JP3373798B2 - 水冷式エンジンとこれを備えた小型滑走艇 - Google Patents

水冷式エンジンとこれを備えた小型滑走艇

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    • Y02T10/40Engine management systems

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  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)
  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外部から冷却水を
取り入れる取入口とエンジン冷却後の冷却水を外部へ排
出する排出口とを有する冷却水通路を備えた水冷式エン
ジンと、これを備えた小型滑走艇に関するものである。
【0002】
【従来の技術】小型滑走艇では、エンジンルーム内にエ
ンジンが収納されているため、通常、水冷式エンジンが
用いられている。このエンジンの水冷方法は、構造の簡
単な直接冷却方式が一般的であり、例えば水ジェット推
進機内に設けた開口から、加圧水の一部をパイプにより
エンジンのウォータジャケットに取り入れて冷却水とし
て使用するように構成されている。また、エンジンを冷
却した後の水は、以下の構成とした排気装置を経由して
船外に放出される。すなわち、排気装置は、エンジンの
シリンダの排気マニホールドに接続された排気管と、こ
の排気管の下流部に接続されたマフラと、このマフラの
出口に接続された消音器と、この消音器を船尾の排気口
に接続するテールパイプとで構成され、排気管およびマ
フラはそれぞれ外壁が2重構造とされ、その2重の外壁
の間が冷却水の通路とされており、エンジンを出た冷却
水は、この冷却水通路を経由したのち、排ガスととも
に、消音器およびテールパイプを通して船外に排出され
る。
【0003】他方、水冷式エンジンにおいて、冷却水温
度が上昇したときに、一部失火運転(間引き運転)また
は点火時期を遅延させた運転(遅角運転)を行うことに
より、エンジン回転数を低下させてエンジンの熱負荷を
小さくする制御装置が知られている。すなわち、前記制
御装置は、エンジンの冷却水の温度が所定温度以上にな
ると、点火時期を所定値だけ遅角させるものがある。関
連技術を示す先行技術文献として、特開平1−3156
65号公報がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記機能を有
する制御装置を組み込んだ水冷式エンジンでは、エンジ
ンの温度上昇よりも遅れて冷却水温度が上昇するため
に、制御の応答性が低い。また、一部失火運転方式で
は、前記排気装置の排気管内に排ガスを浄化する触媒コ
ンバータが装着されている場合には、一部失火による未
燃焼ガスが触媒コンバータで燃焼して高温になるため、
触媒コンバータに大きな熱負荷をかける場合がある。
【0005】本発明は、上述のような実情に鑑みてなさ
れたもので、エンジンへの冷却水の流れが円滑でなくな
った場合に、迅やかにエンジン回転数を低下させること
のできる水冷式エンジンと、このエンジンを備えた小型
滑走艇を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記した目的を達成する
ために、本発明の請求項1に係る水冷式エンジンは、外
部から冷却水を取り入れる取入口とエンジン冷却後の冷
却水を外部へ排出する排出口とを有する冷却水通路を備
、排気通路内に、排気浄化用の触媒が配置されている
小型滑走艇用のエンジンであって、エンジンの回転数を
検出する回転計と、前記冷却水通路内の冷却水の圧力を
検知する圧力センサと、エンジンにより駆動されて前記
取入口から冷却水通路に冷却水を圧送する圧送手段と、
エンジンの回転数と前記冷却水の圧力のエンジン回転数
とともに上昇する平常値よりも低い許容値との関係を記
憶する記憶手段と、検知された冷却水圧力が、検出され
たエンジン回転数での前記許容値以下のとき、点火プラ
グの点火時期を遅角させる遅角手段とを備え、前記圧力
センサは、エンジン本体内を通過した後の前記冷却水の
一部を、前記冷却水通路から分岐させて船体の側方から
空中放出させる検水通路に設けられている。
【0007】前記水冷式エンジンによれば、回転計によ
り検出されるエンジン回転数に対応した冷却水圧力の許
容値を、遅角手段が記憶手段から検索し、圧力センサに
より検知された冷却水圧力が検索された許容値以下のと
き、遅角手段は点火プラグの点火時期を遅角させるの
で、圧送手段により冷却水通路に冷却水が円滑に圧送さ
れなくなっても、エンジン回転数が平常時よりも低下す
ることになり、エンジンの熱負荷の増大が防止される。
しかも、このように冷却水を外部から取り入れて外部へ
排出する開回路型の冷却水系統では、冷却水を循環させ
る自動車用等の閉回路型の冷却水系統とは異なり、冷却
水の流量が減少すると、ただちに冷却水圧力が低下する
ので、遅角制御の応答性に優れている。また、検水通路
から船体側方への冷却水の空中放水を操縦者が視認でき
るので、放水量の減少を目で確認して、冷却水の供給不
足により平常運転から遅角運転に移行したことを確認で
きる。しかも、検水通路ではエンジンから離れて船体の
側方へ延びるから、検水通路の付近のスペースには余裕
があるので、圧力センサの設置が、エンジンと干渉する
ことなく、容易になる。前記水冷式エンジンによれば、
遅角によりエンジン回転数を低下させるので、従来の一
部失火運転(間引き運転)の場合のように、一部失火に
よる未燃焼ガスが触媒で燃焼して触媒に大きな熱負荷が
かかるのが防止される。
【0008】また、本発明の請求項2に係る水冷式エン
ジンは、請求項1の構成において、検出されたエンジン
回転数が所定値以上のときのみ前記遅角手段を作動させ
る遅角動作制御手段を備えている。
【0009】前記水冷式エンジンによれば、エンジンの
冷却水量が不足した状態で平常運転が行われても、エン
ジンにさほど負荷のかからない低いエンジン回転数のも
とでは、遅角運転が行われないので、不必要に遅角運転
が行われてエンジン回転数が低下するのを防止できる。
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】本発明の請求項に係る小型滑走艇は、請
求項1または2のいずれかの構成のエンジンと、このエ
ンジンに連結された水ジェット推進機とを備え、前記取
入口を水ジェット推進機における高圧部に開口させて、
水ジェット推進機を冷却水の圧送手段として兼用してい
る。
【0015】前記小型滑走艇によれば、水ジェット推進
機により冷却水通路に冷却水を圧送できるから、圧送手
段を特別に設ける必要がないので、コストを低減できる
とともに、小型滑走艇のエンジン設置部空間を広く利用
できる。
【0016】
【0017】
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態
について図面を参照しながら詳述する。図1は本発明の
第1実施形態である水冷式エンジンを搭載した小型滑走
艇の側面図である。図1において、小型滑走艇1の船体
2はハル2aの上にデッキ2bを接合して構成され、デ
ッキ2bには座席2cと足台となるデッキフロア2dと
が設けられ、さらに、ハンドル2eを備えている。船体
後部の船底には船底と船尾2fとに開口したダクト30
が形成されており、このダクト30内に水ジェット式の
推進機3が装着されている。推進機3のシャフト7は、
カップリング6を介して船内の2サイクルエンジン4の
回転軸5に連結されている。前記ハンドル2eが設けら
れる操縦部には、エンジン4の回転数を検出する回転計
34(図2)が配置されている。エンジン4は、その回
転軸心を船体2の前後方向に合致する向きとして、船体
2のほぼ中央に配置され、船底のマウント9(図2)に
固定されている。エンジン4から船尾部にわたる部分に
は、エンジン4の排ガスを船外へ排出する排気装置10
が設けられている。前記エンジン4により推進機3が駆
動されて、船体2が推進する。
【0019】図2は、前記エンジン4の制御系と、前記
排気装置10の一部を破断した側面図とを示す。排気装
置10は、エンジン4のシリンダ11に設けられた排気
マニホールド12の船首側(左側)に向く端部で上向き
に開口する排気口12aに接続されてエンジン4の上方
から船尾2f側に延びる排気管13と、この排気管13
の出口に接続された消音器14と、この消音器14を図
1のダクト30内に開口する排出口15に接続するテー
ルパイプ16とで構成されている。
【0020】図2に示す排気管13は内管と外管とから
なる2重構造とされ、排気管上流部13Aと排気管下流
部13Bとに分割されていて、クランプ17で一体に接
続され、この接続部に排ガスGを浄化する触媒コンバー
タ18が着脱可能に装着されている。排気管下流部13
Bは、エンジン4の真上に対向する位置から船尾2f側
に延びている。また、前記上流部13Aの後部と下流部
13Bの前部とで、径方向に膨出したマフラ部21を形
成している。
【0021】排気管下流部13Bの消音器14との接続
は、排気管下流部13Bの内管13Baを消音器14内
に挿入するとともに、消音器14に固定したカラー部材
31の外周に排気管下流部13Bの外管13Bbを嵌合
し、その嵌合部の外周をクランプ32で締め付けること
により行われる。消音器14は、船底のマウント19に
固定されている。
【0022】排気管上流部13Aおよび排気管下流部1
3Bの各内管13Aa,13Baは内方に排気通路33
を形成する管体であり、排ガスGに対する耐熱性を高め
るために、それぞれアルミ鋳物、アルミ板金またはステ
ンレス板金のような金属で形成されている。また、排気
管上流部13Aおよび排気管下流部13Bの各外管13
Ab,13Bbは前記各内管13Aa,13Baとの間
に冷却水の環状通路20を形成する管体であり、排気管
下流部13Bの外管13Bbは、排気管13の軽量化を
図り振動抑制効果を高めるために、ゴムまたは樹脂のよ
うな可撓性部材で形成されている。
【0023】図2の冷却水導入通路24は、推進機3の
高圧部3aに開口させた取入口23から冷却水Wを取り
込んでエンジン4の図示しない水ジャケットに供給して
エンジン4を冷却する通路であり、パイプからなる。冷
却水導入通路24により導入された冷却水Wは、エンジ
ン4のシリンダ11および排気マニホールド12を経た
後に、水ジャケットから排気管13の環状通路20に供
給される。環状通路20を経て消音器14内に入った冷
却水Wは、ここで排ガスGと混合されて、排ガスの降温
および消音に寄与したのち、排ガスGと共に、テールパ
イプ16を通って排出口15から水中に排出される。こ
うして、冷却水導入通路24、水ジャケット、環状通路
20、消音器14およびテールパイプ16を含む冷却水
通路が形成されている。
【0024】推進機3は、取入口23から環状通路20
に冷却水Wを圧送する圧送手段を兼ねる。推進機3の高
圧部3aは、この例では、シャフト7に固定された動翼
であるインペラ25の後方に位置する静翼26の部分で
ある。このように、推進機3により冷却水Wを環状通路
20に圧送するようにしているので、特別な圧送手段を
設ける必要がなくコストを低減でき、小型滑走艇1のエ
ンジン設置部空間を広く利用できる。
【0025】前記環状通路20の上流部には、エンジン
本体内を通過した後の冷却水Wの一部を、環状通路20
から分岐させて船体2の側方から空中放出させる検水通
路27が接続されている。検水通路27の開口27a
は、検水通路27から空中に放出される冷却水Wを操縦
者が視認できるように、船体2の座席2cより前のデッ
キ2b側部2bgに設けられる。この検水通路27に
は、検水通路27内の冷却水Wの圧力を検知する圧力セ
ンサ35が設けられている。
【0026】図2のコントローラ36はエンジン4の駆
動を制御する制御装置である。このコントローラ36に
は、記憶手段37、遅角手段38、および遅角動作制御
手段39が内蔵されている。
【0027】前記記憶手段37には、例えば図3に示す
ような、エンジン回転数と前記冷却水圧力の許容値との
関係が、データマップとして記憶されている。冷却水圧
力は、平常時には、エンジン回転数、つまり、推進機回
転数とともに上昇する。この平常値よりも、例えばエン
ジン回転数と無関係な一定圧力幅だけ低い圧力を許容値
としている。図2の遅角手段38は、圧力センサ35に
より検知された冷却水Wの圧力が、回転計34により検
出されたエンジン回転数に対応した許容値以下のとき、
冷却水の流れが円滑でないと判断して、点火プラグの点
火時期を正規の点火時期(上死点前点火)から一定角度
だけ遅角させる(例えば上死点後10°まで)手段であ
る。
【0028】前記遅角動作制御手段39は、検出された
エンジン回転数が所定値以上(例えば2500rpm以
上)のときのみ、前記遅角手段38を作動させる手段で
ある。前記コントローラ36は、前記環状通路20や冷
却水導入通路24などを含む前記冷却水通路が異物で詰
まって、エンジン4への冷却水Wの供給量が減少したと
き、図4にフロー図で示すようにエンジン4の制御を行
う。以下に、その制御動作を図2を参照しながら説明す
る。
【0029】図2の遅角動作制御手段39は、回転計3
4の検出するエンジン回転数が所定値(例えば2500
rpm)以上であるか否かを判別し(図4のステップS
1)、エンジン回転数が所定値以上のとき、遅角手段3
8を作動可能にする。遅角手段38は、回転計34の検
出するエンジン回転数に対応する冷却水圧力の許容値を
記憶手段37から検索して、圧力センサ35が検知する
冷却水圧力が前記許容値以下であるか否かを判別する
(ステップS2)。
【0030】エンジン4への冷却水Wの流れが円滑でな
くなると、検水通路27を経て放水される冷却水Wの圧
力が低下するので、この水圧を検知する圧力センサ35
の検出値が前記許容値以下となる。これにより、遅角手
段38は点火プラグの点火時期を、点火回路を調整する
周知の方法で遅角させる(ステップS3)。その結果、
スロットルが高回転域にあっても、エンジン回転数は平
常運転時よりも低下することになり、エンジン4への冷
却水Wの供給量が減少しても、エンジン4の熱負荷の増
大を抑制できる。
【0031】また、従来の一部失火運転(間引き運転)
によってエンジン回転数を低下させるものではないの
で、未燃焼の排ガスGが触媒コンバータ18で燃焼して
触媒コンバータ18に大きな熱負荷をかけるのも防止で
きる。
【0032】前記したように通常運転から遅角運転に移
行すると、スロットル開度が大きく設定されていてもエ
ンジン回転数が低下するので、遅角運転モードに移った
ことを操縦者に知らせるのが好ましいが、この実施形態
では平常運転において船体側部から空中放出されていた
冷却水Wが、遅角運転に移行したときには放出量が減少
またはなくなるので、これを見た操縦者は遅角運転に入
ったことを視認することができる。
【0033】さらに、検水通路27はエンジン4から離
れて船体2の側方へ延びるから、検水通路27の付近は
スペース的に余裕がある。したがって、検水通路27に
設ける圧力センサ35を設けることで、その設置が、エ
ンジン4と干渉することなく、容易になる。
【0034】前記遅角運転に入ってからも、エンジン回
転数が所定値(2500rpm)以上であれば、遅角動
作制御手段39は遅角手段38を作動可能に維持するの
で、遅角運転はそのまま継続する。しかし、エンジン回
転数が前記所定値を下回ると(ステップS4)、遅角動
作制御手段39が遅角手段38を不作動にするので、エ
ンジン4の遅角運転が解除され、通常運転に復帰する
(ステップS5)。
【0035】このように、エンジン4の冷却が不十分な
状態で平常運転が行われてもエンジン4にさほどの負担
がかからない低いエンジン回転数のもとでは、遅角運転
が行われないので、不必要に遅角運転が行われてエンジ
ン回転数が過度に低下するのを防止できる。
【0036】また、冷却水Wの水量が減少すると、ただ
ちに冷却水圧力が低下するので、遅角制御を迅速に行う
ことができる。つまり、遅角制御の応答性がよい。ここ
で本発明の前提は、エンジン4の冷却水通路が開回路型
ということである。自動車用等のエンジンのように、冷
却水を循環させる閉回路型では、冷却水通路が詰まって
も、水ポンプが作動を続ける限り、冷却水の圧力はさほ
ど低下しないので、本発明の圧力検知による制御を適用
するのは容易でない。
【0037】なお、前記実施形態では、検出されたエン
ジン回転数が所定値以上(例えば2500rpm以上)
のときのみ、遅角動作制御手段39が遅角手段38を作
動可能にするようにしているが、この遅角作動制御手段
39を省略して、検知された冷却水圧力が、検出された
回転数に対応する冷却水圧力の許容値以下となるときに
は、常に遅角手段38が作動するようにしてもよい。
【0038】また、前記第1実施形態では、小型滑走艇
1に搭載した水冷式エンジン4の場合を示したが、図
に示す参考例は、陸上の水冷エンジンを示している。
参考例では、外部から冷却水Wを取り入れる取入口
と、エンジン冷却後の冷却水を外部へ排出する排出口1
5とを有する開回路型の冷却水通路を備えた陸上の水冷
式エンジンであって、エンジン4に直接取り付けた水ポ
ンプ40により水源41から冷却水Wを取り入れてい
る。この場合、水ポンプ40が、取入口23から環状通
路20に冷却水Wを圧送する圧送手段となる。
【0039】このような水冷式エンジンにおける遅角運
転の制御系では、遅角手段47は、前記実施形態の場合
のように、エンジン回転数と冷却水圧力の許容値との関
係をデータマップとして記憶する記憶手段37から、検
出されたエンジン回転数に対応する冷却水圧力の許容値
を検索するといった手続きを経ないで、回転計34によ
り検出されたエンジン回転数が所定値以上(例えば25
00rpm以上)で、圧力センサ35により検知された
冷却水圧力(環状通路20内の水圧)が一定値以下のと
き、点火プラグの点火時期を遅角させるものとし、記憶
手段37や遅角動作制御手段39は設けない。すなわ
ち、この例では、エンジン回転数と冷却水圧力の関係を
示す図6において、エンジン回転数および冷却水圧力が
ハッチングして示す領域にあるとき、直ちに遅角運転に
入る。その他の構成は、先の実施形態の場合とほぼ同様
である。
【0040】これにより、エンジン4への冷却水の供給
が円滑でなくなったとき、通常運転から遅角運転に自動
的に移行して、平常運転の場合よりもエンジン回転数が
低下するので、エンジンの熱負荷の増大を防止できる
【0041】なお、第2実施形態の水冷式エンジン4に
おいて、例えば水道水を冷却水Wとしてもよい。この場
合、冷却水Wを冷却水通路に圧送する圧送手段は不要で
ある。
【0042】
【発明の効果】以上のように、本発明の水冷式エンジン
によれば、回転計により検出されるエンジン回転数に対
応した冷却水圧力の許容値を、遅角手段が記憶手段から
検索し、圧力センサにより検知された冷却水圧力が検索
された許容値以下のとき、遅角手段は点火プラグの点火
時期を遅角させるので、圧送手段により冷却水通路に冷
却水が円滑に圧送されなくなっても、エンジン回転数が
平常時よりも低下することになり、エンジンの熱負荷の
増大を防止できる。また、検水通路から船体側方への冷
却水の空中放水を操縦者が視認できるので、放水量の減
少を目で確認して、冷却水の供給不足により平常運転か
ら遅角運転に移行したことを確認できる。しかも、検水
通路ではエンジンから離れて船体の側方へ延びるから、
検水通路の付近のスペースには余裕があるので、圧力セ
ンサの設置が、エンジンと干渉することなく、容易にな
る。
【0043】
【0044】また、本発明の小型滑走艇によれば、水ジ
ェット推進機により冷却水通路に冷却水を圧送できるの
で、圧送手段を特別に設ける必要がなくコストを低減で
きるとともに、小型滑走艇のエンジン設置部空間を広く
利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る水冷式エンジンを
搭載した小型滑走艇を示す側面図である。
【図2】前記エンジンの制御系と、前記小型滑走艇の排
気装置とを示す側面図である。
【図3】前記エンジンの回転数と冷却水圧力との関係を
示す特性図である。
【図4】前記エンジンの遅角運転制御を示すフロー図で
ある。
【図5】参考例に係る水冷式エンジンの制御系を示すブ
ロック図である。
【図6】前記エンジンの回転数と冷却水圧力との関係を
示す特性図である。
【符号の説明】
1…小型滑走艇、2…船体、3…水ジェット式推進機
(圧送手段)、3a…高圧部、4…水冷式エンジン、2
0…環状通路、23…取入口、27…検水通路、33…
排気通路、34…回転計、35…圧力センサ、37,4
7…遅角手段、38…記憶手段、39…遅角動作制御手
段、40…水ポンプ(圧送手段)20,24,14,1
6…冷却水通路
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F01P 3/20 B63H 21/24 F02P 5/15 B (56)参考文献 特開 昭64−36399(JP,A) 特開 平10−278888(JP,A) 特開 平7−26953(JP,A) 特開 平9−53439(JP,A) 特開 平6−286691(JP,A) 特開 平9−88586(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02P 5/15 B63B 35/73 B63H 11/08 B63H 21/00 F01N 3/24 F01P 3/20

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部から冷却水を取り入れる取入口とエ
    ンジン冷却後の冷却水を外部へ排出する排出口とを有す
    る冷却水通路を備え、排気通路内に、排気浄化用の触媒
    が配置されている小型滑走艇用のエンジンであって、 エンジンの回転数を検出する回転計と、 前記冷却水通路内の冷却水の圧力を検知する圧力センサ
    と、 エンジンにより駆動されて前記取入口から冷却水通路に
    冷却水を圧送する圧送手段と、 エンジンの回転数と、前記冷却水の圧力のエンジン回転
    数とともに上昇する平常値よりも低い許容値との関係を
    記憶する記憶手段と、 検知された冷却水圧力が、検出されたエンジン回転数で
    の前記許容値以下のとき、点火プラグの点火時期を遅角
    させる遅角手段とを備え、 前記圧力センサは、エンジン本体内を通過した後の前記
    冷却水の一部を、前記冷却水通路から分岐させて船体の
    側方から空中放出させる検水通路に設けられている水冷
    式エンジン。
  2. 【請求項2】 請求項1において、検出されたエンジン
    回転数が所定値以上のときのみ前記遅角手段を作動させ
    る遅角動作制御手段とを備えた水冷式エンジン。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のエンジンと、
    このエンジンに連結された水ジェット推進機とを備え、
    前記取入口を水ジェット推進機における高圧部に開口さ
    せて、水ジェット推進機を冷却水の圧送手段として兼用
    している小型滑走艇。
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