JP3374991B2 - 投影光学系の調整方法、露光方法、及び露光装置 - Google Patents

投影光学系の調整方法、露光方法、及び露光装置

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JP3374991B2 JP14191493A JP14191493A JP3374991B2 JP 3374991 B2 JP3374991 B2 JP 3374991B2 JP 14191493 A JP14191493 A JP 14191493A JP 14191493 A JP14191493 A JP 14191493A JP 3374991 B2 JP3374991 B2 JP 3374991B2
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    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70216Mask projection systems
    • G03F7/70358Scanning exposure, i.e. relative movement of patterned beam and workpiece during imaging

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、所謂スリットスキャン
露光方式の投影露光方法及び装置、並びにその投影露光
装置に装着されている投影光学系の結像特性の調整方法
に関し、特に露光された像の歪曲収差が最小になるよう
にその投影光学系のレンズエレメントの回転角を設定す
る場合に使用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】半導体素子、液晶表示素子又は薄膜磁気
ヘッド等をフォトリソグラフィ工程で製造する際に、フ
ォトマスク又はレチクル(以下、「レチクル」と総称す
る)のパターンを感光材が塗布された基板(ウエハ、ガ
ラスプレート等)上に転写する投影露光装置が使用され
ている。従来の投影露光装置としては、ウエハの各ショ
ット領域を順次投影光学系の露光フィールド内に移動さ
せて、各ショット領域に順次レチクルのパターン像を一
括露光するというステップ・アンド・リピート方式の縮
小投影型露光装置(ステッパー)が多く使用されてい
た。
【0003】一般に、半導体素子等は基板上に多数の回
路パターンを重ねて形成されるため、隣接する層(レイ
ア)間の重ね合わせ精度を高精度に維持する必要があ
る。また、異なるレイアの回路パターンがそれぞれ異な
る投影露光装置により焼き付けられる場合があるため、
重ね合わせ精度を高めるためには、異なる投影露光装置
間の結像特性のばらつきを小さくする必要がある。その
ため、結像特性として歪曲収差を例にとると、投影露光
装置では、投影光学系の歪曲収差をできるだけ小さくす
ることが求められている。
【0004】従来のステッパーの場合には、先ず投影光
学系の歪曲収差を計測するために、2次元格子状に計測
用のマークが形成されたテストレチクルのパターン像を
その投影光学系を介してフォトレジストが塗布された基
板(ウエハ等)上に一括露光する。その後、現像処理を
施すことにより、ウエハ上に2次元格子状に計測用マー
ク像が形成される。この計測用マーク像と諸収差が無い
場合の計測用マーク像(理想格子)とを比較すること
で、形成された像の歪曲収差が求められる。
【0005】図19(a)は、ステッパー用の投影光学
系の円形の有効露光領域41内の歪曲収差を示し、有効
露光領域41に内接する矩形の露光フィールド42内で
全体として歪曲収差を如何に小さくするかが問題であ
る。また、露光フィールド42内で、理想格子点44
A,44B,…がそれぞれ歪みベクトル43A,43
B,…で示されるように歪んでいるものとし、最大の歪
みベクトルがその有効露光領域41の近傍の理想格子点
43Fの歪みベクトル43Fであるとする。
【0006】このディストーションを露光フィールド4
2全体で小さくする為には、投影光学系のレンズエレメ
ントを光軸の回りに角度φだけ回転させて、図19
(b)に示すように、最大の歪みベクトル44Fを有す
る理想格子点43Fを露光フィールド42の外部(有効
露光領域41内で)に移動させる。これにより、回転後
の露光フィールド42内の理想格子点45A,45B,
…での歪みベクトルの最大値は図19(a)の場合より
小さくなる。その他に、投影光学系の結像面の直交座標
系をX軸及びY軸として、例えばX軸の方向に大きな歪
みをX軸方向及びY軸方向に振り分ける様にレンズエレ
メントを回転させる方法も使用されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】半導体素子を例にとる
と、最近は、半導体素子の1個のチップパターンが大型
化する傾向にあり、投影露光装置においては、レチクル
上のより大きな面積のパターンをウエハ上に露光するた
めの大面積化が求められている。また、半導体素子のパ
ターンが微細化するのに応じて、投影光学系の解像度を
向上することも求められているが、投影光学系の解像度
を向上し、且つ投影光学系の露光フィールドを大きくす
ることは設計上及び製造上困難であるという問題があ
る。特に、投影光学系として、反射屈折系を使用するよ
うな場合には、無収差の露光フィールドの形状が円弧状
の領域となることもある。
【0008】斯かる転写対象パターンの大面積化及び投
影光学系の露光フィールドの制限に応えるために、例え
ば細長い矩形、円弧状又は6角形等の照明領域(これを
「スリット状の照明領域」という)に対してレチクルを
走査し、その照明領域と共役な露光領域に対してレチク
ルに同期してウエハを走査することにより、レチクル上
のパターンの像を逐次ウエハ上に露光する所謂スリット
スキャン露光方式の投影露光装置が注目されている。
【0009】この種の投影露光装置でも、従来の一括露
光方式の露光装置と同様に、歪曲収差を小さくすること
が求められている。しかしながら、スリットスキャン露
光方式用では投影光学系の結像面でウエハが走査される
という特殊性があるため、従来の一括露光方式用の投影
光学系で使用されていた調整方法では、歪曲収差があま
り小さくならないという不都合があった。また、スリッ
トスキャン露光方式では、ウエハの走査に起因する特有
の投影像の劣化がある。
【0010】本発明は斯かる点に鑑み、スリットスキャ
ン露光方式の投影露光装置用の投影光学系の歪曲収差を
できるだけ小さくできると共に、スリットスキャン露光
方式特有の走査による投影像の劣化を最小にできる投影
光学系の調整方法、及び露光方法を提供することを目的
とする。更に本発明は、その露光方法を実施できる露光
装置を提供することをも目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明による投影光学系
の調整方法は、例えば図1〜図3に示すように、複数の
レンズエレメント(8b)よりなり所定形状の照明領域
内のマスクのパターンの像を感光性の基板上に投影する
投影光学系(8)を有し、その照明領域に対してそのマ
スクを所定方向に走査し、その照明領域と共役な露光領
域(31)に対して基板を所定方向に走査することによ
り、そのマスクのパターンの像を逐次その基板上に露光
する投影露光装置の投影光学系(8)の結像特性の調整
方法であって、投影光学系(8)の結像面上の2次元の
格子点(28)での像の変形量を計測する第1工程を有
する。
【0012】更に本発明は、所定形状の露光領域(3
1)及び2次元の格子点(28)を投影光学系(8)の
光軸を中心に相対的に順次所定角度間隔で回転した後
の、その回転後の2次元の格子点(28A)での像の変
形量をその第1工程で計測された変形量から算出し、そ
の回転後の所定形状の露光領域(31)内の回転後の2
次元の格子点(28A)での像の変形量をその回転後の
格子軸に沿った方向(x方向)に積算し、その基板をそ
の回転後の露光領域(31)に対して走査した後の投影
光学系(8)による像の変形量を予測する第2工程と、
その積算された格子点の像の分布を求める第3工程と、
それら第2工程及び第3工程で求められたその基板の走
査後のその基板上での像の変形量及び分布が最良になる
ときの所定形状の露光領域(31)の回転角を求める第
4工程と、この第4工程で求められた回転角に基づい
て、投影光学系(8)を構成する複数のレンズエレメン
ト(8b)の内の所定のレンズエレメントのその投影露
光装置に対する回転角を調整する第5工程とを有するも
のである。次に、本発明による第1の露光方法は、マス
ク(12)のパターンの像を投影光学系(8)を介して
基板(5)上に投影すると共に、照明領域に対してその
マスクを所定方向に走査し、その照明領域に対応する所
定形状の露光領域に対してその基板を所定方向に走査す
ることにより、その基板を走査露光する露光方法であっ
て、その露光領域に対してその基板を所定方向に走査す
ることによってその基板上に形成されるパターン像の劣
化が小さくなるように、その投影光学系の全体又はその
一部を回転させてその投影光学系を調整するときに、
走査露光によってその基板上に形成されるパターン像
の誤差とならない像歪みを許容するものである。また、
本発明による第2の露光方法は、所定形状の照明領域内
のパターンの像を投影光学系(8)を介してその照明領
域に対応する露光領域内に投影すると共に、この露光領
域に対して基板を所定方向に走査することによって、そ
の基板を走査露光する露光方法において、その露光領域
内のその所定方向と平行な直線上の複数点での像歪みを
求める第1工程と、この複数点の像歪みの積算値、この
複数点の像歪みの平均値、又はこの複数点の像歪みの分
布を求め、それぞれその積算値、その平均値、又はその
分布から走査露光によって形成される像の劣化を解析す
る第2工程とを含むものである。また、本発明による第
3の露光方法は、投影光学系(8)の有効露光領域内の
一部にスリット状の露光領域を規定し、このスリット状
の露光領域に対して基板(5)を所定方向に移動するこ
とによってその基板を走査露光する露光方法において、
その投影光学系の有効露光領域全体を照明できる照明光
学系を使って所定パターンを照明し、この照明によるそ
所定パターンの像をその投影光学系を介して投影し、
この所定パターンの投影像の歪みを求め、その求められ
た投影像の歪みに基づき、その走査露光によってその基
板上に所望のパターンが形成されるようにして、その走
査露光を行うものである。また、本発明による第4の露
光方法は、マスク(12)のパターンの像を投影光学系
(8)を介して基板(5)上に投影すると共に、照明領
域に対してそのマスクを所定方向に走査し、その照明領
域に対応する所定形状の露光領域に対してその基板を所
定方向に走査することにより、その基板を走査露光する
露光方法であって、所定パターンの像をその投影光学系
を介して基板上に静止状態で露光し、その静止状態で露
光された所定パターンの投影像の歪みを求め、その求め
られた所定パターンの投影像の歪みに基づき、その走査
露光によって所望のパターンがその基板上に形成される
ようにして、その走査露光を行うものである。また、本
発明による第5の露光方法は、マスク(12)のパター
ンの像を投影光学系(8)を介して基板(5)上に投影
すると共に、照明領域に対してそのマスクを所定方向に
走査し、その照明領域に対応する所定形状の露光領域に
対してその基板を所定方向に走査することにより、その
基板を走査露光する露光方法であって、その基板を所定
方向に走査することによってその基板上に形成されるパ
ターン像に悪影響を及ぼさない誤差を許容するように、
又はその基板上に形成されるパターン像に悪影響を及ぼ
す誤差のみが取り除かれるように、その投影光学系の調
整を行うものである。次に、本発明の第1の露光装置
は、所定形状の照明領域内のパターンの像を投影光学系
(8)を介してその照明領域に対応する露光領域内に投
影すると共に、この露光領域に対して基板(5)を所定
方向に走査することによって、その基板を走査露光する
露光装置において、その投影光学系は、その露光領域内
のその所定方向と平行な直線上の複数点での像歪みの積
算結果、その像歪みの平均値、又はその像歪みの分布か
ら解析された、その走査露光によって形成される像の劣
化を考慮して調整されるものである。また、本発明の
2の露光装置は、マスク(12)のパターンの像を投影
光学系(8)を介して基板(5)上に投影すると共に、
照明領域に対してそのマスクを所定方向に走査し、その
照明領域に対応する所定形状の露光領域に対してその基
板を所定方向に走査することにより、その基板を走査露
光する露光装置であって、その投影光学系は、その基板
を所定方向に走査することによって、その基板上に形成
されるパターン像に悪影響を及ぼさない誤差を許容する
ように、又はその基板上に形成されるパターン像に悪影
響を及ぼす誤差のみが取り除かれるように調整されるも
のである。
【0013】
【作用】斯かる本発明によれば、例えば図2(a)のよ
うに計測用マーク27(i,j)が格子状に形成された
テスト用のマスクのパターン像を、調整対象とする投影
光学系(8)を介して感光材が塗布された基板上に露光
し、この基板を現像することにより、図2(b)に示す
ように、それら計測用マーク27(i,j)の像の集合
である格子パターン像29Aを形成する。その後、投影
光学系(8)に諸収差が無い場合の格子パターン像を理
想格子28として、理想格子28の各格子点とその格子
パターン像29Aの各格子点とのずれを示す歪みベクト
ル(例えば30(1,1))を求める。但し、現像を行うこと
なく、潜像段階で計測を行って歪みベクトルを求めても
良い。
【0014】次に、図2(b)の理想格子28の2次元
座標系をX軸及びY軸として、スリット状の露光領域
(31)に対してX方向に基板が走査されるものとす
る。この場合、基板上では露光領域(31)内でX方向
に画像が積算されるため、図2(c)に示すように、そ
の露光領域(31)内のX方向に平行な直線33A上
で、理想格子28上の各格子点での歪みベクトルV11
15を加算して、歪みベクトルの平均値を求める。この
加算動作を露光領域31内の他のX方向に平行な直線3
3B,33C,…でも行う。これらY方向に所定間隔で
並べられた直線に沿う歪みベクトルの平均値を配列する
と図2(d)のようになる。但し、マスクの回転又は投
影光学系(8)の投影倍率の補正により解消できる歪み
ベクトルは除いてある。
【0015】そして、図2(b)の状態から、露光領域
(31)と理想格子28だけを角度θだけ回転して、図
3(a)に示すように、回転後の理想格子28Aの座標
系をx軸及びy軸で表す。但し、実際の格子パターン像
29Aを逆方向に同じ角度だけ回転しても良い。この場
合、回転後の露光領域(31)に対してx方向に基板が
走査されるものとする。そこで、図3(b)に示すよう
に、回転後の露光領域(31)内のx方向に平行な直線
37A上で、理想格子28A上の各格子点での歪みベク
トルVA11〜VA15を加算して、歪みベクトルの和(又
は平均値)及びその分布(標準偏差等)を求める。この
加算動作を露光領域31内の他のx方向に平行な直線3
7B,37C,…でも行う。
【0016】これら一連の歪みベクトルの和及び分布が
全体として最良になるときの回転角θmin を求め、図1
(b)に示すように、投影光学系(8)内のレンズエレ
メント(8b)を例えば全体として角度θmin だけ光軸
を中心として回転して鏡筒(8a)に戻した後、この鏡
筒(8a)を投影露光装置に装着する。これにより、図
2(b)のようにスリット状の露光領域(31)の走査
方向をx方向としたときに、全体として最も歪みベクト
ルの和及び分布、即ち歪曲収差及び画質の劣化が最良の
状態になる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の一実施例につき図面を参照し
て説明する。本実施例は、スリットスキャン露光方式の
投影露光装置に装着される投影光学系を構成するレンズ
エレメントの回転角の調整方法に本発明を適用したもの
である。実施例の調整方法の説明の前に、先ず調整対象
とする投影光学系が装着される投影露光装置の一例につ
き説明する。
【0018】図20は本実施例の投影露光装置を示し、
この図20において、図示省略された照明光学系からの
露光光ELによる矩形の照明領域(以下、「スリット状
の照明領域」という)によりレチクル12上のパターン
が照明され、そのパターンの像が投影光学系8を介して
フォトレジストが塗布されたウエハ5上に投影露光され
る。スリットスキャン露光方式で露光を行う際には、露
光光ELのスリット状の照明領域に対して、レチクル1
2が図20の紙面に対して前方向に一定速度Vで走査さ
れるのに同期して、ウエハ5は図20の紙面に対して後
方向に一定速度V/M(1/Mは投影光学系8の縮小倍
率)で走査される。
【0019】レチクル12及びウエハ5の駆動系につい
て説明するに、レチクル支持台9上にY軸方向(図20
の紙面に垂直な方向)に駆動されるレチクルY駆動ステ
ージ10が載置され、このレチクルY駆動ステージ10
上にレチクル微小駆動ステージ11が載置され、レチク
ル微小駆動ステージ11上にレチクル12が真空チャッ
ク等により保持されている。レチクル微小駆動ステージ
11は、投影光学系8の光軸に垂直な面内で図1の紙面
に平行なX方向、Y方向及び回転方向(θ方向)にそれ
ぞれ微小量だけ且つ高精度にレチクル12の位置制御を
行う。レチクル微小駆動ステージ11上には移動鏡21
が配置され、レチクル支持台9上に配置された干渉計1
4によって、常時レチクル微小駆動ステージ11のX方
向、Y方向及びθ方向の位置がモニターされている。干
渉計14により得られた位置情報S1が主制御系22A
に供給されている。
【0020】一方、ウエハ支持台1上には、Y軸方向に
駆動されるウエハY軸駆動ステージ2が載置され、その
上にX軸方向に駆動されるウエハX軸駆動ステージ3が
載置され、その上にZθ軸駆動ステージ4が設けられ、
このZθ軸駆動ステージ4上にウエハ5が真空吸着によ
って保持されている。Zθ軸駆動ステージ4上にも移動
鏡7が固定され、外部に配置された干渉計13により、
Zθ軸駆動ステージ4のX方向、Y方向及びθ方向の位
置がモニターされ、干渉計13により得られた位置情報
も主制御系22Aに供給されている。主制御系22A
は、ウエハ駆動装置22B等を介してウエハY軸駆動ス
テージ2〜Zθ軸駆動ステージ4の位置決め動作を制御
すると共に、装置全体の動作を制御する。
【0021】また、ウエハ側の干渉計13によって計測
される座標により規定されるウエハ座標系と、レチクル
側の干渉計14によって計測される座標により規定され
るレチクル座標系の対応をとるために、Zθ軸駆動ステ
ージ4上のウエハ5の近傍に基準マーク板6が固定され
ている。この基準マーク板6上には各種基準マークが形
成されている。これらの基準マークの中にはZθ軸駆動
ステージ4側に導かれた照明光により裏側から照明され
ている基準マーク、即ち発光性の基準マークがある。
【0022】本例のレチクル12の上方には、基準マー
ク板6上の基準マークとレチクル12上のマークとを同
時に観察するためのレチクルアライメント顕微鏡19及
び20が装備されている。この場合、レチクル12から
の検出光をそれぞれレチクルアライメント顕微鏡19及
び20に導くための偏向ミラー15及び16が移動自在
に配置され、露光シーケンスが開始されると、主制御系
22Aからの指令のもとで、ミラー駆動装置17及び1
8によりそれぞれ偏向ミラー15及び16は待避され
る。更に、投影光学系8のY方向の側面部に、ウエハ5
上のアライメントマーク(ウエハマーク)を観察するた
めのオフ・アクシスのアライメント装置34が配置され
ている。
【0023】図20のスリットスキャン露光方式の投影
露光装置の露光後のウエハ上での歪曲収差は、投影光学
系8によって決定されるため、その投影露光装置に搭載
する前に予め投影光学系8の単体で、走査及び露光をし
たときの歪曲収差が小さくなるように投影光学系8の調
整を行っておく必要がある。図1はその調整対象とする
投影光学系8の検査及び調整の様子を示し、先ず図1
(a)に示すように、投影光学系8は投影光学系8の有
効露光領域全体を照明できる照明光学系25を有する投
影装置に装着される。また、投影光学系8上のレチクル
ステージ23上にはテストレチクル12Aが保持され、
テストレチクル12Aと投影光学系8に関して共役にウ
エハステージ24上にフォトレジストが塗布されたガラ
スプレート5Aが保持されている。図2(a)は、その
テストレチクル12Aのパターンを示し、この図2
(a)に示すように、テストレチクル12A上には2次
元的な位置を計測できる十字型の計測用マーク27(i,
j) (i=1,2,…;j=1,2,…)が2次元の格
子状に形成されている。計測用マーク27(i,j) が形成
されている領域は、投影光学系8の有効露光領域と共役
な領域26Rより広い領域である。
【0024】図1(a)に戻り、テストレチクル12A
のパターン像を投影光学系8を介してガラスプレート5
A上に投影露光した後、そのガラスプレート5Aに現像
処理等を施して計測用マークの像のレジストパターンを
形成する。そして、ガラスプレート5A上のレジストパ
ターンの座標を不図示のレジストレーション計測装置で
計測し、この計測結果より後述のように走査及び露光後
の歪曲収差の和及び分布が最良になるときのスリット状
の露光領域の回転角θmin を求める。その後、図1
(b)に示すように、不図示の調整装置で、投影光学系
8の鏡筒8aからレンズエレメント群8bを取り出す。
レンズエレメント群8bは、レンズL1、レンズL2、
レンズL3、…を光軸AXに沿って配列したものであ
る。そして、レンズエレメント群8bを全体として光軸
AXの回りに角度θmin だけ回転するか、又はレンズエ
レメント群8bの内の歪曲収差若しくは計測により判明
した画質の劣化に最も影響を与えるレンズを光軸AXの
回りに角度θmin だけ回転した後、レンズエレメント群
8bを鏡筒8a内に戻す。
【0025】その後、そのように調整された投影光学系
8を図20の投影露光装置に装着することにより、スリ
ットスキャン露光方式で露光を行った後のウエハ上の投
影像の歪曲収差が最良になり、且つ画質の劣化も最良に
なる。次に、ガラスプレート5A上のレジストパターン
の座標を不図示のレジストレーション計測装置で計測
し、この計測結果より走査及び露光後の歪曲収差の和及
び分布が最小になるときの回転角θmin を求める手順に
つき説明する。
【0026】図2(b)は、ガラスプレート5A上に形
成されたレジストパターンよりなる格子パターン像29
Aを示し、投影光学系8の有効露光領域26内で、格子
パターン像29Aと、投影光学系8に諸収差が無いとき
の計測用マーク27(i,j) の投影像である理想格子28
との比較を行うことにより、格子パターン像29Aの歪
曲収差を計測する。そのためには、ガラスプレート5A
上に予め理想格子28のパターンを刻設しておき、レジ
ストレーション計測装置で、そのガラスプレート5A上
の理想格子28のパターンと実際の格子パターン像29
Aとの位置を比較しても良く、又はレジストレーション
計測装置内の座標系上の理想格子座標を基準としてその
格子パターン像29Aの位置を直接計測しても良い。例
えば理想格子28上の格子点28(1,1) を基準とした、
対応する格子パターン像29Aの格子点29A(1,1) の
ずれ量は、格子点28(1,1) から格子点29A(1,1) へ
向かう歪みベクトル30(1,1) により表される。
【0027】そして、理想格子28上の全ての格子点を
基準として実際の格子パターン像29Aの各格子点の歪
みベクトルがデータ処理装置に供給される。この歪みベ
クトルは、投影露光装置に装着した場合の走査方向をX
軸、及びその走査方向に垂直な非走査方向をY軸とした
座標系上で計測されたものであり、座標系(X,Y)の
原点は投影光学系8の光軸上にある。この場合、投影光
学系8の有効露光領域26内で、レチクル上のスリット
状の照明領域と共役なスリット状の露光領域31は、一
例としてY方向に長いX方向の幅がDの矩形の領域とな
り、露光領域31に対するウエハの走査方向はX方向で
ある。
【0028】また、理想格子28の内で露光領域31に
属する格子点の(X,Y)座標系での配列座標をそれぞ
れ(SX11,SY11),(SX12,SY12),…,(S
NM,SYNM)として、配列座標(SXij,SYij)の
格子点での歪み量をそれぞれ歪みベクトルVij(V
ij,VYij)で表す。露光領域31内のウエハ上の各
点はそれぞれX方向に積算され、歪み量はX方向に歪み
ベクトルを加算したものになる。格子パターン像29A
の内で露光領域31内の像を図2(c)の格子パターン
像32Aで表す。そこで、図2(c)に示すように、露
光領域31において、Y方向に沿って所定ピッチで配列
された格子点に沿う直線33A,33B,33C,…上
で、次式によりそれぞれ格子パターン像32Aに対する
歪みベクトルVijの平均値Viを求める。
【0029】Vi=(Σj ij)/DM (1) この(1)式において、和演算Σj は、X座標が−D/
2の格子点での歪みベクトルからX座標がD/2の格子
点での歪みベクトルまでの和を表し、DM は積算される
格子点の個数を表す。図2(c)の例では、DM =5で
ある。具体的に図2(c)の露光領域31上の直線33
A上での歪みベクトルの平均値V1は、次のようにな
る。
【0030】 V1=(V11+V12+…+V15)/5 (2) 図2(b)の格子パターン像29Aに関する露光領域3
1内の歪みベクトルの平均値Viを、Y方向に配列する
と、図2(c)に示すように、一連のベクトル35A
(1),35B(2),…が得られる。但し、レチクルの回転及
び投影光学系8の投影倍率に起因する線形の歪みは容易
に除去できるため、図2(c)ではそれら線形の歪み成
分は除外してある。また、特にスリットスキャン露光方
式では、走査方向であるX方向の倍率誤差は、レチクル
とウエハとの相対走査速度を変えるだけでも調整するこ
とができる。
【0031】また、この際に、直線33Aを1番目の直
線として第i番目の直線に沿う歪みベクトルV
ij(Vi1,Vi2,…,Vi5)の標準偏差Siを求める。
図2(c)の例では標準偏差Siは次式より計算する。 Si={Σj(Vij−Vi)2}/(5−1) (3) 和演算Σj は、露光領域31内での添字jに関する和を
表し、標準偏差Siは、露光後の画質の劣化を表す目安
となる。
【0032】ここで、各格子点について積算された像の
分布につき、図21を参照して詳細に説明する。図21
(a)は、図2(c)の露光領域31内の各格子点の歪
みベクトルVijの分布の一例を示し、走査方向をx方
向、走査方向に垂直な方向(非走査方向)をy方向とし
ている。この場合、x方向に平行な各直線上に沿ってそ
れぞれ歪みベクトルVijの平均値V1,V2,…,V
n,…VNを求めると、これら一連の平均値は図21
(b)のようになる。また、x方向に平行な直線上の格
子点に沿った1番目の歪みベクトルV11〜VN1のx成分
の分布は、図21(c)の分布Vn1のようになり、同様
にそれら直線上のm番目の歪みベクトルV1m〜VNmのx
成分の分布は、図21(c)の分布Vnm(m=2〜5)
のようになり、図2(c)の分布を加算した結果を図2
(d)に示す。本実施例において、各格子点について積
算した像の分布とは、図21(c)の分布のことを言
う。
【0033】次に、図2(b)に戻り、投影光学系8
(格子パターン像29A)を順次所定角度ずつ回転した
場合の露光領域31内でのX方向の歪みベクトルの平均
値の分布を求める。ここでは説明の便宜上、図3(a)
に示すように、スリット状の露光領域31及び理想格子
28を座標系(X,Y)に対して角度θだけ回転し、露
光領域31の長手方向をy軸、露光領域31に対する走
査方向をx軸として、露光領域31内での走査方向(x
方向)の歪みベクトルの平均値の分布を求める。この場
合、図3(a)に示すように点Pの(X,Y)座標系で
の座標値を(Xi,Yj)、図3(b)に示すように点Pの
(x,y)座標系での座標値を(xi,yj)とすると、こ
れらの座標値の間には次の関係がある。
【0034】 xi =cosθ・Xi+sinθ・Yj (4A) yj =−sinθ・Xi+cosθ・Yj (4B) そして、図3(b)の回転後の露光領域31上の(x,
y)座標系で求められた歪みベクトルVijの平均値Vi
及び標準偏差Siをそれぞれ比較していくことになる。
なお、歪みベクトルVijの平均値及び標準偏差を算出す
る際に該当する格子点が無い場合には、周辺の格子点の
歪みベクトルから補間して得られた歪みベクトルを使用
すれば良い。その歪みベクトルで定まる露光領域31内
の実際の格子パターン像36Aは、図3(b)のように
歪んでいる。
【0035】即ち、図3(b)に示すように、露光領域
31において、y方向に沿って所定ピッチで配列された
格子点に沿う直線37A,37B,37C,…上で、
(1)式によりそれぞれ歪みベクトルVijの平均値Vi
を求める。具体的に図3(b)の露光領域31上の直線
37A上での歪みベクトルの平均値V1は、次のように
なる。
【0036】 V1=(VA11+VA12+…+VA15)/5 (5) 図3(b)の露光領域31内の格子パターン像36Aの
歪みベクトルの平均値Viを、Y方向に配列すると、図
2(d)と同様な歪みベクトルの配列が得られる。そし
て、所定のステップ角Δθ(=180°/整数)を用い
て、回転角θを順次Δθ、2・Δθ、…、(180°−
Δθ)に設定して、それぞれ図2(d)と同様な歪みベ
クトルの平均値Vi及び標準偏差Siを求める。そし
て、回転角θを変化させたときの、図2(d)のような
歪みベクトルの平均値の配列に基づいて、露光領域31
に対してウエハを走査した場合に得られる投影像の歪曲
収差及び画質の劣化の程度を比較する。例えば、図2
(d)に示す歪みベクトルの平均値Viの配列の内で、
絶対値の最大値が最小になるときの回転角θ1 を、最も
歪曲収差が小さいときの回転角であるとみなすことがで
き、それら歪みベクトルの標準偏差Siが最小になると
きの回転角θ2 を、最も画質の劣化が小さいときの回転
角であるとみなすことができる。
【0037】そして、歪みベクトルの平均値Viの絶対
値及び標準偏差Siが共に小さくなるような回転角θを
求め、この回転角θを歪曲収差及び画質の劣化が平均と
して最も小さくなるときの回転角θmin とみなす。その
後、図1(b)において、投影光学系8を構成するレン
ズエレメント8bを全体として、又はレンズエレメント
8b内の歪曲収差等に最も影響を与えるレンズを光軸A
Xを中心として、回転角θmin だけ図3(a)とは逆方
向に回転して、再び鏡筒8aに収める。これにより、ス
リットスキャン露光方式で露光を行った後の歪曲収差及
び画質の劣化が共に最良になる。
【0038】次に、歪曲収差を基本的な歪曲収差に分類
し、各基本的な歪曲収差についてそれぞれ上述の方法で
最も歪曲収差が小さくなるときの回転角を求めた結果を
以下に示す。先ず、図2(b)の格子パターン像29A
は、理想格子28に対して直交度の歪曲収差が発生した
場合を示し、この場合最も歪曲収差が小さくなるときの
露光領域31の回転状態は、図2(c)のように長手方
向がY軸と合致するときである。このときの露光領域3
1内の理想格子は格子パターン像32Aのように変形し
ており、露光領域31の走査方向への歪みベクトルの平
均値の配列は図2(d)のようになっている。また、参
考のため、通常のステッパーのように一括露光方式で露
光を行う際に、図2(b)のような直交度の歪曲収差が
発生した場合に、回転及び投影倍率のみを補正したとき
の残留歪曲収差を図3(c)の補正後の格子パターン像
38Aで示す。
【0039】次に、図4(a)の格子パターン像29B
は、理想格子28に対して回転の歪曲収差が発生した場
合を示し、この場合最も歪曲収差が小さくなるときの露
光領域31の回転状態は、図4(b)のように長手方向
であるy軸が図4(a)のY軸と合致するときである。
このときの露光領域31内の理想格子は格子パターン像
32Bのように変形しており、露光領域31の走査方向
への歪みベクトルの平均値の配列は、図4(c)の一連
のベクトル35B(1),35B(2),…ようになっている。
また、参考のため、一括露光方式で露光を行う際に、図
4(a)のような回転の歪曲収差が発生した場合に、回
転及び投影倍率のみを補正したときの残留歪曲収差を図
4(d)の補正後の格子パターン像38Bで示す。
【0040】次に、図5(a)の格子パターン像29C
は、理想格子28に対して等方的な倍率誤差による歪曲
収差が発生した場合を示し、この場合最も歪曲収差が小
さくなるときの露光領域31の回転状態は、図5(b)
のように長手方向であるy軸が図5(a)のX軸と合致
するときである。このときの露光領域31内の理想格子
は格子パターン像32Cのように変形しており、露光領
域31の走査方向への歪みベクトルの平均値の配列は、
図5(c)の一連のベクトル35C(1),35C(2),…よ
うになっている。また、参考のため、一括露光方式で露
光を行う際に、図5(a)のような歪曲収差が発生した
場合に、回転及び投影倍率のみを補正したときの残留歪
曲収差を図5(d)の補正後の格子パターン像38Cで
示す。
【0041】同様に、図6(a)の格子パターン像29
Dは、理想格子28に対して非等方的な倍率誤差による
歪曲収差が発生した場合を示し、この場合最も歪曲収差
が小さくなるときの露光領域31の回転状態は、図6
(b)のように長手方向であるy軸が図6(a)のX軸
と合致するときである。このときの露光領域31内の理
想格子は格子パターン像32Dのように変形しており、
露光領域31の走査方向への歪みベクトルの平均値の配
列は、図6(c)の一連のベクトル35D(1),35D
(2),…ようになっている。また、参考のため、一括露光
方式で露光を行う際に、図6(a)のような歪曲収差が
発生した場合に、回転及び投影倍率のみを補正したとき
の残留歪曲収差を図6(d)の補正後の格子パターン像
38Dで示す。
【0042】また、図7(a)の格子パターン像29E
は、理想格子28に対してX方向に台形状の歪曲収差が
発生した場合を示し、この場合最も歪曲収差が小さくな
るときの露光領域31の回転状態は、図7(b)のよう
に長手方向であるy軸が図7(a)のX軸と合致すると
きである。このときの露光領域31内の理想格子は格子
パターン像32Eのように変形しており、露光領域31
の走査方向への歪みベクトルの平均値の配列は、図7
(c)の一連のベクトル35E(1),35E(2),…ように
なっている。また、参考のため、一括露光方式で露光を
行う際に、図7(a)のような歪曲収差が発生した場合
に、回転及び投影倍率のみを補正したときの残留歪曲収
差を図7(d)の補正後の格子パターン像38Eで示
す。
【0043】同様に、図8(a)の格子パターン像29
Fは、理想格子28に対してX方向及びY方向への台形
状の歪曲収差が発生した場合を示し、この場合最も歪曲
収差が小さくなるときの露光領域31の回転状態は、図
8(b)のように長手方向であるy方向が斜めになった
ときである。このときの露光領域31内の理想格子は格
子パターン像32Fのように変形しており、露光領域3
1の走査方向への歪みベクトルの平均値の配列は、図8
(c)の一連のベクトル35F(1),35F(2),…ように
なっている。また、参考のため、一括露光方式で露光を
行う際に、図8(a)のような歪曲収差が発生した場合
に、回転及び投影倍率のみを補正したときの残留歪曲収
差を図8(d)の補正後の格子パターン像38Fで示
す。
【0044】また、図9(a)の格子パターン像29G
は、理想格子28に対して3次の倍率誤差による歪曲収
差が発生した場合を示し、この場合最も歪曲収差が小さ
くなるときの露光領域31の回転状態は、図9(b)の
ように長手方向であるy方向が斜めになったときであ
る。このときの露光領域31内の理想格子は格子パター
ン像32Gのように変形しており、露光領域31の走査
方向への歪みベクトルの平均値の配列は、図9(c)の
一連のベクトル35G(1),35G(2),…ようになってい
る。また、参考のため、一括露光方式で露光を行う際
に、図9(a)のような歪曲収差が発生した場合に、回
転及び投影倍率のみを補正したときの残留歪曲収差を図
9(d)の補正後の格子パターン像38Gで示す。
【0045】同様に、図10(a)の格子パターン像2
9Hは、理想格子28に対して5次の倍率誤差による歪
曲収差が発生した場合を示し、この場合最も歪曲収差が
小さくなるときの露光領域31の回転状態は、図10
(b)のように長手方向であるy方向が斜めになったと
きである。このときの露光領域31内の理想格子は格子
パターン像32Hのように変形しており、露光領域31
の走査方向への歪みベクトルの平均値の配列は、図10
(c)の一連のベクトル35H(1),35H(2),…ように
なっている。また、参考のため、一括露光方式で露光を
行う際に、図10(a)のような歪曲収差が発生した場
合に、回転及び投影倍率のみを補正したときの残留歪曲
収差を図10(d)の補正後の格子パターン像38Hで
示す。
【0046】同様に、図11(a)の格子パターン像2
9Iは、理想格子28に対して7次の倍率誤差による歪
曲収差が発生した場合を示し、この場合最も歪曲収差が
小さくなるときの露光領域31の回転状態は、図11
(b)のように長手方向であるy方向が斜めになったと
きである。このときの露光領域31内の理想格子は格子
パターン像32Iのように変形しており、露光領域31
の走査方向への歪みベクトルの平均値の配列は、図11
(c)の一連のベクトル35I(1),35I(2),…ように
なっている。また、参考のため、一括露光方式で露光を
行う際に、図11(a)のような歪曲収差が発生した場
合に、回転及び投影倍率のみを補正したときの残留歪曲
収差を図11(d)の補正後の格子パターン像38Iで
示す。
【0047】また、図12(a)の格子パターン像29
Jは、理想格子28に対してX方向に2次曲線状の歪曲
収差が発生した場合を示し、この場合最も歪曲収差が小
さくなるときの露光領域31の回転状態は、図12
(b)のように長手方向であるy方向が図12(a)の
X軸に合致したときである。このときの露光領域31内
の理想格子は格子パターン像32Jのように変形してお
り、露光領域31の走査方向への歪みベクトルの平均値
の配列は、図12(c)の一連のベクトル35J(1),3
5J(2),…ようになっている。また、参考のため、一括
露光方式で露光を行う際に、図12(a)のような歪曲
収差が発生した場合に、回転及び投影倍率のみを補正し
たときの残留歪曲収差を図12(d)の補正後の格子パ
ターン像38Jで示す。
【0048】同様に、図13(a)の格子パターン像2
9Kは、理想格子28に対してX方向及びY方向に2次
曲線状の歪曲収差が発生した場合を示し、この場合最も
歪曲収差が小さくなるときの露光領域31の回転状態
は、図13(b)のように長手方向であるy方向が斜め
になったときである。このときの露光領域31内の理想
格子は格子パターン像32Kのように変形しており、露
光領域31の走査方向への歪みベクトルの平均値の配列
は、図13(c)の一連のベクトル35K(1),35K
(2),…ようになっている。また、参考のため、一括露光
方式で露光を行う際に、図13(a)のような歪曲収差
が発生した場合に、回転及び投影倍率のみを補正したと
きの残留歪曲収差を図13(d)の補正後の格子パター
ン像38Kで示す。
【0049】また、図14(a)の格子パターン像29
Lは、理想格子28に対してX方向に3次曲線状の歪曲
収差が発生した場合を示し、この場合最も歪曲収差が小
さくなるときの露光領域31の回転状態は、図14
(b)のように長手方向であるy方向が図14(a)の
X軸に合致したときである。このときの露光領域31内
の理想格子は格子パターン像32Lのように変形してお
り、露光領域31の走査方向への歪みベクトルの平均値
の配列は、図14(c)の一連のベクトル35L(1),3
5L(2),…ようになっている。また、参考のため、一括
露光方式で露光を行う際に、図14(a)のような歪曲
収差が発生した場合に、回転及び投影倍率のみを補正し
たときの残留歪曲収差を図14(d)の補正後の格子パ
ターン像38Lで示す。
【0050】同様に、図15(a)の格子パターン像2
9Mは、理想格子28に対してX方向及びY方向に3次
曲線状の歪曲収差が発生した場合を示し、この場合最も
歪曲収差が小さくなるときの露光領域31の回転状態
は、図15(b)のように長手方向であるy方向が斜め
になったときである。このときの露光領域31内の理想
格子は格子パターン像32Mのように変形しており、露
光領域31の走査方向への歪みベクトルの平均値の配列
は、図15(c)の一連のベクトル35M(1),35M
(2),…ようになっている。また、参考のため、一括露光
方式で露光を行う際に、図15(a)のような歪曲収差
が発生した場合に、回転及び投影倍率のみを補正したと
きの残留歪曲収差を図15(d)の補正後の格子パター
ン像38Mで示す。
【0051】また、図16(a)の格子パターン像29
Nは、理想格子28に対してX方向に非線形の1次の歪
曲収差が発生した場合を示し、この場合最も歪曲収差が
小さくなるときの露光領域31の回転状態は、図16
(b)のように長手方向であるy方向が図16(a)の
Y軸に合致したときである。このときの露光領域31内
の理想格子は格子パターン像32Nのように変形してお
り、露光領域31の走査方向への歪みベクトルの平均値
の配列は、図16(c)の一連のベクトル35N(1),3
5N(2),…ようになっている。また、参考のため、一括
露光方式で露光を行う際に、図16(a)のような歪曲
収差が発生した場合に、回転及び投影倍率のみを補正し
たときの残留歪曲収差を図16(d)の補正後の格子パ
ターン像38Nで示す。
【0052】同様に、図17(a)の格子パターン像2
9Oは、理想格子28に対してX方向及びY方向に非線
形の1次の歪曲収差が発生した場合を示し、この場合最
も歪曲収差が小さくなるときの露光領域31の回転状態
は、図17(b)のように長手方向であるy方向が斜め
になったときである。このときの露光領域31内の理想
格子は格子パターン像32Oのように変形しており、露
光領域31の走査方向への歪みベクトルの平均値の配列
は、図17(c)の一連のベクトル35O(1),35O
(2),…ようになっている。また、参考のため、一括露光
方式で露光を行う際に、図17(a)のような歪曲収差
が発生した場合に、回転及び投影倍率のみを補正したと
きの残留歪曲収差を図17(d)の補正後の格子パター
ン像38Oで示す。
【0053】ここで注目すべきことは、図2(b)の直
交度誤差、図4(a)の回転誤差、図5(a)及び図6
(a)の倍率誤差、並びに図7(a)及び図8(a)の
台形状の歪みによる誤差要因は、一括露光方式(静止型
露光方式)では歪曲収差を発生する場合があるが、スリ
ットスキャン露光方式では歪曲収差を生じないことであ
る。即ち、投影光学系8のレンズエレメント群8bの個
々のレンズの回転角の調整では、それらの誤差要因を無
視して調整を行っても良いことになる。また、歪曲収差
を表す歪みベクトルの計測点数が有限個であり、任意の
回転角θに対して走査方向に歪みベクトルを加算する処
理は困難である。そこで、座標系(X,Y)において
(3A)式及び(3B)式で求めた座標値での歪みベク
トルを求める際に、X方向の台形状の歪み、Y方向の台
形状の歪み、X方向の倍率、Y方向の倍率、回転、直交
度、X方向のオフセット、及びY方向のオフセットより
なる8個のパラメータによる誤差要因を除去して、大き
な歪みを取り除いた残留歪みベクトルに対して加算処理
を行うことにより、回転後の格子点に近い元の格子点の
位置での歪みベクトルを用いることにより演算誤差を軽
減している。
【0054】次に、図18を参照して、上述の誤差要因
が複数混じった場合の最適な回転角を上述の手法を用い
て算出した結果について説明する。先ず、図18(a)
に示すように、理想格子28に対して格子パターン像3
9Aが歪んでいる場合には、最も歪曲収差が小さくなる
ときの露光領域31の回転状態は、図18(a)のよう
に長手方向が斜めになったときである。また、図18
(b)に示すように、理想格子28に対して格子パター
ン像39Bが歪んでいる場合には、最も歪曲収差が小さ
くなるときの露光領域31の回転状態は、図18(b)
のように長手方向が斜めになったときである。同様に、
図18(c)に示すように、理想格子28に対して格子
パターン像39Cが歪んでいる場合には、最も歪曲収差
が小さくなるときの露光領域31の回転状態は、図18
(c)のように長手方向が斜めになったときである。
【0055】なお、上述実施例の調整方法の応用例とし
て、投影光学系の設計時に、スリットスキャン露光方式
で誤差とならない歪曲収差が生じることを許容して、そ
れと引き換えにスリットスキャン露光方式で誤差となる
歪曲収差の要因を小さくするような設計を行うことがで
きる。また、像面湾曲や非点収差等の誤差を小さくする
ことも可能である。また、投影光学系8の調整時でレン
ズエレメント群8bの部分的調整を行う際に、同様の方
法でスリットスキャン露光方式で悪影響を及ぼす誤差の
みを取り去ることも可能である。この場合、投影露光装
置に投影光学系8を搭載した後でも、例えば投影光学系
のディストーション特性が変化したとき、上述実施例の
手法を適用してレンズエレメント8bの内の所定のレン
ズの回転角を調整して、露光後の歪曲収差等を最小にし
ても良い。
【0056】なお、投影光学系のディストーション特性
を計測する方法としては、上述実施例の如く試し焼きに
より求める方法以外にも、例えばウエハステージ上に形
成された基準マークを用いてレチクル上の各マークを光
学的に検出することで求める方法もある。例えば、特開
昭59−94032号公報では、ウエハステージ上の透
過型の基準マークの下に光電検出器を配し、レチクルに
露光光を照射してレチクル上の各マークの投影像をその
透過型の基準マークを介して順次光電検出することで投
影光学系のディストーション特性を求める手法が開示さ
れており、この手法が本発明の第1工程に適用できる。
【0057】このように、本発明は上述実施例に限定さ
れず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取
り得る。なお、上述実施例によれば、投影光学系単体を
用いて静止状態で露光した投影像の歪みを解折するのみ
で、実際にスリットスキャン露光方式で露光を行った際
の投影像の歪曲収差及び画質の劣化を最小にできる利点
がある。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、実際にスリットスキャ
ン露光方式で露光を行った際の投影像の歪曲収差及び画
質の劣化を最小にできる利点がある。また、本発明にお
いて、マスクのパターンの像が投影される露光領域内の
走査方向に沿った複数点での像歪みから、スリットスキ
ャン露光方式によって基板上に形成されるパターン像の
劣化を解析する場合には、その解析結果を用いることに
よって、スリットスキャン露光方式で露光を行った際の
投影像の歪曲収差及び画質の劣化を小さくすることがで
きる。また、本発明において、静止状態で露光した投影
像の歪みからスリットスキャン露光方式で露光を行った
際の投影像の劣化を解析する場合には、その解析結果か
ら、スリットスキャン露光方式で露光を行った際の投影
像の劣化を小さくすることができる。また、本発明にお
いて、スリットスキャン露光方式で露光を行った際に基
板上に形成されるパターン像に悪影響を与える誤差のみ
を除去するように、あるいはそのパターン像に悪影響を
与えない誤差を許容して投影光学系の調整を行う場合に
は、投影光学系の調整にかかる負担を軽減することがで
き、基板上に形成されるパターン像に悪影響を与える誤
差をより高精度に補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の一実施例で調整対象とする投
影光学系を装着した検査装置の要部を示す構成図、
(b)はその投影光学系の調整方法の説明図である。
【図2】(a)はテストレチクルのパターンの一例を示
す平面図、(b)はテストレチクルのパターンを投影光
学系を介して投影して得られた直交度誤差による歪曲収
差を含む格子パターン像29A及び理想格子28を示す
図、(c)は図2(b)内のスリット状の露光領域31
内の格子パターン像32Aを示す図、(d)は図2
(c)の露光領域31に対してウエハを走査した場合の
歪みベクトルの平均値の配列を示す図である。
【図3】(a)は図2(b)に対して露光領域31を角
度θだけ回転した場合を示す図、(b)は図3(a)内
の露光領域31内の格子パターン像36Aを示す図、
(c)は一括露光方式の場合に図2(b)の格子パター
ン像29Aに対して、回転誤差及び倍率誤差を補正して
得られた格子パターン像38Aを示す図である。
【図4】(a)は回転による歪曲収差が生じている格子
パターン像29B及び理想格子28を示す図、(b)は
図4(a)の格子パターン像29Bに対して最も歪曲収
差が小さくなるときの露光領域31の回転状態を示す
図、(c)は図4(b)の露光領域31内で走査方向の
歪みベクトルの平均値の配列を示す図、(d)は図4
(a)の格子パターン像29Bに対して、一括露光方式
で回転誤差及び倍率誤差を補正して得られた格子パター
ン像38B及び理想格子28を示す図である。
【図5】図4に対応して等方的な倍率誤差による歪曲収
差が生じている場合を示す図である。
【図6】図4に対応して非等方的な倍率誤差による歪曲
収差が生じている場合を示す図である。
【図7】図4に対応してX方向に台形状の歪曲収差が生
じている場合を示す図である。
【図8】図4に対応してX方向及びY方向に台形状の歪
曲収差が生じている場合を示す図である。
【図9】図4に対応して3次の倍率誤差による歪曲収差
が生じている場合を示す図である。
【図10】図4に対応して5次の倍率誤差による歪曲収
差が生じている場合を示す図である。
【図11】図4に対応して7次の倍率誤差による歪曲収
差が生じている場合を示す図である。
【図12】図4に対応してX方向に2次曲線状の歪曲収
差が生じている場合を示す図である。
【図13】図4に対応してX方向及びY方向に2次曲線
状の歪曲収差が生じている場合を示す図である。
【図14】図4に対応してX方向に3次曲線状の歪曲収
差が生じている場合を示す図である。
【図15】図4に対応してX方向及びY方向に3次曲線
状の歪曲収差が生じている場合を示す図である。
【図16】図4に対応してX方向の1次の非線形誤差に
よる歪曲収差が生じている場合を示す図である。
【図17】図4に対応してX方向及びY方向の1次の非
線形誤差による歪曲収差が生じている場合を示す図であ
る。
【図18】(a)〜(c)はそれぞれ基本的な歪曲収差
が集まって生じた歪曲収差を含む格子パターン像に対し
て、走査した後の歪曲収差が最小になるときの露光領域
31の回転状態を示す図である。
【図19】(a)は従来のステッパーで得られる投影像
の歪みベクトルの分布を示す平面図、(b)は図19
(a)の投影像に対して回転補正を行った後の像の歪み
ベクトルの分布を示す平面図である。
【図20】本発明の一実施例で調整対象とする投影光学
系が搭載された投影露光装置の要部を示す構成図であ
る。
【図21】実施例における各格子点について積算された
像の分布の説明図である。
【符号の説明】
5 ウエハ 5A ガラスプレート 8 投影光学系 8b レンズエレメント群 12 レチクル 12A テストレチクル 25 照明光学系 23 レチクルステージ 24 ウエハステージ 28 理想格子 29A,29B,29C,… 格子パターン像 31 スリット状の露光領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/027 G03F 7/20

Claims (23)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のレンズエレメントよりなり所定形
    状の照明領域内のマスクのパターンの像を感光性の基板
    上に投影する投影光学系を有し、前記照明領域に対して
    前記マスクを所定方向に走査し、前記照明領域と共役な
    所定形状の露光領域に対して前記基板を所定方向に走査
    することにより、前記マスクのパターンの像を逐次前記
    基板上に露光する投影露光装置の前記投影光学系の結像
    特性の調整方法であって、 前記投影光学系の結像面上の2次元の格子点での像の変
    形量を計測する第1工程と、 前記所定形状の露光領域及び前記2次元の格子点を前記
    投影光学系の光軸を中心に相対的に順次所定角度間隔で
    回転した後の、前記回転後の2次元の格子点での像の変
    形量を前記第1工程で計測された変形量から算出し、前
    記回転後の所定形状の露光領域内の前記回転後の2次元
    の格子点での像の変形量を前記回転後の格子軸に沿った
    方向に積算し、前記基板を前記回転後の露光領域に対し
    て走査した後の前記投影光学系による像の変形量を予測
    する第2工程と、 前記積算された格子点の像の分布を求める第3工程と、 前記第2工程及び第3工程で求められた前記基板の走査
    後の前記基板上での像の変形量及び分布が最良になると
    きの前記所定形状の露光領域の回転角を求める第4工程
    と、 該第4工程で求められた回転角に基づいて、前記投影光
    学系を構成する前記複数のレンズエレメント内の所定の
    レンズエレメントの前記投影露光装置に対する回転角を
    調整する第5工程とを有することを特徴とする投影光学
    系の調整方法。
  2. 【請求項2】 マスクのパターンの像を投影光学系を介
    して基板上に投影すると共に、照明領域に対して前記マ
    スクを所定方向に走査し、前記照明領域に対応する所定
    形状の露光領域に対して前記基板を所定方向に走査する
    ことにより、前記基板を走査露光する露光方法であっ
    て、 前記露光領域に対して前記基板を所定方向に走査するこ
    とによって前記基板上に形成されるパターン像の劣化が
    小さくなるように、前記投影光学系の全体又は その一部
    を回転させて前記投影光学系を調整するときに、前記走
    査露光によって前記基板上に形成されるパターン像の誤
    差とならない像歪みを許容することを特徴とする露光方
    法。
  3. 【請求項3】 前記投影光学系を介して所定パターンを
    静止状態の基板上に露光し、 該露光された所定パターンの像の像歪みを計測し、 該計測結果に基づいて前記走査露光によって前記基板上
    に形成される像の劣化を解析し、該解析結果に基づいて
    前記投影光学系の調整を行うことを特徴とする請求項
    に記載の露光方法。
  4. 【請求項4】 所定形状の照明領域内のパターンの像を
    投影光学系を介して前記照明領域に対応する露光領域内
    に投影すると共に、該露光領域に対して基板を所定方向
    に走査することによって、前記基板を走査露光する露光
    方法において、 前記露光領域内の前記所定方向と平行な直線上の複数点
    での像歪みを求める第1工程と、 該複数点の像歪みを積算して、その積算結果から走査露
    光によって形成される像の劣化を解析する第2工程とを
    含むことを特徴とする露光方法。
  5. 【請求項5】 所定形状の照明領域内のパターンの像を
    投影光学系を介して前記照明領域に対応する露光領域内
    に投影すると共に、該露光領域に対して基板を所定方向
    に走査することによって、前記基板を走査露光する露光
    方法において、 前記露光領域内の前記所定方向と平行な直線上の複数点
    での像歪みを求める第1工程と、 該複数点の像歪みの平均値を求め、その平均値から走査
    露光によって形成される像の劣化を解析する第2工程と
    を含むことを特徴とする露光方法。
  6. 【請求項6】 所定形状の照明領域内のパターンの像を
    投影光学系を介して前記照明領域に対応する露光領域内
    に投影すると共に、該露光領域に対して基板を所定方向
    に走査することによって、前記基板を走査露光する露光
    方法において、 前記露光領域内の前記所定方向と平行な直線上の複数点
    での像歪みを求める第1工程と、 該複数点の像歪みの分布を求め、その分布から走査露光
    によって形成される像の劣化を解析する第2工程とを含
    むことを特徴とする露光方法。
  7. 【請求項7】 前記第1工程と前記第2工程とを、前記
    所定方向と平行な複数の直線上で行うことを特徴とする
    請求項4、5、又は6に記載の露光方法。
  8. 【請求項8】 前記第2工程での解析結果に基づいて、
    前記投影光学系を調整することを特徴とする請求項4〜
    のいずれか一項に記載の露光方法。
  9. 【請求項9】 投影光学系の有効露光領域内の一部にス
    リット状の露光領域を規定し、該スリット状の露光領域
    に対して基板を所定方向に移動することによって前記基
    板を走査露光する露光方法において、 前記投影光学系の有効露光領域全体を照明できる照明光
    学系を使って所定パターンを照明し、 該照明による前記所定パターンの像を前記投影光学系を
    介して投影し、 該所定パターンの投影像の歪みを求め、 前記求められた投影像の歪みに基づき、前記走査露光に
    よって前記基板上に所望のパターンが形成されるように
    して、前記走査露光を行うことを特徴とする露光方法。
  10. 【請求項10】 前記所定パターンの投影像の歪みは、
    前記投影像を光電検出することによって求められること
    を特徴とする請求項に記載の露光方法。
  11. 【請求項11】 前記所定パターンの投影像の歪みは、
    前記所定パターンの投影像を基板上に露光し、該基板上
    に露光された投影像を計測することによって求められる
    ことを特徴とする請求項に記載の露光方法。
  12. 【請求項12】 前記走査露光は、前記求められた投影
    像の歪みに基づき、前記基板上の各点が前記露光領域を
    通過する間に前記露光領域内の所定方向に沿った各点の
    像歪みの影響を受けることによって生じる、前記基板上
    に形成されるパターンの像歪みが小さくなるように行な
    われることを特徴とする請求項9、10、又は11に記
    載の露光方法。
  13. 【請求項13】 マスクのパターンの像を投影光学系を
    介して基板上に投影すると共に、照明領域に対して前記
    マスクを所定方向に走査し、前記照明領域に対応する所
    定形状の露光領域に対して前記基板を所定方向に走査す
    ることにより、前記基板を走査露光する露光方法であっ
    て、 所定パターンの像を前記投影光学系を介して基板上に静
    止状態で露光し、 前記静止状態で露光された所定パターンの投影像の歪み
    を求め、 前記求められた所定パターンの投影像の歪みに基づき、
    前記走査露光によって所望のパターンが前記基板上に形
    成されるようにして、前記走査露光を行うことを特徴と
    する露光方法。
  14. 【請求項14】 前記走査露光は、前記求められた投影
    像の歪みに基づき、前記基板上の各点が前記露光領域を
    通過する間に前記露光領域内の所定方向に沿った各点の
    像歪みの影響を受けることによって生じる、前記基板上
    に形成されるパターンの像歪みが小さくなるように行な
    われることを特徴とする請求項13に記載の露光方法。
  15. 【請求項15】 マスクのパターンの像を投影光学系を
    介して基板上に投影すると共に、照明領域に対して前記
    マスクを所定方向に走査し、前記照明領域に対応する所
    定形状の露光領域に対して前記基板を所定方向に走査す
    ることにより、前記基板を走査露光する露光方法であっ
    て、 前記基板を所定方向に走査することによって前記基板上
    に形成されるパターン像に悪影響を及ぼさない誤差を許
    容するように前記投影光学系の調整を行うことを特徴と
    する露光方法。
  16. 【請求項16】 マスクのパターンの像を投影光学系を
    介して基板上に投影すると共に、照明領域に対して前記
    マスクを所定方向に走査し、前記照明領域に対応する所
    定形状の露光領域に対して前記基板を所定方向に走査す
    ることにより、前記基板を走査露光する露光方法であっ
    て、 前記基板を所定方向に走査することによって前記基板上
    に形成されるパターン像に悪影響を及ぼす誤差のみが取
    り除かれるように前記投影光学系の調整を行うことを特
    徴とする露光方法。
  17. 【請求項17】 所定形状の照明領域内のパターンの像
    を投影光学系を介して前記照明領域に対応する露光領域
    内に投影すると共に、該露光領域に対して基板を所定方
    向に走査することによって、前記基板を走査露光する露
    光装置において、 前記投影光学系は、前記露光領域内の前記所定方向と平
    行な直線上の複数点での像歪みの積算結果から解析され
    た、前記走査露光によって形成される像の劣化を考慮し
    て調整されることを特徴とする露光装置。
  18. 【請求項18】 所定形状の照明領域内のパターンの像
    を投影光学系を介して前記照明領域に対応する露光領域
    内に投影すると共に、該露光領域に対して基板を所定方
    向に走査することによって、前記基板を走査露光する露
    光装置において、 前記投影光学系は、前記露光領域内の前記所定方向と平
    行な直線上の複数点での像歪みの平均値から解析され
    た、前記走査露光によって形成される像の劣化を考慮し
    て調整されることを特徴とする露光装置。
  19. 【請求項19】 前記所定方向と垂直な非走査方向に関
    する前記平均値の分布を求めることを特徴とする請求項
    18に記載の露光装置。
  20. 【請求項20】 所定形状の照明領域内のパターンの像
    を投影光学系を介して前記照明領域に対応する露光領域
    内に投影すると共に、該露光領域に対して基板を所定方
    向に走査することによって、前記基板を走査露光する露
    光装置において、 前記投影光学系は、前記露光領域内の前記所定方向と平
    行な直線上の複数点での像歪みの分布から解析された、
    前記走査露光によって形成される像の劣化を考慮して調
    整されることを特徴とする露光装置。
  21. 【請求項21】 マスクのパターンの像を投影光学系を
    介して基板上に投影すると共に、照明領域に対して前記
    マスクを所定方向に走査し、前記照明領域に対応する所
    定形状の露光領域に対して前記基板を所定方向に走査す
    ることにより、前記基板を走査露光する露光装置であっ
    て、 前記投影光学系は、前記基板を所定方向に走査すること
    によって前記基板上に形成されるパターン像に悪影響を
    及ぼさない誤差を許容するように調整されることを特徴
    とする露光装置。
  22. 【請求項22】 マスクのパターンの像を投影光学系を
    介して基板上に投影すると共に、照明領域に対して前記
    マスクを所定方向に走査し、前記照明領域に対応する所
    定形状の露光領域に対して前記基板を所定方向に走査す
    ることにより、前記基板を走査露光する露光装置であっ
    て、 前記投影光学系は、前記基板を所定方向に走査すること
    によって前記基板上に形成されるパターン像に悪影響を
    及ぼす誤差のみが取り除かれるように調整されることを
    特徴とする露光装置。
  23. 【請求項23】 前記投影光学系は円形の有効領域を有
    し、前記走査露光は、前記有効領域内のスリット状の矩
    形露光領域を使って行われることを特徴とする請求項1
    7〜22のいずれか一項に記載の露光装置。
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