JP3377193B2 - 座席板 - Google Patents
座席板Info
- Publication number
- JP3377193B2 JP3377193B2 JP2000135115A JP2000135115A JP3377193B2 JP 3377193 B2 JP3377193 B2 JP 3377193B2 JP 2000135115 A JP2000135115 A JP 2000135115A JP 2000135115 A JP2000135115 A JP 2000135115A JP 3377193 B2 JP3377193 B2 JP 3377193B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- iron plate
- plate
- seat
- foamed polyolefin
- foamed
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Moulding By Coating Moulds (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な座席板に関
し、更に詳しくは軽量であり、該座席を構成している補
強用鉄板(以下単に「鉄板」という)及びそのクッショ
ン材のリサイクルが容易である座席板に関する。本発明
の座席板は特にスキー場のリフトの座席板として好適で
ある。
し、更に詳しくは軽量であり、該座席を構成している補
強用鉄板(以下単に「鉄板」という)及びそのクッショ
ン材のリサイクルが容易である座席板に関する。本発明
の座席板は特にスキー場のリフトの座席板として好適で
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、多くのスキー場においてはリフト
が設置されており、該リフトの座席板は、丈夫なケーブ
ルにワイヤーや鉄棒等によって懸垂固定され、多くの人
が座っても安全であるように頑丈に構成されている。従
来のリフトの座席板は、断面図である図3に示すよう
に、鉄板1と該鉄板1の両面及び外周外側を全体的に被
覆しているクッション材8とから構成されている。鉄板
1は、その平面図である図1及びそのA−A線断面図で
ある図2に示すように、鉄板1の重量を軽減するために
多数の孔2が設けれている。補強材としての鉄板1は、
厚み2〜3mmであり、その2つのコーナー(お尻を入
れる側)に設けられた懸垂用補強材3,3と、残りの2
つのコーナー(尻当て側)に設けられた懸垂兼尻当て用
補強材4,4とから構成され、上記補強材3,3,4,
4には、それぞれ座席を懸垂する鉄棒やワイヤーを固定
するための孔5が設けられている。
が設置されており、該リフトの座席板は、丈夫なケーブ
ルにワイヤーや鉄棒等によって懸垂固定され、多くの人
が座っても安全であるように頑丈に構成されている。従
来のリフトの座席板は、断面図である図3に示すよう
に、鉄板1と該鉄板1の両面及び外周外側を全体的に被
覆しているクッション材8とから構成されている。鉄板
1は、その平面図である図1及びそのA−A線断面図で
ある図2に示すように、鉄板1の重量を軽減するために
多数の孔2が設けれている。補強材としての鉄板1は、
厚み2〜3mmであり、その2つのコーナー(お尻を入
れる側)に設けられた懸垂用補強材3,3と、残りの2
つのコーナー(尻当て側)に設けられた懸垂兼尻当て用
補強材4,4とから構成され、上記補強材3,3,4,
4には、それぞれ座席を懸垂する鉄棒やワイヤーを固定
するための孔5が設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記座席板は、十分な
強度を有するとともに、乗客に対して安全であることが
当然要求されることから、芯材である鉄板1の表面は、
かなりの厚みのクッション材8で被覆されている。従来
のクッション材としては発泡ポリウレタンが使用されて
いるが、ポリウレタン樹脂は比重が大であること、ある
程度の強度が要求されることから、該発泡ポリウレタン
の発泡倍率は低倍率であり、その結果、座席板の重量が
大となっている。又、上記発泡ポリウレタン樹脂は、発
泡倍率は低いものの、その中に含まれている気泡は連通
気泡であり、雪解け水が内部に滲透するので、その表面
には同様にポリウレタン樹脂塗料等からなる防水皮膜が
形成されている。
強度を有するとともに、乗客に対して安全であることが
当然要求されることから、芯材である鉄板1の表面は、
かなりの厚みのクッション材8で被覆されている。従来
のクッション材としては発泡ポリウレタンが使用されて
いるが、ポリウレタン樹脂は比重が大であること、ある
程度の強度が要求されることから、該発泡ポリウレタン
の発泡倍率は低倍率であり、その結果、座席板の重量が
大となっている。又、上記発泡ポリウレタン樹脂は、発
泡倍率は低いものの、その中に含まれている気泡は連通
気泡であり、雪解け水が内部に滲透するので、その表面
には同様にポリウレタン樹脂塗料等からなる防水皮膜が
形成されている。
【0004】上記従来の座席板の第1の課題は、重量が
非常に大きく、リフトを駆動するエネルギー消費量が大
きいことである。第2には、クッション材の表層に傷が
付くと、その傷から内部に水分が浸透し、凍結及び融解
を繰り返し、着用感が劣るとともに、冬夏の温度差等に
より、クッション材の損傷が速いことである。
非常に大きく、リフトを駆動するエネルギー消費量が大
きいことである。第2には、クッション材の表層に傷が
付くと、その傷から内部に水分が浸透し、凍結及び融解
を繰り返し、着用感が劣るとともに、冬夏の温度差等に
より、クッション材の損傷が速いことである。
【0005】第3には、痛んだ座席板を新品と交換する
際、古い座席はリサイクルが困難であることである。即
ち、従来の発泡ポリウレタンをクッション材としている
座席板は、鉄板1を芯材とし、この芯材を注型用型に装
着し、該型内に2液のポリウレタン原料を注入し、型内
で発泡ポリウレタンを生成させていること、及び芯材で
ある鉄板には芯材の重量を低減するための多数の貫通孔
が設けられており、反応した発泡ポリウレタンは、鉄板
の表面に強固に接着するとともに、これらの貫通孔内に
おいても充填及び反応して連続している。
際、古い座席はリサイクルが困難であることである。即
ち、従来の発泡ポリウレタンをクッション材としている
座席板は、鉄板1を芯材とし、この芯材を注型用型に装
着し、該型内に2液のポリウレタン原料を注入し、型内
で発泡ポリウレタンを生成させていること、及び芯材で
ある鉄板には芯材の重量を低減するための多数の貫通孔
が設けられており、反応した発泡ポリウレタンは、鉄板
の表面に強固に接着するとともに、これらの貫通孔内に
おいても充填及び反応して連続している。
【0006】その結果、座席板が古くなって、新品と交
換する場合、使用済の座席板の鉄板は再利用することが
望ましいが、実際には鉄板と発泡ポリウレタンとを分離
することは極めて困難であり、回収された座席板はその
まま埋め立て等で処理され、貴重な資源である鉄板及び
発泡ポリウレタンの再利用は実現されていない。従っ
て、本発明の目的は、軽量で、耐久性に優れ、且つ使用
後にクッション材が容易に鉄板から脱着可能であって、
鉄板及びクッション材の両方の再利用が容易である座席
板を提供することである。
換する場合、使用済の座席板の鉄板は再利用することが
望ましいが、実際には鉄板と発泡ポリウレタンとを分離
することは極めて困難であり、回収された座席板はその
まま埋め立て等で処理され、貴重な資源である鉄板及び
発泡ポリウレタンの再利用は実現されていない。従っ
て、本発明の目的は、軽量で、耐久性に優れ、且つ使用
後にクッション材が容易に鉄板から脱着可能であって、
鉄板及びクッション材の両方の再利用が容易である座席
板を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明は、芯材としての鉄
板と、該鉄板を被覆しているクッション材とからなる座
席板であって、上記鉄板は、その面内に多数の貫通孔を
有し、上記クッション材が発泡ポリオレフィンからな
り、該鉄板とクッション材とは、鉄板の両面に発泡ポリ
オレフィンからなる板状体を載置して、プレス成形して
一体化されていることを特徴とする座席板を提供する。
によって達成される。即ち、本発明は、芯材としての鉄
板と、該鉄板を被覆しているクッション材とからなる座
席板であって、上記鉄板は、その面内に多数の貫通孔を
有し、上記クッション材が発泡ポリオレフィンからな
り、該鉄板とクッション材とは、鉄板の両面に発泡ポリ
オレフィンからなる板状体を載置して、プレス成形して
一体化されていることを特徴とする座席板を提供する。
【0008】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明
する。図1は、本発明の座席板を構成する鉄板の1例の
平面図であり、図2は、図1のA−A線矢視断面図であ
る。図示のように本発明で使用する鉄板1は、座席板の
補強材であるので、座席板の形状とほぼ相似形である。
該鉄板1は、厚み2〜3mmであって、該鉄板の重量を
軽減するために多数の孔2が設けれている。そして、そ
の2つのコーナー(尻を入れる側)に懸垂用補強材3,
3と、残りの2つのコーナー(尻当て側)に懸垂兼尻当
て用補強材4,4とが設けられている。上記補強材3,
3,4,4には、それぞれ座席を懸垂する鉄棒やワイヤ
ーを固定する孔5が設けられて、上記各補強材はそれぞ
れ鉄板に溶接されている。図示の例は、リフトの座席に
従来から用いられる鉄板の1例であって、本発明はこの
例示の鉄板の使用に限定されないことは勿論である。
する。図1は、本発明の座席板を構成する鉄板の1例の
平面図であり、図2は、図1のA−A線矢視断面図であ
る。図示のように本発明で使用する鉄板1は、座席板の
補強材であるので、座席板の形状とほぼ相似形である。
該鉄板1は、厚み2〜3mmであって、該鉄板の重量を
軽減するために多数の孔2が設けれている。そして、そ
の2つのコーナー(尻を入れる側)に懸垂用補強材3,
3と、残りの2つのコーナー(尻当て側)に懸垂兼尻当
て用補強材4,4とが設けられている。上記補強材3,
3,4,4には、それぞれ座席を懸垂する鉄棒やワイヤ
ーを固定する孔5が設けられて、上記各補強材はそれぞ
れ鉄板に溶接されている。図示の例は、リフトの座席に
従来から用いられる鉄板の1例であって、本発明はこの
例示の鉄板の使用に限定されないことは勿論である。
【0009】図3は、図1及び図2に示した鉄板1をク
ッション材8で被覆して形成した従来の座席板の断面図
である。図示のように従来の座席板は、図1及び図2に
示される鉄板1を、ポリウレタン成形用の注型用型の所
定の位置に固定し、型内にポリオールからなるA液とポ
リイソシアネートからなるB液(A液及び/又はB液中
には必要な触媒及び発泡剤が混入されている)を同時に
注入して、型内で反応及び発泡させ、クッション材とな
る発泡ポリウレタン8を鉄板1の上下及び周囲の全面に
形成している。このように形成されたクッション材8に
は、ある程度の表面強度が要求されていることから、発
泡倍率は低く抑えられている。その結果、得られた座席
板の重量は大となって、従来技術の項で説明した如き課
題を抱えている。
ッション材8で被覆して形成した従来の座席板の断面図
である。図示のように従来の座席板は、図1及び図2に
示される鉄板1を、ポリウレタン成形用の注型用型の所
定の位置に固定し、型内にポリオールからなるA液とポ
リイソシアネートからなるB液(A液及び/又はB液中
には必要な触媒及び発泡剤が混入されている)を同時に
注入して、型内で反応及び発泡させ、クッション材とな
る発泡ポリウレタン8を鉄板1の上下及び周囲の全面に
形成している。このように形成されたクッション材8に
は、ある程度の表面強度が要求されていることから、発
泡倍率は低く抑えられている。その結果、得られた座席
板の重量は大となって、従来技術の項で説明した如き課
題を抱えている。
【0010】更に図3に示すように、上記従来の座席板
の場合には、鉄板1の両面の発泡ポリウレタン8は、鉄
板1の表面に強固に接着し、且つ鉄板1の全ての貫通孔
2内において連続一体化されているので、当該座席板を
新品と交換後に、鉄板1及び発泡ポリウレタン8を再利
用しようとする場合、上記の理由から、鉄板1から発泡
ポリウレタンからなるクッション材8を除去することは
極めて困難である。従って鉄板1の再利用は事実上不可
能であり、又、発泡ポリウレタン8を無理に剥離したと
しても、このポリウレタン8は再利用ができず、焼却処
理すると有害ガスが発生するという課題を抱えている。
尚、図3においては孔5内もポリウレタン樹脂が充填さ
れているように示されているが、使用に際しては該孔内
のポリウレタン樹脂樹脂は除去される。図4以下に示す
本発明の座席板の場合も同様である。
の場合には、鉄板1の両面の発泡ポリウレタン8は、鉄
板1の表面に強固に接着し、且つ鉄板1の全ての貫通孔
2内において連続一体化されているので、当該座席板を
新品と交換後に、鉄板1及び発泡ポリウレタン8を再利
用しようとする場合、上記の理由から、鉄板1から発泡
ポリウレタンからなるクッション材8を除去することは
極めて困難である。従って鉄板1の再利用は事実上不可
能であり、又、発泡ポリウレタン8を無理に剥離したと
しても、このポリウレタン8は再利用ができず、焼却処
理すると有害ガスが発生するという課題を抱えている。
尚、図3においては孔5内もポリウレタン樹脂が充填さ
れているように示されているが、使用に際しては該孔内
のポリウレタン樹脂樹脂は除去される。図4以下に示す
本発明の座席板の場合も同様である。
【0011】本発明は、前記課題を同時に解決するもの
である。即ち、本発明の座席板は図3に示すポリウレタ
ン樹脂8に代えてクッション材として発泡ポリオレフィ
ンを用いた点にある。本発明の座席板は図4に示すよう
に、クッション材8は鉄板1に強固には接着しておら
ず、鉄板の外周の外側においてのみ、上下のクッション
材8,8が接着又は融着している。従って図4に示した
図面上上下のクッション材は接着又は融着している部分
(点線6)のみをカットすることにより、孔2内に点線
7で示した界面で鉄板1から容易に剥離することができ
る。
である。即ち、本発明の座席板は図3に示すポリウレタ
ン樹脂8に代えてクッション材として発泡ポリオレフィ
ンを用いた点にある。本発明の座席板は図4に示すよう
に、クッション材8は鉄板1に強固には接着しておら
ず、鉄板の外周の外側においてのみ、上下のクッション
材8,8が接着又は融着している。従って図4に示した
図面上上下のクッション材は接着又は融着している部分
(点線6)のみをカットすることにより、孔2内に点線
7で示した界面で鉄板1から容易に剥離することができ
る。
【0012】本発明の座席板の構造を、該座席板の製造
を説明する図5〜図6に基づいて更に詳しく説明する。
図5は、本発明の1例の座席板の製造を説明する図であ
り、図中の鉄板1は、図1及び図2に示した鉄板1と同
一である。先ず、鉄板1の上下に発泡ポリオレフィン板
8,8を載置する。この際、クッション層の厚みが不足
する部分については任意の厚み及び幅の発泡ポリオレフ
ィン板8’を挿入する。この状態において上型9及び下
型10からなるプレス成形装置により、図6に示すよう
に鉄板1と発泡ポリオレフィン板8,8,8’との積層
体を加熱プレス成形する。この際、上型9と下型10と
によって形成されるキャビティは、座席板の外寸法と一
致している。図6に示すように上型9と下型10とを加
熱状態にて閉じることにより、発泡ポリオレフィン板
8,8,8’の形状は座席板の外径と同一になり固定さ
れる。両端に余った発泡ポリオレフィン板8,8は、上
型9と下型10の周囲に形成された鋭い爪11によって
切り取られる。
を説明する図5〜図6に基づいて更に詳しく説明する。
図5は、本発明の1例の座席板の製造を説明する図であ
り、図中の鉄板1は、図1及び図2に示した鉄板1と同
一である。先ず、鉄板1の上下に発泡ポリオレフィン板
8,8を載置する。この際、クッション層の厚みが不足
する部分については任意の厚み及び幅の発泡ポリオレフ
ィン板8’を挿入する。この状態において上型9及び下
型10からなるプレス成形装置により、図6に示すよう
に鉄板1と発泡ポリオレフィン板8,8,8’との積層
体を加熱プレス成形する。この際、上型9と下型10と
によって形成されるキャビティは、座席板の外寸法と一
致している。図6に示すように上型9と下型10とを加
熱状態にて閉じることにより、発泡ポリオレフィン板
8,8,8’の形状は座席板の外径と同一になり固定さ
れる。両端に余った発泡ポリオレフィン板8,8は、上
型9と下型10の周囲に形成された鋭い爪11によって
切り取られる。
【0013】この際、型の温度を約60〜200℃と
し、約5〜30分間プレス状態を維持することにより、
上下の発泡ポリオレフィン板8,8は、上下の型9,1
0によって所定の形状に賦形及び固定されるとともに、
型の外周に設けられた爪11の付近では強く圧縮及び加
熱されるので、上下の発泡ポリオレフィン板8,8はそ
の付近では互いに強固に融着し、脱型しても上下の発泡
ポリオレフィン板8,8は分離しない。一方、該融着部
分以外の上下の発泡ポリオレフィン板8,8の界面(図
7に符号7で点線表示)は、プレス成形温度が比較的低
い場合には、接着又は融着している前記外周端部6に比
較して付加される熱量が少ないので互いに接着又は融着
しないが、プレス成形温度を高めに設定することことに
より、上下の発泡ポリオレフィン板8,8は、貫通孔2
内においても剥離可能な程度に互いに接着又は融着す
る。従って、座席板が一定期間使用された後、新品と交
換する際、使用済みの座席板は、発泡ポリオレフィン板
8,8の外周端部の融着部分6を切り離すのみで、発泡
ポリオレフィン板8,8は鉄板1から容易に剥離でき、
従って鉄板1及び発泡ポリオレフィン板8,8の再利用
は容易である。
し、約5〜30分間プレス状態を維持することにより、
上下の発泡ポリオレフィン板8,8は、上下の型9,1
0によって所定の形状に賦形及び固定されるとともに、
型の外周に設けられた爪11の付近では強く圧縮及び加
熱されるので、上下の発泡ポリオレフィン板8,8はそ
の付近では互いに強固に融着し、脱型しても上下の発泡
ポリオレフィン板8,8は分離しない。一方、該融着部
分以外の上下の発泡ポリオレフィン板8,8の界面(図
7に符号7で点線表示)は、プレス成形温度が比較的低
い場合には、接着又は融着している前記外周端部6に比
較して付加される熱量が少ないので互いに接着又は融着
しないが、プレス成形温度を高めに設定することことに
より、上下の発泡ポリオレフィン板8,8は、貫通孔2
内においても剥離可能な程度に互いに接着又は融着す
る。従って、座席板が一定期間使用された後、新品と交
換する際、使用済みの座席板は、発泡ポリオレフィン板
8,8の外周端部の融着部分6を切り離すのみで、発泡
ポリオレフィン板8,8は鉄板1から容易に剥離でき、
従って鉄板1及び発泡ポリオレフィン板8,8の再利用
は容易である。
【0014】上記図7に示す実施例において、プレス成
形温度が比較的低い場合には、発泡ポリオレフィン板
8,8は、それぞれ鉄板1の表面には実質的に融着して
おらず、又、貫通孔2の中でも実質的に融着していな
い。このように発泡ポリオレフィン板8,8が鉄板1の
貫通孔2内において実質的に融着していない場合には、
用途によっては座席板の使用時に発泡ポリオレフィン板
8,8が外側に膨らんだり、ダレたりするという問題が
発生する場合がある。
形温度が比較的低い場合には、発泡ポリオレフィン板
8,8は、それぞれ鉄板1の表面には実質的に融着して
おらず、又、貫通孔2の中でも実質的に融着していな
い。このように発泡ポリオレフィン板8,8が鉄板1の
貫通孔2内において実質的に融着していない場合には、
用途によっては座席板の使用時に発泡ポリオレフィン板
8,8が外側に膨らんだり、ダレたりするという問題が
発生する場合がある。
【0015】上記の問題を解消するには、図示していな
いが、図5において鉄板1とクッション材8,8との間
の少なくとも一方に、任意のサイズの接着シート又はフ
ィルムを全面的又は部分的に挟持させて、前記と同様に
図6に示すように加熱プレス成型を行なう。このように
すると、貫通孔2の領域において2枚の発泡ポリオレフ
ィン板8,8は、接着シートを介して互いに接着するの
で、前記実施例において生じる可能性がある膨らみやダ
レの問題が解消され、同時に従来の発泡ポリウレタンを
用いた場合よりも、発泡ポリオレフィン板と鉄板の接着
が弱いので、クッション材8,8の剥離は容易であり、
発泡ポリオレフィン板8,8の再利用も容易である。
いが、図5において鉄板1とクッション材8,8との間
の少なくとも一方に、任意のサイズの接着シート又はフ
ィルムを全面的又は部分的に挟持させて、前記と同様に
図6に示すように加熱プレス成型を行なう。このように
すると、貫通孔2の領域において2枚の発泡ポリオレフ
ィン板8,8は、接着シートを介して互いに接着するの
で、前記実施例において生じる可能性がある膨らみやダ
レの問題が解消され、同時に従来の発泡ポリウレタンを
用いた場合よりも、発泡ポリオレフィン板と鉄板の接着
が弱いので、クッション材8,8の剥離は容易であり、
発泡ポリオレフィン板8,8の再利用も容易である。
【0016】使用する接着シートとしては、両面粘着シ
ート、ポリエチレンに対して接着性が良好な低密度ポリ
エチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビ
ニル、低融点ポリアミド等の熱可塑性樹脂からなるシー
ト又はフィルムが使用される。これらの接着シートの厚
みは任意であり、例えば、10μm〜0.5mm程度の
厚みでよい。
ート、ポリエチレンに対して接着性が良好な低密度ポリ
エチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビ
ニル、低融点ポリアミド等の熱可塑性樹脂からなるシー
ト又はフィルムが使用される。これらの接着シートの厚
みは任意であり、例えば、10μm〜0.5mm程度の
厚みでよい。
【0017】図7には、一体化した発泡ポリオレフィン
板8の表面に外皮12を設けた実施例が示されている。
この外皮12は図5に示す工程において、それぞれの発
泡ポリオレフィン板8,8と上下の型9,10との間
に、それぞれ外皮12を構成するシート又はフィルムを
設置して、図6に示すようにプレス成形することによっ
て形成される。この外皮12は加熱プレス時の熱によっ
て発泡ポリオレフィン板8,8の全面に融着する。外皮
12の材料として、耐熱性及び強度に優れた熱可塑性の
樹脂シート、又は熱可塑性樹脂を含浸させた織布、編布
又は不織布を使用することができる。例えば、エバター
ポリンの商品名で(株)双葉商会から市販されているナ
イロン織布にエチレン−酢酸ビニル共重合体を含浸させ
たシート等が好適に使用できる。これらの外皮シート1
2は任意の色調に着色されたものでもよく、任意の絵柄
が印刷されたものであってもよい。
板8の表面に外皮12を設けた実施例が示されている。
この外皮12は図5に示す工程において、それぞれの発
泡ポリオレフィン板8,8と上下の型9,10との間
に、それぞれ外皮12を構成するシート又はフィルムを
設置して、図6に示すようにプレス成形することによっ
て形成される。この外皮12は加熱プレス時の熱によっ
て発泡ポリオレフィン板8,8の全面に融着する。外皮
12の材料として、耐熱性及び強度に優れた熱可塑性の
樹脂シート、又は熱可塑性樹脂を含浸させた織布、編布
又は不織布を使用することができる。例えば、エバター
ポリンの商品名で(株)双葉商会から市販されているナ
イロン織布にエチレン−酢酸ビニル共重合体を含浸させ
たシート等が好適に使用できる。これらの外皮シート1
2は任意の色調に着色されたものでもよく、任意の絵柄
が印刷されたものであってもよい。
【0018】以上の実施例で使用した鉄板1は、厚み約
2.0mmであり、長辺の長さが42cm、短辺の長さ
が31cmであり、直径5mmの孔が多数形成され、図
1及び2に示す形状の補強材3,3,4,4を有してい
る。勿論、このサイズは1例であり、本発明はこれらの
サイズ及び形状に限定されない。又、使用した発泡ポリ
オレフィン板は上側(着座面)が厚み15mm、裏面が
厚み60mmで、ともに発泡倍率25倍の発泡ポリエチ
レンシートである。この発泡ポリオレフィン板は図5に
示したように、プレス成形後には上側の厚み約5mm、
下側の厚み21mmとなり、ともに発泡倍率8倍となっ
ていた。尚、鉄板1の外周外側部分6では発泡ポリオレ
フィン板8,8が互いに十分に接着又は融着していた。
2.0mmであり、長辺の長さが42cm、短辺の長さ
が31cmであり、直径5mmの孔が多数形成され、図
1及び2に示す形状の補強材3,3,4,4を有してい
る。勿論、このサイズは1例であり、本発明はこれらの
サイズ及び形状に限定されない。又、使用した発泡ポリ
オレフィン板は上側(着座面)が厚み15mm、裏面が
厚み60mmで、ともに発泡倍率25倍の発泡ポリエチ
レンシートである。この発泡ポリオレフィン板は図5に
示したように、プレス成形後には上側の厚み約5mm、
下側の厚み21mmとなり、ともに発泡倍率8倍となっ
ていた。尚、鉄板1の外周外側部分6では発泡ポリオレ
フィン板8,8が互いに十分に接着又は融着していた。
【0019】本発明の座席板は、従来のものに比べて著
しく軽量であり、リフトの座席板として使用した場合、
座席板の重さに基づき発生するエネルギー消費が著しく
軽減されるという効果がある。又、本発明で使用する発
泡ポリオレフィン板の気泡は独立気泡であり、水分がク
ッション材中に浸透することがなく、従って耐久性にも
優れている。
しく軽量であり、リフトの座席板として使用した場合、
座席板の重さに基づき発生するエネルギー消費が著しく
軽減されるという効果がある。又、本発明で使用する発
泡ポリオレフィン板の気泡は独立気泡であり、水分がク
ッション材中に浸透することがなく、従って耐久性にも
優れている。
【0020】以上に説明した発泡ポリオレフィン板は、
発泡ポリエチレン板であるが、発泡ポリオレフィン板と
して発泡ポリプロピレン等の他の発泡ポリオレフィン板
を使用できることは当然である。又、発泡ポリオレフィ
ン板の厚み、発泡倍率等も上記実施例に限定されず、例
えば、発泡ポリオレフィン板の厚みは約1〜20cm、
プレス成型前の発泡倍率は約3〜40の範囲で、プレス
成型後の発泡倍率は2〜15倍が好適である。
発泡ポリエチレン板であるが、発泡ポリオレフィン板と
して発泡ポリプロピレン等の他の発泡ポリオレフィン板
を使用できることは当然である。又、発泡ポリオレフィ
ン板の厚み、発泡倍率等も上記実施例に限定されず、例
えば、発泡ポリオレフィン板の厚みは約1〜20cm、
プレス成型前の発泡倍率は約3〜40の範囲で、プレス
成型後の発泡倍率は2〜15倍が好適である。
【0021】尚、以上の説明は、主にスキー場のリフト
の座席板について説明したが、本発明の座席板は、飛行
場、港、遊園地、動物園、水族館、映画館、野球場等の
各種スポーツ、芸能、博覧会等の催しものの会場等のベ
ンチ等の座席板としても有用である。
の座席板について説明したが、本発明の座席板は、飛行
場、港、遊園地、動物園、水族館、映画館、野球場等の
各種スポーツ、芸能、博覧会等の催しものの会場等のベ
ンチ等の座席板としても有用である。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、軽量であることから、
スキー場のリフトに使用した場合、エネルギー効率に優
れている。又、使用したクッション材が独立気泡の発泡
ポリオレフィンであることから、屋外で使用される場合
にも、クッション材への水分の滲透がなく耐久性に優れ
ている。又、使用後にクッション材が容易に鉄板から脱
着可能であって、鉄板及びクッション材の再利用が容易
である。例えば、回収した鉄板は、再度そのまま座席板
の芯材として使用され、一方、クッション材である発泡
ポリオレフィンは、各種成型物の成形原料として使用で
きる。
スキー場のリフトに使用した場合、エネルギー効率に優
れている。又、使用したクッション材が独立気泡の発泡
ポリオレフィンであることから、屋外で使用される場合
にも、クッション材への水分の滲透がなく耐久性に優れ
ている。又、使用後にクッション材が容易に鉄板から脱
着可能であって、鉄板及びクッション材の再利用が容易
である。例えば、回収した鉄板は、再度そのまま座席板
の芯材として使用され、一方、クッション材である発泡
ポリオレフィンは、各種成型物の成形原料として使用で
きる。
【図1】 本発明で使用する鉄板の平面図。
【図2】 図1のA−A線矢視断面図。
【図3】 従来の座席板を説明する図。
【図4】 本発明の座席板を説明する図。
【図5】 本発明の座席板の製造方法を説明する図。
【図6】 本発明の座席板の製造方法を説明する図。
【図7】 本発明の他の実施例の座席板の断面図。
1:鉄板
2:貫通孔
3:補強材
4:補強材
5:孔
6:接着又は融着している部分
7:界面
8,8’:クッション材
9:上型
10:下型
11:爪
12:外皮
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI
B32B 31/20 B32B 31/20
Claims (6)
- 【請求項1】 芯材としての鉄板と、該鉄板を被覆して
いるクッション材とからなる座席板であって、上記鉄板
は、その面内に多数の貫通孔を有し、上記クッション材
が発泡ポリオレフィンからなり、該鉄板とクッション材
とは、鉄板の両面に発泡ポリオレフィンからなる板状体
を載置して、プレス成形して一体化されていることを特
徴とする座席板。 - 【請求項2】 発泡ポリオレフィンが、発泡ポリエチレ
ン又は発泡ポリプロピレンである請求項1に記載の座席
板。 - 【請求項3】 発泡ポリオレフィンのプレス成形前の発
泡倍率が3〜40倍であり、プレス成形後の発泡倍率が
2〜15倍である請求項1に記載の座席板。 - 【請求項4】 鉄板の両面に設けられた発泡ポリオレフ
ィンが、鉄板の表面には融着しておらず、鉄板の外周外
側において接着又は融着している請求項1に記載の座席
板。 - 【請求項5】 発泡ポリオレフィンの表面が、熱可塑性
樹脂層、又は熱可塑性樹脂を含浸させた織布、編布又は
不織布によって一体的に被覆されている請求項1に記載
の座席板。 - 【請求項6】 スキー場のリフトの座席用である請求項
1に記載の座席板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000135115A JP3377193B2 (ja) | 2000-05-08 | 2000-05-08 | 座席板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000135115A JP3377193B2 (ja) | 2000-05-08 | 2000-05-08 | 座席板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001314266A JP2001314266A (ja) | 2001-11-13 |
JP3377193B2 true JP3377193B2 (ja) | 2003-02-17 |
Family
ID=18643260
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000135115A Expired - Fee Related JP3377193B2 (ja) | 2000-05-08 | 2000-05-08 | 座席板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3377193B2 (ja) |
-
2000
- 2000-05-08 JP JP2000135115A patent/JP3377193B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001314266A (ja) | 2001-11-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7507133B2 (en) | Foam deck composite surfboard | |
EP0569456B1 (en) | Process for manufacturing a padded element | |
US4372900A (en) | Method of forming reinforced foam structure | |
JPH04241915A (ja) | 多層成形品の製造方法 | |
GB1450074A (en) | Cryogenic insulating materials | |
JP3377193B2 (ja) | 座席板 | |
JPH054291A (ja) | 発泡・熱膨張性ウエブの製造方法 | |
JPH04185428A (ja) | 車輌用内装材とその製造方法 | |
US6746774B1 (en) | Leather and process for its production | |
CN206551581U (zh) | 拼接地垫 | |
JPH0740484A (ja) | 内装基材 | |
JP2553206B2 (ja) | 軽量複合成形物の製造方法 | |
JP2753636B2 (ja) | 車輛用内装材とその製造方法 | |
JP3385261B2 (ja) | 改札通路の開閉板 | |
JP2003250666A (ja) | スプリング構造樹脂成形品から成るクッション材及びその製造方法 | |
JP2733821B2 (ja) | 成形品の製造方法 | |
JPS6345286B2 (ja) | ||
JP4011367B2 (ja) | スプリング構造樹脂成形品から成るクッション材の製造方法 | |
JPH0342217A (ja) | 板状プレス成形品の製造方法 | |
JPH0218038A (ja) | 内装複合パネル基材原反及びパネル | |
JPS621816B2 (ja) | ||
JPH03218792A (ja) | 座席用シートクッション材及びその製造方法 | |
JP3114881B2 (ja) | 自動車用フロアカーペットの製造方法 | |
JPH034269Y2 (ja) | ||
JPH04298309A (ja) | ウレタンバッキングカ−ペットの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |