JP3373019B2 - 半導体ウエハ気相処理装置 - Google Patents

半導体ウエハ気相処理装置

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JP3373019B2
JP3373019B2 JP31686593A JP31686593A JP3373019B2 JP 3373019 B2 JP3373019 B2 JP 3373019B2 JP 31686593 A JP31686593 A JP 31686593A JP 31686593 A JP31686593 A JP 31686593A JP 3373019 B2 JP3373019 B2 JP 3373019B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体ウエハ気相処理
装置に関し、特に半導体ウエハ等の試料表面層に存在す
る不純物等の微量物質を超高感度で抽出し、半導体ウエ
ハの表面のSiO2 膜をエッチングし、または表面洗浄
を行なう半導体ウエハ気相処理装置に関する。
【0002】半導体製造技術においては、半導体集積回
路の大規模化と共に超微細加工が進み、半導体装置の構
成要素である酸化膜、窒化膜等の品質を高精度に制御す
ることが要求されている。また、半導体装置の構成要素
であるSiO2 膜の品質を高精度に保ちつつ、安定した
速さでエッチングすることが要求されている。
【0003】
【従来の技術】たとえば、半導体上の絶縁膜の特性は不
純物の混入によって低下する。アルカリ金属や重金属分
子が混入すると、絶縁性が損われる。また、不純物イオ
ンは電界が印加されると絶縁膜中をドリフトし、界面や
欠陥部位に偏析して素子特性を低下させ、時には集積回
路の機能を失わせる。
【0004】勿論、不純物汚染の問題は絶縁膜だけにと
どまらない。半導体ウエハの加工プロセスにおいて、表
面層に付着した不純物分子は拡散やドリフトによって半
導体内部に進入し、半導体装置の特性を低下させる。技
術の進歩につれて、従来は実用上問題視されなかった極
微量の混入不純物も問題となってきた。
【0005】極微量の不純物を制御するためには、その
経路や影響を特定化するためにも極微量の不純物の検出
が必要である。半導体ウエハ上に形成された酸化膜や窒
化膜等の絶縁膜に含まれる微量不純物を抽出する手段と
して、従来超高純度試薬による絶縁膜の溶解が行われて
いた。
【0006】しかし、市販の精製試薬中への溶解による
抽出では、十分な感度を得ることが困難になってきた。
さらに、高い感度で不純物抽出を行なう有効な方法とし
て、精製試薬の蒸気を利用する方法が開示されている。
【0007】図9は、特開昭60−69531号に開示
されている試薬の自然蒸発を利用した気相分解による不
純物抽出装置の構成断面図である。図9において、密閉
状態の耐蝕性容器71内に、被験体である半導体ウエハ
72が垂直に配置されている。半導体ウエハ72の表面
には、絶縁膜73が形成されている。半導体ウエハ72
はたとえばSiウエハ、絶縁膜73はたとえばSiO2
膜である。
【0008】容器71内の別の場所には、耐蝕性の試薬
容器74に高純度の液状試薬75、たとえば弗酸が収容
されている。容器71内面および内部構造は、テトラフ
ルオロエチレン等の耐酸性材料で形成されている。試薬
容器74は、上部が開放されており、液状試薬75は自
由に蒸発することができる。
【0009】容器71が密封されているので、自然蒸発
した試薬蒸気76は容器71内に閉じ込められ、有孔隔
壁79を介して絶縁膜73表面に達する。この結果、た
とえば、SiO2 が弗酸蒸気でエッチングされる。Si
2 膜中に含有されていた不純物は弗酸水溶液の液滴7
7中に溶ける。
【0010】被験体は垂直保持されているので、液滴7
7は下に落ちて液滴溜78に蓄えられる。この液滴を採
取して、たとえば原子吸光分析を行うことにより、不純
物濃度を同定することができる。
【0011】この方法によれば、試薬容器74から室温
で自然蒸発した試薬蒸気76中に含有される不純物濃度
は極めて低くなる。したがって、測定のバックグランド
が低くなり、被験体の絶縁膜中の不純物濃度を極めて高
感度で測定することができる。たとえば、Fe濃度を
5.5×10-10 g/cm2 の精度で検出することがで
きると記載されている。その後の進歩によれば、測定濃
度はさらに高くなっている。
【0012】この方法は高精度であるが、常温での試薬
の自然蒸発を利用しているので、試薬蒸気供給量が低
く、不純物抽出、すなわちSiO2 膜の溶解に比較的長
い時間がかかる。
【0013】また、この方法は、液滴の自然落下を利用
しているので、液滴が落下するのに十分な液滴の成長が
必要である。そのため、分析に必要な量の液滴を回収す
るためには、長時間を要する。また、最初に生成した液
滴のみの分析で十分であるにもかかわらず、必要以上の
液量を採取することになる。
【0014】SiO2 膜の溶解時間を短縮するために、
液状試薬を加熱する方法、およびキャリアガスでバブリ
ングする方法等が提案されている。しかし、加熱やバブ
リングを行なうと、蒸発する試薬蒸気に高い運動エネル
ギーが与えられ、単独の試薬分子のみでなく、径数10
μmを越えるようなミストが発生する。一般的に大きな
ミストに包まれると、試薬中のFe等の不純物も蒸発す
る。
【0015】言い換えれば、加熱やバブリングで試薬を
蒸発すると、静かな自然蒸発で得られる高純度が失われ
る可能性が強い。さらに、試薬蒸発温度が高い場合は、
試薬と絶縁膜との反応生成物が液滴の形をとらず、乾燥
する傾向にある。乾燥した反応生成物を回収するには、
液体に溶解する等の方法が必要であり、抽出精度は回収
液の純度に左右される。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】このような超高感度不
純物抽出方法において、図9の試薬の自然蒸発法は、バ
ックグランド不純物濃度を非常に低水準に抑制できる
が、試薬蒸気圧が低く、不純物の抽出に時間がかかる。
また、液滴の自然落下を利用しているため、自然落下す
るのに十分な量の液滴の成長を必要とし、この点でも長
時間を必要とする。
【0017】本発明の目的は、素早くかつ高純度で半導
体ウエハ上の絶縁膜を溶解する半導体ウエハ気相処理装
置を提供することである。本発明の他の目的は、試料上
に生成した液滴を、自然落下させる必要なく、まわりの
空気にも汚染される危険性少なく、極めて高純度な状態
で生産性よく回収することのできる気相処理装置を提供
することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の気相処理装置
は、液状試薬を収容する試薬容器の開口を覆うことので
きる疎水性多孔質膜を含むフィルタ部材と、前記試薬
器の内部を加熱するための加熱手段と、試料を保持し冷
却するための冷却槽を少なくとも2個以上含む試料ホル
ダと、前記試料ホルダを収容する反応容器と、前記試薬
容器の開口上の前記フィルタ部材と、前記反応容器とを
接続し、前記試薬容器から前記フィルタ部材を介して供
給される蒸気を試料上に供給するためのガス供給系と
前記反応容器内に収納された試料の表面に高純度不活性
ガスを吹き付け、表面に付着した液滴を表面下部に集め
るためのノズルとを含む。また、前記試料ホルダは、さ
らに、少なくとも2個以上の前記冷却槽を所定の間隔で
保持するための冷却槽架台を含んでもよい。
【0019】前記冷却槽の内部には、冷却水を巡回させ
るための空洞が設けられており、前記冷却槽架台の内部
には、前記空洞に冷却水を供給するための冷却水供給路
と、前記空洞から冷却水を排出するための冷却水排水路
とが設けられており、さらに、前記反応容器の外部か
ら、前記冷却水供給路に冷却水を導入するための冷却水
導入手段と、前記冷却水排水路から前記反応容器の外部
に冷却水を排出するための冷却水排出手段とを含んでも
よい。
【0020】前記冷却槽には、その表面に試料を真空吸
引して密着固定させるための真空保持手段を設けてもよ
い。さらに、前記冷却槽架台の内部には、前記真空保持
手段に接続され、前記真空保持手段の内部を真空排気す
るための真空吸引路が設けられており、前記真空吸引路
内を真空排気し、排気を前記反応容器の外部へ導出する
ための真空吸引手段を含んでもよい。
【0021】前記反応容器内に収容された試料表面に純
水を噴射するためのシャワーノズル、さらに、前記反応
容器内に収納された試料の表面に付着した液滴を飛散さ
せ乾燥させるためのジェットノズルを含んでもよい。
【0022】さらに、他の液状試薬を収容する他の容器
の開口を覆うことのできる他の疎水性多孔質膜を含む他
のフィルタ部材と、前記他の容器の内部を加熱するため
の他の加熱手段と、前記他の容器の開口上の前記他のフ
ィルタ部材と、前記反応容器とを接続し、前記他の容器
から前記他のフィルタ部材を介して供給される蒸気を試
料上に供給するための他のガス供給系とを含んでもよ
い。
【0023】前記試料ホルダは、試料の所定の表面積部
分のみを露出し、他の部分を覆って、試料を前記冷却槽
の表面に密着して固定するための試料保持手段を含んで
もよい。
【0024】
【作用】フィルタ部材を通して試料表面に供給すること
により、高純度の試薬蒸気を供給することができる。ま
た、薬液を加熱するため、自然蒸発させる場合に比べて
多量の試薬蒸気を供給し、気相分解速度を増加させるこ
とができる。
【0025】さらに、試料を冷却することにより試料表
面に液滴が生成する。このため、弗酸ガスでSiO2
を分解する際には、試料表面に触媒として作用する水が
存在するため分解速度を上昇することができる。同時
に、気相分解生成物を乾燥することなく、液滴状態のま
ま回収することができるため、分解生成物回収用の溶媒
を必要とせず、高い感度で不純物抽出を行うことができ
る。
【0026】また、液滴を回収する際に、試料表面に不
活性ガスを吹き付け液滴を合体させるためのノズルを反
応容器内に設けることにより、外気による再汚染を防止
することができる。
【0027】また、試料表面の洗浄、あるいはエッチン
グを行う際には、試料を真空吸引して密着固定すること
により、表面全体を試薬蒸気にさらすことができる。こ
のため、表面全体を効果的に洗浄、あるいはエッチング
することができる。さらに、気相分解後に、反応容器内
で純水によるリンス、及び不活性ガス吹き付けによる乾
燥をおこなうことにより、不純物が試料表面に再付着す
ることを防止することができる。
【0028】さらに、薬液の精製ガス発生器を複数組設
けることにより、2種類以上の試薬蒸気を使用すること
ができる。例えば、SiO2 膜の分解に際し、弗酸ガス
と塩酸ガスを使用することにより、金属不純物をより効
率的に除去することが可能になる。
【0029】反応容器中に複数の冷却槽を収納すること
ができるため、複数枚の試料を同時に気相分解すること
ができる。このため、微量物質の抽出、試料表面の洗
浄、またはエッチングを生産性よく行うことができる。
【0030】
【実施例】図1は、本発明の第1の実施例による気相処
理装置の基本構成を示す。本装置は、基本的に図の右側
に示す超高純度の精製ガス発生器と、図の左側に示す試
料を収容し精製ガスを試料と反応させ、試料表面の誘電
体膜を分解する反応容器16と、図の中央に示す排ガス
処理容器10とに分割される。
【0031】図1において、開口1を有する容器2は、
液体状の試薬3を収容する。開口1の上には、疎水性多
孔質膜4が配置され、開口1を覆う。容器2の近傍に
は、加熱手段5が配置され、容器2の内部を加熱するこ
とができる。容器2内の試薬3は、加熱されて蒸発量を
増大させる。
【0032】このようにして発生した試薬蒸気は、疎水
性多孔質膜4を通ってガス供給系8に供給される。試薬
蒸気が疎水性多孔質膜4を通過する際に、試薬蒸気中に
含まれる粒径の大きなミストは遮断される。疎水性多孔
質膜4は、たとえば径40μm以下の小孔を多数含むテ
トラフルオロエチレン膜で形成され、径40μm以上の
親水性液滴の通過を遮断する。
【0033】試薬3中の不純物は、加熱によって大きな
粒径のミストに包まれて蒸発するが、疎水性多孔質膜4
で遮断されることにより、ガス供給系8には到達しな
い。したがって、疎水性多孔質膜4を通過してガス供給
系8に供給される試薬蒸気は高純度のものとなる。な
お、疎水性多孔質膜4で開口1全てを覆わず、疎水性多
孔質膜を有するフィルタ部材を形成し、フィルタ部材で
開口1を覆ってもよい。
【0034】前記容器2と同様の他の容器、前記疎水性
多孔質膜4と同様の疎水性多孔質膜を含む他のフィルタ
手段および前記加熱手段5と同様の他の加熱手段を有す
る他の精製ガス発生器を、ガス供給系8に接続してもよ
い。
【0035】複数個の精製ガス発生器をガス供給系8に
接続することにより、1つの精製ガス発生器の試薬が少
なくなっても他の精製ガス発生器に切替えることによ
り、連続して気相分解を行うことができる。また、他の
種類の試薬を収容する精製ガス発生器を異なるガス供給
系または同じガス供給系を介して反応容器16に接続し
てもよい。
【0036】ガス供給系8の反応容器16側は、3本の
配管に分岐しており、バルブV5を介して反応容器16
に開口している。このように、3個の開口部から反応容
器16内に試薬蒸気を導入することにより、後に述べる
ように、試料表面にほぼ均一に試薬蒸気を供給すること
ができる。
【0037】また、冷却水導入手段21a及び冷却水排
出手段21bが反応容器16の側壁を貫通して、内部に
収容される試料ホルダに接続されている。冷却水導入手
段21aから試料を冷却するための冷却水が供給され、
冷却水排出手段21bから排出される。
【0038】反応容器16には、バルブV2、配管12
を備えた排気系が備えられており、試料との反応を終え
た試薬蒸気等は配管12を通って排ガス処理容器10中
の排ガス処理液9中にバブリングする。
【0039】酸等の試薬を用いた際には、排ガス処理液
としてアルカリ性溶液を用い、バブリングによって酸性
試薬を中和する。このように処理された排ガスは、無害
なものとなって配管13から外部に排出される。
【0040】試薬3を収容する容器2側においても、ガ
ス供給系8には配管11および14が、それぞれバルブ
V1およびV3を介して接続されている。配管11は、
排ガス処理容器10中の排ガス処理液9中に導入され、
試薬蒸気が供給される場合は、排ガス処理液9中をバブ
リングさせる。
【0041】また、配管14は不活性ガス等のキャリア
ガスを導入することができる。容器2中の試薬3を加熱
して蒸発させると共に、配管14からキャリアガスを導
入することにより、所望の濃度の試薬蒸気を反応容器1
6に供給することができる。
【0042】なお、ガス供給系8は、容器2と共にその
全体を所望温度に保持することが望ましい。このように
して、加熱手段5による加熱によって発生した試薬蒸気
を液化することなく、ガス供給系8を通して反応容器1
6に供給することができる。
【0043】反応容器16においても、配管12の他に
ガス導入手段15がバルブV4を介して接続されてい
る。ガス導入手段15は、不活性ガス等のガスを反応容
器16内に導入し、反応容器16内をパージするために
用いられる。
【0044】疎水性多孔質膜4上部のガス供給系8に
は、液体を排出するためのドレイン19aおよびバルブ
V7aが接続されている。また、反応容器16の下部に
は、ドレイン19およびバルブV7が接続されている。
【0045】図2は、円筒状の反応容器16の円筒の中
心軸を含む断面を示す。反応容器16は、円筒状の側壁
16a、及び円筒状側壁16aの一方の開口部に蓋をす
るようにはめ込まれて固定された固定蓋16b、他方の
開口部にネジ切りによってはめ込まれた取り外し可能な
蓋16cとを含んで構成されている。蓋16cを閉じた
状態では、蓋16cと側壁16aとの接合部に設けられ
たテフロンパッキンにより、気密性が保たれている。
【0046】側壁16aの上部には、3個のバルブV5
を介してガス供給系8が所定の間隔で開口しており、反
応容器16内に試薬蒸気を供給することができる。ま
た、側壁16aの下部には、バルブV7を介してドレイ
ン19が設けられており、反応容器16内部に溜まった
液体を排出することができる。
【0047】蓋16cを取り外したとき、内部に溜まっ
た液体が開口部から溢れないようにするために、側壁1
6aの蓋16c側内面17は、液体がドレイン19に向
かって流れるようにテーパ状に形成されている。
【0048】固定蓋16bのほぼ中央部には、バルブV
2を介して配管12が接続されており、反応後の試薬蒸
気を排出することができる。また、側壁16aには図2
には示さないが、後に図3(A)で説明するようにバル
ブV4を介してガス導入手段15が開口しており、窒素
ガスを反応容器16内に導入することができる。
【0049】反応容器16の内部には冷却槽架台25及
び2個の冷却槽24を有する試料ホルダ18が収納され
ている。冷却槽架台25は、その底面が反応容器の円筒
状側壁16aの内面にほぼ密着するように載置されてい
る。この際、冷却槽架台25が円筒状側面に沿って回転
しないようにするために、円筒状側壁16aの内面に沿
って中心軸方向に設けられた冷却槽架台固定レール23
と、冷却槽架台25の底面の長さ方向に設けられた溝と
が嵌合するように載置される。
【0050】冷却槽架台25の上面には、外周が八角形
であり、その両面に半導体ウエハを密着して保持するこ
とができる冷却槽24が、両面が円筒軸方向に対して垂
直になるように所定の間隔で固定されている。冷却槽
は、反応容器16内の所定位置に収納したとき、ガス供
給系8の開口部から導入された試薬蒸気が半導体ウエハ
表面に効率的に供給されるように、それぞれの開口部の
中間に位置するように配置することが好ましい。
【0051】冷却槽架台25の内部には、冷却水を流す
ための冷却水供給路26a及び図示しない冷却水排水路
26bが設けられている。冷却水供給路26a、冷却水
排水路26bは、冷却槽架台25の一方の端面に開口し
ており、冷却水供給路26aは冷却水導入手段21a
に、冷却水排水路26bは図示しない冷却水排出手段2
1bに接続されている。
【0052】冷却水導入手段21a、及び冷却水排出手
段21bは、固定蓋16bを貫通して反応容器16の外
部に導出されている。貫通部では、締めリング28a、
28bによって、それぞれ冷却水導入手段21a及び冷
却水排出手段21bを締めつけることにより気密性が保
たれる。また、締めリング28a、28bを緩めること
によって、冷却水導入手段21a及び冷却水排出手段2
1bは、貫通部を通して図中左右に移動することができ
る。
【0053】反応容器の蓋16cを取り外し、締めリン
グ28a、28bを緩めることにより、試料ホルダ18
を反応容器16の外部に取り出すことができる。冷却槽
架台25の取出口側の端面には、取り出しを容易にする
ための把手27が設けられている。
【0054】冷却水供給路26a、冷却水排水路26b
は、共に冷却槽24の中に設けられた空洞に開口してい
る。冷却水導入手段21aから供給された冷却水は冷却
水供給路26aを経由して冷却槽24中の空洞に導かれ
る。さらに、冷却槽24中の空洞に導かれた冷却水は冷
却水排水路26bを経由して冷却水排出手段21bに導
かれ、反応容器16の外部に排出される。
【0055】図3(A)は、反応容器16の中心軸と垂
直な断面、図3(B)は、冷却槽24を反応容器16に
収納したときの中心軸を含む断面を示す。反応容器16
は、支持台35によって支持されている。冷却槽16の
側壁16aの上部からややずれた位置にバルブV4を介
してガス供給手段15が開口しており、反応容器16内
に窒素ガスを導入することができる。冷却槽架台25
は、前述のように冷却槽架台固定レール23と嵌合する
ように側壁16aの内面に密着して載置されている。
【0056】冷却水供給路26aは、冷却槽24の内部
に形成された円形の空洞31の下部に開口しており、空
洞の下部から冷却水が供給される。空洞31の上部に
は、冷却水路26cの一端が開口しており、空洞31内
を通ってその他端が冷却水排水路26bに接続されてい
る。空洞31内に供給された冷却水は、上部まで満たさ
れると、冷却水路26c及び冷却水排水路26bを経由
して外部に排出される。
【0057】冷却槽24の両面には、ウエハ受け板36
が設けられており、冷却槽の両面とウエハ受け板36と
の間には、上部から半導体ウエハ33を挿入し円形空洞
とほぼ同心円となる位置に保持するように間隙が形成さ
れている。ウエハ受け板36には、半導体ウエハ33を
所定位置に保持したとき、半導体ウエハ33と同心円と
なる位置に半導体ウエハの直径よりも小さい円形の穴3
2が開けられている。
【0058】円形の穴32の内側面には、ネジ山が形成
されており円環状のウエハ押さえ30がはめ込まれる。
ウエハ押さえ30の外側面は、2段の階段状でありその
小径部の外側面に円形の穴32にはめ込むためのネジ山
が形成されている。ウエハ押さえ30を円形の穴32に
はめ込むことにより、半導体ウエハ33を冷却槽24の
ウエハ保持面に密着するように固定することができる。
【0059】冷却槽24の両面とウエハ受け板36の間
の間隙は、冷却槽蓋34によって密閉される。このよう
にして、半導体ウエハ33を固定することにより、ウエ
ハ表面のうちウエハ押さえ30の内周に沿った円形部の
内側のみが試薬蒸気にさらされることになる。これによ
り、不純物濃度を分析するためのウエハ表面の面積が画
定される。
【0060】本実施例で使用した半導体ウエハは直径6
インチのものであり、ウエハ受け板36の円形の穴32
の直径は14cm、ウエハ押さえ30の内径は13c
m、ネジ切り部の外径は14cm、最大外径は16c
m、反応容器16の内径は22cmである。
【0061】冷却槽24の内部に形成された円形空洞3
1の直径は約13cm、厚さは1cmであり、冷却槽表
面と空洞との間の壁の厚さは、約2mmである。冷却水
供給路26a、冷却水排水路26b、冷却水路26cの
内径は約6mm、冷却槽表面とウエハ受け板との間に形
成された間隙は3mm、ウエハ押さえ30のネジ切り部
の厚さは10mm、最大外径部の厚さは7mmである。
【0062】次に、上記の気相処理装置を使用して半導
体ウエハ表面の微量物質を検出する方法について説明す
る。表面に1000Åの熱酸化SiO2 膜を形成した4
枚のシリコンウエハを、冷却槽24の両面に保持して、
ウエハ押さえ30で締めつけて固定する。冷却槽24に
冷却槽蓋34を被せて試料ホルダ18を反応容器16内
の所定位置に収納する。締めリング28a、28bを締
め、反応容器蓋16cを取り付けて反応容器16内を密
閉状態にする。バルブV4及びV2を開け、ガス導入手
段15から高純度窒素ガスを導入し、反応容器16内を
窒素雰囲気にする。冷却水を流し、冷却槽24の温度を
7℃とする。
【0063】濃度38重量%の弗酸水溶液が収容されて
いる容器2を加熱手段5によって80℃に加熱する。弗
酸水溶液の濃度を38重量%としたのは、この濃度のと
きに共沸混合物となり、蒸発による弗酸水溶液の濃度変
化を防止できるためである。バルブV1及びV3を開
け、ガス導入手段14からキャリアガスとして高純度の
窒素ガスを毎分0.7l流しながら定常状態にする。
【0064】ガス供給系8及び反応容器16を加熱して
80℃の定常状態にする。バルブV4、V1を閉め、バ
ルブV5を開けて弗酸蒸気、水蒸気及び窒素ガスの混合
ガスを反応容器16内に導入する。半導体ウエハ33表
面のSiO2 膜は弗酸ガスにより分解され、表面には直
径数十μm〜数百μmの微細な液滴が生じる。
【0065】約3時間後に、バルブV5を閉じ、バルブ
V1を開けて混合ガスの供給を停止する。バルブV4を
開けて反応容器16内の残留ガスをパージし、窒素雰囲
気にする。反応容器蓋16cを取り外し、閉めリング2
8a、28bを緩めて試料ホルダ18を開口部の方へ移
動する。
【0066】半導体ウエハ表面の上方より高純度窒素ガ
スを吹き付けて、半導体ウエハ表面に生成した弗酸水溶
液の液滴を露出した半導体ウエハ表面の下部に集める。
半導体ウエハ表面の下部に溜まった不純物を含む弗酸水
溶液の液滴をマイクロピペットで採集する。窒素ガスの
吹き付け及びマイクロピペットでの採集を順次繰り返
し、4枚の半導体ウエハについて液滴を回収する。
【0067】このように回収した液を黒鉛炉偏光ゼーマ
ン原子吸光法により、定量分析した。その結果、Fe、
Al、Ni、Cuの定量下限はそれぞれ6×109 at
ms/cm2 、1×1010atms/cm2 、2×10
10atms/cm2 、6×109 atms/cm2 であ
った。
【0068】このように、試薬を加熱することによっ
て、気相分解の速度を増加させることができ、かつ疎水
性多孔質膜を通過させることによって試薬蒸気を高純度
にすることができる。
【0069】さらに、試料を冷却することで気相分解生
成物を乾燥させることなく、液滴状態で回収することが
できる。液滴回収の際、不活性ガスを吹き付けることに
より、多数の液滴を合体させ、回収を容易にすることが
できる。短時間で回収することによって、液滴の汚染を
軽減することができる。また、同時に4枚のウエハを処
理することができるため、分析効率を向上することがで
きる。
【0070】上記実施例では、冷却槽24の温度、すな
わち半導体ウエハ33の温度を7℃とした場合について
説明したが、半導体ウエハ表面に液滴が生成する温度す
なわち露点以下であればその他の温度でもよい。
【0071】図4は、半導体ウエハの温度を変化させた
場合のSiO2 膜のエッチング速度の変化を示す。横軸
は、半導体ウエハ温度、縦軸はSiO2 膜を10秒間エ
ッチングしたときのエッチングされた膜厚を表す。条件
は、容器2に収容された弗酸水溶液の温度80℃、N2
キャリアガスの流量0.7l/minで行った。半導体
ウエハが7℃のとき、エッチング膜厚は793Åでほぼ
最大値を示し、半導体ウエハ−5℃のとき362Å、2
0℃のとき204Åであった。
【0072】これは、温度を下げると液滴が氷状にな
り、SiO2 と弗酸の反応時に触媒として働く水の供給
が減少するためと考えられる。一方、温度を上昇した場
合は、半導体ウエハ表面の水が乾燥しやすくなり、同様
に水の供給が減少するためと考えられる。図4に示すグ
ラフから、半導体ウエハの温度は、−10℃〜20℃が
望ましく、7℃付近が最適であることがわかる。
【0073】次に、図5を参照して第1の実施例の変形
例について説明する。図5(A)は、反応容器16の円
筒の中心軸を含む断面の一部、図5(B)は、中心軸に
垂直な断面を示す。
【0074】反応容器の側壁16aの試料ホルダ取り出
し口側上部に窒素ガス吹き付け用のノズル38が設けら
れている。ノズル38のガス導入口は側壁16aを貫通
してバルブV8を介してガス導入手段37に接続されて
いる。
【0075】貫通部は、締めリング39によって締めつ
けられ、気密性が保たれている。ノズル38のガス吹き
出し口は複数に分岐しており、また、締めリング39を
緩めることにより、ノズル38を上下に移動することが
できる。これにより、半導体ウエハのほぼ全面にガスを
吹き付けることができる。
【0076】このように、反応容器16内にガス吹き付
け用ノズル38を設けることにより、半導体ウエハを反
応容器16の外部に取り出すことなく液滴を集めて半導
体ウエハ表面下部に溜めることができる。このため、液
滴が外気によって再汚染されることをさらに抑制するこ
とができる。
【0077】次に、図6、図7を参照して本発明の第2
の実施例について説明する。精製ガス発生器は図1に示
す第1の実施例と同様のものである。図6は、第2の実
施例による試料ホルダ18を示す。第1の実施例の冷却
槽と同様に八角形の外周を有する平板状の冷却槽24が
冷却槽架台25の上面に2個固定されている。冷却槽2
4の内部には、円形の空洞31が形成されている。空洞
31には、冷却水供給路26aから冷却水が供給さ
れ、、冷却水路26c、冷却水排水路26bを経由して
排出される。
【0078】冷却槽24の両面には、円形の空洞31の
外周よりもやや外側であって、半導体ウエハを保持した
ときの半導体ウエハ外周よりもやや内側に所定の間隔で
複数個の真空吸引孔41が設けられている。各真空吸引
孔41は、冷却槽24の内部に空洞31の外周を取り囲
むように円環状に設けられた真空吸引路42によって連
絡している。
【0079】真空吸引路42は、冷却槽架台25の内部
に長さ方向に設けられた真空吸引路43に接続されてい
る。真空吸引路43は、冷却水供給路26a、冷却水排
水路26bと同様に、図には示さない真空吸引手段に接
続されており、反応容器16の外部に導出される。
【0080】真空吸引手段によって、真空吸引路43及
び42を真空に吸引することにより、半導体ウエハ33
を冷却槽24の側面に密着固定させることができる。半
導体ウエハ33の位置決めを容易にするために、冷却槽
24の両面の所定位置に半導体ウエハのオリエンテーシ
ョンフラットを乗せるための突起44を設けてもよい。
【0081】このように、真空吸引によって半導体ウエ
ハ33を固定することにより、半導体ウエハ表面の全面
を露出し、処理することができる。図7は、第2の実施
例による反応容器を示す。図7(A)は、中心軸を含む
断面の概略、図7(B)は、中心軸に垂直な断面の概略
を示す。反応容器16は、第1の実施例と同様に円筒状
の側壁16a、固定蓋16b、及び蓋16cを含んで構
成されている。
【0082】固定蓋16bのほぼ中央には、バルブV8
を介して図1に示すガス供給系8が開口しており、反応
容器16内に弗酸ガスを供給することができる。さら
に、中央からややずれた位置に、バルブV4を介してガ
ス導入手段15が開口しており、反応容器16内に残っ
た反応後の試薬蒸気をパージするために窒素ガスを導入
することができる。
【0083】側壁16aの上部には、純水を噴射するた
めの純水シャワーノズル45が、中心軸方向に並んで3
個設けられている。各純水シャワーノズル45は、冷却
槽24を反応容器16内の所定位置に収容したとき、各
冷却槽24に保持された半導体ウエハ33の表面に純水
を効率的に噴射することができるように、冷却槽24が
各シャワーノズル45の間に位置するように配置されて
いる。
【0084】純水シャワーノズル45は、側壁16aを
貫通して、バルブV9を介して純水供給手段46に接続
されている。貫通部は、それぞれ締めリング47によっ
て締めつけられ気密性が保たれている。
【0085】締めリング47を緩めることにより、反応
容器16の内部に純水シャワーノズル45を挿入する深
さを変えることができる。このように、反応容器16内
部で純水シャワーノズル45の挿入深さを変えることに
より、半導体ウエハ33の全面に純水をシャワー状に吹
き付けることができる。
【0086】図7(B)に示すように、側壁16aの、
純水シャワーノズルが設けられている円形断面と同一断
面内で、純水シャワーノズルとは少し離れた位置に、そ
れぞれの純水シャワーノズルに対応してフラットジェッ
トノズル48が設けられている。
【0087】フラットジェットノズル48は、側壁16
aを貫通してバルブV10を介して窒素ガス供給手段4
9に接続されている。貫通部には、純水シャワーノズル
と同様に締めリング50が設けられており、フラットジ
ェットノズル48の挿入の深さを変えることができる。
【0088】フラットジェットノズル48の挿入の深さ
を徐々に深くしながら、半導体ウエハ33の表面に窒素
ガスを吹き付けることにより、半導体ウエハを清浄な雰
囲気のまま乾燥することができる。
【0089】側壁16aの上部には、バルブV2を介し
て配管12が接続されており、反応後の試薬蒸気を排出
することができる。配管12の開口部は、反応容器内に
弗酸ガスを均一に供給するため、ガス供給系8の開口部
からなるべく遠ざけることが好ましい。また、側壁16
aの下部には、第1の実施例と同様にドレイン19がバ
ルブV7を介して接続されている。
【0090】固定蓋16bには、第1の実施例と同様
に、冷却槽24に冷却水を供給するための図には示さな
い冷却水導入手段21a、及び冷却水排出手段21bが
貫通している。さらに、冷却槽に設けられた真空吸引孔
41から真空吸引するため、真空吸引手段51が貫通し
ている。貫通部は、冷却水導入手段等と同様に締めリン
グ52によって気密性が保たれている。
【0091】次に、図6、図7に示す第2の実施例によ
る気相処理装置を用いて、半導体ウエハを洗浄する方法
について説明する。半導体ウエハ表面に厚さ1500Å
の熱酸化SiO2 膜を形成する。SiO2膜を形成した
4枚の半導体ウエハ33を、真空吸引によって冷却槽2
4の両面に密着固定する。第1の実施例と同様に半導体
ウエハを保持した試料ホルダを反応容器16内の所定の
位置に収納し、反応容器16内に弗酸ガスを導入して半
導体ウエハ33の表面に形成されたSiO2 膜を分解除
去する。
【0092】このときの条件は、冷却槽の温度5℃、容
器2内の弗酸水溶液の温度50℃、キャリアガス流量
0.2l/min、及び反応時間約5分である。次に、
反応容器16内の残留ガスを高純度窒素ガスでパージす
る。
【0093】バルブV9を開け、純水シャワーノズル4
5から半導体ウエハ33表面に純水を噴射し、弗酸液滴
を洗い流す。シャワー時間は、約3分である。バルブV
9を閉じ、バルブV10を開けて、フラットジェットノ
ズル48から高純度窒素ガスを吹き付けて半導体ウエハ
33の表面を乾燥する。その後、蓋16cを開けて試料
ホルダを取り出す。
【0094】上記の方法で洗浄した半導体ウエハ表面
は、鏡面を有し、ナノスペックで測定した結果、SiO
2 膜の残膜は認められなかった。また、本実施例で洗浄
した半導体ウエハを第1の実施例に示す方法で不純物測
定を行ったところ、定量限界以上の不純物は検出されな
かった。
【0095】このように、半導体ウエハを露点以下に冷
却し、表面に液滴を生成させながらSiO2 膜を分解す
ることにより、清浄なシリコン表面を得ることができ
る。これは、SiO2 膜の分解中に表面に微細な液滴が
付着しているため、不純物原子が液滴中に溶解し、シリ
コンウエハ表面と再結合する前に洗い流されるためと考
えられる。また、同時に複数枚の半導体ウエハを処理す
ることができるため、生産性よく洗浄を行うことができ
る。
【0096】第2の実施例においては、弗酸ガスでSi
2 膜を分解除去後、直ちに純水洗浄を行なったが、純
水洗浄の前に塩酸ガスと窒素ガスの混合ガスを冷却した
Siウエハ上に供給してもよい。
【0097】塩酸ガスを供給することにより、Siウエ
ハ表面に塩酸の微細な液滴が生じ、CuおよびNi等の
金属元素の除去効果を一層高めることができる。塩酸ガ
スの供給は、弗酸ガスの供給と同時に行なっても同様の
効果がある。
【0098】図8は、弗酸ガスを供給後、あるいは弗酸
ガスと同時に塩酸ガスを供給することのできる第2の実
施例の変形例による気相処理装置の基本構成を示す。図
8に示す気相処理装置は、図1の容器2と同様の他の容
器2b、疎水性多孔質膜4と同様の他の疎水性多孔質膜
4bおよび加熱手段5と同様の他の加熱手段5bを有し
ている。容器2bには、塩酸3bが収容されている。
【0099】疎水性多孔質膜4bの上部は、ガス供給系
8bによって覆われ、ガス供給系8bはバルブV5bを
介して反応容器16に接続されている。弗酸ガス供給用
のバルブV5及び塩酸ガス供給用のバルブV5bは、そ
れぞれ複数個設けられているが、図には簡単のため1個
のみを記載している。反応容器16は、第2の実施例と
同様のものである。容器2bから蒸発した塩酸ガスは、
ガス供給系8bを経由して反応容器16内に供給され
る。
【0100】ガス供給系8bには、配管11bおよび1
4bがそれぞれバルブV1bおよびV3bを介して接続
されている。配管11bは、排ガス処理容器10中に導
入され、塩酸ガスが供給される場合は、排ガス処理容器
10中に導入する。
【0101】また、配管14bは、窒素ガス等のキャリ
アガスを導入することができる。容器2b中の塩酸3b
を加熱して蒸発させると共に、配管14bからキャリア
ガスを導入することにより、キャリアガスに対する所望
の流量比の塩酸ガスを反応容器16内に供給することが
できる。
【0102】なお、必要に応じて、ガス供給系8、8b
内の疎水性多孔質膜上部において、それぞれ液体ドレイ
ン19a、19bを設け、液体が発生したときには、ド
レイン19a、19bから排出することができるように
することが望ましい。
【0103】上記実施例では、塩酸ガスを使用して金属
原子を除去する例について説明したが、硝酸、酢酸、ア
ンモニア等のガス、あるいはこれらの混合ガスを使用し
ても金属原子除去効果を高めることができる。また、半
導体ウエハ表面に付着した有機物を除去するために、洗
浄の前処理として有機物をオゾンにより分解することが
望ましい。
【0104】なお、第2の実施例では、シリコンウエハ
表面に形成された熱酸化SiO2 膜を分解する例につい
て説明したが、CVD法等によって形成されたSiO2
膜、BPSG膜、SiN膜等を分解することも可能であ
る。
【0105】また、図4に示されるように、ウエハ冷却
温度を変えてエッチングレートを変え、上記各種膜の選
択比を変えることもできるであろう。上述の実施例で
は、キャリアガスおよびパージ用ガスとして窒素ガスを
使用したが、窒素ガスに限らず、他の不活性ガスを使用
することもできる。
【0106】また、上記第1及び第2の実施例では、試
料ホルダに冷却槽が2個設けられており、同時に4枚の
半導体ウエハを処理する例について説明したが、冷却槽
の数を増やしてもよい。例えば、冷却槽を5個にする
と、同時に10枚の半導体ウエハを処理することがで
き、さらに生産性を向上することができる。
【0107】以上実施例に沿って本発明を説明したが、
本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種
々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に
自明であろう。
【0108】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
周囲の汚染に影響されることが少なく、微量物質を高精
度に、かつ生産性よく抽出することができる。さらに、
試料表面を、高純度に、かつ生産性よく洗浄またはエッ
チングすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による気相処理装置の全
体の概略図である。
【図2】本発明の第1の実施例による反応容器の断面図
である。
【図3】本発明の第1の実施例による反応容器及び試料
ホルダの断面図である。
【図4】本発明の第1の実施例によるウエハ冷却温度と
エッチング速度との関係を示すグラフである。
【図5】本発明の第1の実施例の変形例による反応容器
の部分断面図である。
【図6】本発明の第2の実施例による試料ホルダの側面
図及び断面図である。
【図7】本発明の第2の実施例による反応容器の断面図
である。
【図8】本発明の第2の実施例の変形例による気相処理
装置の全体の概略図である。
【図9】従来例による気相分解装置の断面図である。
【符号の説明】
1、1b 開口 2、2b 容器 3、3b 試薬 4、4b 疎水性多孔質膜 5、5b 加熱手段 8、8b ガス供給系 9 排ガス処理液 10 排ガス処理容器 11、11b、12、13 配管 14、14b、15 ガス導入手段 16 反応容器 16a 側壁 16b 固定蓋 16c 蓋 17 内面 18 試料ホルダ 19、19a ドレイン 21a 冷却水導入手段 21b 冷却水排出手段 23 冷却槽架台固定レール 24 冷却槽 25 冷却槽架台 26a 冷却水供給路 26b 冷却水排水路 26c 冷却水路 27 把手 28a、28b 締めリング 30 ウエハ押さえ 31 冷却槽空洞 32 穴 33 半導体ウエハ 34 冷却槽蓋 35 支持台 36 ウエハ受け板 37 ガス導入手段 38 ノズル 39 締めリング 41 真空吸引孔 42、43 真空吸引路 44 突起 45 シャワーノズル 46 純水供給手段 47、50、52 締めリング 48 フラットジェットノズル 49 不活性ガス供給手段 51 真空吸引手段 71 容器 72 半導体ウエハ 73 絶縁膜 74 試薬容器 75 液状試薬 76 試薬蒸気 77 液滴 78 液滴溜 79 有孔隔壁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野崎 薫 宮城県黒川郡大和町松坂平1丁目6番地 富士フイルムマイクロデバイス株式会 社内 (72)発明者 加藤 典彦 宮城県黒川郡大和町松坂平1丁目6番地 富士フイルムマイクロデバイス株式会 社内 (56)参考文献 特開 平4−133427(JP,A) 特開 平4−65125(JP,A) 特開 昭62−221412(JP,A) 特開 平4−97526(JP,A) 特開 平4−245431(JP,A) 特開 平4−94534(JP,A) 特開 平3−204930(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/304 H01L 21/306 H01L 21/66 G01N 1/28 G01N 1/32

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液状試薬(3)を収容する試薬容器
    (2)の開口(1)を覆うことのできる疎水性多孔質膜
    (4)を含むフィルタ部材と、 前記試薬容器の内部を加熱するための加熱手段(5)
    と、 試料(33)を保持し冷却するための冷却槽(24)を
    少なくとも2個以上含む試料ホルダ(18)と、 前記試料ホルダを収容する反応容器(16)と、 前記試薬容器の開口(1)上の前記フィルタ部材と、前
    記反応容器とを接続し、前記試薬容器から前記フィルタ
    部材を介して供給される蒸気を試料上に供給するための
    ガス供給系(8)と、 前記反応容器内に収納された試料の表面に高純度不活性
    ガスを吹き付け、表面に付着した液滴を表面下部に集め
    るためのノズル(38)とを含む気相処理装置。
  2. 【請求項2】 前記試料ホルダは、さらに、少なくとも
    2個以上の前記冷却槽を所定の間隔で保持するための冷
    却槽架台(25)を含む請求項1記載の気相処理装置。
  3. 【請求項3】 前記冷却槽の内部には、冷却水を巡回さ
    せるための空洞(31)が設けられており、 前記冷却槽架台の内部には、前記空洞に冷却水を供給す
    るための冷却水供給路(26a)と、前記空洞から冷却
    水を排出するための冷却水排水路(26b)とが設けら
    れており、 さらに、前記反応容器の外部から、前記冷却水供給路に
    冷却水を導入するための冷却水導入手段(21a)と、 前記冷却水排水路から前記反応容器の外部に冷却水を排
    出するための冷却水排出手段(21b)とを含む請求項
    2記載の気相処理装置。
  4. 【請求項4】 前記冷却槽には、その表面に試料を真空
    吸引して密着固定させるための真空保持手段(41、4
    2)が設けられている請求項1〜3のいずれかに記載の
    気相処理装置。
  5. 【請求項5】 前記冷却槽架台の内部には、前記真空保
    持手段に接続され、前記真空保持手段の内部を真空排気
    するための真空吸引路(43)が設けられており、 さらに、前記真空吸引路内を真空排気し、排気を前記反
    応容器の外部へ導出するための真空吸引手段(51)を
    含む請求項4記載の気相処理装置。
  6. 【請求項6】 さらに、他の液状試薬(3b)を収容す
    る他の試薬容器(2b)の開口を覆うことのできる他の
    疎水性多孔質膜(4b)を含む他のフィルタ部材と、 前記他の試薬容器の内部を加熱するための他の加熱手段
    (5b)と、 前記他の試薬容器の開口上の前記他のフィルタ部材と、
    前記反応容器とを接続し、前記他の試薬容器から前記他
    のフィルタ部材を介して供給される蒸気を試料上に供給
    するための他のガス供給系(8b)とを含む請求項1〜
    のいずれかに記載の気相処理装置。
  7. 【請求項7】 さらに、前記試料ホルダは、試料の所定
    の表面積部分のみを露出し、他の部分を覆って、試料を
    前記冷却槽の表面に密着して固定するための試料保持手
    段(30、34)を含む請求項1〜3のいずれかに記載
    の気相処理装置。
  8. 【請求項8】 前記試薬容器内または前記ガス供給系に
    不活性ガスを導入するための第1のガス導入手段(1
    4、V3)を有する請求項1〜のいずれかに記載の気
    相処理装置。
  9. 【請求項9】 液状試薬(3)を収容する試薬容器
    (2)の開口(1)を覆うことのできる疎水性多孔質膜
    (4)を含むフィルタ部材と、 前記試薬容器の内部を加熱するための加熱手段(5)
    と、 試料(33)を保持し冷却するための冷却槽(24)を
    少なくとも2個以上含む試料ホルダ(18)と、 前記試料ホルダを収容する反応容器(16)と、 前記試薬容器の開口(1)上の前記フィルタ部材と、前
    記反応容器とを接続し、前記試薬容器から前記フィルタ
    部材を介して供給される蒸気を試料上に供給するための
    ガス供給系(8)と、 前記ガス供給系の前記開口上の空間から流体を排出する
    ための排出手段(11、V1)とを含む気相処理装置。
  10. 【請求項10】 さらに、前記反応容器内から流体を排
    出するための他の排出手段(12、V2)を有する請求
    に記載の気相処理装置。
  11. 【請求項11】 さらに、前記反応容器内に不活性ガス
    を導入するための第2のガス導入手段(15、V4)を
    有する請求項9または10に記載の気相処理装置。
  12. 【請求項12】 さらに、前記ガス供給系を加熱するた
    めのガス供給系加熱手段を有する請求項9〜11のいず
    れかに記載の気相処理装置。
  13. 【請求項13】 さらに、前記排出手段(11、V1)
    に接続された排ガス処理手段(10)を有する請求項
    記載の気相処理装置。
  14. 【請求項14】 さらに、前記他のガス排出手段(1
    2、V2)に接続された排ガス処理手段を有する請求項
    10記載の気相処理装置。
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