JP3374426B2 - 1,1,1,2−テトラフルオロエタンの製造方法 - Google Patents

1,1,1,2−テトラフルオロエタンの製造方法

Info

Publication number
JP3374426B2
JP3374426B2 JP01411493A JP1411493A JP3374426B2 JP 3374426 B2 JP3374426 B2 JP 3374426B2 JP 01411493 A JP01411493 A JP 01411493A JP 1411493 A JP1411493 A JP 1411493A JP 3374426 B2 JP3374426 B2 JP 3374426B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
fluorination
ratio
reaction
prepared
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP01411493A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06228022A (ja
Inventor
勝行 辻
清一 友田
雅敏 堀田
哲夫 中條
秀俊 中山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Denko KK
Original Assignee
Showa Denko KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Denko KK filed Critical Showa Denko KK
Priority to JP01411493A priority Critical patent/JP3374426B2/ja
Publication of JPH06228022A publication Critical patent/JPH06228022A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3374426B2 publication Critical patent/JP3374426B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C17/00Preparation of halogenated hydrocarbons
    • C07C17/093Preparation of halogenated hydrocarbons by replacement by halogens
    • C07C17/20Preparation of halogenated hydrocarbons by replacement by halogens of halogen atoms by other halogen atoms
    • C07C17/202Preparation of halogenated hydrocarbons by replacement by halogens of halogen atoms by other halogen atoms two or more compounds being involved in the reaction
    • C07C17/206Preparation of halogenated hydrocarbons by replacement by halogens of halogen atoms by other halogen atoms two or more compounds being involved in the reaction the other compound being HX

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はオゾン層を破壊しない代
替フロンである1,1,1,2−テトラフルオロエタン
(以下、HFCー134aと略)の製造に際し、1−ク
ロロ−2,2,2−トリフルオロエタン(以下、HCF
C−133aと略)とフッ化水素(以下、HFと略)と
を新規なフッ素化触媒の存在下で反応させることによ
り、高い収率で目的化合物HFC−134aを得る方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】炭素数1〜4のハロゲン化炭化水素をH
Fによってフッ素化する方法には、大別して気相法と液
相法がある。近年、塩素や臭素を分子中に含むフロン、
ハロンによるオゾン層破壊の問題がクローズアップさ
れ、それらの代替物質(以下、代替フロンと略)として
分子内に水素を含むハロゲン化炭化水素(一般にHCF
Cと略)や塩素、臭素を分子内に含まないフッ化炭化水
素(一般にHFCと略)が提案され、すでに量産されて
いるものもある。これらの代替フロンの製法としては、
特に気相法が有力である。気相法においては触媒の選択
が重要であり、これまでにも種々の触媒が提案されてい
る。
【0003】まず、従来の塩素を分子中に含むフロンを
製造する際に用いられてきた公知のフッ素化触媒として
は、硫酸と工業 昭和46年2月号48ページに記載さ
れているように、クロムの酸化物およびフッ化物、アル
ミニウムや鉄などのハロゲン化物が代表的である。その
他にも米国特許(US)2005707には、不活性担
体に担持されたCu、Ag、Na、Cd、Ca、Zn、
Hg、V、Sb、Mn、Fe、Ni、Co、Pt等のハ
ロゲン化物が提案されている。また、前記のような触媒
を改良して、酸化クロムにMg、Ca、Sr、Ba、希
土類元素、Th、Ti、Zr、Fe、Co、Ni、C
u、Zn、Cd、Al、In、Sn、Pb、Biなどの
第2成分を添加して寿命や耐久性を向上させた酸化クロ
ムを主体とする多元系触媒(特公昭49−43922参
照)や、ゾルゲル法により寿命や選択性を向上させた無
定形Cr23 触媒(特開昭57−119836参照)
などがこれまでに開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、代替フ
ロンとして提案されている分子中に水素を含有するHC
FCやHFCをハロゲン化炭化水素とHFとの反応によ
り製造する際には、従来の塩化フッ化炭化水素(CFC
と略)の製造に較べ、反応が進行しにくい場合が多い。
特に、HCFC−133aのフッ素化によるHFC−1
34aの合成反応は熱力学的に不利な吸熱反応であり、
平衡が存在する。したがって、一般にはHCFC−13
3aに対し化学量論以上のHFを共存させて有意な平衡
転化率を与える条件で反応を行う。
【0005】一例を挙げると、特開昭55−27138
では、HFとHCFC−133aのモル比(以下、モル
比と略)を3以上、好ましくは5〜12の範囲で反応さ
せることを主張している。しかし、モル比を5以上と高
くした条件においてさえも、従来の触媒を使用した場合
には反応速度が小さく、平衡転化率に近い適当な反応率
を確保するために、空間速度を下げる、反応温度を上げ
る等の処置が必要であった。すなわち、前述の特開昭5
5−27138の実施例9〜12(第3表)ではCrF
3 ・3H2 Oを空気で処理した化合物を触媒とした場
合、モル比8で、空間速度(以下、SVと略)は550
hr-1と低いにもかかわらず、適当な転化率を得るため
には400℃以上の温度を必要としている。その際の選
択率も97%とあまり高くない。
【0006】特開平1−268651ではCrを含まな
い触媒で高度の活性、選択性を維持できると主張してい
るが、例1のCoCl2 /Al23 をフッ素化処理し
て得られる触媒ではモル比10、SV120hr-1と低
SVにもかかわらず、反応温度は410℃とさらに高
い。選択率は悪く94%以下である。このようにSVを
下げることは単位触媒当りの生産量の減少につながり好
ましくない。また、反応温度の上昇は熱的エネルギーロ
スばかりでなく、選択率の低下を招き、さらに、本発明
者らの知見によれば触媒寿命を短くする。
【0007】分子中に水素を含むハロゲン化炭化水素の
フッ素化反応は水素を含まない原料のフッ素化反応に較
べて、触媒寿命が極端に短い(特開平1−262946
参照)ことから、HCFC−133aのフッ素化反応に
おいてこの影響は深刻である。触媒の延命をはかるため
に原料ガスに酸素を加える方法(特開昭55−2713
9や特開平1−272535参照)等も提案されている
が、本発明者の検討では延命効果があまり認められず、
副生物が増加するといった欠点が認められた。従って、
生産量の拡大だけでなく、触媒寿命を延ばすという観点
からも、従来のフッ素化触媒以上に高い活性、さらに、
高い選択性を有する触媒が強く求められている。
【0008】最近、EP449614の明細書中で、含
水素ハロゲン化炭化水素であるトリクロロエチレン、H
CFC−133aのフッ素化反応にクロミアおよび亜鉛
またはニッケル促進クロミアが好ましい触媒として記載
されているが、触媒の組成やZnまたはNiの促進効果
については全く不明である。これまでに開示された特許
中にもZnとCrまたはNiとCrを含有する酸化物や
フッ化物を触媒としてHFによりハロゲン化炭化水素を
フッ素化する例はある。例えば、前述した特公昭49−
43922の第1表ではCF2 ClCFCl2 (以下、
CFC−113と略)のフッ素化反応においてZnを含
むCr23 触媒(Znの添加量はZnOとCr23
の重量比で10対90)がZnを添加しないCr23
触媒に較べてCFC−113転化率、115選択率が若
干向上し、Niを含むCr23触媒(Niの添加量は
NiOとCr23 の重量比で10対90)ではCFC
−113転化率の向上は小さいもののフッ素化能力の指
標となる115選択率はかなり増加している。
【0009】しかし、活性促進効果は他の実施例に示さ
れたMg、Al、Srなどと比較すると小さい範囲に留
まっている。また、特公昭54−34712では小量づ
つのZn、Cr、NiおよびFeの化合物をフッ化アル
ミニウムに添加した触媒によるCFC−113のフッ素
化反応が開示されていて、この特許の表1では、フッ化
アルミニウムにCrおよびNiの化合物を添加した触媒
にさらにZnの化合物を添加すると、CFC−113の
転化率はかなり低下するものの対称性化合物(CFC−
114)の選択率が大きく向上することを示している。
【0010】また、EP502605では、活性促進量
(activeーpromoting amount)のZnを添加したCr系
触媒が高い活性を与えることが開示されている。しか
し、Znの添加量が明確に規定されておらず、OやFの
含量については言及されていない。本発明者らの検討に
よれば、単にZnをCr系触媒に添加するだけでは高活
性は得られず、特定のフッ素化率、Zn/Cr比(Cr
原子に対するZnの原子比)においてのみ活性を高める
ことが明らかになった。すなわち、本発明で規定するよ
うなZn、Cr、O、Fの元素が特定の組成比で共存す
ると、活性が飛躍的に増大し、さらには、選択率も向上
する。本発明は上記の発明に基づいてなされたものでオ
ゾン層を破壊しない代替フロンであるHFC−134a
を効率よく製造する方法の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明においては、HC
FC−133aとHFとの反応により、HFC−134
aを製造する方法において、Zn、Cr、O、Fの元素
を必須成分として含み、該構成成分の組成比が特定の範
囲内にあるフッ素化触媒を用いることを解決の手段とし
た。すなわち、{Y/(2X+3)}×100%式で表
されるフッ素化率の値が、5〜50%、好ましくは7〜
40%の範囲にあり、Crに対するZnの原子比が0.
01〜0.6、特に好ましくは0.03〜0.5という
特定の組成比である。但し、式中Xは該触媒に含まれる
クロムに対する亜鉛の原子比を、Yはクロムに対するフ
ッ素の原子比をそれぞれ表す。
【0012】本発明で用いるフッ素化触媒に含まれるZ
n、Crの実質的な原子価はそれぞれ2価、3価であ
る。従って、上記式は、Znおよび/またはCrに結合
し得るFの最大量(を100%とする)に対する触媒中
のZnおよび/またはCrに結合しているFの量との比
を表し、触媒中のFの割合、ひいてはOの割合を与え
る。
【0013】触媒の構成成分としてアルカリ金属が大量
に(重量で%オーダー)含まれることはあまり好ましく
ないが、その他(Zn、Cr、O、Fは除く)の元素は
%オーダー以上含み得る。ただし、Zn、Cr以外の金
属のフッ化物をCrとの原子比で%オーダー以上含有さ
せる場合には、Zn、Cr以外の金属に結合しているF
の量が大きくなるため、これを除外してフッ素化率を計
算することが必要である。すなわち、触媒全体ではなく
金属成分としてZnとCrを含む化合物(以下、Zn/
Cr化合物と略)のフッ素化率の範囲を議論しなければ
ならない。一例をあげると、前記Zn/Cr化合物をH
F気流中でも安定な触媒担体である活性炭やフッ化アル
ミニウム、フッ化カルシウムなどに担持することも可能
であるが、担体としてフッ化物を用いる場合には、フッ
素含量としてフッ化物担体に由来するフッ素の量を差し
引いて、フッ素化率を求めなければならない。
【0014】本発明で用いる触媒もしくはZn/Cr化
合物は、 ZnおよびCrを含有する酸化物や水酸化物を触媒前
駆体として、これをHFやF2 、分子中にフッ素を有す
るハロゲン化炭化水素等によってフッ素化し、Oあるい
はOHを部分的にフッ素に置き換える方法、 ZnおよびCrを含有するフッ化物を触媒前駆体とし
て、これを空気、水などの酸素含有ガスで酸化してFを
部分的にOあるいはOHに置き換える方法、 Znおよび/またはCrに結合しているハロゲン(F
を除く)、硝酸、硫酸、炭酸、酢酸、蟻酸などのOある
いはOH以外の基(ここでいう基には電気的に中性の原
子団だけでなく、正または負の電荷をもった原子団も含
み、特に、陰イオンの場合が多い)およびOおよび/ま
たはOHを含有する化合物を触媒前駆体として、これを
HFやF2 、分子中にフッ素を有するハロゲン化炭化水
素等によってフッ素化し、Oおよび/またはOH以外の
基をフッ素に置換する方法等で調製することが出来る。
【0015】従って、本発明のZn、Cr、O、Fを必
須成分とする触媒において、Znおよび/またはCrに
結合している基は実質的にF、O、OHの3種である。
OHの分子量中に占めるHの割合は小さいため、Zn/
Cr化合物を構成するZn、Cr、F以外の成分は計算
上はゼロと考えてよい。上記の方法で得られた触媒をさ
らにフッ素化あるいは酸化することによりフッ素含量を
コントロールすることもできる。好ましい方法は、水酸
化物や酸化物を触媒前駆体として、これをフッ素化する
方法であり、比較的温和な条件下で水酸基や酸素をフッ
素に置換することができ、フッ素含量のコントロールが
容易である。
【0016】触媒前駆体の調製方法としては従来知られ
ている混練法、含浸法、共沈法等のいかなる方法も用い
ることができ、また、触媒前駆体を調製するための原料
としては工業規模で入手可能ならば、いかなる化合物を
用いてもよい。上記の方法のうち、含浸法や共沈法がZ
nとCrを均一に分布させ得るため好ましい。なかで
も、共沈法は触媒のバルク組成まで均一に調整すること
が可能であるためさらに好ましい。従って、好ましい触
媒前駆体の調製方法の例としては、ZnおよびCrの化
合物が溶解した液に沈澱剤を加えて沈澱をつくり、濾
別、洗浄、乾燥、焼成する方法(共沈法の例)、Cr2
3 や水酸化クロムにZn化合物の溶液を含浸し、乾
燥、焼成する方法(含浸法の例)等があげられる。さら
に好ましい調製方法の例としては、共沈法においてZn
およびCrの化合物が溶解した液と沈澱剤とを反応液の
pHが6〜12、特に好ましくは6.5〜10の範囲内
に在るようにコントロールしながら、双方同時に、ある
いは交互に滴下して調製したスラリーを濾別、洗浄、乾
燥、焼成する方法があげられる。
【0017】触媒形状として成形物が望ましい場合には
焼成前、または焼成後に打錠成形を行ったり、乾燥前に
押し出し成形を実施することにより成形物とすることが
できる。また、担持タイプの触媒が所望ならば、例え
ば、ZnおよびCrの化合物が溶解した液を活性炭、フ
ッ化アルミニウム、アルミナなどに含浸し、乾燥、焼成
後、HFによりフッ素化すれば調製することができる。
アルミナを担体として用いても、350℃程度の温度で
フッ素化するとアルミナは実質的にフッ化アルミニウム
に転化する。
【0018】以上述べた方法およびその他公知のいかな
る方法で触媒調製を行ってもよいが、触媒の構成成分で
あるZn、Cr、O、Fの組成比は前述した特定の範囲
になければならない。すなわち、FとOの割合を与える
フッ素化率の値が5〜50%、好ましくは7〜40%の
範囲にあり、Crに対するZnの原子比が0.01〜
0.6、好ましくは0.03〜0.5、特に好ましくは
0.05〜0.5という特定の範囲である。フッ素化率
またはZn/Cr比が上記の範囲から外れると必須成分
であるZn、Cr、O、Fの含量が適正範囲から外れる
ため、良好な触媒活性および選択性が得られない。
【0019】Zn/Cr比の調整は、混練法ならば混合
する粉の割合、含浸法や共沈法ならばZnおよび/また
はCr化合物の溶液濃度や溶液組成をコントロールする
ことにより容易に達成される。一方、FおよびOの含量
は触媒前駆体の物性に応じて処理条件を選択することに
よって達成される。すなわち、触媒前駆体が金属酸化物
や水酸化物、酸素および酸素以外のフッ素に置換され得
る基を含有する化合物の場合には該化合物のフッ素化さ
れ易さに応じたフッ素化条件を選び、金属フッ化物を酸
化する際は該フッ化物の酸化され易さに応じた酸化条件
を選ぶことが大切である。
【0020】フッ素化率を適正な値にすることが容易
に、かつ、温和な条件下で行えることから、好ましい触
媒調製方法の例としては、共沈法で得られた乾燥品(水
酸化物と考えられる)を不活性あるいは実質的に還元性
の雰囲気で焼成し、さらに、300〜450℃で、好ま
しくは加圧下(2〜10kg/cm2 )でHFによりフ
ッ素化する方法があげられる。共沈法においてZnおよ
びCrの化合物が溶解した液と沈澱剤とを反応液のpH
が6〜12、特に好ましくは6.5〜10の範囲内に在
るようにコントロールしながら、双方同時に、あるいは
交互に滴下して調製したスラリーを濾別、洗浄、乾燥
し、前述の方法で焼成、フッ素化する方法を用いれば、
さらに容易にフッ素化率の適正化が計れるため、特に好
ましい方法である。触媒のZn/Cr比やフッ素化率は
化学分析により求めたZn、Cr、O、Fの含有量から
計算することができる。
【0021】本発明のZn、Cr、O、Fの元素を必須
成分として含み、構成元素の組成比が特定の範囲内にあ
るフッ素化触媒はハロゲン化炭化水素をHFによりフッ
素化する際に適用できる。なかでも、従来のフッ素化触
媒では極めて反応速度が小さいHCFC−133aのフ
ッ素化反応には特に効果的である。すなわち、従来のフ
ッ素化触媒を用いた場合に較べてHCFC−133aの
転化率が高く、さらに、HFC−134aへの選択率も
高いため、高収率で目的化合物HFC−134aが得ら
れる。そればかりか低い反応温度で所定の収量が得ら
れ、結果としてより長い触媒寿命が達成される等の効果
をももたらす。HCFC−133aのフッ素化反応は固
定床、流動床、移動床等の反応方法をとり得るが、固定
床が一般的である。反応条件は特開昭53−10540
4や特開昭55−27138で唱われている公知の条件
範囲で行い得る。すなわち、モル比:3〜20、温度:
300〜400℃、圧力:大気圧〜20kg/cm2
(ゲージ圧)、SV:100〜10000hr-1であ
る。ただし、本発明によるフッ素化触媒を用いれば、従
来のフッ素化触媒に較べて活性が高いため、好ましい温
度、SVはそれぞれ300〜350℃、750〜500
0hr-1の範囲になる。
【0022】
【実施例】以下、実施例および比較例を示して、本発明
を具体的に説明するが、かかる説明によって本発明が限
定されないことは勿論である。尚、説明中Zn/Cr
比、F/Cr比、Al/Cr比、F/Al比、Mg/C
r比は化学分析から求めた触媒に含まれる各元素の原子
比を表し、反応例中のモル比とはHCFC−133aに
対するHFのモル比を表す。SVは標準状態に換算した
値であり、圧力はゲージ圧である。
【0023】調製例1 純水1lを入れた10lの容器に、Cr(NO33
9H2 O1257gとZn(NO32 ・6H2 O18
7gを純水3lに溶かした溶液と28重量%のアンモニ
ア水1.1lとを撹拌しながら、反応液のpHが8.5
〜9.5の範囲内になるようにコントロールして約2時
間かけて滴下した。得られた水酸化物のスラリーを濾別
し、純水でよく洗浄した後、120℃で乾燥した。得ら
れた固体を粉砕、黒鉛と混合し、打錠成形機によってペ
レット化した。このペレットをN2 気流下400℃で4
時間焼成し触媒前駆体とした。
【0024】触媒前駆体60mlをインコネル製反応管
に充填し、常圧においてN2 希釈したHF気流下400
℃で、続いてN2 希釈しない100%のHF気流下40
0℃でフッ素化処理を行った。処理後のペレットの組成
を以下に示す。 Zn:11.8重量% Cr:52.5重量% O:23.2重量% F: 9.5重量% これらの値からZn/Cr比は0.18、フッ素化率は
15%であった。
【0025】比較調製例1 調製例1と同様に調製した触媒前駆体60mlをインコ
ネル製反応管に充填し、常圧においてN2 希釈したHF
気流下300℃で、続いてN2 希釈しない100%のH
F気流下300℃でフッ素化処理を行った。処理後のペ
レットの組成を以下に示す。 Zn:12.8重量% Cr:55.2重量% O:27.7重量% F: 2.0重量% これらの値からZn/Cr比は0.18、フッ素化率は
3%であった。
【0026】比較調製例2 調製例1と同様に調製した触媒前駆体60mlをインコ
ネル製反応管に充填し、常圧においてN2 希釈したHF
気流下600℃で、続いてN2 希釈しない100%のH
F気流下600℃でフッ素化処理を行った。処理後のペ
レットの組成を以下に示す。 Zn:10.2重量% Cr:45.0重量% O:10.5重量% F:30.4重量% これらの値からZn/Cr比は0.18、フッ素化率は
55%であった。
【0027】比較調製例3 Zn(NO32 ・6H2 Oを加えないこと以外は調製
例1と同様にしてZnを含まない触媒前駆体を調製し
た。この触媒前駆体60mlをインコネル製反応管に充
填し、常圧においてN2 希釈したHF気流下400℃
で、続いてN2 希釈しない100%のHF気流下400
℃でフッ素化処理を行った。処理後のペレットの組成を
以下に示す。 Cr:59.6重量% O:20.6重量% F:
30.4重量% これらの値からZn/Cr比は0、フッ素化率は25%
であった。
【0028】比較調製例4 Zn(NO32 ・6H2 OのかわりにAl(NO3
3 ・9H2 O196gを加えること以外は調製例1と同
様にしてAl/Crを含む触媒前駆体を調製した。この
触媒前駆体60mlをインコネル製反応管に充填し、常
圧においてN2希釈したHF気流下400℃で、続いて
2 希釈しない100%のHF気流下400℃でフッ素
化処理を行った。処理後のペレットの組成を以下に示
す。 Al: 4.3重量% Cr:52.0重量% O:18.7重量% F:21.8重量% これらの値からAl/Cr比は0.16であった。
【0029】調製例2 CrCl3 ・6H2 O111gとZnCl2 6gを純水
80mlに溶解した液に高純度アルミナ100gを浸漬
し全量を吸収させた。これを120℃で乾燥し、空気気
流下400℃で3時間焼成し、さらにH2 気流下350
℃で3時間焼成し触媒前駆体とした。触媒前駆体60m
lをインコネル製反応管に充填し、N2希釈したHF気
流下380℃で、続いてN2 希釈しない100%のHF
気流下380℃でフッ素化処理を行った。処理後の担持
触媒の組成を以下に示す。 Zn: 1.4重量% Cr:10.8重量% Al:
26.9重量% O: 6.6重量% F:53.6重量%
【0030】従って、Zn/Cr比は0.10、F/C
r比は 13.6、Al/Cr比は4.8であった。ま
た、担体に用いたアルミナを触媒前駆体と同一条件でフ
ッ素化したところ、処理後のフッ化アルミニウムの組成
は以下の値だった。 Al:33.8重量% O: 4.0重量% F:
61.8重量% よって、F/Al比は2.6であり、担体のフッ化アル
ミニウムに由来するフッ素を除外したF/Cr比は0.
88(=13.6−2.6×4.8)、ZnおよびCr
を含有する化合物のフッ素化率は35%であった。
【0031】比較調製例5 ZnCl2 を金属溶液に加えないこと以外は調製例2と
同様にして触媒前駆体を調製し、さらに、フッ素化処理
を行った。処理後の担持触媒の組成を以下に示す。
Cr:11.0重量% Al:27.4重量
% O : 6.4重量% F :54.7重量% これらの値からZn/Cr比は0、調製例2と同様な方
法で、担体のフッ化アルミニウムに由来するフッ素を除
外して求めたCrを含有する化合物のフッ素化率は37
%であった。
【0032】比較調製例6ZnCl2 のかわりにMgC
2 ・6H2 O8gを金属溶液に加えること以外は調製
例2と同様にして触媒前駆体を調製し、さらに、フッ素
化処理を行った。処理後の担持触媒の組成を以下に示
す。 Mg:0.5重量% Cr:10.9重量% Al:2
7.2重量% O:7.0重量% F:53.4重量% これらの値からMg/Cr比は0.10であった。
【0033】実施例1 調製例1で調製した触媒50mlをインコネル製反応管
に充填し、以下の反応条件でHFによるHCFC−13
3aのフッ素化反応を行った。反応管の出口ガスをアル
カリトラップに吹き込んで未反応のHFおよび生成した
HClを除去し、ガスクロによりガス組成を分析した。
結果を表1に示す。 温度:320℃、圧力:2kg/cm2 、モル比:8、
SV:1500hr-1
【0034】比較例1 フッ素化率が小さい比較調製例1で調製した触媒を用い
て実施例1と同一条件でHCFC−133aのフッ素化
反応を行った。結果を表1に示す。
【0035】比較例2 フッ素化率が大きい比較調製例2で調製した触媒を用い
て実施例1と同一条件でHCFC−133aのフッ素化
反応を行った。結果を表1に示す。
【0036】比較例3 Znを含まない比較調製例3で調製した触媒を用いて実
施例1と同一条件でHCFC−133aのフッ素化反応
を行った。結果を表1に示す。
【0037】比較例4 ZnのかわりにAlを添加した比較調製例4で調製した
触媒を用いて実施例1と同一条件でHCFC−133a
のフッ素化反応を行った。結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】表中、134a収率、134a選択率はそ
れぞれ、HFC−134aの収率、HFC−134aの
選択率を表す。
【0040】表1の結果より、Zn、Cr、O、Fの元
素組成比が特定の範囲に在る場合にのみ高い活性、選択
性が得られ、Zn以外(Al)の金属の添加では活性が
むしろ低下することがわかる。
【0041】実施例2 調製例2で調製した触媒を用いて以下の条件でHCFC
−133aをHFによりフッ素化反応を行った。結果を
表2に示す。温度:330℃、圧力:常圧、モル比:
8、SV:2500hr-1
【0042】比較例5 Znを含まない比較調製例5で調製した触媒を用いて実
施例2と同一条件でHCFC−133aのフッ素化反応
を行った。結果を表2に示す。
【0043】比較例6 ZnのかわりにMgを添加した比較調製例6で調製した
触媒を用いて実施例2と同一条件でHCFC−133a
のフッ素化反応を行った。結果を表2に示す。
【0044】
【表2】
【0045】表2の結果より担持タイプの触媒において
もZn、Cr、O、Fの元素の組成比が特定範囲にある
触媒が高い活性、選択性を有することがわかる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るフッ
素化触媒を用いてHFによるHCFC−133aのフッ
素化反応を行えば高い収率でHFC−134aを得るこ
とができ、さらに、触媒寿命を延長することも可能とな
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中條 哲夫 神奈川県川崎市川崎区扇町5番1号 昭 和電工株式会社化学品研究所内 (72)発明者 中山 秀俊 神奈川県川崎市川崎区扇町5番1号 昭 和電工株式会社化学品研究所内 (56)参考文献 特開 平4−346943(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 17/20 C07C 19/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜鉛、クロム、酸素及びフッ素の元素を
    必須成分として含み、{Y/(2X+3)}×100%
    式で表されるフッ素化率が5〜50%の範囲にあり、か
    つ、クロムに対する亜鉛の原子比が0.01〜0.6で
    あるフッ素化触媒の存在下、気相でフッ化水素と1−ク
    ロロ−2,2,2−トリフルオロエタンを反応させるこ
    とを特徴とする1,1,1,2−テトラフルオロエタン
    の製造方法。(式中、Xは該触媒に含まれるクロムに対
    する亜鉛の原子比を、Yはクロムに対するフッ素の原子
    比をそれぞれ表す。)
  2. 【請求項2】 フッ素化率が7〜40%の範囲にあるフ
    ッ素化触媒を用いる請求項1記載の方法。
JP01411493A 1993-01-29 1993-01-29 1,1,1,2−テトラフルオロエタンの製造方法 Expired - Lifetime JP3374426B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP01411493A JP3374426B2 (ja) 1993-01-29 1993-01-29 1,1,1,2−テトラフルオロエタンの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP01411493A JP3374426B2 (ja) 1993-01-29 1993-01-29 1,1,1,2−テトラフルオロエタンの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06228022A JPH06228022A (ja) 1994-08-16
JP3374426B2 true JP3374426B2 (ja) 2003-02-04

Family

ID=11852096

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP01411493A Expired - Lifetime JP3374426B2 (ja) 1993-01-29 1993-01-29 1,1,1,2−テトラフルオロエタンの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3374426B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2756883A4 (en) * 2011-09-14 2015-05-06 Sinochem Lantian Co Ltd PROCESS FOR THE PREPARATION OF 2,3,3,3-TETRAFLUORPROPES

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6172270B1 (en) * 1997-04-23 2001-01-09 Asahi Glass Company, Ltd. Process for producing halogenated hydrocarbons
CN114644544A (zh) * 2020-12-17 2022-06-21 陕西中化蓝天化工新材料有限公司 一种氟代烷烃的制备方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2756883A4 (en) * 2011-09-14 2015-05-06 Sinochem Lantian Co Ltd PROCESS FOR THE PREPARATION OF 2,3,3,3-TETRAFLUORPROPES
US9115042B2 (en) 2011-09-14 2015-08-25 Sinochem Lantian Co., Ltd. Method for preparing 2,3,3,3-tetrafluoropropene

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06228022A (ja) 1994-08-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5569795A (en) Fluorination catalyst and fluorination process
JP2557936B2 (ja) 触媒の存在下でのフッ化水素化による1,1,1−トリフルオロ−2,2−ジクロロエタンの製法
US6433233B1 (en) Process for the preparation of pentafluoroethane, fluorination catalysts and process for the preparation thereof
KR100351211B1 (ko) 크롬계플루오르화촉매,그촉매의제조방법및그촉매를사용한플루오르화방법
EP0370688B1 (en) Purification of saturated halocarbons
JPH04503215A (ja) 1,1,1,2―テトラフルオロエタンの製造
JPH10113562A (ja) ハロゲン化炭化水素の弗素化用触媒
EP0576600B1 (en) Process for the manufacture of 2-chloro-1,1,1,2-tetrafluoroethane and pentafluoroethane
US4814522A (en) Catalytic fluoroolefin transhalogenations
JP4314391B2 (ja) フッ素化触媒とその製造方法及びそれら触媒を用いたフッ素化合物の製造方法
WO1996017812A1 (en) Process for the manufacture of 1,1,1,3,3,3-hexafluoropropane
JP3558385B2 (ja) クロム系フッ素化触媒、及びフッ素化方法
EP0333926B1 (en) Process for preparing vinylidene fluoride by the direct fluorination of vinylidene chloride
JP3374426B2 (ja) 1,1,1,2−テトラフルオロエタンの製造方法
JP2996598B2 (ja) クロム系フッ素化触媒、その製法及びフッ素化方法
CA2069126C (en) Process for fluorinating halogenated hydrocarbon
EP0714874B1 (en) Process for the production of 1,1,1-trifluoroethane
JPH06211707A (ja) ジフルオロメタンの製造方法
US5494877A (en) Chromium-based fluorination catalyst containing gallium and production method thereof
JP3582798B2 (ja) フッ素化触媒およびフッ素化方法
JPH02172932A (ja) 1,1,2―トリクロロ―2,2―ジフルオロエタンのフッ素化方法
JPH06506232A (ja) 2−クロロ−1,1,1−トリフルオロエタンの製造法
JPH0134208B2 (ja)
JP2751401B2 (ja) 1,1‐ジクロロ‐1,2,2,2―テトラフルオロエタンの製造方法
EP0203807A1 (en) Catalytic fluoroolefin transhalogenations

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081129

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091129

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091129

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111129

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111129

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121129

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121129

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131129

Year of fee payment: 11

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131129

Year of fee payment: 11