JP4113443B2 - 運動解析用ダミー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、車両の衝突試験等に用いられる運動解析用ダミーに関するものであり、特に乗員の身体各部の運動を解析するための運動解析用ダミーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
特許文献1には、首の関節に荷重検出装置が設けられ、膝関節に歪検出装置が設けられたダミーが記載されている。特許文献2には、肩関節、肘関節等によって連結された2部材の、これら関節の近傍にそれぞれ加速度検出装置が設けられたダミーが記載されている。
【特許文献1】
特開平4−251283号公報
【特許文献2】
特開平9−297087号公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題、課題解決手段および効果】
本発明の課題は、身体各部の運動を正確に解析可能なダミーを得ることである。この課題は、ダミーを下記構成のものとすることによって解決される。各態様は、請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまで、本明細書に記載の技術の理解を容易にするためであり、本明細書に記載の技術的特徴およびそれらの組み合わせが以下の各項に限定されると解釈されるべきではない。また、1つの項に複数の事項が記載されている場合、常に、すべての事項を一緒に採用しなければならないものではなく、一部の事項のみを取り出して採用することも可能である。
【0005】
( )乗員の身体各部の運動を解析するためのダミーであって、
肩関節、肘関節、手の関節、股関節、膝関節、足の関節の少なくとも1つに、その関節における回転角度を検出する回転角度検出装置が設けられたことを特徴とする運動解析用ダミー。
本項に記載の運動解析用ダミーの肩関節、肘関節、手の関節、股関節、膝関節、足の関節のうちの少なくとも1つに、それら関節の回転角度を検出する回転角度検出装置が設けられる。ダミーの各関節の回転角度を検出することができるのであり、例えば、関節において連結されたダミーの身体各部の運動を正確に解析することができる。
また、関節の回転角度が直接検出されるのであり、関節によって連結された2部材の関節近傍にそれぞれ設けられた加速度検出装置によって検出された加速度に基づいて求められるわけではない。そのため、関節の回転角度を精度よく取得することができる。
回転角度検出装置は、関節において連結された2つの部材の相対回転角度を検出するものであっても、2つの部材の基準相対位置からの回転角度である絶対回転角度を検出するものであってもよい。また、2つの部材の回転方向を検出可能なものであっても検出不能なものであってもよい。関節の回転方向が行われる車両試験の内容によって決まる場合には、回転方向を検出する必要は必ずしもないのである。
なお、本項に記載の運動解析用ダミーには、回転角度検出装置に限らず、その他、荷重検出装置、歪検出装置、加速度検出装置、角速度検出装置、変位検出装置等を適所に設けることができる。
( ) 前記少なくとも1つの関節が、2部材を1つの軸回りに相対回転可能に連結するものであり、 (a) それら2部材のうちの一方に相対回転可能かつ相対移動不能に設けられ前記軸を保持するスライド部材と、 (b) 前記2部材のうちの他方に設けられ、前記スライド部材を相対回転不能かつ相対移動可能に保持する保持部と、 (c) 前記軸回りの前記2部材の相対回転角度を検出する回転角度検出装置とを含む (1) 項に記載の運動解析用ダミー(請求項1)。
( ) 前記回転角度検出装置が前記他方の前記軸から外れた位置に設けられ、前記スライド部材に、前記軸回りの前記2部材の相対回転角度を前記回転角度検出装置に伝達する回転伝達装置が相対移動不能に設けられた (1) 項または (2) 項に記載の運動解析用ダミー(請求項2)。
回転角度検出装置を、2部材の相対回転中心付近に設けることは困難である場合には、これらの相対回転中心から外れた位置に設けることが望ましい。
回転角度検出装置は、回転伝達装置によって伝達された2部材の間の相対回転角度を検出する。回転伝達装置は、実際の回転角度と伝達された回転角度とが同じとなる状態で伝達するものであっても、これら角度の比率が予め定められた値となる状態で伝達するものであってもよい。例えば、回転半径が同じである2個の歯車を含むものであっても、回転半径が異なる2個の歯車を含むものであってもよい。
( )前記回転伝達装置が、前記2部材の相対回転に伴って回転させられる第1歯車と、その第1歯車と噛合する状態で設けられた第2歯車とを含み、前記回転角度検出装置が、その第2歯車の回転角度を検出するロータリポテンショメータである(3) に記載の運動解析用ダミー。
第1歯車は、それの回転中心線が2部材の相対回転中心線と一致する状態で設けられ、第2歯車は第1歯車と噛合した状態で設けられる。そのため、第2歯車の回転中心は、2部材の相対回転中心から外れた位置になる。
( )前記第2歯車が、静電気が発生し難い材料で製造されたものである(4) に記載の運動解析用ダミー。
関節に大きな回転トルクが加わると、第1歯車、第2歯車の回転速度は大きくなる。その場合に、第2歯車が静電気が発生し易い材料で製造されたものである場合には、その静電気に起因して、回転角度を正確に検出することができないことがある。それに対して、例えば、金属等の静電気が発生し難い材料によって製造されれば、回転速度が大きくても、回転角度の検出精度の低下を防止することができる。
( )前記回転角度検出装置によって検出された回転角度を表す情報を記憶する記憶部が設けられた(1) 項ないし (5) のいずれか1つに記載の運動解析用ダミー。
( )前記記憶部が背中に設けられた(6) に記載の運動解析用ダミー(請求項3)
( )前記記憶部が背骨に設けられた(6) 項または (7) に記載の運動解析用ダミー。
記憶部がダミーの外部に設けられた場合には、複数の回転角度検出装置と記憶部とを接続する信号線によってダミーの動きが制限されるおそれがある。それに対して、記憶部がダミーの内部に設けられれば、それによって、ダミーの動きが制限されることはなく、ダミーの運動を正確に解析することができる。
また、記憶部がダミーの背中に設けられれば、ダミーが正面衝突試験に利用されて、正面から大きな衝撃が加えられても、それによって記憶部が破損することを防止することができる。
さらに、ダミーに、人間の背骨に対応する部材が設けられる場合には、その背骨に保持させて設けることができる。
また、記憶部がダミーの身体の中間部に設けられるため、複数の回転角度検出装置各々と接続する信号線各々の長さの合計を短くすることができ、ダミーの質量増加分を小さくすることができる。
( ) 当該運動解析用ダミーが、規格ダミーに対する少なくとも質量差が5%以下のものである (1) 項ないし (8) 項のいずれか1つに記載の運動解析用ダミー(請求項4)。
本項に記載の運動解析用ダミーは規格ダミーに対する質量差が5%以下のものである。回転角度検出装置を設けた場合には、その分、ダミーの質量が大きくなるが、ダミー自体の質量を軽くすれば(例えば、ダミーの、人間の筋肉に対応する部分、骨に対応する部分等の質量を軽減すれば)、全体としての質量差を5%以下にすることができる。このように、規格ダミーとほぼ同じ質量のものとすれば、規格ダミーと同様な動きをすることになる。標準的な試験において、本ダミーを規格ダミーに代わって使用することができるのであり、規格ダミーとの互換性を持たせることができる。
規格ダミーは、衝突時の乗員保護性能評価用に用いられるハイブリッドII、III(正面衝突用)、DOT−SID、EURO−SID(側面衝突用)等がある。これらのうちでハイブリッドIIIは、米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)、欧州委員会(EC)および日本国内で行われる正面衝突乗員保護認証試験で用いられる一般的なものである。
また、ダミーは、全体の質量に限らず、身体各部の各々の質量も規格ダミーと近似したものとすることが望ましい。例えば、身体各部の質量差が5%以下であるものとしたり、身体各部の重心位置の差がその部分の寸法の5%以下であるものとしたりすることができる。
( 10 ) 当該運動解析用ダミーが、車両に搭載されるものであり、前記回転角度検出装置が、前記膝関節によって連結された2部材の相対回転角度を検出するものである (1) ないし (9) 項のいずれか1つに記載の運動解析用ダミー(請求項5)。
例えば、膝関節においては、回転角度検出装置を、すねと大腿との相対回転中心付近に設けることは困難であるため、相対回転中心から外れた位置に設けることができる。
( 11 ) 前記回転角度検出装置が、検出した回転角度を無線で外部装置に送信する無線送信装置を含む (1) 項ないし (10) 項のいずれか1つに記載の運動解析用ダミー(請求項6)。
回転角度検出装置によって検出された回転角度の大きさを表す情報が外部装置に無線の通信によって供給される。その結果、信号線が不要となり、その分、ダミーに付加される質量を軽減することができる。
( 12 )乗員の身体各部の運動を解析するためのダミーであって、
少なくとも肩関節、肘関節、手の関節、股関節、膝関節、足の関節の各々に、それら関節の各々における回転角度を検出する回転角度検出装置が設けられたことを特徴とする運動解析用ダミー。
本項に記載の運動解析用ダミーには、(1)項ないし(11)項に記載の技術的特徴を採用することができる。
(13)(6) 項ないし (8) のいずれか1つに記載の運動解析用ダミーに設けられた記憶部と、
その記憶部との接続部を含み、前記記憶部に記憶された情報に基づいて前記運動解析用ダミーの運動を解析する運動解析部と
を含む運動解析装置。
ダミーを車両に搭載し、車両の正面衝突試験が行われた後、ダミーから記憶部を取り出して運動解析部に接続する。運動解析部において、記憶部に記憶された各関節の回転角度に基づいて正面衝突の際のダミーの運動が解析される。
ダミーは、正面衝突試験に限らず、側面衝突試験、横転試験等にも使用することができる。また、事故が生じた場合の事故解析(運動解析)に限らず、走行中(例えば、急制動、急発進、急旋回)における運動解析にも利用することができる。
(14)(1)項ないし(12)項のいずれか1つに記載の運動解析用ダミーに設けられた前記複数の回転角度検出装置と、
それら複数の回転角度検出装置によって検出された回転角度を表す情報を送信する送信装置と、
前記運動解析用ダミーの外部に配設され、前記送信装置から送信された情報を受信する受信装置と、
その受信装置によって受信された情報に基づいて前記運動解析用ダミーの運動を解析する運動解析部と
を含む運動解析装置。
運動解析部において、受信装置において受信された情報に基づいてダミーの運動の解析が行われる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態であるダミーを図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施形態であるダミーの肩関節10,肘関節12,手の関節14,股関節16,膝関節18,足の関節20には、それぞれ回転角度検出装置30〜40が設けられる。
肩関節10に設けられた回転角度検出装置30は、胴体44に対する上腕45の回転角度を検出し、肘関節12に設けられた回転角度検出装置32は、上腕45に対する前腕46の回転角度を検出し、手の関節14に設けられた回転角度検出装置34は、前腕46に対する手47の回転角度を検出する。また、股関節16に設けられた回転角度検出装置36は、胴体44に対する大腿48の回転角度を検出し、膝関節18に設けられた回転角度検出装置38は、大腿48に対するすね49の回転角度を検出し、足の関節20に設けられた回転角度検出装置40は、すね49に対する足50の回転角度を検出する。
【0009】
これら回転角度検出装置30〜34,38は、各々の2部材の相対回転角度を電気的に検出するロータリポテンショメータであり、回転角度検出装置36,40は、関節の予め定められた点の3次元空間における位置の変化を光学的に検出し、検出された位置の変化に基づいてその関節の3次元的な回転状態を検出するものである。
【0010】
回転角度検出装置30〜40には、検出部を1つ含むものや、2つ以上含むものがある。例えば、膝関節18に設けられた回転角度検出装置38は、後述するように、大腿48とすね49との成す角度を検出する検出部を1つ含むものである。それに対して、手の関節14に設けられた回転角度検出装置34は、前腕46と手47との間の、互いに異なる方向における角度を検出する複数の検出部を含む。前腕46と手47とを互いに異なる平面に投影した場合のそれぞれの角度が複数の検出部によってそれぞれ検出されるのであり、それによって、手首の三次元的な運動が検出される。肩関節10に設けられた回転角度検出装置30も同様に複数の検出部を含む。複数の検出部によって、胴体44に対する上腕45の上下方向、前後方向、左右方向の回転角度等がそれぞれ検出され、上腕45の胴体44に対する3次元的な運動が検出される。
【0011】
本実施形態においては、頭54,胸55,腰56に、それぞれ角速度検出装置と加速度検出装置との少なくとも一方を含む運動等検出装置60,62,64が設けられる。角速度検出装置は、これら頭54,胸55,腰56の回転中心線回りの回転角速度を検出するものであり、加速度検出装置は、これら頭54,胸55,腰56の加速度を検出するものである。
これら角速度検出装置によって検出された角速度、加速度検出装置によって検出された加速度に基づけば、これら頭54,胸55,腰56の運動を検出することができる。また、これらに加えられる荷重を検出することもできる。
【0012】
膝関節18に設けられた回転角度検出装置38は、図2,3に示すように、大腿48とすね49との相対回転中心線Pから外れた位置に設けられる。膝関節18においては、大腿48側の部材であるハウジング60とすね49側の部材であるニークレビス62とがニースライダ64を介して連結される。また、ハウジング60とニークレビス62との相対回転を回転角度検出装置38に伝達する回転伝達装置66が設けられる。
【0013】
ニースライダ64は、スライダハウジング70とそのスライダハウジング70に相対回転不能かつ相対移動可能に保持されたスライド部材72とを含む。スライド部材72は、スライダハウジング70に設けられた溝部74に沿って相対移動可能とされる。
スライダハウジング70にニークレビス62が固定され、スライド部材72にハウジング60が相対移動不能かつ相対回転可能に保持される。スライド部材72には、また、第1歯車76がボルト78によって鉄ワッシャ80,ゴムブッシュ82等を介して相対回転可能に固定される。このボルト78の中心軸線が相対回転軸線Pとされる。
第2歯車84が、第1歯車76の外周部に設けられた歯部に噛合した状態でハウジング60に保持される。その第2歯車84の回転角度が回転角度検出装置38によって検出される。第1歯車76と第2歯車84との歯数の比率に応じて、第1歯車76の回転角度と第2歯車84の回転角度との比率が決まるのであり、これら第1歯車76,第2歯車84等により回転伝達装置66が構成される。
本実施形態においては、相対回転中心軸線Pの周辺に回転角度検出装置を設けることが困難であるため、相対回転中心軸線Pからオフセットした位置に回転角度検出装置38が設けられることになる。
【0014】
図4に示すように、ニークレビス62のハウジング60に対する相対回転によってすね49の大腿48に対する相対回転が実現される。ニークレビス62の回転に伴ってニースライダ64全体が回転させられ、スライド部材72がハウジング60に対して相対回転させらる。第1歯車76が回転させられ、その回転が第2歯車84に伝達され、その第2歯車84の回転が回転角度検出装置38によって検出される。
ニークレビス62のハウジング60に対する軸方向Qの相対移動によってすね49に対する大腿48の相対移動が実現される。すなわち、ニークレビス62に固定されたスライダハウジング70に対するスライド部材72のQ方向の相対移動によって実現されるのであり、このスライド部材72の移動に伴って、ハウジング60(第2歯車84が保持),第1歯車76,相対回転中心軸線Pが移動させられる。このように、本実施形態においては、スライド部材72のスライダハウジング70に対する移動に伴ってハウジング60と第1歯車76とが一体的に移動させられる。そのため、これらの相対移動によって第1歯車76と第2歯車84との相対位置関係が変わることがない。したがって、大腿48のすね49に対する相対移動に伴って相対回転の検出に影響が及ぶことがないのであり、これらの相対回転角度を精度よく検出することができる。
【0015】
本実施形態においては、ニースライダ64においてスライド部材72のスライダハウジング70に対する相対移動量がストローク検出装置88によって検出される。また、スライド部材72のスライダハウジング70に対する相対移動量と膝関節18に加えられるQ方向の力の大きさとの間には、予め決められた関係があり、これらの関係は予めわかっている。そのため、スライド部材72のスライダハウジング70に対する相対移動量と、これらの間の関係とに基づけば、膝関節18に加えられたQ方向の力を求めることができる。
【0016】
また、第2歯車84は金属材料で製造される。膝関節18に大きな力が加えられると、第1歯車76、第2歯車84が大きな加速度で回転させられ、回転速度が大きくなる場合がある。この場合に、第2歯車84が樹脂材料で製造されたものである場合には、静電気が発生し、回転角度検出装置38が電気的に検出するものであるため、それの影響を受ける。それに対して、第2歯車84が金属材料で製造されたものであれば、静電気の発生を抑制し、高速回転時にも、回転角度の検出精度が低下することが回避される。
【0017】
本実施形態においては、図1に示すように記憶部としてのデータレコーダ90がダミーの背骨92に保持される。データレコーダ90には、図5に示すように、前述の複数の回転角度検出装置30〜40,運動等検出装置60〜64,ストローク検出装置88等が信号線94を介して接続され、これらの検出結果を表す情報が供給され、記憶される。また、データレコーダ90がダミーの中央部に設けられるため、複数の回転角度検出装置30〜40,運動等検出装置60〜64,ストローク検出装置88とをそれぞれ接続する信号線94の長さの合計が短くなるため、ダミーの質量増加量を小さくすることができる。
また、ダミーは、それの質量と規格ダミーとしてのハイブリッド(Hybrid)IIIの質量との誤差が5%以内のものとされる。ダミーの、人間の筋肉を構成する材料を軽量化したり、骨格を構成する材料を軽量化したりすることによって、ダミーの質量を検出装置等を設けたことによって増加した質量に応じて少なくされる。この場合には、ダミーの腕45,46、胴44、大腿48、すね49等の身体各部の質量各々の誤差が小さくなるようにすることもできる。さらに、これら身体各部の重心位置の誤差が、その各部の寸法の5%以下とすることもできる。
なお、これらの誤差は、3%以下、2%以下、1%以下とすることができる。
【0018】
本実施形態においては、運転席または助手席にダミーが着座された状態で、車両が正面衝突させられる。ダミーの各関節の回転角度等は検出装置によって予め定められた一定時間毎に検出されて、データレコーダ90に供給される。データレコーダ90においては、供給されたデータが記憶される。
正面衝突試験の後、データレコーダ90がダミーから取り出されて、運動解析装置としてのコンピュータ100の接続部に接続される。コンピュータ100において、ダミーの運動が解析されて、出力装置102(例えば、3次元アニメーションを含むもの等とすることができる)に出力される。
【0019】
本実施形態においては、関節の回転角度が直接検出される。関節によって連結される2部材の関節近傍に設けられた加速度検出装置によって検出された加速度に基づいて検出されるわけではない。そのため、関節の回転角度を正確に求めることができ、乗員障害値を適正に取得することができる。
また、ダミーの質量がハイブリッドIIIと近似するものであるため、規格に合った試験において、ダミーの運動を正確に検出することができる。
さらに、データレコーダ90がダミーの内部に設けられるため、信号線94をダミーの外部に配線する必要がない。その結果、ダミーの動きが信号線によって制限されることを回避することができ、ダミーの動きを正確に検出することができる。
【0020】
なお、回転角度検出装置は、上記実施形態におけるそれに限らない。回転角度検出装置30〜40の少なくとも1つは、2部材の相対回転角度を、磁気的に検出するものとすることもできる。また、回転角度検出装置30〜40すべてを光学的に検出するものとしたり、電気的に検出するものとしたりすることができる。さらに、回転角度検出装置はダミーの首の関節に設けることもできる。また、回転角度検出装置は、膝関節18に限らず、他の関節において、2部材の相対回転中心線から外れた位置に設けることができる。
さらに、ダミーには、上記実施形態における場合に限らず、その他の検出装置を設けることもできる。例えば、胸55に変位検出装置を設けたり、大腿48に荷重検出装置を設けたりすることができるのである。
また、データレコーダ90を背中に設けることも不可欠ではない。データレコーダ90は、衝突試験において比較的損傷が小さい部分に設けることが望ましい。
さらに、ダミーに通信装置を設けることもできる。回転角度検出装置等によって検出された回転角度を表す情報が通信によって外部装置に供給され、その外部装置において運動が解析される。この場合には、信号線自体が不要となり、ダミーの質量増加を抑制することができる。
【0021】
本発明は、前記〔発明が解決しようとする課題、課題解決手段および効果〕に記載の態様の他、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である運動解析ダミーの全体を示す図である。
【図2】上記ダミーの膝関節の構造を示す図である。
【図3】上記膝関節の断面図である。
【図4】上記膝関節の動きを示す図である。
【図5】上記ダミーに設けられた記憶部周辺を示す図である。
【図6】上記記憶部に記憶されたデータに基づいて運動解析を行う運動解析装置を示す図である。
【符号の説明】
30〜40:回転角度検出装置、90:データレコーダ

Claims (6)

  1. 乗員の身体各部の運動を解析するためのダミーであって、
    肩関節、肘関節、手の関節、股関節、膝関節、足の関節のうちの少なくとも1つの関節が、2部材を1つの軸回りに相対回転可能に連結するものであり、 (a) それら2部材のうちの一方に相対回転可能かつ相対移動不能に設けられ前記軸を保持するスライド部材と、 (b) 前記2部材のうちの他方に設けられ、前記スライド部材を相対回転不能かつ相対移動可能に保持する保持部と、 (c) 前記軸回りの前記2部材の相対回転角度を検出する回転角度検出装置とを含むことを特徴とする運動解析用ダミー。
  2. 前記回転角度検出装置が前記他方の前記軸から外れた位置に設けられ、前記スライド部材に、前記軸回りの前記2部材の相対回転角度を前記回転角度検出装置に伝達する回転伝達装置が相対移動不能に設けられた請求項1に記載の運動解析用ダミー。
  3. 前記回転角度検出装置によって検出された回転角度を記憶する記憶部が背中に設けられた請求項1または2に記載の運動解析用ダミー。
  4. 当該運動解析用ダミーが、規格ダミーに対する少なくとも質量差が5%以下のものである請求項1ないし3のいずれか1つに記載の運動解析用ダミー。
  5. 当該運動解析用ダミーが、車両に搭載されるものであり、前記回転角度検出装置が、前記膝関節によって連結された2部材の相対回転角度を検出するものである請求項1ないし4のいずれか1つに記載の運動解析用ダミー。
  6. 前記回転角度検出装置が、検出した回転角度を無線で外部装置に送信する無線送信装置を含む請求項1ないし5のいずれか1つに記載の運動解析用ダミー。
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