JP3375233B2 - 携帯機器用振動アクチュエータ - Google Patents

携帯機器用振動アクチュエータ

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JP3375233B2
JP3375233B2 JP11904195A JP11904195A JP3375233B2 JP 3375233 B2 JP3375233 B2 JP 3375233B2 JP 11904195 A JP11904195 A JP 11904195A JP 11904195 A JP11904195 A JP 11904195A JP 3375233 B2 JP3375233 B2 JP 3375233B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、携帯機器、たとえばカ
ード型ページャー、腕時計、携帯電話、あるいは盲人用
信号受信機等の情報伝達装置において、振動アクチュエ
ータから発生する振動を携帯者に伝達することによりあ
る種の情報を携帯機器の携帯者に伝達する携帯機器用振
動アクチュエータに関するものである。以下、本明細書
では、振動を人体に伝達することによりある種の情報を
伝達する機器を単に「情報伝達装置」と記載する。
【0002】
【従来の技術】振動モータを使用した情報伝達装置は、
振動のみによってある種の情報を周囲の者に迷惑をかけ
ずに伝達できるため、近年、ポケットベルに変わるペー
ジャー、腕時計、携帯電話、あるいは盲人用信号受信機
等に使用されるようになってきた。従来例における振動
モータは、円筒型モータのモータシャフトの先端にたと
えば、半月状の分銅を取り付け、モータを高速回転させ
て振動を得ていた。このような円筒型モータは、カード
型の携帯用情報伝達装置として薄型にすることが困難で
あるため、偏平型振動アクチュエータが開発された。
【0003】図6は従来例における偏平型振動アクチュ
エータを説明するための図である。図6において、駆動
コイル61および位置検出コイル62からなる空芯コイ
ルは、たとえば、同芯的でかつ同一平面内に巻回されて
いる。そして、この空芯コイルは、永久磁石63と対向
ヨーク64との間にエアギャップを介して固定されてい
る。また、永久磁石63と対向ヨーク64との少なくと
も一方は、可動子65を構成し、その一端を片持ち梁と
してバネ部材支持台67に固定されているバネ部材66
により支持される。
【0004】可動子65を駆動する駆動コイル61に電
流が流れると、当該電流と永久磁石63の磁界とによっ
て、コイルに電磁力が発生し、可動子65は、前記コイ
ルと同一平面内を移動する。位置検出コイル62は、可
動子65が移動すると、起電力が減少し、この電圧をコ
ンパレータ(図示されていない)に入力する。コンパレ
ータの他方の入力には、駆動コイル61にかかる電圧が
帰還されている。このときのコンパレータの出力は、駆
動コイル61と電源との間にあるスイッチがOFFとな
るように働く。駆動コイル61に電流が流れなくなる
と、可動子65は、バネ部材66の復元力により元の位
置に戻り、最初の状態となる。
【0005】そして、駆動コイル61に流れる電流のO
N/OFFとバネ部材66とによって、前記可動子65
は、コイルと同一平面内で連続した往復運動を繰り返
す。そして、この往復運動の周期は、前記永久磁石6
3、対向ヨーク64等の質量とバネ部材66のバネ定数
とによって決まる。バネ定数は、バネ部材66の形状、
たとえば、正面から見て略コ字状にしたり、あるいは材
質によって変えられる。可動子65は、上記のように駆
動コイル61に電流が流れている間、コイル面と平行な
面内で移動する力を受け、電流が流れなくなると、バネ
部材66の力だけで元の位置に戻る。そのために、消費
電流は少なく、制御回路が簡単である。 振動アクチュ
エータの構造は、同一平面で巻回されたコイル、永久磁
石63、バックヨーク68、および対向ヨーク64の厚
さと略同じになる。また、効率の良い可動子65の往復
運動を行なわせるために、支持しているバネ部材66
は、可動子65とバネ部材66との質量およびバネ部材
66の材質を適当に選択することによって共振させるよ
うにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】円筒型モータまたは偏
平型モータを使用した振動源は、そのシャフトに取り付
けたアンバランスな質量をもった分銅により、振動モー
タを高速回転させているため、モータを駆動する電池容
量が大きく、携帯機器用の振動源として、小型かつ薄型
に製作できなかった。また、上記の振動モータは、振動
によりシャフト等の回転部分が磨耗するため寿命を短く
すると共に、分銅に高価なタングステン等を使用するた
め、高価な振動源となった。また、上記振動モータで、
ブラシや整流子がある場合、これらによる摺動音、軸受
への衝撃音、あるいは機械的騒音が大きいという問題を
有した。さらに、上記問題の一部を解決した偏平型モー
タは、コアレスにしたため、トルク発生効率が悪く、消
費電流が多い。
【0007】上記課題を解決するために、本出願人は、
図6に示す振動型アクチュエータを開発した。上記振動
型アクチュエータは、コアレスモータよりなる振動発生
機より消費電流が少なくて済むと共に、その厚さを薄く
できるという利点がある。しかし、図6に示す振動型ア
クチュエータは、ポケットベルや腕時計に組み込まれた
場合、身体の表面と平行な方向に振動するため、弱い振
動となり、感じ損なうことがあるという欠点を有する。
【0008】以上のような問題を解決するために、本発
明は、身体に感じ易い方向に振動する超薄型で、リチウ
ム電池と略同形となる携帯機器用振動アクチュエータを
提供することを目的とする。また、本発明は、構造およ
び駆動回路が簡単で、安価な携帯機器用振動アクチュエ
ータを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】(第1発明) 前記目的を達成するために、本発明の携帯機器用振動ア
クチュエータは、厚さ方向に振動を与える超薄型であ
り、上蓋15に固定されると共に、同芯的に巻回された
駆動用および位置検出用空芯コイル16、16′と、当
該空芯コイル16、16′内を出入する上方向に突起
た突起部18′を有すると共に、下部が下部ヨークを兼
、水平方向に突出するフランジ部を備えているコア部
材18と、前記コア部材18の突起部に遊嵌され、かつ
前記フランジ部上に取り付けられたドーナツ型永久磁石
20と、前記永久磁石20の上部に設けられた上部ヨー
ク21と、前記コア部材18の下面中心部のみに取り付
けられると共に、中心部が厚さ方向に振動可能な板バネ
部材17と、前記板バネ部材17の外周部のみを固定す
ると共に、前記永久磁石20と板バネ部材17が取り付
けられているコア部材18を収納し、空芯コイル16、
16′が取り付けられた前記上蓋15によって蓋をする
円筒状ケース11とを備えていることを特徴とする。
【0010】(第2発明)本発明の携帯機器用振動アク
チュエータにおける板バネ部材17は、厚さ方向に振動
可能なように、外周部と中心部との間に複数のスリット
171、172、173が形成されていることを特徴と
する。
【0011】(第3発明)本発明の携帯機器用振動アク
チュエータにおける板バネ部材17は、厚さ方向に振動
可能なように、外周部と中心部との間に複数のスリット
171、172、173が略円弧状に形成されていると
共に、各スリット171、172、173が外周部と中
心部との間で、重複するように形成されていることを特
徴とする。
【0012】(第4発明) 本発明の携帯機器用振動アクチュエータにおける振動周
期は、前記板バネ部材17のスリット171、172、
173の数および形状によって調整できることを特徴と
する。 (第5発明) 本発明の携帯機器用振動アクチュエータにおける上部
ーク21は、ドーナツ型永久磁石20の上面からコア部
材18の円柱状突起部18′に沿う方向に折り曲げられ
ていることを特徴とする。
【0013】(第6発明) 携帯機器用振動アクチュエータにおけるドーナツ型永久
磁石20の下部には、下部ヨーク(21−2)が設けら
れ、前記コア部材18のフランジ部に別体として取り付
けられていることを特徴とする。
【0014】(第7発明)本発明の携帯機器用振動アク
チュエータにおけるコア部材18は、前記空芯コイル1
6、16′内を出入する円柱状突起部18′と、円形フ
ランジ部20″とから構成されることを特徴とする。
【0015】(第8発明)本発明の携帯機器用振動アク
チュエータにおける板バネ部材17の外周部は、ケース
11を上蓋15と下蓋15′とに分割すると共に、ケー
ス11と下蓋15′との間によって挟むように固定され
ていることを特徴とする。
【0016】(第9発明)本発明の携帯機器用振動アク
チュエータは、駆動用空芯コイル16に印加された電
圧、および前記位置検出用空芯コイル16′に発生した
電圧をそれぞれ比較するコンパレータ54(図5参照)
と、当該コンパレータ54の出力によって駆動用空芯コ
イル16に供給される電力をON/OFFするスイッチ
手段53とから構成される振動アクチュエータの駆動回
路51を備えたことを特徴とする。
【0017】
【作 用】(第1発明) 本出願人は、携帯機器用振動アクチュエータを携帯する
者の身体の表面と直角方向に振動させると、感度が良好
で、情報が正確に伝達されることを発見した。また、本
出願人は、リチウム電池と略同形の超薄型で、部品点数
が少なく、かつ簡単な構造の超薄型の携帯機器用振動ア
クチュエータを開発することに成功した。すなわち、超
薄型をした携帯機器用振動アクチュエータは、上蓋に固
定された駆動用および位置検出用空芯コイル内に、上方
向に突起した突起部を有するコア部材が出入りできる。
また、前記コア部材は、下面中心部のみに上下振動が可
能なバネ部材を取り付けた水平方向に突出したフランジ
部を備えている。そして、ドーナツ型永久磁石は、前記
コア部材の突起部に遊嵌されると共に、前記フランジ部
の上に別体として取り付けられている。前記コア部材の
突出部に取り付けられたドーナツ型永久磁石は、前記ド
ーナツ型永久磁石とヨークの磁界、および駆動用空芯コ
イルに電流を供給した際に発生する磁界とによって生じ
る力に基づいて前記空芯コイル内に入る方向に移動す
る。また、上記コア部材は、下部の円形フランジ(突出
部)が下部ヨークを兼ねることによって発生する磁界を
有効に利用することができる。
【0018】コア部材の下面中心部のみに取り付けられ
ている板バネ部材は、その外周部のみが円筒状ケースに
固定されているため、携帯者の身体の表面と直角方向に
移動する。その後、位置検出用空芯コイルは、コア部材
の移動を検出することによって、駆動用空芯コイルへの
電流の供給を停止するための信号を発生する。駆動用空
芯コイルへの電流の供給が断たれると、板バネ部材は、
そのバネ部材の有する力によって元の位置に戻る。次
に、前記同様に駆動用空芯コイルに電流が供給された
後、前記同様な方向に移動する。このようにして、携帯
機器用振動アクチュエータは、携帯者の身体と直角方向
の振動を発生させる。また、前記空芯コイル、コア部
材、永久磁石、板バネ部材等は、上蓋と円筒状ケースと
によって収納されて、ボタン状超薄型携帯機器用振動ア
クチュエータとなる。
【0019】(第2発明)本発明の板バネ部材は、厚さ
方向に振動できるように、外周部と中心部との間に複数
のスリットが形成されている。当該スリットは、板バネ
部材の外周部と中心部との中間に位置すると共に、たと
えば、略外周に沿ったスリットを多数設け、その始端と
終端との位置をスリット毎に位置を変え、幾重にも形成
されている。このような複数のスリットを備えた板バネ
部材は、円筒状ケースに固定された外周部と、コア部材
に接着された中心部とが異なる方向に動くため、携帯者
の身体と直角方向の振動を発生させることができる。
【0020】(第3発明)本発明の板バネ部材は、厚さ
方向に振動できるように、外周部と中心部との間に複数
の略円弧状スリットが形成されている。当該スリット
は、板バネ部材の外周部と中心部との中間に位置すると
共に、たとえば、略外周に沿った円弧状スリットを多数
設け、その始端と終端との中心点からの位置をスリット
毎に変え、かつ重複する範囲ができるように形成されて
いる。このような複数の円弧状スリットを備えた板バネ
部材は、円筒状ケースに固定された外周部と、コア部材
に接着された中心部とが異なる方向に容易に動かせるた
め、携帯者の身体と直角方向の振動を効率良く発生させ
ることができる。
【0021】(第4発明) 本発明における、携帯機器用振動アクチュエータの振動
周期は、コア部材、ドーナツ型永久磁石、ヨークの重
さ、板バネ部材の材質および厚さによって決められる
が、さらに、上記条件の他に、前記板バネ部材のスリッ
トの数および形状によって調整できる。したがって、
コア部材、ドーナツ型永久磁石、ヨークの重さ、板バ
ネ部材の材質および厚さ等は、設計上必然的に決まる場
合が多い。しかし、前記板バネ部材のスリットの数、形
状は、選択する余地が大きいため、これらを調整するこ
とによって携帯機器用振動アクチュエータの振動周期を
調整する。
【0022】(第5発明) 本発明のドーナツ型永久磁石上に設けられた上部ヨーク
は、前記ドーナツ型永久磁石の上面と側面とを覆うよう
にすると共に、コア部材の円柱状突起部側に沿う方向に
折り曲げられているため、空芯コイルからの磁界がコア
部材と上部ヨークとを通って効率良く発生する。
【0023】(第6発明) 本発明のドーナツ型永久磁石の下部には、下部ヨークが
設けられている。そして、前記コア部材のフランジ部の
上には、前記下部ヨークが別体として取り付けられてい
。別体とした下部ヨークは、発生した磁界を効率良く
すると共に、コア部材の製造を容易にする。
【0024】(第7発明)本発明のコア部材は、空芯コ
イル内を出入する円柱状突起部と、円形フランジ部とか
ら構成されているため、空芯コイルから発生する磁束が
通り易い形状を構成している。
【0025】(第8発明)本発明のケースは、筒状に形
成され、上蓋と下蓋とによって超薄型円柱状に形成され
る。そして、携帯機器用振動アクチュエータを組み立て
る際に、板バネ部材は、ケースと下蓋との間に挟むよう
にして固定される。この結果、上記携帯機器用振動アク
チュエータは、ケースの作製と、組み立てとが容易にな
った。
【0026】(第9発明)駆動用空芯コイルに印加され
た電圧、および前記位置検出用空芯コイルに発生した電
圧は、コンパレータに入力され、それぞれを比較する。
当該コンパレータの出力は、駆動用空芯コイルに供給さ
れる電力をON/OFFするスイッチ手段に供給され、
振動アクチュエータを効率良く振動させる駆動回路とな
る。
【0027】
【実 施 例】図1および図2を参照しつつ本発明の一
実施例を説明する。図1は本発明における一実施例の断
面図である。図2は本発明における携帯機器用振動アク
チュエータの外観図である。図1において、ケース11
は、第1段部12および第2段部13と、後述するリー
ド線挿通孔14が側部に設けられた有底円筒状に成形さ
れている。そして、上記ケース11は、図2に示すよう
に、リチウム電池と略同形の外径寸法になっている。ま
た、上記ケース11は、上蓋15が前記第2段部13に
係止させて密閉される。
【0028】上記上蓋15の下面中心部には、駆動用空
芯コイル16および位置検出用空芯コイル16′(以
下、単に空芯コイル16と記載することもある)が取り
付けられている。そして、空芯コイル16は、ケース1
1の外部からリード線22を介して電源および駆動回路
に接続されている。板バネ17は、後述するスリットを
有すると共に、外周部がケース11の第1段部12に載
置された後、たとえば、止めリング12′によって固定
される。コア部材18は、中心部に円柱状突起部18′
と、周囲に円形フランジ部20″を有しており、その中
心部の下側でのみ、前記板バネ17と、たとえば、スポ
ット溶接または強力な接着剤19によって固定されてい
る。
【0029】上記コア部材18の円形フランジ部20″
には、たとえば、接着剤20′によってリング状で複数
個の磁極が着磁された永久磁石20が取り付けられてい
る。上記永久磁石は、リング状にする代わりに複数にす
ることも可能である。また、上記リング状の永久磁石2
0上には、断面L字のリング状のヨーク21が接着剤2
1′によって取り付けられている。さらに、コア部材1
8の円柱状突起部18′は、前記空芯コイル16の内部
に移動できる大きさをしている。すなわち、コア部材1
8とリング状の永久磁石20、およびヨーク21は、可
動子を構成している。また、コア部材18は、円形フラ
ンジ20″が下部ヨークを兼ねている。なお、コア部材
8とバネ部材19とは、その中心部の下側19のみでス
ポット溶接されている以外の部分は、振動を容易にする
ため僅かに空間を持たせておくと良い。
【0030】図3(イ)は本発明の他の実施例で、組み
立て判り易くするための説明図である。(ロ)は板バ
ネ、コア部材、永久磁石、およびヨークを上方から見た
図である。図3において、図1と異なる所は、板バネ1
7の固定手段にある。図3(イ)におけるケース11
は、上蓋15と下蓋15′に分割できるように構成され
ている。したがって、板バネ17は、ケース11の突起
13′と、下蓋15′の第1段部12との間に挟まれる
ようにして固定される。これは、ケース11および下蓋
15′の作製、と他の部品との組み立てが容易になる。
【0031】図4(イ)は本発明の板バネの実施例を説
明するための図である。図4(ロ)は振動アクチュエー
タの他の実施例を説明するための図である。図4(イ)
において、ケース11にその外周部が固定される板バネ
17には、複数のスリット171ないし173が設けら
れている。そして、図4(イ)において、示されている
2点鎖線19は、板バネ17とコア部材18との接着範
囲を表している。板バネ17は、前述のように、外周部
がケース11に固定されていると共に、中心部がコア部
材18の円柱状突起部の裏側に接着されている。そし
て、板バネ17は、前記スリット171ないし173に
よって厚さ方向に振動できるように構成される。
【0032】スリット171は、たとえば、外周部に接
近した位置を始端とし、終端を中心部に接近するように
形成されている。スリット172は、たとえば、外周部
に接近した位置を始端とし、終端を中心部に接近するよ
うに形成されていると共に、その始端がスリット171
の終端部と板バネ17の中心部と外周部との間において
重複するように形成されている。スリット173は、始
端および終端の位置と、重複する部分において、スリッ
ト171およびスリット172と同様に形成されてい
る。また、上記各スリット171ないし173の本数お
よび形状を変えることにより、携帯機器用振動アクチュ
エータの振動周期を変えることもできる。
【0033】図4(ロ)において、図1と相違するとこ
ろは、円柱状突起部の形状とヨークとにある。たとえ
ば、円柱状突起部18′は、空芯コイル16の直径より
かなり小さい形状になっている。また、円柱状突起部1
8′の下部には、小さい円形フランジ部20″があり、
この円形フランジ部20″上にリング状下部ヨーク21
−2が載置されている。そして、上記リング状下部ヨー
ク21−2には、図4(ロ)に示されたリング状の永久
磁石20が取り付けられている。また、リング状下部ヨ
ーク21−2は、円柱状突起部18′の端部に接する部
分にまで達するようにする。このようなリング状下部ヨ
ーク21−2は、図1より小さめの円柱状突起部18′
であっても、上部ヨーク21−1と共同して、発生する
磁界を効率よく利用する。
【0034】図5は本発明の携帯機器用振動アクチュエ
ータを駆動する駆動回路を説明するための図である。図
5において、駆動回路51は、コア部材18に振動を与
える駆動用空芯コイル16と、コア部材18の位置を検
出する位置検出用空芯コイル16′と、駆動用空芯コイ
ル16に電源52、たとえばリチウム電池、を接続する
トランジスタ53と、位置検出用空芯コイル16′に発
生する起電力を一方の端子に、駆動用空芯コイル16の
電圧を帰還抵抗Rfと抵抗Raとを介して他方の端子に
それぞれ入力するコンパレータ54と、コンパレータ5
4の出力を前記トランジスタ53のベースに加えるベー
ス抵抗Rbと、駆動用空芯コイル16に電流を供給する
電源スイッチ55とから構成されている。
【0035】電源スイッチ55により電源52が投入さ
れると、電流は駆動用空芯コイル16に流れる。駆動用
空芯コイル16に流れる電流は、フレミングの法則によ
って磁界が図示矢印B方向に発生する。この磁界は、永
久磁石20によって、コア部材18、永久磁石20、ヨ
ーク21を図1に示す矢印A方向に引き寄せる。同時
に、位置検出用空芯コイル16′は、検出された電流に
基づく電圧が前記コンパレータ54のマイナス端子に印
加されている。また、前記コンパレータ54のプラス端
子には、前記駆動時の電圧が印加されている。
【0036】このような状態において、位置検出用空芯
コイル16′は、コア部材18が空芯コイル16、1
6′内に移動したことを検出すると、この検出電圧をコ
ンパレータ54の一方の端子に入力する。コンパレータ
54の他方に入力する電圧は、駆動用空芯コイル16に
かかる電圧が帰還抵抗Rfによって帰還されている。こ
のときのコンパレータ54の出力電圧は、駆動用空芯コ
イル16と電源52との間に設けられたトランジスタ5
3をOFFとするように働く。この結果、駆動用空芯コ
イル16に電流が流れなくなると、コア部材18等は、
図1に示す矢印B方向に板バネ17の復元力が働き、元
の位置に戻り、最初の状態となる。これを繰り返して往
復運動が行なわれる。
【0037】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明は、前記実施例に限定されるものではない。そして、
特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することがな
ければ、種々の設計変更を行うことが可能である。たと
えば、実施例で説明した板バネは、三本の円弧状のスリ
ットが形成されているが、スリットの形状および本数に
限定されることなく、外周部を固定した際に、中心部が
厚さ方向に移動できれば良い。また、実施例において、
バネ部材および永久磁石等の材質は、特に記載されてい
ないが、周知の如何なるものをも採用することができ
る。また、駆動回路においても、同様に実施例に限定さ
れず、同等な機能を有する回路部品に置き換えることが
可能である。
【0038】さらに、コア部材は、下部ヨークを断面皿
状に成形し、皿状の中央凹部に円柱状コア部材を、ま
た、皿のフランジ部にリング状の永久磁石をそれぞれ取
り付けることもできる。なお、実施例において、各部材
の取り付け手段は、スポット溶接または接着剤を用いて
いるが、ケース等の組み立てにも同様な手段を用いるこ
とができる。また、各部の取り付け手段は、上記手段以
外に周知の固着手段に代えることも可能である。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、携帯機器用振動アクチ
ュエータを超薄型に作製できたので、カード型ページャ
ー、腕時計、携帯電話、あるいは盲人用信号受信機等の
情報伝達装置において、振動アクチュエータから発生す
る振動を携帯者に正確に伝達することができるようにな
った。本発明によれば、コア部材の振動方向を厚さ方向
にしたため、振動が携帯者の身体の表面に対して直角方
向になり、携帯機器用振動アクチュエータの振動が効率
良く伝達される。本発明によれば、板バネ部材と上方向
に突起する突起部と水平方向に突出するフランジ部を有
するコア部材、前記円柱状突起部を出入させる空芯コイ
ル、およびドーナツ型永久磁石を組み合わせることによ
って、超薄型でボタン電池と略同じ程度の大きさの携帯
機器用振動アクチュエータを得ることができた。本発明
によれば、携帯機器用振動アクチュエータを構成する各
部品の形状が単純なものから構成されるため、組み立て
が容易で、かつ部品点数も減少でき、小型で安価なもの
になる。本発明によれば、携帯機器用振動アクチュエー
タを、板バネ部材による往復運動としたため、回転機を
使用したものと比較して、摺動部をなくし、機械的磨耗
や機械的ノイズが全く発生せず、部品の劣化がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における一実施例の断面図である。
【図2】本発明における携帯機器用振動アクチュエータ
の外観図である。
【図3】(イ)は本発明の他の実施例で、組み立て判り
易くするための説明図である。(ロ)は板バネ、コア部
材、永久磁石、およびヨークを上方から見た図である。
【図4】(イ)は本発明の板バネの実施例を説明するた
めの図である。(ロ)は振動アクチュエータの他の実施
例を説明するための図である。
【図5】本発明の携帯機器用振動アクチュエータを駆動
する駆動回路を説明するための図である。
【図6】従来例における偏平型振動アクチュエータを説
明するための図である。
【符号の説明】
11・・・ケース 12・・・第1段部 12′・・止めリング 13・・・第2段部 14・・・リード線挿通孔 15・・・上蓋 16・・・空芯コイル 17・・・板バネ 18・・・コア部材 18′・・円柱状突起部 19・・・接着剤 20・・・永久磁石 20′・・接着剤 20″・・円形フランジ部 21・・・ヨーク 21′・・接着剤 21−1・・・上部ヨーク 21−2・・・リング状下部ヨーク 22・・・リード線 25・・・携帯機器用振動アクチュエータ 51・・・駆動回路 52・・・電源 53・・・スイッチ手段(トランジスタ) 54・・・コンパレータ 55・・・スイッチ 171〜173・・・円弧状スリット

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】厚さ方向に振動を与える超薄型の携帯機器
    用振動アクチュエータにおいて、 上蓋に固定されると共に、同芯的に巻回された駆動用お
    よび位置検出用空芯コイルと、前記 空芯コイル内を出入する上方向に突起した突起部を
    有すると共に、下部が下部ヨークを兼ね、水平方向に突
    出するフランジ部を備えているコア部材と、前記 コア部材の突起部に遊嵌され、かつ前記フランジ部
    上に取り付けられたドーナツ型永久磁石と、前記 永久磁石の上部に設けられた上部ヨークと、前記 コア部材の下面中心部のみに取り付けられると共
    に、中心部が厚さ方向に振動可能な板バネ部材と、前記 板バネ部材の外周部のみを固定すると共に、前記永
    久磁石と板バネ部材が取り付けられているコア部材を収
    納し、空芯コイルが取り付けられた前記上蓋によって蓋
    をする円筒状ケースと、 を備えていることを特徴とする携帯機器用振動アクチュ
    エータ。
  2. 【請求項2】前記板バネ部材は、厚さ方向に振動可能な
    ように、外周部と中心部との間に複数のスリットが形成
    されていることを特徴とする請求項1記載の携帯機器用
    振動アクチュエータ。
  3. 【請求項3】前記板バネ部材は、厚さ方向に振動可能な
    ように、外周部と中心部との間に複数のスリットが略円
    弧状に形成されていると共に、各スリットが外周部と中
    心部との間で、重複するように形成されていることを特
    徴とする請求項1記載の携帯機器用振動アクチュエー
    タ。
  4. 【請求項4】携帯機器用振動アクチュエータの振動周期
    は、前記板バネ部材のスリットの数および形状によって
    調整できることを特徴とする請求項1記載の携帯機器用
    振動アクチュエータ。
  5. 【請求項5】前記上部ヨークは、ドーナツ型永久磁石の
    上面からコア部材の円柱状突起部に沿う方向に折り曲げ
    られていることを特徴とする請求項1または請求項3記
    載の携帯機器用振動アクチュエータ。
  6. 【請求項6】前記ドーナツ型永久磁石の下部には、下部
    ヨークが設けられ、前記コア部材のフランジ部に別体と
    して取り付けられていることを特徴とする請求項1記載
    の携帯機器用振動アクチュエータ。
  7. 【請求項7】前記コア部材は、前記空芯コイル内を出入
    する円柱状突起部と、円形フランジ部とから構成される
    ことを特徴とする請求項1または請求項6記載の携帯機
    器用振動アクチュエータ。
  8. 【請求項8】前記板バネ部材の外周部は、ケースを上蓋
    と下蓋とに分割すると共に、ケースと下蓋との間によっ
    て挟むように固定されていることを特徴とする請求項1
    記載の携帯機器用振動アクチュエータ。
  9. 【請求項9】前記駆動用空芯コイルに印加された電圧、
    および前記位置検出用空芯コイルに発生した電圧をそれ
    ぞれ比較するコンパレータと、当該コンパレータの出力
    によって駆動用空芯コイルに供給される電力をON/O
    FFするスイッチ手段とから構成される振動アクチュエ
    ータの駆動回路を備えたことを特徴とする請求項1記載
    の携帯機器用振動アクチュエータ。
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