JP3372642B2 - 移動駐車装置 - Google Patents

移動駐車装置

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JP3372642B2
JP3372642B2 JP05813294A JP5813294A JP3372642B2 JP 3372642 B2 JP3372642 B2 JP 3372642B2 JP 05813294 A JP05813294 A JP 05813294A JP 5813294 A JP5813294 A JP 5813294A JP 3372642 B2 JP3372642 B2 JP 3372642B2
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勉 前田
忠儀 池田
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株式会社ホリテック
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車の移動駐車装置
に関し、特に自動車の操舵装置の操作とは無関係に自動
車の駆動輪を回転駆動することによって、例えば自動車
の進行方向に対して直角の横方向に移動して所定位置に
駐車させることができる移動駐車装置に係る。
【0002】
【従来の技術】近時、限られたスペースで自動車を駐車
し得るように種々の駐車装置が提案され、利用に供され
ている。例えば、駐車スペースを拡大すべく上下方向に
自動車を昇降する立体駐車装置が用いられており、これ
には昇降手段のみならず自動車を水平方向に移動もしく
は回転させる手段が必要となり、比較的大型の装置とな
る。これに対し、昇降は行なわず水平方向の移動もしく
は回転を行なうようにした駐車装置も種々提案されてい
る。水平方向の移動を行なう駐車装置としては、自動車
の車輪を台車等に載置することとし、自動車を操舵する
ことなく自動車の進行方向に対して直角の横方向に移動
可能とし、自動車の縦方向の長さより、若干長い間口を
有する駐車場にも駐車できるように構成したものが提案
されている。
【0003】例えば、実開昭48−10183号には、
自動車の駆動輪と係合する一対のローラを備え、この内
一方のローラを駆動輪によって回転駆動し、台車に設け
られた車輪に駆動力を伝達して、自動車の進行方向に対
して略直角の方向に走行するようにした自動車移動用台
車が提案されている。また、実開昭53−70587号
には、ローラの回転力を台車の少なくとも一つに伝える
伝動機構と、ローラを固定するローラストッパ装置を具
備し、台車に乗り上げた自動車の駆動輪の回転力により
ローラ及び伝動機構を介して台車の車輪を回転させるよ
うにした自動車の移動装置が提案されている。同公報に
は一方のローラの回転力を他方のローラに伝達する伝達
機構が設けられており、何れのローラも自動車の駆動輪
によって回転駆動されるように構成されている。更に、
実開昭52−86188号公報には、台枠に設けられた
一対のローラを有し、動力伝達機構を介して横行用車輪
が自動車の駆動輪によって回転駆動される自動車用格納
台車が開示されており、二つのローラから横行用車輪に
駆動力が伝達されるように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記公報に開示の移動
駐車装置においては、何れも自動車の駆動輪の駆動力を
台車の車輪に伝達するため、ローラ及び動力伝達機構を
有すると共に、一部の従来装置を除き、所定位置に移動
後、台車から脱出し得るようにローラもしくは台車の車
輪の回転を停止する機構が設けられている。
【0005】然し乍ら、上記公報に開示の何れの移動駐
車装置においても、例えば台車又はその車輪に障害物が
当たって台車の移動が阻止された場合のように、台車の
車輪が停止することによって、これに連結されたローラ
がロックすると、自動車の駆動輪はローラを乗り越えて
台車から外れるおそれがある。これに対処するにはロー
ラのロック状態に応じて自動車の駆動力を調整しなけれ
ばならないが、このときの駆動力の調整は困難であり、
移動操作に熟練を要し、誤操作によって駆動輪が台車か
ら外れてしまうこともあり得る。
【0006】これを阻止するため、実開昭52−861
88号及び実開昭53−70587号には自動車の従動
輪側に車止めが配設されているが、脱着作業が煩雑であ
る。しかも、駆動輪による駆動力が大きくなれば車止め
も乗り越えるおそれがあり、その場合には自動車はかな
りの速度で台車から外れることになる。更に、実開昭4
8−10183号公報には、自動車の従動輪側に軸ピン
を設け、この軸ピンを中心として回動させるようにした
実施例が開示されているが、この実施例においても、台
車又はその車輪に障害物が当たって台車の移動が阻止さ
れた場合に、自動車の駆動輪が台車から外れるおそれが
あり、実用に供するのは困難である。
【0007】このため、本願出願人は特願平5−321
396号において、車輪を回動自在に支持し自動車の少
なくとも一つの駆動輪を載置する支持台と、相互に平行
に所定距離隔てて前記支持台に回動自在に支持し、前記
駆動輪と摩擦係合する第1のローラ及び第2のローラ
と、前記第1のローラの正転時に回転力を伝達し逆転時
に空転するように前記第1のローラの回転を一方向に規
制する第1の一方向回転規制手段と、前記第2のローラ
の逆転時に回転力を伝達し正転時に空転するように前記
第2のローラの回転を一方向に規制する第2の一方向回
転規制手段と、前記第1及び第2の一方向回転規制手段
を介して前記第1及び第2のローラの回転力を前記車輪
に伝達する回転伝達機構と、前記第1及び第2のローラ
の少くとも何れか一方の回動を停止し得る停止手段とを
備え、駆動輪の回転方向に拘らず、駆動輪をローラ上に
安定した状態で支持しつつ支持台を所定方向に移動し得
るようにした移動駐車装置を提案している。
【0008】この移動駐車装置によれば自動車の制動作
動により支持台を停止させることができ、運転者の意思
に基づき所望の位置に駐車することができる。但、所定
の駐車領域内に駐車させるのは運転者の運転技術に依る
ところが大であり、運転者の制動操作が不適切である
と、所定の停止位置を越えてしまうこととなる。自動車
を進行方向で停止するのは容易でも、横方向移動は不慣
れということもあって所定の停止位置で停止するには熟
練を要する。
【0009】そこで、本発明は、上記移動駐車装置にお
いて、容易且つ確実に所定の停止位置で停止し得る移動
駐車装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の移動駐車装置は、図1に構成の概要を示し
たように、本願出願人の上記出願に係る発明同様、車輪
RWを回動自在に支持し自動車の少なくとも一つの駆動
輪DW1を載置する支持台MTと、相互に平行に所定距
離隔てて支持台MTに回動自在に支持し、駆動輪DW1
と摩擦係合する第1のローラA1及び第2のローラA2
と、第1のローラA1の正転時に回転力を伝達し逆転時
に空転するように第1のローラA1の回転を一方向に規
制する第1の一方向回転規制手段B1と、第2のローラ
A2の逆転時に回転力を伝達し正転時に空転するように
第2のローラA2の回転を一方向に規制する第2の一方
向回転規制手段B2と、第1及び第2の一方向回転規制
手段B1,B2を介して第1及び第2のローラA1,A
2の回転力を車輪RWに伝達する回転伝達機構CTと、
第1及び第2のローラA1,A2の少くとも何れか一方
の回動を停止し得る停止手段STを備え、自動車を支持
台MTの移動に応じて移動可能に支持している。そし
て、更に第1のローラA1の正転時に支持台MTが移動
して第1の停止位置に達したことを検知する第1の検知
手段S1と、第2のローラA2の逆転時に支持台MTが
移動して第2の停止位置に達したことを検知する第2の
検知手段S2と、第1の検知手段S1が第1の停止位置
に達したことを検知したときには第1のローラA1が空
転するように第1の一方向回転規制手段B1を制御する
第1の制御手段C1と、第2の検知手段S2が第2の停
止位置に達したことを検知したときには第2のローラA
2が空転するように第2の一方向回転規制手段B2を制
御する第2の制御手段C2とを備えることとしたもので
ある。
【0011】また、前記自動車を、一つの支持軸を中心
に旋回可能に支持し、前記第1及び第2のローラA1,
A2の回動に応じて前記自動車を旋回駆動するように構
成することができる。
【0012】前記移動駐車装置における前記第1の一方
向回転規制手段B1及び第2の一方向回転規制手段B2
を、夫々一方向の回転力を伝達し逆方向は空転するクラ
ッチ機構を有するものとし、夫々前記第1のローラ及び
第2のローラの回転を相互に逆方向に規制する第1の一
方向クラッチ機構及び第2の一方向クラッチ機構によっ
て構成すると共に、前記第1の制御手段及び第2の制御
手段を、夫々前記第1の検知手段及び第2の検知手段の
検知結果に応じて前記第1の一方向クラッチ機構及び第
2の一方向クラッチ機構を空転させる第1の解除装置及
び第2の解除装置によって構成することもできる。
【0013】本発明は、車輪を回動自在に支持し自動車
の少なくとも一つの駆動輪を載置する支持台と、相互に
平行に所定距離隔てて前記支持台に回動自在に支持し、
前記駆動輪と摩擦係合する第1のローラ及び第2のロー
ラと、前記車輪に連結し前記支持台に回動自在に支持す
る主回転部材と、該主回転部材及び前記第1のローラに
対して係脱可能に配置し、前記主回転部材が略停止した
状態で前記第1のローラの正転時に前記主回転部材及び
前記第1のローラと係合する方向に移動すると共に、前
記第1のローラの逆転時に離脱する方向に移動する第1
の回転部材と、前記主回転部材及び前記第2のローラに
対して係脱可能に配置し、前記主回転部材が略停止した
状態で前記第2のローラの逆転時に前記主回転部材及び
前記第2のローラと係合する方向に移動すると共に前記
第2のローラの正転時に離脱する方向に移動する第2の
回転部材と、前記第1の回転部材を前記主回転部材及び
前記第1のローラと係合する方向に付勢する第1の付勢
手段と、前記第2の回転部材を前記主回転部材及び前記
第2のローラと係合する方向に付勢する第2の付勢手段
と、前記第1及び第2のローラの少くとも何れか一方の
回動を停止し得る停止手段と前記第1のローラの正転時
に前記支持台が移動して第1の停止位置に達したことを
検知する第1の検知手段と、前記第2のローラの逆転時
に前記支持台が移動して第2の停止位置に達したことを
検知する第2の検知手段と、前記第1の検知手段が前記
第1の停止位置に達したことを検知したときには、前記
第1の回転部材を、前記主回転部材及び前記第1のロー
ラとの係合を解く方向に駆動する第1の解除手段と、前
記第2の検知手段が前記第2の停止位置に達したことを
検知したときには、前記第2の回転部材を、前記主回転
部材及び前記第2のローラとの係合を解く方向に駆動す
る第2の解除手段とを備えると共に、前記自動車を前記
支持台の移動に応じて移動可能に支持することとすると
よい。
【0014】前記移動駐車装置において、前記第1及び
第2のローラの各々に一体的に各々の軸を回転軸とする
歯車を設け、前記主回転部材が、前記車輪に連結する主
歯車から成り、前記第1の回転部材が、前記第1のロー
ラに設けた歯車と噛合すると共に前記主歯車と噛合し得
るように配置する少なくとも一つの歯車を有し、前記第
2の回転部材が、前記第2のローラに設けた歯車と噛合
すると共に前記主歯車と噛合し得るように配置する少な
くとも一つの歯車を有し、前記第1及び第2の付勢手段
が、前記第1及び第2の回転部材を構成する少なくとも
一つの歯車に対し前記主歯車並びに前記第1及び第2の
ローラに設けた歯車方向に付勢する手段から成り、前記
停止手段が、前記第1のローラに設けた歯車及び前記第
2のローラに設けた歯車の少なくとも何れか一方に係合
して前記第1及び第2のローラの少なくとも何れか一方
の回転を阻止するロック機構から成り、前記第1の解除
手段が、前記第1の回転部材を構成する歯車を支持する
第1の腕部材を有すると共に、前記第1の検知手段が前
記第1の停止位置に達したことを検知したときに、前記
第1の腕部材を前記主歯車及び前記第1のローラに設け
た歯車との噛合を解く方向に駆動する機構を有し、前記
第2の解除手段が、前記第2の回転部材を構成する歯車
を支持する第2の腕部材を有すると共に、前記第2の検
知手段が前記第2の停止位置に達したことを検知したと
きに、前記第2の腕部材を前記主歯車及び前記第2のロ
ーラに設けた歯車との噛合を解く方向に駆動する機構を
有するように構成することができる。
【0015】更に、本発明は、車輪を回動自在に支持し
自動車の少なくとも一つの駆動輪を載置する支持台と、
相互に平行に所定距離隔てて前記支持台に回動自在に支
持し、前記駆動輪と摩擦係合する第1のローラ及び第2
のローラと、該第1のローラ及び第2のローラの各々に
一体的に設け各々の軸を回転軸とする第1の歯車及び第
2の歯車と、前記車輪に連結し前記支持台に回動自在に
支持する主歯車と、該主歯車の水平方向の両側に配置し
前記第1の歯車と噛合するように前記支持台に回動自在
に支持する第3の歯車及び前記第2の歯車と噛合するよ
うに前記支持台に回動自在に支持する第4の歯車と、前
記主歯車及び前記第3の歯車の上方に配置し自重によっ
て両歯車と噛合する方向に付勢する第5の歯車と、前記
主歯車及び前記第4の歯車の上方に配置し自重によって
両歯車と噛合する方向に付勢する第6の歯車と、前記第
1の歯車及び前記第2の歯車の少なくとも何れか一方に
係合して前記第1及び第2のローラの少なくとも何れか
一方の回転を阻止するロック機構と前記第1のローラの
正転時に前記支持台が移動して第1の停止位置に達した
ことを検知する第1の検知手段と、前記第2のローラの
逆転時に前記支持台が移動して第2の停止位置に達した
ことを検知する第2の検知手段と、前記第1の検知手段
が前記第1の停止位置に達したことを検知したときに
は、前記第5の歯車を、前記主歯車及び前記第3の歯車
との噛合を解く方向に駆動する第1の解除機構と、前記
第2の検知手段が前記第2の停止位置に達したことを検
知したときには、前記第6の歯車を、前記主歯車及び前
記第4の歯車との係合を解く方向に駆動する第2の解除
機構とを備えると共に、前記自動車を前記支持台の移動
に応じて移動可能に支持するように構成することもでき
る。
【0016】また、前記駆動輪を支持する第1の支持台
及び前記駆動輪と同一側の従動輪を載置する第2の支持
台を有し、該第2の支持台に支持した車輪を前記第1の
支持台の車輪に連結し、前記第1の支持台の車輪の回転
に応じて前記第2の支持台の車輪を回転するように構成
してもよい。
【0017】
【作用】上記の構成になる移動駐車装置の作動を図1を
参照して説明すると、自動車の駆動輪DW1を支持台M
Tの上に乗り上げ、第1及び第2のローラA1,A2上
に載置する。このとき、例えば自動車の後方側に第2の
ローラA2が位置するように配置する。この状態で、停
止手段STによる第1のローラA1又は第2のローラA
2に対する回動停止状態を解除した後、例えば自動車が
後方に進む方向(図1のRb方向)に駆動輪を回転駆動
すると、第1及び第2のローラは共に駆動輪の回転方向
に対して逆方向(夫々図1のFb,Db方向)に駆動さ
れるが、このときの第1及び第2のローラの回転方向を
仮に正転とする。即ち、自動車の後方側に第2のローラ
A2が位置する場合において、第1及び第2のローラA
1,A2が共に正転駆動されると、第1の一方向回転規
制手段B1によって第1のローラA1の回転力は回転伝
達機構CTを介して支持台MTの車輪RWに伝達される
のに対し、第2のローラA2は第2の一方向回転規制手
段B2によって空転し(図1に破線矢印Fbで示す)回
転力が伝達されない。逆に、自動車が前方に進む方向
(図1のRa方向)に駆動輪DW1を回転駆動すると、
第1及び第2のローラA1,A2が共に逆転駆動される
ことになり(夫々図1のFa,Da方向)、この場合に
は第1のローラA1が第1の一方向回転規制手段B1に
よって空転し、第2のローラの回転力が第2の一方向回
転規制手段B2によって回転伝達機構CTを介して支持
台MTの車輪RWに伝達される。
【0018】従って、第1及び第2のローラA1,A2
の正転時及び逆転時の何れにおいても、支持台MTの移
動が阻止されたときには、自動車の前方又は後方への進
行方向側に位置する第1のローラA1又は第2のローラ
A2が空転する位置関係に設定することができるので、
駆動輪DW1が支持台MTから外れることはない。駆動
輪DW1を支持台MTから脱出させる場合には、脱出す
る方向に位置する第1のローラA1又は第2のローラA
2の回転を停止手段STによって停止させた後に駆動輪
DW1を回転駆動すれば、所定位置に停止した状態の支
持台MTに対して脱出する方向に駆動力が付与されるの
で、容易に駆動輪DW1を支持台MTから脱出させるこ
とができる。自動車の他の駆動輪及び従動輪について
は、例えば車輪を回動自在に支持した他の支持台に載置
されるが、第1及び第2のローラを露呈させた一つの支
持台に自動車の全車輪を載置し、前記駆動輪の回転駆動
による支持台の移動に応じて自動車を移動し得るように
支持してもよい。
【0019】而して、自動車の駆動輪DW1を回転駆動
することにより、第1のローラA1又は第2のローラA
2の回転力が駆動輪DW1を載置した支持台MTの車輪
RWに伝達され、この車輪RWが回転駆動されて自動車
が所定方向、例えば自動車の進行方向に対して直角方向
に移動する。尚、支持台MTに対する車輪の取付角度を
適宜変更することにより自動車を任意の方向に移動させ
ることができる。
【0020】自動車を所定の停止位置で停止させるに
は、通常の制動時と同様に運転者が制動操作を行ない、
駆動輪DW1に対し制動力を付与すればよい。駆動輪D
W1に制動力が付与されると、支持台MTに対する慣性
力と第1及び第2のローラA1,A2による駆動力との
相対的な関係で、第1及び第2のローラA1,A2のう
ち、それまで回転伝達機構CTを介して支持台MTの車
輪RWに駆動力を伝達していた側のローラ、例えば第1
のローラA1が空転するのに対し、第2のローラA2か
ら回転伝達機構CTを介して車輪RWに制動力が加えら
れるので、支持台MTの制動作動が行なわれる。従っ
て、運転者は通常の制動操作と同様の操作で自動車の横
方向移動を停止させることができる。このとき、所定の
停止位置で正確に停止するには若干の熟練を要するが、
本発明においては所定の停止位置を越えるおそれがある
場合には、以下のように作動する。
【0021】例えば第1のローラA1の正転時に、支持
台MTが第1の停止位置に達すると、このことが第1の
検知手段S1によって検知される。第1の停止位置に達
したことが検知されると、第1の制御手段C1によって
第1の一方向回転規制手段B1が制御され、第1のロー
ラA1が空転する。従って、駆動輪DW1からの回転力
は支持台MTの車輪RWには伝達されない。一方、他方
側のローラ、即ち第2のローラA2は支持台MT上の自
動車の慣性力によって車輪RW側から回転伝達機構CT
を介して伝達される第2のローラA2の回転力に比し、
駆動輪DW1による第2のローラA2の回転力が下回る
と、第2のローラA2の逆転時と同様の状態になり、第
2の一方向回転規制手段B2を介して、車輪RWに対し
制動力が加えられることとなる。逆に、駆動輪DW1側
の回転力が勝り第2のローラA2が正転状態となれば、
前述のように第2のローラA2は空転するので、支持台
MTの車輪RWには支持台MTの進行方向に寄与する回
転力が伝達されることはない。これらの作動を繰り返
し、結局支持台MTの車輪RWには制動力のみが伝達さ
れることになり、支持台MTは確実に所定の停止位置で
停止する。
【0022】自動車を、一つの支持軸を中心に旋回可能
に支持した移動駐車装置においては、上述のように駆動
輪DW1は第1及び第2のローラA1,A2上に安定し
た状態で支持されると共に、駆動輪DW1の回転駆動に
よる第1及び第2のローラA1,A2の回動に応じて、
自動車は支持軸を中心に旋回運動し、所定の停止位置で
停止する。
【0023】第1及び第2の一方向回転規制手段B1,
B2としては夫々第1及び第2の一方向クラッチ機構を
用いることができ、これらの組合せにより第1のローラ
の正転時と第2のローラの逆転時に回転力が伝達され、
第1のローラの逆転時と第2のローラの正転時に空転す
るように構成することができる。そして、第1又は第2
の検知手段S1,S2によって、支持台MTが第1又は
第2の停止位置に達したことが検知されると、第1の解
除装置又第2の解除装置が作動し、第1又は第2の一方
向クラッチ機構が空転するので、支持台MTは上述のよ
うに確実に所定の停止位置で停止する。尚、第1及び第
2の解除装置としては、例えば第1及び第2の検知手段
による検知結果に応じてプランジャが出入するソレノイ
ドを利用することができる。
【0024】主回転部材並びに第1及び第2の回転部材
等を用いた移動駐車装置においては、第1及び第2のロ
ーラ上に駆動輪を載置する。このとき、例えば自動車の
後方側に第2のローラが位置するように配置する。この
状態で、停止手段による第1のローラ又は第2のローラ
に対する回動停止状態を解除し、例えば自動車が後方に
進む方向に駆動輪を回転駆動すると、第1及び第2のロ
ーラは共に駆動輪の回転方向に対して逆方向に駆動され
る。このときの第1及び第2のローラの回転方向を仮に
正転とする。而して、第1及び第2のローラが共に正転
駆動されると、主回転部材及び第1のローラに係合する
方向に付勢された第1の回転部材はその係合状態が維持
され、第1のローラの回転力が第1の回転部材及び主回
転部材を介して支持台の車輪に伝達される。このとき、
第2のローラの回転力は支持台の車輪の回転に対し実質
的には寄与しない。主回転部材が略停止した状態となっ
たときに、第1及び第2のローラが共に正転駆動される
と、第1の回転部材は主回転部材及び第1のローラに係
合する状態が維持されるが、第2の回転部材は、第2の
ローラの回転力により第2の付勢手段の付勢力に抗して
主回転部材及び第2のローラから離脱する方向に駆動さ
れ、第2のローラはその回転力が主回転部材に伝達され
ることなく空転する。
【0025】これに対し、第1及び第2のローラが共に
逆転駆動されると、第2の回転部材は主回転部材及び第
2のローラとの係合状態が維持され、第2のローラの回
転力が第2の回転部材及び主回転部材を介して支持台の
車輪に伝達されるが、第1のローラの回転力は支持台の
車輪の回転に対し実質的には寄与しない。主回転部材が
略停止した状態となったときに、第1及び第2のローラ
が共に逆転駆動されると、第2の回転部材は主回転部材
及び第2のローラに係合する状態が維持されるが、第1
の回転部材は、第1のローラの回転力により第1の付勢
手段の付勢力に抗して主回転部材及び第1のローラから
離脱する方向に駆動され、第1のローラはその回転力が
主回転部材に伝達されることなく空転する。尚、駆動輪
を支持台から脱出する方向に位置する第1のローラ又は
第2のローラの回転をロック機構によって停止させた後
に駆動輪を回転駆動すれば、所定位置に停止した状態の
支持台から脱出する方向の駆動力が伝達されるので、容
易に駆動輪を支持台から脱出させることができる。
【0026】自動車を所定の位置で停止させる場合に
は、運転者が自動車の制動操作を行ない駆動輪に対し制
動力を付与することになる。この制動作動時において、
例えば第1のローラの正転時に支持台が第1の停止位置
に達したことが第1の検知手段によって検知されると、
第1の解除手段によって第1の回転部材が主回転部材及
び第1のローラとの係合を解く方向に駆動され、第1の
ローラが空転する。このとき、他方側の第2のローラに
ついては、支持台の車輪から第2のローラに伝達される
回転力に比し、駆動輪による第2のローラの回転力が下
回ると、支持台の車輪に対し制動力が加えられることと
なる。逆に、駆動輪側の回転力が勝り第2のローラが正
転状態となると空転し、これらの作動の繰り返しによっ
て支持台の車輪には制動力のみが伝達され、支持台は確
実に所定の停止位置で停止する。
【0027】上記回転部材として歯車を用いた装置にあ
っては、例えば第1及び第2のローラが共に正転駆動さ
れると、第1の回転部材を構成する歯車は主歯車及び第
1のローラの歯車と噛合する状態が維持され、第1のロ
ーラの回転力が第1の回転部材を構成する歯車及び主歯
車を介して支持台の車輪に伝達される。このとき、第2
のローラの回転力は支持台の車輪の回転に対し実質的に
は寄与しない。主歯車が略停止した状態となったとき
に、第1及び第2のローラが共に正転駆動されると、第
1の回転部材を構成する歯車は主歯車及び第1のローラ
に係合する状態が維持されるが、第2の回転部材を構成
する歯車は、第2のローラの回転力により第2の付勢手
段の付勢力に抗して主歯車との噛合を解く方向に駆動さ
れ、第2のローラはその回転力が主歯車に伝達されるこ
となく空転する。これに対し、第1及び第2のローラが
共に逆転駆動されると、第2の回転部材を構成する歯車
が主歯車及び第2のローラの歯車と噛合する状態が維持
されるが、第1のローラの回転力は支持台の車輪の回転
に対し実質的には寄与しない。主歯車が略停止した状態
となったときに、第1及び第2のローラが共に逆転駆動
されると、第2の回転部材を構成する歯車は主歯車及び
第2のローラに係合する状態が維持されるが、第1のロ
ーラは空転する。尚、第1又は第2のローラに設けた歯
車にロック機構を係合させれば、第1又は第2のローラ
の回転が阻止される。
【0028】運転者による自動車の制動操作に応じ、駆
動輪に対し制動力が付与され、例えば第1のローラの正
転時に支持台が第1の停止位置に達したことが第1の検
知手段によって検知されると、第1の腕部材によって、
第1の回転部材を構成する歯車が主歯車及び第1のロー
ラに設けた歯車との噛合を解く方向に駆動され、第1の
ローラが空転する。このとき、他方側の第2のローラに
ついては、支持台の車輪から第2のローラに伝達される
回転力に比し、駆動輪による第2のローラの回転力が下
回ると、支持台の車輪に対し制動力が加えられることと
なる。逆に、駆動輪側の回転力が勝り第2のローラが正
転状態となると空転し、これらの作動の繰り返しによっ
て支持台の車輪には制動力のみが伝達され、支持台は確
実に所定の停止位置で停止する。
【0029】主歯車及び第1乃至第6の歯車を備えた装
置にあっては、例えば第1及び第2のローラが共に正転
駆動されると、第5の歯車が主歯車及び第3の歯車と噛
合する状態が維持され、第1のローラの回転力が第1の
歯車、第3の歯車、第5の歯車及び主歯車を介して支持
台の車輪に伝達される。このとき、第2のローラの回転
力は支持台の車輪の回転に対し実質的には寄与しない。
主歯車が略停止した状態となったときに、第1及び第2
のローラが共に正転駆動されると、第5の歯車は主歯車
及び第3の歯車と噛合する状態が維持されるが、第6の
歯車は第2のローラの回転力により、第6の歯車の自重
に抗して主歯車及び第4の歯車との噛合を解く方向に駆
動され、第2のローラはその回転力が主歯車に伝達され
ることなく空転する。これに対し、第1及び第2のロー
ラが共に逆転駆動されると、第6の歯車が主歯車及び第
4の歯車と噛合する状態が維持され、第2のローラの回
転力が支持台の車輪に伝達されるが、第1のローラの回
転力は支持台の車輪の回転に対し実質的には寄与しな
い。主歯車が略停止した状態となったときに、第1及び
第2のローラが共に逆転駆動されると、第6の歯車は主
歯車及び第4の歯車と噛合する状態が維持されるが、第
1のローラは空転する。
【0030】運転者による自動車の制動操作に応じ、駆
動輪に対し制動力が付与され、例えば第1のローラの正
転時に支持台が第1の停止位置に達したことが第1の検
知手段によって検知されると、第1の解除機構によっ
て、第5の歯車が主歯車及び第3の歯車との噛合を解く
方向に駆動され、第1のローラが空転する。このとき、
他方側の第2のローラについては、支持台の車輪から第
2のローラに伝達される回転力に比し、駆動輪による第
2のローラの回転力が下回ると、支持台の車輪に対し制
動力が加えられることとなる。逆に、駆動輪側の回転力
が勝り第2のローラが正転状態となると空転し、これら
の作動の繰り返しによって支持台の車輪には制動力のみ
が伝達され、支持台は確実に所定の停止位置で停止す
る。
【0031】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図2乃至図7は本発明の移動駐車装置の一実施例
に係り、図2は移動駐車装置の全体構成を示している。
図2において、平面視略方形の支持枠体1及び2が平面
視T字形の連結部材5の両腕部に着脱可能に接続される
と共に、平面視矩形の支持枠体3及び4がT字形の連結
部材6の両腕部に着脱可能に接続され、更に連結部材5
及び6の中央脚部が棒状の連結部材7によって着脱可能
に接続されており、全体として平面視H字形を呈するよ
うに配置されている。尚、これらの支持枠体1等を構成
する部材は本実施例では主として断面矩形の管によって
構成され、軽量化が図られているが、中実の棒材を用い
ることとしてもよい。
【0032】支持枠体1は本発明にいう支持台を構成す
るもので、図3乃至図5に拡大して示すように一辺の部
材1aは、底面に開口部を有する箱形に形成され、後述
する回転伝達機構50等を収容し得る構造とされてい
る。その他の部材1b,1c,1dは断面矩形の管によ
って構成されている。部材1a内及びこれに対向する部
材1bの外側中間部に、車輪61乃至63が夫々同一方
向の軸を中心に回動自在に支持されている。また、支持
枠体1内、即ち部材1a乃至1dに囲繞された枠内には
第1のローラ10及び第2のローラ20が相互に平行に
所定距離隔てて配設され、各々の両端部が部材1a,1
bに回動自在に支持されている。第1及び第2のローラ
10,20には、これらの回転軸と平行な軸回りを回転
するように、二点鎖線で示すように自動車の車輪のう
ち、一方側の駆動輪DW1が載置され、第1及び第2の
ローラ10,20と摩擦係合するように構成されてい
る。
【0033】上記第1及び第2のローラ10,20の各
々の一方の軸端には平歯車51,52が固着されてい
る。また、支持枠体1の部材1a内において、第1及び
第2のローラ10,20の支持部間の中央には、平歯車
51,52の軸と平行な軸を中心に平歯車53が回動自
在に支持され、この平歯車53に傘歯車54が一体的に
接合されている。一方、車輪61,62はシャフト60
の両端に固着され、シャフト60は傘歯車54の軸に直
交する軸、即ち第1及び第2のローラ10,20の回転
軸に直交する軸上で部材1aに回動自在に支持されてい
る。シャフト60の中央部には、傘歯車54と噛合する
ように傘歯車55が固着されており、平歯車53の回転
に応じ、その回転軸と直交する軸回りを車輪61,62
が回転するように配置されている。
【0034】更に、図4に示すように平歯車51乃至5
3の各々の回転軸に平行な軸回りを回動し得るように軸
支された平歯車31が、スプリング33によって平歯車
51及び53と噛合する方向に付勢されている。同様
に、平歯車32がスプリング34によって平歯車52及
び53と噛合する方向に付勢されている。即ち、平歯車
51,52の回転軸に夫々腕部材35,36の中間部が
揺動自在に支持されており、これらの腕部材35,36
の一方の端部35a,36aに夫々平歯車31,32が
回動自在に支持されると共に、スプリング33,34の
一端が固定されている。そして、スプリング33,34
の他端は支持枠体1の部材1aの上面(図2の上方)に
固定され、平歯車31,32が夫々平歯車51及び5
3、平歯車52及び53に対し、図2の下方から噛合す
る方向に付勢されている。尚、腕部材35,36の他方
の端部35b,36bは、支持枠体1に形成された切欠
1p,1qを介して外方に延出している。
【0035】上記平歯車及び傘歯車によって回転伝達機
構50が構成されており、通常時は平歯車51,52は
平歯車31,32を介して平歯車53と噛合状態にあ
り、平歯車51,52が例えば図4の反時計方向に回転
駆動されると平歯車53も反時計方向に回転するが、平
歯車51の回転力は平歯車53に伝達されず実質的に空
転状態にある(この関係については後述の作動説明にお
いて詳細に説明する)。そして、例えば平歯車53が略
停止状態にあるときに平歯車51,52が図4の反時計
方向に回転駆動されると、平歯車32は平歯車52,5
3と噛合する方向に駆動され、従って平歯車52,3
2,53が相互に噛合し連結されるが、平歯車31は腕
部材35と共にスプリング33の付勢力に抗して、平歯
車51の回転軸を中心に反時計方向に駆動され、平歯車
31と平歯車53との噛合が解除され平歯車31は空転
する。これに対し、例えば平歯車53が略停止状態にあ
って平歯車51,52が図4の時計方向に回転駆動され
ると、平歯車31は平歯車51,53と噛合する方向に
駆動され、従って平歯車51,31,53が相互に噛合
し連結されるが、平歯車32は腕部材36と共にスプリ
ング34の付勢力に抗して、平歯車52の回転軸を中心
に時計方向に駆動され、平歯車32と平歯車53との噛
合が解除され平歯車32は空転する。
【0036】このように、平歯車31もしくは平歯車3
2が夫々平歯車51,53もしくは平歯車52,53と
噛合した状態で、第1のローラ10の回転力が車輪6
1,62に伝達され、もしくは第2のローラ20の回転
力が車輪61,62に伝達され、支持枠体1が所定方向
に移動するように構成されている。更に、第2のローラ
20側には、この回動を停止し得る停止手段としてロッ
ク機構70が設けられている。このロック機構70は、
操作レバー71の先端に鉤部72が形成され中間部で支
持枠体1の部材1aに軸支されたもので、操作レバー7
1を軸73を中心に図4の時計方向に回動させることに
より、鉤部72を平歯車52の歯部に係合し得るように
構成されている。尚、ロック機構70は平歯車51側に
設けることとしてもよく、更に両側に設けることとして
もよい。
【0037】支持枠体1の外方両側面には筒状の案内部
材112,122が固定されており、これらにロッド1
10,120が摺動自在に支持されている。先ず図4乃
至図6を参照して、ロッド120側について説明する
と、ロッド120の中間部には、腕部材36に対して車
輪62側にカム121が形成されている。カム121は
例えば図6に示すように正面視台形で、従動部材たる腕
部材36に対し直動カムを構成している。ロッド120
の一端部は第2のローラ20の軸と平行な軸方向に所定
距離延出するように支持され、その他端部の先端に弾性
体の接触子129が固着されている。ロッド120の他
端部は、支持枠体1に固定されたスプリングボックス1
23に収容され、スプリング124によって接触子12
9方向に付勢されている。
【0038】而して、接触子129が押圧され、スプリ
ング124の付勢力に抗してロッド120がスプリング
124方向に移動すると、カム121の傾斜端面が腕部
材36の端部36bを押接し、腕部材36はその中間部
の支持軸(平歯車52の軸)を支点に図4の時計方向に
回動するように構成されている。
【0039】一方、ロッド110を支持する案内部材1
12は、ロッド120が設けられた支持枠体1の側面と
反対側の側面に固定されており、ロッド120の一端部
が摺動自在に支持されている。ロッド110の中間部に
は、図7に示すようにカム121と同様の形状のカム1
11が腕部材35に対して車輪61側に形成されてお
り、カム111は腕部材35に対して直動カムを構成し
ている。ロッド110の他端部は案内部材112に摺動
自在に支持され、その先端にフレキシブルケーブル11
4の芯線の一端が接続されている。フレキシブルケーブ
ル114は一端が支持枠体1に固定され、他端は支持枠
体2に固定されており、支持枠体2に中間部が回動自在
に支持されたレバー115の一端に、フレキシブルケー
ブル114の芯線の他端が接続されている。レバー11
5の他端にはロッド116の一端部が回動自在に接続さ
れている。ロッド116は、その他端部の先端に弾性体
の接触子119を有し、支持枠体2に固定された筒状の
案内部材117に摺動自在に支持されている。レバー1
15のフレキシブルケーブル114との接続側には、ス
プリング118の一端が接続され、その他端が支持枠体
2に固定されており、このスプリング118により、常
時は接触子119が案内部材117から所定距離延出し
た位置で保持されるように、ロッド116が付勢されて
いる。
【0040】而して、接触子119が押圧されレバー1
15がその中間部の支持軸を中心に図7の反時計方向に
回動すると、フレキシブルケーブル114の芯線が接触
子119方向に引っ張られ、ロッド110が支持枠体2
方向に移動する。これにより、カム111の傾斜端面が
腕部材35の端部35bを押接し、腕部材35はその中
間部の支持軸(平歯車51の軸)を支点に図4の反時計
方向に回動するように構成されている。
【0041】上記接触子119,129は、例えば路面
上の所定の位置に配設された縁石に当接することによ
り、支持枠体1,2が夫々所定の位置に達したか否かを
検知することができ、本発明にいう第1及び第2の検知
手段を構成している。そして、カム111,121、並
びに腕部材35,36の端部35b,36b等によって
本発明にいう第1及び第2の解除手段が構成されてい
る。
【0042】図2に示す支持枠体2には、相互に平行に
大径の円柱状のロッド11,21が設けられており、こ
れらのロッド11,21に他方側の駆動輪DW2が載置
されるように配置されているが、駆動輪DW2が回転駆
動されてもその回転を阻止するように支持枠体2に固定
されている。尚、支持枠体2の、対向する部材2a,2
bの外側中間部には、ロッド11,21の軸と直交する
軸、即ち車輪61乃至63の回転軸と平行な軸を中心に
回転し得るように車輪64,65が支持されている。
【0043】支持枠体3及び4には何れも長手方向に夫
々一対の車輪が配置され、車輪61乃至65の回転軸と
平行な軸を中心に回転し得るように支持されているが、
図2ではこれらの車輪がカバー84乃至87によって覆
われた状態を示している。尚、図示は省略したが車輪6
3乃至65も同様のカバーによって覆われる。而して、
自動車の従動輪FW1,FW2は、夫々カバー84,8
5間及びカバー86,87間に位置するように支持枠体
3,4上に載置される。更に、上述の支持枠体1乃至4
には、駆動輪DW1,DW2及び従動輪FW1,FW2
の乗り上げ作動を容易にするため、矩形板状のフラップ
91乃至96が揺動自在に片持支持されると共に、各々
の自由端が路面に当接することなく近接した位置で弾発
支持されている。尚、この支持構造は図19を参照して
後述する。
【0044】上記の構成になる本実施例の移動駐車装置
を用いて前輪駆動車(図示せず)を所定位置に駐車する
際の作動を説明すると、図2において前方の駆動輪DW
1,DW2が夫々支持枠体1,2に乗り上げると共に、
従動輪FW1,FW2が夫々支持枠体3,4に乗り上げ
るように自動車を運転操作する。次に、ロック機構70
の操作レバー71を操作し、鉤部72が平歯車52と係
合しない状態とし、駆動輪DW1,DW2を例えば図2
の矢印Ra方向に回転駆動すると、駆動輪DW2は支持
枠体2のロッド11,21との摩擦係合により回転しな
いが、駆動輪DW1の回転に応じ支持枠体1の第1及び
第2のローラ10,20が以下のように回転する。
【0045】即ち、駆動輪DW1が図4に矢印Raで示
すように時計方向に回転すると、第1及び第2のローラ
10,20が摩擦力により回転駆動され、平歯車51が
反時計方向に回転すると共に、平歯車52が反時計方向
に回転する。このとき平歯車32は平歯車52及び53
と噛合すると共に、平歯車52の回転に伴い平歯車53
と噛合する方向に付勢され、平歯車52の回転力が平歯
車53に伝達されて平歯車53も反時計方向に回転す
る。この回転力は、図3及び図5に示す傘歯車54,5
5を介して車輪61,62に伝達され、車輪61,62
が回転する。一方、平歯車31に対しては平歯車51の
反時計方向の回転に伴い停止状態の平歯車53から離脱
する方向に力が働くが、通常の運転時には平歯車31も
スプリング33の付勢力によって平歯車51及び53と
噛合している。このため、平歯車31も平歯車51と平
歯車53の回転がバランスした状態ではこれらと共に回
転するが、平歯車51の回転力を平歯車53に伝達する
ものではなく、第1のローラ10は実質的に空転状態に
ある。
【0046】そして、例えば駆動輪DW1が回転中に、
障害物等により支持枠体1の移動が阻止されると、車輪
61,62が減速、停止するのに伴い平歯車53が減
速、停止し、平歯車52も減速、停止する。このため第
2のローラ20はロックされたときと同じ状態になって
回転できないので、回転を続ける駆動輪DW1は第2の
ローラ20を蹴って自動車の進行方向即ち図4の右方向
へ移動し、ほとんど第1のローラ10のみに載った形で
第1のローラ10を反時計方向に回転駆動することとな
る。しかし、第1のローラ10の回転に伴い回転状態に
ある平歯車51と減速もしくは停止状態の平歯車53と
の関係により、平歯車31は平歯車53から離脱する方
向に移動するので、平歯車31は平歯車53との噛合が
解かれ、第1のローラ10及び平歯車51は空転する。
このように、第1のローラ10が空転するので、駆動輪
DW1は第1のローラ10を乗り越えて進行方向に飛び
出すことはない。
【0047】また、自動車の制動装置(図示せず)を操
作し、駆動輪DW1の回転を停止させるときには、支持
枠体1に加わる慣性力によって車輪61,62に対して
回転を続ける方向に回転力が付与され、平歯車53に回
転力が伝達されるのに対し、平歯車51(及び52)は
減速から停止に至るという状態となり、両歯車の関係が
上記の駆動時と逆の関係となり所謂エンジンブレーキと
同様の状態となる。即ち、支持枠体1の慣性力は車輪6
1,62から平歯車53、平歯車31、平歯車51を経
て第1のローラ10に伝達されるが、自動車の制動力に
よって第1のローラ10の回転が阻止されるので、最終
的には支持枠体1が停止することとなる。このときの平
歯車53,31,51の噛合関係は、平歯車51が減速
から停止に至る状態にあるので、平歯車53の反時計方
向の回転力は平歯車31が平歯車53及び平歯車51に
噛合する方向に働くこととなる。
【0048】以上のように、支持枠体1の移動が阻止さ
れて車輪61,62が減速、停止するときに駆動輪DW
1が回転駆動される場合には、自動車の進行方向側の第
1のローラ10が空転する。これに対し、車輪61,6
2が回転中に駆動輪DW1を減速、停止する場合には、
慣性によって回転を続ける車輪61,62に対して、第
1のローラ10に付与される制動力が、負の回転力とし
て伝達され支持枠体1を停止させる。このとき第2のロ
ーラ20側の平歯車52にも回転は伝達されるが、実質
的には空転状態にある。而して、移動駐車装置は自動車
を載置した状態で図2の白抜矢印Pa方向(自動車の進
行方向に対して直角方向)に移動し、自動車の制動装置
を操作し駆動輪DW1の回転を停止することにより安定
した状態で所定の位置で停止することができる。
【0049】上記の制動作動は通常の自動車の制動時と
同様、運転者の操作に委ねられるが、横方向移動の操作
には熟練を要し、所定の停止位置を越えてしまうおそれ
がある。このため、本実施例においては、制動作動によ
り停止位置に到達したときには確実にその位置で停止す
ることができるように構成されている。即ち、移動駐車
装置が図2の白抜矢印Pa方向に移動して所定の停止位
置に達し、図5及び図6に示す接触子129が例えば所
定の位置に配設された縁石(図示せず)に当接すると、
ロッド120がスプリング124方向に押動される。こ
のロッド120の移動に応じ、カム121の傾斜端面に
沿って腕部材36の端部36bが図4及び図6の上方に
持ち上げられる。これにより、腕部材36はその中間部
の支持軸(平歯車52の軸)を中心に図4の時計方向に
回動し、平歯車32が平歯車36及び主歯車53から離
脱する方向に移動する。
【0050】而して、第2のローラ20は確実に空転状
態とされ、駆動輪DW1の回転力が車輪61,62に伝
達されることなく、前述のように、制動時に第1のロー
ラ10に付与される制動力が、負の回転力として車輪6
1,62に伝達される。即ち、各歯車の力の伝達関係が
駆動時と逆の関係となり、第1のローラ10から車輪6
1,62に対して制動力が加えられる。
【0051】駐車領域が図2の白抜矢印Pb方向にある
場合には、駆動輪DW1を図4の矢印Raと逆方向に回
転駆動すれば、自動車は図2の白抜矢印Pb方向に移動
する。そして、移動駐車装置が所定の停止位置に達した
ときには、図7の接触子119が所定の位置の縁石(図
示せず)に当接する。而して、この場合にはロッド11
6の移動によりレバー115が回動し、フレキシブルケ
ーブル114の芯線を介してロッド110が駆動され、
腕部材35の端部35bが図4及び図7の上方に持ち上
げられる。これにより、腕部材35がその中間部の支持
軸(平歯車51の軸)を中心に図4の反時計方向に回動
し、平歯車31が平歯車35及び主歯車53から離脱す
る方向に移動するので、駆動側の第1のローラ10が空
転状態となる。
【0052】尚、他方側の駆動輪DW2は一般的に差動
歯車(図示せず)を介して駆動輪DW1に連結されてい
るので、駆動輪DW1,DW2の両者が回転駆動された
とき駆動輪DW2が空転すると、車輪61,62に連動
する駆動輪DW1側が駆動輪DW2側より負荷が大きく
なり、駆動輪DW1による支持枠体1の移動ができなく
なる。このため、本実施例においては前述のように駆動
輪DW2が空転しないように、支持枠体2に固定された
ロッド11,21に支持されている。
【0053】自動車を駐車領域から元の位置に戻す場合
には、駆動輪DW1を前述の移動時と逆方向に回転駆動
すれば自動車は図2の白抜矢印Pb又はPa方向に移動
する。何れの場合も自動車の制動装置を操作すれば駆動
輪DW1の回転が停止すると共に移動駐車装置も停止す
るので、自動車の前進及び後退時の運転操作と同様の操
作で移動駐車装置の横方向移動を制御することができ
る。そして、自動車を支持枠体1乃至4から脱出させる
際には、ロック機構70の操作レバー71を操作し、鉤
部72の先端を平歯車52に係合させれば、第2のロー
ラ20はロック状態とされるので、駆動輪DW1,DW
2を回転駆動することにより自動車を進入方向に対し逆
の方向に脱出させることができる。
【0054】上述のように、本実施例の移動駐車装置に
おいて、駆動輪DW1が図4の時計方向(矢印Ra方
向)に回転する場合には、駆動輪DW1の回転力が第2
のローラ20を介して車輪61,62に伝達されるのに
対し、第1のローラ10は空転する。逆に、駆動輪DW
1が図4の反時計方向に回転する場合には、その回転力
は第1のローラ10を介して車輪61,62に伝達され
るが、第2のローラ20は空転する。即ち、例えば自動
車が前述とは逆方向の後方に進む方向に駆動輪DW1を
回転駆動する場合には、前方側のローラに回転力が伝達
され、もう一方のローラ(自動車の後方への進行方向側
となる)が空転する。従って、仮に支持枠体1の移動が
阻止された状態で駆動輪DW1が回転駆動されても、自
動車の進行方向側に位置するローラが空転するので、駆
動輪DW1が支持枠体1から離脱することはなく、自動
車が進行方向に飛び出すおそれはない。
【0055】しかも、回転力が伝達されるべきローラ
は、駆動輪DW1の回転方向に応じて自動的に選択さ
れ、主歯車53が略停止状態となったときには、腕部材
35,36に支持された平歯車31,32の揺動作動に
応じて、自動車の進行方向側の平歯車51もしくは52
と平歯車53との係合が解除されるので、自動車の運転
の誤操作による飛び出しが生ずるおそれもない。特に、
本実施例によれば自動的に停止位置に達したことを検知
し得るようにすると共に、停止位置を検知したときには
横方向移動のための回転力を車輪61,62に伝達する
ことがないように構成されているので、移動駐車装置に
対する制動効果を高めることができる。尚、接触子11
9,129が他の障害物に当接したときにも、制動作動
に応じて直ちにその位置で移動駐車装置を停止させるこ
とができる。
【0056】本発明にいう第1及び第2の検知手段並び
に第1及び第2の解除手段としては、図8及び図9に示
すように構成することができ、あるいは図10及び図1
1に示すように構成することもできる。先ず、図8及び
図9に示す実施例においては、腕部材35,36は端部
35b,36bを具備せず、ロッド110,120は図
8に明らかなように腕部材35,36に対し平歯車3
1,32の上方に配設され、カム111,121によっ
て腕部材35,36が下方に押動されるように構成され
ている。尚、ロッド110,120等は図6及び図7の
実施例のものとは取付位置及び向きが異なるが実質的に
同じであるので同一符号を付した。また、フレキシブル
ケーブル114等の構成についても前述の図6及び図7
の実施例と同様であるので説明は省略する。而して、図
8及び図9の実施例によればカム111,121を支持
枠体1のケース内に収容でき、腕部材35,36は簡単
な形状とすることができる。
【0057】図10及び図11の実施例においては、図
6及び図7の実施例のロッド110,120等を設ける
ことなく、腕部材35,36の端部を下方に延出して延
出部35c,36cを形成すると共に、この延出部35
c,36cの先端に当接し得るようにカムプレート13
0,140を路面に固着し、これらカムプレート13
0,140の所定の位置に前述のカム111,112と
同様のカム131,141を形成したものである。而し
て、これらのカム131,141によって上記延出部3
5c,36cが上方に押動され、図6及び図7の実施例
と同様に作動する。尚、本実施例においては、図10に
示すように路面にレール201,202を敷設すると共
に、これらに平行に上記カムプレート130,140を
配設するとよい。このとき、車輪61,62の外周に溝
を形成し、レール201,202に沿って案内するよう
に構成するとよい。
【0058】ここで、上記実施例における構成を整理す
ると、支持枠体1は図1の支持台MTに相当し、車輪6
1,62は車輪RW,RWに、第1及び第2のローラ1
0,20は第1及び第2のローラA1,A2に夫々相当
する。また、平歯車51,52,53,31,32及び
傘歯車54,55によって回転伝達機構Cが構成される
と共に、平歯車31,32、スプリング33,34及び
腕部材35,36によって第1及び第2の一方回転規制
手段B1,B2が構成されている。そして、ロック機構
70が停止手段STに相当し、上記実施例では第2のロ
ーラ20をロックすることとしている。更に、平歯車5
3は本発明の主回転部材及び主歯車に相当し、平歯車3
1及び32は夫々本発明の第1の回転部材及び第2の回
転部材に相当する。また、上記実施例のスプリング33
及び34は夫々第1及び第2の付勢手段に相当する。
【0059】而して、上記実施例は図1に示す構成に包
含されることになるが、図1の各構成要素の種々の具体
的手段を組合せることにより、種々の態様の移動駐車装
置を提供することができる。先ず、支持台MTとしては
本実施例の支持枠体1に限ることなく従動輪FW1用の
支持枠体3も含めた長尺の板体とし、第1及び第2のロ
ーラ10,20が露出するように開口部を形成したもの
としてもよい。更に、支持枠体2,4も含め全ての支持
枠体を一枚の板体とし、これに全ての部品を装着するこ
ととしてもよい。
【0060】回転伝達機構Cに接続され得る車輪RW
は、上記実施例では車輪61,62の2個の例を示した
が1個でも3個以上であってもよい。回転伝達機構Cと
しては、上記実施例では平歯車51等の歯車列を用いた
が、摩擦車、ベルト機構、チェーン機構等を用い、ある
いはこれらを適宜組合せることとしてもよい。回転部材
としては歯車のみならず摩擦車を用いることとしてもよ
い。停止手段STとしては、最終的に第1及び第2のロ
ーラA1,A2の少くとも何れか一方を停止させるもの
であればどのようなものでもよく、上記実施例のロック
機構70は鉤部72を平歯車52に係合する構成とした
が、別途第2のローラ20の軸に円板を設け、その端面
に形成した溝に、プランジャを挿入してロックする機構
としてもよい。このプランジャはレバーによって操作す
るように構成し、あるいはソレノイドを利用し電気的に
駆動することとしてもよい。
【0061】図1に示す第1の一方向回転規制手段B1
は、駆動輪DW1の矢印Rbで示す方向の回転に伴う第
1のローラA1の図1に矢印Dbで示す時計方向の回転
を正転とし、この正転時に回転力を伝達し、駆動輪DW
1の矢印Raで示す方向の回転に伴う逆転時(図1に矢
印Faで示す反時計方向の回転時)に空転するように、
第1のローラA1の回転を一方向に規制するものであ
る。一方、第2の一方向回転規制手段B2は、第2のロ
ーラA2の逆転時(図1に矢印Daで示す反時計方向の
回転時)に回転を伝達し、正転時(図1に矢印Fbで示
す時計方向の回転時)に空転するように第2のローラA
2の回転を一方向に規制するものである。
【0062】これら第1及び第2の一方向回転規制手段
B1,B2としては、上記の実施例では平歯車31,3
2、スプリング33,34及び腕部材35,36を用
い、回転伝達機構Cの構成部品の一部を利用する構成と
したが、一方向クラッチ機構を直接第1及び第2のロー
ラA1,A2(10,20)に組み込むこととしてもよ
い。この一方向クラッチ機構としては、例えばラチェッ
ト式、ボール式、カム式等種々の構造のものがあり、何
れも一方向の回転力を伝達し、逆方向は空転するように
構成されているが、第1及び第2のローラA1,A2の
回転を相互に逆方向に規制するように配設される。この
一方向クラッチ機構を備えたローラの一実施例を図20
に示したが、これについては図21及び図22と共に後
述する。
【0063】次に、図12乃至図19を参照して本発明
の他の実施例に係る移動駐車装置を説明する。前述の図
2乃至図7に示す実施例においては、平歯車を計5枚使
用しているものの依然鉛直方向に高いので、本実施例で
は更に第1及び第2のローラ10,20に固着した平歯
車41,42に噛合する2枚の平歯車47,48を設け
ることとし、全体の高さを低く抑えている。従って、図
14に示すように箱形の部材1aに対応する部材1xa
の高さは部材1aより低くなっている。
【0064】また、前述の実施例においては平歯車3
1,32を夫々平歯車51及び52、平歯車52及び5
3方向に付勢するため、付勢手段としてスプリング3
3,34を用いることとしているが、本実施例において
は、平歯車31,32に相当する平歯車31x,32x
を、回転伝達機構40を構成する他の平歯車に対して上
方に配置し得るように構成し、平歯車31x,32xの
自重によって当該回転伝達機構40を構成する他の平歯
車と噛合する方向に付勢することとしたものである。従
って、本実施例の平歯車31x,32xは本発明の第1
及び第2の回転部材を構成すると共に、それ自体で第1
及び第2の付勢手段を構成している。
【0065】本実施例においては、図14乃至図16に
示すように停止位置を検出する第1及び第2の検知手段
並びに第1及び第2の解除機構として図10及び図11
と同様の構成を備えているが、図12及び図13におい
ては同構成は表れていない。更に、前述の実施例の移動
駐車装置は、これを配置する路面が平面である場合に
は、所定の横方向(自動車の進行方向に直角の方向)に
移動するが、路面が傾斜している場合には傾斜角によっ
ては偏向することがある。本実施例ではこれを防止すべ
く、駆動輪DW1と同一側の従動輪FW1側の車輪も回
転駆動するように構成している。
【0066】図12及び図13に本実施例の全体構成を
示すように、回転伝達機構40を収容する箱形の部材1
xaは、本実施例では中央側に配置されており、また連
結部材の構成を異にしている。即ち、前述のT字形の連
結部材5に替え、支持枠体1xの部材1c,1dに平行
に配置された連結部材5xa,5xbの両端が、支持枠
体1x,2xに固定されたブラケット1e,2eにヒン
ジ結合されている。同様に、連結部材6に替え、棒状の
連結部材6xが用いられ、その両端が支持枠体3x,4
xに固定されたブラケット3e,4eにヒンジ結合され
ている。ブラケット1e,3eには筒状のガイド1g,
3gが一体的に設けられており、ガイド1g,3gの側
面が夫々支持枠体1x,3xに固定され、ガイド1g,
3gの筒内に連結部材7の両端が嵌合され、ボルトによ
って結合されている。
【0067】図14乃至図16において、回転伝達機構
40を構成する歯車として、前述の実施例の平歯車5
1,52,53及び平歯車31,32に夫々対応する平
歯車41,42,43及び平歯車31x,32xに加
え、平歯車47,48が支持枠体1内に収容されてお
り、平歯車41と平歯車31xとの間の下方側に平歯車
47が部材1xaに回動自在に支持され、平歯車42と
平歯車32xとの間の下方側に、平歯車48が部材1x
aに回動自在に支持されている。
【0068】平歯車31x,32xは夫々腕部材35
x,36xの先端部に回動自在に支持され、腕部材35
x,36xの基端部は夫々平歯車47,48の回転軸に
揺動自在に支持されている。従って、平歯車31x,3
2xは夫々平歯車43及び47並びに平歯車43及び4
8に対し図14の上方から噛合するように配置され、主
として各々の自重によって腕部材35x,36xの揺動
軸(即ち、平歯車47,48の回転軸)を中心に平歯車
43,47,48と噛合する方向に付勢されている。こ
のように、平歯車31x,32xが各々の自重によって
第1及び第2の付勢手段としても機能している。尚、腕
部材35x,36xの基端部を平歯車43の回転軸に支
持することとしてもよく、あるいは腕部材35x,36
xを設けることなく平歯車31x,32xを自由状態に
してもよい。
【0069】本実施例の腕部材35x,36xの、平歯
車31x,32x支持部下方には、路面近傍に延出する
延出部35xa,36xaが形成されており、図14及
び図15に示すように、延出部35xa,36xaに当
接する位置の路面上に、カム部材230,240が固着
されている。尚、本実施例においては省略したが、図1
0及び図11の実施例同様レール201,202を配設
し、これらによって車輪61,62を案内するように構
成するとよい。
【0070】また、シャフト60は連結シャフト8を介
して、従動輪FW1を支持する側の支持枠体3xに回動
自在に支持された車輪67に連結されており、駆動輪D
W1の駆動に応じて車輪67が車輪61,62と共に回
転駆動されるように構成されている。従って、前述の実
施例のロック機構70に対応するロック機構70xにお
ける操作レバー71xは、支持枠体1の部材1dに沿っ
て延在する連結シャフト74xを介して、鉤部72xに
連結する構造とされている。尚、その他の構成は前述の
図2乃至図5に示した実施例と実質的に同一であるので
同一の符号を付して説明は省略する。
【0071】本実施例の第1及び第2の検知手段並びに
第1及び第2の解除機構としては、上記図14及び図1
5のカム部材230,240と腕部材35x,36xの
延出部35xa,36xaに代えて、図4及び図5と同
様にロッドを用いた構成とすることもでき、その一例を
図17及び図18に示す。図17及び図18において、
腕部材35x,36xには延出部35xb,36xb
(図示省略)が延出形成されており、これらの端部が当
接する位置に、図4乃至図7のロッド110,120に
相当するロッド110x,120xが図4及び図5の配
置とは左右逆に配設されている。尚、ロッド110x,
120xに設けられるカムは、図18に示すように下方
に突出形成されており、ロッド110x,120xの移
動に応じて腕部材35x,36xの端部35xb,36
xbを下方に押動するように構成されている。而して、
ロッド110x,120xは図4及び図5の実施例と同
様に作動し、本実施例の駆動機構は図14及び図15の
実施例の部材1xa内の駆動機構と同様に作動する。
【0072】図19に示すフラップ96は、他のフラッ
プ91乃至95と同様であり、また図2乃至図5の実施
例においても同様に構成されている。例えば、フラップ
96は矩形の板状で一端が支持枠体4xにヒンジ結合さ
れているが、他端は自由端とされ、路面から所定距離離
隔するように弾発支持部材96dによって弾発支持され
ている。弾発支持部材96dは、支持枠体4xに固定さ
れたボルト96bとフラップ96の屈曲端部との間にス
プリング96sが介装されたもので、フラップ96は常
時は図19の右側部分(及び左側に二点鎖線で示した部
分)のように支持されている。而して、先ず駆動輪DW
2がフラップ95,96に乗り上げ、続いて従動輪FW
2がフラップ96に乗り上げると、例えば図19の左側
に実線で示したフラップ95のように、フラップ95,
96の自由端は路面に接するが、従動輪FW2が支持枠
体4xの所定位置(図19の中央)に載置された状態と
なると、フラップ95,96は弾発支持部材96dのス
プリング96sの付勢力によって路面から離れた状態に
戻る。
【0073】上述の実施例においては、支持枠体1乃至
4(又は、1x乃至4x)に設けられた車輪61等は何
れも第1及び第2のローラ10,20の回転軸に対し垂
直な軸回りを回動し、支持枠体1乃至4(1x乃至4
x)は自動車の進行方向に対し直角の横方向に移動する
ように構成されているが、車輪61等を支持枠体1乃至
4(1x乃至4x)に対し所定角度偏位した軸回りを回
動するように構成すれば、自動車の進行方向に対し斜め
の方向に移動させることができる。
【0074】図20乃至図22は本発明の更に他の実施
例に係り、一方向回転規制手段B1,B2として一方向
クラッチ機構を第1及び第2のローラに内蔵するように
構成したものである。図20は第1のローラ10yに内
蔵される一方向クラッチ機構31yの一実施例を示すも
ので、第1のローラ10yは外筒体10yaと内筒体1
0ybの二重筒体構造に形成されており、外筒体10y
aの内周面には、内筒体10ybの外周面との間の間隙
が円周方向に漸減する凹部10ycが複数個形成されて
いる。そして、各々の凹部10yc内に上記間隙の最小
値より大径のボール31yaが収容されると共に、小間
隙方向にボール31yaを付勢するスプリング31yb
が収容されている。
【0075】而して、内筒体10ybに対し外筒体10
yaが図12の時計方向に回転駆動されると、ボール3
1yaが外筒体10yaの凹部10yc内面と内筒体1
0ybの外面と摩擦係合し、内筒体10ybは摩擦力に
よって外筒体10yaと一体的に回転するように駆動さ
れる。これに対し、外筒体10yaが図20の反時計方
向に回転駆動される場合には、ボール31yaは大間隙
方向に移動し、外筒体10yaと内筒体10ybとの摩
擦係合が解かれ内筒体10ybは空転する。第2のロー
ラ20yも同様に構成されているが、第2のローラ20
yにおいては外筒体20yaが図20の時計方向に回転
駆動されると内筒体20ybが空転し、反時計方向に回
転駆動されると回転駆動力が内筒体20ybに伝達され
るように構成されている。尚、一方向クラッチ機構とし
ては種々の構造のものが市販されており、図20のもの
に限らずどのような形式のものを用いてもよい。
【0076】更に、本実施例の一方向クラッチ機構に
は、図20に示すように本発明にいう第1及び第2の解
除装置を構成するソレノイド151乃至153が内蔵さ
れており、各々のプランジャ154乃至156が夫々ボ
ール31ya乃至31ycに当接するように配置されて
いる。外筒体10yaの外周には導体157が固着さ
れ、ソレノイド151乃至153に接続されている。そ
して、導体157に当接するブラシ158が支持枠体1
yに固定されている。一方、支持枠体1yに接触センサ
180が設けられ、また反対側の支持枠体(図示せず)
には接触センサ170が設けられており、縁石等に当接
したことを検知する検知手段として機能する。即ち、接
触センサ170の出力に応じて図20のソレノイド15
1乃至153が励磁されプランジャ154乃至156が
突出し、ボール31yaを大間隙方向に駆動するように
構成されている。同様に、接触センサ180が第2のロ
ーラ20y側に接続されている。
【0077】第1及び第2のローラ10y,20yの外
筒体10ya,20yaの一端には図22に示すように
夫々歯車56y,57yが形成されており、本実施例に
おいては歯車56yに係合可能にロック機構70yが設
けられている。ロック機構70yは前述の実施例のロッ
ク機構と同様の構造であるが、スプリング75yによっ
て係合位置及び待機位置の2位置を切替可能に付勢され
ている。一方、第1及び第2のローラ10y,20yの
内筒体10yb,20ybの一端に(歯車56y,57
yと反対側)、図2乃至図5の実施例の平歯車51,5
2に相当する平歯車51y,52yが固着されている。
そして、主歯車たる平歯車53y(前述の実施例の平歯
車53に相当)は部材1yaに回動自在に軸支されると
共に、上記平歯車51y,52yと直接噛合している。
図21に明らかなように、本実施例においては同一形状
の平歯車を平歯車51y乃至53yとして用いることが
できる。尚、鉛直方向の高さを低くすべく、前述の実施
例のように5個もしくは7個、あるいはそれ以上の平歯
車によって歯車列を構成することとしてもよい。
【0078】而して、移動駐車装置を所定の位置まで移
動させ制動作動に移行した後、接触センサ170又は1
80が縁石等に当接したことが検知されると、駆動側と
なっている第1又は第2のローラ10,20側のソレノ
イドが励磁され、空転状態となる。而して、本実施例に
おいても自動車の制動作動に応じ確実に所定の停止位置
で停止することができる。尚、接触センサ170,18
0は無接触型のセンサを利用してもよく、また機械的に
接触を検知して第1又は第2のローラ10,20を空転
状態とするように構成してもよい。
【0079】図23乃至図25は自動車を一つの支持軸
を中心に旋回可能に支持した移動駐車装置の実施例を示
すもので、図23及び図24が前輪駆動車を移動駐車装
置に対し前進させて載置する場合に係り、図25が後輪
駆動車を移動駐車装置に対し前進させて載置する場合に
係る。これらの実施例における駆動機構は例えば図14
乃至図16の実施例における部材1xa内の駆動機構と
実質的に同様の構成であるが、図23及び図24の実施
例では車輪は具備しておらずシャフト60が連結シャフ
ト8に連結され、この連結シャフト8が後述する車輪1
03に連結されている。また、図25の実施例において
は、一個の車輪61のみを有する。何れの実施例におい
ても、一方の駆動輪DW1側の支持部1zは、他方の駆
動輪DW2側のロッド11,21を支持するための支持
部2zと共に共通のビーム1zb,2zbによって一体
的に形成されており、従動輪FW1,FW2用の支持部
3z,4zも、共通のビーム3zb,4zbによって一
体的に形成されている。そして、支持部3zを構成する
と共に支持部1zに接合するデッキ部材D1と、支持部
4zを構成すると共に支持部2zに接合するデッキ部材
D2が並設されている。
【0080】図23及び図24に示す実施例において
は、従動輪側のビーム3zb,4zb間に車輪103が
回動自在に支持され、その回転軸108が連結シャフト
8に連結されている。また、自動車の前方側即ち駆動輪
側のビーム1zbには支持ブラケット100が固定さ
れ、この支持ブラケット100に支持軸101が嵌合さ
れるように構成されている。尚、支持軸101はシャフ
ト60の延長線上に位置するように配置され、ブラケッ
ト102を介して路面に固定される。支持部2z,4z
には夫々車輪104,105が装着されており、何れも
支持軸101を通る軸を中心に回動自在に支持されてい
る。更に、支持部3z,4zには夫々フラップ94,9
6が装着されている。
【0081】一方、図25に示す実施例においては、従
動輪側のビーム3zbに対し、支持ブラケット100が
固着され、この支持ブラケット100に、車輪61の回
転軸の延長線上に配置された支持軸101が嵌合される
ように構成されている。また、支持部2z,4zに夫々
車輪106,107が装着されており、何れも支持軸1
01を通る軸を中心に回動自在に支持されている。更
に、支持部1z,2zには夫々フラップ91,92が装
着されている。尚、図23乃至図25においては図示は
省略したが、上記図23乃至図25の何れの実施例にお
いても、前述の実施例と同様の検知手段及び解除機構
(例えば図4乃至図7に示した装置)と同様に構成され
ている。
【0082】而して、例えば図25の実施例の移動駐車
装置を同図に二点鎖線で示すように支持軸101を中心
に旋回させて引き出した状態としておき、後輪駆動車
(図示せず)の前方の従動輪を支持部3z,4zに載置
すると共に、駆動輪を支持部1z,2zに載置する。そ
して、駆動輪を回転駆動すると、第1及び第2のローラ
10,20が回動し、その回転駆動力が支持部1zの車
輪61に伝達される。この車輪61の回転により、車輪
61,106,107及び支持軸101に支持された自
動車が矢印Pc方向に旋回し、図25の実線で示す停止
位置で停止する。従って、二点鎖線で示すような間口が
狭い駐車スペースにも容易に自動車を収容することがで
きる。また、車輪61,106,107の各々の回転軸
の延長線上に支持軸101が配置されているので、車輪
61,106,107の各々異なる方向の回転軸回りの
回転に応じて、支持軸101の点を中心とした旋回運動
が行なわれ、支持軸101に対して直角方向(即ち、水
平方向)には殆ど力が加わらない。従って、ブラケット
102の固定は接着等の簡便な方法で行なうことができ
る。
【0083】図23及び図24に示した移動駐車装置も
上記と同様に作動するが、同図の実施例は前輪駆動車用
であり、前方の駆動輪が支持軸101近傍の支持部1
z,2zに載置されるので、第1及び第2のローラ1
0,20は連結シャフト8を介して従動輪側に設けられ
た車輪103に連結されており、この車輪103が回転
駆動される。以上のように、図23乃至図25の実施例
においては、駆動輪が第1及び第2のローラ10,20
上に安定した状態で支持されるので、駆動輪の回転駆動
に応じて支持軸101を中心に自動車を確実に旋回駆動
することができる。そして、上記図23乃至25の何れ
の実施例においても、例えば図4乃至図7に示した実施
例と同様、自動車の制動作動に応じ所定の停止位置で確
実に停止することができる。
【0084】尚、上述の何れの実施例においても、第1
及び第2の検知手段は所定の停止位置に駐車する際に縁
石等に当接させて位置を確認するために用いられている
が、移動駐車装置が移動中に障害物に衝突したときにも
直ちに停止することができる。更に、車輪61,62に
対し外部から制動力を付与する制動機構を併設すること
としてもよい。また、上述の実施例においては他方側の
駆動輪DW2が空転しないように支持されているが、四
輪駆動の自動車、リミットスリップディファレンシャル
(所謂ノンスリップデフ)を備えた自動車、あるいは各
輪制御方式のトラクション制御装置を備えた自動車に適
用する場合には、両駆動輪DW1,DW2によって移動
駐車装置を駆動する必要がある。このような場合には、
支持枠体2にも駆動輪DW1側と同じ機構を設け、同様
の解除手段を設けることとすればよい。尚、所謂フルタ
イム四輪駆動車に対しては、図2の支持枠体3,4に空
転機構を設けることとすればよい。
【0085】
【発明の効果】本発明は上述のように構成されているの
で以下に記載の効果を奏する。即ち、本発明の移動駐車
装置は、第1及び第2のローラの正転時及び逆転時の何
れにおいても、支持台の移動が阻止されたときには自動
車の進行方向側となる第1のローラ又は第2のローラが
空転するように構成されているので、駆動輪の回転方向
に拘らず、駆動輪を第1及び第2のローラ上に安定した
状態で支持することができ、支持台の移動が阻止されて
も駆動輪が支持台から離脱することはない。しかも、第
1及び第2の検知手段によって支持台が所定の停止位置
に達したことを検知し、検知結果に応じて第1及び第2
の制御手段によって第1及び第2の一方向回転規制手段
を制御し、第1及び第2のローラのうち回転力を伝達し
ている側のローラが空転するように構成されているの
で、停止時の制動操作に熟練を要することなく、所定の
停止位置で確実に停止することができる。而して、自動
車の駆動輪を支持台上に載置し回転駆動するだけで、確
実に自動車を所定方向、例えば自動車の進行方向に対し
て直角方向に移動して所定位置に駐車させることができ
る。
【0086】また、自動車を、一つの支持軸を中心に旋
回可能に支持した移動駐車装置においては、駆動輪を第
1及び第2のローラ上に安定した状態で支持しつつ、駆
動輪の回転駆動に応じて、自動車を支持軸を中心に旋回
駆動し、所定の停止位置で確実に停止することができ
る。
【0087】上記移動駐車装置において、第1及び第2
の一方向回転規制手段として第1及び第2の一方向クラ
ッチ機構を用いることとすれば、簡単な機構で確実に駆
動輪を第1及び第2のローラ上に支持することができ、
第1及び第2の検知手段並びに第1及び第2の解除装置
によって所定の停止位置で確実に停止することができ
る。
【0088】主回転部材並びに第1及び第2の回転部材
等を用いた移動駐車装置においては、回転部材の組合せ
による簡単な構成で、駆動輪を第1及び第2のローラ上
に安定した状態で支持することができ、確実に自動車を
所定方向に移動することができると共に、所定の位置で
駆動輪の回転駆動を停止すれば支持台の移動を停止する
ことができる。しかも、第1及び第2の検知手段によっ
て支持台が所定の停止位置に達したことを検知し、検知
結果に応じて第1及び第2の解除手段を駆動するように
構成されているので、停止時の制動操作に熟練を要する
ことなく、所定の停止位置で確実に停止することができ
る。また、回転部材として歯車を用いた装置にあって
は、歯車の組合せによって確実に駆動輪を第1及び第2
のローラ上に支持し得ると共に、簡単な機構で第1及び
第2の解除手段を構成することができる。
【0089】更に、主歯車及び第1乃至第6の歯車を備
えた装置にあっては、特に付勢手段を設けることなく、
歯車機構のみで、第1のローラ又は第2のローラの回転
力が支持台の車輪に伝達され、主歯車が略停止状態にあ
るときには自動車の進行方向側となる第1のローラ又は
第2のローラが空転するように構成することができる。
しかも、第1及び第2の検知手段によって支持台が所定
の停止位置に達したことを検知し、検知結果に応じて第
1及び第2の解除機構を駆動するように構成されている
ので、停止時の制動操作に熟練を要することなく、所定
の停止位置で確実に停止することができる。また、鉛直
方向の高さを低く構成することができるので、駆動輪が
支持台に乗り上げる際に障害となることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の移動駐車装置の構成を示すブロック図
である。
【図2】本発明の一実施例に係る移動駐車装置の斜視図
である。
【図3】本発明の一実施例の移動駐車装置における駆動
輪を載置する支持枠体内の構造を示す斜視図である。
【図4】本発明の一実施例に係る移動駐車装置の部分断
面側面図である。
【図5】本発明の一実施例に係る移動駐車装置の一部の
横断面図である。
【図6】本発明の一実施例に係る移動駐車装置の一部の
側面図である。
【図7】本発明の一実施例に係る移動駐車装置の一部の
側面図である。
【図8】本発明の一実施例の移動駐車装置において検知
手段及び解除手段の他の実施例を示す部分断面側面図で
ある。
【図9】本発明の一実施例の移動駐車装置において検知
手段及び解除手段の他の実施例を示す横断面図である。
【図10】本発明の一実施例の移動駐車装置において検
知手段及び解除手段の更に他の実施例を示す部分断面側
面図である。
【図11】本発明の一実施例の移動駐車装置において検
知手段及び解除手段の更に他の実施例の一部を示す側面
図である。
【図12】本発明の他の実施例に係る移動駐車装置の斜
視図である。
【図13】本発明の他の実施例に係る移動駐車装置の平
面図である。
【図14】本発明の他の実施例に係る移動駐車装置の部
分断面側面図である。
【図15】本発明の他の実施例に係る移動駐車装置の一
部の横断面図である。
【図16】本発明の他の実施例の移動駐車装置における
駆動輪を載置する支持枠体内の構造を示す斜視図であ
る。
【図17】本発明の他の実施例に係る移動駐車装置の部
分断面側面図である。
【図18】本発明の他の実施例に係る移動駐車装置の一
部の側面図である。
【図19】本発明の他の実施例の移動駐車装置における
従動輪を載置する支持枠体の側面図である。
【図20】本発明の更に他の実施例に係る移動駐車装置
に供する一方向クラッチ機構の縦断面図である。
【図21】本発明の更に他の実施例に係る移動駐車装置
の部分断面側面図である。
【図22】本発明の更に他の実施例に係る移動駐車装置
の一部の横断面図である。
【図23】本発明の別の実施例に係る移動駐車装置の平
面図である。
【図24】本発明の別の実施例に係る移動駐車装置の側
断面図である。
【図25】本発明の更に別の実施例に係る移動駐車装置
の平面図である。
【符号の説明】
1〜4,1x〜4x,1y 支持枠体(支持台) 5〜7,5x〜7x 連結部材 10 第1のローラ 20 第2のローラ 11 第1のロッド 21 第1のロッド 31y 一方向クラッチ機構 40,50 回転伝達機構 61〜65 車輪 70,70x,70y ロック機構 DW1,DW2 駆動輪 31〜35,41〜48,51〜53 平歯車 33,34 スプリング 54,55 傘歯車 91〜96 フラップ 101 支持軸 103〜105 車輪 110,120 ロッド 111,121 カム 114 フレキシブルケーブル 119,129 接触子 130,140 カムプレート 131,141 カム 230,240 カム部材

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪を回動自在に支持し自動車の少なく
    とも一つの駆動輪を載置する支持台と、相互に平行に所
    定距離隔てて前記支持台に回動自在に支持し、前記駆動
    輪と摩擦係合する第1のローラ及び第2のローラと、前
    記第1のローラの正転時に回転力を伝達し逆転時に空転
    するように前記第1のローラの回転を一方向に規制する
    第1の一方向回転規制手段と、前記第2のローラの逆転
    時に回転力を伝達し正転時に空転するように前記第2の
    ローラの回転を一方向に規制する第2の一方向回転規制
    手段と、前記第1及び第2の一方向回転規制手段を介し
    て前記第1及び第2のローラの回転力を前記車輪に伝達
    する回転伝達機構と、前記第1及び第2のローラの少く
    とも何れか一方の回動を停止し得る停止手段と、前記第
    1のローラの正転時に前記支持台が移動して第1の停止
    位置に達したことを検知する第1の検知手段と、前記第
    2のローラの逆転時に前記支持台が移動して第2の停止
    位置に達したことを検知する第2の検知手段と、前記第
    1の検知手段が前記第1の停止位置に達したことを検知
    したときには前記第1のローラが空転するように前記第
    1の一方向回転規制手段を制御する第1の制御手段と、
    前記第2の検知手段が前記第2の停止位置に達したこと
    を検知したときには前記第2のローラが空転するように
    前記第2の一方向回転規制手段を制御する第2の制御手
    段とを備えると共に、前記自動車を前記支持台の移動に
    応じて移動可能に支持したことを特徴とする移動駐車装
    置。
  2. 【請求項2】 前記自動車を、一つの支持軸を中心に旋
    回可能に支持し、前記第1及び第2のローラの回動に応
    じて前記自動車を旋回駆動することを特徴とする請求項
    1記載の移動駐車装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の一方向回転規制手段及び第2
    の一方向回転規制手段が、夫々一方向の回転力を伝達し
    逆方向は空転するクラッチ機構を有し、夫々前記第1の
    ローラ及び第2のローラの回転を相互に逆方向に規制す
    る第1の一方向クラッチ機構及び第2の一方向クラッチ
    機構から成り、前記第1の制御手段及び第2の制御手段
    が、夫々前記第1の検知手段及び第2の検知手段の検知
    結果に応じて前記第1の一方向クラッチ機構及び第2の
    一方向クラッチ機構を空転させる第1の解除装置及び第
    2の解除装置から成ることを特徴とする請求項1記載の
    移動駐車装置。
  4. 【請求項4】 車輪を回動自在に支持し自動車の少なく
    とも一つの駆動輪を載置する支持台と、相互に平行に所
    定距離隔てて前記支持台に回動自在に支持し、前記駆動
    輪と摩擦係合する第1のローラ及び第2のローラと、前
    記車輪に連結し前記支持台に回動自在に支持する主回転
    部材と、該主回転部材及び前記第1のローラに対して係
    脱可能に配置し、前記主回転部材が略停止した状態で前
    記第1のローラの正転時に前記主回転部材及び前記第1
    のローラと係合する方向に移動すると共に、前記第1の
    ローラの逆転時に離脱する方向に移動する第1の回転部
    材と、前記主回転部材及び前記第2のローラに対して係
    脱可能に配置し、前記主回転部材が略停止した状態で前
    記第2のローラの逆転時に前記主回転部材及び前記第2
    のローラと係合する方向に移動すると共に前記第2のロ
    ーラの正転時に離脱する方向に移動する第2の回転部材
    と、前記第1の回転部材を前記主回転部材及び前記第1
    のローラと係合する方向に付勢する第1の付勢手段と、
    前記第2の回転部材を前記主回転部材及び前記第2のロ
    ーラと係合する方向に付勢する第2の付勢手段と、前記
    第1及び第2のローラの少くとも何れか一方の回動を停
    止し得る停止手段と、前記第1のローラの正転時に前記
    支持台が移動して第1の停止位置に達したことを検知す
    る第1の検知手段と、前記第2のローラの逆転時に前記
    支持台が移動して第2の停止位置に達したことを検知す
    る第2の検知手段と、前記第1の検知手段が前記第1の
    停止位置に達したことを検知したときには、前記第1の
    回転部材を、前記主回転部材及び前記第1のローラとの
    係合を解く方向に駆動する第1の解除手段と、前記第2
    の検知手段が前記第2の停止位置に達したことを検知し
    たときには、前記第2の回転部材を、前記主回転部材及
    び前記第2のローラとの係合を解く方向に駆動する第2
    の解除手段とを備えると共に、前記自動車を前記支持台
    の移動に応じて移動可能に支持したことを特徴とする移
    動駐車装置。
  5. 【請求項5】 前記第1及び第2のローラの各々に一体
    的に各々の軸を回転軸とする歯車を設け、前記主回転部
    材が、前記車輪に連結する主歯車から成り、前記第1の
    回転部材が、前記第1のローラに設けた歯車と噛合する
    と共に前記主歯車と噛合し得るように配置する少なくと
    も一つの歯車を有し、前記第2の回転部材が、前記第2
    のローラに設けた歯車と噛合すると共に前記主歯車と噛
    合し得るように配置する少なくとも一つの歯車を有し、
    前記第1及び第2の付勢手段が、前記第1及び第2の回
    転部材を構成する少なくとも一つの歯車に対し前記主歯
    車並びに前記第1及び第2のローラに設けた歯車方向に
    付勢する手段から成り、前記停止手段が、前記第1のロ
    ーラに設けた歯車及び前記第2のローラに設けた歯車の
    少なくとも何れか一方に係合して前記第1及び第2のロ
    ーラの少なくとも何れか一方の回転を阻止するロック機
    構から成り、前記第1の解除手段が、前記第1の回転部
    材を構成する歯車を支持する第1の腕部材を有すると共
    に、前記第1の検知手段が前記第1の停止位置に達した
    ことを検知したときに、前記第1の腕部材を前記主歯車
    及び前記第1のローラに設けた歯車との噛合を解く方向
    に駆動する機構を有し、前記第2の解除手段が、前記第
    2の回転部材を構成する歯車を支持する第2の腕部材を
    有すると共に、前記第2の検知手段が前記第2の停止位
    置に達したことを検知したときに、前記第2の腕部材を
    前記主歯車及び前記第2のローラに設けた歯車との噛合
    を解く方向に駆動する機構を有することを特徴とする請
    求項4記載の移動駐車装置。
  6. 【請求項6】 車輪を回動自在に支持し自動車の少なく
    とも一つの駆動輪を載置する支持台と、相互に平行に所
    定距離隔てて前記支持台に回動自在に支持し、前記駆動
    輪と摩擦係合する第1のローラ及び第2のローラと、該
    第1のローラ及び第2のローラの各々に一体的に設け各
    々の軸を回転軸とする第1の歯車及び第2の歯車と、前
    記車輪に連結し前記支持台に回動自在に支持する主歯車
    と、該主歯車の水平方向の両側に配置し前記第1の歯車
    と噛合するように前記支持台に回動自在に支持する第3
    の歯車及び前記第2の歯車と噛合するように前記支持台
    に回動自在に支持する第4の歯車と、前記主歯車及び前
    記第3の歯車の上方に配置し自重によって両歯車と噛合
    する方向に付勢する第5の歯車と、前記主歯車及び前記
    第4の歯車の上方に配置し自重によって両歯車と噛合す
    る方向に付勢する第6の歯車と、前記第1の歯車及び前
    記第2の歯車の少なくとも何れか一方に係合して前記第
    1及び第2のローラの少なくとも何れか一方の回転を阻
    止するロック機構と、前記第1のローラの正転時に前記
    支持台が移動して第1の停止位置に達したことを検知す
    る第1の検知手段と、前記第2のローラの逆転時に前記
    支持台が移動して第2の停止位置に達したことを検知す
    る第2の検知手段と、前記第1の検知手段が前記第1の
    停止位置に達したことを検知したときには、前記第5の
    歯車を、前記主歯車及び前記第3の歯車との噛合を解く
    方向に駆動する第1の解除機構と、前記第2の検知手段
    が前記第2の停止位置に達したことを検知したときに
    は、前記第6の歯車を、前記主歯車及び前記第4の歯車
    との係合を解く方向に駆動する第2の解除機構とを備え
    ると共に、前記自動車を前記支持台の移動に応じて移動
    可能に支持したことを特徴とする移動駐車装置。
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CN108643641A (zh) * 2018-07-09 2018-10-12 东北大学 一种自驱动双层立体停车装置
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