JP3376479B2 - 縮合ピリミジン誘導体、その製造法および用途 - Google Patents

縮合ピリミジン誘導体、その製造法および用途

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JP3376479B2
JP3376479B2 JP21414292A JP21414292A JP3376479B2 JP 3376479 B2 JP3376479 B2 JP 3376479B2 JP 21414292 A JP21414292 A JP 21414292A JP 21414292 A JP21414292 A JP 21414292A JP 3376479 B2 JP3376479 B2 JP 3376479B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は抗腫瘍剤として有用な新
規縮合ピリミジン誘導体、その製造法および用途に関す
る。
【0002】
【従来の技術】葉酸およびその関連化合物は、生体内に
おけるギ酸やホルムアルデヒドなどに由来するC1単位
の運搬体として、核酸生合成系、アミノ酸・ペプチド代
謝系およびメタン生成系などの各種酵素反応の補酵素の
役割を担っている。特に、核酸生合成系においては、2
つの経路すなわちプリン合成系並びにチミジン合成系に
おけるC1単位の代謝・転移反応に必須である。通常、
葉酸がその生物活性を発揮するためには、2段階に還元
を受け活性補酵素型に変換されなくてはならない。その
第2段階を支配する酵素(ジヒドロ葉酸還元酵素:DH
FR)と強く結合し、ジヒドロ葉酸からテトラヒドロ葉
酸への還元を抑制する薬物としてアメソプテリン(メソ
トレキサート:MTX)およびその周辺化合物が知られ
ている。これら薬物はDNA合成に障害を与え、結果と
して細胞死を招来するため、白血病を中心とした治療薬
として、臨床上、重要な地位を占めている。さらに、生
化学分野、特に癌研究における葉酸関連分野の目覚まし
い進展に伴い、新規なDHFR阻害剤である10−デア
ザアミノプテリン系抗腫瘍剤(10-エチル-10-デアザア
ミノプテリン:10−EDAM)〔エヌ・シー・アイ・
モノグラフ(NCI Monograph) 5, 127 (1987)〕あるい
はアミノプテロイル系オルニチン誘導体(N(α)-(4-ア
ミノ-4-デオキシプテロイル)-N(δ)-ヘミフタロイル-L
-オルニチン:PT523)〔公表特許公報:平2−5
02095〕、および、DHFRとは異なる酵素を標的
とした拮抗阻害剤、すなわち、グリシンアミド・リボヌ
クレオチド・トランスホルミラーゼ阻害を主作用機序と
する5−デアザテトラヒドロ葉酸系抗腫瘍剤(5,10-ジ
デアザ-5,6,7,8-テトラヒドロ葉酸:DDATHF)
〔ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリィ(Jou
rnal of Medicinal Chemistry)28, 914 (1985)〕あ
るいはチミジル酸合成酵素阻害を主 作用機序とするキ
ナゾリン系抗腫瘍剤(2-デスアミノ-2-メチル-10-プロ
パルギ ル-5,8-ディデアザフォーレート:DMPDD
F)〔ブリティシュ・ジャーナル・オブ・キャンサー(B
ritish Journal of Cancer) 58, 241(1988)〕など
も報 告されている。しかしながら、これらすべての化
合物は6員環と6員環との縮合環(6−6縮合環)を基
本骨格とした複素環化合物群の範疇を出ていない。一
方、6員環と6員環との縮合環ではなく、6員環と5員
環とから形成される縮合環(6−5縮合環)、すなわ
ち、ピロロ〔2,3-d〕ピリミジン環を基本骨格とする 葉
酸拮抗剤にも優れた抗腫瘍活性の存在することが報告さ
れているが、このピロロ〔2,3-d〕ピリミジン誘導体は
末端側鎖にグルタミン酸部分の存在が必須条件 として
記載されている〔USP4,997,838、EP-A-400,562、EP-A-4
02,903、EP-A-418,924、EP-A-431,953、EP-A-434,426、E
P-A-438,261およびUSP4,996,206〕。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】現在、癌の治療分野に
おいて特に要望されていることは、癌細胞に対して高選
択毒性を示しかつ優れた治療効果を有する新しい作用機
序に基づく薬剤の創製である。ジヒドロ葉酸還元酵素の
阻害を主作用機序としたMTXは、現在、臨床で広く使
用されているが、比較的毒性が強くかつ固形癌に対して
あまり効果がないなど充分満足すべき治療結果を挙げて
いない。さらに、MTXに対する獲得耐性も大きな問題
になって来ている。MTXの耐性機序としては、DHF
Rレベルの上昇、細胞膜薬物輸送能の低下、葉酸ポリグ
ルタメート合成酵素(FPGS)レベルの低下などがあ
る。これら耐性要因のうち少なくともひとつ以上を克服
することにより、MTX耐性癌に対しても優れた治療効
果を示す薬剤の開発が期待されている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記事情
に鑑み鋭意研究を積み重ねた結果、基本骨格の複素環と
して6−5縮合環を有し、かつ末端側鎖にグルタミン酸
由来の2つの共存するカルボキシ基を有しない新規縮合
ピリミジン誘導体が、葉酸およびその関連化合物の関与
する1つ以上の葉酸関連酵素反応を阻害し、各種腫瘍細
胞(特にヒト肺ガン細胞など)に対して高い選択毒性を
有するとともに、MTX耐性をも克服して優れた治療効
果を示すことを見い出し本発明を完成した。
【0005】すなわち本発明は、(1)式
【化11】 〔式中、A環は水素化されていてもよい5員環であっ
て、置換基を有していてもよく、Bは置換基を有してい
てもよい2価の5または6員の同素または複素環基を、
Xはアミノ基、ヒドロキシ基またはメルカプト基を、Y
は水素原子、ハロゲン原子、または炭素、窒素、酸素も
しくは硫黄原子を介する基を、Zは置換基を有していて
もよく、鎖状部に1個のヘテロ原子が介在していてもよ
い直列する5個を超えない鎖構成原子をもつ2価の脂肪
族基を、Wは で表される基(Rは水素原子または置換基を有していて
もよいC1-4炭化水素基 3員環を形成していてもよい)を、R1は置換基を有し
ていてもよい環状または鎖状基を、COOR2はエステ
ル化されていてもよいカルボキシ基を、pは1ないし4
の整数を示す。ただし、−W−R1が式
【0006】
【化12】 (COOR16およびCOOR17は同一または異なってエ
ステル化されていてもよいカルボキシ基を、nは1ない
し5の整数を示す)で表される基を示す時、pは1、3
または4を示す。〕で表される化合物またはその塩、
(2)式
【化13】 〔式中、A環は水素化されていてもよい5員環であっ
て、置換基を有していてもよく、Bは置換基を有してい
てもよい2価の5または6員の同素または複素環基を、
Xはアミノ基、ヒドロキシ基またはメルカプト基を、Y
は水素原子、ハロゲン原子、または炭素、窒素、酸素も
しくは硫黄原子を介する基を、Zは置換基を有していて
もよく、鎖状部に1個のヘテロ原子が介在していてもよ
い直列する5個を超えない鎖構成原子をもつ2価の脂肪
族基を示す。〕で表される化合物またはその塩もしくは
カルボキシ基における反応性誘導体と、式
【0007】
【化14】 〔式中、Wは で表される基(Rは水素原子または置換基を有していて
もよいC1-4炭化水素基 3員環を形成していてもよい)を、R1は置換基を有し
ていてもよい環状または鎖状基を、COOR2はエステ
ル化されていてもよいカルボキシ基を、pは1ないし4
の整数を示す。ただし、−W−R1が式
【0008】
【化15】 (COOR16およびCOOR17は同一または異なってエ
ステル化されていてもよいカルボキシ基を、nは1ない
し5の整数を示す)で表される基を示す時、pは1、3
または4を示す。〕で表される化合物またはその塩とを
反応させることからなる第(1)項記載の化合物の製造
法、(3)第(1)項記載の化合物を含有する抗腫瘍性
組成物、(4)p=2、W=−CO−NH−の時、R1
は置換基を有していてもよい環状基である第(1)項記
載の化合物、(5)
【化16】 〔式中、m1は1ないし5の整数を、他の記号は第
(1)項記載と同意義を示す。〕で表される第(1)項
記載の化合物、(6)R1が置換されていてもよいフェ
ニル基である第(5)項記載の化合物、(7)
【化17】 (8)R1が置換されていてもよいナフチル基である第
(5)項記載の化合物、
【0009】(9)
【化18】 (10)
【化19】 〔式中、m4は1ないし5の整数を、他の記号は第
(1)項記載と同意義を示す。〕で表わされる第(1)
項記載の化合物、(11)R1が置換されていてもよい
フェニル基である第(10)項記載の化合物、および
(12)
【化20】 (13)R1が置換されていてもよいテトラゾリル基で
ある第(10)項記載の化合物に関するものである。
【0010】上記式中、化合物(I)および(II)はそ
の互変異性体との平衡混合物として存在することができ
る。下記に、互変異性可能な部分構造式を掲げ、それら
の間の平衡関係を示す。
【化21】 表示の便宜上、本明細書全般にわたって、アミノ型、ヒ
ドロキシ型およびメルカプト型が記載されそれに相当す
る命名法が採用されているが、いずれの場合においても
互変異性体であるイミノ型、オキソ型およびチオキソ型
をも含むものとする。また、本発明化合物(I)、(I
I)および(III)には複数の不斉中心の存在が可能であ
るが、(I)および(III)における部分構造式
【化22】 の絶対配置がS(L)である以外、その他の不斉中心の
絶対配置はS、R、あるいRSの混合物いずれであって
もよい。この場合、複数のジアステレオアイソマーが存
在するが必要とあれば通常の分離精製手段により容易に
分離することが出来る。このようにして分離することが
出来る上記総てのジアステレオアイソマーは本発明の範
囲内に属する。
【0011】上記式中、A環で示される水素化されてい
てもよい5員環の5員環としては、炭素原子あるいは炭
素原子と1個のヘテロ原子(例えば、オキシド化されて
いてもよい窒素原子、酸素原子あるいはオキシド化され
ていてもよい硫黄原子など)とから構成される5員環な
どが用いられる。このような水素化されていてもよい5
員環としては、例えばシクロペンタジエン、シクロペン
テン、フラン、ジヒドロフラン、チオフェン、ジヒドロ
チオフェン、チオフェン−1−オキシド、ジヒドロチオ
フェン−1−オキシド、チオフェン−1,1−ジオキシ
ド、ジヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド、ピロー
ル、ピロリンなどが用いられる。なかでも、ピロール、
フラン、チオフェンなどが繁用される。これらの5員環
は可能な位置に1ないし2個の置換基を有していてもよ
く、かかる置換基の例としては、例えば炭素数1ないし
4のアルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、iso-
プロピル基)、炭素数2ないし4のアルケニル基(例、
ビニル、1−メチルビニル、1−プロペニル、アリル、
アレニル基)、炭素数2ないし4のアルキニル基(例、
エチニル、1−プロピニル、プロパルギル基)、C3-8
シクロアルキル基(例、シクロプロピル基)、ハロゲン
原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、炭素数1な
いし4のアルカノイル基(例、ホルミル、アセチル、プ
ロピオニル、ブチリル、イソブチリル基)、ベンゾイル
基、置換ベンゾイル基(例、p−クロロベンゾイル、p
−メトキシベンゾイル、3,4,5−トリメトキシベン
ゾイル基などのハロゲノベンゾイルまたはモノー,ジ−
またはトリ−C1-4 アルコキシベンゾイル)、シアノ
基、カルボキシ基、カルバモイル基、ニトロ基、ヒドロ
キシ基、ヒドロキシ−C1-4アルキル基(例、ヒドロキ
シメチル基、ヒドロキシエチ ル基)、C1-4アルコキシ
−C1-4アルキル基(例、メトキシメチル基、エトキシ
メチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基)、炭
素数1ないし4のアルコキシ基(例、メトキシ、エトキ
シ、プロポキシ基)、メルカプト基、炭素数1ないし4
のアルキルチオ基(例、メチルチオ、エチルチオ、プロ
ピルチオ基)、アミノ基モノ−またはジ−C1-4アルキ
ルアミノ基(例、メチルアミノ、 エチルアミノ、ジメ
チルアミノ、ジエチルアミノ基)、炭素数1ないし4の
アルカノイルアミノ基(例、ホルムアミド、アセタミド
基)などが用いられる。A環がピロールまたはピロリン
環である場合、Nに置換していてもよい置換基として
は、上述の炭素数1ないし4のアルキル基、炭素数2な
いし4のアルケニル基、炭素数2ないし4のアルキニル
基、C3-6シクロアルキル基、炭素数1ないし4 のアル
カノイル基、ベンゾイル基、置換ベンゾイル基、ヒドロ
キシ−C1-4アルキル基、 C1-4アルコキシ−C1-4アル
キル基(特にメトキシエチル基、エトキシエチル基)な
どのほかフェニル基、置換フェニル基(例、p−クロロ
フェニル、p−メトキシフェニル、3,4,5−トリメ
トキシフェニル基などのハロゲノフェニルまたはモノ
−,ジ−またはトリ−C1-4アルコキシフェニル)、ベ
ンジル基あるい は置換ベンジル基(例、p−クロロベ
ンジルなどのハロゲノベンジル、p−メトキシベンジル
などのC1-4アルコキシベンジル、ジフェニルメチル
基)などが用 いられる。
【0012】A環とZとの結合は可能な位置のいずれで
結合していてもよく、またA環がピロールおよびピロリ
ン環の場合にはN部分でZと結合していてもよい。Bは
置換基を有していてもよい2価の5または6員の同素環
または複素環基を示す。Bで示される同素環基として
は、例えば2価の5または6員環状炭化水素基などが用
いられ、このような炭化水素基としては、例えば5また
は6員の環状脂肪族炭化水素基(例、シクロペンチレ
ン、シクロヘキシレン、1,3−または3,5−シクロ
ペンタジエン−1,3−イレン、シクロペンテン−
(1,3−、1,4−あるいは3,5−)イレン、シク
ロペンタン−1,3−イレン、フェニル−(1,3−ま
たは1,4−)イレン、シクロヘキサン−(1,3−ま
たは1,4−)イレン、シクロヘキセン−(1,3−、
1,4−、1,5−、3,5−あるいは3,6−)イレ
ン、1,3−シクロヘキサジエン−(1,3−、1,4
−、1,5−、2,4−、2,5−あるいは2,6−)
イレン、1,4−シクロヘキサジエン−(1,3−、
1,4−あるいは1,5−)イレン、またはフェニレン
(1,2−フェニレン、1,3−フェニレン、1,4−
フェニレン)などが、特に1,4−フェニレンなどが繁
用される。
【0013】Bで示される複素環基としては、環中に例
えば1ないし3個のヘテロ原子(例えば、N,O,Sな
ど)を含んでいる2価の5員または6員複素環基などが
用いられ、2個の結合手は環中の隣合わない位置から出
ているのが好ましい。Bで示される該2価の5員の複素
環基としては、例えばチオフェン−(2,4−、2,5
−あるいは3,4−)イレン、フラン−(2,4−、
2,5−あるいは3,4−)イレン、ピロール−(1,
3−、2,4−、2,5−あるいは3,4−)イレン、
チアゾール−(2,4−または2,5−)イレン、イミ
ダゾール−(1,4−、2,4−あるいは2,5−)イ
レン、チアジアゾール−2,5−イレンあるいはそれら
の部分還元型(多重結合の1部分が還元されたもの)も
しくは完全還元型化合物(多重結合のすべてが還元され
たもの)などが用いられ、該2価の6員の複素環基とし
ては、例えばピリジン−(2,4−、2,5−、2,6
−あるいは3,5−)イレン、ピラン−(2,4−、
2,5−、2,6−、3,5−、3,6−あるいは4,
6−)イレン、ピラチン−(2,5−または2,6−)
イレン、ピリミジン−(2,4−または2,5−)イレ
ン、ピリダチン−3,5−イレンあるいはそれらの部分
還元型もしくは完全還元型化合物などが用いられる。B
の特に好ましい例としては、例えばフェニル−1,4−
イレン、チオフェン−2,5−イレン、チアゾール−
2,5−イレンおよびピリジン−2,5−イレンなどで
ある。Bで示される2価の5または6員の同素または複
素環基は置換可能な位置に1ないし2個の置換基を有し
ていてもよい。該置換基としては、例えば、炭素数1な
いし4のアルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、
iso-プロピル基)、炭素数2ないし4のアルケニル基
(例、ビニル、1-メチルビニル、1-プロペニル、アリー
ル、アレニル基)、炭素数2ないし4のアルキニル基
(エチニル、1-プロピニル、プロパルギル基)、C3-8
シクロアルキル基(例、シクロプロピル基)、ハロゲン
原子(例、塩素、臭素、フッ素、ヨウ素)、ヒドロキシ
基、C1-4アルコキシ基(例、メトキシ基)、ジ−C1-4
アルキルアミノ基(例、ジメチルアミノ基)、ハロゲノ
−C1-4アルキル基(例、トリフルオロメチル基)、オ
キソ基、C1-4アシル基(例、ホルミル基)、C1-4アル
コキシ−C1-4アルキル基(例、メトキシメチル、2−
エトキシエチル基)などが用いられる。なかでも、例え
ばハロゲン原子(例えば、塩素、臭素、フッ素、ヨウ素
など)などが繁用される。
【0014】Xは、アミノ基、ヒドロキシ基またはメル
カプト基を示す。特に、アミノ基、ヒドロキシ基が繁用
される。Yは、水素原子、ハロゲン原子または炭素原
子、窒素原子、酸素原子もしくは硫黄原子を介する基を
示す。Yで示されるハロゲン原子としては、フッ素、塩
素、臭素あるいはヨウ素が用いられる。Yで示される炭
素、窒素、酸素もしくは硫黄原子を介する基としては、
シアノ基、カルボキシ基、カルバモイル基、アミノ基、
ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、例えば炭素数
1ないし4のアルキル基(例、メチル、エチル、プロピ
ル、iso-プロピル基),炭素数2ないし4のアルケニル
基(例、ビニル、1-メチルビニル、1-プロペニル、アリ
ル、アレニル基),炭素数2ないし4のアルキニル基
(例、エチニル、1-プロピニル、プロパギル基)および
3-8シクロアルキル基(例、シクロプロピル基)など
の低級炭化水素基、C6-10アリー ル基(例、フェニル
基、ナフチル基)、例えばN,S,Oなどのヘテロ原子
を1ないし4個含んでいてよい5または6員の複素環基
(例、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、テニル、
フリル、チアゾリル、チアジアゾリル、オキサゾリル、
オキサジアゾリル、ピリジル、ピラニル、ピラチニル、
ピリミジニル、ピリダチニルあるいはそれらの部分還元
型もしくは完全還元型の基、ジオキソラニル、ピペリジ
ノ、モルホリノ、N−メチルピペラジニル、N−エチル
ピペラジニル、ジオキサニル)などが用いられる。Yが
低級炭化水素基、C6-10アリール基または5または6員
の複素環基である場合、1ないし2個の置換基を有して
いてもよく、かかる置換基としては、例えば、炭素数1
ないし4のアルキル基(例、メチル、エチル、プロピ
ル、iso-プロピル基)、炭素数2ないし4のアルケニル
基(例、ビニル、1-メチルビニル、1-プロペニル、アリ
ル、アレニル基)、炭素数2ないし4のアルキニル基
(例、エチニル、1-プロピニル、プロパルギル基)また
はC3-8(例、シクロプロピル基)などのほか、ハロゲ
ン原子(例、フッ素)、ヒドロキシ基、オキソ基、C
1-4アルコキシ基(例、メトキシ基)、ジ−C1-4アルキ
ルアミノ基(例、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ
基)、ハロゲノ−C1-4アルキル基(例、トリフルオロ
メチル基)、C1-4アシル基(例、ホルミル基)、ヒド
ロキシ− C1-4アルキル基(例、ヒドロキシメチル、2
−ヒドロキシエチル基)、C1-4アルコキシ−C1-4アル
キル基(例、トキシメチル、2−エトキシエチル基)な
ど が用いられる。Yで示される炭素、窒素、酸素もし
くは硫黄原子を介する基としては、さらにアルコキシ
基、アルキルチオ基、アルキルカルボニルアミノ基また
はアルキルカルボニルオキシ基であってもよく、これら
の基のアルキル部分としては、Yで示される上記低級炭
化水素基で詳述されている基などがそのまま用いられ、
アリールオキシ基、アリールチオ基、アロイルアミノ
基およびアロイルオキシ基であってもよく、これらの基
のアリール部分としてはフェニル基、ナフチル基などが
用いられ、複素環オキシ基、複素環チオ基、複素環カ
ルボニルアミノ基および複素環カルボニルオキシ基でも
よく、これらの基の複素環部分としては、Yで示される
上記5または6員の複素環基で示された基などがそのま
ま用いられ、またはモノ置換およびジ置換アミノ基の
ような置換アミノ基でもよく、置換基部分としてはYで
示される前述の低級炭化水素基、アリール基、または5
または6員の複素環基などがそのまま用いられる。Yと
しては、例えばアミノ基などが繁用される。
【0015】Zは、置換基を有していてもよく、鎖状部
に1個のヘテロ原子(例えば、窒素原子、酸素原子、硫
黄原子など)が介在していてもよい直列する5個を超え
ない鎖構成原子をもつ2価の脂肪族基を示す。直列する
5個を超えない鎖構成原子をもつ2価の脂肪族基として
は、例えばメチレン、エチレン、トリメチレン、テトラ
メチレン、ペンタメチレン基などのC1-5アルキレン
基、例えばビニレン、プロペ ニレン、1−または2−
ブテニレン、ブタジエニレン、1−または2−ペンテニ
レン、1,3−または1,4−ペンタジエニレン基など
のC2-5アルケニレン基、例えばエチニレン、1−また
は2−プロピニレン、1−または2−ブチニレン、1
−、2−または3−ペンチニレン基などのC2−5アル
キニレン基が用いられる。また、置換基を有していても
よく、鎖状部に1個のヘテロ原子が介在する直列する5
個を超えない鎖構成原子をもつ2価の脂肪族基としては
式−Z1−Z2−Z3−〔式中、Z1およびZ3は同一また
は異なって結合手または置換基を有していてもよい炭素
数1ないし4個の2価の低級炭化水素基(但し、Z1
3の炭素数の合計は1ないし4個である)を、−Z2
は−O−、式−S(O)n1 (式中、R4は水素原子または置換基を有していてもよ
い低級炭化水素基を示す)を示す。〕で表される基が用
いられる。Z1およびZ3で表される置換基を有していて
もよい2価の低級炭化水素基における2価の低級炭化水
素基としては、例えばメチレン、エチレン、トリメチレ
ン、テトラメチレンなどのC1-4アルキレン 基、例えば
ビニレン、プロペニレン、1−または2−ブテニレン、
ブタジエニレンなどのC2-4アルケニレン基、例えばエ
チニレン、1−または2−プロピニレ ン、1−または
2−ブチニレンなどのC2-4アルキニレン基が用いら
れ、R4で表される置換基を有していてもよい低級炭化
水素基における低級炭化水素基としては、炭素数1ない
し4のアルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、is
o-プロピル基)、炭素数2ないし4のアルケニル基
(例、ビニル、1-メチルビニル、1-プロペニル、アリ
ル、アレニル基)、炭素数2ないし4のアルキニル基
(例、エチニル、1-プロピニル、プロパルギル基)、C
3-8シクロアルキル基(例、シク ロプロピル基)などが
用いられる。Zで示される直列する5個を超えない鎖構
成原子をもつ2価の脂肪族基、Z1とZ3で示される2価
の低級炭化水素基およびR4 の低級炭化水素基は、1な
いし2個の置換基を有していてもよく、かかる置換基と
しては、例えば、炭素数1ないし4のアルキル基(例、
メチル、エチル、プロピル、iso-プロピル基)、炭素数
2ないし4のアルケニル基(例、ビニル、1-メチルビニ
ル、1-プロペニル、アリル、アレニル基)、炭素数2な
いし4のアルキニル基(例、エチニル、1-プロピニル、
プロパルギル基)またはC3- 8シクロ アルキル基(例、
シクロプロピル基)などのほか、ハロゲン原子(例、フ
ッ素)、ヒドロキシ基、オキソ基、C1-4アルコキシ基
(例、メトキシ基)、ジ−C1-4アルキルアミノ基
(例、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ基)、ハロゲノ
−C1-4アルキル基(例、トリフルオロメチル基)、C
1-4アシル基(例、ホルミル、アセチル基)、ヒドロキ
シ−C1-4アルキル基(例、ヒドロキシメチル、2−ヒ
ド ロキシエチル基)、C1-4アルコキシ−C1-4アルキ
ル基(例、メトキシメチル、2−エトキシエチル基)、
1-4アルコキシ−カルボニル基(例、メトキシカル ボ
ニル、エトキシカルボニル、n-プロポキシカルボニ
ル、n-ブトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニ
ル)などが用いられる。
【0016】Zとしては、例えばC1-5アルキレン基
(例、メチレン、エチレン、トリメチ (Z1′はC1-4アルキレン基を、R4′は水素原子また
はC1-4アルコキシ−カルボニルで置換されていてもよ
いC1-4アルキル基,ホルミル基,またはC1-4アルコキ
シ−カルボニル基を示す)で表される基などが好 まし
い。Z1′で表されるC1-4アルキレン基としては、メチ
レン、エチレン、トリメチレン、テトラエチレンが用い
られ、特にエチレン、トリメチレンなどが繁用される。
4′で表される「C1-4アルコキシ−カルボニルで置換
されていてもよいC1-4アルキル基」の「C1-4アルキル
基」としては、例えばメチル、エチル、n-プロピル、
n-ブチルなどが用いられ、「C1-4アルコキシ−カルボ
ニル」 としては、例えばメトキシカルボニル、エトキ
シカルボニル、n-プロポキシカ ルボニル、n-ブトキ
シカルボニル、tert-ブトキシカルボニルなどが用いら
れる。R4′としては、特にtert-ブトキシカルボニルで
置換されていてもよいメチル,tert-ブトキシカルボニ
ルなどが繁用される。
【0017】 Rで示される置換基を有していてもよいC1-4炭化水素
基におけるC1-4炭化水素基としては、C1-4アルキル基
(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル基)、C2-4
アルケニル基(例、ビニル、アリル、1-メチルビニル、
2-メチルビニル基)、C3-4シクロアルキル 基(例、シ
クロプロピル、シクロブチル基)が用いられる。かかる
置換基としては、例えば、炭素数1ないし4のアルキル
基(例、メチル、エチル、プロピル、iso-プロピル
基)、炭素数2ないし4のアルケニル基(例、ビニル、
1-メチルビニル、1-プロペニル、アリール、アレニル
基)、炭素数2ないし4のアルキニル基(例、エチニ
ル、1-プロピニル、プロパルギル基)またはC3-8シク
ロアルキ ル基(例、シクロプロピル基)などのほか、
ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、ヒ
ドロキシ基、オキソ基、C1-4アルコキシ基(例、メト
キシ 基)、ジ−C1-4アルキルアミノ基(例、ジメチル
アミノ、ジエチルアミノ基)、ハロゲノ−C1-4アルキ
ル基(例、トリフルオロメチル基)、C1-4アシル基
(例、ホルミル、アセチル基)、ヒドロキシ−C1-4
ルキル基(例、ヒドロキシメ チル、2−ヒドロキシエ
チル基)、C1-4アルコキシ−C1-4アルキル基(例、メ
トキシメチル、2−エトキシエチル基)などが用いられ
る。
【0018】 5ないし13員の異項環基としては、例えば、炭素原子
以外に、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子などのヘ
テロ原子を1ないし4個含んでいてもよい5ないし13
員異項環基などが用いられる。具体的には、例えばピロ
リル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピペリジノ、モルホ
リノ、ジヒドロピリジル、テトラハイドロピリジル、N
−C1-4アルキルピペラジニル(例、N−メチルピペラ
ジニル、N-メチルヒ゜ ペラジニル基)、アザシクロヘプチ
ル、アザシクロオクチル、イソインドリル、インドリル
あるいはそれらの部分還元型もしくは完全還元型の基、
2−ピロリジノン−1−イル、2−ピペラジノン−1−
イル、ヘキサヒドロ−2−アゼピノン−1−イル、オク
タヒドロ−2−アゾシノン−1−イル、2−オキソイン
ドリン−1−イル、1−オキソイソインドリン−2−イ
ル、2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリ
ン−1−イル、1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒ
ドロイソキノリン−2−イル、1−オキソ−5H−ベン
ゾ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−アゼピン−2
−イル、1−オキソベンゾ−1,2,3,4,5,6−
ヘキサヒドロ−2−アゾシン−2−イル、2−オキソ−
5H−ベンゾ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ア
ゼピン−1−イル、2−オキソベンゾ−1,2,3,
4,5,6−ヘキサヒドロ−1−アゾシン−1−イル、
サクシンイミド、グルタリミド、1,4−ブタンジカル
ボキシイミド、1,5−ペンタンジカルボキシイミド、
1,2−シクロヘキサンジカルボキシイミド、フタルイ
ミドあるいはそれらの部分脱水素型もしくは完全脱水素
型の基などであり、これらの基は、さらに、縮環可能な
位置にC6-10芳香族炭化水素(例、ベンゼン環、ナフタ
レン環、またはそれらの部分還元型もしくは完全還元型
の環)あるいは5ないし6員の異項環(例、チオフェ
ン、フラン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、チ
アゾール、イソチアゾール、チアジアゾール、オキサゾ
ール、イソオキサゾール、オキサジアゾール、フラザ
ン、ピラン、ピリジン、ピラチン、ピリミジン、ピリダ
チンあるいはそれらの部分還元型もしくは完全還元型化
合物、ジオキソラン、ジオキサン、ピペリジン、モルホ
リン、N−メチルピペラジン、N−エチルピペラジン)
が縮環していてもよい。 13員環状基は置換可能な位置に1ないし2個の置換基
を有していてもよい。
【0019】かかる置換基としては、例えば、炭素数1
ないし4のアルキル基(例、メチル、エチル、プロピ
ル、iso-プロピル基)、炭素数2ないし4のアルケニル
基(例、ビニル、1-メチルビニル、1-プロペニル、アリ
ール、アレニル基)、炭素数2ないし4のアルキニル基
(例、エチニル、1-プロピニル、プロパルギル基)また
はC3-8シクロアルキル基(例、シクロプロピル基)な
どのほか、ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨ
ウ素)、ヒドロキシ基、オキソ基、C1-4アルコキシ基
(例、メトキシ基)、 ジ−C1-4アルキルアミノ基
(例、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ基)、ハロ ゲ
ノ−C1-4アルキル基(例、トリフルオロメチル基)、
1-4アシル基(例、ホルミル基)、ヒドロキシ−C1-4
アルキル基(例、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエ
チル基)、C1-4アルコキシ−C1-4アルキル基(例、メ
トキシメチル、2−エトキシエチル基)などが用いられ
る。Rとしては、例えば水素原子などが繁用される。
【0020】R1で示される置換基を有していてもよい
環状基における環状基としては、例えば5または6員の
環状炭化水素基または例えば炭素原子以外に、窒素原
子、酸素原子、硫黄原子などのヘテロ原子を環中に1な
いし4個含んでいてもよい複素環基あるいはその縮合環
基などが用いられる。R1で示される該5員環状基とし
ては、例えばシクロペンタンジエニル、シクロペンテニ
ル、シクロペンチル、チエニル、フリル、ピロリル、チ
アゾリル、イミダゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリ
ルあるいはそれらの部分還元型もしくは完全還元型化合
物などが用いられ、該6員環状基としては、例えばフェ
ニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘキ
サンジエニル、ピリジル、ピラニル、ピラチニル、ピリ
ミジニル、ピリダチニル、あるいはそれらの部分還元型
もしくは完全還元型化合物などが用いられ、該5または
6員の環状炭化水素または複素環基の縮合環基として
は、例えばナフチル、インデニル、ベンゾチアゾリル、
ベンゾオキサゾリル、キノリル、イソキノリル、キナゾ
リル、あるいはそれらの部分還元型もしくは完全還元型
化合物などが用いられる。特に、フェニル、シクロヘキ
シル、ナフチル、チエニル、シクロペンチル、テトラゾ
リルなどが好ましい。
【0021】R1で示される置換基を有していてもよい
鎖状基における鎖状基としては、炭素数1ないし4個の
低級鎖状炭化水素基が好ましく、例えば、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、se
c-ブチル、tert-ブチル基などのC1−4アルキル基、
ビニル、アリル、1-メチルビニル、2-メチルビニル基な
どのC2-4アルケニル基、シクロプロピル、シクロブチ
ル基などのC3-4シクロアルキル基などが用いられる。
1で示される環状または鎖状基は置換可能な位置に1
ないし2個の置換基を有していてもよい。該置換基とし
ては、例えば、炭素数1ないし4のアルキル基(例、メ
チル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソ
ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル基)、炭素数2また
は4のアルケニル基(例、ビニル、1-メチルビニル、1-
プロペニル、アリール、アレニル基)、炭素数2または
4のアルキニル基(エチニル、1-プロピニル、プロパル
ギル基)、炭素数3ないし6のシクロアルキル基(例、
シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シク
ロヘキシル基)、炭素数5ないし6のシクロアルケニル
基(例、シクロペンテニル、シクロヘキセニル基)、炭
素数7ないし8のアラルキル基(例、ベンジル、α-メ
チルベンジル、フェネチル基)、フェニル基、置換基を
有していてもよい5ないし6員の複素環基(例、テトラ
ゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、
フラニル、チアゾリル、ピリジル、ピラジル、トリアジ
ル)、炭素数1ないし4のアルコキシ基(例、メトキ
シ、エトキシ、プロポキシ、iso-プロポキシ、n-ブトキ
シ、iso-ブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ
基)、フェノキシ基、炭素数1ないし4のアルカノイル
基(例、ホルミル、アセチル、プロピオニル、n-ブチリ
ル、iso-ブチリル基)、ベンゾイル基、炭素数1ないし
4のアルカノイルオキシ基(例、ホルミルオキシ、アセ
チルオキシ、エチリルオキシ、プロピオニルオキシ、n-
ブチリルオキシ、iso-ブチリルオキシ基)、ベンゾイル
オキシ基、カルボキシ基、C1-4アルコキシカルボニル
基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n-
プロポキシカルボニル、iso-プロポキシカルボニル基、
n-ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、tert
-ブトキシカルボニル)、カルボキシ−C1-4アルキル
(例、カルボキシメチル、カルボキシエチル)、C1-4
アルコキシカルボニル−C1-4アルキル(例、メトキシ
カルボニルメチル、エトキシカルボニルメチル)、カル
バモイル基、N-置換カルバモイル基(例、N-メチルカル
バモイル、N-エチルカルバモイル、N-プロピルカルバモ
イル、N-イソプロピルカルバモイル、N-ブチルカルバモ
イルなどのN−C1-4アルキルカルバモイル基)、N,N-
ジ置換カルバモイル基(例、N,N-ジメチルカルバモイ
ル、N,N-ジエチルカルバモイル、N,N-ジプロピルカルバ
モイル、N,N-ジブチルカルバモイルなどのN,N−ジ−
1-4アルキルカルバモイ ルのほか、1-アチリジニルカ
ルボニル、1-アゼチジニルカルボニル、1-ピロリジニル
カルボニル、1-ピペリジニルカルボニル、N-メチルピペ
ラジニルカルボニル、モルホリノカルボニル基)、ハロ
ゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、沃素)、モノ−,
ジ−またはトリ−ハロゲノ−C1-4アルキル基(例、ト
リフルオロメ チル基)、オキソ基、アミジノ基、イミ
ノ基、アミノ基、モノ置換アミノ基(例、メチルアミ
ノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミ
ノ、ブチルアミノなどのモノ−C1-4アルキルアミノ
基)、ジ置換アミノ基(例、ジメチル アミノ、ジエチ
ルアミノ、ジプロピルアミノ、ジイソプロピルアミノ、
ジブチルアミノなどのジ−C1-4アルキルアミノ基)、
3ないし6員の環状アミノ基(例、アチリジニル、アゼ
チジニル、ピロリジニル、ピロリニル、ピロリル、イミ
ダゾリル、ビラゾリル、イミダゾリジニル、ピペリジ
ノ、モルホリノ、ジヒドロピリジル、ピリジル、N-メチ
ルピペラジニル、N-エチルピペラジニル基)、アルカノ
イルアミド基(例、ホルムアミド、アセタミド、トリフ
ルオロアセタミド、プロピオニルアミド、ブチリルアミ
ド、イソブチリルアミドなどのC1-4アルカノイルアミ
ド基)、ベンツアミド基、カルバモイルアミノ基、N-置
換カルバモイルアミノ基(例、N-メチルカルバモイルア
ミノ、N-エチルカルバモイルアミノ、N-プロピルカルバ
モイルアミノ、N-イソプロピルカルバモイルアミノ、N-
ブチルカルバモイルアミノなどのN−C1-4アルキルカ
ルバモイルアミノ基)、N,N-ジ置換カルバモイルアミノ
基(例、N,N-ジメチルカルバモイルアミノ、N,N-ジエチ
ルカルバモイルアミノ、N,N-ジプロピルカルバモイルア
ミノ、N,N-ジブチルカルバモイルアミノなどのN,N-ジ−
1-4アルキルカルバモイルアミノ基のほか、1-アチリ
ジニルカルボニルアミノ、1-アゼチジニルカルボニルア
ミノ、1-ピロリジニルカルボニルアミノ、1-ピペリジ
ニルカルボニルアミノ、N-メチルピペラジニルカルボニ
ルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ基)、C1-3
ルキレンジオキシ(例、メチレンジオキシ、エチレンジ
オキシ)、−B(OH)2、ヒドロキシ基、エポキシ基
(−O−)、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、スル
ホ基、スルフイノ基、ホスホノ基、ジヒドロキシボリー
ル基、スルファモイル基、N-置換スルファモイル基
(例、N-メチルスルファモイル、N-エチルスルファモイ
ル、N-プロピルスルファモイル、N-イソプロピルスルフ
ァモイル、N-ブチルスルファモイルなどのC1-4アルキ
ルスルファモイル基)、N,N-ジ置換スルファモイル基
(例、N,N-ジメチルスルファモイル、N,N-ジエチルスル
ファモイル、N,N-ジプロピルスルファモイル、N,N-ジブ
チルスルファモイルなどのジ−C1-4アルキルスルファ
モイル基のほか、1-ピロリジニルスルホニル、1-ピペリ
ジニルスルホニル、N-メチル-1-ピペラジニルスルホニ
ル、モルホリノスルホニル基)、炭素数1ないし4のア
ルキルチオ基(例、メチルチオ、エチルチオ、プロピル
チオ、イソプロピルチオ、n-ブチルチオ、sec-ブチルチ
オ、tert-ブチルチオ基)、フェ ニルチオ基、炭素数1
ないし4のアルキルスルフィニル基(例、メチルスルフ
ィニル、エチルスルフィニル、プロピルスルフィニル、
ブチルスルフィニル基)、フェニルスルフィニル基、炭
素数1ないし4のアルキルスルホニル基(例、メチルス
ルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、ブ
チルスルホニル基)、フェニルスルホニル基などが用い
られ、特に好ましい置換基としては、ヒドロキシ基、カ
ルボキシ基、スルホ基、ホスホノ基、ジヒドロキシボリ
ール基などが用いられる。これらの置換基のうち、さら
に置換が可能なものについては1ないし2個の炭素数1
ないし4のアルキル基(例、メチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、
tert-ブチル基)、C1-4アルコキシ基(例、メトキシ
基、エトキシ基)、ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、
臭素、沃素)、水溶性基(例、水酸基、カルボキシ基、
スルホ基、ホスホノ基、アミジノ基、アミノ基、メチル
アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチ
ルアミノ基、モルホリノ基、ピペリジル基、N-メチルピ
ペラジル基、ピリジル基、トリメチルアンモニウム基、
トリエチルアンモニウム基、ピリジニウム基、テトラゾ
リル基、カルボキシメチル基)などで置換されていても
よい。特に、カルボキシ基は炭素数1ないし4のアルキ
ル基でエステル化されていてもよい。
【0022】R1としては、例えばヒドロキシ基、カル
ボキシ基、−B(OH)2、テトラゾール、メチレンジオ
キシ、C1-4アルキル(例、メチル)、C1-4アルコキシ
(例、メトキシ)、カルボキシC1-4アルキル(例、カ
ルボキシメチル)、C1-4アルコキシカルボニル−C1-4
アルキル(例、メトキシカルボニルメチル、エトキシカ
ルボニルメチル)、C1-4アルカノイルアミド(例、ホ
ルムアミド、アセトアミド)、1−ピロリジニルカルボ
ニルなどで置換されていてもよいC1-4アルキル、C2-4
アルケニル、C2-4アルキニル、フェニル、ナフチルま
たはテトラゾリルなどが繁用される。また、p=2、W
=−CO−NH−の時、R1は置換基を有し ていてもよ
い環状基の場合が好ましい。
【0023】COOR2はエステル化されていてもよい
カルボキシ基を示す。該COOR2としては、例えば合
成中間体として用いられるもの、薬理学的に亨受しうる
もの、あるいは生体内においてはじめて薬理学的に亨受
しうるものに変化するものであってもよい。具体的に
は、例えば炭素数1ないし5の低級アルキル基、置換基
を有していてもよいベンジル基または置換基を有してい
てもよいフェニル基などによりエステル化されていても
よいカルボキシ基などが用いられる。該低級アルキル基
としては、例えばメチル、エチル、プロピル、iso-プロ
ピル、n-ブチル、iso-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチ
ル、n-ペンチル、iso-ペンチル、sec-ペンチル、neo-ペ
ンチル、tert-ペンチルなどが、該置換基を有していて
もよいベンジルとしては、例えばベンジル、ニトロベン
ジル、メトキシベンジルなどのニトロまたはC1-4アル
コキシで1ないし3個置換されたベン ジル基などが、
また該置換基を有していてもよいフェニルとしては、例
えばフェニル、ニトロフェニル、メトキシフェニルなど
のニトロまたはC1-4アルコキシで1ないし3個置換さ
れたフェニル基などが用いられる。COOR2として
は、例えば炭素数1ないし5の低級アルキル基で、特に
メチルなどでエステル化されていてもよいカルボキシ基
などが繁用される。Pは1ないし4の整数を示す。ただ
し、−W−R1が式
【0024】
【化23】 (COOR16およびCOOR17は同一または異なってエ
ステル化されていてもよいカルボキシ基を、nは1ない
し5の整数を示す)で表される基を示す時、pは1、3
または4を示す。COOR16およびCOOR17で示され
るエステル化されていてもよいカルボキシ基としては、
例えば炭素数1ないし5の低級アルキル基(例えば、メ
チル、エチル、プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、is
o-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、iso
-ペンチル、sec-ペンチル、neo-ペンチル、tert-ペンチ
ルなど)、置換基を有していてもよいベンジル基、好ま
しくはニトロまたはC1-4アルコキシで置換されていて
もよいベンジル基(例えば、ベンジル、ニトロベンジ
ル、メトキシベンジルなど)または置換基を有していて
もよいフェニル基、好ましくはニトロまたはC1-4アル
コキシで置換されていて もよいフェニル基(例えばフ
ェニル、ニトロフェニル、メトキシフェニルなど)など
によりエステル化されていてもよいカルボキシ基などが
用いられる。また、p=2、W=−CO−NH−の時、
1としては置換基を有していてもよい環状基などが好
ましい。
【0025】次に、本発明化合物(I)またはその塩の
製造法について説明する。化合物(I)またはその塩
は、化合物(III)またはその塩を化合物(II)または
その塩もしくはカルボキシル基における反応性誘導体で
アシル化することにより得られる。上記アシル化の手段
としては、例えば化合物(III)またはその塩を化合物
(II)またはその塩もしくはカルボキシル基における反
応性誘導体でアシル化する方法が用いられる。 本反応
はカルボジイミド類、ジフェニルりん酸アジド、シアノ
りん酸ジエチルなどの存在下に行うこともできる。化合
物(III)またはその塩の使用量は、化合物(II)また
はその塩またはカルボキシル基における反応性誘導体に
対して一般に約1−20モル当量であり、好ましくは約
1−5モル当量である。カルボジイミド類、ジフェニル
りん酸アジド、シアノりん酸ジエチルなどは、化合物
(II)またはその塩もしくはカルボキシル基における反
応性誘導体に対して、一般に約1−25モル当量、好ま
しくは約1−5モル当量使用すればよい。
【0026】該カルボジイミド類としては、ジシクロヘ
キシルカルボジイミドが実用上好ましく、その他のカル
ボジイミド類、例えばジフェニルカルボジイミド、ジ-o
-トリルカルボジイミド、ジ-p-トリルカルボジイミド、
ジ-tert-ブチルカルボジイミド、1-シクロヘキシル-3-
(2-モルホリノエチル)カルボジイミド、1-シクロヘキシ
ル-3-(4-ジエチルアミノシクロヘキシル)カルボジイミ
ド、1-エチル-3-(2-ジエチルアミノプロピル)カルボジ
イミドおよび1-エチル-3-(3-ジエチルアミノプロピル)
カルボジイミドなどを用いてもよい。本アシル化反応
は、適宜の溶媒の存在下に実施することもでき、該溶媒
としては、例えば水、アルコ−ル類(例、メタノ−ル、
エタノ−ル)、エーテル類(例、ジメチルエ−テル、ジ
エチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、モ
ノグリム、ジグリム)、ニトリル類(例、アセトニトリ
ル)、エステル類(例、酢酸エチル)、ハロゲン化炭化
水素(例、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭
素)、芳香族炭化水素(例、ベンゼン、トルエン、キシ
レン)、アセトン、ニトロメタン、ピリジン、ジメチル
スルホキシド、ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホ
スホルアミド、スルホランまたはそれらの適宜の混合溶
媒などが使用される。本反応は、通常、pH約2ないし
14、好ましくはpH約6ないし9の範囲で行う。通常
約−10℃からその反応溶媒の沸点程度(約100℃ま
で)、好ましくは約0ないし50℃の範囲の反応温度で
行う。通常、約1ないし100時間反応させて実施し得
る。反応液のpHは適宜、例えば酸(例、塩酸、硫酸、
燐酸、硝酸、酢酸)、塩基(例、ナトリウムメチラ−
ト、ナトリウムエチラ−ト、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、水酸化バリウム、水酸化リチウム、炭酸ナト
リウム、炭酸カリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウ
ム、炭酸水素ナトリウム、トリメチルアミン、トリエチ
ルアミン、トリエタノ−ルアミン、 ピリジン)或は緩
衝液(例、リン酸緩衝液,ホウ酸緩衝液,酢酸緩衝液)な
どで必要に応じて調整する。なお、反応は、アシル化を
促進しうる触媒を用いることによりさらに有利に進行さ
せることができる。
【0027】このような触媒としては、例えば塩基触
媒、酸触媒が用いられる。かかる塩基触媒としては、例
えば三級アミン(例、トリエチルアミンの如き脂肪族三
級アミン;ピリジン,α−,β−またはγ−ピコリン、2,
6−ルチジン、4−ジメチルアミノピリジン、4−(1
−ピロリジニル)ピリジン、ジメチルアニリン、ジエチ
ルアニリンの如き芳香族三級アミン)などが用いられ、
酸触媒としては、例えばルイス酸〔例、無水塩化亜鉛、
無水塩化アルミニウム(AlCl3)、無水塩化第 二鉄、四
塩化チタン(TiCl4)、四塩化錫(SnCl4)、五塩化アン
チモン、塩化コバルト、塩化第二銅、三フッ化ホウ素エ
−テラ−ト等〕などが用いられる。上記触媒の中でも、
4-ジメチルアミノピリジンまたは 4-(1-ピロリジニル)
ピリジンなどが好ましい場合が多い。触媒の使用量は、
アシル化を促進し得る触媒量程度がよく、通常化合物
(II)またはその塩もしくはカルボキシ基における反応
性誘導体に対して約0.01−10モル当量、好ましく
は約0.1−1モル当量である。化合物(II)またはそ
の塩のカルボキシル基における反応性誘導体としては、
例えば、化合物(II)またはその塩の酸ハライド(例、
フルオライド、クロライド、 ブロマイド、アイオダイ
ド)、酸無水物(例、無水ヨ−ド酢酸、無 水イソ酪
酸)、低級モノアルキル炭酸エステル(例、モノメチル
炭酸エステル、 モノエチル炭酸エステル、モノプロピ
ル炭酸エステル、モノiso−プロピル炭酸 エステル、モ
ノブチル炭酸エステル、モノiso−ブチル炭酸エステ
ル、モノsec−ブチル炭酸エステル、モノtert−ブチル
炭酸エステル)との混酸無水物、活性エステル(例、 シ
アノメチルエステル、エトキシカルボニルメチルエステ
ル、メト キシメチル エステル、フェニルエステル、o
−ニトロフェニルエステル、p−ニトロフェニルエステ
ル、p−カルボメトキシフェニルエステル、p−シアノフ
ェニルエステル、フェニルチオエステル、コハク酸イミ
ドエステル)、酸アジド、リン酸ジエステル(例、ジメ
チルホスフェ−ト、ジエチルホスフェ−ト、ジベンジル
ホスフェ−ト、ジフェニルホスフェ−ト)との混酸無水
物、亜リン酸ジエステル (例、ジメチルホスファイ
ト、ジエチルホスファイト、ジベンジルホスファイト、
ジフェニルホスファイト)との混酸無水物なども用いら
れる。この反応性誘導体を用いたアシル化手段におい
て、溶媒、触媒、反応温度および反応時間などは、前記
カルボジイミド類などの存在下に行うアシル化の場合と
同様である。
【0028】なお、化合物(I)またはその塩のうち、
置換基としてヒドロキシ基、アミノ基、メルカプト基あ
るいはカルボキシル基などを含有する化合物あるいはそ
れらの塩を製造する場合、原料化合物のヒドロキシ基、
アミノ基、メルカプト基あるいはカルボキシル基を自体
公知の方法(例えば、J. F. W. McOmine、プロテクティ
ブ・グループス・イン・オルガニック・ケミストリー
(Protective Groups inOrganic Chemistry)、Plenum
Press、London and New York(1973)に記載されて
いる方法など)に従って適宜保護基で保護した後に反応
させ、ついで自体公知の方法に従って脱保護反応に付し
て目的とする化合物(I)またはその塩を製造すること
もできる。
【0029】次に原料化合物(II)またはその塩もしく
はカルボキシ基における反応性誘導体の製造法について
説明する。化合物(II)のカルボキシル基における反応
性誘導体としては、例えば酸ハライド(例えば、クロリ
ド,ブロミドなど)、酸無水物、混合酸無水物(例え
ば、メチル炭酸との無水物,エチル炭酸との無水物、イ
ソブチル炭酸との無水物など)、活性エステル(例え
ば、ヒドロキシコハク酸イミドとのエステル,1−ヒド
ロキシベンゾトリアゾールとのエステル,N−ヒドロキ
シ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドと
のエステル,p−ニトロフェノールとのエステル,8−
オキシキノリンとのエステルなど)などが用いられ、と
りわけ酸ハライドが好ましい。化合物(II)またはその
塩もしくはカルボキシ基における反応性誘導体は、例え
ば次に示す反応工程により製造し得る。
【0030】
【化24】 上記式中、A環、B、X、YおよびZは前記と同意義を
有し、COOR3で示されるエステル化されていてもよ
いカルボキシル基におけるR3としては、水素原子ある
いはCOOR2で詳述されている炭素数1ないし5の低
級アルキル基、置換基を有していてもよいベンジル基ま
たは置換基を有していてもよいフェニル基などであって
もよい。DおよびEは互いに結合してZを形成し得る基
である。上記反応工程でDとEとの間に共有結合を形成
せしめ、もって、Zで表される置換基を有していてもよ
く、鎖状部に1個のヘテロ原子が介在していてもよい直
列する5個を超えない鎖構成原子をもつ2価の脂肪族基
を製造することが出来る。化合物(V)またはその塩と
化合物(VI)またはその塩との間に共有結合を形成させ
る合成法として、Zが 置換基を有していてもよい直列
する5個を超えない鎖構成原子をもつ2価の脂肪族基に
関しては,
【0031】
【化25】 合わせてD=E'でE=D'の場合、化合物(V)または
その塩と(VI)またはその塩との間でいわゆる炭素 −
炭素結合生成反応に付し、ついで得られた生成物を必要
とあれば還元反応に供することにより化合物(IV)また
はその塩を製造することができる。上記式中、a、b、
m、n(=a+b)およびm+nは0〜3の範囲内の整
数を表し、Gはフェニル、ブチルまたはシクロヘキシル
を、Mはエチルまたはフェニルを示す。R5、R6および
7は同一あるいは異なって結合手、水素原子あるいは
上記Z1、Z2で詳述されている2価の低級炭化水素基、
またはR4で示される低級炭化水素基などを示し、R5
6はa、b、mおよびn個の繰り返しにおいて異なっ
ていてもよい。ZがZ=−Z1−Z2−Z3−で構成され
る基に関しては、
【化26】 場合、またはその逆の組み合わせでD=E’でE=D’
の場合、いわゆるアルキル化型反応が用いられ、
【0032】
【化27】 の場合、またはその逆の組み合わせでD=E3でE=D3
の場合、シッフ塩基あるいはエナミンを形成させ必要と
あれば還元するか、あるいは還元的アルキル化反応に直
接付す方法が用いられる。
【0033】上記式中、m、n、m+n、R4、R5、R
6、R7およびZ2は前記と同意義を有し、Lは脱離基
を、またR8およびR9は同一または異なって水素原子あ
るいは炭化水素基を示す。Lで示される脱離基として
は、例えばハロゲン原子(例、塩素原子、臭素原子、ヨ
ウ素原子)あるいはヒドロキシ基から容易に誘導され得
る脱離可能な基(例、メタンスルホニルオキシ基、ベン
ゼンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキ
シ基、トリフルオロメタンスルホニル基)などが用いら
れる。R8お よびR9で示される炭化水素基としては置
換基を有していてもよく、またR8とR9が隣接する窒素
原子とともに環状アミノ基を形成してもよい。R8およ
びR9で 示される炭化水素基としては、例えば炭素数1
ないし18のアルキル基(例、メチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、
tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、イ
ソヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウ
ンデシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オ
クタデシル、1,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロ
ピル、1,2,2-トリメチルプロピル、1-プロピルブチ
ル、2-エチルヘキシル基)、炭素数1ないし12のア
ルケニル基(例、ビニル、アリル、1-メチルビニル、
2-メチルビニル、1-オクテニル、1-デゼニル基)、
炭素数3ないし12のシクロアルキル基(例、シクロプ
ロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシ
ル、シクロヘプチル、シクロオクチル、アンダマンチル
基)、炭素数3ないし8のシクロアルケニル基(例、シ
クロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニ
ル、シクロオクテニル、シクロペンタジエニル、シクロ
ヘキサジエニル、シクロヘプタジエニル、シクロオクタ
ジエニル基)、炭素数7ないし13のアラルキル基
(例、ベンジル、α-メチルベンジル、フェネチル、ジ
フェニルメチル基)、およ び炭素数6ないし10のア
リール基(例、フェニル、α-ナフチル、β-ナ フチル
基)などが用いられる。R8とR9とが隣接する窒素原子
とともに形成した環状アミノ基としては、4ないし10
員環が好ましく、例えば、アゼチジニル、ピロリジニ
ル、ピロリニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリ
ル、イミダゾリニル、ピペリジノ、モルホリノ、ジヒド
ロピリジル、テトヒドロピリジル、N- メチル ピペ ラ
ジニル、N-エチルピペラジニル、アザシクロヘプチ
ル、アザシ クロオクチル、イソインドリル、インドリ
ル、インドリニル、2-イソインドリニル、アザシクロノ
ニル、アザシクロデシル基などが用いられる。
【0034】これらのR8およびR9で示される炭化水素
基、あるいはR8とR9とが隣接する窒素原子とともに形
成した環は、1ないし2個の置換基を有していてもよ
い。かかる置換基としては、例えば炭素数1ないし4の
アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロ
ピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル
基)、炭素数1ないし4程度のアルコキシ基(例、メト
キシ、エトキシ、プロポキシ、iso-プロポキシ、n-ブト
キシ、iso-ブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ
基)、炭素数1ないし4程度のアルカノイル基(例、ホ
ルミル、アセチル、プロピオニル、n-ブチリル、iso-ブ
チリル基)、炭素数1ないし4程度のアルカノイルオキ
シ基(例、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、プロピオ
ニルオキシ、n-ブチリルオキシ、iso-ブチリルオキシ
基)、カルボキシ基、炭素数2ないし4程度のア ルコ
キシカルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシ
カルボニル、n-プロポキシカルボニル、iso-プロポキシ
カルボニル基、n-ブトキシカルボニル、イソブトキシカ
ルボニル、tert-ブトキシカルボニル)、ハロゲン原子
(例、フッ素、塩素、臭素、沃素)、ヒドロキシ基、ニ
トロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、
モノ置換アミノ基(例、メチルアミノ、エチルアミノ、
プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ
基)、ジ置換アミノ基(例、ジメチルアミノ、ジエチル
アミノ、ジプロピルアミノ、ジイソプロピルアミノ、ジ
ブチルアミノ基)、アルカノイルアミド基(例、ホルム
アミド、アセタミド、トリフルオロアセタミド、プロピ
オニルアミド、ブチリルアミド、イソブチリルアミド
基)、カルバモイル基、N-置換カルバモイル基(例、
N−メチルカ ルバモイル、N-エチルカルバモイル、N
-プロピルカルバモイル、N-イソプロ ピルカルバモ イ
ル、N-ブチルカルバモイル基)、N,N-ジ置換カルバ
モイル基(例、N,N- ジメチルカルバモイル、N,N-
ジエチルカルバモイル、N,N-ジ プロピルカルバモイ
ル、N,N-ジブチルカルバモイル、1-アチリジニルカ
ルボ ニル、1-アゼチジニルカルボニル、1-ピロリジ
ニルカルボニル、1-ピペリジ ニルカルボニル、N-メ
チルピペラジニルカルボニル、モルホリノカルボニル
基)、カルバモイル アミノ基、N-置換カルバモイルア
ミノ基(例、N-メチルカル バモイルアミノ、N-エチ
ルカルバモイルアミノ、N-プロピルカルバモイルアミ
ノ、N-イソプロ ピルカルバモイルアミノ、N-ブチル
カルバモイルアミノ基)、N,N-ジ置換カ ルバモイル
アミノ基(例、N,N-ジメチルカルバモイルアミノ、
N,N-ジエチルカルバモイルアミノ、N,N-ジプロピル
カルバモイルアミノ、N,N-ジブチルカルバモイルアミ
ノ、1-アチリジニルカルボニルアミノ、1-アゼチジニ
ルカルボニルアミノ、1-ピロリジニルカルボニルアミ
ノ、1-ピペリジニルカルボニルアミノ、N-メチルピペ
ラジニルカルボニルアミノ、モルホリノカ ルボニルア
ミノ 基)、メルカプト基、スルホ基、スルフイノ基、
ホスホノ基、 スルファモイル基、N-置換スルファモイ
ル基(例、N-メチルスルファモイル、N-エチルスルフ
ァモイル、N-プロピルスルファモイル、N-イソプロ
ピルスルファモイル、N- ブチルスルファモイル基)、
N,N-ジ置換スルファモイル基(例、N,N-ジメチルス
ルファモイル、N,N-ジエチルスルファモイル、N,N-
ジプロピルスルファモイル、N,N-ジブチルスルファモ
イル、1-ピロリジニルス ルホニル、1-ピペリジニル
スルホニル、N-メチル-1-ピペラジニルスルホニル、
モルホリノスル ホニル基)、炭素数1ないし4程度の
アルキルチオ基(例、 メチルチオ、エチルチオ、プロ
ピルチオ、イソプロピルチオ、n-ブチルチオ、sec−ブ
チルチオ、tert−ブチルチオ基)、炭素数1ないし4程
度のアルキルスル フィニル基(例、メチルスルフィニ
ル、エチルスルフィニル、プロピルスルフィニル、ブチ
ルスルフィニル基)、炭素数1ないし4程度のアルキル
スルホニル基(例、メチルスルホニル、エチルスルホニ
ル、プロピルスルホニル、ブチルスルホニル基)などが
用いられる。
【0035】以下、第1工程について詳細に説明する。
炭素−炭素結合生成による縮合反応は公知の反応(例、
アルドール反応、レフォルマトスキー反応、ウィテッヒ
反応など)に準じて行なわれ、還元反応は、通常、接触
還元反応あるいはハイドライド還元反応が有利に用いら
れる。縮合反応として、アルドール反応を使用する場
合、塩基触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化バリウムなどの
金属水酸化物、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエト
キシド、カリウム tert-ブトキシドなどの金属アルコキ
シド、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミ
ドなどの金属アミド、水素化ナトリウム、水素化カリウ
ムなどの金属水素化物、フェニルリチウム、ブチルリチ
ウムなどの有機金属化合物、トリエチルアミン、ピリジ
ン、α−、β−またはγ−ピコリン、2,6−ルチジ
ン、4−ジメチルアミノピリジ ン、4−(1−ピロリジ
ニル)ピリジン、ジメチルアニリン、ジエチルアニリン
などのアミン類が用いられ、酸触媒としては、例えば、
塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸などの鉱酸、シウ
酸、酒石酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン
酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、カ
ンファースルホン酸などの有機酸が用いられる。また、
公知の方法〔Ei-Ichi Negishi, Organometallicsin Org
anic Synthesis vol.1, John Wiley & Sons, New York,
Chichester, Brisbane, Tronto (1980)〕に従って、ケ
トン体からシリルエノールエーテル体に導き、ルイス酸
〔例、無水塩化亜鉛、無水塩化アルミニウム(AlC
)、無水 塩化第二鉄、四塩化チタン(TiCl4)、
四塩化錫(SnCl4)、五塩化アンチ モン、塩化コバル
ト、塩化第銅、三フッ化ホウ素エ−テラ−ト等〕、フッ
素アニオン(例、テトラブチルアンモニウムフルオライ
ド)あるいはトリチルパークロリドの存在下、アルデヒ
ドまたはその等価体との縮合反応に付すか、或は、ケト
ン体をアミン類(例、トリエチルアミン、ピリジン、α
−、β−またはγ−ピコリン、2,6−ルチジン、4−
ジメチルアミノピリジン、4−(1−ピロリジニル)ピリ
ジン、ジメチルアニリン、ジエチルアニリン)の存在
下、金属トリフラート(例、ジアルキルホウ素トリフラ
ート、スズ(II)トリフラート等)で処理しエノラート
に変換した後、アルデヒドまたはその等価体との縮合反
応に付すことによっても実施し得る。縮合反応は、適宜
な溶媒中、−100℃からその溶媒の沸点、好ましくは
−78−100℃の範囲で、1分間−3日間反応する事
により行われる。反応溶媒としては、、例えば、水、液
体アンモニア、アルコール類(例、メタノール、エタノ
ール、プロパノール、iso-プロパノール、ブチルアルコ
ール、sec-ブチルアルコール、tert-ブチルアルコー
ル、エチレングリコール、 メトキ シエタノール、エト
キシエタノール)、エーテル類(例、ジメチルエー テ
ル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン、モノグリム、ジグリム)、ハロゲン化炭化水素
(例、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素)、
脂肪族炭化水素(例、ペンタン、ヘキサン、ヘプタ
ン)、芳香族炭化水素(例、ベンゼン、トルエン、キシ
レン)、アセトニトリル、ニトロメタン、ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホ
ルアミド、スルホランまたはそれらの適宜の混合溶媒が
使用される。縮合反応として、ウィテッヒ反応を使用す
る場合、試薬としては、例えば、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化バリウムなどの
金属水酸化物、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエト
キシド、カリウム tert-ブトキシドなどの金属アルコキ
シド、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミ
ドなどの金属アミド、水素化ナトリウム、水素化カリウ
ムなどの金属水素化物、フェニルリチウム、ブチルリチ
ウムなどの有機金属化合物、トリエチルアミン、ピリジ
ン、α−、β−またはγ−ピコリン、2,6−ルチジ
ン、4−ジメチルアミノピリジン、4−(1−ピロリジ
ニル)ピリジン、ジメチルアニリン、ジエチルアニリン
などのアミン類が用 いられる。反応は、適宜な溶媒
中、−20℃からその溶媒の沸点、好ましくは0−15
0℃の範囲で、1分間−10日間反応する事により行わ
れる。反応溶媒としては、、例えば、液体アンモニア、
アルコール類(例、メタノール、エタノール、プロパノ
ール、iso-プロパノール、ブチルアルコール、sec-ブチ
ルアルコール、tert- ブチルアルコール、エチレングリ
コール、メトキシエタノール、エトキシエタノール)、
エーテル類(例、ジメチルエーテル、ジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、モノグリム、ジ
グリム)、脂肪族炭化水素(例、ペンタン、ヘキサン、
ヘプタン)、芳香族炭化水素(例、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン)、ジメチルホルムアミド、ジメチルスル
ホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、スルホランま
たはそれらの適宜の混合溶媒が使用される。 さらに、
レフォルマトスキー反応を用いて縮合することもでき
る。レフォルマトスキー反応の反応条件は、試薬として
は、例えば、亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、スズ
などが用いられ、反応自体は、適宜な溶媒中、−20℃
からその溶媒の沸点、好ましくは0−150℃の範囲
で、30分間−3日間反応する事により行われる。反応
溶媒としては、、例えば、エーテル類(例、ジメチルエ
ーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオ
キサン、モノグリム、ジグリム)、脂肪族炭化水素
(例、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン)、芳香族炭化水
素(例、ベンゼン、トルエン、キシレン)またはそれら
の適宜の混合溶媒が使用される。
【0036】アルキル化型反応あるいはアミン交換型反
応は化合物(V)またはその塩と化合物(VI)またはそ
の塩とをそれ自体又は適当な反応溶媒を用いて約−10
℃からその反応溶媒の沸点、好ましくは約10−80℃
の範囲の温度で約10分間から48時間程度反応させる
ことにより行われる。化合物(VI)またはその塩の使用
比率は、化合物(V)またはその塩1モルに対し約 1−
50モル、さらに好ましくは約1−10モルである。反
応溶媒としては、例えば、水、アルコール類(例、メタ
ノール、エタノール、プロパノール、iso-プロパノー
ル、ブチルアルコール、sec-ブチルアルコール、tert-
ブチルアルコー ル、エチレングリコール、メトキシエ
タノール、エトキシエタノール)、エーテル類(例、ジ
エチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、モ
ノグリム、ジグリム)、ハロゲン化炭化水素(例、ジク
ロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素)、ニトリル類
(例、アセトニトリル)、脂肪族炭化水素(例、ペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン)、環状脂肪族炭化
水素(例、シクロペンタン、シクロヘキサン)、芳香族
炭化水素(例、ベンゼン、トルエン、キシレン)、ニト
ロメタン、ピリジン、ジメチルホルムアミド、ジメチル
スルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、スルホラ
ンまたはそれらの適宜の混合溶媒が使用される。また、
必要ならば塩基の存在下に反応を実施した方が良い場合
がある。使用される塩基としては、例えば、ウィテッヒ
反応で使用される塩基などが用いられる。さらに、化合
物(V)またはその塩あるいは化合物(VI)またはその
塩に対して0.01〜0.2当量、好ましくは0.02〜
0.05当量程度の相間移動触媒(例、セチルトリメチ
ルアンモニウムクロライドなど)を用いると反応を有利
に進行させることもできる。アミン交換型反応の場合に
は、化合物(V)またはその塩を四級塩、例えば臭化 メ
チル、ヨウ 化メチル、メタンスルホン酸メチル、ベン
ゼンスルホン酸メチル、p-トルエンスルホン酸メチルな
どの塩にすると更に緩和な条件で反応を進行させ得る場
合がある。上記シッフ塩基を形成させる反応は、化合物
(V)またはその塩と化合物(VI)またはその塩とをモ
ル比(V)/(VI)=10〜0.1程度で、それ自体又
は適当な反応溶媒を用いて −10℃からその反応溶媒
の沸点、好ま しくは0−50℃の範囲の温度で約10
分間から48時間程度反応させることにより行われる。
なお、本反応においては、化合物(V)またはその塩お
よび(VI)またはその塩のアルデヒドあるいはケトン部
分がアセタールあるいはケタールの形で保護された化合
物を使用してもよい。反応溶媒としては非水系の溶媒が
好ましく、例えば、アルコール類(例、メタノール、エ
タノール、プロパノール、iso-プロパノール、ブチルア
ルコール、sec-ブチルアルコール、tert-ブチルアル コ
ール、エチレングリコール、メトキシエタノール、エト
キシエタノール)、エーテル類(例、ジメチルエーテ
ル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン、モノグリム、ジグリム)、エステル類(例、酢酸メ
チル、酢酸エチル)、ハロゲン化炭化水素(例、ジクロ
ロメタン、クロロホルム、四塩化炭素)、ニトリル類
(例、アセトニトリル)、脂肪族炭化水素(例、ペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン)、環状脂肪族炭化
水素(例、シクロペンタン、シクロヘキサン)、芳香族
炭化水素(例、ベンゼン、トルエン、キシレン)、アセ
トン、ニトロメタン、ピリジン、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミ
ド、スルホランまたはそれらの適宜の混合溶媒が使用さ
れる。脱水剤として、例えば、モレキュラーシーブス、
塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、
硫酸カルシウムなどを添加したり、あるいは、反応液の
pHを、適宜、酸(例、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素
酸、硫酸、硝酸、リン酸)、塩基(例、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化バリウム
などの金属水酸化物、ナトリウムメトキシド、ナトリウ
ムエトキシド、カリウム tert-ブトキシド、炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、
炭酸水素ナトリウム、トリメチルアミン、トリエチルア
ミン、トリエタノールアミン、ピリジン)または緩衝液
(例、リン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、酢酸緩衝液)で調
整することにより反応速度ならびに収率を向上させるこ
とができる。シッフ塩基の還元反応ならびに還元アルキ
ル化反応は、適宜な溶媒を用いて約−40℃からその溶
媒の沸点、より好ましくは約0〜50℃の範囲の反応温
度でハイドライド還元または接触還元により行われる。
使用される溶媒としては、前述のアルキル化型反応ある
いはアミン交換型反応で用いられる反応溶媒の他に酢酸
エステル類(例、酢酸メチル、酢酸エチル)なども用い
られる。接触還元反応は、適宜な溶媒を用いて約−40
℃からその反応溶媒の沸点、より好ましくは約0−50
℃の範囲の範囲温度で実施される。溶媒としては、水、
アルコール類(例、メタノール、エタノール、プロパノ
ール、iso-プロパノール、ブチルアルコール、sec-ブチ
ルアルコール、tert-ブチルアルコール、エチレング リ
コール、メトキシエタノール、エトキシエタノール)、
酢酸エステル類(例、酢酸メチル、酢酸エチル)、エー
テル類(例、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テ
トラヒドロフラン、ジオキサン、モノグリム、ジグリ
ム)、芳香族炭化水素(例、ベンゼン、トルエン、キシ
レン)、ピリジン、ジメチルホルムアミド、並びにそれ
らの適宜の混合溶媒が用いられる。接触還元の触媒とし
ては、例えば、パラジウム、白金、ロジウム、ラネーニ
ッケルなどが用いられる。この際、微量の酢酸、トリフ
ルオロ酢酸、塩酸、硫酸などを添加すると反応を有利に
進行させ得ることがある。ハイドライド還元の試薬とし
ては、例えば、リチウムアルミニウムハイドライド、ナ
トリウムボロハイドライド、リチウムボロハイドライ
ド、ナトリウムシアノボロハイドライドなどが用いら
れ、使用される還元試薬の量は、被還元体に対して、当
モルー100倍モル程度、通常2−20倍モルが用いら
れる。
【0037】また、A環がフラン、チオフェン、チオフ
ェン−1−オキシド、チオフェン−1,1−ジオキシド
あるいはN−置換ピロール環で−Z2−が−NH−の場
合、その−HN−基がA環と縮合閉環し三環性化合物
(例、ピロロ〔3',2':4,5〕ピロロ〔2,3-d〕ピリミジン
体など)を形成することがある。この場合、酸あるいは
塩基で処理することにより容易に目的とする二環性化合
物へと変換することができる。
【0038】第2工程 第1工程で得られる化合物(IV)またはその塩は、その
エステル残基〔−COOR3〕を化合物(I)またはその
塩の製造法で記載したごとく自体公知の方法に従って脱
保護反応に付し、化合物(II)またはその塩へと変換す
ることができる。また、原料化合物(II)またはその塩
は、例えば、次に示す反応工程によっても製造し得る。
【0039】
【化28】 上記工程中、A環、B、R3、X、YおよびZは前記と
同意義を有し、J1およびJ2は同一または異なって酸素
あるいは硫黄を、R10およびR11は同一または異なって
炭化水素基を、L'はハロゲン原子(例、塩素、臭素、
ヨウ素)を、Tはシアノ基あるいは式−COOR12、−
CSOR12または−CSSR12基〔式中、R12は炭化水
素基を表す。〕をそれぞれ示し、R'およびR"は同一ま
たは異なって水素原子またはA環上の置換基として詳述
されている炭素数1ないし3のアルキル基、炭素数2な
いし3のアルケニル基、炭素数2ないし3のアルキニル
基あるいはシクロプロピル基を示す。R10、R11および
12で示される炭化水素基としては、炭素数1ないし5
の低級アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、is
o-プロピル、n-ブチル、iso-ブチル、sec-ブチル、tert
-ブチル、n-ペンチル、iso-ペンチル、sec-ペンチル、n
eo-ペンチル、tert-ペンチル基)、ベンジル基またはフ
ェニル基などが用いられる。これら低級アルキル基、ベ
ンジル基またはフェニル基は1ないし3個の置換基を有
していてもよい。かかる置換基としては、ハロゲン原子
(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、ニトロ基、シア
ノ基、炭素数1ないし4程度のアルコキシ基(例、メト
キシ、エトキシ、プロポキシ、iso-プロポキシ、n-ブト
キシ、iso-ブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ
基)、炭素数1ないし4のアルキル基(例、メチル、エ
チル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、
sec-ブチル、tert-ブチル基)、炭素数1ないし4程度
のアルカノイル基(例、ホルミル、アセチル、プロピオ
ニル、n-ブチリル、iso-ブチリル基)、トリフルオロメ
チル基などが用いられる。以下、上記反応工程について
詳しく説明する。
【0040】第3工程
【化29】 の使用量は一般に約0.5−4モル当量であり、好まし
くは約0.8−1.5モル当量である。本反応は、適宜
の溶媒の存在下、約−10℃からその反応溶媒の沸点程
度(約100℃まで)、好ましくは約0ないし50℃の範
囲の反応温度で、約30分間ないし48時間反応させて
実施し得る。反応に使用される溶媒としては、例えば、
アルコ−ル類(例、メタノ−ル、エタノ−ル)、エーテ
ル類(例、ジメチルエ−テル、ジエチルエーテル、テト
ラヒドロフラン、ジオキサン、モノグリム、ジグリ
ム)、ニトリル類(例、アセトニトリル)、エステル類
(例、酢酸エチル)、ハロゲン化炭化水素(例、ジクロ
ロメタン、クロロホルム、四塩化炭素)、芳香族炭化水
素(例、ベンゼン、トルエン、キシレン)またはそれら
の適宜の混合溶媒などが使用される。反応に際して、光
あるいは有機過酸化物を加えるとさらに有利に進行させ
ることもできる。該有機過酸化物としては、例えば、t-
ブチルハイドロペルオキシド、過酢酸、過安息香酸、m-
クロロ過安息香酸などが挙げられる。この様にして得ら
れる化合物(VIII)またはその塩は比較的反応性に富ん
でおり、この段階で単離してもよいが、単離せず直接次
の工程の進むことも出来る。
【0041】第4工程 第3工程で得られる化合物(VIII)またはその塩は、R
11−J2−Hで示されるアルコール 類あるいはチオール
類と、適宜の溶媒の存在下、約−10℃からその反応溶
媒の沸点程度(約100℃まで)、好ましくは約0ないし
50℃の範囲の反応温度で、約10分間ないし24時間
反応させて化合物(IX)またはその塩とすることが出来
る。反応に使用される溶媒としては、例えば、エーテル
類(例、ジメチルエ−テル、ジエチルエーテル、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサン、モノグリム、ジグリム)、
ニトリル類(例、アセトニトリル)、エステル類(例、
酢酸エチル)、ハロゲン化炭化水素(例、ジクロロメタ
ン、クロロホルム、四塩化炭素)、芳香族炭化水素
(例、ベンゼン、トルエン、キシレン)またはそれらの
適宜の混合溶媒などが使用される。また、R11−J2
Hで示されるアルコール類あるいはチオール類自体を過
剰に用いて溶媒としてもよい。
【0042】第5工程
【化30】 〔式中、Yは前記と同意義を示す。〕で表される化合物
またはその塩と反応させるとシアノ基、エステル基ある
いはチオエステル基と反応し、ついで環化を起こしピリ
ミジン環が形成され化合物(X)またはその塩が生成す
る。
【0043】化合物(XI)の酸の塩としては、例えば、
塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン
酸、ホウ酸などとの鉱酸塩、シウ酸、酒石酸、乳酸、ク
エン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、
エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエン
スルホン酸、カンファースルホン酸などとの有機酸塩な
どが用いられ、化合物(XI−1:Y’=ヒドロキシ基あ
るいはメルカプト基)の塩基の塩としては、例えば、ナ
トリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシ
ウム、アルミニウム、亜鉛、アンモニウム、トリメチル
アンモニウム、トリエチルアンモニウム、トリエタノー
ルアンモニウム、ピリジニウム、置換ピリジニウムなど
との塩が用いられる。
【0044】閉環の際には、塩基性条件下で行うと反応
を有利に進行させることもできる。塩基としては、例え
ば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カ
リウム tert-ブトキシドなどの金属アルコキシドが用い
られる。反応溶媒としては、例えば、メタノール、エタ
ノール、プロパノール、tert-ブチルアルコール、ジメ
チルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミドなどが
あり、反応温度は 0-150 ℃、好ましくは 20-100 ℃、
また、反応時間は1−48時間である。反応溶媒として
は、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、
tert-ブチルアルコール、ジメチルスルホキシド、ヘキ
サメチルホスホルアミドまたはそれらの適宜の混合溶媒
などが使用される。
【0045】第6工程
【化31】 に復元し、ピリミジン環上のX基と自発的に分子内閉環
反応および脱水反応を惹起せしめると化合物(IV)または
その塩へと変換することができる。カルボニル基への復
元 反応は、例えば、化合物(X)またはその塩をそれ自
体または適当な反応溶媒を用いて、約−10℃からその
反応溶媒の沸点程度(約100℃まで)、好ましくは約0
〜50℃の範囲の反応温度で、約10分ないし100時
間、自体公知の復元反応に付すことにより実施し得る。
化合物(IV)またはその塩を製造する工程における分子
内閉環反応および脱水反応は、通常、カルボニル基(>
C=O)へ復元する過程あるいは復元した後、ピリミジ
ン環上のX基と自発的に反応しA環を形成する。この
際、酸触媒が存在すると反応を速やかにかつ高収率に進
行させることも出来る。かかる酸触媒としては、アルド
ール反応の際に詳述されている鉱酸、有機酸あるいはル
イス酸などが用いられる。また、カルボニル基(>C=
O)を還元し、ヒドロキシメチル基(>CHOH)と
し、ついでそのヒドロキシ部分を脱離基Lに変換した
後、分子内のX基とアルキル化反応に付すことによりA
環が部分還元された化合物(IV)またはその塩を製造す
ることも出来る。カルボニル基の還元反応、ヒドロキシ
基の脱離基への変換反応および分子内アルキル化反応は
自体公知の方法に従って行なわれる。また、化合物(I
I)またはその塩あるいは(IV)またはその塩を自体公
知の方法に従って接触還元反応に付して部分還元し、A
環が部分還元された化合物(II)またはその塩あるいは
(IV)またはその塩へと変換することもできる。化合物
(II)またはその塩においてA環がピロールあるいはビ
ロリン環の場合、化合物(X)またはその塩、ある いは
(IV)またはその塩の段階で自体公知のアルキル化反応
あるいはアシル化反応に付し、本発明化合物であるN−
置換ピロールあるいはN−置換ピロリン環を有する化合
物へと変換することが出来る。さらに、特開平02−1
67281に記載されているA環が無置換のピロールあ
るいはピロリン環である化合物(IV)または化合物(I
I)あるいはその塩を原料として用い、上述のアルキル
化反応あるいはアシル化反応を行うことによりA環がN
−置換ピロールあるいはN−置換ピロリン環である本発
明化合物を製造することもできる。
【0046】原料化合物(II)またはその塩のA環が炭
素原子のみで構成される化合物は、例えば次に示す反応
工程により製造し得る。
【化32】 上記工程中、A環、B、R3、R12、R′、R″および
Zは前記と同意義を有し、R′、R″および−Z−B−
COOR3はシクロペンタン環上の連続する3つの位置
で結合しているものとする。
【0047】第7工程 化合物(XII)またはその塩を、ジシアンジアミドで加
熱すると環化反応が起こり、縮合ピリミジン環が形成さ
れ化合物(IVC1)またはその塩が得られる。この場合、
反応温度は100−300℃、より好ましくは150−
250℃であり、反応時間は1−24時間が適当であ
る。さらに必要とあれば、自体公知の方法に従って公知
の試薬を用いて脱水素することにより、A環に不飽和結
合を導入することができる。
【0048】第8工程 化合物(XII)またはその塩におけるカルボニル基の両
側のα位のうち、R′、R″あるいは −Z−B−CO
OR3で置換されていないα位の水素を常法に従って引
き抜き、カルバニオンを形成させ、その活性化された位
置にエステル残基(例えば、メチル、エチル、n−プロ
ピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチルなどの
1-6アルキルあるいはベンジルなどのC7-8アラルキル
などでエステル化されたカルボキシ基など)を導入する
と化合物(XIII)またはその塩が得られる。
【0049】第9工程 化合物(XIII)またはその塩を、化合物(XI)またはそ
の塩で処理するとカルボニル基およびエステル残基と反
応し、縮合・環化を起こし、新たに縮合ピリミジン環が
形成され化合物(IVC2)またはその塩が得られる。反応
条件は第5工程で用いられる条件がそのまま適用され
る。さらに必要とあれば、自体公知の方法により公知の
試薬を用いて脱水素することにより、A環に不飽和結合
を導入することができる。
【0050】第7工程および第9工程で得られるエステ
ル体(IVC1)および(IVC2)またはそれらの塩を脱エス
テル反応に付し、それぞれ対応するカルボン酸へと変換
することができる。Bがシクロアルケニレン基あるいは
置換基を有するフェニレン基の場合、第1工程から第9
工程のうち適宜な工程においてこれらの基を自体公知の
方法に従って接触還元反応に付し、対応するシクロアル
キレン基に変換してもよい。Yがヒドロキシ基、アルコ
キシ基、アリールオキシ基、5または6員の複素環オキ
シ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ
基、5または6員の複素環チオ基、置換アミノ基、アル
カノイルアミノ基、アロイルアミノ基あるいは5または
6員の複素環カルボニルアミノ基の場合、第2工程、第
6工程、第7工程あるいは第9工程のうち適宜な工程に
おいて自体公知の方法に従って変換反応に付し、Yで定
義される5または6員の複素環基、ハロゲン原子、シア
ノ基、カルボキシ基、カルバモイル基、ニトロ基、ヒド
ロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、5または
6員の複素環オキシ基、メルカプト基、アルキルチオ
基、アリールチオ基、5または6員の複素環チオ基、置
換アミノ基、アルカノイルアミノ基、アロイルアミノ
基、5又は6員の複素環カルボニルアミノ基、アルカノ
イルオキシ基、アロイルオキシ基あるいは5ないし6員
の複素環カルボニルオキシ基に変換してもよい。
【0051】A環およびBに硫黄原子が含まれる場合ま
た−Z2−が−S−(硫黄原子)の場合、本発明化合物
(I)またはその塩を直接酸化反応に付すかあるいは可
能な任意の工程の うちのいずれかの工程で酸化反応に
付し、A環、Bおよび−Z2−の硫黄原子を S(O)n
〔n=1ないし2〕である化合物に変換することが出来
る。酸化反応は、通常、被酸化化合物に対して0.3〜
3.0当量、好ましくは0.5〜2.5当量の酸化剤の
存在下、適当な溶媒中、−10〜+100℃、好ましく
は0〜+50℃で、10分間〜48時間、好ましくは3
0分間〜24時間反応させることにより製造することが
出来る。反応に使用される酸化剤としては、過酸類
(例、メタ過ヨウ素酸ナトリウム、過酸化水素、過酢
酸、過安息香酸、m−クロロ過安息香酸)が好ましい。
反応溶媒としては、水、酢酸、ケトン類(例、アセト
ン、エチルメチルケトン)、エーテル類(例、ジメチル
エーテル、ジエチルエーテル、ジオキサン、モノグリ
ム、ジグリム)、ハロゲン化炭化水素(例、ジクロロメ
タン、クロロホルム、四塩化炭素)、脂肪族炭化水素
(例、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン)、環
状脂肪族炭化水素(例、シクロペンタン、シクロヘキサ
ン)、芳香族炭化水素(例、ベンゼン、トルエン、キシ
レン)、アセトニトリルまたはそれらの適宜の混合溶媒
が使用される。また、化合物(I)、(II)(IV)また
はその塩においてXで示されるアミノ基、ヒドロキシ基
あるいはメルカプト基は、必要に応じて、文献公知のピ
リミジン環上の置換基変換反応に従って互いに変換する
こともできる〔別冊蛋白質核酸酵素、核酸の化学合成、
共立出版(1968)〕。次に原料化合物(III)またはそ
の塩の製造法について説明する。原料化合物(III)また
はその塩は、例えば次に示す反応工程により製造し得
る。
【0052】
【化33】 上記式中、W、R1、R2、およびpは前記と同意義を有
する。QおよびVは互いに結合してアミド結合Wを形成
し得る基である。R13はアミノ基の保護基を表し、R14
はカルボキシ基の保護基を表す。
【0053】第10工程 化合物(XIV)またはその塩のアミノ基とカルボキシ基
を自体公知の保護基で保護して、化合物(XV)またはそ
の塩を製造する工程である。アミノ基の保護基として
は、例えば、酸との塩類(例、塩酸塩、硫酸塩、硝酸
塩、リン酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、p−トル
エンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩など)、アミド
類(例、ホルミル、アセチル、クロロアセチル、トリク
ロロアセチル、トリフルオロアセチル、ピバロイル、ベ
ンゾイル、p−ニトロベンゾイル、p−メトキシベンゾ
イルなど)、イミド類(例、フタロイル、ジチアサクシ
ノイルなど)、カルバメート類(例、メトキシカルボニ
ル、エトキシカルボニル、イソブチロキシカルボニル、
tert−ブトキシカルボニル、シクロヘキシロキシカ
ルボニル、ベンジロキシカルボニル、p−ニトロベンジ
ロキシカルボニル、フェノキシカルボニルなど)、ベン
ジル基類(例、ベンジル、o−ニトロベンジル、ジフェ
ニルメチル、トリチルなど)、シリル基類(トリメチル
シリル、トリエチルシリル、ジメチル−tert−ブチ
ルシリル、ジフェニル−tert−ブチルシリル、ジイ
ソプロピルメチルシリルなど)などが用いられ、カルボ
キシ基の保護基としては、例えば、エステル類(例、メ
チル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、se
c−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ベンジ
ル、p−ニトロベンジル、フェニルなど)、アミド類
(例、N,N−ジメチルアミド、ピロリジニルアミド、
ピペラジニルアミドなど)、シリルエステル類(例、ト
リメチルシリル、トリエチルシリル、ジメチル−ter
t−ブチルシリル、ジフェニル−tert−ブチルシリ
ル、ジイソプロピルメチルシリルなど)、金属塩類
(例、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、
バリウム、マグネシウム、銅、銀など)、アンモニウム
塩類などが用いられる。また、アミノ基とカルボキシ基
を銅塩により一挙に保護してもよい。本反応は、適宜の
溶媒の存在下、約20℃からその反応溶媒の沸点程度、
好ましくは、0ないし80℃の範囲の反応温度で、約1
0分間ないし48時間反応させて実施し得る。反応に使
用される溶媒としては、例えば、水、アルコール類
(例、メタノール、エタノール、t−ブタノールな
ど)、エーテル類(例、ジエチルエーテル、テトラヒド
ロフラン、ジオキサン、モノグリム、ジグリムなど)、
ニトリル類(例、アセトニトリル)、エステル類(例、
酢酸エチル)、ハロゲン化炭化水素類(例、ジクロロメ
タン、クロロホルム、四塩化炭素など)、芳香族炭化水
素類(例、ベンゼン、トルエン、キシレン)、ピリジ
ン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドまた
はそれらの適宜の混合溶媒などが使用される。
【0054】第11工程 Wのアミド結合形成反応においては公知の反応が用いら
れる。化合物(XV)またはその塩、(XVI)またはその
塩において、QがNH2の場合、Vはカルボキシ基また
はその反応性誘導体であり、または、Qがカルボキシ基
またはその反応性誘導体の場合、VはNH2 である。カ
ルボキシ基またはその反応性誘導体における反応性誘導
体としては、化合物(II)またはその塩で示した反応性
誘導体と同意義である。特に、フタロイル基を導入する
場合は、ネフケン試薬(Nefken's試薬)〔ネイチャー
(Nature)、185 巻、309、(1960)を使用
するのが有利である。
【0055】第12工程 第11工程で得られた化合物(XVII)またはその塩は、
そのアミノ保護基を〔T. W. Green、プロテクティブ・
グループス・イン・オルガニック・シンセシス(Protec
tive Groups in Organic Synthesis)、John Wiley & S
ons、New York(1981)〕に記載の公知の方法に従って脱
保護反応に付し、化合物(III)またはその塩へと変換
することができる。アミノ 基とカルボキシ基を銅塩に
て両方同時に保護した場合は、例えば、酸性条件下硫酸
水素、6規定塩酸、EDTA(エチレンジアミン四酢
酸)などにより脱銅後、カルボキシ基をエステル化する
ことにより化合物(III)またはその塩に変換すること
ができる。また、アミド結合Wの形成反応は化合物(X
X)またはその塩においても行うこともできる。
【0056】
【化34】 上式中、X、Y、A環、Z、B、R1、p、W、R2
Q、およびVは前記と同意義である。R15は官能基Qの
保護基であり、Qがアミノ基の場合、R15は、例えば、
カルバメート類(例、メトキシカルボニル、エチキシカ
ルボニル、プロピロキシカルボニル、イソプロピロキシ
カルボニル、tert−ブトキシカルボニル、ベンジロ
キシカルボニル、9−フルオレニルメトキシカルボニル
など)、アミド類(例、クロロアセチルなど)、シリル
基(トリメチルシリル、トリエチルシリル、ジメチル−
tert−ブチルシリル、ジフェニル−tert−ブチ
ルシリルなど)が用いられ、Qがカルボキシ基の場合、
15は、例えば、エステル類(tert−ブチル、ベン
ジル、p−ニトリベンジル、2−トリメチルシリルエチ
ルなど)などが用いられる。
【0057】第13工程 化合物(III)またはその塩と化合物(XVIII)またはそ
の塩とを、化合物(I)またはその塩の製造法と同様の
縮合反応 に付すことにより化合物(XIX)またはその塩
を製造することができる。
【0058】第14工程 第13工程で得られた化合物(XIX)またはその塩を第
12工程と同様に、官能基Qの脱保護反応を行い化合物
(XX)またはその塩を製造することができる。
【0059】第15工程 第14工程で得られた化合物(XX)またはその塩を自体
公知のアミド形成反応に付し、QとVよりアミド結合W
を形成させて化合物(I)またはその塩を製造すること
ができる。さらに、第1工程から第15工程、あるいは
原料化合物の製造工程において実施または使用される反
応、試薬、反応条件および必要に応じて使用される各官
能基に対する保護基の適用などに関しては、次に掲げる
文献において公知である詳細な解説に従うことができ
る。〔J. F.M. McOmine、プロテクティブ・グループス
・イン・オルガニック・ケミストリー(Protective Grou
ps in Organic Chemistry)、Plenum PressLondon and N
ew York (1973)〕、〔パイン・ヘンドリクソン・ハモン
ド、有機化学(第4版)〔I〕−〔II〕、広川書店(198
2)〕および〔M. Fieser and L. Fieser、リージェント
・フォア・オルガニック・シンセシス第1−13巻(Re
agents for Organic Synthesis vol. 1-13)、Wiley-Int
erscience、New York、London、Sydney and Toronto (1
969-1988)〕
【0060】上記方法で製造される本発明化合物の各中
間体ならびに本発明化合物(I)またはそれらの塩は、
通常の分離手段、例えば濃縮、溶媒抽出、クロマトグラ
フィ−、再結晶などにより、反応混合物から単離するこ
とができる。また、反応混合物のまま次の工程の原料と
して供してもよい。上記の製造法によって得られる化合
物(I)、(II)、(III)、(IV)、(IVc1)、(IVc2)、
(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(IX)、(X)、(XI
I)、(XIII)、 (XIV)、(XV)、(XVI)、(XVII)、(XV
III)、(XIX)および(XX)の塩として は、例えばアル
カリ金属、アルカリ土類金属、非毒性金属、アンモニウ
ムまたは置換アンモニウムなどが用いられ具体的には、
例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウ
ム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛、アンモニウ
ム、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウ
ム、トリエタノールアンモニウム、ピリジニウム、置換
ピリジニウムなどの塩基との塩、または例えば、塩酸、
硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸などの鉱酸との塩、シウ
酸、酒石酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン
酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、カ
ンファースルホン酸などの有機酸などの酸との塩などが
用いられる。なお、原料化合物化合物(V)、(VI)、
(VII)、(X)、(XI)、(XII)、(XIV)、(XVI)およ
び(XVIII)またはそれらの塩は公知方法または自体公
知 の方法に従って容易に製造することができる。
【0061】作用 本発明化合物(I)またはその塩は、葉酸およびその関
連化合物を基質として利用する1種類以上の酵素に対し
て阻害作用を有する。従って、これら化合物は、現在ま
でMTXで治療されてきたじゅう毛癌、白血病、乳房腺
癌、頭頚部表皮癌、偏平上皮癌、小細胞肺癌およびリン
パ肉腫はもとよりMTXに耐性の各種腫瘍を治療する目
的で単独あるいは他の抗腫瘍剤と併用で低毒性で安全に
使用することが可能である。例えば、本発明化合物
(I)またはその塩は、マウス腫瘍細胞株系(P388、L12
10、L5178Y、B16 melanoma、MethA、Lewis Lung Carcin
oma、S180 sarcoma、Erhlich Carcinoma、Colon26 およ
び 38 など)、およびヒト腫瘍細胞株系(A549、HL60、
KB など)に対して優れた抗腫瘍効果を示すとともに、
温血動物が保有する腫瘍 〔例、白血病(leukemia)、黒
色腫(melanoma)、肉腫(sarcoma)、肥満細胞腫(mastocyt
oma)、癌腫(carcinoma)、新生物(neoplasia)など〕を減
少させる作用、並びに腫瘍を保有する温血動物の生存期
間を延長する作用を有する。以下に、本発明における化
合物(I)またはその塩の薬理効果を示す実験結果につ
いて記載する。
【0062】後述する実施例5の1番目で得られる化合
物のA549細胞に対する細胞増殖抑制効果(IC50
を下記の方法により測定した。常法により調製したヒト
肺癌A549細胞(5×103個/ml)を96穴マイ
クロウェルプレートに各穴0.1mlづつ接種し、37
℃、5%CO2の 条件下で24時間静置培養した。これ
に実施例化合物の10%MEM(日水製薬)溶液を添加
し、再び、37℃、5%CO2の条件下で5日間静置培
養した。つ いで、培養液をマイクロピペットで除去
し、新たにMTT(同仁化学)の10%MEM溶液
(1.0 mg/ml)0.1 mlを加え、37℃で4
時間培養、さらに10%SDS(和光純薬)溶液0.1
mlを加えて、37℃で24時間培 養を続けた。59
0nmの波長で吸光度を測定し、無処理対照群の細胞数
を50%に減少させるのに要した薬物の濃度をその化合
物のIC50値とした。得られた結果を表1に示す。
【0063】
【表1】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 供試化合物 IC50(μg/ml) 実施例5の1番目の化合物 0.0012 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 上記実験結果から明らかなごとく、化合物(I)または
その塩は、ヒト肺癌A549細胞に対して優れた細胞増
殖抑制効果を示す。また、本発明化合物(I)またはそ
の塩は低毒性でかつ顕著な抗腫瘍作用を有する。従っ
て、化合物(I)またはその塩を含有する製剤は、温血
動物とりわけ哺乳動物(例、マウス、ラット、ネコ、イ
ヌ、ウサギなど)の腫瘍の治療を目的とした抗腫瘍剤と
して用いることができる。
【0064】抗腫瘍剤として用いる場合、化合物(I)
またはその塩を、それ自体あるいは通常用いられる方法
により薬理学的に許容されうる担体、賦形剤、希釈剤な
どを使用して、例えば、粉末、顆粒、錠剤、カプセル
剤、坐剤、注射剤などの形態として、経口的または非経
口的に投与し得る。投与量は、対象動物、疾患、症状、
化合物の種類、投与経路などにより異なるが、例えば、
経口投与の場合は本発明化合物として上記温血動物に1
日当たり約2.0−200、好ましくは4.0−80m
g/kg体重であり、非経口投与の場合は1日当たり約
1.0−100、好ましくは5−100mg/kgであ
る。注射剤としての投与方法としては、筋肉内注射、腹
腔内注射、皮下注射、静脈注射などが用いられる。上記
製剤化は、自体公知の方法に従って行われる。上記経口
製剤、例えば、錠剤を製造する際には、結合剤(例、ヒ
ドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチ
ルセルロース、マクロゴールなど)、崩壊剤(例、デン
プン、カルボキシメチルセルロースカルシウムなど)、
滑沢剤(例、ステアリン酸マグネシウム、タルクなど)
などを適宜配合することができる。また、非経口製剤、
例えば、注射剤を製造する際には、等張化剤(例、ブド
ウ糖、D−ソルビトール、D−マンニトール、塩化ナト
リウムなど)、防腐剤(例、ベンジルアルコール、クロ
ロブタノール、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ
安息香酸プロピルなど)、緩衝液(例、リン酸塩緩衝
液、酢酸ナトリウム緩衝液など)などを適宜配合するこ
とができる。
【0065】錠剤の製造の具体例としては、例えば1錠
当たりの使用量として本発明化合物約1.0−50m
g、乳糖100−500mg、コーンスターチ約50−
100mg、ヒドロキシプロピルセルロース約5−20
mgを常法により混合し、顆粒化し、コーンスターチお
よびステアリン酸マグネシウムと混和後、打錠して、1
錠約100−500mg、直径約3−10mmの錠剤と
する。また、この錠剤を1錠当たりの使用量として、ヒ
ドロキシプロピルメチルメチルセルロースフタレート
(約10−20mg)とヒマシ油(約0.5−2.0m
g)とを濃度約5−10%となるように溶解したアセト
ン−エタノール混液を用いて、コーティングすることに
より腸溶性の被覆錠とすることもできる。注射剤の調整
の具体例としては、例えば、1アンプル当たりの使用量
として、本発明化合物(I)のナトリウム塩約2.0−
50mgを(1)約2mlの生理食塩水に溶解したもの
をアンプルに注入した後密封をし、これを約110℃で
約30分間熱滅菌する、あるいは(2)約10−40m
gのマンニトールまたはソルビトールを約2mlの滅菌
した蒸留水にとかしたものに溶解後アンプルに注入し、
これを凍結乾燥して封をすることによっても調整するこ
とができる。凍結乾燥した注射剤は使用に際して該アン
プルを開封し、例えば生理食塩水を化合物の濃度が約
1.0−50mg/ml となるように注入溶解して溶
液とし、皮下、静脈または筋肉内に投与することができ
る。
【0066】
【実施例】以下に参考例と実施例を挙げて本発明を具体
的に説明すが、これらの例は単なる実例であって本発明
を限定するものではなく、また本発明の範囲を逸脱しな
い範囲で変化させてもよい。室温とあるのは通常10℃
から35℃を意味する。
【0067】参考例1 メチル 4-〔2-(2-アミノ-4-ヒドロキシチエノ〔2,3-
d〕ピリミジン-5-イル)エチル〕ベンゾエートの製造 2-アミノ-4-ヒドロキシ-6-メルカプトピリミジン(144m
g)のジメチルホルムアミド(DMF)溶液にナトリウムメ
チラート(1mmol)を加えた後、メチル 4-(4-クロロ-3
-オキソブチル)ベンゾエート(241mg)を加え、反応混
合物を150℃で12時間撹拌した。冷後、溶媒を減圧
留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(担体:20g;クロロホルム:メタノール=50:1)に
て精製して表題化合物(94mg;収率29%)を得た。1 H-NMR(DMSO-d6)δ:2.90-3.12(4H,m),3.84(3H,s),6.51
(2H,s),6.54(1H,s),7.37(2H,d,J=8.2Hz),7.88(2H,d,J=
8.2Hz),10.83(1H,s). IR(KBr)ν:3460,3100,2930,1720,1680,1660,1605,14
90,1405,1280,1180,1105cm-1.
【0068】参考例2 4-〔2-(2-アミノ-4-ヒドロキシチエノ〔2,3-d〕ピリミ
ジン-5-イル)エチル〕安息香 酸の製造 参考例1で得られたメチル 4-〔2-(2-アミノ-4-ヒドロ
キシチエノ〔2,3-d〕ピリミジン-5-イル)エチル〕ベン
ゾエート(89mg)のテトラヒドロフラン(2.7ml)−水
(0.8ml)溶液に1規定水酸化ナトリウム水溶液(1ml)
を加え、室温で20時間撹拌した。テトラヒドロフラン
を減圧留去した後1規定塩酸にて中和し、生じた沈殿物
を濾取し、水、メタノール、エーテルにて洗浄して表題
化合物(69mg;収率81%)を得た。1 H-NMR(DMSO-d6)δ:2.90-3.12(4H,m),6.54(1H,s),6.65
(2H,s),7.34(2H,d,J=8.2Hz),7.86(2H,d,J=8.2Hz),10.59
(1H,s). IR(KBr)ν:3430,3120,2920,1700,1670,1650,1610,14
80,1360,1310,1280,1175cm-1.
【0069】参考例3 メチル 4-〔2-(2,4-ジアミノチエノ〔2,3-d〕ピリミジ
ン-5-イル)エチル〕ベンゾエートの製造 参考例1と同様に、2,4,6-トリアミノピリミジン(957m
g)とメチル 4-(4-クロロ-3-オキソブチル)ベンゾエー
ト(1.21g)より表題化合物(260mg;収率16%)を得
た。1 H-NMR(DMSO-d6)δ:3.00(2H,t,J=8.0Hz),3.16(2H,t,J=
8.0Hz),3.84(3H,s),6.01(2H,s),6.44(2H,s),6.49(1H,
s),7.39(2H,d,J=8.2Hz),7.87(2H,d,J=8.2Hz). IR(KBr)ν:3450,3300,3100,2950,1720,1650,1635,161
0,1550,1505,1435,1280,1180,1110cm-1.
【0070】参考例4 4-〔2-(2,4-ジアミノチエノ〔2,3-d〕ピリミジン-5-イ
ル)エチル〕安息香酸の製造 参考例2と同様に、参考例3で得られたメチル 4-〔2-
(2,4-ジアミノチエノ〔2,3-d〕ピリミジン-5-イル)エチ
ル〕ベンゾエート(240mg)をアルカリ加水分解し て表
題化合物(201mg;収率88%)を得た。1 H-NMR(DMSO-d6)δ:3.02(2H,t,J=8.0Hz),3.14(2H,t,J=
8.0Hz),6.07(2H,s),6.47(2H,s),6.51(1H,s),7.35(2H,d,
J=8.2Hz),7.84(2H,d,J=8.2Hz). IR(KBr)ν:3400,3340,3180,2930,1660,1620,1610,156
0,1510,1450,1375,1280,1175,1100cm-1.
【0071】参考例5 メチル 4-〔2-(2,4-ジアミノフロ〔2,3-d〕ピリミジン
-5-イル)エチル〕ベンゾエートの製造 2,6-ジアミノ-4-ヒドロキシピリミジン(631mg)のジメ
チルホルムアミド(DMF)溶液(10ml)にメチル 4-(4-
クロロ-3-オキソブチル)ベンゾエート(1.21g)を加
え、50℃で36時間撹拌した。溶媒を減圧留去し得られ
た残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(担体:
70g;クロロホルム:メタノール=30:1)にて精製して表
題化合物(192mg;収率12%)を得た。1 H-NMR(DMSO-d6)δ:2.96(4H,s),3.84(3H,s),5.98(2H,
s),6.46(2H,s),7.05(1H,s),7.41(2H,d,J=8.2Hz),7.88(2
H,d,J=8.2Hz). IR(KBr)ν:3480,3410,3340,3140,1715,1660,1630,161
0,1580,1490,1460,1435,1375,1310,1280,1180,1110,106
0cm-1.
【0072】参考例6 4-〔2-(2,4-ジアミノフロ〔2,3-d〕ピリミジン-5-イル)
エチル〕安息香酸の製造 参考例2と同様に、参考例5で得られたメチル4-〔2-
(2,4-ジアミノフロ〔2,3-d〕ピリミジン-5-イル)エチ
ル〕ベンゾエート(157mg)をアルカリ加水分解して表
題化合物(119mg;収率80%)を得た。1 H-NMR(DMSO-d6)δ:2.96(4H,s),6.15(2H,s),6.64(2H,
s),7.09(1H,s),7.38(2H,d,J=8.2Hz),7.86(2H,d,J=8.2H
z). IR(KBr)ν:3490,3420,3380,3140,2930,1670,1630,161
0,1595,1580,1460,1415,1390,1315,1270,1170,1065c
m-1.
【0073】実施例1 N(α)-〔4-〔3-(2,4-ジアミノ-7H-ピロロ〔2,3-d〕ピ
リミジン-5-イル)プロピル〕ベンゾイル〕-N(δ)-フタ
ロイル-L-オルニチンメチルエステルの製造 4-〔3-(2,4-ジアミノ-7H-ピロロ〔2,3-d〕ピリミジン-5
-イル)プロピル〕安息香酸(350mg)とN(δ)-フタロイ
ル-L-オルニチンメチルエステル塩酸塩(420mg)のジメ
チルホルムアミド(DMF)(30ml)懸濁液に氷冷下シア
ノリン酸ジエチル(220mg)を滴下し10分間撹拌し、次
にトリエチルアミン(390mg)をゆっくりと滴 下し、滴
下後室温で4時間撹拌した。溶媒を減圧濃縮後、残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(担体:14g;ク
ロロホルム:1%アンモニア含有エタノー ル=20:1→10:
1)にて精製し表題化合物(477mg;収率74%)を得た。1 H-NMR(CDCl3)δ:1.70-2.10(6H,m),2.50-2.75(4H,m),3.
72(2H,m),3.76(3H,s),4.60(2H,brs),4.83(1H,m),5.10(2
H,brs),6.45(1H,s),6.91(1H,d,J=8.0Hz),7.17(2H, d,J=
8.0Hz),7.60-7.85(6H,m),9.13(1H,brs). IR(KBr)ν:3390,1735,1710,1610cm-1.
【0074】実施例2 実施例1と同様にして、化合物(II)(1mmol)と化合
物(III)(1.1mmol)とをジメチルホルムアミド中、シ
アノりん酸ジエチルにて縮合させて以下の化合物を合成
した。 (1)N(α)-〔4-〔2-(2,4-ジアミノ-7H-ピロロ〔2,3-d〕
ピリミジン-5-イル)エチル〕ベンゾイル〕-N(δ)-フタ
ロイル-L-オルニチンメチルエステル1 H-NMR(CDCl3)δ:1.70-2.10(4H,m),3.01(4H,brs),3.74
(2H,m),3.78(3H,s),4.70(2H,brs),4.88(1H,m),5.08(2H,
brs),6.41(1H,s),6.80(1H,d,J=7.0Hz),7.22(2H,d,J=8.2
Hz),7.65-7.80(4H,m),7.84(2H,dd,J=5.4,3.2Hz),8.25(1
H,brs). IR(KBr)ν:3370,1735,1710,1610cm-1. (2)N(α)-〔4-〔3-(2,4-ジアミノ-7H-ピロロ〔2,3-d〕
ピリミジン-5-イル)プロピル〕ベンゾイル〕-N(ε)-フ
タロイル-L-リジンメチルエステル1 H-NMR(CDCl3)δ:1.20-1.80(4H,m),1.90-2.10(4H,m),2.
60-2.80(4H,m),3.70(2H,m),3.78(3H,s),4.57(2H,brs),
4.81(1H,m),4.88(2H,brs),6.50(1H,s),6.80(1H,d,J=8.0
Hz),7.27(2H,d,J=8.2Hz),7.65-7.85(6H,m),8.25(1H,br
s). IR(KBr)ν:3370,2930,1740,1710,1610,1575,1400c
m-1.
【0075】(3)メチル 2(s)-〔4-〔3-(2,4-ジアミノ-
7H-ピロロ〔2,3-d〕ピリミジン-5-イル)プロ ピル〕ベ
ンゾイル〕アミノ-4-フタロイルアミノ-ブチラート1 H-NMR(CDCl3)δ:2.00(2H,m),2.40(2H,m),2.65(2H,t,J=
7.8Hz),2.76(2H,t,J=7.2Hz),3.54(3H,s),3.87(2H,m),4.
63(2H,brs),4.85-5.00(3H,m),6.49(1H,s),7.27(2H,d,J=
8.2Hz),7.45(1H,d,J=8.2Hz),7.72(2H,dd,J=5.6,3.2Hz),
7.85(2H,dd,J=5.6,3.2Hz),7.86(2H,d,J=8.2Hz),8.54(1
H,brs). IR(KBr)ν:3380,2970,1740,1710,1610,1570,1540,143
5,1395,720cm-1. (4)N(α)-〔4-〔N-〔2-(2,4-ジアミノ-7H-ピロロ〔2,3
-d〕ピリミジン-5-イル)エチ ル〕-N-メチル〕アミノベ
ンゾイル〕-N(δ)-フタロイル-L-オルニチン・メチル
エ ステル1 H-NMR(CDCl3/CD3OD)δ:1.70-2.10(4H,m),2.92(3H,s),
2.95(2H,t,J=7.0Hz),3.70-3.80(4H,m),3.78(3H,s),4.78
(1H,m),6.48(1H,s),6.72(2H,d,J=8.8Hz),7.60-7.90(6H,
m). IR(KBr)ν:3380,1735,1710,1635,1600cm-1. (5)N(α)-〔3-クロロ-4-〔3-(2,4-ジアミノ-7H-ピロロ
〔2,3-d〕ピリミジン-5-イル)プロピル〕ベンゾイル〕-
N(δ)-フタロイル-L-オルニチンメチルエステル 1 H-NMR(CDCl3)δ:1.70-2.10(6H,m),2.50-2.75(4H,m),3.
73(2H,m),3.78(3H,s),4.62(2H,brs),4.85(1H,m),5.11(2
H,brs),6.44(1H,s),6.91(1H,d,J=8.0Hz),7.38(1H,d,J=
8.0Hz),7.60-7.90(6H,m),9.13(1H,brs). IR(KBr)ν:3380,1735,1710,1610cm-1.
【0076】(6)N(α)-〔5-〔3-(2,4-ジアミノ-7H-ピ
ロロ〔2,3-d〕ピリミジン-5-イル)プロピル〕-2-テノイ
ル〕-N(δ)-フタロイル-L-オルニチンメチルエステル1 H-NMR(CDCl3/CD3OD)δ:1.70-2.10(6H,m),2.71(2H,m),
2.91(2H,m),3.73(2H,m),3.76(3H,s),4.77(1H,m),6.47(1
H,s),6.79(1H,d,J=3.6Hz),7.43(1H,d,J=3.6Hz), 7.60-
7.90(4H,m). IR(KBr)ν:3380,2980,1735,1710,1635,1610,1575,154
5,1380cm-1. (7)N(α)-〔5-〔N-(tert-ブトキシカルボニル)-N-〔2-
(2,4-ジアミノ-7H-ピロロ〔2,3-d〕ピリミジン-5-イル)
エチル〕アミノ〕-2-テノイル〕-N(δ)-フタロイル-L-
オルニチンメチルエステル1 H-NMR(CDCl3/CD3OD)δ:1.51(9H,s),1.70-2.10(4H,m),
3.02(2H,t,J=7.8Hz),3.73(2H,m),3.76(3H,s),3.80-4.00
(2H,m),4.73(1H,m),6.53(1H,s),6.63(1H,d,J=4.2Hz),7.
39(1H,d,J=4.2Hz),7.60-7.90(4H,m). IR(KBr)ν:3370,2980,1735,1700,1635,1610,1575,155
0,1395cm-1. (8)N(α)-〔4-〔2-(2,4-ジアミノフロ〔2,3-d〕ピリミ
ジン-5-イル)エチル〕ベンゾ イル〕-N(δ)-フタロイ
ル-L-オルニチンメチルエステル1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.60-1.90(4H,m),2.95(4H,brs),3.6
0(2H,m),3.62(3H,s),4.44(1H,m),6.08(2H,brs),6.59(2
H,brs),7.07(1H,s),7.35(2H,d,J=8.2Hz),7.81(2H,d,J=
8.2Hz),7.85(4H,m),8.61(1H,d,J=7.6Hz). IR(KBr)ν:3370,1740,1710,1630,1570,1540,1395c
m-1. (9)N(α)-〔4-〔2-(2,4-ジアミノチエノ〔2,3-d〕ピリ
ミジン-5-イル)エチル〕ベン ゾイル〕-N(δ)-フタロ
イル-L-オルニチンメチルエステル1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.60-1.90(4H,m),3.00(2H,m),3.16
(2H,m),3.60(2H,m),3.62(3H,s),4.41(1H,m),6.05(2H,br
s),6.42(2H,brs),6.50(1H,s),7.35(2H,d,J=8.2Hz),7.80
(2H,d,J=8.2Hz),7.84(4H,m),8.62(1H,d,J=7.6Hz). IR(KBr)ν:3450,3400,3320,1740,1710,1640,1560,120
0cm-1. (10)N(α)-〔4-〔2-(2-アミノ-4-ヒドロキシ-7H-ピロ
ロ〔2,3-d〕ピリミジン-5-イ ル)エチル〕ベンゾイル〕
-N(δ)-フタロイル-L-オルニチンメチルエステル 1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.60-1.90(4H,m),2.80-3.00(4H,m),
3.62(3H,s),3.63(2H,m),4.44(1H,m),5.99(2H,brs),6.30
(1H,d,J=1.8Hz),7.27(2H,d,J=8.2Hz),7.74(2H,d,J=8.2H
z),7.85(4H,m),8.61(1H,d,J=7.6Hz),10.13(1H,brs),10.
59(1H,brs). IR(KBr)ν:3360,1740,1710,1660,1630,1540,1530,139
5,710cm-1. (11)N(α)-〔4-〔2-(2-アミノ-4-ヒドロキシチエノ
〔2,3-d〕ピリミジン-5-イル)エチル〕ベンゾイル〕-N
(δ)-フタロイル-L-オルニチンメチルエステル1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.60-1.90(4H,m),3.03(2H,m),3.13
(2H,m),3.62(3H,s),3.63(2H,m),4.65(1H,m),5.90(2H,br
s),6.38(1H,s),7.27(2H,d,J=8.2Hz),7.74(2H,d,J=8.2H
z),7.85(4H,m),8.62(1H,d,J=7.6Hz),10.76(1H,brs). IR(KBr)ν:3450,3320,1740,1710,1670,1635,1600,1535c
m-1.
【0077】実施例3 N(α)-〔4-〔3-(2,4-ジアミノ-7H-ピロロ〔2,3-d〕ピ
リミジン-5-イル)プロピル〕ベンゾイル〕-N(δ)-(o-
ピロリジノカルボニルベンゾイル)-L-オルニチンメチル
エステルの製造 N(α)-〔4-〔3-(2,4-ジアミノ-7H-ピロロ〔2,3-d〕ピ
リミジン-5-イル)プロピル〕ベンゾイル〕-N(δ)-フタ
ロイル-L-オルニチンメチルエステル(70mg)のテトラ
ヒドロフラン(THF)(1ml)溶液にピロリジン(20mg)
を加え室温で10時間撹拌した。溶媒を減圧濃縮後、シ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(担体:6g;クロロ
ホルム:1%アンモニア含有エタノール=10:1)にて精製
して表題化合物(61mg,収率77%)を得た。1 H-NMR(CDCl3)δ:1.60-2.10(10H,m),2.63(2H,t,J=7.2H
z),2.73(2H,t,J=7.0Hz),3.15(2H,t,J=6.4Hz),3.43(2H,
m),3.58(2H,t,J=6.8Hz),3.77(3H,s),4.70(2H,brs),4.79
(1H,m),4.93(2H,brs),6.45(1H,s),7.22(2H,d,J=8.2Hz),
7.20-7.30(2H,m), 7.40-7.50(3H,m),7.74(1H,m),7.81(2
H,d,J=8.2Hz),8.53(1H,brs). IR(KBr)ν:3330,1735,1610,1570,1540,1490,1450,1430c
m-1.
【0078】実施例4 N(α)-〔4-〔3-(2,4-ジアミノ-7H-ピロロ〔2,3-d〕ピ
リミジン-5-イル)プロピル〕ベンゾイル〕-N(δ)-ヘミ
フタロイル-L-オルニチンの製造 N(α)-〔4-〔3-(2,4-ジアミノ-7H-ピロロ〔2,3-d〕ピ
リミジン-5-イル)プロピル〕ベンゾイル〕-N(δ)-フタ
ロイル-L-オルニチンメチルエステル(70mg)のメタノ
ール(1ml)−テトラヒドロフラン(THF)(0.5ml)溶
液に氷冷下、1規定水酸 化ナトリウム水溶液(1ml)
を加えて室温で3時間撹拌した。有機溶媒を減圧留 去
した後メンブランフィルターで濾過し、濾液を1規定塩
酸で中和して析出した結晶を濾取し、水で洗浄した後乾
燥して表題化合物(61mg;収率87%)を得た。 1H-NMR(D
MSO-d6)δ:1.60(2H,m),1.83(4H,m),2.50-2.75(4H,m),3.
30(2H,m),4.37(1H,m),5.60(2H,brs),6.21(2H,brs),6.47
(1H,s),7.29(2H,d,J=8.2Hz), 7.30-7.55(3H,m),7.73(1
H,dd,J=7.0,1.8Hz),7.82(2H,d,J=8.2Hz),8.32(1H,m)8.
48(1H,d,J=8.2Hz),10.54(1H,brs). IR(KBr)ν:3330,3200,1660,1640,1540cm-1.
【0079】実施例5 実施例4と同様にして、実施例2で製造したカルボン酸
メチルエステル(0.2mmol)をアルカリ加水分解するこ
とにより、以下の化合物を合成した。 (1)N(α)-〔4-〔2-(2,4-ジアミノ-7H-ピロロ〔2,3-d〕
ピリミジン-5-イル)エチル〕 ベンゾイル〕-N(δ)-ヘ
ミフタロイル-L-オルニチン1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.50-2.00(4H,m)2.95(4H,m),3.21(2
H,m),4.40(1H,m),5.62(2H,brs),6.26(2H,brs),6.40(1H,
s),7.31(2H,d,J=8.2Hz),7.35-7.55(3H,m),7.73(1H,dd,J
=7.0,1.8Hz),7.81(2H,d,J=8.2Hz),8.31(1H,t,J=8.2Hz),
8.46(1H,d,J=7.6Hz),10.50(1H,brs). IR(KBr)ν:3330,3200,2920,1640,1545cm-1. (2)N(α)-〔4-〔3-(2,4-ジアミノ-7H-ピロロ〔2,3-d〕
ピリミジン-5-イル)プロピル〕ベンゾイル〕-N(ε)-ヘ
ミフタロイル-L-リジン1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.35-1.60(4H,m),1.70-1.95(4H,m),
2.60-2.80(4H,m),3.20(2H,m),4.35(1H,m),5.50(2H,br
s),6.08(2H,brs),6.45(1H,s),7.27(2H,d,J=8.2Hz),7.36
(1H,m),7.46(2H,m),7.73(1H,dd,J=7.0,2.6Hz),7.80(2H,
d,J=8.2Hz),8.34(1H,m),8.44(1H,d,J=7.6Hz),10.47(1H,
brs). IR(KBr)ν:3330,3200,2930,1640,1540,1380cm-1. (3)N(α)-〔4-〔N-〔2-(2,4-ジアミノ-7H-ピロロ〔2,3
-d〕ピリミジン-5-イル)エチ ル〕-N-メチル〕アミノベ
ンゾイル〕-N(δ)-ヘミフタロイル-L-オルニチン1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.50-2.00(4H,m)2.89(2H,t,J=7.0H
z),2.92(3H,s),3.21(2H,m),3.60(2H,t,J=7.0Hz),4.40(1
H,m),5.51(2H,brs),6.13(2H,brs),6.43(1H,s),6.72(2H,
d,J=8.8Hz),7.35-7.55(3H,m),7.73(1H,m),7.74(2H,d,J=
8.8Hz),8.31(1H, t,J=8.2Hz),8.37(1H,d,J=7.6Hz),10.5
3(1H,brs). IR(KBr)ν:3330,3200,2930,1670,1640,1545,1380,1200c
m-1.
【0080】(4)N(α)-〔3-クロロ-4-〔3-(2,4-ジアミ
ノ-7H-ピロロ〔2,3-d〕ピリミジン-5-イル)プロピル〕
ベンゾイル〕-N(δ)-ヘミフタロイル-L-オルニチン1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.60(2H,m),1.83(4H,m),2.50-2.75
(4H,m),3.30(2H,m),4.37(1H,m),5.63(2H,brs),6.20(2H,
brs),6.46(1H,s),7.30-7.55(4H,m),7.70-7.80(2H,m),7.
93(1H,d,J=1.8Hz),8.32(1H,m)8.48(1H,d,J=8.2Hz),10.5
4(1H,brs). IR(KBr)ν:3330,3200,1660,1640,1540cm-1. (5)N(α)-〔5-〔3-(2,4-ジアミノ-7H-ピロロ〔2,3-d〕
ピリミジン-5-イル)プロピル〕-2-テノイル〕-N(δ)-
ヘミフタロイル-L-オルニチン1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.60-2.10(6H,m),2.71(2H,m),2.85
(2H,m),3.30(2H,m),4.37(1H,m),5.57(2H,brs),6.17(2H,
brs),6.47(1H,s),6.88(1H,d,J=3.6Hz),7.30-7.55(3H,
m),7.68(1H,d,J=3.6Hz),7.75(1H,m),8.32(1H,m),8.48(1
H,d,J=8.2Hz),10.49(1H,brs).IR(KBr)ν:3340,3200,168
0,1660,1610,1540,1455,1400,1300cm-1. (6)N(α)-〔5-〔N-(tert-ブトキシカルボニル)-N-〔2-
(2,4-ジアミノ-7H-ピロロ〔2,3-d〕ピリミジン-5-イル)
エチル〕アミノ〕-2-テノイル〕-N(δ)-ヘミフタロイ
ル-L-オルニチン1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.04(9H,s),1.60-2.10(4H,m),2.95
(2H,m),3.30(2H,m),4.10(2H,m),4.30(1H,m),5.55(2H,br
s),6.15(2H,brs),6.45(1H,s),6.72(1H,d,J=4.2Hz),7.30
-7.55(4H,m),7.75(1H,m),8.32(1H,m),8.48(1H,d,J=8.2H
z),10.53(1H,brs). IR(KBr)ν:3370,3200,2970,1695,1660,1610,1580,1455,
1400,1300cm-1.
【0081】(7)N(α)-〔5-〔N-〔2-(2,4-ジアミノ-7H
-ピロロ〔2,3-d〕ピリミジン-5-イル)エチ ル〕アミ
ノ〕-2-テノイル〕-N(δ)-ヘミフタロイル-L-オルニチ
1 H-NMR(DMSO-d6/D2O)δ:1.60-2.10(4H,m),2.93(2H,t,J=
6.6Hz),3.24(2H,t,J=6.6Hz),3.60(2H,m),4.30(1H,m),5.
85(1H,d,J=4.0Hz),6.50(1H,s),7.30-7.55(4H,m),7.75(1
H,m). IR(KBr)ν:3340,2940,1660,1610,1550,1455,1400,1300c
m-1. (8)N(α)-〔4-〔2-(2,4-ジアミノフロ〔2,3-d〕ピリミ
ジン-5-イル)エチル〕ベンゾ イル〕-N(δ)-ヘミフタ
ロイル-L-オルニチン1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.60-1.90(4H,m),2.95(4H,brs),3.6
0(2H,m),4.40(1H,m),6.08(2H,brs),6.57(2H,brs),7.08
(1H,s),7.35(2H,d,J=8.2Hz),7.35-7.60(3H,m),7.75(1H,
m),7.81(2H,d,J=8.2Hz),8.30(1H,m),8.61(1H,d,J=7.6H
z). IR(KBr)ν:3330,1630,1570,1540,1395cm-1. (9)N(α)-〔4-〔2-(2,4-ジアミノチエノ〔2,3-d〕ピリ
ミジン-5-イル)エチル〕ベン ゾイル〕-N(δ)-ヘミフ
タロイル-L-オルニチン1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.60-1.90(4H,m),3.00(2H,m),3.15
(2H,m),3.60(2H,m),3.63(3H,s),4.41(1H,m),6.13(2H,br
s),6.52(1H,s),6.55(2H,brs),7.35(2H,d,J=8.2Hz),7.35
-7.60(3H,m),7.75(1H,m),7.80(2H,d,J=8.2Hz),8.31(1H,
m),8.62(1H,d,J=7.6Hz). IR(KBr)ν:3340,1630,1570,1550cm-1. (10)N(α)-〔4-〔2-(2-アミノ-4-ヒドロキシ-7H-ピロ
ロ〔2,3-d〕ピリミジン-5-イ ル)エチル〕ベンゾイル〕
-N(δ)-ヘミフタロイル-L-オルニチン1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.50-2.00(4H,m),2.85(2H,m),2.98
(2H,m),3.30(2H,m),4.37(1H,m),5.99(2H,brs),6.29(1H,
d,J=1.8Hz),7.28(2H,d,J=8.2Hz),7.39(1H,dd,J=6.8,1.6
Hz),7.40-7.60(2H,m),7.74(1H,dd,J=7.2,1.6Hz),7.79(2
H,d,J=8.2Hz),8.28(1H,t,J=5.4Hz),8.48(1H,d,J=7.8H
z),10.13(1H,brs),10.59(1H,brs). IR(KBr)ν:3340,3200,1690,1640cm-1.
【0082】(11)N(α)-〔4-〔2-(2-アミノ-4-ヒドロ
キシチエノ〔2,3-d〕ピリミジン-5-イル)エチル〕ベン
ゾイル〕-N(δ)-ヘミフタロイル-L-オルニチン1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.50-2.00(4H,m),2.90-3.10(4H,m),
3.30(2H,m),4.39(1H,m),6.53(2H,brs),6.55(1H,s),7.32
(2H,d,J=8.2Hz),7.37(1H,dd,J=6.8,1.6Hz),7.40-7.60(2
H,m),7.75(1H,dd,J=7.2,1.6Hz),7.81(2H,d,J=8.2Hz),8.
30(1H,t,J=5.4Hz),8.51(1H,d,J=7.8Hz),10.85(1H,brs). IR(KBr)ν:3340,3200,1690,1640,1540,1505cm-1. (12)2(s)-〔4-〔3-(2,4-ジアミノ-7H-ピロロ〔2,3-d〕
ピリミジン-5-イル)プロピル〕ベンゾイルアミノ〕-4-
ヘミフタロイルアミノ酪酸1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.75-2.20(4H,m),2.70(4H,m),3.28
(2H,m),4.49(1H,m),5.84(2H,brs),6.41(2H,brs),6.51(1
H,s),7.29(2H,d,J=8.2Hz),7.30-7.55(3H,m),7.76(1H,d
d,J=7.0,1.8Hz),7.81(2H,d,J=8.2Hz),8.30(1H,m),8.53
(1H,d,J=7.2Hz),10.68(1H,brs). IR(KBr)ν:3325,3200,2930,1640,1545,1535,1500,1380c
m-1.
【0083】実施例6 N(α)−〔4−〔3−(2,4−ジアミノ−7H−ピロ
ロ〔2,3−d〕ピリミジン−5−イル)プロピル〕ベ
ンゾイル〕−N−(3−ホウ酸フェニル)−L−グルタミ
ンメチルエステルの製造 4−〔3−(2,4−ジアミノ−7H−ピロロ〔2,3−
d〕ピリミジン−5−イル)プロピル〕安息香酸(70
0mg)とN−(3−ホウ酸フェニル)−L−グルタミン
メチルエステル塩酸塩(720mg)のDMF溶液にシア
ノりん酸ジエチル(560mg)とトリエチルアミン(9
10mg)を加えて室温で2時間撹拌した。反応液を減圧
濃縮後、得られた残渣を水洗し、次いでシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(担体:5g;クロロホルム:メ
タノール=10:1)にて精製して表題化合物(1.0
3g;収率80%)を得た。1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.75-2.30(4H,m), 2.46(2H,m), 2.
50(2H,m), 2.71(2H,m),3.67(3H,s), 4.47(1H,m), 5.39
(2H,brs), 5.96(2H,brs), 6.43(1H,s), 7.24(1H,t,J=8.
2Hz), 7.31(2H,d,J=8.2Hz), 7.45(1H,d,J=6.2Hz), 7.69
(1H,d,J=7.4Hz), 7.81(1H,s), 7.83(2H,d,J=8.2Hz), 7.
98(2H,s), 8.71(1H,d,J=7.4Hz), 9.85(1H,d,J=4.4Hz),
10.41(1H,brs). IR(KBr)ν:3340, 2950, 1735, 1665, 1645, 1610, 1
545, 1430, 1200, 720cm-1
【0084】実施例7 実施例6と同様にして、カルボン酸(1mmol)とN−置
換−L−グルタミンメチルエステル塩酸塩(1.1mmo
l)とを、トリエチルアミン(4mmol)の存在下、DM
F中でシアノりん酸ジエチル(1.5mmol)にて縮合さ
せて以下の化合物を 合成した。 (1)N(α)−〔4−〔2−(2,4−ジアミノ−7H−ピ
ロロ〔2,3−d〕ピリミジン−5−イル)エチル〕ベ
ンゾイル〕−N−(3−ホウ酸フェニル)−L−グルタミ
ンメチルエステル1 H-NMR(CD3OD)δ:2.10~2.45(2H,m), 2.56(2H,m), 3.03
(4H,m), 3.75(3H,s), 4.66(1H,dd,J=9.0Hz,5.0Hz), 6.4
6(1H,s), 7.20-7.30(3H,m), 7.38(1H,m), 7.53(1H,m),
7.73(1H,brs), 7.75(2H,d,J=8.2Hz). (2)N(α)−〔4−〔2−(2,4−ジアミノ−7H−ピ
ロロ〔2,3−d〕ピリミジン−5−イル)エチル〕ベ
ンゾイル〕−N−(3−エトキシカルボニルフェニル)−
L−グルタミンメチルエステル1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.32(3H,t,J=7.2Hz), 1.8-2.37(2
H,m), 2.46(2H,m), 2.96(4H,m), 3.66(3H,s), 4.30(2H,
q,J=7.2Hz), 4.49(1H,m), 5.37(2H,brs), 5.99(2H,br
s), 6.35(1H,d,J=2.0Hz), 7.33(2H,d,J=8.2Hz), 7.43(1
H,t,J=8.0Hz), 7.62(1H,dt,J=8.0Hz,1.4Hz), 7.81(2H,
d,J=8.2Hz), 7.83(1H,dd,J=8.0Hz,1.4Hz), 8.23(1H,t,J
=1.4Hz), 8.71(1H,d,J=7.2Hz), 10.16(1H,s), 10.35(1
H,d,J=2.0Hz). IR(KBr)ν:3470, 3380, 3200, 2990, 2960, 2940, 285
0, 1720, 1610, 1580,1555, 1490, 1435, 1370, 1290,
1220, 1175, 1105, 1085, 1020, 760, 685, 600,550 cm
-1.
【0085】(3)N(α)−〔4−〔2−(2,4−ジアミ
ノ−7H−ピロロ〔2,3−d〕ピリミジン−5−イ
ル)エチル〕ベンゾイル〕−N−(4−エトキシカルボ
ニルフェニル)−L−グルタミンメチルエステル1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.31(3H,t,J=7.0Hz), 1.8-2.35(2
H,m), 2.50(2H,t,J=5.6Hz), 2.97(4H,m), 3.66(3H,s),
4.28(2H,q,J=7.0Hz), 4.48(1H,m), 5.37(2H,brs),5.99
(2H,brs), 6.36(1H,s), 7.34(2H,d,J=8.2Hz), 7.71(2H,
d,J=8.8Hz), 7.81(2H,d,J=8.2Hz), 7.90(2H,d,J=8.8H
z), 8.72(1H,d,J=7.6Hz), 10.28(1H,s), 10.37(1H,br
s). IR(KBr)ν:3375, 3180, 2975, 2920, 2850, 1735, 1
700, 1605, 1575, 1535,1500, 1420, 1405, 1365, 130
5, 1275, 1250, 1215, 1175, 1105, 1020, 855,770, 75
0 cm-1. (4)N(α)−〔4−〔2−(2,4−ジアミノ−7H−ピ
ロロ〔2,3−d〕ピリミジン−5−イル)エチル〕ベ
ンゾイル〕−N−(3−ヒドロキシフェニル)−L−グル
タミンメチルエステル1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.8-2.3(2H,m), 2.46(2H,t,J=7.4H
z), 2.98(4H,m), 3.66(3H,s), 4.46(1H,m), 6.42(1H,d,
J=6.8Hz), 6.47(2H,brs), 6.53(1H,s), 6.93(1H,d,J=6.
8Hz), 7.00(1H,t,J=6.8Hz), 7.10(2H,brs), 7.17(1H,
s), 7.34(1H,d,J=8.2Hz), 7.83(2H,d,J=8.2Hz), 8.72(1
H,d,J=7.0Hz), 9.35(1H,s), 9.82(1H,s), 11.04(1H,br
s).
【0086】(5)N(α)−〔4−〔2−(2,4−ジアミ
ノ−7H−ピロロ〔2,3−d〕ピリミジン−5−イ
ル)エチル〕ベンゾイル〕−N−(4−ヒドロキシフェ
ニル)−L−グルタミンメチルエステル1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.9-2.3(2H,m), 2.41(2H,t,J=7.4H
z), 2.96(4H,m), 3.65(3H,s), 4.46(1H,m), 5.38(2H,br
s), 6.00(2H,brs), 6.40(2H,d,J=1.0Hz), 6.69(2H,d,J=
8.8Hz), 7.34(2H,d,J=8.8Hz), 7.813(2H,d,J=8.0Hz),
8.72(1H,d,J=7.8Hz), 9.14(1H,s), 9.67(1H,s), 10.36
(1H,s). IR(KBr)ν:3475, 3380, 3310, 2950, 2925, 2910, 2
850, 1740, 1640, 1615,1585, 1545, 1515, 1500, 144
0, 1405, 1380, 1340, 1305, 1255, 1240, 1160,1105,
1090, 1005, 950, 825, 790, 735, 690, 635, 520 c
m-1. (6)N(α)−〔4−〔2−(2,4−ジアミノ−7H−ピ
ロロ〔2,3−d〕ピリミジン−5−イル)エチル〕ベ
ンゾイル〕−N−〔3−(1H−テトラゾール−5−イ
ル)フェニル〕−L−グルタミンメチルエステル1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.90-2.35(2H,m), 2.50(2H,m), 2.
94(4H,m), 3.65(3H,s),4.48(1H,m), 5.82(2H,brs), 6.4
3(1H,s), 6.48(2H,brs), 7.34(2H,d,J=8.0Hz), 7.36(1
H,t,J=8.0Hz), 7.66(1H,d,J=8.0Hz), 7.83(2H,d, J=8.0
Hz), 8.22(1H,s), 8.74(1H,d,J=7.4Hz), 10.08(1H,s),
10.65(1H,s). IR(KBr)ν:3400, 3200, 2930, 2850, 1735, 1640, 1
610, 1570, 1545, 1500,1470, 1430, 1415, 1380, 134
5, 1315, 1295, 1270, 1210, 1090, 1055, 1030,800, 7
55, 690 cm-1.
【0087】(7)N−〔N(α)−〔4−〔2−(2,4−
ジアミノ−7H−ピロロ〔2,3−d〕ピリミジン−5
−イル)エチル〕ベンゾイルアミノ〕−4(S)−メト
キシカルボニルブチリル〕グリシン・エチルエステル1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.18(3H,t,J=7.2Hz), 1.8~2.2(2H,
m), 2.30(2H,t,J=7.2Hz), 2.96(4H,m), 3.64(3H,s), 3.
80(2H,d,J=6.0Hz), 4.07(2H,q,J=7.2Hz), 4.41(1H,m),
5.47(2H,brs), 6.09(2H,brs), 6.37(1H,s), 7.33(2H,d,
J=9.5Hz), 7.80(2H,d,J=9.5Hz), 8.32(1H,t,J=6.0Hz),
8.70(1H,d,J=6.6Hz), 10.42(1H,brs). (8)N(α)−〔4−〔2−(2,4−ジアミノ−7H−ピ
ロロ〔2,3−d〕ピリミジン−5−イル)エチル〕ベ
ンゾイル〕−N−(2−メトキシカルボニルフェニル)
−L−グルタミン・メチルエステル
【0088】1H-NMR(CDCl3)δ:2.38(2H,m), 2.64(2H,
m), 2.90(4H,m), 3.75(3H,s), 3.88(3H,s), 4.80(1H,
m), 6.38(1H,s), 7.07(2H,d,J=8.0Hz), 7.07(1H,t,J=8.
0Hz), 7.50(1H,t,J=8.0Hz), 7.65(2H,d,J=8.0Hz), 7.67
(1H,d,J=8.0Hz), 7.97(1H,dd,J=1.2Hz,8.0Hz), 8.62(1
H,d,J=7.8Hz), 11.14(1H,brs). IR(KBr)ν:3300, 3200, 2980, 2950, 2670, 2450, 1
740, 1680, 1650, 1605,1590, 1525, 1500, 1445, 143
5, 1310, 1295, 1260, 1200, 1175, 1130, 1085,830, 8
00, 760, 720cm-1. (9)N(α)−〔4−〔2−(2,4−ジアミノ−7H−ピ
ロロ〔2,3−d〕ピリミジン−5−イル)エチル〕ベ
ンゾイル〕−N−(3−シアノフェニル)−L−グルタ
ミン・メチルエステル1 H-NMR(CDCl3+CD3OD)δ:2.05-2.45(2H,m), 2.52(2H,t,
J=5.4Hz), 2.99(4H,s),3.78(3H,s), 4.97(1H,m), 6.44
(2H,s), 7.18(2H,d,J=8.4Hz), 7.34(2H,m), 7.69(2H,d,
J=8.4Hz), 7.74(1H,m), 7.91(1H,s). IR(KBr)ν:3380, 2920, 2850, 2230, 1735, 1605, 1
545, 1480, 1425, 1320,1305, 1285, 1255, 1210, 116
5, 1090, 1015, 795, 755, 680cm-1. (10)N(α)−〔4−〔2−(2,4−ジアミノ−7H−
ピロロ〔2,3−d〕ピリミジン−5−イル)エチル〕
ベンゾイル〕−N−(4−シアノフェニル)−L−グル
タミン・メチルエステル1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.9~2.35(2H,m), 2.56(2H,m), 2.9
6(4H,m), 3.65(3H,s), 4.49(1H,m), 5.36(2H,s), 5.99
(2H,s), 6.35(1H,d,J=1.8Hz), 7.33(2H,d,J=8.2Hz),7.7
5(4H,s), 7.80(2H,d,J=8.2Hz), 8.70(1H,d,J=7.6Hz), 1
0.37(2H,s). IR(KBr)ν:3390, 3200, 2930, 2850, 2230, 1740, 1
610, 1580, 1535, 1505,1330, 1315, 1260, 1220, 118
0, 1090, 1020, 990, 840, 800, 760, 550cm-1.
【0089】(11)N(α)−〔4−〔2−(2,4−ジア
ミノ−7H−ピロロ〔2,3−d〕ピリミジン−5−イ
ル)エチル〕ベンゾイル〕−N−〔4−(1H−テトラ
ゾール−5−イル)フェニル〕−L−グルタミン・メチ
ルエステル1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.4-2.35(2H,m), 2.50(2H,m), 2.9
7(4H,m), 3.66(3H,s), 5.70(2H,brs), 6.41(1H,s), 7.3
4(2H,d,J=8.0Hz), 7.71(2H,d,J=8.6Hz), 7.82(2H,d,J=
8.0Hz), 7.93(2H,d,J=8.6Hz), 8.73(1H,d,J=8.0Hz), 1
0.14(1H,s), 10.58(1H,s). IR(KBr)ν:3400, 3300, 2920, 2850, 1735, 1635, 160
5, 1535, 1500, 1445, 1420, 1370, 1335, 1300, 1245,
1220, 1170, 1155, 1100, 1060, 1030, 1005, 840, 83
0, 755, 680cm-1. (12)N(α)−〔4−〔2−(2,4−ジアミノ−7H−
ピロロ〔2,3−d〕ピリミジン−5−イル)エチル〕
ベンゾイル〕−N−〔3−(メトキシカルボニルメチ
ル)フェニル〕−L−グルタミン・メチルエステル1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.80-2.40(2H,m), 2.47(2H,t,J=7.
2Hz), 3.61(3H,s), 3.62(2H,s), 3.65(3H,s), 4.46(1H,
m), 5.64(2H,brs), 6.27(2H,s), 6.40(1H,d,J=1.0Hz),
6.91(1H,d,J=7.6Hz), 7.22(1H,d,J=7.6Hz), 7.33(2H,d,
J=8.0Hz), 7.46(1H,d,J=7.6Hz), 7.49(1H,s), 7.81(2H,
d,J=8.0Hz), 8.69(1H,d,J=7.2Hz), 9.92(1H,s), 10.51
(1H,d,J=1.0Hz). IR(KBr)ν:3350, 3200, 2950, 2850, 1735, 1610, 1
570, 1550, 1490, 1435,1330, 1305, 1260, 1200, 117
0, 1090, 1010, 795, 770, 720, 690, 600cm-1. (13)N(α)−〔4−〔2−(2,4−ジアミノ−7H−
ピロロ〔2,3−d〕ピリミジン−5−イル)エチル〕
ベンゾイル〕−N−(1H−テトラゾール−5−イル)
−L−グルタミン・メチルエステル1 H-NMR(DMSO-d6)δ:2.00-2.35(2H,m), 2.61(2H,m), 2.
96(4H,m), 3.64(3H,s),4.49(1H,m), 5.60(1H,s), 6.85
(2H,s), 7.33(2H,d,J=7.8Hz), 7.49(2H,s), 7.80(2H,d,
J=7.8Hz), 8.68(1H,d,J=7.6Hz), 11.26(1H,s), 11.97(1
H,s). IR(KBr)ν:3370, 3200, 2920, 1715, 1640, 1610, 1
590, 1540, 1500, 1430,1200, 1180, 1130, 1035, 720c
m-1.
【0090】実施例8 N(α)−〔4−〔3−(2,4−ジアミノ−7H−ピロ
ロ〔2,3−d〕ピリミジン−5−イル)プロピル〕ベ
ンゾイル〕−N−(3−ホウ酸フェニル)−L−グルタミ
ンの製造 実施例6で得られたN(α)−〔4−〔3−(2,4−ジ
アミノ−7H−ピロロ〔2,3−d〕ピリミジン−5−
イル)プロピル〕ベンゾイル〕−N−(3−ホウ酸フェ
ニル)−L−グルタミンメチルエステル(1g)のメタ
ノール/テトラヒドロフラン(2:1;15ml)溶液に
1規定水酸化ナトリウム水溶液(6ml)を加えて室温で
5時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、得られた残渣を
水に溶解させた後、1規定塩酸にてpH4に合わせた。
生じた沈殿物を濾取し、水で洗浄後、減圧乾燥して表題
化合物(839mg;収率86%)を得た。1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.84(2H,m), 1.90~2.30(4H,m), 2.
45(2H,m), 2.71(4H,m),4.23(1H,m), 5.71(2H,brs), 6.2
9(2H,brs), 6.49(1H,s), 7.24(1H,t,J=8.0Hz), 7.31(2
H,d,J=8.0Hz), 7.46(1H,d,J=7.2Hz), 7.70(1H,brd,J=8.
4Hz), 7.82(1H,brs), 7.84(2H,d,J=8.0Hz), 7.98(2H,br
s), 8.55(1H,d,J=7.6Hz), 9.85(1H,s),10.60(1H,brs). IR(KBr)ν:3320, 3200, 2930, 1660, 1640, 1545, 1
490, 1425, 1380, 1340,705 cm-1.
【0091】実施例9 実施例8と同様にして、実施例7で製造したカルボン酸
エステル(1g)をアルカリ加水分解することにより、
以下の化合物を合成した。 (1)N(α)−〔4−〔2−(2,4−ジアミノ−7H−ピ
ロロ〔2,3−d〕ピリミジン−5−イル)エチル〕ベ
ンゾイル〕−N−(3−ホウ酸フェニル)−L−グルタミ
1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.90~2.30(4H,m), 2.97(4H,m), 4.
41(1H,m), 5.74(2H,brs), 6.41(3H,brs), 7.23(1H,t,J=
8.0Hz), 7.33(2H,d,J=8.0Hz), 7.46(1H,d,J=7.2Hz), 7.
70(1H,brd,J=8.2Hz), 7.82(1H,brs), 7.82(2H,d,J=8.0H
z), 7.99(2H,brs), 8.57(1H,d,J=7.6Hz), 9.85(1H,s),
10.58(1H,brs). (2)N(α)−〔4−〔2−(2,4−ジアミノ−7H−ピ
ロロ〔2,3−d〕ピリミジン−5−イル)エチル〕ベ
ンゾイル〕−N−(3−カルボキシフェニル)−L−グル
タミン1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.9~2.4(2H,m), 2.44(2H,m), 2.96
(4H,m), 4.41(1H,m), 5.66(2H,brs), 6.32(2H,brs), 6.
40(1H,s), 7.33(2H,d,J=8.4Hz), 7.39(2H,t,J=7.8Hz),
7.60(1H,dt,J=7.8Hz,1.2Hz), 7.780(1H,dd,J=7.8Hz,1.2
Hz), 7.79(2H,d,J=8.4Hz), 8.22(1H,t,J=1.2Hz), 8.55
(1H,d,J=7.6Hz), 10.12(1H,s), 10.53(1H,s). IR(KBr)ν:3350, 3200, 2930, 2850, 1645, 1600, 1
545, 1500, 1440, 1385,1300, 1260, 1190, 1095, 102
0, 905, 820, 760 cm-1.
【0092】(3)N(α)−〔4−〔2−(2,4−ジアミ
ノ−7H−ピロロ〔2,3−d〕ピリミジン−5−イ
ル)エチル〕ベンゾイル〕−N−(4−カルボキシフェ
ニル)−L−グルタミン1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.8~2.35(2H,m), 2.50(2H,m), 2.9
6(4H,m), 4.43(1H,m), 5.70(2H,brs), 6.36(2H,brs),
6.41(1H,s), 7.33(2H,d,J=8.4Hz), 7.73(2H,d,J=8.8H
z), 7.81(2H,d,J=8.4Hz), 7.87(2H,d,J=8.8Hz), 8.55(1
H,d,J=7.6Hz), 10.25(1H,s), 10.56(1H,brs). IR(KBr)ν:3375, 3200(sh.), 2920, 1640, 1600, 14
55, 1405, 1380, 1305,1255, 1100, 855, 770 cm-1. (4)N(α)−〔4−〔2−(2,4−ジアミノ−7H−ピ
ロロ〔2,3−d〕ピリミジン−5−イル)エチル〕ベ
ンゾイル〕−N−(3−ヒドロキシフェニル)−L−グル
タミン1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.8~2.3(2H,m), 2.46(2H,t,J=7.4H
z), 2.99(4H,m), 4.39(1H,m), 5.97(2H,brs), 6.42(1H,
d,J=8.0Hz), 6.46(1H,s), 6.62(2H,brs), 6.92(1H,d,J=
8.0Hz), 7.04(1H,t,J=8.0Hz), 7.17(1H,s), 7.34(2H,d,
J=8.2Hz), 7.83(2H,d,J=8.2Hz), 8.57(1H,d,J=7.6Hz),
9.34(1H,s), 9.80(1H,s), 10.73(1H,brs). IR(KBr)ν:3330, 3200, 2920, 2850, 1640, 1610, 1
545, 1495, 1445, 1385,1340, 1225, 1185, 1155, 109
0, 855, 770, 690 cm-1.
【0093】(5)N(α)−〔4−〔2−(2,4−ジアミ
ノ−7H−ピロロ〔2,3−d〕ピリミジン−5−イ
ル)エチル〕ベンゾイル〕−N−(4−ヒドロキシフェ
ニル)−L−グルタミン1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.85~2.30(2H,m), 2.94(2H,t,J=7.
2Hz), 2.96(4H,m), 4.39(1H,m), 5.58(2H,brs), 6.21(2
H,brs), 6.38(1H,s), 6.36(2H,d,J=8.8Hz), 7.33(2H,d,
J=8.2Hz), 7.34(2H,d,J=8.8Hz), 7.81(2H,d,J=8.2Hz),
8.56(1H,d,J=7.8Hz), 9.14(1H,s), 9.67(1H,s), 10.48
(1H,brs). IR(KBr)ν:3400, 3340, 3220, 2930, 2855, 1650, 1
545, 1515, 1450, 1400,1340, 1305, 1240, 1170, 110
0, 835, 770 cm-1. (6)N(α)−〔4−〔2−(2,4−ジアミノ−7H−ピ
ロロ〔2,3−d〕ピリミジン−5−イル)エチル〕ベ
ンゾイル〕−N−〔3−(1H−テトラゾール−5−イ
ル)フェニル〕−L−グルタミン1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.8-2.4(2H,m), 2.50(2H,m), 2.96
(4H,m), 4.42(1H,m), 6.10(2H,brs), 6.48(1H,s), 6.77
(2H,brs), 7.33(2H,d,J=8.0Hz), 7.43(1H,d,J=7.6Hz),
7.67(2H,m), 7.82(2H,d,J=8.0Hz), 8.30(1H,s), 8.58(1
H,d,J=7.0Hz), 10.13(1H,s), 10.81(1H,s). IR(KBr)ν:3340, 3200, 2925, 2850, 1645, 1570, 1
545, 1500, 1455, 1400,1300, 1280, 1255, 1190, 109
0, 800, 760, 745, 690, 630, 590, 550 cm-1. (7)N−〔N(α)−〔4−〔2−(2,4−ジアミノ−7
H−ピロロ〔2,3−d〕ピリミジン−5−イル)エチ
ル〕ベンゾイル〕−L−γ−グルタミル〕グリシン1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.80~2.15(2H,m), 2.26(2H,t,J=5.
8Hz), 2.96(4H,s), 3.68(1H,d,J=5.6Hz), 3.87(1H,d,J=
5.6Hz), 4.27(1H,m), 5.48(2H,brs), 6.12(2H,brs), 6.
38(1H,s), 7.33(2H,d,J=8.2Hz), 7.78(2H,d,J=8.2Hz),
8.11(1H,t,J=5.6Hz), 8.48(1H,d,J=7.2Hz), 10.44(1H,b
rs). IR(KBr)ν:3400, 3170, 2920, 1635, 1540, 1495, 1
455, 1385, 1290, 1250,1230cm-1.
【0094】(8)N(α)−〔4−〔2−(2,4−ジアミ
ノ−7H−ピロロ〔2,3−d〕ピリミジン−5−イ
ル)エチル〕ベンゾイル〕−N−(2−カルボキシフェ
ニル)−L−グルタミン1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.9~2.4(2H,m), 2.50(2H,m), 3.00
(4H,m), 4.40(1H,m), 6.64(1H,s), 6.67(2H,brs) 7.07
(1H,dt,J=1.2Hz,7.8Hz), 7.23(2H,d,J=8.0Hz), 7.29(2
H,s), 7.47(1H,dt,J=1.6Hz,8.6Hz), 7.83(2H,d,J=8.0H
z), 8.04(1H,dd,J=1.6Hz,8.4Hz), 8.52(1H,d,J=8.4Hz),
8.56(1H,d,J=8.4Hz), 11.36(1H,s), 12.03(1H,s). IR(KBr)ν:3320, 3200, 2910, 2830, 1655, 1640, 1
580, 1520, 1495, 1440,1370, 1285, 1240, 750cm-1. (9)N(α)−〔4−〔2−(2,4−ジアミノ−7H−ピ
ロロ〔2,3−d〕ピリミジン−5−イル)エチル〕ベ
ンゾイル〕−N−(3−シアノフェニル)−L−グルタ
ミン1 H-NMR(DMSO-d3)δ:1.92-2.34(2H,m), 2.5(2H,m), 2.9
6(4H,m), 4.44(1H,m), 5.66(2H,brs), 6.30(2H,brs),
6.40(1H,s), 7.33(2H,d,J=8.0Hz), 7.48(2H,m), 7.81(3
H,d,J=8.0Hz), 8.08(1H,s), 8.57(1H,d,J=7.0Hz), 10.3
5(1H,s), 10.54(1H,s). IR(KBr)ν:3350, 3200, 2925, 2850, 2225, 1640, 1
585, 1545, 1500, 1480,1450, 1430, 1390, 1330, 130
0, 1285, 1255, 1190, 1170, 1095, 1015, 790,755, 68
0cm-1. (10)N(α)−〔4−〔2−(2,4−ジアミノ−7H−
ピロロ〔2,3−d〕ピリミジン−5−イル)エチル〕
ベンゾイル〕−N−(4−シアノフェニル)−L−グル
タミン1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.5~2.45(4H,m), 2.96(4H,m), 4.4
0(1H,m), 5.54(2H,s), 6.19(2H,brs), 6.38(1H,s), 7.3
2(2H,d,J=8.2Hz), 7.75(4H,s), 7.80(2H,d,J=8.2Hz),
8.54(1H,d,J=8.0Hz), 10.39(1H,s), 10.46(1H,s). IR(KBr)ν:3410, 2930, 2855, 2230, 1645, 1600, 1
535, 1510, 1455, 1410,1310, 1260, 1175, 1100, 840,
555cm-1.
【0095】(11)N(α)−〔4−〔2−(2,4−ジア
ミノ−7H−ピロロ〔2,3−d〕ピリミジン−5−イ
ル)エチル〕ベンゾイル〕−N−〔4−(1H−テトラ
ゾール−5−イル)フェニル〕−L−グルタミン1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.8-2.35(2H,m), 2.50(2H,m), 2.9
7(4H,m), 4.43(1H,m), 6.15(2H,brs), 6.47(1H,s), 6.8
1(2H,s), 7.33(2H,d,J=8.2Hz), 7.76(2H,d,J=8.7Hz),
7.82(2H,d,J=8.2Hz), 7.95(2H,d,J=8.7Hz), 8.85(1H,d,
J=8.0Hz), 10.22(1H,s), 10.84(1H,s). IR(KBr)ν:3400, 3200, 2930, 2850, 1640, 1570, 1
540, 1500, 1450, 1430,1385, 1335, 1310, 1255, 118
5, 1155, 1095, 1075, 1020, 1000, 845, 750,590,52
5cm-1. (12)N(α)−〔4−〔2−(2,4−ジアミノ−7H−
ピロロ〔2,3−d〕ピリミジン−5−イル)エチル〕
ベンゾイル〕−N−〔3−(カルボキシメチル)フェニ
ル〕−L−グルタミン1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.90-2.40(2H,m), 2.46(2H,t,J=7.
0Hz), 2.96(4H,m), 3.50(2H,s), 4.41(1H,m), 5.47(2H,
brs), 6.11(2H,s), 6.35(1H,d,J=8.0Hz), 6.37(1H,s),
7.20(1H,t,J=8.0Hz), 7.33(2H,d,J=8.4Hz), 7.47(1H,d,
J=8.0Hz), 7.49(1H,s), 7.81(2H,d,J=8.4Hz), 8.54(1H,
d,J=7.0Hz), 9.93(1H,s), 10.41(1H,s). IR(KBr)ν:3330, 3200, 2920, 1660, 1630, 1610, 1
595, 1555, 1540, 1500,1435, 1380, 1350, 1285, 125
5, 1210, 1180, 1160, 1090, 1070, 770, 720,660cm
-1. (13)N(α)−〔4−〔2−(2,4−ジアミノ−7H−
ピロロ〔2,3−d〕ピリミジン−5−イル)エチル〕
ベンゾイル〕−N−(1H−テトラゾール−5−イル)
−L−グルタミン1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.95-2.50(2H,m), 2.60(2H,m), 2.
96(4H,m), 4.43(1H,m),5.88(2H,brs), 6.34(1H,s), 6.5
2(2H,s), 7.32(2H,d,J=8.4Hz), 7.79(2H,d,J=8.4Hz),
8.54(1H,d,J=8.0Hz), 10.56(1H,s), 11.88(1H,brs). IR(KBr)ν:3380, 3270, 3200, 2910, 1680, 1630, 1
605, 1540, 1490, 1450,1380, 1330, 1240, 1155, 1040
cm-1.
【0096】実施例10 N(α)−〔4−〔2−(2,4−ジアミノ−7H−ピロ
ロ〔2,3−d〕ピリミジン−5−イル)エチル〕ベン
ゾイル〕−N(γ)−ヘミフタロイル−L−2,4−ジア
ミノ酪酸の製造 実施例6と同様にして、4−〔2−(2,4−ジアミノ
−7H−ピロロ〔2,3−d〕ピリミジン−5−イル)
エチル〕安息香酸(566mg)とN(γ)−フタロイル−
L−2,4−ジアミノ酪酸メチル塩酸塩(625mg)と
をトリエチルアミン(960mg)の存在下、シアノりん
酸ジエチル(465mg)にて縮合するとN(α)−〔4−
〔2−(2,4−ジアミノ−7H−ピロロ〔2,3−d〕
ピリミジン−5−イル)エチル〕ベンゾイル〕−N(γ)
−フタロイル−L−2,4−ジアミノ酪酸メチルが得ら
れた。1 H-NMR(DMSO-d6)δ:2.00~2.35(2H,m), 2.97(4H,m), 3.
61(3H,s), 4.44(1H,m),5.57(2H,brs), 6.20(2H,brs),
6.41(1H,s), 7.32(2H,d,J=8.2Hz), 7.75(2H,d,J=8.2H
z), 7.83(4H,s), 8.74(1H,d,J=7.6Hz), 10.49(1h,brs). IR(KBr)ν:3370, 3200, 2950,
1770, 1735, 1710, 1660, 1
610, 1575, 1545,1500, 143
0, 1400, 1200, 1185, 720
cm−1. 上記エステル全量を実施例8と同様にして、水酸化ナト
リウムにて加水分解すると表題化合物(850mg;収
率82%)が得られた。1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.75~2.20(2H,m), 2.96(4H,brs),
3.32(2H,m), 4.51(1H,m), 5.77(2H,brs), 6.41(3H,br
s), 7.32(2H,d,J=8.0Hz), 7.35~7.55(3H,m), 7.70~7.85
(3H,m), 8.31(1H,m), 8.53(1H,d,J=7.4Hz), 10.59(1H,b
rs).
【0097】実施例11 N(α)−〔4−〔2−(2,4−ジアミノ−7H−ピロ
ロ〔2,3−d〕ピリミジン−5−イル)エチル〕ベン
ゾイル〕−N(δ)−(3,4−メチレンジオキシベンゾ
イル)−L−オルニチンの製造 4−〔2−(2,4−ジアミノ−7H−ピロロ〔2,3−
d〕ピリミジン−5−イル)エチル〕安息香酸(1.5
2g)とN(δ)−t−ブチロキシカルボニル−L−オル
ニチンメチルエステル(1.3g)とのDMF溶液にシ
アノりん酸ジエチル(1.4g)を加え、トリエチルア
ミン(3.0g)の存在下、室温で1時間撹拌した。反
応液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(担体:30g;クロロホルム:1%
アンモニア含有エタノール=20:1→15:1)にて
精製するとメチル N(α)−〔4−〔2−(2,4−ジ
アミノ−7H−ピロロ〔2,3−d〕ピリミジン−5−
イル)エチル〕ベンゾイル〕−N(δ)−(t−ブチロキ
シカルボニル)−L−オルニチネート(2.30g;収
率85%)が得られた。1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.37(9H,s), 1.40-1.60(2H,m), 1.7
0-1.85(2H,m), 2.90-3.15(6H,m), 3.64(3H,s), 4.40(1
H,m), 6.61(1H,s), 6.81(1H,t,J=7.0Hz), 6.97(2H,br
s), 7.33(2H,d,J=8.2Hz), 7.63(2H,brs), 7.80(2H,d,J=
8.2Hz), 8.63(1H,d,J=7.4Hz), 11.35(1H,brs).
【0098】上記メチルオルニチネート(200mg)の
ジクロロメタン(1ml)溶液に、氷冷下、トリフルオロ
酢酸(1ml)を滴下し室温で20分間撹拌した。反応液
を減圧濃縮し、得られた残渣をDMFに溶解させ、3,
4−メチレンジオキシ安息香酸(68mg)およびシアノ
りん酸ジエチル(150mg)を加えて10分間撹拌、次
いでトリエチルアミン(500mg)を氷冷下に滴下して
さらに室温で2時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、得
られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展
開溶媒;クロロホルム:1%アンモニアエタノール=1
5:1)にて精製するとメチル N(δ)−(3,4−メ
チレンジオキシベンゾイル)−L−オルニチネートが得
られた。このもの全量をメタノール(6ml)に溶解さ
せ、氷冷下、水酸化ナトリウム水溶液(1ml)を加え室
温で5時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、得られた残
渣を水に溶解させ、希塩酸にてpHを4に調整し、析出
した沈殿物を濾取して水洗後、減圧下に乾燥すると表題
化合物(108mg;収率51%)が得れた。1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.45-1.95(4H,m), 2.96(4H,brs),
3.25(2H,m), 4.39(1H,m), 5.83(2H,brs), 6.09(2H,s),
6.43(1H,s), 6.47(2H,brs), 6.97(1H,d,J=8.4Hz), 7.33
(2H,d,J=8.0Hz), 7.38(1H,s), 7.43(1H,d,J=8.4Hz), 7.
81(2H,d,J=8.0Hz), 8.33(1H,brt,J=5.2Hz), 8.53(1H,d,
J=7.6Hz), 10.63(1H,brs). IR(KBr)ν:3340, 3200, 2930, 1640, 1540, 1500, 1
485, 1440, 1400, 1360,1300, 1260, 1040 cm-1.
【0099】実施例12 実施例11と同様にして、メチル N(α)−〔4−〔2
−(2,4−ジアミノ−7H−ピロロ〔2,3−d〕ピリ
ミジン−5−イル)エチル〕ベンゾイル〕−N(δ)−
(t−ブチロキシカルボニル)−L−オルニチネート
(1mmol)をトリフルオロ酢酸でアミノ基に変換した
後、カルボン酸(1.1mmol)とトリエチルアミンの存
在下、シアノりん酸ジエチルにて縮合し、次いでアルカ
リ加水分解することにより以下の化合物を合成した。 (1)N(α)−〔4−〔2−(2,4−ジアミノ−7H−ピ
ロロ〔2,3−d〕ピリミジン−5−イル)エチル〕ベ
ンゾイル〕−N(δ)−(3−カルボキシ−2−ナフトイ
ル)−L−オルニチン1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.60-2.05(4H,m), 2.96(4H,brs),
3.35(2H,m), 4.43(1H,m), 5.77(2H,brs), 6.42(3H,br
s), 7.32(2H,d,J=8.0Hz), 7.60-7.70(2H,m), 7.83(2H,
d,J=8.0Hz), 7.97(1H,s), 7.95-8.15(2H,m), 8.36(1H,
s), 8.40-8.60(2H,m),10.62(1H,brs). IR(KBr)ν:3350, 3220, 2930, 1705, 1650, 1540, 1
500, 1460, 1380, 1300cm-1. (2)N(α)−〔4−〔2−(2,4−ジアミノ−7H−ピ
ロロ〔2,3−d〕ピリミジン−5−イル)エチル〕ベ
ンゾイル〕−N(δ)−(2−ヒドロキシベンゾイル)−
L−オルニチン1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.50-1.95(4H,m), 2.96(4H,brs),
3.33(2H,m), 4.41(1H,m), 5.73(2H,brs), 6.37(3H,br
s), 6.41(1H,s), 6.80-6.95(2H,m), 7.32(2H,d,J=8.0H
z), 7.39(1H,m), 7.80(2H,d,J=8.0Hz), 7.84(1H,m), 8.
53(1H,d,J=7.8Hz), 8.84(1H,m), 10.57(1H,brs). IR(KBr)ν:3340, 3200, 2930, 1640, 1595, 1540, 1
490, 1450, 1390, 1300,1250, 755 cm-1.
【0100】(3)N(α)−〔4−〔3−(2,4−ジアミ
ノ−7H−ピロロ〔2,3−d〕ピリミジン−5−イ
ル)プロピル〕ベンゾイル〕−N(δ)−(o−ピロリジ
ノカルボニルベンゾイル)−L−オルニチン1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.50-20.0(8H,m), 2.97(4H,m), 3.
09(2H,t,J=6.4Hz), 3.22(2H,m), 3.38(2H,m), 4.39(1H,
m), 5.63(2H,brs), 6.28(2H,brs), 6.40(1H,s),7.32(2
H,d,J=8.2Hz), 7.25-7.65(4H,m), 7.82(2H,d,J=8.2Hz),
8.36(1H,t,J=5.0Hz), 8.51(1H,d,J=7.8Hz), 10.52(1H,
brs). IR(KBr)ν:3330, 1610, 1570, 1540, 1490, 1450, 143
0cm-1. (4)N(α)−〔4−〔2−(2,4−ジアミノ−7H−ピ
ロロ〔2,3−d〕ピリミジン−5−イル)エチル〕ベ
ンゾイル〕−N(δ)−(4−カルボキシベンゾイル)−
L−オルニチン1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.60-2.00(4H,m), 2.96(4H,brs),
3.30(2H,m), 4.41(1H,m), 5.45(2H,brs), 6.09(2H,br
s), 6.37(1H,s), 7.33(2H,d,J=8.2Hz), 7.80(2H,d,J=8.
2Hz), 7.92(2H,d,J=8.6Hz), 8.00(2H,d,J=8.6Hz), 8.51
(1H,d,J=8.0Hz), 8.66(1H,t,J=5.8Hz), 10.41(1H,brs). IR(KBr)ν:3330, 3200, 2930, 1640, 1570, 1540, 1
500, 1455, 1385, 1290,1190, 730cm-1.
【0101】(5)N(α)−〔4−〔2−(2,4−ジアミ
ノ−7H−ピロロ〔2,3−d〕ピリミジン−5−イ
ル)エチル〕ベンゾイル〕−N(δ)−(3(E)−カルボ
キシ−2−プロペノイル)−L−オルニチン1 H-NMR(DMSO-d3)δ:1.40-1.90(4H,m), 2.96(4H,brs),
3.16(2H,m), 4.32(1H,m), 5.48(2H,brs), 6.12(2H,br
s), 6.37(1H,s), 6.51(1H,d,J=15.4Hz), 6.83(1H,d,J=1
5.4Hz), 7.32(2H,d,J=8.0Hz), 7.78(2H,d,J=8.0Hz), 8.
38(1H,d,J=7.4Hz), 8.47(1H,.m), 10.42(1H,brs). IR(KBr)ν:3325, 3200, 2925, 1645, 1620, 1565, 1
540, 1500, 1460, 1390,1330, 1190, 1090, 975cm-1. (6)N(α)−〔4−〔2−(2,4−ジアミノ−7H−ピ
ロロ〔2,3−d〕ピリミジン−5−イル)エチル〕ベ
ンゾイル〕−N(δ)−(3−カルボキシプロピオニル)
−L−オルニチン1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.40-1.90(4H,m), 2.20-2.50(4H,
m), 2.96(4H,brs), 3.05(2H,m), 4.34(1H,m), 5.58(2H,
brs), 6.22(2H,brs), 6.39(1H,s), 7.33(2H,d,J=8.2H
z), 7.80(2H,d,J=8.2Hz), 7.86(1H,t,J=7.6Hz), 8.49(1
H,d,J=7.4Hz), 10.48(1H,brs). IR(KBr)ν:3330, 3200, 2930, 1640, 1545, 1500, 145
5, 1400cm-1. (7)N(δ)−〔4−〔2−(2,4−ジアミノ−7H−ピ
ロロ〔2,3−d〕ピリミジン−5−イル)エチル〕ベ
ンゾイル〕−N(γ)−(3,4,5−トリメトキシベンゾ
イル)−L−オルニチン1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.50-2.00(4H,m), 2.95(4H,brs),
3.29(2H,m), 3.69(3H,s), 3.81(6H,s), 4.38(1H,m), 5.
45(2H,brs), 6.08(2H,brs), 6.36(1H,s), 7.17(2H,s),
7.32(2H,d,J=8.2Hz), 7.80(2H,d,J=8.2Hz), 8.40-8.55
(2H,m), 10.40(1H,brs). IR(KBr)ν:3340, 3200, 2940,
1640, 1590, 1540, 1460, 1
410, 1335, 1235,1185, 112
5, 1000, 760cm−1
【0102】(8)N(α)−〔4−〔2−(2,4−ジ
アミノ−7H−ピロロ〔2,3−d〕ピリミジン−5−
イル)エチル〕ベンゾイル〕−N(δ)−(4−アセタミ
ドベンゾイル)−L−オルニチン1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.45-1.95(4H,m), 2.06(3H,s), 2.
96(4H,brs), 3.27(2H,m), 4.39(1H,m), 5.83(2H,brs),
6.43(1H,s), 6.50(2H,brs), 7.33(2H,d,J=8.0Hz), 7.63
(2H,d,J=8.4Hz), 7.79(2H,d,J=8.4Hz), 7.81(2H,d,J=8.
0Hz), 8.36(1H,m), 8.53(1H,d,J=7.8Hz), 10.16(1H,s),
10.65(1H,brs). IR(KBr)ν:3320, 3200, 2930, 1640, 1530, 1500, 1
460, 1400, 1370, 1315,1260, 1180cm-1. (9)N(α)−〔4−〔2−(2,4−ジアミノ−7H−ピ
ロロ〔2,3−d〕ピリミジン−5−イル)エチル〕ベ
ンゾイル〕−N(γ)−(2,6−ジメチルベンゾイル)
−L−オルニチン1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.50-2.00(4H,m), 2.19(6H,s), 2.
96(4H,brs), 4.38(1H,m), 5.45(2H,brs), 6.07(2H,br
s), 6.36(1H,s), 7.01(2H,d,J=7.8Hz), 7.16(1H,dd,J=
8.7,6.4Hz), 7.33(2H,d,J=8.0Hz), 7.79(2H,d,J=8.0H
z), 8.29(1H,t,J=5.0Hz), 8.51(1H,d,J=7.7Hz), 10.40
(1H,brs). IR(KBr)ν:3330, 3200, 2925, 1640, 1600, 1560, 1
540, 1500, 1460, 1400,1300, 770cm-1.
【0103】実施例13 実施例9(1)、9(2)、5(1)、10および12
(1)で得られたカルボン酸を、カルボン酸と等量の水
酸化ナトリウム水溶液に溶解させた後、凍結乾燥するこ
とによりナトリウム塩を得た。 (1)N(α)−〔4−〔2−(2,4−ジアミノ−7H−
ピロロ〔2,3−d〕ピリミジン−5−イル)エチル〕
ベンゾイル〕−N−(3−ホウ酸フェニル)−L−グル
タミン・ナトリウム塩1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.85-2.20(2H,m), 2.34(2H,t,J=8.
0Hz), 2.95(4H,m), 4.08(1H,m), 5.35(2H,s), 5.95(2H,
s), 6.37(1H,s), 7.20(1H,t,J=7.8Hz), 7.32(2H,d,J=8.
2Hz), 7.40(1H,d,J=7.8Hz), 7.65-7.80(4H,m), 7.86(1
H,d,J=6.2Hz), 10.31(1H,brs), 10.35(1H,brs). IR(KBr)ν:3400, 1650, 1610, 1580, 1540, 1490, 1
430, 1410, 1340cm-1. (2)N(α)−〔4−〔2−(2,4−ジアミノ−7H−
ピロロ〔2,3−d〕ピリミジン−5−イル)エチル〕
ベンゾイル〕−N−(3−カルボキシフェニル)−L−
グルタミン・ジナトリウム塩1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.90-2.10(2H,m), 2.32(2H,t,J=7.
4Hz), 2.94(4H,m), 4.01(1H,m), 5.34(2H,s), 5.95(2H,
s), 6.36(1H,s), 7.13(1H,t,J=7.9Hz), 7.32(2H,d,J=8.
2Hz), 7.50(1H,d,J=7.8Hz), 7.65(1H,d,J=7.8Hz), 7.69
(2H,d,J=8.2Hz),7.85(1H,d,J=6.0Hz), 7.91(1H,t,J=1.2
Hz), 10.34(1H,s), 10.37(1H,s). IR(KBr)ν:3370, 1650, 1610, 1570, 1560, 1545, 1
530, 1490, 1430, 1385,770cm-1.
【0104】(3)N(α)−〔4−〔2−(2,4−ジア
ミノ−7H−ピロロ〔2,3−d〕ピリミジン−5−イ
ル)エチル〕ベンゾイル〕−N−(δ)−ヘミフタロイ
ル−L−オルニチン・ジナトリウム塩1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.40-1.60(2H,m), 1.70-2.00(2H,
m), 2.94(4H,m), 3.20(2H,m), 4.11(1H,m), 5.36(2H,
s), 5.96(2H,s), 6.37(1H,s), 7.20-7.50(5H,m), 7.64
(1H,dd,J=7.8,1.8Hz), 7.76(2H,d,J=8.0Hz), 7.96(1H,
d,J=6.6Hz), 10.10(1H,brs), 10.37(1H,s). IR(KBr)ν:3380, 1610, 1580, 1490, 1430, 1390, 1
310, 1190, 1090cm-1. (4)N(α)−〔4−〔2−(2,4−ジアミノ−7H−
ピロロ〔2,3−d〕ピリミジン−5−イル)エチル〕
ベンゾイル〕−N−(γ)−ヘミフタロイル−L−2,
4−ジアミノ酪酸・ジナトリウム塩1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.70-2.10(2H,m), 2.95(4H,m), 3.
17(2H,m), 4.03(1H,m),5.34(2H,s), 5.94(2H,s), 6.36
(1H,s), 7.15-7.45(5H,m), 7.63(1H,dd,J=7.6,1.4Hz),
7.72(2H,d,J=8.2Hz), 7.88(1H,d,J=6.6Hz), 10.25(1H,b
rs), 10.34(1H,brs). IR(KBr)ν:3390, 1610, 1585, 1550, 1530, 1490, 1
430, 1395, 1310cm-1. (5)N(α)−〔4−〔2−(2,4−ジアミノ−7H−
ピロロ〔2,3−d〕ピリミジン−5−イル)エチル〕
ベンゾイル〕−N−(δ)−(3−カルボキシ−2−ナ
フトイル)−L−オルニチン・ジナトリウム塩1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.40-1.60(2H,m), 1.70-2.10(2H,
m), 2.92(4H,m), 3.20(2H,m), 4.15(1H,m), 5.34(2H,
s), 5.93(2H,s), 6.36(1H,s), 7.30(2H,d,J=8.0Hz),7.4
5-7.55(2H,m), 7.75(2H,d,J=8.0Hz), 7.85-8.00(3H,m),
7.97(1H,s), 8.25(1H,s), 10.35(1H,brs). IR(KBr)ν:3400, 1685, 1610, 1580, 1550, 1490, 1
460, 1435, 1400, 1350,1325, 1300, 1205, 1180, 1130
cm-1.
【0105】実施例14 実施例6と同様にして、カルボン酸(1mmol)とN−置
換−L−グルタミンメチルエステル(1.1mmol)とを、
トリエチルアミン(4mmol)の存在下、DMF中シアノ
りん酸ジエチル(1.5mmol)にて縮合させて以下の化合
物を合成した。 (1)N(α)−[4−[2−(2,4−ジアミノ−7H−
ピロロ[2,3−d〕ピリミジン−5−イル)エチル〕
ベンゾイル〕−N−(3−エトキシカルボニル−4−ヒ
ドロキシフェニル)−L−グルタミンメチルエステル1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.34(3H,t,J=7.0Hz), 1.95-2.70(4
H,m), 2.97(4H,m), 3.65(3H,s),4.36(2H,q,J=7.0Hz),
4.45(1H,m), 5.59(2H,brs), 6.22(2H,brs), 6.39(1H,
s), 6.92(1H,d,J=9.0Hz), 7.32(2H,d,J=8.0Hz), 7.66(1
H,dd,J=9.0,2.6Hz),7.80(2H,d,J=8.0Hz), 8.08(1H,d,J=
2.6Hz), 8.69(1H,d,J=7.8Hz), 9.92(1H,s),10.33(1H,
s), 10.50(1H,brs). IR( KBr )ν:3380, 3200, 1735, 1665, 1650, 1640, 1
610, 1580, 1540, 1490,1430, 1290, 1205cm-1. (2)N(α)−[4−[2−(2,4−ジアミノ−7H−
ピロロ[2,3−d〕ピリミジン−5−イル)エチル〕
ベンゾイル〕−N−(3,4−メチレンジオキシフェニ
ル)−L−グルタミンメチルエステル1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.90-2.25(2H,m), 2.35-2.45(2H,
m), 2.96(4H,m), 3.65(3H,s), 4.47(1H,m), 5.51(2H,br
s), 5.96(2H,s), 6.13(2H,brs), 6.38(1H,s), 6.81(1H,
d,J=8.4Hz), 6.93(1H,dd,J=8.4,2.0Hz), 7.28(1H,d,J=
2.0Hz), 7.33(2H,d,J=8.2Hz), 7.80(2H,d,J=8.2Hz), 8.
69(1H,d,J=7.0Hz), 9.82(1H,s), 10.44(1H,brs). IR( KBr )ν:3390, 1740, 1640, 1610, 1580, 1550, 1
500, 1490, 1430, 1240,1205, 1190, 1140cm-1. (3)N(α)−[4−[2−(2,4−ジアミノ−7H−
ピロロ[2,3−d〕ピリミジン−5−イル)エチル〕
ベンゾイル〕−N−(1H−ベンゾトリアゾール−5−
イル)−L−グルタミンメチルエステル1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.70-1.80(2H,m), 2.05-2.35(2H,
m), 2.96(4H,m), 3.66(3H,s), 4.50(1H,m), 5.42(2H,br
s), 6.03(2H,brs), 6.37(1H,s), 7.33(2H,d,J=8.2Hz),
7.36(1H,dd,J=9.0,1.8Hz), 7.81(2H,d,J=8.2Hz), 7.87
(1H,d,J=9.0Hz), 8.34(1H,brs), 8.70(1H,d,J=7.0Hz),
10.23(1H,s), 10.39(1H,brs). IR( KBr )ν:3400, 2950, 1735, 1670, 1630, 1610, 1
580, 1560, 1540, 1500,1440, 1430, 1390, 1200, 118
0, 1135cm-1.
【0106】(4)N(α)−[4−[2−(2,4−ジア
ミノ−7H−ピロロ[2,3−d〕ピリミジン−5−イ
ル)エチル〕ベンゾイル〕−N−(3−メトキシカルボ
ニル−6−フルオロフェニル)−L−グルタミンメチル
エステル1 H-NMR(DMSO-d6)δ: 2.19(2H,m), 2.58(2H,t,J=5.4Hz),
2.96(4H,m), 3.66(3H,s), 3.85(3H,s), 4.51(1H,m),
5.54(2H,s), 6.17(2H,s), 6.38(1H,s), 7.32(2H,d,J=8.
2Hz),7.37(1H,dd,J=8.6,10.6Hz), 7.72(1H,ddd,J=2.4,
5.0,10.6Hz), 7.80(2H,d,J=8.2Hz),8.59(1H,dd,J=2.2,
7.6Hz), 8.67(1H,d,J=7.6Hz), 9.91(1H,s),10.46(1H,
s). IR( KBr )ν:3370, 2950, 2850, 1720, 1610, 1575, 1
540, 1490, 1440, 1420,1295,1245, 1200, 1110, 990,
795, 760, 620cm-1. (5)N(α)−[4−[2−(2,4−ジアミノ−7H−
ピロロ[2,3−d〕ピリミジン−5−イル)エチル〕
ベンゾイル〕−N−(3−メトキシカルボニル−5−ピ
リジル)−L−グルタミンメチルエステル1 H-NMR(DMSO-d6),δ:1.95-2.35(2H,m), 2.54(2H,t,J=
7.6Hz), 2.97(4H,s), 3.69(3H,s), 3.89(3H,m), 4.52(1
H,m), 6.32(2H,brs), 6.50(1H,s), 6.99(2H,s),7.32(2
H,d,J=8.4Hz), 7.81(2H,d,J=8.4Hz), 8.62(H,t,J=2.4H
z), 8.71(1H,d,J=7.6Hz), 8.74(1H,d,J=2.4Hz), 8.88(1
H,d,J=2.4Hz), 10.42(1H,s), 10.96(1H,s). IR( KBr )ν:3290, 2950, 2850, 1725, 1660, 1635, 1
540, 1599, 1460, 1430,1340, 1300, 1265, 1200, 113
0, 1110, 800, 765, 715, 695cm-1.
【0107】(6)N(α)−[4−[2−(2,4−ジア
ミノ−7H−ピロロ[2,3−d〕ピリミジン−5−イ
ル)エチル〕ベンゾイル〕−N−[4−(メトキシカル
ボニルメチル)チアゾール−2−イル〕−L−グルタミ
ンメチルエステル1 H-NMR(DMSO-d6),δ:1.90-2.35(2H,m), 2.57(2H,t,J=
7.6Hz), 2.98(4H,m), 3.61(3H,s), 3.65(3H,s), 3.69(2
H,s), 4.46(1H,m), 5.53(2H,brs), 6.15(1H,s),6.39(1
H,s),6.96(1H,s), 7.34(2H,d,J=8.0Hz), 7.80(2H,d,J=
8.0Hz), 8.67(1H,d,J=7.6Hz), 10.46(1H,s). IR( KBr )ν:3380, 3200, 2950, 2850, 1735, 1605, 1
570, 1545, 1535, 1500,1430,1340, 1270, 1200, 1160,
1050, 830, 795, 750cm-1. (7)N(α)−[4−[3−(2,4−ジアミノ−7H−
ピロロ[2,3−d〕ピリミジン−5−イル)プロピ
ル〕ベンゾイル〕−N−(1H−テトラゾール−5−イ
ル)−L−グルタミンメチルエステル1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.75-1.90(2H,m), 1.95-2.20((2H,
m), 2.50-2.80(6H,m), 3.65(3H,s), 4.49(1H,m), 6.40
(2H,brs), 6.61(1H,s), 7.07(2H,brs), 7.32(2H,d,J=8.
0Hz),7.81(2H,d,J=8.0Hz), 8.70(1H,d,J=7.0Hz), 11.05
(1H,brs), 11.94(1H,brs). IR( KBr )ν:3300, 3220, 2930, 1735, 1690, 1660, 1
640, 1610, 1540, 1440,1400, 1340, 1240, 1220, 1040
cm-1. (8)N(α)−[4−[2−(2,4−ジアミノ−7H−
ピロロ[2,3−d〕ピリミジン−5−イル)エチル〕
ベンゾイル〕−N−(1H−テトラゾール−5−イル)
−L−アスパラギンメチルエステル1 H-NMR(DMSO-d6)δ:2.85-3.15(6H,m), 3.65(3H,s), 4.
95(1H,m), 6.33(2H,brs), 6.50(1H,s), 7.02(2H,brs),
7.32(2H,d,J=8.2Hz), 7.76(2H,d,J=8.2Hz), 8.85(1H,d,
J=7.4Hz), 10.96(1H,brs), 12.09(1H,brs). IR( KBr )ν:3320, 3180, 1730, 1650, 1635, 1610, 1
590, 1540, 1500, 1460,1435, 1390, 1240, 1200, 1180
cm-1.
【0108】(9)N(α)−[4−[3−(2,4−ジア
ミノ−7H−ピロロ[2,3−d〕ピリミジン−5−イ
ル)プロピル〕ベンゾイル〕−N−(1H−テトラゾー
ル−5−イル)−L−アスパラギンメチルエステル1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.75-1.90(2H,m), 2.60-3.20(6H,
m), 3.64(3H,s), 4.95(1H,m), 6.04(2H,brs), 6.53(1H,
s), 6.62(2H,brs), 7.30(2H,d,J=8.0Hz), 7.77(2H,d,J=
8.0Hz),8.84(1H,d,J=7.2Hz), 10.80(1H,brs), 12.03(1
H,brs). IR( KBr )ν:3320, 3200, 2920, 1740, 1650, 1640, 1
610, 1570, 1560, 1540,1500, 1455, 1435, 1380, 1340
cm-1. (10)N(α)−[5−[3−(2,4−ジアミノ−7H−
ピロロ[2,3−d〕ピリミジン−5−イル)プロピ
ル〕−2−テノイル〕−N−(1H−テトラゾール−5
−イル)−L−グルタミンメチルエステル1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.80-2.30(6H,m), 2.71(2H,m), 2.
86(2H,m), 3.65(3H,s),4.40(1H,m), 5.39(2H,brs), 5.9
9(2H,s), 6.45(1H,s), 6.90(1H,d,J=3.6Hz), 7.70(1H,b
rs),8.69(1H,d,J=6.2Hz), 10.42(1H,s), 11.02(1H,br
s). IR( KBr )ν:3390, 3200, 2920, 1735, 1650, 1635, 1
625, 1620, 1610, 1580,1560, 1545, 1520, 1510, 150
0, 1490, 1460, 1440, 1370, 1220cm-1.
【0109】実施例15 実施例8と同様にして、実施例14で製造したカルボン
酸エステル(0.5g)をアルカリ加水分解することによ
り、以下の化合物を合成した。 (1)N(α)−[4−[2−(2,4−ジアミノ−7H−
ピロロ[2,3−d〕ピリミジン−5−イル)エチル〕
ベンゾイル〕−N−(3−カルボキシ−4−ヒドロキシ
フェニル)−L−グルタミン1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.90-2.25(2H,m), 2.35-2.45(2H,
m), 2.96(4H,m), 4.39(1H,m), 6.58(1H,s), 6.70(1H,d,
J=8.6Hz), 6.71(2H,br), 7.33(2H,d,J=8.2Hz), 7.50(1
H,dd,J=8.6,2.6Hz), 7.55(2H,brs), 7.81(2H,d,J=8.2H
z), 7.95(1H,d,J=2.6Hz), 8.58(1H,d,J=7.6Hz), 9.73(1
H,s), 11.24(1H,brs). IR( KBr )ν:3350, 3220, 1665, 1650, 1550, 1500, 1
440, 1380cm-1. (2)N(α)−[4−[2−(2,4−ジアミノ−7H−
ピロロ[2,3−d〕ピリミジン−5−イル)エチル〕
ベンゾイル〕−N−(3,4−メチレンジオキシフェニ
ル)−L−グルタミン1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.90-2.25(2H,m), 2.35-2.45(2H,
m), 2.96(4H,m), 4.41(1H,m),5.96(2H,s), 6.00(2H,br
s), 6.46(1H,s), 6.65(2H,brs), 6.81(1H,d,J=8.4Hz),
6.93(1H,dd,J=8.4,2.0Hz), 7.28(1H,d,J=2.0Hz), 7.32
(2H,d,J=8.2Hz), 7.81(2H,d,J=8.2Hz), 8.55(1H,d,J=7.
8Hz), 9.83(1H,s), 10.74(1H,brs). IR( KBr )ν:3375, 3200, 1655, 1640, 1560, 1545, 1
500, 1490, 1445, 1390,1240, 1190, 1040cm-1.
【0110】(3)N(α)−[4−[2−(2,4−ジア
ミノ−7H−ピロロ[2,3−d〕ピリミジン−5−イ
ル)エチル〕ベンゾイル〕−N−(1H−ベンゾトリア
ゾール−5−イル)−L−グルタミン1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.95-2.40(4H,m), 2.96(4H,m), 4.
43(1H,m), 5.54(2H,brs), 6.17(2H,s), 6.39(1H,s), 7.
32(2H,d,J=8.0Hz), 7.35(1H,dd,J=9.0,1.8Hz), 7.81(2
H,d,J=8.0Hz), 7.86(1H,d,J=9.0Hz), 8.34(1H,brs), 8.
55(1H,d,J=8.0Hz),10.21(1H,s), 10.46(1H,brs). IR( KBr )ν:3330, 3200, 2920, 1640, 1560, 1540, 1
500, 1445, 1390, 1305,1250cm-1. (4)N(α)−[4−[2−(2,4−ジアミノ−7H−
ピロロ[2,3−d〕ピリミジン−5−イル)エチル〕
ベンゾイル〕−N−(3−カルボキシ−6−フルオロフ
ェニル)−L−グルタミン1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.90-2.45(2H,m), 2.57(2H,t,J=7.
0Hz), 2.97(4H,m), 4.42(1H,m),5.85(2H,bs), 6.43(1H,
d,J=1.8Hz), 6.50(2H,s), 7.32(2H,d,J=8.4Hz),7.32(1
H,dd,J=8.6,10.6Hz), 7.70(1H,ddd,J=2.2,4.8,8.4Hz),
7.83(2H,d,J=8.4Hz), 8.53(2H,d,J=7.8Hz), 9.87(1H,
s), 10.64(1H,d,J=1.8Hz) IR( KBr )ν:3330, 3200, 2930, 2850, 1650, 1615, 1
545, 1500, 1440, 1380,1280, 1255, 1195, 1115, 109
5, 770, 620cm-1 (5)N(α)−[4−[2−(2,4−ジアミノ−7H−
ピロロ[2,3−d〕ピリミジン−5−イル)エチル〕
ベンゾイル〕−N−(3−カルボキシ−5−ピリジル)
−L−グルタミン1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.95-2.45(2H,m), 2.55(2H,m), 2.
98(4H,m), 4.46(1H,m),6.50(2H,brs), 6.53(1H,s), 7.1
5(2H,brs), 7.32(2H,d,J=7.2Hz), 7.82(2H,d,J=7.2Hz),
8.58(2H,s), 8.74(1H,s), 8.88(1H,s), 10.38(1H,s),
11.03(1H,s). IR( KBr )ν:3330, 3200, 2900, 1850, 1640, 1560, 1
543, 1517, 1500, 1440,1380, 1200, 1090, 800, 775,
670, 550, 520cm-1
【0111】(6)N(α)−[4−[2−(2,4−ジア
ミノ−7H−ピロロ[2,3−d〕ピリミジン−5−イ
ル)エチル〕ベンゾイル〕−N−[4−(カルボキシメ
チル)チアゾール−2−イル〕−L−グルタミン1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.80-2.40(2H,m), 2.57(2H,t,J=6.
6Hz), 2.97(4H,m), 3.57(2H,s),4.39(1H,m), 5.73(2H,b
rs), 6.37(2H,s), 6.41(1H,s), 6.92(1H,s), 7.33(2H,
d,J=7.8Hz), 7.80(2H,d,J=7.8Hz), 8.51(1H,d,J=6.6H
z), 10.57(1H,s), 12.12(1H,s). IR( KBr )ν:3380, 3200, 2930, 1645, 1540, 1500, 1
450, 1380, 1330, 1270,1185, 1170cm-1. (7)N(α)−[4−[3−(2,4−ジアミノ−7H−
ピロロ[2,3−d〕ピリミジン−5−イル)プロピ
ル〕ベンゾイル〕−N−(1H−テトラゾール−5−イ
ル)−L−グルタミン1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.85(2H,m), 1.90-2.65(4H,m), 2.
69(4H,m), 4.40(1H,m),5.66(2H,brs), 6.26(2H,s), 6.4
8(1H,s), 7.30(2H,d,J=8.2Hz), 7.81(2H,d,J=8.2Hz),
8.49(1H,d,J=8.2Hz), 10.57(1H,s), 11.76(1H,br). IR( KBr )ν:3320, 3200, 2930, 1660, 1640, 1610, 1
540, 1500, 1460, 1390,1250, 1140, 1115, 620cm-1. (8)N(α)−[4−[2−(2,4−ジアミノ−7H−
ピロロ[2,3−d〕ピリミジン−5−イル)エチル〕
ベンゾイル〕−N−(1H−テトラゾール−5−イル)
−L−アスパラギン1 H-NMR(DMSO-d6)δ:2.70-3.20(6H,m), 4.90(1H,m), 5.
76(2H,brs), 6.39(2H,brs), 6.41(1H,s), 7.32(2H,d,J=
8.2Hz), 7.79(2H,d,J=8.2Hz), 8.68(1H,d,J=7.2Hz), 1
0.59(1H,s), 12.04(1H,brs). IR( KBr )ν:3340, 3200, 2920, 1660, 1645, 1590, 1
560, 1495, 1460, 1390cm-1.
【0112】(9)N(α)−[4−[3−(2,4−ジア
ミノ−7H−ピロロ[2,3−d〕ピリミジン−5−イ
ル)プロピル〕ベンゾイル〕−N−(1H−テトラゾー
ル−5 −イル)−L−アスパラギン1H-NMR(DMSO-d6)δ:1.84
(2H,m), 2.69(4H,m), 2.80-3.25(2H,m), 4.88(1H,m),5.
95(2H,brs), 6.52(3H,brs), 7.30(2H,d,J=8.2Hz), 7.78
(2H,d,J=8.2Hz), 8.70(1H,d,J=7.6Hz), 10.75(1H,s), 1
2.05(1H,brs). IR( KBr )ν:3240, 3200, 2930, 1660, 1650, 1615, 1
590, 1540, 1500, 1460,1390, 1190cm-1. (10)N(α)−[5−[3−(2,4−ジアミノ−7H−
ピロロ[2,3−d〕ピリミジン−5−イル)プロピ
ル〕−2−テノイル〕−N−(1H−テトラゾール−5
−イル)−L−グルタミン1 H-NMR(DMSO-d6)δ:1.88(2H,m), 1.92(1H,m), 2.20(1
H,m), 2.59(2H,m), 2.72(2H,m),2.86(2H,m), 4.36(1H,
m), 5.90(2H,brs), 6.53(1H,s), 6.89(1H,d,J=3.6Hz),
7.69(1H,d,J=3.6Hz), 8.52(1H,d,J=7.8Hz), 10.75(1H,
s), 10.89(1H,brs). IR( KBr )ν:3350, 3200, 2930, 1670, 1650, 1630, 1
540, 1525, 1510, 1460,1390, 1290, 1240cm-1.
【0113】
【発明の効果】各種腫瘍細胞(特にヒト肺ガン細胞な
ど)に対して高い選択毒性を有し、メソトレキサート耐
性腫瘍細胞にも優れた治療効果を示す。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−78362(JP,A) 特開 平6−25284(JP,A) 特開 平2−167281(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 487/04 C07D 491/048 C07D 495/04 A61K 31/505 - 31/80 A61P 35/00 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 【化1】 〔式中、A環は水素化されていてもよい5員環であっ
    て、置換基として(a1)炭素数1ないし4のアルキル
    基、(a2)炭素数2ないし4のアルケニル基、(a
    3)炭素数2ないし4のアルキニル基、(a4)C
    3−8シクロアルキル基、(a5)ハロゲン原子、(a
    6)炭素数1ないし4のアルカノイル基、(a7)ベン
    ゾイル基、(a8)ハロゲノベンゾイルまたは(a9)
    モノ−,ジ−またはトリ−C1−4アルコキシベンゾイ
    ル、(a10)シアノ基、(a11)カルボキシ基、
    (a12)カルバモイル基、(a13)ニトロ基、(a
    14)ヒドロキシ基、(a15)ヒドロキシ−C1−4
    アルキル基、(a16)C1−4アルコキシ−C1−4
    アルキル基、(a17)炭素数1ないし4のアルコキシ
    基、(a18)メルカプト基、(a19)炭素数1ない
    し4のアルキルチオ基、(a20)アミノ基、(a2
    1)モノ−またはジ−C1−4アルキルアミノ基および
    (a22)炭素数1ないし4のアルカノイルアミノ基か
    ら選ばれた1または2個を有していてもよく、該5員環
    がピロールまたはピロリン環である場合、Nに置換基と
    して、炭素数1ないし4のアルキル基、炭素数2ないし
    4のアルケニル基、炭素数2ないし4のアルキニル基、
    3−6シクロアルキル基、炭素数1ないし4のアルカ
    ノイル基、ベンゾイル基、ハロゲノベンゾイル、モノ
    −,ジ−またはトリ−C1−4アルコキシベンゾイル、
    ヒドロキシ−C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ
    −C1−4アルキル基、フェニル基、ハロゲノフェニ
    ル、モノ−,ジ−またはトリ−C1−4アルコキシフェ
    ニル、ベンジル基、ハロゲノベンジル、C1−4アルコ
    キシベンジルまたはジフェニルメチルを有していてもよ
    く、Bは置換基として炭素数1ないし4のアルキル基、
    炭素数2ないし4のアルケニル基、炭素数2ないし4の
    アルキニル基、C3−8シクロアルキル基、ハロゲン原
    子、ヒドロキシ基、C1−4アルコキシ基、ジ−C
    1−4アルキルアミノ基、ハロゲノ−C1−4アルキル
    基、オキソ基、C1−4アシル基またはC1−4アルコ
    キシ−C1−4アルキル基から選ばれた1または2個を
    有していてもよい2価の5または6員の同素または複素
    環基を、Xはアミノ基、ヒドロキシ基またはメルカプト
    基を、Yは(Y1)水素原子、(Y2)ハロゲン原子、
    (Y3)シアノ基、(Y4)カルボキシ基、(Y5)カ
    ルバモイル基、(Y6)アミノ基、(Y7)ニトロ基、
    (Y8)ヒドロキシ基、(Y9)メルカプト基、(Y1
    0)炭素数1ないし4のアルキル基、(Y11)炭素数
    2ないし4のアルケニル基、(Y12)炭素数2ないし
    4のアルキニル基、(Y13)C3−8シクロアルキル
    基、(Y14)C6−10アリール基、(Y15)N,
    S,Oから選ばれたヘテロ原子を1ないし4個含む5ま
    たは6員の複素環基、(Y16)アルコキシ基、(Y1
    7)アルキルチオ基、(Y18)アルキルカルボニルア
    ミノ基、(Y19)アルキルカルボニルオキシ基、(Y
    20)アリールオキシ基、(Y21)アリールチオ基、
    (Y22)アロイルアミノ基、(Y23)アロイルオキ
    シ基、(Y24)複素環オキシ基、(Y25)複素環チ
    オ基、(Y26)複素環カルボニルアミノ基、(Y2
    7)複素環カルボニルオキシ基、(Y28)モノ置換ま
    たはジ置換アミノ基を示し、(Y16)、(Y17)、
    (Y18)および(Y19)のアルキル部分は、炭素数
    1ないし4のアルキル基、炭素数2ないし4のアルケニ
    ル基、炭素数2ないし4のアルキニル基またはC3−8
    シクロアルキル基であり、(Y20)、(Y21)、
    (Y22)および(Y23)のアリール部分はフェニル
    基またはナフチル基であり、(Y24)、(Y25)、
    (Y26)および(Y27)の複素環部分は、N,S,
    Oから選ばれたヘテロ原子を1ないし4個含む5または
    6員のものであり、(Y28)の置換部分は炭素数1な
    いし4のアルキル基、炭素数2ないし4のアルケニル
    基、炭素数2ないし4のアルキニル基、C3−8シクロ
    アルキル基、C6−10アリール基またはN,S,Oな
    どのヘテロ原子を1ないし4個含む5または6員の複素
    環基であり、(Y10)、(Y11)、(Y12)、
    (Y13)、(Y14)および(Y15)は置換基とし
    て、炭素数1ないし4のアルキル基、炭素数2ないし4
    のアルケニル基、炭素数2ないし4のアルキニル基、C
    3−8シクロアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ
    基、オキソ基、C1−4アルコキシ基、ジ−C1−4
    ルキルアミノ基、ハロゲノ−C1−4アルキル基、C
    1−4アシル基、ヒドロキシ−C1−4アルキル基およ
    びC1−4アルコキシ−C1−4アルキル基からなる群
    より選ばれた1ないし2個を有していてもよく、Zは
    (Z1)C1−5アルキレン基、(Z2)C2−5アル
    ケニレン基、(Z3)C2−5アルキニレン基、(Z
    4)式−Z−Z−Z−〔式中、ZおよびZ
    同一または異なって(Za1)結合手、(Za2)C
    1−4アルキレン基、(Za3)C2−4アルケニレン
    基または(Za4)C2−4アルキニレン基(但し、Z
    とZの炭素数の合計は1ないし4個である)を、−
    −は−O−、式−S(O)n−(式中、nは0ない
    し2の整数を示す。)または式−N(R)−(式中、
    は(R1)水素原子、(R2)炭素数1ないし
    4のアルキル基、(R3)炭素数2ないし4のアルケ
    ニル基、(R4)炭素数2ないし4のアルキニル基ま
    たは(R5)C3−8シクロアルキル基を示す)を示
    す。〕で表される基を示し、(Z1)、(Z2)、(Z
    3)、(Za2)、(Za3)、(Za4)、(R
    2)、(R3)、(R4)および(R5)は、
    置換基として炭素数1ないし4のアルキル基、炭素数2
    ないし4のアルケニル基、炭素数2ないし4のアルキニ
    ル基、C3−8シクロアルキル基、ハロゲン原子、ヒド
    ロキシ基、オキソ基、C1−4アルコキシ基、ジ−C
    1−4アルキルアミノ基、ハロゲノ−C1−4アルキル
    基、C1−4アシル基、ヒドロキシ−C1−4アルキル
    基、C1−4アルコキシ−C1−4アルキル基およびC
    1−4アルコキシ−カルボニル基からなる群より選ばれ
    た1ないし2個を有していてもよく、Wは 【化2】 (式中、Rは水素原子または置換基として炭素数1ない
    し4のアルキル基、炭素数2ないし4のアルケニル基、
    炭素数2ないし4のアルキニル基、C3−8シクロアル
    キル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、オキソ基、C
    1−4アルコキシ基、ジ−C1−4アルキルアミノ基、
    ハロゲノ−C1−4アルキル基、C1−4アシル基、ヒ
    ドロキシ−C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ−
    1−4アルキル基を有していてもよいC1−4炭化水
    素基を示すか、またはRと隣接する 【化3】 と共に3ないし13員環を形成していてもよい)を、R
    は炭素数1ないし4個の低級鎖状炭化水素基、5また
    は6員の環状炭化水素基または炭素原子以外に、窒素原
    子、酸素原子、硫黄原子などのヘテロ原子を環中に1な
    いし4個含んでいてもよい複素環基あるいはその縮合環
    基を示し、これらは置換基として炭素数1ないし4のア
    ルキル基、炭素数2または4のアルケニル基、炭素数2
    ないし4のアルキニル基、炭素数3ないし6のシクロア
    ルキル基、炭素数5ないし6のシクロアルケニル基、炭
    素数7ないし8のアラルキル基、フェニル基、5ないし
    6員の複素環基、炭素数1ないし4のアルコキシ基、フ
    ェノキシ基、炭素数1ないし4のアルカノイル基、ベン
    ゾイル基、炭素数1ないし4のアルカノイルオキシ基、
    ベンゾイルオキシ基、カルボキシ基、C1−4アルコキ
    シカルボニル基、カルボキシ−C1−4アルキル、C
    1−4アルコキシカルボニル−C1−4アルキル、カル
    バモイル基、N−C1−4アルキルカルバモイル基、
    N,N−ジ−C1−4アルキルカルバモイル、1−アチ
    リジニルカルボニル、1−アゼチジニルカルボニル、1
    −ピロリジニルカルボニル、1−ピペリジニルカルボニ
    ル、N−メチルピペラジニルカルニル、モルホリノカ
    ルボニル基、ハロゲン原子、モノ−,ジ−またはトリ−
    ハロゲノ−C1−4アルキル基、オキソ基、アミジノ
    基、イミノ基、アミノ基、モノ−C1−4アルキルアミ
    ノ基、ジ−C1−4アルキルアミノ基、アチリジニル、
    アゼチジニル、ピロリジニル、ピロリニル、ピロリル、
    イミダゾリル、ピラゾリル、イミダゾリジニル、ピペリ
    ジノ、モルホリノ、ジヒドロピリジル、ピリジル、N−
    メチルピペラジニル、N−エチルピペラジニル基、C
    1−4アルカノイルアミド基、ベンツアミド基、カルバ
    モイルアミノ基、N−C1−4アルキルカルバモイルア
    ミノ基、N,N−ジ−C1−4アルキルカルバモイルア
    ミノ基、1−アチリジニルカルボニルアミノ、1−アゼ
    チジニルカルボニルアミノ、1−ピロリジニルカルボニ
    ルアミノ、1−ピペリジニルカルボニルアミノ、N−メ
    チルピペラジニルカルニルアミノ、モルホリノカルボ
    ニルアミノ基、C1−3アルキレンジオキシ、−B(O
    H)、ヒドロキシ基、エポキシ基(−O−)、ニトロ
    基、シアノ基、メルカプト基、スルホ基、スルフイノ
    基、ホスホノ基、スルファモイル基、N−C1−4アル
    キルスルファモイル基、ジ−C1−4アルキルスルファ
    モイル基、1−ピロリジニルスルホニル、1−ピペリジ
    ニルスルホニル、N−メチル−1−ピペラジニルスルホ
    ニル、モルホリノスルホニル基、炭素数1ないし4のア
    ルキルチオ基、フェニルチオ基、炭素数1ないし4のア
    ルキルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、炭素
    数1ないし4のアルキルスルホニル基およびフェニルス
    ルホニル基からなる群から選ばれた1ないし2個を有し
    ていてもよく、COORはエステル化されていてもよ
    いカルボキシル基を、pは1ないし4の整数を示す。た
    だし、−W−Rが式 【化4】 (COOR16およびCOOR17は同一または異なっ
    てエステル化されていてもよいカルボキシ基を、nは1
    ないし5の整数を示す)で表される基を示す時、pは
    1、3または4を示す。〕で表される化合物またはその
    塩。
  2. 【請求項2】式 【化5】 〔式中、各記号は請求項1記載と同意義を示す。〕で表
    される化合物またはその塩もしくはカルボキシ基におけ
    る反応性誘導体と、式 【化6】 〔式中、各記号は請求項1記載と同意義を示す。〕で表
    される化合物またはその塩とを反応させることからなる
    請求項1記載の化合物の製造法。
  3. 【請求項3】 【化7】 〔式中、A’環は置換基として(a1)炭素数1ないし
    4のアルキル基、(a2)炭素数2ないし4のアルケニ
    ル基、(a3)炭素数2ないし4のアルキニル基、(a
    4)C 3−8 シクロアルキル基、(a5)ハロゲン原
    子、(a6)炭素数1ないし4のアルカノイル基、(a
    7)ベンゾイル基、(a8)ハロゲノベンゾイルまたは
    (a9)モノ−,ジ−またはトリ−C 1−4 アルコキシ
    ベンゾイル、(a10)シアノ基、(a11)カルボキ
    シ基、(a12)カルバモイル基、(a13)ニトロ
    基、(a14)ヒドロキシ基、(a15)ヒドロキシ−
    1−4 アルキル基、(a16)C 1−4 アルコキシ−
    1−4 アルキル基、(a17)炭素数1ないし4のア
    ルコキシ基、(a18)メルカプト基、(a19)炭素
    数1ないし4のアルキルチオ基、(a20)アミノ基、
    (a21)モノ−またはジ−C 1−4 アルキルアミノ基
    および(a22)炭素数1ないし4のアルカノイルアミ
    ノ基から選ばれた1または2個を有していてもよく、N
    に置換基として、炭素数1ないし4のアルキル基、炭素
    数2ないし4のアルケニル基、炭素数2ないし4のアル
    キニル基、C 3−6 シクロアルキル基、炭素数1ないし
    4のアルカノイル基、ベンゾイル基、ハロゲノベンゾイ
    ル、モノ−,ジ−またはトリ−C 1−4 アルコキシベン
    ゾイル、ヒドロキシ−C 1−4 アルキル基、C 1−4
    ルコキ シ−C 1−4 アルキル基、フェニル基、ハロゲノ
    フェニル、モノ−,ジ−またはトリ−C 1−4 アルコキ
    シフェニル、ベンジル基、ハロゲノベンジル、C 1−4
    アルコキシベンジルまたはジフェニルメチルを有してい
    てもよく、他の記号は請求項1記載と同意義を示す。〕
    で表される化合物またはその塩を含有することを特徴と
    する抗腫瘍剤。
  4. 【請求項4】p=2、W=−CO−NH−の時、R
    それぞれ置換基として炭素数1ないし4のアルキル基、
    炭素数2または4のアルケニル基、炭素数2ないし4の
    アルキニル基、炭素数3ないし6のシクロアルキル基、
    炭素数5ないし6のシクロアルケニル基、炭素数7ない
    し8のアラルキル基、フェニル基、5ないし6員の複素
    環基、炭素数1ないし4のアルコキシ基、フェノキシ
    基、炭素数1ないし4のアルカノイル基、ベンゾイル
    基、炭素数1ないし4のアルカノイルオキシ基、ベンゾ
    イルオキシ基、カルボキシ基、C1−4アルコキシカル
    ボニル基、カルボキシ−C1−4アルキル、C1−4
    ルコキシカルボニル−C1−4アルキル、カルバモイル
    基、N−C1−4アルキルカルバモイル基、N,N−ジ
    −C1−4アルキルカルバモイル、1−アチリジニルカ
    ルボニル、1−アゼチジニルカルボニル、1−ピロリジ
    ニルカルボニル、1−ピペリジニルカルボニル、N−メ
    チルピペラジニルカルニル、モルホリノカルボニル
    基、ハロゲン原子、モノ−,ジ−またはトリ−ハロゲノ
    −C1−4アルキル基、オキソ基、アミジノ基、イミノ
    基、アミノ基、モノ−C1−4アルキルアミノ基、ジ−
    1−4アルキルアミノ基、アチリジニル、アゼチジニ
    ル、ピロリジニル、ピロリニル、ピロリル、イミダゾリ
    ル、ピラゾリル、イミダゾリジニル、ピペリジノ、モル
    ホリノ、ジヒドロピリジル、ピリジル、N−メチルピペ
    ラジニル、N−エチルピペラジニル基、C1−4アルカ
    ノイルアミド基、ベンツアミド基、カルバモイルアミノ
    基、N−C1−4アルキルカルバモイルアミノ基、N,
    N−ジ−C1−4アルキルカルバモイルアミノ基、1−
    アチリジニルカルボニルアミノ、1−アゼチジニルカル
    ボニルアミノ、1−ピロリジニルカルボニルアミノ、1
    −ピペリジニルカルボニルアミノ、N−メチルピペラジ
    ニルカルニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ
    基、C1−3アルキレンジオキシ、−B(OH)、ヒド
    ロキシ基、エポキシ基(−O−)、ニトロ基、シアノ基、
    メルカプト基、スルホ基、スルフイノ基、ホスホノ基、
    スルファモイル基、N−C1−4アルキルスルファモイ
    ル基、ジ−C1−4アルキルスルファモイル基、1−ピ
    ロリジニルスルホニル、1−ピペリジニルスルホニル、
    N−メチル−1−ピペラジニルスルホニル、モルホリノ
    スルホニル基、炭素数1ないし4のアルキルチオ基、フ
    ェニルチオ基、炭素数1ないし4のアルキルスルフィニ
    ル基、フェニルスルフィニル基、炭素数1ないし4のア
    ルキルスルホニル基およびフェニルスルホニル基からな
    る群から選ばれた1ないし2個を有していてもよい
    (1)5または6員の環状炭化水素基または(2)炭素
    原子以外に、窒素原子、酸素原子、硫黄原子などのヘテ
    ロ原子を環中に1ないし4個含んでいてもよい複素環基
    あるいは(3)その縮合環基である請求項1記載の化合
    物。
  5. 【請求項5】式 【化8】 〔式中、mは1ないし5の整数を、他の記号は請求項
    1記載と同意義を示す。〕で表される請求項1記載の化
    合物。
  6. 【請求項6】Rが置換基として炭素数1ないし4のア
    ルキル基、炭素数2または4のアルケニル基、炭素数2
    ないし4のアルキニル基、炭素数3ないし6のシクロア
    ルキル基、炭素数5ないし6のシクロアルケニル基、炭
    素数7ないし8のアラルキル基、フェニル基、5ないし
    6員の複素環基、炭素数1ないし4のアルコキシ基、フ
    ェノキシ基、炭素数1ないし4のアルカノイル基、ベン
    ゾイル基、炭素数1ないし4のアルカノイルオキシ基、
    ベンゾイルオキシ基、カルボキシ基、C1−4アルコキ
    シカルボニル基、カルボキシ−C1−4アルキル、C
    1−4アルコキシカルボニル−C1−4アルキル、カル
    バモイル基、N−C1−4アルキルカルバモイル基、
    N,N−ジ−C1−4アルキルカルバモイル、1−アチ
    リジニルカルボニル、1−アゼチジニルカルボニル、1
    −ピロリジニルカルボニル、1−ピペリジニルカルボニ
    ル、N−メチルピペラジニルカルニル、モルホリノカ
    ルボニル基、ハロゲン原子、モノ−,ジ−またはトリ−
    ハロゲノ−C1−4アルキル基、オキソ基、アミジノ
    基、イミノ基、アミノ基、モノ−C1−4アルキルアミ
    ノ基、ジ−C1−4アルキルアミノ基、アチリジニル、
    アゼチジニル、ピロリジニル、ピロリニル、ピロリル、
    イミダゾリル、ピラゾリル、イミダゾリジニル、ピペリ
    ジノ、モルホリノ、ジヒドロピリジル、ピリジル、N−
    メチルピペラジニル、N−エチルピペラジニル基、C
    1−4アルカノイルアミド基、ベンツアミド基、カルバ
    モイルアミノ基、N−C1−4アルキルカルバモイルア
    ミノ基、N,N−ジ−C1−4アルキルカルバモイルア
    ミノ基、1−アチリジニルカルボニルアミノ、1−アゼ
    チジニルカルボニルアミノ、1−ピロリジニルカルボニ
    ルアミノ、1−ピペリジニルカルボニルアミノ、N−メ
    チルピペラジニルカルニルアミノ、モルホリノカルボ
    ニルアミノ基、C1−3アルキレンジオキシ、−B(O
    H)、ヒドロキシ基、エポキシ基(−O−)、ニトロ
    基、シアノ基、メルカプト基、スルホ基、スルフイノ
    基、ホスホノ基、スルファモイル基、N−C1−4アル
    キルスルファモイル基、ジ−C1−4アルキルスルファ
    モイル基、1−ピロリジニルスルホニル、1−ピペリジ
    ニルスルホニル、N−メチル−1−ピペラジニルスルホ
    ニル、モルホリノスルホニル基、炭素数1ないし4のア
    ルキルチオ基、フェニルチオ基、炭素数1ないし4のア
    ルキルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、炭素
    数1ないし4のアルキルスルホニル基およびフェニルス
    ルホニル基からなる群から選ばれた1ないし2個を有し
    ていてもよいフェニル基である請求項5記載の化合物。
  7. 【請求項7】Rが 【化9】 (mは0,1または2を示す)である請求項5記載の
    化合物。
  8. 【請求項8】Rが置換基として炭素数1ないし4のア
    ルキル基、炭素数2または4のアルケニル基、炭素数2
    ないし4のアルキニル基、炭素数3ないし6のシクロア
    ルキル基、炭素数5ないし6のシクロアルケニル基、炭
    素数7ないし8のアラルキル基、フェニル基、5ないし
    6員の複素環基、炭素数1ないし4のアルコキシ基、フ
    ェノキシ基、炭素数1ないし4のアルカノイル基、ベン
    ゾイル基、炭素数1ないし4のアルカノイルオキシ基、
    ベンゾイルオキシ基、カルボキシ基、C1−4アルコキ
    シカルボニル基、カルボキシ−C1−4アルキル、C
    1−4アルコキシカルボニル−C1−4アルキル、カル
    バモイル基、N−C1−4アルキルカルバモイル基、
    N,N−ジ−C1−4アルキルカルバモイル、1−アチ
    リジニルカルボニル、1−アゼチジニルカルボニル、1
    −ピロリジニルカルボニル、1−ピペリジニルカルボニ
    ル、N−メチルピペラジニルカルニル、モルホリノカ
    ルボニル基、ハロゲン原子、モノ−,ジ−またはトリ−
    ハロゲノ−C1−4アルキル基、オキソ基、アミジノ
    基、イミノ基、アミノ基、モノ−C1−4アルキルアミ
    ノ基、ジ−C1−4アルキルアミノ基、アチリジニル、
    アゼチジニル、ピロリジニル、ピロリニル、ピロリル、
    イミダゾリル、ピラゾリル、イミダゾリジニル、ピペリ
    ジノ、モルホリノ、ジヒドロピリジル、ピリジル、N−
    メチルピペラジニル、N−エチルピペラジニル基、C
    1−4アルカノイルアミド基、ベンツアミド基、カルバ
    モイルアミノ基、N−C1−4アルキルカルバモイルア
    ミノ基、N,N−ジ−C1−4アルキルカルバモイルア
    ミノ基、1−アチリジニルカルボニルアミノ、1−アゼ
    チジニルカルボニルアミノ、1−ピロリジニルカルボニ
    ルアミノ、1−ピペリジニルカルボニルアミノ、N−メ
    チルピペラジニルカルニルアミノ、モルホリノカルボ
    ニルアミノ基、C1−3アルキレンジオキシ、−B(O
    H)、ヒドロキシ基、エポキシ基(−O−)、ニトロ
    基、シアノ基、メルカプト基、スルホ基、スルフイノ
    基、ホスホノ基、スルファモイル基、N−C1−4アル
    キルスルファモイル基、ジ−C1−4アルキルスルファ
    モイル基、1−ピロリジニルスルホニル、1−ピペリジ
    ニルスルホニル、N−メチル−1−ピペラジニルスルホ
    ニル、モルホリノスルホニル基、炭素数1ないし4のア
    ルキルチオ基、フェニルチオ基、炭素数1ないし4のア
    ルキルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、炭素
    数1ないし4のアルキルスルホニル基およびフェニルス
    ルホニル基からなる群から選ばれた1ないし2個を有し
    ていてもよいナフチル基である請求項5記載の化合物。
  9. 【請求項9】Rが 【化10】 (mは0,1または2を示す)である請求項5記載の
    化合物。
  10. 【請求項10】式 【化11】 〔式中、mは1ないし5の整数を、他の記号は請求項
    1記載と同意義を示す。〕で表わされる請求項1記載の
    化合物。
  11. 【請求項11】Rが置換基として炭素数1ないし4の
    アルキル基、炭素数2または4のアルケニル基、炭素数
    2ないし4のアルキニル基、炭素数3ないし6のシクロ
    アルキル基、炭素数5ないし6のシクロアルケニル基、
    炭素数7ないし8のアラルキル基、フェニル基、5ない
    し6員の複素環基、炭素数1ないし4のアルコキシ基、
    フェノキシ基、炭素数1ないし4のアルカノイル基、ベ
    ンゾイル基、炭素数1ないし4のアルカノイルオキシ
    基、ベンゾイルオキシ基、カルボキシ基、C1−4アル
    コキシカルボニル基、カルボキシ−C1−4アルキル、
    1−4アルコキシカルボニル−C1−4アルキル、カ
    ルバモイル基、N−C1−4アルキルカルバモイル基、
    N,N−ジ−C1−4アルキルカルバモイル、1−アチ
    リジニルカルボニル、1−アゼチジニルカルボニル、1
    −ピロリジニルカルボニル、1−ピペリジニルカルボニ
    ル、N−メチルピペラジニルカルニル、モルホリノカ
    ルボニル基、ハロゲン原子、モノ−,ジ−またはトリ−
    ハロゲノ−C1−4アルキル基、オキソ基、アミジノ
    基、イミノ基、アミノ基、モノ−C1−4アルキルアミ
    ノ基、ジ−C1−4アルキルアミノ基、アチリジニル、
    アゼチジニル、ピロリジニル、ピロリニル、ピロリル、
    イミダゾリル、ピラゾリル、イミダゾリジニル、ピペリ
    ジノ、モルホリノ、ジヒドロピリジル、ピリジル、N−
    メチルピペラジニル、N−エチルピペラジニル基、C
    1−4アルカノイルアミド基、ベンツアミド基、カルバ
    モイルアミノ基、N−C1−4アルキルカルバモイルア
    ミノ基、N,N−ジ−C1−4アルキルカルバモイルア
    ミノ基、1−アチリジニルカルボニルアミノ、1−アゼ
    チジニルカルボニルアミノ、1−ピロリジニルカルボニ
    ルアミノ、1−ピペリジニルカルボニルアミノ、N−メ
    チルピペラジニルカルニルアミノ、モルホリノカルボ
    ニルアミノ基、C1−3アルキレンジオキシ、−B(O
    H)、ヒドロキシ基、エポキシ基(−O−)、ニトロ
    基、シアノ基、メルカプト基、スルホ基、スルフイノ
    基、ホスホノ基、スルファモイル基、N−C1−4アル
    キルスルファモイル基、ジ−C1−4アルキルスルファ
    モイル基、1−ピロリジニルスルホニル、1−ピペリジ
    ニルスルホニル、N−メチル−1−ピペラジニルスルホ
    ニル、モルホリノスルホニル基、炭素数1ないし4のア
    ルキルチオ基、フェニルチオ基、炭素数1ないし4のア
    ルキルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、炭素
    数1ないし4のアルキルスルホニル基およびフェニルス
    ルホニル基からなる群から選ばれた1ないし2個を有し
    ていてもよいフェニル基である請求項10記載の化合
    物。
  12. 【請求項12】Rが 【化12】 (mは0,1または2を示す)である請求項10記載
    の化合物。
  13. 【請求項13】Rが置換基として炭素数1ないし4の
    アルキル基、炭素数2または4のアルケニル基、炭素数
    2ないし4のアルキニル基、炭素数3ないし6のシクロ
    アルキル基、炭素数5ないし6のシクロアルケニル基、
    炭素数7ないし8のアラルキル基、フェニル基、5ない
    し6員の複素環基、炭素数1ないし4のアルコキシ基、
    フェノキシ基、炭素数1ないし4のアルカノイル基、ベ
    ンゾイル基、炭素数1ないし4のアルカノイルオキシ
    基、ベンゾイルオキシ基、カルボキシ基、C1−4アル
    コキシカルボニル基、カルボキシ−C1−4アルキル、
    1− アルコキシカルボニル−C1−4アルキル、カ
    ルバモイル基、N−C1−4アルキルカルバモイル基、
    N,N−ジ−C1−4アルキルカルバモイル、1−アチ
    リジニルカルボニル、1−アゼチジニルカルボニル、1
    −ピロリジニルカルボニル、1−ピペリジニルカルボニ
    ル、N−メチルピペラジニルカルニル、モルホリノカ
    ルボニル基、ハロゲン原子、モノ−,ジ−またはトリ−
    ハロゲノ−C1−4アルキル基、オキソ基、アミジノ
    基、イミノ基、アミノ基、モノ−C1−4アルキルアミ
    ノ基、ジ−C1−4アルキルアミノ基、アチリジニル、
    アゼチジニル、ピロリジニル、ピロリニル、ピロリル、
    イミダゾリル、ピラゾリル、イミダゾリジニル、ピペリ
    ジノ、モルホリノ、ジヒドロピリジル、ピリジル、N−
    メチルピペラジニル、N−エチルピペラジニル基、C
    1−4アルカノイルアミド基、ベンツアミド基、カルバ
    モイルアミノ基、N−C1−4アルキルカルバモイルア
    ミノ基、N,N−ジ−C1−4アルキルカルバモイルア
    ミノ基、1−アチリジニルカルボニルアミノ、1−アゼ
    チジニルカルボニルアミノ、1−ピロリジニルカルボニ
    ルアミノ、1−ピペリジニルカルボニルアミノ、N−メ
    チルピペラジニルカルニルアミノ、モルホリノカルボ
    ニルアミノ基、C1−3アルキレンジオキシ、−B(O
    H)、ヒドロキシ基、エポキシ基(−O−)、ニトロ
    基、シアノ基、メルカプト基、スルホ基、スルフイノ
    基、ホスホノ基、スルファモイル基、N−C1−4アル
    キルスルファモイル基、ジ−C1−4アルキルスルファ
    モイル基、1−ピロリジニルスルホニル、1−ピペリジ
    ニルスルホニル、N−メチル−1−ピペラジニルスルホ
    ニル、モルホリノスルホニル基、炭素数1ないし4のア
    ルキルチオ基、フェニルチオ基、炭素数1ないし4のア
    ルキルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、炭素
    数1ないし4のアルキルスルホニル基またはフェニルス
    ルホニル基を有していてもよいテトラゾリル基である請
    求項10記載の化合物。
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