JP3375169B2 - ポリエチレン樹脂組成物 - Google Patents

ポリエチレン樹脂組成物

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JP3375169B2
JP3375169B2 JP06294393A JP6294393A JP3375169B2 JP 3375169 B2 JP3375169 B2 JP 3375169B2 JP 06294393 A JP06294393 A JP 06294393A JP 6294393 A JP6294393 A JP 6294393A JP 3375169 B2 JP3375169 B2 JP 3375169B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、溶融弾性(メルトテン
ション、ダイスウェル比等)、流動特性(加工特性
等)、機械特性(耐衝撃性、引張強度等)等に優れ、分
子量分布のきわめて広いエチレン重合体組成物に関し、
特に光学特性および低温時の機械的特性に優れ、メルト
テンション、ダイスウェル比が大きいところから、ガソ
リンタンクなどの大型中空成形品、大口径パイプなどの
押出成形品等に適するエチレン重合体組成物に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、流動特性を改良する目的でエチレ
ン・α−オレフィン共重合体の分子量分布を広くする方
法が報告されている(例えば特開昭57−21409号
公報、特公昭63−47741号公報等)が、報告に記
載されているように単に分子量分布を広くするのみで
は、溶融弾性や機械的特性、特に低温時の機械的特性は
改善されず、かえって大幅に低下する。また機械的特性
および流動特性の改良については、高分子量成分と低分
子量成分とからなるエチレン・α−オレフィン共重合体
の高分子量成分の短鎖分岐度を特定し、かつ高分子量成
分に短鎖分岐を多く導入して、機械的特性、流動性のみ
ならず、耐環境応力亀裂性(ESCR)も改良する試み
がなされている(特開昭54−100444号公報、特
公昭64−7096号公報)。しかし、これらの改良に
おいても機械的特性、特に低温時の機械的特性や溶融弾
性は満足し得るものではない。更に、特開平2−305
811号公報においては、耐衝撃性、ESCR、ピンチ
オフ融着性を改良する目的で、触媒と2段重合の重合条
件を特定する方法が提案されているが、この方法では、
ESCRや溶融弾性の点で若干の改良がみられるが、機
械的特性、特に低温時の機械的特性を改良するには不十
分である。その他にも、中空成形用ポリエチレン組成物
として、耐ドローダウン性、ダイスウェルやESCRを
改良したもの(特開昭59−89341号、特開昭60
−20946号公報等)が開示され、また2段重合法の
欠点を改善する方法として3段重合法が提案されている
(特公昭59−10724号、特開昭62−25105
号、同62−25106号、同62−25107号、同
62−25108号、同62−25109号公報等)。
これらの提案においても、前記溶融弾性や流動特性の改
善は未だ不十分であり、特に光学特性および低温時の機
械的特性には改善がみられない。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の点に鑑
み、溶融弾性(メルトテンション、ダイスウェル比
等)、流動特性(加工特性等)、機械特性(耐衝撃性、
引張強度等)等の各種物性のバランスに優れ、分子量分
布のきわめて広いエチレン重合体組成物であって、特に
光学特性および低温時の機械的特性に優れ、メルトテン
ション、ダイスウェル比が大きいため、ガソリンタンク
などの大型中空成形品、大口径パイプなどの押出成形品
等に適する組成物を提供することを目的とするものであ
る。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の目的
に沿って鋭意検討した結果、超高分子量成分、分子間の
短鎖分岐分布がきわめて広い特定のエチレン・α−オレ
フィン共重合体またはエチレン単独重合体、および高圧
ラジカル重合によるエチレン(共)重合体からなる3成
分を配合することにより、溶融弾性、流動特性、機械的
特性等の各種物性のバランスに優れ、特に光学特性およ
び低温時の機械的特性に優れたエチレン重合体組成物が
得られることを見出して本発明に到達した。すなわち本
発明は、(I)下記条件(a)および(b)を満足する超高
分子量のエチレン単独重合体またはエチレン・α−オレ
フィン共重合体1〜50重量%、 (a)極限粘度(η )9〜45dl/g、 (b)密度(d )0.890〜0.935g/cm 、 (II)固体担体に担持された高活性を有するチーグラー
型触媒で重合した、下記条件(c)から(f)を満足するエ
チレン単独重合体またはエチレン・α−オレフィン共重
合体5〜94重量%、 (c)極限粘度(η )0.3〜3.0dl/g、 (d)密度(d )0.890〜0.980g/cm 、 (e)連続昇温溶出分別法による溶出温度−溶出量曲線に
おいて、溶出温度90℃以上の曲線下の面積Iaに対す
る溶出温度25〜90℃の曲線下の面積Ibの比S(I
b/Ia)が次式から計算されるS 以下、 S =20η −1 exp[−50(d −0.900)] (f)25℃オルソジクロロベンゼン可溶分W重量%が次
式から計算されるW 以下、 W =100η −0.5 exp[−50η 0.5 (d −0.9
00)]、ならびに (III)高圧ラジカル重合によるエチレン(共)重合体
5〜50重量%からなり、かつ前記成分(I)、(II)
および(III)の合計は100重量%であり、各成分
(I)から(III)の極限粘度がそれぞれ互いに異なる混
合物であって、同混合物の極限粘度が1.0〜6.0dl/
g、密度が0.890〜0.970g/cm および次式数2
から計算されるN−値が1.7〜3.0であるエチレン重
合体組成物を提供するものである。 【0005】 【数2】 【0006】以下に本発明の内容を詳述する。本発明の
超高分子量成分(I)とは、エチレン単独重合体または
エチレン・α−オレフィン共重合体であり、同共重合体
のα−オレフィンとしては、炭素数3〜18のものが用
いられ、特に炭素数4〜10のものが機械的特性の点か
ら好ましい。具体的には、1−ブテン、1−ペンテン、
1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテ
ン、1−ノネン、1−デセン等が挙げられる。なおα−
オレフィンは2種以上併用しても差し支えない。 【0007】上記超高分子量成分(I)であるエチレン単
独重合体またはエチレン・α−オレフィン共重合体は、
(a)極限粘度(η1)が9〜45dl/g、好ましくは10〜
40dl/g、更に好ましくは12〜40dl/gの範囲のもの
が用いられる。η1が9dl/g未満では、得られた組成物
の溶融弾性および機械的特性が劣り、また45dl/gを超
えると、成形品の表面荒れやフィッシュアイが発生する
など成形加工性が低下する。また成分(I)の(b)密度
(d1)は、0.890〜0.935g/cm3の範囲、好まし
くは0.890〜0.930g/cm3の範囲のものが用いら
れる。d1が0.890g/cm3未満のものは製造が困難で
ある上に、得られた組成物がベタつく原因となるため好
ましくない。一方d1が0.935g/cm3を超えるとき
は、組成物の機械的特性、特に低温時の機械的特性が低
下するため好ましくない。 【0008】本発明の成分(II)は固体担体に担持され
た高活性を有するチーグラー型触媒で重合したエチレン
単独重合体またはエチレン・α−オレフィン共重合体で
ある。エチレン・α−オレフィン共重合体のα−オレフ
ィンとしては、成分(I)の場合と同様に炭素数3〜1
8のものが使用され、好ましくは炭素数4〜10であ
り、特に前記同様1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキ
セン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−
ノネン、1−デセン等が機械的特性などの点で好まし
い。なおα−オレフィンは2種以上併用しても差し支え
ない。 【0009】上記成分(II)の(c)極限粘度(η2)は
0.3〜3.0dl/gの範囲であり、好ましくは0.6〜3.
0dl/gの範囲である。η2が0.3dl/g未満では、得られ
た組成物の機械的特性、特に低温時の機械的特性が劣
り、一方3.0dl/gを超えると、その流動特性が低下す
るのでいずれも好ましくない。また成分(II)の(d)密
度(d2)は、0.890〜0.980g/cm3の範囲、好ま
しくは0.900〜0.975g/cm3の範囲のものが用い
られる。d2が0.890g/cm3未満のものは製造が困難
である上に、得られた組成物のベタつきの原因となるの
で好ましくない。他方0.980g/cm3を超えるときは、
製造が困難であるのみならず、得られた組成物の機械的
特性が低下するため同様に好ましくない。 【0010】本発明で用いる成分(II)に関する前記の
条件(e)は、短鎖分岐を多く含む高分岐度成分は溶剤中
へ低温で溶解するが、短鎖分岐の少ない低分岐度成分は
高温でなければ溶剤に溶解しない性質を利用して、分岐
分布を定量的に規定したものである。すなわち溶剤への
溶解温度から分岐分布を測定する L. Wild らの連続昇
温溶出分別法(Temperature Rising Elution Fractiona
tion(TREF);Journal of Polymer Science:Polymer
Physics Edition, Vol.20, 441-455(1982))による溶出
温度−溶出量曲線において、溶出温度90℃以上の曲線
下の面積Iaと溶出温度25〜90℃の曲線下の面積I
bとの間に特定の関係が成立することが必要であり、本
発明においては図1の模式図に示される面積比S=Ib
/Iaの値が、次式から求められるS1以下でなければ
ならない。 S1=20η2 -1exp[−50(d2−0.900)] Sの値がS1を超えると、分岐分布がほぼ均一に近づく
結果、機械的特性、特に低温時の機械的特性に対してき
わめて有効な高分岐度成分が相対的に減少することとな
り好ましくない。 【0011】本発明で使用する成分(II)の(f)25℃
オルソジクロロベンゼン可溶分は、溶出温度が低過ぎて
上記の連続昇温溶出分別法では定量され得ない程度に、
きわめて多量の分岐を有する成分の量を表すもので、極
限粘度および密度に対応した特定の値であることが必要
である。しかしながら、これはまた有用でない低分子量
成分の存在を示すものでもあり、この低分子量成分はで
きるだけ排除することが必要である。このためには、同
可溶分W重量%が次式から求められるW1以下でなけれ
ばならない。好ましくはW3以下である。 W1=100η2 -0.5exp[−50η2 0.5(d2−0.900)] W3= 90η2 -0.5exp[−50η2 0.5(d2−0.900)] Wの値がW1以上では、きわめて多量の分岐を有する成
分の外に有用でない低分子量成分が存在することを示し
ており、機械的特性、特に低温時の機械的特性が劣るこ
とになる。 【0012】本発明の成分(III)の高圧ラジカル重合
によるエチレン(共)重合体とは、低密度ポリエチレ
ン;エチレン−酢酸ビニル共重合体等のエチレン−ビニ
ルエステル共重合体;エチレン−メタクリル酸共重合
体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−無水マ
レイン酸共重合体等のエチレン−α,β−不飽和カルボ
ン酸共重合体;エチレン−メタクリル酸メチル共重合
体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−
メタクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸エ
チル共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレート共
重合体等のエチレン−α,β−不飽和カルボン酸エステ
ル共重合体などが挙げられる。これらの中でも低密度ポ
リエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン
−アクリル酸エチル共重合体等が好ましい。 【0013】成分(III)の高圧ラジカル重合によるエ
チレン(共)重合体のメルトフロー(MFR)は、0.
05〜100g/10分、好ましくは0.1〜50g/10分で
ある。成分(III)として低密度ポリエチレンを用いる
場合に、その密度は0.91〜0.94g/cm3、好ましく
は0.91〜0.935g/cm3の範囲である。また成分(I
II)としてエチレン−酢酸ビニル共重合体を用いる場合
に、酢酸ビニルの含量は1〜40重量%、好ましくは3
〜30重量%である。エチレン−アクリル酸エチル共重
合体の場合にも、アクリル酸エチルの含量は1〜40重
量%、好ましくは3〜30重量%である。 【0014】本発明における成分(I)、(II)および
(III)の配合割合は、成分(I)1〜50重量%、成分
(II)5〜94重量%および成分(III)5〜50重量
%であり、好ましくはそれぞれ(I)5〜40重量%、
(II)5〜90重量%および(III)5〜40重量%であ
り、ただし成分(I)、(II)および(III)の合計量は
100重量%であって、組成物に対する要求性能により
これらの配合割合が選択される。上記成分のうち、特に
成分(I)が本発明において重要な役割をもつことか
ら、成分(I)の特性を考慮して組成物の配合割合を選
択することが好ましい。成分(I)の量が1重量%未満
では、溶融弾性および機械的特性、特に低温時の機械的
特性が十分でなく、一方、50重量%を超えるときは流
動特性が低くなる。なお、成分(I)から(III)の極限
粘度はそれぞれ互いに異なることが肝要であり、これが
満足されない場合には、本発明の目的の1つである流動
特性を向上することができない。 【0015】本発明のエチレン重合体組成物は、上記の
ように(I)、(II)および(III)成分の配合により得
られ、同組成物の極限粘度は1.0〜6.0dl/gであり、
好ましくは1.5〜5.0dl/gである。極限粘度が1.0d
l/g未満では溶融粘度および機械的特性、特に低温時の
機械的特性が不十分であり、一方、6.0dl/gを超える
ときは流動特性が低くなるため、いずれも好ましくな
い。上記組成物の密度は0.890〜0.970g/cm3
あり、好ましくは0.900〜0.970g/cm3である。
密度が0.890g/cm3未満では製造が困難である上に同
組成物のベタつきの原因となり、また0.970g/cm3
超えるときは、機械的特性が低くなる。更に、同組成物
のN−値が1.7〜3.0であることが必要であり、好ま
しくは1.7〜2.8である。N−値が1.7未満では高
速成形性が低く、3.0を超えるときはメルトフラクチ
ャーが生じやすくなる。 【0016】本発明のエチレン重合体組成物を製造する
方法については、該組成物の各成分が特定の条件を満た
すものであれば、特に制限はない。例えば成分(I)、
成分(II)および成分(III)をそれぞれ1段重合で単
独に製造した後、公知の方法で両者を混合してもよく、
または2段もしくはそれ以上の多段重合により、公知の
重合方法で製造してもよい。前者の混合により製造する
場合には、一軸もしくは二軸押出機またはバンバリーミ
キサーなどで混練する方法、あるいは溶液混合法など公
知の方法を使用することができる。2段重合もしくはそ
れ以上の多段重合による方法で製造した組成物と、各成
分を個別に重合した後にブレンドして得られた組成物は
いずれも同等の性質を有する。 【0017】後者の多段重合による方法とは、複数個の
反応器を使用して重合を行うものであり、例えば2段重
合の場合であれば、第1段の反応器を成分(I)を製造
する重合条件に保持し、第2段の反応器を成分(II)の
重合条件に保持して、第1段で生成した重合体を連続的
に第2段に流通させエチレン重合体組成物を製造するこ
とができる。この場合に(I)および(II)の各成分は
いずれの反応器において製造されてもよく、製造順序・
段数は特に限定されるものではない。上記いずれの場合
も、反応形式については特に制限はなく、スラリー法、
気相法、溶液法、高圧イオン法など各種の重合方法を用
いることができる。これらの方法においても、得られた
組成物はいずれも同等の性質を有するものである。なお
これらの方法における反応温度、圧力などの周知の操作
条件は、例えば、化学工学、47、〔5〕(1983)
藤田、牛田、p329およびコンバーテック(199
0.1)土居、p77に記載されている。 また、後記
の、実施例および比較例に使用される成分(II)である
B1〜B3の製造例からわかるように、コモノマーの供給
量を少なくして重合すると高分岐度成分が少なくなり、
W値が小さくなる傾向がある。 【0018】また重合触媒は、例えば、チタンおよび/
またはバナジウム等の遷移金属を主体とするチーグラー
触媒を使用することができる。特に成分(II)を製造
する触媒は固体担体に担持された高活性を有するチーグ
ラー型触媒であることが必要であり、以下にその詳細を
述べる。 【0019】高活性チーグラー型触媒は、無機質固体担
体、例えば金属マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭
酸マグネシウム、酸化マグネシウム、各種アルミナ、シ
リカ、シリカアルミナ、塩化マグネシウム等、またはマ
グネシウムと、ケイ素、アルミニウム、カルシウムから
選ばれる元素とを含む複塩、複酸化物、含水炭酸塩、含
水ケイ酸塩等、更にはこれらの無機質固体担体を含酸素
化合物、含硫黄化合物、炭化水素、ハロゲン含有物質で
処理または反応させたものなどの無機質固体担体に、遷
移金属化合物、例えばチタン、バナジウム、ジルコニウ
ム、クロム等の金属のハロゲン化物、アルコキシハロゲ
ン化物、酸化物、ハロゲン化酸化物等を担持させたもの
を固体成分として用い、これに第 I〜IV 族金属の有機
化合物、好ましくは亜鉛またはアルミニウムの有機金属
化合物を組み合わせたもの、あるいはこれらを更にα−
オレフィンと接触させて前処理したものなどであり、通
常触媒活性が50g-ポリマー/g-触媒・hr・kg/cm2-オレ
フィン圧以上、好ましくは100g-ポリマー/g-触媒・h
r・kg/cm2-オレフィン圧以上のものである。以上の中で
も、ハロゲン化マグネシウムを含む高活性のチーグラー
型触媒が特に好ましい。 【0020】本発明のエチレン重合体組成物において
は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で他のオレフィン系
重合体、ゴム等または酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安
定剤、滑剤、帯電防止剤、防曇剤、ブロッキング防止
剤、加工助剤、着色顔料、架橋剤、発泡剤、無機・有機
充填剤、難燃剤等の公知の添加剤を配合して用いること
ができる。 【0021】 【実施例】次に本発明を実施例によって詳細に説明する
が、本発明はそれらに限定されるものではない。まず、
本発明で使用する試験法を示す。 (1)極限粘度[η] 135℃デカリン溶液中で測定する。 (2)密度 JIS K6760の規定による密度勾配管法(23
℃)で測定する。 (3)連続昇温溶出分別法(TREF) 前記の通り、L. Wild らの方法に従った。測定法の詳細
は次の通りである。セライト545を充填した容量8.
5リットルのステンレス鋼製カラム内に、試料を濃度
0.05重量%となるように135℃で加熱溶解して調
製したオルソジクロロベンゼン溶液5mlを注入した後、
4℃/minの冷却速度で25℃まで冷却し、試料をセライ
ト表面に沈着させる。次にこのカラムにオルソジクロロ
ベンゼンを1ml/minの一定速度で流しながら50℃/hr
の一定速度で昇温し、試料を順次溶出する。この際、溶
剤中に溶出する試料について、メチレンの非対称伸縮振
動の波数2925cm-1に対する吸収を赤外検出器で検出
し、記録することにより溶出温度と溶出量の関係すなわ
ち組成分布を求める。 (4)連続昇温溶出分別法による面積比(S) 前記および図1の通り。 (5)25℃オルソジクロロベンゼン可溶分(W) 試料0.5gを20mlのオルソジクロロベンゼン(ODC
B)中において、135℃で2時間加熱し、試料を完全
に溶解した後、25℃まで2時間で冷却する。この溶液
を25℃で一晩放置した後、テフロン製フィルターで濾
過して濾液を採取し、赤外分光光度計でメチレンの非対
称伸縮振動の波数2950cm-1に対する吸収を測定し、
この結果からあらかじめ作成した検量線により濾液中の
試料濃度を定量する。 (6)N−値 高化式フローテスター(島津製作所製)を使用し樹脂温
度210℃で2mmφ×40mmのダイから押出し、低位試
験圧力20kg/cm2および高位試験圧力150kg/cm2での
見かけの剪断速度を求め、次式数3により算出する。 【数3】 (7)ハイロードメルトフロレート(HLMFR) JIS K6760に準拠して測定。(測定温度190
℃、荷重21.6kg) (8)引張降伏強さ(YTS) JIS K6760の規定による。(引張速度50mm/mi
n、試験片厚み2mm) (9)引張衝撃値(TIS) ASTM D1822に準拠して測定。(試験片厚み1.
5mm) (10)アイゾット衝撃値(IIS) JIS K7110に準拠し、−40℃で以下の方法に
より測定する。試料からプレスにより、厚み3mmのシー
トを作製する。試験片の形状は2号Aとする。試料の調
整はいずれも23℃、湿度50%で88時間行った後、
更に−40℃に温度調節した低温室内に約3時間保持し
た後、低温室内で−40℃で測定する。試験片はそれぞ
れ5個作製し、5回の測定の平均値を用いる。 (11)メルトテンション(MT) 東洋精機(株)製のメルトテンションテスターにより測
定。(測定温度190℃) (12)ダイスウェル比(DSR) 高化式フローテスターを用いて温度210℃で試料を押
出し、ストランドの径とダイの内径との比を求める。剪
断速度が100sec-1に相当する押出速度で測定する。 (13)臨界剪断速度(γc) INTESCO(株)製のキャピラリーレオメーターによ
り測定する。 (測定温度190℃) (14)耐環境応力亀裂性(ESCR) JIS K6760による定ひずみESCRのF50の値
を求める。 (15)曇り度(ヘイズ;%) 試料からプレスにより厚み50μmのシートを作製し
(冷却速度40℃/min)、JIS K7105の規定に
よる直読ヘイズコンピューター(商品名:HGH−2D
P、スガ試験機社製)で測定した曇り度を示す。 【0022】〔成分(I)および(II)の製造〕 まず、内容積50リットルの撹拌型反応器を使用し、無
水塩化マグネシウムを一成分とする固体担体に四塩化チ
タンを担持した固体触媒とトリエチルアルミニウム(T
EA)の助触媒とを用いて、窒素雰囲気下で1段重合を
行い、成分(I)の重合物A1およびA2ならびに成分(I
I)の重合物B1〜B3を製造した。B1、B2は高活性の
チグラー型触媒で重合し、その他は従来の触媒を用いて
重合した。それらの重合条件および得られた重合物の物
性を表1に示す。 【0023】 【表1】【0024】〔組成物の調製〕前記重合物のうち、成分
(I)と成分(II)とを溶液混合法により以下のブレン
ド条件で混合調製した。 〈ブレンド条件〉 雰囲気: 窒素 溶 媒: キシレン(4.5リットル) 試料量: 合計200g 温 度: 200℃ 時 間: 2時間 析出溶媒:−20℃メタノール(8リットル) 洗浄溶媒:ヘキサン 洗 浄: キシレン臭がなくなるまで 乾 燥: 室温から110℃まで ポリマー回収率:ほぼ100% 【0025】更に、上記混合物と成分(III)の下記の
高圧ラジカル重合によるエチレン(共)重合体とを窒素
雰囲気下において、試料合計量70g、回転数20rpm、
混練時間7分間、混練温度160℃で混合し、実施例お
よび比較例の組成物を得た。高圧ラジカル重合によるエ
チレン(共)重合体: (1)低密度ポリエチレン(1) MFR1.0g/10min、密度0.924g/cm3;商品名:日
石レクスロンF22、日本石油化学(株)製(以下、「L
DPE−1」という) (2)低密度ポリエチレン(2) MFR2.0g/10min、密度0.924g/cm3;商品名:日
石レクスロンF311、日本石油化学(株)製(以下、
「LDPE−2」という) (3)エチレン−酢酸ビニル共重合体 MFR1.0g/10min、酢酸ビニル(VA)含量10重量
%;商品名:日石レクスロンV260、日本石油化学
(株)社製(以下、「EVA」という) (4)エチレン−アクリル酸エチル共重合体 MFR1.0g/10min、アクリル酸エチル(EA)含量5
重量%;商品名:日石レクスロンEEA A2050、
日本石油化学株社製(以下、「EEA」という) 【0026】<実施例1〜6>実施例の組成物の配合割
合および物性の評価結果を表2に示す。 【0027】 【表2】 【0028】<比較例1〜6>比較例の組成物の配合割
合および物性の評価結果を表3に示す。 【0029】 【表3】 【0030】 【発明の効果】本発明のポリエチレン樹脂組成物は、超
高分子量成分、分子間の短鎖分岐分布がきわめて広い特
定のエチレン・α−オレフィン共重合体またはエチレン
単独重合体、および高圧ラジカル重合によるエチレン
(共)重合体の3成分を配合することにより得られ、溶
融弾性、流動特性、機械特性等のバランスに優れた分子
量分布の極めて広い組成物であり、具体的には次の特徴
を有する。 (1)メルトテンション、ダイスウェル比等の溶融弾性
に優れている。 (2)低温アイゾット衝撃値などの低温時の機械的特
性、耐寒性に優れている。 (3)臨界剪断速度などの流動特性に優れている。 (4)曇り度などの光学特性に優れている。 (5)このため高速成形性などの成形加工性が良好であ
る。 上記の長所を有する結果、各種フィルム、シート、パイ
プ、中空容器、各種被覆材料、発泡材料等に使用される
が、特に溶融弾性と光学特性が著しく優れているため、
大型中空容器用組成物として有用である。
【図面の簡単な説明】 【図1】連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温
度−溶出量の関係を示す図である。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 (I)下記条件(a)および(b)を満足す
    る超高分子量のエチレン単独重合体またはエチレン・α
    −オレフィン共重合体1〜50重量%、 (a)極限粘度(η )9〜45dl/g、 (b)密度(d )0.890〜0.935g/cm 、 (II)固体担体に担持された高活性を有するチーグラー
    型触媒で重合した、下記条件(c)から(f)を満足するエ
    チレン単独重合体またはエチレン・α−オレフィン共重
    合体5〜94重量%、 (c)極限粘度(η )0.3〜3.0dl/g、 (d)密度(d )0.890〜0.980g/cm 、 (e)連続昇温溶出分別法による溶出温度−溶出量曲線に
    おいて、溶出温度90℃以上の曲線下の面積Iaに対す
    る溶出温度25〜90℃の曲線下の面積Ibの比S(I
    b/Ia)が次式から計算されるS 以下、 S =20η −1 exp[−50(d −0.900)] (f)25℃オルソジクロロベンゼン可溶分W重量%が次
    式から計算されるW 以下、 W =100η −0.5 exp[−50η 0.5 (d −0.9
    00)]、ならびに (III)高圧ラジカル重合によるエチレン(共)重合体
    5〜50重量%からなり、かつ前記成分(I)、(II)
    および(III)の合計は100重量%であり、各成分
    (I)から(III)の極限粘度がそれぞれ互いに異なる混
    合物であって、該混合物の極限粘度が1.0〜6.0dl/
    g、密度が0.890〜0.970g/cm および次式数1
    から計算されるN−値が1.7〜3.0であるエチレン重
    合体組成物。 【数1】
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