
る。
【0023】CPU54はROM57に格納されたプロ
グラムと協働して、機能的に、メモリ53にA/D変換
器群52からのデータが格納される毎にメモリ53を構
成するRAMの作業領域においてダミー人形3の3次元
外形情報を該データに基づいて修正してダミー人形3の
姿勢の変更およびダミー人形3の位置を移動させるため
の演算を行う演算部54−1と演算部54−1にて演算
されたデータをメモリ53の所定の領域に格納し、格納
されたデータに基づいて姿勢の変更および位置の移動が
行なわれたダミー人形3の3次元外形表示を順次CRT
55およびプロッタ56上に行わせるための動画処理部
54−2とを備えている。
【0024】各加速度センサA1a、A2a、A1b、
A2b、……、I1a、I2aが装着された状態のダミ
ー人形3が静止状態にある座席2に座らせられた車両1
を、図3に示すように、図示しないウインチにて牽引す
ることによって走行させ、コンクリートバリア60に衝
突させる。
【0025】この牽引による車両1のコンクリートバリ
ア60へ向かっての進行速度およびコンクリートバリア
60との衝突によって各加速度センサA1a、A2a、
……、I1a、I2aからの出力が変化する。
【0026】仮にウインチによる牽引の開始指示信号を
プリトリガ信号とし、プリトリガ信号に基づきA/D変
換器群52によって増幅器群51の出力のサンプリング
を開始して、A/D変換を開始させる。このA/D変換
の開始時から予め定めたサンプリング周期で増幅器群5
1からの出力信号が同期してサンプリングされ、A/D
変換される。このA/D変換出力はサンプリング周期に
基づく期間毎にメモリ53に一旦格納される。
【0027】この格納によってダミー人形3の3次元外
形情報の修正が開始される。牽引により車両1が受けた
加速度に基づく出力信号が各加速度センサA1a、A2
a、……、I1a、I2aから出力される。各加速度セ
ンサA1a、A2a、A1b、A2b、B1a、B2
a、B1b、B2b、……、I1a、I2aからの出力
は車両1の加速度に基づいて変化し、サンプリング周期
ごとにサンプリングされ、A/D変換されて記憶され、
次のサンプリング時までに、演算部54−1における演
算および動画処理部54−2における処理が終了させら
れて、CRT55およびプロッタ56においてダミー人
形3の姿勢および移動後の位置に基づく3次元外形が表
示される。
【0028】ここで、各加速度センサA1a、A2a、
A1b、A2b、……、I1a、I2aから出力された
信号は、1回積分をすることによって加速度センサA1
a、A2a、A1b、A2b、……、I1a、I2aの
装着位置の移動速度を示す移動速度信号となり、さらに
もう1回積分することによって加速度センサA1a、A
2a、……、I1a、I2aの装着位置の変位量を示す
変位量信号となる。
【0029】まず、加速度センサB1a、B2a、B1
b、B2bからの出力によって、車両1の走行および衝
突による胸部32の動きについて説明する。
【0030】加速度センサB1aおよびB2aは3軸の
加速度センサであるため、サンプリング周期ごとの加速
度センサB1aからの出力を2回積分した出力はサンプ
リング周期ごとにおける胸上部(首部側)位置のX軸方
向、Y軸方向、Z軸方向への変位量を示すデータとな
る。同様にサンプリング周期ごとの加速度センサB2a
からの出力を2回積分した出力はサンプリング周期ごと
における胸下部(腰部側)位置のX軸方向、Y軸方向、
Z軸方向への変位量を示すデータとなる。
【0031】したがって、加速度センサB1aからの出
力と加速度センサB2aからの出力とに基づいて、胸上
部(首部側)位置と胸下部(腰部側)位置を結ぶ仮想軸
20のX軸方向、Y軸方向への変位量すなわちX−Y平
面上における水平変位量、Z軸方向への垂直変位量すな
わちX−Y平面に対する垂直変位量、X−Y平面に対す
る仮想軸20の傾斜量、すなわち仮想軸20の姿勢を示
すことになる(図4(a)および(b)参照)。
【0032】また、加速度センサB1bおよびB2bは
1軸の加速度センサであるため、サンプリング周期ごと
の加速度センサB1bからの出力を2回積分した出力と
サンプリング周期ごとの加速度センサB2bからの出力
を2回積分した出力とによって、図4(c)に示すよう
にサンプリング周期ごとにおけるX−Y平面上における
仮想軸20の回動角度が示されることになって、加速度
センサB1bからの出力を2回積分した出力とサンプリ
ング周期ごとの加速度センサB2bからの出力を2回積
分した出力との対は仮想軸20の回動角度を示すデータ
となる。
【0033】上記のように、3軸の加速度センサB1
a、B2a、1軸の加速度センサB1b、B2bのサン
プリング周期ごとの出力を処理することによってサンプ
リング周期ごとにおける仮想軸20および21の変位
量、傾斜量および回動量が演算の結果得られ、この演算
による仮想軸20および21の動き量によって胸部32
の3次元外形の立体的な動き量が演算され、胸部32の
3次元外形の立体的な動き量がメモリ53に格納され
る。
【0034】ここで、図4(b)に示す仮想軸20の傾
斜で、加速度センサB1aの位置が変位することにより
回動移動となり移動距離に処理上誤差が発生するが、サ
ンプリング周期は短く、例えば0.1msecに設定さ
れているため、その時の加速度センサB1aの傾斜は無
視できる程度であって、上記の処理上誤差は無視するこ
とができる。
【0035】なお、3軸の加速度センサA1a、A2a
の出力、1軸の加速度センサA1b、A2bの出力に基
づく頭部31の立体的な動き量の演算についても、3軸
の加速度センサC1a、C2aの出力、1軸の加速度セ
ンサC1bおよびC2bの出力に基づく腰部33の立体
的な動き量の演算についても、胸部32の場合と同様で
あって、頭部31の3次元外形の立体的な動き量および
腰部33の3次元外形の立体的な動き量がメモリ53に
格納される。
【0036】次に、左上腕部34の肩側部分に装着され
た3軸の加速度センサD1aの出力と、左上腕部34の
肘側部分に装着された3軸の加速度センサE1aの出力
と、左前腕部36の手首部分に装着された3軸の加速度
センサF1aの出力とによって胸部32に対する3軸の
加速度センサの場合と同様の作用を行う。
【0037】すなわち、図5に示すようにダミー人形3
の左上腕部34の肩部を支点とした場合、左上腕部34
の支点の立体的な動き量は胸部32の動きにより求めら
れ、左上腕部34の肘側部分に装着した3軸の加速度セ
ンサE1aは胸部32の仮想軸20の上端部に装着した
3軸の加速度センサB1aに相当し、左上腕部34の肩
部の移動と協働して3軸の加速度センサE1aの出力に
基づいて左上腕部34の回動量および移動量が演算され
て、左上腕部34の立体的な動き量が求められる。
【0038】この場合の演算についてみれば、まず、3
軸の加速度センサB1aおよびB2aの出力と1軸の加
速度センサB1bおよびB2bの出力とから前記のよう
にして胸部32の立体的な動き量が演算されて、この胸
部32の立体的な動き量の演算に基づいて左上腕部34
の肩部の位置が演算され、この演算によって左上腕部3
4の支点の位置が決定される。ついで、左上腕部34の
肘側部分に装着されている3軸の加速度センサE1aの
出力に基づいて左上腕部34の立体的な動き量が求めら
れ、左上腕部34の立体的な動き量がメモリ53に格納
される。右上腕部35の立体的な動き量の演算について
も左上腕部34の場合と同様である。
【0039】左前腕部36の変位および回動についても
左上腕部34の場合と同様であって、この実施の一形態
では、左前腕部36について説明する。左前腕部36の
肘を支点とした場合、左前腕部36の支点の動きは左上
腕部34の立体的な動き量により求められ、左前腕部3
6の手首側部分に装着した3軸の加速度センサF1aは
胸部32の仮想軸20の上端部に装着した3軸の加速度
センサB1aに相当し、左前腕部36の肘部の移動と協
働して3軸の加速度センサF1aの出力に基づいて左前
腕部36の回動量および変位量が演算され、左前腕部3
6の立体的な動き量が求められる。
【0040】この場合の演算についてみれば、まず、左
上腕部34の動きが演算されて、この左上腕部34の動
きの演算に基づいて左上腕部34の肩部の位置が演算さ
れ、この演算によって左前腕部36の支点の位置が決定
される。ついで、左前腕部36の手首側部分に装着され
ている3軸の加速度センサF1aの出力に基づいて左前
腕部36の立体的な動き量が求められ、左前腕部36の
立体的な移動量がメモリ53に格納される。右前腕部3
7の立体的な動き量の演算についても左前腕部36の場
合と同様である。
【0041】左寛骨位置に対応する部分38、左大腿部
44および左脛部46の動きについても、左肩部、左上
腕部34、左前腕部36の場合と同様であって、左大腿
部44および左脛部46の動きについても3軸の加速度
センサG1a、H1a、I1aの出力に基づいて左大腿
部44の立体的な動き量および左脛部46の立体的な動
き量が演算され、左大腿部44の立体的な動き量および
左脛部46の立体的な動き量がメモリ53に格納され
る。この場合、左寛骨位置に対応する部分38の位置は
腰部33の動き量によって定まることはいうまでもな
い。また、右大腿部45の立体的な動き量および右脛部
47の立体的な動き量の演算についても、左大腿部44
の立体的な動き量および左脛部46の立体的な動き量の
演算の場合と同様である。
【0042】以上のようにして、車両1の牽引の開始指
示信号すなわちプリトリガ信号を受けたときからサンプ
リング周期ごとの車両1の進行、衝突および衝突から後
の各加速度センサから経時的に順次送出される出力に基
づき、演算部54−1の演算によってダミー人形3の3
次元外形情報が修正されてダミー人形3の姿勢および移
動位置が演算され、姿勢および移動位置が変更されたダ
ミー人形3の外形形状が動画処理部54−2で処理され
て、ダミー人形3の3次元外形が時間の経過とともに表
示される。図6(a)、(b)、(c)および(d)は
上記した処理により衝突時から70msec、80ms
ec、90msec、100msec経過時のダミー人
形3の3次元外形を示し、図7(b)および(c)はサ
ンプリング間隔毎に処理した状態におけるダミー人形3
の3次元外形を、図7(a)は衝突時のダミー人形3の
形状を、図7(b)は衝突時からのダミー人形3の振舞
の側面図を、図7(c)は衝突時からのダミー人形3の
振舞の3次元での状態を示す。
【0043】なお、以上説明した本発明の実施の一形態
にかかる車両衝突試験の画像解析方法が適用される装置
において、3軸の加速度センサD1a、D2a、E1
a、E2a、F1a、F2a、G1a、G2a、H1
a、H2a、I1aおよびI2aの夫々はダミー人形3
の各関節部分の近傍に装着した場合を例示したが、これ
らの3軸の加速度センサをダミー人形3の各関節部分か
ら離れた位置に装着して、静止状態の車両1内の座席に
座らせた状態のダミー人形3における3軸の加速度セン
サ装着位置情報(大地を規準位置とする情報)と、各対
応する関節と3軸の加速度センサとの関係位置情報とを
記憶しておいて、牽引の開始指示信号を受けたときから
サンプリング周期ごとの車両1の進行および衝突による
全加速度センサからの出力に基づき、演算部54−1の
演算によってダミー人形3の3次元外形情報を修正して
ダミー人形3の姿勢および移動位置を演算して、姿勢お
よび移動位置が変更されたダミー人形3の外形形状を動
画処理部54−2で処理して、ダミー人形3の3次元外
形を時間の経過とともに表示するようにしても良い。
【0044】この場合は、3軸の加速度センサD1a、
D2a、E1a、E2a、F1a、F2a、G1a、G
2a、H1a、H2a、I1aおよびI2aの夫々の出
力に基づき3軸の加速度センサD1a、D2a、E1
a、E2a、F1a、F2a、G1a、G2a、H1
a、H2a、I1aおよびI2aの移動位置を求め、該
移動位置と対応する各関節部分の動き量を求めてダミー
人形3の姿勢および移動位置が変更されていくことにな
る。
【0045】
【発明の効果】以上説明した如く本発明の車両衝突試験
の画像解析方法によれば、車両に搭乗した乗員を模擬す
るダミー人形の3次元外形画像を、ダミー人形に設けた
加速度センサから衝突時の前後にわたる出力に基づいて
修正して、修正された3次元外形画像として表示するよ
うにしたため、従来の撮像において撮影できない部分に
ついても画像表示され、さらに繰り返して表示すること
もできて、車両衝突時を挟む車両の衝突前所定時間から
衝突後所定時間までにおけるダミー人形の詳細な振舞を
詳細に解析することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる車両衝突試験の画像解析方法が
適用される装置の実施の一形態の構成を模式的に示すブ
ロック図である。
【図2】本発明にかかる車両衝突試験の画像解析方法に
用いるダミー人形に装着された加速度センサの位置を示
すための模式図である。
【図3】本発明にかかる車両衝突試験の画像解析方法が
適用される車両の走行の説明に供する模式図である。
【図4】本発明の実施の一形態にかかる車両衝突試験の
画像解析方法の作用の説明図である。
【図5】本発明の実施の一形態にかかる車両衝突試験の
画像解析方法の作用の説明図である。
【図6】本発明の実施の一形態にかかる車両衝突試験の
画像解析方法による場合のダミー人形の動きを示す模式
図である。
【図7】本発明の実施の一形態にかかる車両衝突試験の
画像解析方法による場合のダミー人形の動きを示す画像
の模式図である。
【符号の説明】
1 車両 2 座席 3 ダミー人形 51 増幅器群 52 A/D変換器群 53 メモリ 54 CPU 55 CRT 56 プロッタ 57 ROM 58 EEPROM A1a、A2a、B1a、B2a、C1a、C2a、D
1a、D2a、E1a、E2a、F1a、F2a、G1
a、G2a、H1a、H2a、I1aおよびI2a 3
軸の加速度センサ A1b、A2b、B1b、B2b、C1bおよびC2b
1軸の加速度センサ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】乗員を模擬するダミー人形が搭載された車
    両の衝突時の前後におけるダミー人形の振舞を画像化す
    る車両衝突試験の画像解析方法であって、静止車両の座
    席に座らせた状態におけるダミー人形の3次元外形情報
    と静止車両の座席に座らせた状態におけるダミー人形の
    予め定めた位置に装着された複数の加速度センサの位置
    情報とを記憶させる第1工程と、車両の衝突前所定時間
    から衝突後所定時間までにわたる予め定められた所定期
    間ごとにおける各加速度センサからの出力信号に基づき
    各加速度センサの装着位置の変位量および回動量を求め
    る第2工程と、第2工程において求めた所定期間ごとに
    おける各加速度センサの装着位置の変位量および回動量
    に基づいて順次変更させたダミー人形の3次元外形情報
    を求める第3工程と、第3工程によって求めたダミー人
    形の3次元外形情報に基づくダミー人形の3次元画像を
    表示させる第4工程とからなることを特徴とする車両衝
    突試験の画像解析方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の車両衝突試験の画像解析方
    法において、加速度センサの一部は乗員の関節部に対応
    するダミー人形の位置の近傍位置に装着されることを特
    徴とする車両衝突試験の画像解析方法。
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