JP3373371B2 - 自転車の変速制御装置 - Google Patents

自転車の変速制御装置

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JP3373371B2 JP27143396A JP27143396A JP3373371B2 JP 3373371 B2 JP3373371 B2 JP 3373371B2 JP 27143396 A JP27143396 A JP 27143396A JP 27143396 A JP27143396 A JP 27143396A JP 3373371 B2 JP3373371 B2 JP 3373371B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明が属する技術分野】本発明は、自転車の変速制御
装置に関する。更に詳しくは、プログラムに従ってギア
チェンジを自動的に行う自動変速装置を備えた自転車の
変速制御装置及びその方法に関する。 【0002】 【従来の技術】自転車のより一層の有用性が、近年、ま
すます認識されている。自転車のスポーツ化は、このよ
うな自転車の変速操作の自動化を助長している。自動化
された自転車の変速装置は、マイクロコンピューターの
低廉化により実用性が高くなっている。 【0003】クランク軸と後輪の回転数の比を変える変
速装置を自動化して動作させるギアシフト装置が、米国
特許第5,213,548号で知られている。この米国
特許は、クランク速度と自転車速度の比から現実のギア
比を検出しクランクが遅く自転車速度が速い場合等に変
速動作をプログラムに従って行う自動化装置が記載され
ている。 【0004】また、変速動作を行わせる駆動手段として
流体圧シリンダが用いられことも、例えば、EP 0
529664A2により知られている。これらは、変速
条件をコンピュータにより判断させることにより変速の
自動化を実現している。 【0005】チェーンの大きい張力に対抗して駆動され
る変速機構のメカ部分には、過分の負荷が作用する。こ
のような大きい負荷に対抗して動作する流体圧シリンダ
とメカ部分の連結構造が強化されたものとして提供され
る場合には、コストの問題を無視できない。また、この
ような負荷条件下で動作するメカ部分は、磨耗などによ
る消耗が激しくなり、耐久性に劣る恨みがある。 【0006】変速機構のメカ部分を小さい負荷で動作さ
せる自動変速装置の開発が望まれている。このように望
まれている自動変速装置は、動作の遅延時間が短いの
で、小さい負荷条件が継続する短い時間内の変速動作を
可能にする。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような技
術的背景に基づいてなされたものであり、下記のような
目的を達成する。 【0008】本発明の目的は、小さい負荷時に変速動作
を行う自転車の変速制御装置提供することにある。 【0009】本発明の他の目的は、変速機構のメカ部分
に過大な負荷を及ぼさない自転車の変速制御装置提供
することにある。 【0010】 【0011】本発明の更に他の目的は、耐久性が高い自
転車の変速制御装置提供することにある。 【0012】 【0013】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の自転車の変速制御装置は、運転者の踏力に
よりクランク軸と駆動スプロケットとの間に作用する回
転トルクを検出するトルク検出手段と、前記クランク軸
と後輪との変速比を変更するための変速機構と、前記変
速機構の変速比を変更させるために、前記変速機構を変
速駆動する駆動手段と、前記トルク検出手段からの検出
信号を入力し、前記駆動手段により前記変速機構の変速
動作をさせる制御手段とを有し、前記クランク軸と前記
駆動スプロケットとは、回転方向に所定量だけ相対移動
可能に設けられており、前記トルク検出手段は、前記ク
ランク軸と前記駆動スプロケットとの相対移動をクラン
ク軸方向の移動に変換して移動する移動体と、前記移動
体をクランク軸方向に付勢するばねと、前記移動体と一
体に固定された環状体と、前記クランク軸に固定され、
前記移動体の端部に当接し前記移動体をクランク軸方向
に移動させる傾斜面が設けられた伝達部材と、前記環状
体のクランク軸方向の位置をクランク軸方向から検出す
近接センサーとを備えたものであり、前記制御手段
は、前記トルク検出手段によって検出される回転トルク
が所定の設定トルクよりも小さい場合に、前記変速機構
の変速動作をさせるものである。 【0014】 【0015】 【0016】 【0017】 【0018】 【0019】 【0020】 【0021】 【0022】 【0023】 【0024】 【発明の作用及び効果】本発明による自転車の変速制御
装置は、足の踏力又はクランク軸のトルクが小さい時間
帯に変速機構の動作が許可される。即ち、変速指令が出
ている時間帯とトルクが小さい時間帯がオーバーラップ
している時にのみ、変速機構が動作する。クランク軸の
トルクが小さい時間帯は、次に示すように、3通りあ
る。 【0025】a.クランク軸の回転数が後輪の回転数に
比べて特定の比よりも小さい場合、即ち、チェーンの張
力が零でありクランク軸にトルクが生じておらずクラン
ク軸が後輪に対して空転している時間帯;この場合、ク
ランク軸のトルクは絶対的に零である。 【0026】b.トルクが零でなく自転車が加速されて
いる場合に周期的に変動するトルクの値が最小領域にあ
る時間帯;この場合、自転車は正方向に加速されてい
る。 【0027】c.トルクが零でなく自転車が加速されて
いない場合に周期的に変動するトルクの値が最小領域に
ある時間帯;この場合は、自転車が負に加速されている
時間帯を含む。この時間帯は、ペダルが上死点領域又は
下死点領域にある時間帯を含む。 【0028】前記場合b,cでは、トルクの絶対値が大
きい場合がある。しかし、両足が結合するペダルが上限
位置と下限位置にある時に、共に踏力が極端に低下する
下死点にある。このような下死点にある足の踏力は、通
常は、両足が水平方向に位置する時の踏力に比べて極端
に小さい。 【0029】坂道などで変則的にペダルを水平方向又は
水平方向に近い方向に押す場合でも、このような極端な
大小関係は変わらない。変速動作は、トルクが設定値以
下である場合にも、微分値が負でその絶対値が設定値以
上である場合にも許可される。このような許可により、
変速機構の耐久性を低下させることは実質的に皆無にな
る。 【0030】外力が大きい際、その他道路事情・環境が
安定しない場合、自動モードを手動モードに切換えて、
従来通りの手動操作を行うことが望ましい。 【0031】このような条件下で動作する変速機構のメ
カ部分、例えば、前後のディレーラとチェーンには、大
きい負荷が働かない。このため、メカ部分の磨耗が少な
く、動作の遅延時間が短い。 【0032】 【発明の実施の形態】次に、本発明による自転車の変速
制御装置及びその方法の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の自転車の変速制御装置の実施形態1を
示す正面図であり、自転車の部分を示している。後輪1
の回転軸である後輪軸3は、互いに交叉する線状の複数
の支持部材6を介して後輪1に支持されている。 【0033】後輪軸3にトライアングル・フレーム7が
他のフレームを介して支持されている。トライアングル
フレーム7は、更に他のフレームを介して前輪軸4にも
支持されている。トライアングル・フレーム7の頂点部
は、前輪フォーク・フレーム9にブッシュ11を介して
軸回転自在に結合している。前輪フォーク・フレーム9
の上端部であるハンドル部分13に、制御パネル15が
取りつけられている。 【0034】トライアングル・フレーム7の前方頂点部
に、前方ギア群17が回転自在に支持され設けられてい
る。前方ギア群17は複数のギア又はスプロケット17
n(nは2以上)から構成されている。スプロケット1
7nは、同軸に支持されている。 【0035】トライアングル・フレーム7の後方頂点部
に、後方ギア群19が回転自在に支持され設けられてい
る。後方ギア群19は複数のギア又はスプロケット19
n(nは2以上)から構成されている。スプロケット1
9nは、同軸に支持されている。 【0036】前方ディレーラ21及び後方ディレーラ2
3が、トライアングルフレーム7及び他のフレームにそ
れぞれに固定され、その動作部がディレーラ本体に軸方
向に移動可能に支持されている。前方ディレーラ21
は、前方駆動手段25により動作され駆動される。前方
駆動手段25はトライアングルフレーム7に固定され、
例えば、流体圧シリンダである。流体圧シリンダに代え
て、電磁的線形動作手段を用いることができる。 【0037】後方ディレーラ23は、後方駆動手段27
により動作され駆動される。後方駆動手段27は他のフ
レームに固定され、例えば、流体圧シリンダである。流
体圧シリンダに代えて、電磁的線形動作手段を用いるこ
とができる。 【0038】図2は、制御パネル15の前面を示してい
る。制御パネル15には、電源オン・オフボタン31、
自動モード選択ボタン33、手動モード選択ボタン35
が現れている。制御パネル15の前面には、変速段階数
を表示する段数表示面37、及び、後述するトルク波形
を表示する波形表示面39が設けられている。 【0039】トルクセンサ40が、図1に示すように、
トライアングル・フレーム7の下方頂点部に前方ギア群
17と同軸に固定され設けられている。トルクセンサ4
0としては、各種原理の慣用手段を用いることができ
る。精度が高く応答速度が速く足の踏力の損失を発生さ
せないトルクセンサとして、特願平8−40425号を
紹介することができる。 【0040】このトルクセンサは、本発明の公開時点で
はすでに公開されているはずであるから、詳細な説明は
公開公報の記述に委ねるが、その要点は、クランク軸に
回転自在に支持された第1回転体のトルクが強く変位量
が少ないバネを介して伝達される第2回転体からなり、
前記バネの変位を軸方向変位にメカ的に変換し、このよ
うに変換された変位の変位量を1回転ごとに近接センサ
などにより検出することにより、トルクの絶対値を検出
する機能を有していることである。但し、後述するよう
に、1回転中の特定の離散的時間におけるトルクではな
く、実質上連続時間の関数として検出されるように、僅
かに改良が行われている。 【0041】トライアングル・フレーム7に支持された
制御パネル15内には、マイクロコントローラ41が搭
載されている。図3は、マイクロコントローラ41のハ
ード・ブロックを示している。マイクロコントローラ4
1は、CPU43を搭載している。マイクロコントロー
ラ41は、CPU43とRAM45とROM47とから
形成されている。トルクセンサ40とマイクロコントロ
ーラ41との間には電気的に接続されて、A/D変換器
49とラッチ回路51が介設されている。 【0042】A/D変換器49とラッチ回路51を介し
て、トルクセンサ40の出力波形が時間の関数としてデ
ジィタル化されて、マイクロコントローラ41に入力さ
れる。トルクセンサ40の出力波形の大きさもデジィタ
ル化されて、マイクロコントローラ41に入力される。
このように、クランク軸のトルクの絶対値をリアルタイ
ムでマイクロコントローラ41に入力することができ
る。 【0043】同様に、クランク軸の速度信号53及び後
輪の速度信号55もマイクロコントローラ41に入力さ
れる。この入力のための手段は本発明の主題でないか
ら、本明細書において説明は省略されている。クランク
軸の速度と後輪の速度とから、変速機構の適正な変速段
数を割り出すことができる(参考文献:前記米国特許第
5,213,548号)。変速段位の切換のためのプロ
グラムは、別途用意することができるが、本明細書では
記述されていない。 【0044】前方サーボ機構57とマイクロコントロー
ラ41とは、双方向に電気的に接続されている。前方サ
ーボ機構57は前方駆動手段25の駆動を制御して、前
方ディレーラ21の移動距離を正確に割り出しその割出
位置に前方ディレーラ21を固定することができる。 【0045】後方サーボ機構59とマイクロコントロー
ラ41とは、双方向に電気的に接続されている。後方サ
ーボ機構59は後方駆動手段27の駆動を制御して、後
方ディレーラ23の移動距離を正確に割り出しその割出
位置に後方ディレーラ23を固定することができる。 【0046】クランク軸のトルク即ちペダルの回転半径
が一定である足の踏力は、図4に示すような特徴を示
す。図4は、横軸が位相Pであり縦軸がトルクTであ
る。一点鎖線で示すトルク曲線は左足に関し、実線で示
すトルク曲線は右足に関している。回転するペダルが上
限位置又は下限位置にある時は、足の踏力を下方向きに
ペダルに伝達することは容易ではなく、下向きの力がペ
ダルに作用しないし、このことを知っているライダーは
これらの位置では踏力を意識して零にする。 【0047】即ち、上限位置と下限位置は、作用力又は
トルク(半径一定であるから、作用力とトルクは自転車
の推進力に関しては同義即ち比例関係にある)の上死点
と下死点にそれぞれに相当する。ライダーは、両側のペ
ダルが水平方向にある場合にどちらか一方即ち前方のペ
ダルに瞬時的に踏力を及ぼすように踏み込む。 【0048】一方のペダルに踏力が作用する位相は、1
周期内でπ/2〜3π/2の範囲にあり、踏力が最大に
なる位相はπの近傍にある(ペダルの回転方向を正とし
上限位置をπ/2とし、クランク軸の中心線上に原点を
設定し、自転車と一体に運動する共動座標系で記述)。 【0049】左右のペダルの位相は、180度ずれてい
る。図5は、左右のペダルのトルクの合成である。トル
クが最大値になるクランク軸の回転位置は、クランク軸
の1回転中に2つある。トルクが最小値になるクランク
軸の回転位置は、クランク軸の1回転中に2つある。最
大値になる回転位置と最小値になる回転位置の位相差
は、π/2である。 【0050】次に、図6に示すフローチャートを参照し
て、マイクロコントローラ41の動作を説明する。制御
パネル15の電源オン・オフボタン31を押し(ステッ
プ1)、次に、自動モード選択ボタン33か手動モード
選択ボタン35かのいずれかを押す(ステップ2)。自
動モードが選択されておれば(ステップ3)、RAM4
5、ROM47よりプログラム、設定値データが、CP
U43に入力される(ステップ4)。 【0051】設定値データは、後述する最低値のトル
ク、タイマーの遅延時間ΔT等である。トルクセンサ4
0は、短い時間間隔でトルクの絶対値を検出する。トル
クの絶対値は、A/D変換器によりデジィタル化され、
時間座標軸上の定間隔時間の関数として、マイクロコン
トローラ41のCPU43に直接に又は間接に入力され
る。CPU43は、トルク関数の微分値を常時演算す
る。 【0052】トルク関数の微分係数が、設定値よりも小
さくなり(ステップ5)、かつ、そのときのトルクの値
が設定トルクTQよりも小さい場合には(ステップ
6)、CPU43内で、変速動作許可信号が発信される
(ステップ7)。この信号は、この発信信号と下記信号
のアンド回路に相当する部分プログラムにデータとして
入力される。 【0053】CPU43内の他のプログラムは、変速動
作条件を満たすかどうかの判断を常時行っている。変速
動作条件は、現実の自転車の速度、現実の変速段数、ク
ランクの回転速度などから割り出されている。この条件
は、本発明の主題でないので説明されない。変速動作条
件が整っておれば、変速動作条件信号が出される。 【0054】前記変速動作許可信号と変速動作条件信号
が同じ時間帯(狭い時間帯として設定されている)にあ
れば(ステップ8)、マイクロコントローラ41から前
後のサーボ機構に動作信号が通信され、前方駆動手段2
5及び後方駆動手段27が駆動される。所定の段数位置
まで、前方ディレーラ21及び後方ディレーラ23が同
期して動作し、変速動作が完了する(ステップ9)。こ
の変速動作があった時からΔT秒間は、次の変速動作は
行われない。モードが変更されていないならば、次の変
速許可条件が探られる。 【0055】本発明による変速段位切換を許可する許可
条件は、次に述べる実施形態に含まれる。即ち、一方の
ペダルが上死点の近傍にあり、即ち、同時に他方のペダ
ルが下死点の近傍にある時には、変速段位切換を許可す
る許可条件が整っていることになる。この条件の検出
は、クランクの回転角度位置を検出するだけでよい。ト
ルクが零でない場合は、クランクの回転位置に対応する
後輪のの回転位置を検出することにより、クランクの回
転位置を検出することができる。一方のクランクに磁石
を取り付け、そのクランクが上死点の近傍又は下死点の
近傍にあることは、フレーム固定した4回転位置の4体
の磁気センサーにより検出することができる。例えば、
クランク軸と同軸の円周上で、前記座標系において、例
えば、75度、115度、255度、295度の4回転
位置に4体の磁気センサーを配置することにより検出す
ることができる。 トルク検出装置の参考実施形態 図7,8,9は、トルク検出装置又は踏力検出装置を示
している。トルク検出装置の詳細な構造は、特願平8−
40425号明細書に詳しく説明されている。本発明に
適用されるトルク検出装置は、この先行装置が僅かに変
更されている。その変更の骨子は、トルクの連続検出に
ある。図7,8,9は、本発明の理解に必要な程度に簡
略化して、即ち、その原理を抽出して先行装置を示して
いる。このような速度の微分によらずに足の踏力を直接
に検出する手段の説明は本発明の理解を助ける。まず、
その意義を次に数式表現により具体的に説明する。 【0056】自転車の加速度をAで表し、自転車の車体
とライダーの体重などを合計した質量をMで表し、自転
車に働く外力をGで表し、クランク軸に作用するトルク
を半径で割った値即ち踏力(例えば、ペダルがクランク
軸と同じ高さ位置にある時の踏力に限定して考える)を
Fで表すと、自転車の運動は次の運動の微分方程式によ
り表される。自転車がその上を走行する直線の座標をR
で表す。 【0057】M・R(・・)=−M・G+kM・F 括弧()の中の2つの点は、時間に関する2階微分を表
現している。右辺第2項は、ライダーと自転車との間の
関係では内力であるから、踏み力によっては自転車に加
速度は生じないはずであるが、たまたま車輪を介して地
球の地面に接する自転車にとっては、この右辺第2項は
外力である。従って、上記式が成立する。 【0058】右辺第2項で表されている正の踏力が零で
なくても、右辺第1項が負であれば、左辺が零になる場
合があることを示している。逆にいうと、このように零
になる場合には、踏力が正の値であっても、自転車は動
かない場合がある。このような場合であっても、トルク
検出装置51は右辺第2項の値を常に正の値として検出
できることを以下に説明する。 【0059】図7,8,9,に示すように、クランク軸
121と同軸に第1トルク検出用兼動力伝達アーム15
3が取りつけられている。第1トルク検出用兼動力伝達
アーム153はクランク軸121に固定されている。即
ち、第1トルク検出用兼動力伝達アーム153は、クラ
ンク軸121に完全に同期して回転する。 【0060】前方スプロケット軸155が、クランク軸
121に同軸に外装されている。駆動スプロケット12
7は前方スプロケット軸155に同軸に固定されてい
る。前方スプロケット軸155に一体に、第2トルク検
出用兼動力伝達アーム157(円筒状体に形成されてい
る)が形成され設けられている。 【0061】図8に示すように、第2トルク検出用兼動
力伝達アーム157の回転方向aに後方の部分から軸方
向bに突出する突出部分159が、第2トルク検出用兼
動力伝達アーム157にその一部として形成されてい
る。第1トルク検出用兼動力伝達アーム153の外端部
153aの回転方向に後方の後方面161は、突出部分
159の前端面163に、概ね常時、面接触している
(後述)。外端部153aの前面(回転方向aに前方の
面)は、斜面165に形成されている。 【0062】トルク検出用移動体167が、摺動自在に
第2トルク検出用兼動力伝達アーム157中に設けられ
ている。トルク検出用移動体167は、鍔169を備え
ている。鍔169は、第2トルク検出用兼動力伝達アー
ム157内に形成されている空洞171の内面173に
案内され摺動することができる。 【0063】トルク検出用移動体167は軸方向bに僅
かに移動(変位)する。鍔169と第2トルク検出用兼
動力伝達アーム157の内壁面との間に、コイルスプリ
ング175が介設されている。コイルスプリング175
のばね定数は、非常に大きい。即ち、トルク検出用移動
体167の変位量は僅かである。 【0064】トルク検出用移動体167の外側端面は、
対向斜面177に形成されている。斜面165は、後述
する付勢力により、対向斜面177に常時面接触してい
る。トルク検出用移動体167の移動方向にトルク検出
用移動体167の内側端面が対向する位置に、図7に示
すように、位置検出センサー179がトライアングル・
フレームに固定されている。 【0065】位置検出センサー179は、自己に対する
トルク検出用移動体167の位置即ち自己とトルク検出
用移動体167との間の距離を検出することができる近
接センサーである。この近接センサーは、トルク検出用
移動体167の回転周面に対向して輪面状の1次元セン
サーとして構成することができる。 【0066】クランクを正の方向に前方スプロケット軸
155即ち第2トルク検出用兼動力伝達アーム157に
対して相対的に回転させると、外端部153aが、図8
で方向aに正方向に変位する。斜面165に接する対向
斜面177を有するトルク検出用移動体167は、斜面
165が受けるコイルスプリング175の付勢力に抗し
て方向bに内側方向に変位し、トルク検出用移動体16
7と位置検出センサー179との間の距離が短縮する。 【0067】その短縮長さをΔLで表し(コイルスプリ
ング75は踏み力が零の場合自然長に延びきっているも
のとする)、ばね定数をjで表すと、 F=j・ΔL 位置検出センサー179の変位量ΔLの検出から、踏力
Fを計算により求めることができる。この踏力Fは、自
転車が停止している場合でも、風圧が受けている場合で
も、登り・下りの坂道にいる場合でも、どのような外的
条件に関係せず、自転車と人との間の内部の力として絶
対的に検出されている。 【0068】以上の説明は、前記先行装置の原理的な骨
子に関してである。本発明に適用されるトルク検出装置
は、次のように改良することができる。前記構造により
移動するトルク検出用移動体167を3体120度間隔
で第2トルク検出用兼動力伝達アーム157に設け、3
体のトルク検出用移動体167にリング181を同軸に
取り付ける。更に、位置検出センサー179を120度
間隔でトライアングル・フレーム7に同一平面上に取り
つけ、3体の位置検出センサー179が検出するトルク
の値を平均化することができる。 【0069】このように改造すると、トルクに比例して
3体の第2トルク検出用兼動力伝達アーム157が同一
位相で軸方向に移動する。リアルタイムで連続的に移動
する第2トルク検出用兼動力伝達アーム157と近接セ
ンサーであるトルクセンサー79との間の近接距離は、
リアルタイムで連続的に検出される。この連続値のアナ
ログ信号は、ラッチ回路によりリアルタイムでマイクロ
コントラーラにデジタル化されて入力される。 【0070】図10は、図7,8,9に示したトルク検
出装置と同じ装置を右足側に移動させた他の実施形態を
示している。即ち、第2トルク検出用兼動力伝達アーム
157は、右側に移行している。駆動スプロケット12
7は、第2トルク検出用兼動力伝達アーム157に同軸
に直接固定することができる。 【0071】坂道の勾配が大きい場合、道路面の凹凸、
起伏が激しく繰り返されるような道路環境が激しく変化
するような場合には、自動変速制御が有効であることは
事実であるが、場合により、例えば、ライダーの熟練の
度合によっては、手動モードに切り換えてより適切に制
御することも好ましい。
【図面の簡単な説明】 【図1】図1は、本発明の自転車の変速制御装置が適用
される自転車の実施形態を示す正面図である。 【図2】図2は、制御パネルを示す平面図である。 【図3】図3は、変速制御のハードを示すロック図であ
る。 【図4】図4は、トルクの変動を示すグラフである。 【図5】図5は、合成トルクを示すグラフである。 【図6】図6は、変速制御のソフトを示すフローチャー
トである。 【図7】図7は、トルク検出装置の適用例を示す正面断
面図である。 【図8】図8は、図9のVIII−VIII線の断面図である。 【図9】図9は、図8の左側面図である。 【図10】図10は、トルク検出装置の他の適用例を示
す正面断面図である。 【符号の説明】 7…トライアングルフレーム 15…制御パネル 17…前方ギア群 19…後方ギア群 21…前方ディレーラ 23…後方ディレーラ 25…前方駆動手段 27…後方駆動手段 41…マイクロコントローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62M 9/12

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】運転者の踏力によりクランク軸(121)
    と駆動スプロケット(127)との間に作用する回転ト
    ルクを検出するトルク検出手段(151)と、 前記クランク軸(121)と後輪との変速比を変更する
    ための変速機構(21,23)と、 前記変速機構(21,23)の変速比を変更させるため
    に、前記変速機構(21,23)を変速駆動する駆動手
    段(25,27)と、 前記トルク検出手段(151)からの検出信号を入力
    し、前記駆動手段(25,27)により前記変速機構
    (21,23)の変速動作をさせる制御手段(41,5
    7,59)とを有し、 前記クランク軸(121)と前記駆動スプロケット(1
    27)とは、回転方向に所定量だけ相対移動可能に設け
    られており、 前記トルク検出手段(151)は、 前記クランク軸(121)と前記駆動スプロケット(1
    27)との相対移動をクランク軸方向の移動に変換して
    移動する移動体(167)と、 前記移動体(167)をクランク軸方向に付勢するばね
    (175)と、 前記移動体(167)と一体に固定された環状体(18
    1)と、 前記クランク軸(121)に固定され、前記移動体(1
    67)の端部に当接し前記移動体(167)をクランク
    軸方向に移動させる傾斜面(165)が設けられた伝達
    部材(153)と、 前記環状体(181)のクランク軸方向の位置をクラン
    ク軸方向から検出する近接センサー(179)とを備え
    たものであり、 前記制御手段(41,57,59)は、前記トルク検出
    手段(151)によって検出される回転トルクが所定の
    設定トルクよりも小さい場合に、前記変速機構(21,
    23)の変速動作をさせるものである自転車の変速制御
    装置。
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