JP3375062B2 - ベクトル変換方法 - Google Patents

ベクトル変換方法

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JP3375062B2 JP03781899A JP3781899A JP3375062B2 JP 3375062 B2 JP3375062 B2 JP 3375062B2 JP 03781899 A JP03781899 A JP 03781899A JP 3781899 A JP3781899 A JP 3781899A JP 3375062 B2 JP3375062 B2 JP 3375062B2
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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R13/00Arrangements for displaying electric variables or waveforms
    • G01R13/20Cathode-ray oscilloscopes
    • G01R13/22Circuits therefor
    • G01R13/34Circuits for representing a single waveform by sampling, e.g. for very high frequencies
    • G01R13/345Circuits for representing a single waveform by sampling, e.g. for very high frequencies for displaying sampled signals by using digital processors by intermediate A.D. and D.A. convertors (control circuits for CRT indicators)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般に、デジタル
・オシロスコープの表示に関し、特に、取込んだ波形デ
ータを処理して、デジタル・オシロスコープのグレー・
スケール用ビット・マップ表示を発生する方法に関す
る。なお、ビット・マップ・表示には、陰極線管などに
よるラスタ走査表示以外に、液晶表示器及びプラズマ表
示器などの平面表示器による表示も含むビット・マップ
(行列)形式の表示である。
【0002】
【従来の技術】デジタル・オシロスコープは、一般に、
ラスタ走査表示器などのビット・マップ形式の表示器を
用いて、電気信号の動きをユーザ(操作者)に示してい
る。日常使用されているコンピュータ・スクリーンの如
き各ラスタ走査表示などのビット・マップ表示は、ピク
セルの2次元配列で構成されており、各ピクセル位置
は、行(ロウ)番号(行の値)及び列(コラム)番号
(列の値)により一義的に決まる。構成が最も簡単で価
格が最も安価な表示器は、「単一ビット」(各ピクセル
を1ビットで表す)表示器であり、表示用の情報を取り
出すためだけのメモリは、各ピクセルに関連した輝度情
報が1ビットである。単一ビットの情報により、この情
報に関連したピクセルが「オン」か又は「オフ」かを判
断する表示において、「オン」は、所定値の輝度を用い
てそのピクセルを明るくすることであり、「オフ」は、
そのピクセルが全く明るくされないことである。
【0003】単一ビット表示器よりも複雑で高価な表示
器は、多ビット(各ピクセルを複数ビットで表す)、即
ち、グレー・スケール表示器である。グレー・スケール
表示の各ビットに関連したメモリ位置(蓄積場所)に
は、多ビットの輝度情報が蓄積されており、明るくする
ことができる輝度レベルの数(値)を示す。多ビット表
示のピクセルは、単一ビット表示のピクセルと同様に、
「オフ」、即ち、ダーク状態を表すだけではなく、1つ
の値の明るさの代わりに多数の値を有する。典型的に
は、利用できる値の数は、(2^N)−1個である。
(なお、2^Nは、2のN乗を表し、Nは、ラスタ・メ
モリ(ビット・マップ形式のメモリ)の各アドレスのメ
モリの深さ(各アドレスが蓄積するデータのビット数)
である。よって、例えば、4ビットの深さのラスタ走査
メモリ(ビット・マップ表示メモリ)は、ダーク、即
ち、「オフ」状態と共に、最大の明るさまでの15レベ
ルを表せる。なお、本明細書では、ビット・マップ表示
の代表としてラスタ表示について説明するが、これは、
ラスタ表示のみの限定するものではなく、ビット・マッ
プ表示一般に適用できるものである。
【0004】この大容量のデータにより、多ビット表示
器は、観察の際に、特に、電気信号波形が完全な繰り返
しではなく、いくつかの部分が他の部分より変動がない
場合、信号状態に関する更に多くの情報を示すことがで
きる。例えば、カタヤマ等によるアメリカ合衆国特許第
4940931号「陰濃淡を有するデジタル波形測定装
置」が、デジタル・グレー・スケール表示を行うシステ
ムを記載している。
【0005】多ビット輝度情報は、アナログと類似の
「残光(持続性:persistence)」効果、即ち、信号輝
度が時間経過に伴って減衰する効果を作ることができ
る。古い形式のアナログ・オシロスコープにおいては、
陰極線管(CRT)が蛍光体を用い、複数の異なる要素
に電圧を受けており、このCRTの明るさが減衰すると
いうのが持続性であった。デジタル・オシロスコープに
おいては、残光の減衰機能を達成するために、あるアル
ゴリズムに応じて、明るくなった各ピクセルに関連した
輝度値を減らしていく。例えば、ハンソン等のアメリカ
合衆国特許第4504827号「ラスタ走査表示用合成
残光」は、ラスタ走査表示における輝度データを疑似ラ
ンダム的に下げている方法を記載している。また、ロン
グ等のアメリカ合衆国特許第5254983号「ラスタ
走査オシロスコープ表示用デジタル合成グレー・スケー
ル」は、デジタル番号として蓄積された取込み波形を、
残光のように減衰させる1つのアプローチを記載してい
る。アルパット等のアメリカ合衆国特許第538789
6号「適応減衰を伴うラスタ走査表示」は、ピクセルの
初期値に基づいた計算に応じて、2つの方法の一方に
て、局部的なピクセルに対して操作するラスタ化システ
ムを記載している。なお、ラスタ化、即ち、ベクトル化
とは、一連のデータ/アドレス対をビット・マップ形式
のデータに変換することである。
【0006】典型的には、デジタル・オシロスコープ
は、プローブが接触した被測定回路のノードである測定
点からの電圧を周期的にサンプリングして、波形状態に
関する情報を取り込んでいる。オシロスコープ・プロー
ブ及びオシロスコープの入力回路は、信号を所定の倍率
(分数及び倍数)で正確に再現できるようになってお
り、この信号をアナログ・デジタル変換器に転送する。
このアナログ・デジタル変換器の出力信号は、一連の多
ビット・デジタル・ワードであり、取込みメモリに蓄積
される。連続的に取り込んだサンプルを、取込みメモリ
の関連したアドレスに、即ち、時間軸に合わせて順次蓄
積する。これらアドレスを最終的に時間軸に戻すが、こ
れは、オシロスコープのラスタ走査表示において、x軸
に沿った水平距離を表す。
【0007】上述の如く、ラスタは、水平行及び垂直列
とから構成される。垂直軸(y軸)に沿った位置番号
(場所の値)により各行を表し、水平軸(x軸)に沿っ
た位置番号で各列を表す。典型的には、オシロスコープ
において、取込みメモリ位置のデータ内容から得た電圧
振幅値が、明るくなったピクセルの垂直位置(行番号)
を決定し、取込みメモリのアドレスから得た時間値が、
水平位置(列番号)を決定する。2次元のラスタ・メモ
リ(ビット・マップ形式のメモリを含む)用のデータを
発生するために、取込みメモリの内容及びアドレスを拡
張する処理は、「ラスタ化(ベクトル化)」として知ら
れている。本明細書でのラスタ化は、データ/アドレス
対のデータを行列(ビット・マップ)形式のデータに変
換することである。
【0008】取込みメモリのデジタル内容と共に、この
メモリ内の連続アドレスに対応する時間は、表示する電
圧対時間値に比例する。測定機器の取込み及び表示設定
により、それらが表す実際の電圧及び時間が決定され、
データをラスタ・メモリに展開(マッピング)する際に
適用するスケーリング関数(拡大/縮小倍率)を決定す
る。
【0009】オシロスコープの表示の設定と、取込んだ
波形データとの任意特定の組み合わせに対して、取込ん
だデータ点を時間(x軸)対電圧(y軸)表示ラスタに
展開(マッピング)するには、ある関数が存在する。こ
のマッピング関数には、マッピングするサンプルの数
と、ラスタ表示におけるピクセル列の数との間の比が含
まれている。この比が1:1の場合もあるが、通常は、
N:1又は1:Nである。マッピングすべきピクセルの
列よりも多いデータ点があると、ある種のデータ圧縮を
用いなければならない。この最も簡単なものは、N番目
毎の全データを除いた全部の棄てることである(「デシ
メーション」や「間引き」として知られている)。しか
し、これは、元のデータ・セットで利用可能な情報内容
のいくつかが失われてしまう。
【0010】取込んだデータが、マッピングされるラス
タ・メモリが各ピクセル位置に関係して、グレー・スケ
ールの明るさ値である多ビットを有する場合、同じピク
セルに対する多数回の「アタック」(「ヒット」として
も知られており、データが特定のピクセルに対応するこ
と)を単一のアタックから区別するか、異なる数のアタ
ックから区別するには、表示の輝度を可変する(明るさ
を違える)。単一ビット表示の場合、各ピクセルは、オ
ン又はオフ、即ち、明るくなるか、又は明るくないかの
いずれかに制限されるので、かかる違いを示すのが不可
能である。図3〜8、12、13、16及び17は、単
一ビットのラスタ化出力を示し、この出力を用いたビッ
ト・マップ表示器の表示にも対応する。これら図におい
て、「D」及び「R」で識別されるピクセルは、ほぼ同
じレベルにまで明るくされる。さらに後述するように、
これら「D」及び「R」は、特定のピクセルを明るくす
るかの判断の元になり、ピクセル輝度自体には関係しな
い。
【0011】デジタル・オシロスコープは、2つの基本
的な方法である「ドット・モード・ラスタ化」及び「ベ
クトル・モード・ラスタ化」の一方により、取込んだ波
形データを経歴的にマッピングし、表す。なお、「ベク
トル・モード・ラスタ化」は、「ベクトル化」とも呼ば
れる。図3において、取込みメモリからの20個の波形
データ点により、波形の約1.5サイクルが表されてい
る。入力データ及びラスタ・ピクセル列の間の1対1の
関係により、データ圧縮及び拡大は必要ないが、20個
の取込みデータ点が、図示された20のピクセル列に直
接マッピングされている。この処理によりアクティブ
(輝度が明るくなる状態)になったピクセルは、「D」
により示す。これら「D」で示されるピクセルは、実際
のデータ点に、この場合、ドット・モード処理の出力に
一致する。
【0012】図4は、類似した波形データのドット・モ
ードのラスタ化を示すが、この図4においては、2:1
の圧縮により、3サイクルが示されている。これら図か
ら理解できるように、ドット・モードにおいては、ラス
タ化のマッピング機能により直接「アタック」されたピ
クセルのみが、明るくされる、即ち、これらの輝度値が
増加して、ラスタ表示における他のピクセルは影響を受
けない。図5もドット・モード・ラスタ化を示すが、
1:2の拡大で、約4分の3サイクルが示されている。
【0013】図6及び図7は、図3及び図4におけるド
ット・モード・ラスタ化に用いたのと同じ入力データの
ベクトル・モード・ラスタ化を示す。図6及び図7から
判る如く、ベクトル・モード・ラスタ化は、ドット・モ
ードでアタックされた複数のピクセルの間にある総ての
ピクセルも「アタック」する(即ち、オンにするか、明
るさを増加させる)。これらの図において、実際に取り
込んだデータに対応するピクセルを「D」で示すが、ラ
スタ化処理を適用したピクセルは「R」で示す。それに
もかかわらず、「D」及び「R」で示す両方のピクセル
・セットは、等しく明るくされて、その結果のビット・
マップ・ラスタ表示は、ピクセル毎に単一ビットで記述
できる。
【0014】ラスタ化処理の出力は、通常、ラスタ・メ
モリの既存の記憶内容と組み合わされ、その後、この結
果の合成ラスタ内容が、定期的に、ある種の減衰処理に
かけられる。かかる従来技術については、例えば、アル
パット等のアメリカ合衆国特許第5440676号「ピ
クセルの輝度ぼかしを伴ったラスタ走査波形表示ラスタ
化」(特開平1−227069号に対応)、アルパット
等のアメリカ合衆国特許第5387896号「適応減衰
を伴ったラスタ走査表示」(特開平4−313066号
に対応)、ロング等のアメリカ合衆国特許第52549
83号「ラスタ走査オシロスコープ表示用デジタル合成
グレー・スケール;濃淡表示機能を有するデジタル波形
測定装置」にも記載されている。
【0015】一般的に、ラスタ化処理は、一度に情報の
1列のみを処理する点に留意されたい。この処理の入力
は、一般的には、その列の現在の点の垂直座標と、次の
点の垂直座標とである。取込みメモリにおけるデータ/
アドレス対(データ及びアドレスの対)のデータ部分か
ら、これら垂直座標を導出する。更新する列は、同じデ
ータ/アドレス対のアドレス部分から決定する。ピクセ
ル列にデータ・アドレスをマッピングするのは、多数対
1、1対1又は1対多数なので、上述の「次の」点は、
図3に示すように、次の列に関係しているか、又は、図
4の時間の一部が重複しているように、同じ列に関係し
ている。次の列がそこに直接マッピングされるデータ点
を有さない場合、ラスタ化回路(ラスタライザ)とは別
の水平補間器(インタポレータ)がデータ点を決定し、
決定したデータ点をラスタ化回路に供給する。ラスタ化
回路は、他の入力がデータ/アドレス対から直接供給さ
れると、水平補間された点を同じ方法で処理する。
【0016】ドット・モード及びベクトル・モードのい
ずれのモードが特定の状態で好ましいかが、波形入力レ
ートによりしばしば判断される。デジタル・オシロスコ
ープは、「トリガ」イベントに応じて波形データを取り
込む。トリガが一層複雑なイベントを基にできると、被
観測信号の振幅が特定の方向で振幅しきい値を通過した
ときに、典型的には、トリガが発生する。通常、オシロ
スコープの操作者がトリガ・イベントの振幅及び方向を
決定するが、いくつかのオシロスコープでは、少なくと
もある動作モードにおいて、トリガ・イベントが自動的
に決定される。代表的には、操作者が関心のある信号部
分を見つけるのに適切と思われるトリガ・レベル及び方
向を操作者自体が見つけ、充分な波形画像が表示器に現
れるまで、繰り返し動作で、時間(タイムベース)、垂
直振幅及び輝度の調整を行うと共に、可能ならば、トリ
ガ・レベルの調整も行う。
【0017】トリガ・イベントが迅速に生じた場合、オ
シロスコープは、これらトリガ・イベントのいくつかを
無視しなければならない。これは、最終取込みデータの
処理及び表示に充分な時間がないためである。ベクトル
化は、分析処理及び表示処理を低速にできるので、ベク
トル・モードに選択された際、通常は、波形処理量を減
らせる。よって、ベクトル・モード動作は、最良の波形
画像を発生でき、ドット・モードは、より多くの波形処
理を可能とする。
【0018】充分なトリガ及び波形があり、オシロスコ
ープのデータ処理能力が充分な場合、ドット・モード・
ラスタ化により、一般に、適切な波形表示が得られる。
これとは反対に、トリガ・レート(トリガが発生する頻
度)が低く、オシロスコープが各波形を処理するのに充
分な時間がない場合、一般的に、ベクトル・モード・ラ
スタ化により最良の波形画像が得られる。しかしなが
ら、波形取込みレートが中位で、適切な波形表示を行う
のにドット・モードもベクトル・モードも必要条件を満
たさない場合もある。これらの環境下において、操作者
は、手動でスイッチをドット・モード及びベクトル・モ
ードの間で切り替えることができるが、いずれのモード
も、適切な表示を行うのに本当に適当であるかが判らな
いかもしれない。後述する本発明の目的は、これらの環
境下において、適切な代替え方法を提供するものであ
る。
【0019】さらに本発明の背景を説明する。デジタル
・オシロスコープが信号を効果的に処理してユーザに対
して表示できるのは、長年にわたって、プローブの先端
における信号状態の一部に限定されてきた点に留意され
たい。熟練していないユーザや、アナログ・オシロスコ
ープのみに精通しているユーザは、デジタル・オシロス
コープのプローブ先端における信号のほとんど又は総て
を観察しているという印象を抱いていたが、多くの環境
下において、実際に生じている信号のわずかな部分のみ
を表示していた。これは、オシロスコープが信号を取り
込む時間よりも非常に長い時間を信号処理に費やしたた
めである。信号が完全に繰り返しの場合、1つの波形は
別の波形と非常に似ているので、この「生の時間」の損
失は問題にならない。しかし、信号がある種の間欠的で
異常な変化を示す場合、生の時間のわずかな部分だけで
は、異常を検出できないかもしれない。したがって、波
形処理量を高め、プローブ先端の信号の動きの内、ユー
ザが実際に観察できる割合を高めることが、最近のいく
つかのデジタル・オシロスコープの目的である。例え
ば、メドウ等のアメリカ合衆国特許第5412579号
「高速取込みシステムを有するデジタル・オシロスコー
プの低速表示方法」(特開平6−317608号に対
応)は、取込みデータを複数の表示バッファで交互に合
成して(「ピンポン」又は「インターリーブ」として知
られている)、一方の表示バッファの内容をユーザへの
表示内容としている間に、他方の表示バッファを用い
て、更にデータを集めて合成することを記載している。
しかし、この技術の低速表示は、単位ピクセル当たり単
一ビットの輝度データを与えるのみであるので、アナロ
グと同様のグレー・スケール表示ができなかった。
【0020】他のオシロスコープでは、グレー・スケー
ル表示を連続的に行うが、これらのオシロスコープの表
示は、潜在的な波形の処理量が比較的少なかった。上述
の如く、アナログ・オシロスコープによる表示と同様な
操作者制御を行えるように、デジタル持続性の減衰時間
を可変できる。デジタル持続性機能をオフにすると、表
示は「無限持続性」となり、取り込んだ入力波形の変動
により、明るくするピクセル数が追加されるか、又は、
明るさが上がるが、それらの明るさを下げることもない
し、明るさが戻ることもない。よって、時間経過に伴っ
て、総ての影響を受けたピクセルが、最大輝度に達す
る。
【0021】上述の如く、プローブ先端での「生の時
間」が増えて、非常に多くの波形を処理できるようにな
ることは、デジタル・オシロスコープにとって望まし
い。例えば、イイジリッジ等のアメリカ合衆国特許第5
530454号「強化したデューティ・サイクルによる
信号監視用デジタル・オシロスコープ構成」は、1秒間
あたり40万波形以上を取り込むことができるオシロス
コープを記載している。このオシロスコープは、生の時
間の割合で、アナログ・オシロスコープの性能に匹敵
し、この生の時間は、タイムベースの設定に応じて、約
50%からほぼ99%まで変化する。この速度を達成す
るために2個のラスタ・メモリを用いるが、その内、1
個のメモリが取り込みシステムとなり、残りの1個のメ
モリが表示システムとなる。「ラスタ取り込みメモリ」
と呼ぶ第1ラスタ・メモリは、ほぼ継続的に取り込んだ
波形を受け、取り込みラスタ化回路及び画像組み合わせ
器により、これら取り込み波形をラスタ取り込みメモリ
内にて合成する。よって、多数の波形が合成された後、
単位ピクセル当たり単一ビットのラスタ取り込みメモリ
の内容を、ピクセル当たり多ビットの表示ラスタ・メモ
リに送り、以前に表示されたデータと組み合わされる。
この表示ラスタ・メモリは、上述の如く、デジタル持続
性制御の対象になる。上述のアメリカ合衆国特許第55
30454号の技術に応じて作られたオシロスコープ
は、波形処理量が非常に多く、非常に良質の表示を行う
が、この設計は、非常に多くの高速で高価なハードウェ
アに負うところが大きい。安価なラスタ化回路が必要と
する動作時間は、典型的には、ラスタ化処理に影響され
る輝度を有するピクセルの数に直接的に比例する。
【0022】多くのユーザにとって、特に、アナログ・
オシロスコープのいくらかの経験があるユーザにとっ
て、可変する明るさは、被測定信号の変化に関する情報
を有効的に伝える。例えば、繰り返し信号で10回に1
回程度で生じる間欠信号異常は、このアナログ形式のオ
シロスコープにより明瞭になるが、その明るさは、10
回に9回生じる主信号の明るさよりも大幅に低い。もち
ろん、信号が更に間欠的になると、明るさがぼんやり
し、オシロスコープの操作者は、全く取り逃がすかもし
れない。
【0023】メドウ等のアメリカ合衆国特許第5412
579号「高速取り込みシステムを有するデジタル・オ
シロスコープの低速表示方法」(特開平6−31760
8号に対応)においては、単位ピクセル当たり単一ビッ
トの2個のラスタ・メモリを用いて、間欠信号の存在を
いくらか操作者に伝える。これは、ランダム化処理を用
いて、以前の累積波形に最新波形を合成し、その状態を
識別することにより行う。この方法では、かなり間欠し
た波形は、点線として示され、ほとんどの時間に発生す
る波形は、一般的には、完全な波形として現れる。この
実施では、単位ピクセル当たり単一ビットの制限がある
ので、特に希で、しばしば生じない波形は、識別されな
いか、常に存在したものとして、誤認される傾向があ
る。
【0024】表示ラスタ・メモリで多ビット・グレー・
スケールを実施することにより、上述の制限を回避する
方法がある。上述のアメリカ合衆国特許第553045
4号に記載された如きシステムにおいては、間欠的な変
化を非常に現実的なアナログ方式で表せる。これは、た
まにしかアタックしないピクセルは、もっと定期的にア
タックされないと、同じ輝度に達しないためである。デ
ジタル持続性がアクティブであると、アタックされてア
クティブになった総てのピクセルが、適当な関数に応じ
て減衰するが、たまにしかアタックされないピクセル
は、その輝度がしばしば増加されないので、ほとんど総
てのラスタ化期間中にアタックされたピクセルよりも、
常に薄暗くなる。
【0025】ある環境において上述されたデジタル・オ
シロスコープの能力が改善されても、いくらかのオシロ
スコープ・ユーザは、アナログ・オシロスコープに類似
した他の動作を非常に好む。アナログ・オシロスコープ
は、水平掃引期間中に垂直偏向を行って、プローブ先端
の信号変化を実時間で表示すると、発生した線の傾きの
逆間数として表示の明るさが変化する固有の傾向があ
る。これは、陰極線(CRT)の陰極電子銃が、「明る
さ」制御の設定に応じた電子を一定に供給するためであ
る。
【0026】この電子の供給が一定で、電子ビームの水
平の動きが一定のため、知覚された「明るさ」、又は表
示の輝度は、信号の垂直方向の動きの量と逆に変化す
る。垂直の動きがなければ、特定の期間にわたって発生
された電子エネルギーの総ては、比較的明るく現れる短
い水平線に向けられる。一方、同じ期間内に多くの垂直
の動きがあれば、同じ量のエネルギーが、それと均等な
期間中に発生した一層長い線に向けられる。これは、迅
速に立ち上がった垂直エッジを観察することを困難にす
る一方、ユーザには、デジタル表示では見えない信号変
化を知覚させる。なお、デジタル表示では、一層均一な
明るさであるか、又は独立したドットが散在することに
なる。この点に関して、アナログと類似の表示を発生す
るシステムが、例えば、シエゲル等のアメリカ合衆国特
許第5550963号「デジタル的に圧縮した波形のぼ
かし表示」に記載されている。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】上述を要約し、後述す
る本発明の必要性を明瞭にすると、オシロスコープの設
計では、オシロスコープ・ユーザの必要性と最良に合致
させるために、デジタル・オシロスコープで、「両分野
(即ち、アナログ・オシロスコープとデジタル・オシロ
スコープ)の最善」を実現することが長い間試みられて
いた。ここで、両分野の最善とは、データを取り込み
後、取り込みデータを蓄積し、処理する一方、同時に、
被観測信号に関する情報を最良に伝達するアナログ・オ
シロスコープ表示の特徴も適切にエミュレーションでき
ることである。この方向に改善が行われているが、波形
情報を伝達するデジタル・ラスタ走査などのビット・マ
ップ表示を基本としたアプリケーションの最大の問題点
は、ラスタ化(ベクトル化、即ち、ビット・マップ化)
する際のドット・モード・アプローチ及びベクトル・モ
ード・アプローチの間を明瞭に分割することである。各
アクティブ・ピクセルに関連したメモリ記憶位置を更新
する際の読出し/変更/書込みに関連した時間の無駄
(オーバーヘッド)があるので、ベクトル・モード・ラ
スタ化は、ドット・モード・ラスタ化よりも通常、長い
時間がかかり、多くの環境下において、ドット・モード
・ラスタ化は、不適当な波形画像を与える。これは、波
形及びトリガがたくさん生じ、まれに生じるイベントを
適切に取り込める程度にオシロスコープが迅速に取り込
む場合、特にフラストレーションを感じる問題である。
しかし、ユーザが必要とする情報を、ユーザに見せる適
切なドット・モード表示を行うには、これら波形の総て
を完全にベクトル化するのに充分な時間がなく、特に波
形の非繰り返し部分において充分なデータもない。
【0028】したがって、本発明は、デジタル・オシロ
スコープ等の電子データ取り込み測定装置が取込んだ1
組の電圧対時間であるデータ/アドレス対を、多ビット
・ラスタ(ビット・マップ形式)表示メモリの水平記憶
位置及び垂直記憶位置にラスタ化する改良された方法を
提供するものである。
【0029】
【課題を解決するための手段】本発明の方法は、デジタ
ル輝度を制御する新たな方法を提供するものであり、測
定装置のトリガ・レートを基にした機能により、各ベク
トルを描画する際に変更すべきピクセルの数を最大に設
定できるようにすると共に、操作者が制御したパラメー
タにより、各変更に利用可能な輝度ユニットの数を決定
する。ベクトルが有するピクセルが、変更すべきピクセ
ルの最大数よりも多い場合、少なくともある程度のラン
ダム化を好ましくは含んだアルゴリズムにより、変更さ
れたピクセルがベクトルの長さにわたって散在する。そ
のベクトルにあるピクセルよりも多くピクセルが変更可
能ならば、これらピクセルが表す余分な明るさ(輝度)
の内容が、そのベクトル内の変更に利用可能なピクセル
に沿って配分されるか、又は無視され、捨てられる。ベ
クトルに長さがなければ、利用可能な総ての輝度、又
は、いくらか少ない輝度が、1つのピクセルに割り当て
られる。ベクトルを埋めるのが制限される最小ベクトル
長を設定すると、意味のない細部にかかる時間を最短に
制限して、時間を節約する。ラスタ化処理が影響するピ
クセルの最大輝度レベル及び最小輝度レベルを設定し
て、1つの極値における飽和を制限すると共に、1個又
は数個のアタックを受ける領域が、他と区別できるのに
充分な明るさの輝度レベルを依然有することを確実にす
る。散在(sparse)ベクトルのラスタ化により、ドット
・モード及びベクトル・モードのいずれを利用するかと
いう困難な二者択一を避け、ユーザがアナログのような
輝度制御をできるようにし、観察における輝度選択が連
続的に近くできるようにする。どのくらいの波形を取り
込むのが処理に必要かという条件の範囲内で、更新する
ピクセルの数を最大にする。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、ビット・マップ出力である
ラスタ化回路の出力を示す図を参照しながら説明を行
う。しかし、図面の大きさや、細部に焦点を当てるため
に、これら図では、20行20列として示すが、これ
は、一般に400×500ピクセルのオーダの実際のフ
ル・サイズのラスタ走査(ビット・マップ)表示よりも
大幅に小さい。よって、これら表示は、フル・サイズの
場合の同等の画像よりも一層大幅に粒状になっている。
散在ベクトル発生での補間点の好適な分布は、少なくと
も部分的にランダムであり、ランダム・オフセット値が
指標となる一定間隔となる。実際には、ここで示した動
作は、非常に多くの回数にわたって実行されるので、多
くの数のイベントに対して作用する可能性の法則には、
「スナップショット(断片)」の例として現れる粒状を
なくすチャンスがある。なお、以下の説明でも、ビット
・マップ化の代表例として、ラスタ化により説明する
が、これは、一般のビット・マップ形式の表示にもその
まま適用できる。
【0031】図3は、従来技術により、正弦波の約1.
5サイクルに対するドット・モードのラスタ化(ベクト
ル化)の結果を示す。入力の20個の取り込み波形デー
タ点を、出力において、振幅対時間情報の20個のドッ
トとしてマッピングした。この出力は、単一値(1ピク
セルの輝度を1ビットで表す)であり、この図において
「D」で示す各ドットの輝度が同じことを意味する。
【0032】図4は、入力波形データ点が2倍、即ち4
0であるが、図3に示す場合と同じであり、出力のピク
セル列が20である場合の従来のドット・モード・ラス
タ化を示している。この2対1の圧縮により、時間が2
倍になり、同じ正弦波の約3サイクルが水平軸に沿って
表示されている。ここでも、出力は、単一値であり、ラ
スタ・メモリ画像に応答して、各ピクセルは、同じ輝度
で明るくされる。
【0033】図5は、図3及び図4に示したのと同じ形
式の従来のドット・モード・ラスタ化を示し、出力のピ
クセル列は20であるが、入力波形データ点の数が半分
の10である。この1対2の圧縮により、時間軸が半分
になり、同じ正弦波の波形の約4分の3サイクルが水平
軸に沿って表示されている。ここでも、出力は、単一値
であり、ラスタ・メモリ画像に応答して同じ輝度で各ピ
クセルが明るくなっている。
【0034】従来例を示す図6、図7及び図8におい
て、これら図は、図3、図4及び図5のドット・モード
・ラスタ化で示したのと同じ波形のベクトル・モードラ
スタ化を示している。図6に示したベクトル・モード・
ラスタ化出力は、図3に示すドット・モード・ラスタ化
出力により生じた20個のアクティブ・ピクセルと比較
して、50個の(単一値)アクティブ・ピクセルを有す
る。図7に示すベクトル・モード・ラスタ化出力は、
(図6と比較して)水平軸に沿って2倍の時間であり、
図4に示すドット・モード・ラスタ化出力により生じた
40個のアクティブ・ピクセルと比較して、105個の
アクティブ・ピクセルを有する。図8に示すベクトル・
モード・ラスタ化出力は、(図6に比較して)水平軸に
沿って半分の時間であり、図5に示すドット・モード・
ラスタ化出力により生じた10個のアクティブ・ピクセ
ルに比較して、29個のアクティブ・ピクセルを有す
る。よって、従来のベクトル・モード・ラスタ化(即
ち、ベクトル化)は、同じ波形のドット・モード・ラス
タ化よりも一層多くのアクティブ・ピクセルを生じるこ
とが判る。したがって、各アクティブ・ピクセルに関連
したメモリ記憶位置を更新する際に含まれる読出し/変
更/書込み動作に関連した時間オーバーヘッド(かかり
すぎる時間、又は時間の無駄)が存在する条件におい
て、ベクトル・モード・ラスタ化には、ドット・モード
・ラスタ化よりも長い時間がかかる。
【0035】図9は、本発明による「散在(sparse)ベ
クトル・モード」ラスタ化により発生した多ビット・ラ
スタ出力を示す。ここでの入力は、図3に示すドット・
モード出力及び図6に示すベクトル・モード出力で用い
た入力と同じである。しかし、散在ベクトル・ラスタ化
により発生したこの出力においては、従来の通常(フ
ル)ベクトル・モードにより発生した50個のアクティ
ブ・ピクセルと比較して、わずか34個のアクティブ
(「アタック」された)ピクセルが存在する。同様に、
図10は、図7に示した通常ベクトル・モード・ラスタ
化出力の場合の入力と同じ入力に対する散在ベクトル・
モード・ラスタ化に基づいた出力を示している。図7に
示すベクトル・モード出力において105個のアクティ
ブ・ピクセルを発生した3サイクルの入力に対して、散
在ベクトル・モードは、わずか65個のアクティブ・ピ
クセルを発生していることが判る。図11において、図
8と比較して、アタックされたピクセルの数に違いはな
い。
【0036】図9及び図10に示す散在ベクトル・ラス
タ化出力は、「多値(multi-value)」であり、これら
のアクティブ・ピクセルは、非ゼロの輝度の1レベルよ
り大きいレベルである。この場合、輝度レベルは、
「3」及び「6」である。この例において、単位ベクト
ル当たりのアタックの割り当てられた数は「2」であ
り、AVEC=2で表し、また、単位アタック当たりの輝
度のユニットは「3」であり、AUNITS=3で表す。こ
れらの設定及びその意味は詳細に後述するが、「アタッ
ク」は、例えば、読出し/変更/書込みの動作シーケン
スによって、ラスタ表示メモリ内のピクセル位置の内容
を変更することが判った。なお、この動作シーケンス
は、表示上に受ける関連ピクセルである輝度のユニット
の数を増やす作用がある。
【0037】例として用いた図3〜図11の制限された
サイズ(即ち、20×20ピクセル)のために、AVEC
は、非常に小さな数字、例えば、「2」に選択した。こ
れにより、これら小さなサイズの例は、「散在(まば
ら)」な状態として示され、ベクトル内のいくつかのピ
クセルは輝度を受けない。一層現実的なサイズ、例え
ば、400×500ピクセルのラスタ表示では、AVEC
の最大サイズは、一層大きな数、例えば、511又は1
023となり、たまにしか生じない波形の完全なベクト
ル化や、たくさん生じる波形の非常に散在的なベクトル
化が可能となる。
【0038】図1及び図2は、本発明による散在ベクト
ル・モードの特定実施例を含んだステップを示す論理流
れ図である。この実施例は、ハードウェア、例えば、特
定のASIC(アプリケーション特定集積回路)で実現
しているが、種々のハードウェア形式や技術でも実現で
きるし、ほぼ総てをソフトウェアでも実現できる。以下
の説明の読出しにおいて、次の一覧を参照するのが便利
であろう。
【0039】AAMT:アタック量で、AVEC>=LVECの
場合に利用可能 AMAX,VAL:可能なアタック輝度の最大値 AUNITS:アタック当たりの輝度のユニット AVEC:単位ベクトル当たりの割当数であり、2のべき
乗で選択される IMIN,ATK:最小アタック輝度 INEW:現在アタックされたピクセルの新たな輝度 IOLD:現在アタックされたピクセルの古い輝度 LMIN:フルにアタックされたベクトルの最小長 LVEC:現在のベクトルの長さで、常に>=1 LVECL:LVECの対数形式で、除数として用いる UYA:アタックされた位置における予測輝度のユニット UYO:位置YOにおける予測付加輝度のユニット UY(0+OFFSET):位置Y(0+OFFSET)における予測付加輝
度のユニット UY1:位置Y1における予測付加輝度のユニット U(Yn-1):位置Y(N-1)における予測付加輝度のユニッ
ト WLESS:重み縮小係数で、AVEC>=LVECの場合にU値
を減少 Y0:この列における実際のデータ点のY軸位置 YN:次の実際のデータ点のY軸位置 YN-1:現在のベクトル(次から1を引く)の端部のY
軸位置
【0040】単位ベクトル当たりに割り当てた数である
AVECは、好ましくはトリガ・レートで決定するので、
これにより、各波形のラスタ化にどの程度時間がかかる
かを決定する。これは、取り込む波形がどのくらい高速
かに作用する。AVECの選択は、2のべき乗に制限さ
れ、2のべき乗形式でほとんどの計算が行われる。
【0041】単位アタック当たりの輝度のユニットAUN
ITSは、好ましくは操作者が決めるので、操作者は、ト
リガ・レートの独自の表示の明るさレベルを制御でき
る。操作者の視点からは、輝度のつまみの「感じ」が、
満足のいくものであり、できるだけ実用的なことであ
る。ラスタ化回路の視点からは、トリガ及び波形取り込
みの現在のレートを実現できるように、波形ラスタ化処
理にできるだけ時間をかけて良好な品質を得ることであ
る。
【0042】図1及び図2の実施例において、ラスタ化
処理を列毎に行っている。この処理は、新たなデータ点
で開始し(ステップ10)、ピクセルとして計った現在
のベクトルの長さLvecを求める(ステップ11)。こ
のステップ11では、その列Y0の実際のデータ点のy
軸位置と、次のデータ点YNのy軸位置との間の差の絶
対値を求めて、Lvecを求めている。次のデータ点は、
現在の列か、又は次の列内にあり、実際に取り込んだデ
ータ点ではない。しかし、各列に実際に取り込んだデー
タがなければ、その代わりとして、水平に補間した点を
用いる。それらの端部にて隣接する複数のベクトルが重
なるのが望ましいならば、YNプラス1ピクセルをYNの
代わりに用いる点に留意されたい。LVEは1を最小値と
し、2のべき乗で近似され、除数として機能する場合に
LVECLと呼ぶ。YN−Y0の絶対値が必要となり、いくつ
かの場合に用いる際、その符号を維持し、丸め込み判断
をするためのベクトルの方向を決めるために用いる。
【0043】判断ステップ12において、現在のベクト
ルの長さLVECと、フルにアタックされるベクトルの最
小値LMINとを比較する。現在のベクトルの長さが最小
ベクトル長と等しいか、それよりも大きければ、即ち、
LVEC>=LMINならば、判断ステップ16に進み、単位
ベクトル当たりのアタックの割当数AVECを現在のベク
トルの長さLVECと比較する。
【0044】ステップ16にて、単位ベクトル当たりの
アタックの割当数AVECが、そのベクトルの長さLVECに
等しいか大きい場合、論理流れ図はステップ18に進
み、AAMTを計算する。この処理のほとんどを電子ハー
ドウェアで実行する実施例において、値AVEC*AUNITS
*WLESSをソフトウェアで計算し、単一番号としてハー
ドウェアに供給する。なお、*は、かけ算(×)を意味
する。この結果を2のべき乗で近似するために、LVECL
で簡単に除算する。ここでは、LVECLをAVECで除算す
ること均等なことは、単なるシフトによりできる。この
操作結果に、AUNITS及びWLESSをかけ算する。重み縮
小係数WLESSは定数であり、この定数は、AVECがLVEC
未満の場合、AAMTの値が低下させる手段となる。
【0045】判断ステップ31では、AAMTをAUNITSと
比較して、AAMTがAUNITS以上でなければ、ステップ3
2でAAMTをAUNITSに等しく設定する。次にステップ3
3で、ベクトルUY(0+OFFSET)からU[<Y(N-1)]内の
輝度の各予測ユニットをAAMTに設定し、必要に応じ
て、切り捨てをする。ステップ31及び32の目的は、
小さくすべき重み付けの領域からの遷移を「スムース
(滑らか)」にすることであり、ベクトルの長さ内にあ
るピクセルよりも多くの所望アタックを、非重み付け領
域に行う。ここでは、ベクトルの長さ内のピクセルより
も少ない所望アタックがある。特に、WLESSが小さな値
であり、AVECよりも短い最長ベクトルに対して、AAMT
がAUNITSよりも大幅に小さくなると、この差に関連し
た識別可能なアーティファクトが表示に現れ出す。ステ
ップ31及び32は、2つの領域の間の遷移を滑らかに
することにより、AAMTがAUNITS未満になるのを防止す
るので、この影響が除かれる(判断ステップ16から論
理的に分離する)。
【0046】ステップ16において、単位ベクトル当た
りの割当数が現在のベクトルの長さ以上でなければ、判
断ステップ17は、ランダム化が「オン」に設定されて
いるかをチェックする。ステップ17の判断結果がノー
ならば、ステップ21で、オフセットをゼロにする。ラ
ンダム化が「オン」に設定されていれば、オフセット
を、ゼロから、現在のベクトルの長さLVECを、単位ベ
クトル当たりのアタックの割当数AVECで除算した値
(比)までのランダム数にする(ここでも、AVECを無
理に2のべき乗とするために簡略化する)。これらラン
ダム化には、整数ではない分数部分が含まれる。なお、
[a,b]は、aからbまでの範囲を示す。
【0047】次の動作は、ステップ20である。ここで
は、単位アタック当たりの輝度のユニットAUNITSを、
ベクトルの長さに沿ったy軸で、オフセット(OFFSET)
から、Y(N+1)未満の値を発生する各xに対するOFF
SET+x(LVEC/AVEC)、即ち、U[<Y(N−
1)>]までの間で、(LVEC/AVEC)番目毎のUYの
値として設定する。予測輝度のユニットUは、このステ
ップの期間中に必要に応じて切り捨てる。好適な実施例
において、Yの総ての例を計算し、非整数として維持す
る。Y値が最終となるステップ26まで、丸め込みを延
期する。
【0048】判断ステップ12において、現在のベクト
ル長が、最小ベクトル長以上でなければ、この判断結果
は「ノー」である。次に、ステップ30は、オフセット
値を、ゼロからLVEC未満までの値にする。そして、設
計及び/又は動作選択に応じて、以下のオプションの任
意の1つを適応させる。ステップ13では、何もしない
(この点及びベクトルを完全に省略する)。ステップ1
4では、単位アタック当たりの輝度のユニットであるA
UNITSと、「単位ベクトル当たりに割り当てられたアタ
ック・ユニットであるAVEC」×「単位アタック当たり
の輝度のユニットであるAUNITS」÷「2のべき乗とし
て近似したベクトルの長さLVECL」×「重み低減係数W
LESS」である「AVEC*AMUNITS*WLESS/LVECL」と
のいずれかの最大値を、現在の実際のデータ点のy軸位
置と、オフセット(ステップ30)とをプラスした予測
付加輝度のユニットであるU(Y0+OFFSET)にする。ま
た、ステップ14では、そのベクトルの他のピクセルの
任意のものには何もなく、U(Y0+OFFSET)を除いて、UY
0に対して、UY(N-1)=0とする。また、ステップ15
では、単位ベクトル当たりのアタックの割当数AVEC
に、単位アタック当たりの輝度のユニットAUNITSを掛
け、更に、重み低減係数WLESSを掛けて、初期データ点
UYO、又はU(Y+OFFSET)とする。また、ステップ15で
は、そのベクトルの他のピクセルの任意のものには何も
なく、U(Y0+OFFSET)を除いて、UY0に対して、UY(N-
1)=0とする。これら3つの選択を大雑把に要約すれ
ば、夫々、「短いベクトルの除去」、「短いベクトルの
切り捨て」、及び「短いベクトルの集中」となる。短い
ベクトルの除去は、利用を制限することと考えられる。
短いベクトルの切り捨てと、短いベクトルの集中との両
方は、大部分の条件下で、適切な表示を発生する。しか
し、これらは、総て、最短のベクトルにおける総ての点
をラスタ化するのに費やす時間を短縮する効果がある。
オシロスコープは、通常、非常に多くの波形を連続的に
ラスタ化するので、LMINの適切な値を使用することに
より避けられる多くの時間を費やすが、最短のベクトル
を含んだ領域は、多量の輝度アタックにより素早く影響
される。典型的には、これら値は、1から3ピクセルの
範囲内である。ゼロの値により、特性を完全にオフに切
り替える。
【0049】ステップ26は、総てのYの現在の値を特
定のピクセル位置に丸める。この丸め込みは、任意に実
行され、他で行った設計選択により影響される。しか
し、ここで述べた好適実施例では、総ての丸め込みは、
実行範囲内でのベクトルの起点に向かう。総ての連続し
た垂直変数は、そのベクトルの起点Y0に最も近い整数
に丸め込まれる。これには、ベクトルの現在の方向を知
る必要がある。その情報は、ベクトルの大きさを決定す
るには必要ないが、ステップ11で実行した減算結果の
符号として利用可能である。
【0050】ステップ12〜21、26及び30〜33
の結果を得た後、判断ステップ24で、アタックされた
各位置の予測付加輝度のユニットUYAと、可能となった
アタック輝度の最大値AMAX.VALとを比較する。ここ
で、UYAがアタック輝度の最大値よりも大きければ(イ
エスならば)、ステップ25において、最大値に減ら
す。すなわち、UYA=AMAX,VALとなる。
【0051】次にステップ27において、読出し/変更
動作を行い、古い輝度値IOLDを回収し、アタックされ
たピクセルの予測付加輝度値UYAを加算して、新たな輝
度値INEWを発生する。判断ステップ28は、新たな輝
度値を最小アタック輝度値IMIN,ATKと比較して、INEW
が小さければ、ステップ29にて、新たな輝度値を最小
アタック輝度に増やす。新たな輝度値が既に上述の最大
値ならば、これをこの処理の出力として用いる。各ピク
セルに対する変更値をINEWとしてそれらのメモリ位置
に戻し、このベクトルにおいて影響を受けるピクセルの
各々に対してこの処理を繰り返す。ここでは明瞭に示さ
なかったが、INEW値は、クリッピングを必要として、
ラスタ表示メモリ内に各ピクセル位置において利用可能
なデータ空間の長さを合わせる。
【0052】オプションとしての別の実施例では、判断
ステップ22において、ドット=オンかのチェックを行
う。この判断結果がイエスならば、ステップ23にて、
単位アタック当たりの輝度の1ユニットであるAUNITS
(又は何らかの他の値)を初期ドット位置Y0に加算す
る。これは、ドット・モードにて、実際のデータ位置を
除去することを確実にする手段となるが、散在ベクトル
・モードで実行するようにプログラムした他のオプショ
ンは問題ない。しかし、判断ステップ12及びステップ
12、30及び14又は15の動作が、ドット・モード
に影響する点に留意されたい。この際、512のように
非常に長い長さがLMINに設定されると、ベクトルの最
小長が完全にアタックされる。AVEC=1で、ランダム
=オフに設定することは、ドット・モードと等価なこと
を行うには好適な方法である。
【0053】単位ベクトル当たりのアタックの割当数A
VECを変化させることができると、ラスタ化の時間を制
御できて、このラスタ化が可変速度でベクトルを処理で
きる。この速度は、トリガ・レートの関数で制御できる
ので、個別のラスタ化の品質を可変して、波形処理量を
最大にして、その変動に適応させられる。いくつかのラ
ンダムの程度でラスタ化した多くの波形が、個別の波形
に生じた多くの「ホール(hole)」を埋める。つまみ、
メニュー選択、又は他のインタフェース装置により、A
UNITSは、操作者の制御として提供できる。操作者は、
AVECにより生じた処理量の種々の関係の範囲内で、表
示の「明るさ」(輝度)を制御できる。制御の各形式の
相対的な寄与は、設計の選択や、他の測定装置の設定又
は表示環境の様子に応じて変化する。
【0054】上述のラスタ化の実施例において、変数が
どのように新たな望ましい表示制御機能を達成できるか
という観点から、入力変数AAMT、AMAX,VAL、AVEC、
AUNITS、IMIN,ATK、IMIN及びWLESSについて主に説
明した。しかし、これら入力を制御する所定方法及び手
段をもれなく説明したわけではなく、別の方法によって
も、本発明によるリソースを利用できる点に留意された
い。動作の付加的なモードや、他の制御との相互作用に
より、種々の異なる結果が得られる。例えば、上述した
入力パラメータ、本発明の一般的な方法、持続性の種々
の制御に利用可能な注目すべき上述の如き従来技術を用
いて、可変持続性効果を達成する多くの方法がある。
【0055】いくつのピクセルが飽和輝度又はその付近
で処理されているか、又は、いくつのピクセルがアクテ
ィブであってユーザが知覚できるレベル未満かなどの表
示からの帰還した情報を用いて、入力パラメータを最良
に設定する際の助けにできる点に留意されたい。同様
に、最新のラスタ化を行うのに必要な時間を測定した
り、いくつかの最新のラスタ化を実行するのに必要な平
均時間又は総合時間により、1つ又は他の考察に関する
性能を最適化するために、入力パラメータを制御するの
に有用な操作変数の他の形式を提供できる。
【0056】図3及び図9を参照する。図9の値をどの
ように求めたかを図1及び図2により説明する。列1に
おいて、ステップ11が、LVEC=1を決める。LMIN=
0なので、判断ステップ12は、「イエス」となり、判
断ステップ16に進む。AVEC=2及びLVEC=1なの
で、ステップ16は「イエス」となり、ステップ18に
進む。LVECL=1に対するAVEC=2の比が2であり、
これにAUNITS=3及びWLESS=1を乗算して、AAMT=
6を発生する。列2が同じ流れを進み、同じ結果とな
る。
【0057】列3において、ベクトル長が3であるの
で、判断ステップ12が再び「イエス」になる。AVEC
=2は、LVEC=3以上でないので、判断ステップ16
は「ノー」となる。「ランダム=オン」と仮定すると、
ステップ19で、オフセットが0から<1.5の範囲内
となる。この例では、ランダムに決定したオフセットを
0.75と仮定する。ステップ20では、輝度のAUNIS
=3が、予め丸められた位置3+0.75=3.75及
び3+0.75+1.5=5.25に配置するように決
定する。次に、これらをベクトルの起点に向かって丸め
るので、列3のピクセル3及び5は、輝度の3ユニット
を受ける。
【0058】列4において、ピクセル6が起点のベクト
ルの長さが4であり、判断ステップ12の結果は再び
「イエス」である。AVEC=2は、LVEC=4以上でない
ので、再度、判断ステップ16は「ノー」になる。「ラ
ンダム=オン」が判断ステップ17を「イエス」にする
と仮定すると、ステップ19は、0から<2までの範囲
でオフセットを発生する。ランダム処理が、1.5のオ
フセットを発生したと仮定する。ステップ20におい
て、AUNITS=3を位置6+1.5=7.5及び7.5
+2=9.5に設定する。これらをベクトルの起点に向
かって丸めて、輝度の3ユニットを有するピクセル7及
び9を与える。
【0059】列5でも同様な処理であり、ベクトルは、
ピクセル10が起点で長さが4であるが、ランダムに決
定したオフセットを0.5に仮定すると、ステップ20
の出力は、10.5及び12.5である。輝度の3ユニ
ットを、列5のピクセル10及び12に配置する。図9
及び図10に示したピクセル・アタックの残りは、図1
及び図2の同様な論理処理に従って、発生する。
【0060】単一列ラスタ化の図1及び図2の実施の概
念は、多数の列を横切る散在ベクトル・ラスタ化に一般
化できる。これを実行するため、上述した処理における
いくつかのステップを拡張する。ステップ11を変更し
て、適切なベクトル長を探す。近似を簡単で容易に実行
するには、デルタX及びデルタY成分の絶対値を加算し
て、LVEC=|Yn−Yo|+|Xn−Xo|とする。(ベ
クトルの長さを近似するより正確な方法があるが、この
方法は、計算が容易であり、その概念を簡単に示せ
る。)この処理の他の主要な拡張は、上述でY座標を計
算した総ての位置で、X座標及びY座標を計算すること
である。
【0061】図11を参照する。これは、2次元の散在
ベクトル点の分布の例である。図5は、データ入力の位
置を示しており、列1及び2の入力データ点間の図11
の距離は、Y方向に1ユニットであり、X方向に2ユニ
ットである。ここから、ベクトルの近似長が3ユニット
であると計算する。この結果、判断ステップ12が「イ
エス」となり、判断ステップ16が「ノー」となる。判
断ステップ17から「ランダム=オン」と仮定すると、
ステップ19は、2個のオフセット値を発生し、一方が
X方向であり、もう一方がY方向である。
【0062】ステップ19を変更して、Y方向のベクト
ルの長さLYVECと、X方向のベクトルの長さLXVECと
を計算して、X及びY方向の両方を適応させる。そし
て、ランダム値Rを0及び1の間で計算する。初期Yオ
フセットを、R及びLYVEC/AVECの積として計算す
る。初期Xオフセットを、R及びLXVEC/AVECの積と
して同様に計算する。ランダム値が0.75になれば、
初期Yオフセットは、R*LYVEC/AVEC=0.75*
(−1/2)=−0.325である。初期Xオフセット
は、R*LXVEC/AVEC=0.75*2/2=0.75
である。ステップ20は、出力として2点を発生する。
第1点は、ベクトルの起点に対して(x,y)=(0.
75,−0.325)である。LXVEC/AVECを初期X
座標に加算し、LYVEC/AVECを初期Y座標に加算し
て、第2点を加算する。よって、第2点は、ベクトルの
起点に対して(x,y)=(1.75,−0.825)
である。最後に、これら座標をピクセル位置に丸める。
この例では、Xピクセル・アドレスを切り捨て、Yアド
レスを最も近い整数に丸める。(これは、1/2を総て
のXアドレスに加算して、X及びY座標の両方を最も近
い整数に丸めることと等価である。)この処理により、
列1のピクセル3と、列2のピクセル2とに3ユニット
とのアタックを発生する。
【0063】次のベクトルは、ランダム・オフセットの
値に関係なく、列3のピクセル2に3ユニットのアタッ
クを発生すると仮定する。輝度の第2の3ユニットの位
置が列4のピクセル2であるか又はピクセル3であるか
は、発生したオフセット値が、可能なオフセット値の下
半分か上半分かにより決まる。列5のピクセル3におけ
るベクトル起点にとって、Y軸の長さLYVECは3であ
り、X軸の長さLXVECは2である。近似ベクトル長LV
ECは5と計算し、ステップ16の判断結果が「ノー」と
なる。「ランダム=オン」と仮定すると、ステップ17
の判断結果は「イエス」である。ステップ19は、0及
び1の間のランダム値を発生する。この値を0.2と仮
定すると、初期X及びYオフセット値を計算できる。初
期Yオフセットは、R*LYVEC/AVEC=0.2*(4
/2)=0.4である。初期Xオフセットは、R*LX
VEC/AVEC=0.2*(2/2)=0.2である。ステ
ップ20は、出力として2点を発生するが、これらは、
ベクトルの開始に対して(0.2,0.4)及び(1.
2,2.4)である。X値を切り捨て、Y値を最も近い
整数に丸めることにより、この処理は、列5のピクセル
3及び列6のピクセル5に3ユニットとのアタックを発
生する。
【0064】多数の列を横切るラスタ化は、単一の列ラ
スタ化回路が実行する一連の動作により成し遂げられ
る。外部補間器は、連続したデータ点の間のベクトル
が、間にある列のどこで交差するかの点を見つけ、全体
の数を丸めるか切り捨てることにより列内のピクセルを
識別し、これを次の列のデータ点として単一列ラスタ化
回路に供給する。
【0065】図12及び図13は、従来技術により、夫
々ドット・モード及びベクトル・モードによりラスタ化
したパルス信号を示し、立ち上がりエッジ及び立ち下が
りエッジを有する。単一値のアクティブ・ピクセルの数
は、ドット・モードで20であり、ベクトル・モードで
48である。図14は、散在ベクトル・モードでラスタ
化した同じ入力データを示し、単位ベクトル当たりのア
タックの割当数は3であり、単位アタック当たりの輝度
ユニットは3であり、最小ベクトル長はゼロにセットさ
れている。これら値は、37個のピクセル・アタックを
発生し、これは、ベクトル・モードにおける実行された
数よりも、ドット・モードにより実行されたアタックの
数に近い。ここに示した個別の散在ベクトル・モード出
力は、互いに合成される複数の出力の1つのみである点
に留意されたい。よって、ランダム化の効果として、ブ
ランクである領域内が埋まり、ラスタ化のこのモードの
累積効果により、立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッ
ジが比較的ぼんやりしたトレースの傾き応答波形が発生
し、そのパルス波形の頂部及び底部の一定の電圧領域が
明るくなる。詳細に後述する図15は、丁度3回の散在
ベクトル化を合成結果を示す。
【0066】図1及び図2に示した散在ベクトル・ラス
タ処理が、図14に示す出力をどのように発生するかを
説明するために、この波形の発生を簡単に分析する。こ
のラスタ化にとって、単位ベクトル当たりのアタックの
割当数AVECを4に設定し、単位アタック当たりの輝度
のユニットを3に設定し、最小ベクトル長をゼロに設定
してLMIN=0とし、重み縮小係数を4分の1、即ち、
WLESS=0.25であると仮定する。
【0067】説明を簡略化するために、散在ベクトル・
ラスタ化回路が実際に実行するシーケンス順序ではな
く、一度に多数の列を処理する場合を説明する。列1〜
2、7〜14及び18〜20におけるベクトル長LVEC
は、ゼロ又は1ということはなく、ベクトル長を1を最
小値に強制したので、これら列の総ての輝度値の計算が
同じになった。よって、これら列に対して、判断ステッ
プ12は、判断ステップ16と同様に「イエス」を発生
する。ステップ18では、AAMT=(AVEC/LVECL)*
AUNITS*WLESS=(4/1)*3*0.25=3とな
る。AAMT=3はAUNITS=3なので、判断ステップ31
は「イエス」となる。ステップ33は、列1〜2及び1
9〜20のピクセル2と、列8〜14のピクセル19
と、列7のピクセル20と、列18のピクセル1の予測
輝度値としてU=3を設定する。(この実施例では、ス
テップ22及び23は使用せずに、「ドット=オフ」と
して、ステップ23が単位アタック当たりの余分な輝度
ユニットを供給しないと仮定する。)
【0068】列3に注目すると、ベクトルの長さは2で
ある。2は、0以上であるので、判断ステップ12は、
「イエス」となり、この判断結果をステップ16に渡
す。AVEC=4>=LVEC=2なので、判断ステップ16
も「イエス」となる。次に、ステップ18がAAMT=
1.5を求める。1.5は、3以上でないので、判断ス
テップ31は「ノー」となる。ステップ32は、AAMT
を、AUNITSの値の3に変更する。ステップ33は、Y0
からY(N-1)までのUYの総てを設定して、それらの値と
してAAMT=3を受ける。
【0069】列4に進むと、ベクトル長は6である。判
断ステップ12を通過すると、今度は、AVEC=4はLV
EC=6未満なので、判断ステップ16は、「ノー」を発
生する。「ランダム=オン」により、ステップ19に進
み、0から<(6/4)までの、即ち、1.5未満のラ
ンダム・オフセット値を発生する。この例では、ランダ
ム・オフセット値を0.5に仮定すると、ステップ20
は、Y(0+OFFSET)から<Y(N-1)までの距離間隔でLVEC
/AVEC=1.5毎にUY位置をAUNITS=3に等しく設
定する。ここでは、4+0.5=4.5で、4.5+
1.5=6で、6+1.5=7.5で、7.5+1.5
=9である。ステップ26により、これらy軸の位置
は、そのベクトルの起点に向かって丸められるので、
4、6、7及び9となる。
【0070】列5において、ベクトル長は7である。判
断ステップ12は、再び「イエス」を発生する。AVEC
=4はLVEC=7よりも小さいので、判断ステップ16
は、「ノー」を発生する。再び、「ランダム=オン」と
仮定すると、判断ステップ17は「イエス」を発生し、
処理はステップ19に進む。このステップで、0から<
1.75の範囲内のオフセットを発生する。この例で
は、オフセットを1.25に設定する。ステップ20
は、Y(0+OFFSET)から<Y(N-1)までの距離間隔でLVEC
/AVEC=1.75毎にUY位置をAUNITS=3に等しく
設定する。ここでは、10+1.25=11.25で、
11.25+1.75=13で、13+1.75=1
4.75で、14.75+1.75=16.5である。
ステップ26により、これらy軸の位置は、そのベクト
ルの起点に向かって丸められるので、11、13、14
及び16となる。
【0071】列6のピクセル17を起点とするベクトル
は、長さが3である。AVEC=4はLVEC=3よりも大き
いので、判断ステップ16は「イエス」を発生する。ス
テップ18は、AAMT=(AVEC/LVEC)*AUNITS*W
LESS=(4/4)*3*0.25=0.75を求める。
これは、3であるAUNITS未満であるので、判断ステッ
プ31は「ノー」を発生し、ステップ32はAAMTを、
3に等しいAUNITSに増加する。ステップ33は、17
から20未満の範囲、即ち、17、18及び19の範囲
内のUY位置の総てに、3であるAAMT値を与える。
【0072】列7〜14の値は上述のように決まるが、
列15のピクセル18を起点とするベクトルを考察す
る。その長さは3であるので、LVEC=3となり、判断
ステップ12は「イエス」を発生する。AVEC=4は、
LVEC=3よりも大きいので、判断ステップ16は「イ
エス」を発生する。ステップ18は、AAMT=(AVEC/
LVEC)*AUNITS*WLESS=(4/2)*3*0.25
=1.5を求める。これは、3であるAUNITS未満であ
るので、判断ステップ31は、「ノー」を発生し、ステ
ップ32はAAMTを、3に等しいAUNITSに増加する。ス
テップ33は、18から15より大きい範囲、即ち、1
8、17及び16の範囲内のUY位置の総てに、3であ
るAAMT値を与える。このベクトルは、頂部から底部に
動き、負の符号を有するので、ステップ33の「未満」
が実際上、「より大きく」になる。
【0073】列16のピクセル15を起点とするベクト
ルは、長さが7ピクセルであるので、判断ステップ12
は、「イエス」を発生する。AVEC=4は、LVEC=7よ
りも大きくないので、判断ステップ16は「ノー」を発
生する。「ランダム=オン」により、判断ステップ17
は「イエス」を発生し、ステップ19は、ゼロから、−
1.75より大きくないまでのオフセット値をランダム
に求める。オフセットを−0.25と仮定すると、ステ
ップ20はy軸位置出力の15−0.25=14.75
と、14.75−1.75=13と、13−1.75=
11.25と、11.25−1.75=9.5とを発生
する。ステップ26はこれら値を、それらのベクトルの
起点に向かって丸め、列16のピクセル15、13、1
2及び10に3輝度ユニットを与える。
【0074】次は列17であり、ベクトル長は7であ
る。判断ステップ12を通過すると、今度は、AVEC=
4はLVEC=7未満なので、判断ステップ16は、「ノ
ー」を発生する。「ランダム=オン」により、ステップ
19に進み、0から>(7/4)までの、即ち、−1.
75より大きいランダム・オフセット値を発生する。こ
の例では、ランダム・オフセット値を−0.5に仮定す
ると、ステップ20は、Y(0+OFFSET)から<Y(N-1)ま
での距離間隔でLVEC/AVEC=1.75毎にUY位置を
AUNITS=3に等しく設定する。ここでは、8−0.5
=7.5で、7.5−1.75=5.75で、5.75
−1.75=4で、4−1.75=2.25である。ス
テップ26により、これらy軸の位置は、そのベクトル
の起点に向かって丸められるので、8、6、4及び3と
なる。
【0075】図14において、発生したベクトルは大幅
には「散在」しておらず、総合アタック数37は、ベク
トル・モード(図13)で必要とされた数48よりも非
常に少ない状態ではないことが判る。この波形の「ホー
ル」を除いて、このパルスの立ち上がりエッジ及び立ち
下がりエッジは、このパルスの底部及び頂部と同じ輝度
の値を受ける。部分的には、これは、総てのベクトルが
短いので、0.25に設定した重み縮小係数WLESSが波
形の基部及び頂部の輝度を大幅に減少させるためであ
る。輝度コントラストの欠けた別の理由は、4であるA
VECの大きさと、この小さなパルスの最長ベクトルの6
及び7との関係である。これらベクトルは、図で小さな
20×20の大きさと、エッジ(縁)が急勾配で立ち上
がったり立ち下がったりしないので、共に比較的短い。
500×400ピクセルのように一層現実的なスクリー
ン・サイズを想定し、そのサイズのパルスが急勾配で立
ち上がり、立ち下がると、AVECを4のみに設定するこ
とにより、即ち、そのベクトル内に非常に大きな「ホー
ル」が存在することにより、その場合のベクトルが非常
にぼんやりとすることが簡単に判る。
【0076】充分に試したところ、「ランダム=オン」
は、可能性のある総ての結果を生じ、単一例の図示では
オープンに残った領域を、図示した散在の如き出力が埋
めることが判る。図15は、図14に示す形式の3個の
散在ベクトル・ラスタ化の複合的な結果を示すが、(非
ランダムに)選択された「ランダム」結果は、図示の目
的で、各場合で異なる。立ち上がりエッジ及び立ち下が
りエッジで、輝度は明らかに低下することに留意された
い。
【0077】短いベクトルにおいて、少ないピクセルが
アタックされると、一層効果的に散在ベクトル化を用い
ることができると判った。最小ベクトル長LMINをある
小さな整数値に設定し、これを用いて通常散在ベクトル
化の使用を識別すると、短時間で非常に満足できる表示
が行われる。ここで、多数の短いベクトルのノイズ又は
他の信号源では、長い時間がかかる。この強制は、関心
のある信号の特徴に大部分に影響しない。
【0078】図16は、大きなノイズ・スパイク、又は
背景からノイズが現れた小さな信号を従来の単一値ドッ
ト・モードでラスタ化を行った場合を示す。このドット
・モードの例では、取込み波形入力点の数(20)が、
ラスタ出力内の水平ピクセル列の数(20)に等しい。
図17は、この同じ入力波形データをベクトル・モード
で処理した場合の出力を示す。アクティブ出力ピクセル
の数は、20から58に増加する。
【0079】図18において、図16及び図17に示し
た出力の基になった同じ波形の散在ベクトル・モード・
ラスタ化が判る。このラスタ化において、最小ベクトル
長を3に(LMIN=3)設定し、単位ベクトル当たりの
アタックの割当数を4に(AVEC=4)設定し、単位ア
タック当たりの輝度ユニットを2に(AUNITS=2)に
設定し、WLESSをゼロに設定する。この波形の中間の電
圧スパイクの近傍を除いて、総てのベクトルの長さが3
以下であることが判る。
【0080】図1及び図2のステップ30、14及び1
5と、図18とにおいて、LVEC<4の総ての値に対し
てLMIN=4であり、判断ステップ12が「ノー」を発
生する。ステップ30は、0からLVEC未満のオフセッ
ト値を発生する。よって、ステップ14又は15が計算
した輝度値を、これらベクトルに沿ってランダムに選択
されたピクセルに割り当てる。ベクトル長2及び3は、
ステップ14にて求められ、常用対数で近似され、共に
2として現れるので、これらベクトル長が、AUNITSの
値の最大値である出力値を発生する。この場合、AUNIT
Sは2であるか、(AVEC*AUNITS*WLESS)/LVECL
=(4×2×1)/(2)=8/2=4である。よっ
て、ベクトル長2又は3に対して、ステップ14の出力
は4である。0及び1のベクトル長により、ステップ1
4は、(4×2×1)/(1)=8の値を発生するが、
これは、他の代替え2よりも大きいためである。LVECL
は、最小値が1になるように強制されて、それを除数、
即ち、丁度LVECにする。
【0081】更に、図1、図2、図16及び図18を参
照して、図18の長いベクトルを考察する。列8におい
て、ベクトル長が6である。最小ベクトル長が4のた
め、ベクトル長が6により、判断ステップ12が「イエ
ス」となる。AVECが4のため、LVECの6により、判断
ステップ16が「ノー」になる。「ランダム=オン」
で、判断ステップ17が「イエス」になり、ステップ1
9は、0から1.5未満までの範囲のオフセットを発生
する。この例のこの部分では、オフセット出力を0に仮
定する。次に、ステップ20が輝度値を2にし(AUNIT
S=2)、0のオフセットにて開始する1.5ピクセル
毎に、その輝度値を割り当てる。よって、ステップ20
のy軸出力は、3+0=3と、3+1.5=4.5と、
4.5+1.5=6と、6+1.5=7.5とである。
ステップ26にて、これらの値を、このベクトルの起点
方向に丸めるので、列8のピクセル3、4、6及び7
は、2輝度ユニットを受ける。
【0082】列9を続けると、ベクトル長は10であ
る。最小ベクトル長は4なので、ベクトル長10は、判
断ステップ12の結果が「イエス」になる。AVECが4
なので、10のLVECは、判断ステップ16で「ノー」
となる。「ランダム=オン」として、判断ステップ17
は、「イエス」を発生し、ステップ19は、0から2.
5未満の範囲のオフセットを発生する。この例のこの部
分に対して、オフセット出力を2.25と仮定する。ス
テップ20により、輝度値2(AUNITS=2)が、2.
25のオフセットから開始する2.5ピクセル毎に割り
当てられる。よって、ステップ20のy軸出力は、9+
2.25=11.25と、11.25+2.25=1
3.5と、13.5+2.25=15.75と、15.
75+2.25=18となる。ステップ26にて、これ
ら値が、このベクトルの起点に向かって丸められるの
で、列9の続くピクセル11、13、15及び18の各
々が、2輝度ユニットを受ける。
【0083】列10を続けると、今度のベクトル長は、
8である。最小ベクトル長は4なので、ベクトル長8
は、判断ステップ12の結果が「イエス」になる。AVE
Cが4なので、8のLVECは、判断ステップ16で「ノ
ー」となる。「ランダム=オン」として、判断ステップ
17は、「イエス」を発生し、ステップ19は、0から
2より大きい範囲のオフセットを発生する(負のベクト
ルがオフセット範囲の符号を変える)。この例のこの部
分に対して、オフセット出力を1.0と仮定する。ステ
ップ20により、輝度値2(AUNITS=2)が、1.0
のオフセットから開始する2ピクセル毎に割り当てられ
る。よって、ステップ20のy軸出力は、19−1=1
8と、18−2=16と、16−2=14と、14−2
=12となる。ステップ26にて、これら値が、このベ
クトルの起点に向かって丸められるので、列10の続く
ピクセル18、16、14及び12の各々が、2輝度ユ
ニットを受ける。
【0084】最後に、列11を考察すると、今度のベク
トル長は、5である。最小ベクトル長は4なので、ベク
トル長5は、判断ステップ12の結果が「イエス」にな
る。AVECが4なので、5のLVECは、判断ステップ16
で「ノー」となる。「ランダム=オン」として、判断ス
テップ17は、「イエス」を発生し、ステップ19は、
0から1.25より大きい範囲のオフセットを発生する
(ここでも、負のベクトルがオフセット範囲の符号を変
える)。この例のこの部分に対して、オフセット出力を
0.25と仮定する。ステップ20により、輝度値2
(AUNITS=2)が、0.25のオフセットから開始す
る1.25ピクセル毎に割り当てられる。よって、ステ
ップ20のy軸出力は、11−0.25=10.75
と、10.75−1.25=9.5と、9.5−1.2
5=8.25と、8.25−1.25=7となる。ステ
ップ26にて、これら値が、このベクトルの起点に向か
って丸められるので、列11の続くピクセル11、1
0、9及び7の各々が、2輝度ユニットを受ける。
【0085】4の如く比較的大きい値に最小ベクトル長
を設定する優れた効果は、アタックの数を大幅に減らす
ことができることである。この場合、LMIN=0により
発生した46から、4の最小ベクトル長を用いて発生し
た32までである。いくつかの繰り返し波形の処理と、
ノイズ固有のランダム性とにより、短いベクトルと、長
いベクトルの電圧スパイク内の「ホール」とによって領
域を埋め、いくつかの波形ラスタ化の後に、アナログ状
の「傾斜応答ベクトル化」(例えば、シエゲル等のアメ
リカ合衆国特許第5550963号「デジタル的に圧縮
された波形のグレード化された表示」に記載されたシス
テムの類似のもの)を示す。
【0086】ラスタ化を行うこのアプローチの主要目的
には、2面がある。第1に、新たな波形を取り込むレー
トを基準とした最適な速度で、ラスタ化回路の実行を維
持する有効な方法を提供する。ラスタ化回路が各波形で
短い時間でより多くの波形を利用可能にすることによ
り、AVECがこの目的を達成する。このアプローチの他
の目的は、操作者が、「明るさ(輝度)」制御器によ
り、アナログCRTの明るさや輝度制御と同様に感じな
がら、制御できることである。AUNITSの設定により、
操作者の好みに応じて、また、トリガ及び波形の取込み
レート、又はこれらに応じたAVECに大きく依存するこ
となく、総ての波形を明るくしたり、暗くできる。
【0087】本発明の好適実施例において、AUNITSの
値は、「明るさ」制御器の操作者の使用による入力によ
って主に影響されるが、他の設定による相互作用によ
り、AVEC及びAUNITSの差を発生し、ラスタ化回路に供
給している。これら変数により得られる値は、装置の設
定や、単一及び複数の入力波形の特性で制御できる。例
えば、単一のラスタ化回路を供給し、最高描画速度が固
定されていると仮定すると、取込み及び表示においてア
クティブなチャンネル数を変化させることが、ラスタ化
に必要な波形の数に影響し、これが、各波形の明るさに
影響する。よって、AVECに割り当てられた値が低下し
なければならず、ラスタ化回路の入力を増やせる。ま
た、比較的一定の明るさを得るには、AUNITSを増やさ
なければならない。分解能と更新レートとは二律背反す
るので、分解能設定の操作者選択を無視できない。測定
装置の実際のトリガ・レートは、典型的にはAVECを制
御するが、上述の如く、その値は、測定装置の他の設定
を補償するために、調整しなければならない。
【0088】判断ステップ12で用いるLMINの値は、
通常、2又は3の如き小さな値に固定されている。この
設定において、表示品質に大幅に悪影響を与えることな
く、描画時間を大幅に短くできる。しかし、トリガ・レ
ートが充分に低いと、LMINを、0又は1に設定でき
る。このランダム化の特徴は、一般的に、常に「オン」
に設定して、表示素子のエリアシングを防ぐことであ
る。「ドット=オン」により与えられるオプションは、
柔軟性があるが、好ましい実施例では、波形品質が大幅
に改善されたことが認められなかった。
【0089】高い波形輝度が望ましいとき、Amax,val
制御により、高いトリガ・レートでの飽和を防止した。
これは、ラスタ化された波形の各々の明るさを制限する
ものであり、多数の波形をプロットするときに、波形面
が飽和する傾向を下げる。ユーザが選択する最高の明る
さ制御設定と共に、IMIN制御を用いる。たとえ、表示
の広い部分にわたるグレー・スケール情報が高価であっ
ても、最低輝度レベルを明るくすることにより、ユーザ
にデータの総ての部分が見えることを確実にする。
【0090】本発明の好適実施例について図示し説明し
たが、本発明の要旨を逸脱することなく種々の変形変更
が可能である。例えば、独立変数及び従属変数は、上述
で用いた電圧対時間変数以外でもよい。同様に、垂直軸
及び水平軸は、逆にしてもよい。また、上述した多くの
制御の相互作用は、種々の別の方法で、異なる目的に対
してでも実現できる。特許請求の範囲は、かかる変形変
更を含むものである。
【0091】
【発明の効果】上述の如く本発明によれば、ビット・マ
ップ形式のメモリ及び表示器を具えたデジタル・オシロ
スコープにもかかわらず、データ/アドレス対の取込み
データを多ビットのビット・マップ形式に迅速にベクト
ル化(ラスタ化)して、アナログ・オシロスコープと同
様な輝度制御をできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適実施例のステップを示す論理流れ
図であり、図2に続く。
【図2】本発明の好適実施例のステップを示す論理流れ
図であり、図1から続く。
【図3】正弦波の波形の約1.5サイクルを単一値ドッ
ト・モードでラスタ化した従来例を示し、このラスタ化
では、出力において、単位ピクセル列当たり1個の取り
込み波形データ点が存在する。
【図4】正弦波の波形の約3サイクルを単一値ドット・
モードでラスタ化した従来例を示し、このラスタ化で
は、出力において、単位ピクセル列当たり2個の取り込
み波形データ点が存在する。
【図5】正弦波の波形の約4分の3サイクルを単一値ド
ット・モードでラスタ化した従来例を示し、このラスタ
化では、出力において、2ピクセル列当たり1個の取り
込み波形データ点が存在する。
【図6】図3の場合と同じ波形データを単一値ベクトル
・モードでラスタ化した場合の従来例を示す。
【図7】図4の場合と同じ波形データを単一値ベクトル
・モードでラスタ化した場合の従来例を示す。
【図8】図5の場合と同じ波形データを単一値ベクトル
・モードでラスタ化した場合の従来例を示す。
【図9】本発明により、図3及び図6の場合と同じ波形
を多値散在ベクトル・モードでラスタ化した場合を示
し、ラスタ化回路の入力の制御パラメータの設定は、A
VEC=2、AUNITS=3及びLMIN=0である。
【図10】本発明により、図4及び図7の場合と同じ波
形を多値散在ベクトル・モードでラスタ化した場合を示
し、ラスタ化回路の入力の制御パラメータの設定は、A
VEC=2、AUNITS=3及びLMIN=0である。
【図11】本発明により、図5及び図8の場合と同じ波
形を多値散在ベクトル・モードでラスタ化した場合を示
し、ラスタ化回路の入力の制御パラメータの設定は、A
VEC=2、AUNITS=3及びLMIN=0である。
【図12】立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジを有
するパルス信号の単一値ドット・モードでラスタ化した
場合の従来例を示す。
【図13】図12と同じパルス信号の単一値ベクトル・
モードでラスタ化した場合の従来例を示す。
【図14】本発明により、図12及び図13の場合と同
じパルス信号を多値散在ベクトル・モードでラスタ化し
た場合を示し、ラスタ化回路の入力の制御パラメータの
設定は、AVEC=3、AUNITS=0及びLMIN=0.25
である。
【図15】図14に示す形式の散在ベクトル・ラスタ化
を3回行って、累積したラスタ走査画像に合成した図で
あり、図1及び図2のアルゴリズムのランダム部分は、
各場合で異なっており、個別のラスタ化回路出力により
埋められていないピクセルをいかにランダム化により埋
めるかを示している。
【図16】低振幅でノイズのある波形に重畳したノイズ
・スパイクの単一値ドット・モードのラスタ化の従来例
を示す。
【図17】図16のドット・モードでのラスタ化で示し
たのと同じ入力波形の単一値ベクトル・モードのラスタ
化の従来例を示す。
【図18】本発明による多値散在ベクトル・モード・ラ
スタ化を示し、図16及び図17でのラスタ化で示した
のと同じ信号で、AVEC=5、AUNITS=2及びLMIN=
3である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ケネス・ピー・ドビンズ アメリカ合衆国 オレゴン州 97007 ビーバートン ノース・ウェスト キル チス 15232 (72)発明者 デビッド・ピー・マギアー アメリカ合衆国 オレゴン州 97006 ビーバートン ノース・ウェスト バル セッツ・コート 17135 (72)発明者 ポール・エム・ガーラック アメリカ合衆国 オレゴン州 97008 ビーバートン サウス・ウェスト ター パン・ドライブ 10265 (72)発明者 サミュエル・ジェー・ピーターズ アメリカ合衆国 オレゴン州 97007 ビーバートン サウス・ウェスト ワン ハンドレッド・セブンティー・ナイン ス・アベニュー 6342 (72)発明者 ロバート・シー・プローブステル アメリカ合衆国 オレゴン州 97006 ビーバートン サウス・ウェスト サザ ーランド・ウェイ 509 (72)発明者 ジン・ファン・ツァン アメリカ合衆国 オレゴン州 97007 ビーバートン サウス・ウェスト エメ ラルド・ストリート 15430 (56)参考文献 特開 平1−227069(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G09G 1/00 - 1/28 G01R 13/20 G09G 5/00 - 5/42

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子データ取込み装置において、第1変
    数及び第2変数のセットであるデータ/アドレス対を、
    単位ピクセルが多ビットの行列形式の表示用ベクトルに
    変換する方法であって、 (a)アドレス部分が上記表示の行列の一方を特定し、
    データ部分が上記行列の一方における上記行列の他方を
    特定する一連のデータ/アドレス対を求め、 (b)各ベクトルへの変換の際に変更するピクセルの概
    略数である単位ベクトル当たりのアタック数を選択し、 (c)上記表示のピクセルの輝度値を表す単位アタック
    当たりの輝度ユニットの数を選択し、 (d)各現在のベクトルにおけるピクセル数を(d1)
    現在のデータ/アドレス対から第1端部のピクセル位置
    を求め、 (d2)次のデータ/アドレス対から第2端部のピクセ
    ル位置を求め、 (d3)上記第1端部のピクセル位置及び上記第2端部
    のピクセル位置を用いて、上記現在のベクトルの長さを
    ピクセルで求めることにより決定し、 (e)単位ベクトル当たりの上記選択したアタック数が
    上記現在のベクトルにおけるピクセル数以上の場合、単
    位アタック当たりの輝度値の上記選択したユニット数、
    又はこのユニット数の所定倍数を、上記現在のベクトル
    内の各ピクセルに適用し、 (f)単位ベクトル当たりの上記選択したアタック数が
    上記現在のベクトルにおけるピクセル数未満の場合、単
    位アタック当たりの輝度ユニットの上記選択した数を、
    ほぼ単位ベクトル当たりのアタックの上記選択した数以
    下である上記現在のベクトル内のピクセルの各々に分配
    することを特徴とするベクトル変換方法。
  2. 【請求項2】 上記ステップ(e)の上記所定倍数は、
    単位ベクトル当たりのアタックの上記選択数を、上記現
    在のベクトルにおけるピクセル数を表す数で除算して求
    めることを特徴とする請求項1の変換方法。
  3. 【請求項3】 上記ステップ(f)の上記分配は、 (1)ピクセル内の初期オフセット値を計算し、 (2)ピクセル内の周期的増分値を算定し、 (3)上記初期オフセット値及び上記周期的増分値を用
    いて、上記現在のベクトル内のどのピクセルが輝度ユニ
    ットを受けるかを判断することを特徴とする請求項1の
    変換方法。
  4. 【請求項4】 上記ステップ(b)の単位ベクトル当た
    りのアタックの数を選択するステップは、上記電子デー
    タ取込み装置のトリガ・レートを少なくとも部分的に用
    いることを特徴とする請求項1の変換方法。
  5. 【請求項5】 上記ステップ(c)の単位アタック当た
    りの輝度ユニットの数を選択するステップは、少なくと
    も部分的に操作者入力を用いることを特徴とする請求項
    1の変換方法。
  6. 【請求項6】 上記現在のベクトル内のピクセルの数が
    所定の最小値未満の場合、輝度ユニットを上記現在のベ
    クトル内の単一ピクセルのみに与えることを特徴とする
    請求項1の変換方法。
  7. 【請求項7】 上記ステップ(e)は、更に、 (1)単位アタック当たりの輝度ユニットの上記選択さ
    れた数の決まった倍数の総合輝度ユニットを、所定の最
    大数と比較し、 (2)この比較ステップにより、上記総合輝度ユニット
    が上記指定最大数を超えた場合、上記総合輝度ユニット
    を上記所定の最大数に減らすことを特徴とする請求項1
    の変換方法。
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