JP3371848B2 - パッケージ封止装置とこれを用いた弾性表面波デバイスの製造方法 - Google Patents

パッケージ封止装置とこれを用いた弾性表面波デバイスの製造方法

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JP3371848B2
JP3371848B2 JP11204899A JP11204899A JP3371848B2 JP 3371848 B2 JP3371848 B2 JP 3371848B2 JP 11204899 A JP11204899 A JP 11204899A JP 11204899 A JP11204899 A JP 11204899A JP 3371848 B2 JP3371848 B2 JP 3371848B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は素子をパッケージ内
に気密封止した弾性表面波デバイスなどのパッケージ封
止装置とこれを用いた弾性表面波デバイスの製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来圧電基板にIDT電極などを形成した
弾性表面波素子をアルミナ製パッケージ内に樹脂で仮固
定して収納し、次に弾性表面波素子とパッケージに設け
た外部端子とをワイヤで電気的に接続し、次いでパッケ
ージ開口部を金属製のリッドで封止して弾性表面波デバ
イスを得ていた。
【0003】このパッケージの封止は、パッケージの開
口部とリッドとの間に設けた半田をリフロー炉を用いて
溶融させて行うものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この方法によると、長
時間高温でパッケージ全体を加熱することになり、弾性
表面波素子をパッケージに固定している樹脂からガスが
発生したり、不完全な封止となったり、完全に封止した
場合でもパッケージの内部圧力の影響によりパッケージ
の外部に半田が突出したいわゆる半田コブが発生するな
どの問題点を有していた。
【0005】そのため弾性表面波素子を固定するための
樹脂選択に大きな制限があった。
【0006】そこで本発明は、弾性表面波素子をパッケ
ージ内に固定する樹脂に悪影響を及ぼさず、半田コブな
どの不完全な封止状態の発生を防止することができるパ
ッケージ封止装置とこれを用いた弾性表面波デバイスの
製造方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明のパッケージ封止装置は、パッケージの開口部
をリッドで封止するのに用いるパッケージ封止装置にお
いて、前記パッケージと前記リッドの間に半田または低
融点ガラスからなる封止材料を有し、前記リッドを加熱
することにより前記封止材料を溶融させるための抵抗加
熱方式のヒータチップからなる加熱手段と、この加熱手
段に接続し熱を供給するための発熱手段と、前記加熱手
段及び発熱手段に接続して加熱手段の温度を検知すると
共に発熱手段の発熱温度をコントロールするための温度
制御手段と、前記加熱手段の位置をコントロールするた
めの位置決め制御手段とを備え、前記加熱手段は少なく
とも二種類の金属を組み合わせて形成したものであり、
前記リッドとの接触面を電気抵抗が大きくかつ熱伝導性
に劣る金属で形成し、前記加熱手段の位置は前記位置決
め制御手段により前記リッドに当接させた後、前記ヒー
タチップの温度を前記封止材料の溶融温度以上まで上昇
させ、その後前記加熱手段の位置をさらに下降させ、前
記パッケージの内部圧力が上昇し始めた時点で上昇させ
るようにしたことを特徴とするものであり、加熱手段は
熱応答性及び温度再現性にすぐれたものであるので短時
間でパッケージを封止することができ、素子を固定する
樹脂に悪影響を及ぼさず、不完全な封止状態の発生を防
止することができるものである。
【0008】
【発明の実施の形態】(実施の形態1) 本発明の請求項1に記載の発明は、パッケージの開口部
をリッドで封止するのに用いるパッケージ封止装置にお
いて、前記パッケージと前記リッドの間に半田または低
融点ガラスからなる封止材料を有し、前記リッドを加熱
することにより前記封止材料を溶融させるための抵抗加
熱方式のヒータチップからなる加熱手段と、この加熱手
段に接続し熱を供給するための発熱手段と、前記加熱手
段及び発熱手段に接続して加熱手段の温度を検知すると
共に発熱手段の発熱温度をコントロールするための温度
制御手段と、前記加熱手段の位置をコントロールするた
めの位置決め制御手段とを備え、前記加熱手段は少なく
とも二種類の金属を組み合わせて形成したものであり、
前記リッドとの接触面を電気抵抗が大きくかつ熱伝導性
に劣る金属で形成し、前記加熱手段の位置は前記位置決
め制御手段により前記リッドに当接させた後、前記ヒー
タチップの温度を前記封止材料の溶融温度以上まで上昇
させ、その後前記加熱手段の位置をさらに下降させ、前
記パッケージ の内部圧力が上昇し始めた時点で上昇させ
るようにしたことを特徴とするパッケージ封止装置であ
り、短時間でパッケージ封止を行うことができるので、
弾性表面波素子を固定する樹脂に悪影響を及ぼさないも
のである。
【0009】請求項2に記載の発明は、加熱手段を形成
する金属は、ステンレスとベリリウム銅であり、リッド
との接触面をステンレスで形成した請求項1に記載のパ
ッケージ封止装置であり、熱応答性及び温度再現性に優
れた加熱手段を有するパッケージ封止装置となる。
【0010】請求項3に記載の発明は、加熱手段の位置
をコントロールするための位置決め制御手段は、偏心カ
ムにより前記加熱手段を上下運動させるものであり、封
止時にパッケージ内部圧力の変化に対応して加熱手段の
位置を上下に制御することにより封止材料がパッケージ
の外部に突出したいわゆるコブの発生を抑制することが
できる。
【0011】請求項4に記載の発明は、パッケージの開
口部をリッドで封止してなる弾性表面波デバイスであっ
て、開口部を有する前記パッケージの下部内に前記弾性
表面波素子を収納する第1の工程と、次に前記リッドを
前記パッケージの開口部に半田または低融点ガラスから
なる封止材料を介して設置する第2の工程と、次いでパ
ッケージ封止装置の位置決め制御手段により加熱手段の
位置をコントロールしながら、抵抗加熱方式のヒータチ
ップからなる加熱手段により前記リッドを加熱して前記
封止材料を溶融して前記パッケージを封止する第3の工
程とを備え、前記パッケージの開口部を前記リッドで封
止するのに用いる前記パッケージ封止装置において、前
記パッケージと前記リッドの間に半田または低融点ガラ
スからなる前記封止材料を有し、前記リッドを加熱する
ことにより前記封止材料を溶融させるための抵抗加熱方
式のヒータチップからなる前記加熱手段と、この加熱手
段に接続し熱を供給するための発熱手段と、前記加熱手
段及び前記発熱手段に接続して前記加熱手段の温度を検
知すると共に前記発熱手段の発熱温度をコントロールす
るための温度制御手段と、前記加熱手段の位置をコント
ロールするための前記位置決め制御手段とを備え、前記
加熱手段は少なくとも二種類の金属を組み合わせて形成
したものであり、前記リッドとの接触面を電気抵抗が大
きくかつ熱伝導性に劣る金属で形成し、前記加熱手段の
位置は前記位置決め制御手段により前記リッドに当接さ
せた後、前記ヒータチップの温度を前記封止材料の溶融
温度以上まで上昇させ、その後前記加熱手段の位置をさ
らに下降させ、前記パッケージの内部圧力が上昇し始め
た時点で上昇させるようにしたパッケージ封止装置を用
いてなる弾性表面波デバイスの製造方法であり、封止工
程における膨張及び収縮におけるパッケージの破損のな
い弾性表面波デバイスを得ることができる。
【0012】請求項5に記載の発明は、第3の工程にお
いてパッケージを設置する支持台は封止材料の融点より
も低く加熱されたものを用いる請求項4に記載の弾性表
面波デバイスの製造方法であり、封止材料の溶融をより
短時間で行うことができる。
【0013】請求項に記載の発明は、第3の工程にお
いて、加熱手段からリッドへの荷重はパッケージの内部
の圧力が溶融した封止材料の表面張力を越えないように
する請求項4から請求項のいずれか一つに記載の弾性
表面波デバイスの製造方法であり、封止材料がパッケー
ジの外部へ突出するのを防止できる。
【0014】請求項に記載の発明は、第3の工程にお
いて、加熱手段は封止材料を溶融後リッドと接触した状
態で冷却する請求項4から請求項のいずれか一つに記
載の弾性表面波デバイスの製造方法であり、加熱手段が
半田の熱を奪い半田を急速に冷却し硬化させることがで
きる。
【0015】以下本発明の一実施の形態について図面を
参照しながら説明する。
【0016】図1は本実施の形態におけるヒータチップ
の斜視図であり、4はヒータチップ、4aはシャンク
部、4bは発熱部である。また、図2は本実施の形態に
用いるパッケージ封止装置であり、1は下面ヒータ、2
は下面ヒータ1に設置したパッケージ、3はパッケージ
2の開口部に仮固定されたリッド、4はリッド3を直接
加熱するためのヒータチップ、5はヒータチップ4を上
下運動させる偏心カム、6は偏心カム5を回転させるた
めのパルスモータ、7はチータチップ4のユニットの上
下運動をスムーズに行うためのLMガイド、8は偏心カ
ム5のユニットとヒータチップ4のユニットを一つのユ
ニットとして動作させるためのクランプレバーで、9は
クランプレバー8を動作させるためのシリンダ、10は
ヒータチップ4を加熱するためのパルスヒート電源、1
1は熱電対で、一端をヒータチップ4の先端に、他端を
パルスヒート電源10に接続したものであり、100は
ヒータチップ4に電流を流すケーブル対で、パルスヒー
ト電源10に接続されている。
【0017】このパッケージ封止装置は、パルスヒート
方式、すなわち、高抵抗材料で形成したヒータチップ4
にパルスヒート電源10からパルス状の大電流を流し、
ここで発生したジュール熱を利用して加熱する方式を用
いてパッケージ2とリッド3間の半田等の封止材料を溶
融することによりパッケージの開口部をリッド3で封止
するものである。
【0018】また、熱電対11によりヒータチップ4の
熱起電力をパルスヒート電源10にフィードバックし
て、パルスヒート電源10の設定温度とヒータチップ4
のリッド3との接触面の温度とが一致するようにパルス
ヒート電源10で電流をリアルタイムに制御し、ヒータ
チップ4が設定時間、設定温度を保持するようにしてい
る。
【0019】また、パルスモータ6は、正転、逆転のい
ずれも可能で、1回転(360°)あたり、500パル
ス(1パルス=0.72°)で構成した。
【0020】下面ヒータ1は、パッケージ2の封止を確
実に行うための補助加熱手段となるように加熱してお
く。下面ヒータ1の温度は、封止材料の融点よりも低く
する。なぜならば封止材料を冷却し、パッケージ2の開
口部にリッド3が固定されるまで下面ヒータ1上にパッ
ケージ2が存在するからである。また、パッケージ2の
支持台として下面ヒータ1を用いることにより、パッケ
ージ封止温度が安定し、封止材料を確実に溶融すること
ができるのである。
【0021】さらに偏心カム5は、ヒータチップ4を±
0.1mmの幅で上下運動できるようにしている。
【0022】以下、本発明のパッケージ封止装置におい
て最大の特徴であるヒータチップ4について説明する。
【0023】ヒータチップ4は、シャンク部4aと発熱
部4bからなり、発熱部4bすなわちリッド3に接触する
部分は、均一な熱分布を有するように放熱性に劣る、す
なわち高抵抗の材料で形成することが望ましい。しかし
ながら放熱性に劣るということは、繰り返し行うことに
よる温度の再現性が悪くなるということである。従って
温度再現性に優れたヒータチップ4を実現するためにシ
ャンク部4aは、冷却部としても働くように抵抗値が小
さい、すなわち放熱性に優れた材料を用いて形成するこ
とが望ましい。また、発熱部4bを放熱性に劣る材料で
形成することにより、発熱部4bは均一な熱分布を維持
できるので、リッド3と接触する発熱部4bの面積を大
きくすることができる。従って、一種類のヒータチップ
4で他品種のパッケージ2を封止することができる。
【0024】しかしながら、温度再現性に優れたヒータ
チップ4とするために発熱部4bの大きさは、パッケー
ジ2とリッド3との間の封止材料が溶融するだけの十分
な温度を維持できる範囲でできるだけ小さくすることが
望ましい。本実施の形態においては、発熱部4bはステ
ンレスで形成し、シャンク部4aはベリリウム銅合金で
形成した後金メッキを施した。その結果、熱応答性及び
温度再現性に優れたヒータチップ4となる。
【0025】また、シャンク部4aと発熱部4bと接合
の接触不良防止(火花防止)に注意することが大切であ
る。この接合は、ネジ止めあるいはロウ付けにより行う
ことができる。ロウ付けで行う場合は、パッケージ2と
リッド3との間の封止材料よりも高い融点を有するロウ
を用いてロウ付けすることが必要である。
【0026】また本実施の形態ではネジ止めにより接合
を行っているが、シャンク部4aの発熱部4bとの接合面
にも金メッキ層を設けることにより、接触不良を防止し
ている。
【0027】さらに、図3に示すようにヒータチップ4
にシャフト12を介して重り13を設けることにより、
パッケージ2を封止する際にリッド3等の傾きなどがあ
る場合、ヒータチップ4の発熱部4bがリッド3の上面
全体に接触するようにヒータチップ4の位置を重り13
で微調整することができる。
【0028】このパッケージ封止装置を用いた弾性表面
波デバイスの製造方法について説明する。図4〜図6
は、本実施の形態におけるパッケージ2をリッド3での
封止工程を説明するための断面図であり、20はシリコ
ン樹脂、21は弾性表面波素子、22はワイヤ、23は
半田層である。
【0029】まず、酸化アルミニウムを主成分とするパ
ッケージ2内にシリコン樹脂20を用いて弾性表面波素
子21を固定する。このパッケージ2は開口部となる上
端面に金属メッキ層を形成して、封止材料となる半田層
23となじむようにしている。次いでパッケージ2に設
けた外部端子と弾性表面波素子21とをワイヤ22で電
気的に接続する。次いでパッケージ2の開口部を封止す
るようにリッド3を位置合わせし、大気中で、加圧ブロ
ックにより3kgの加圧を約1秒かけて、リッド3とパッ
ケージ2を仮固定する。またこのときの加圧ブロックは
約300℃に設定している。
【0030】このリッド2はFe−Ni−Co合金であ
るコバール材を用いて形成したものであり、パッケージ
2側の表面に半田層23を形成したものである。また、
このときの半田層23の温度は、約180〜200℃く
らいになるようにする。この仮固定は、半田層23が溶
融して固定されたものでなく、加圧ブロックを用いて加
熱することにより、パッケージ2の上端部の金属メッキ
層、半田層23の金属間の拡散接合を促し、さらに加圧
により半田層23の変形によりパッケージ2の上端面に
半田を食い込ませる二つの機能で構成されている。この
接合状態は、パッケージ封止部分の一部のみ半田で固定
されているものである。また、確実に仮固定させるため
にパッケージ2を約150℃、リッド3を約60℃に予
備加熱を行っている。
【0031】次いで仮固定後、直ちに図4に示すように
窒素雰囲気にしたチャンバ内に設けたパッケージ封止装
置の下面ヒータ1上にパッケージ2を設置し、ヒータチ
ップ4の発熱部4bをリッド3に当接させる。この位置
はセンサで検知する。このときすでにヒータチップ4は
パルスヒート電源10により半田層23の融点以下であ
る300℃に加熱されている。これはリッド3に当接後
できるだけ早く半田層23を溶融するためである。
【0032】まずヒータチップ4をリッド3に当接させ
た後、シリンダ9によってクランプレバー8を動作させ
てヒータチップユニットと偏心カムユニットとを一体化
させて、ヒータチップ4の上下運動を可能にする。次
に、ヒータチップ4の温度を半田層23の溶融温度以上
の370℃まで上昇させる(上昇速度約600℃/
秒)。次いで図5に示すようにヒータチップ4自身をさ
らに下降させてリッド3を加圧する(ヒータチップ4の
下降は、(原点に対して)50μmを0.03秒で行
う。)。その後、図6に示すように再びヒータチップ4
を上昇させる。ヒータチップ4を上昇させるタイミング
は、パッケージ2の内部圧力が上昇し始めた時がもっと
も好ましい。
【0033】ヒータチップ4を更に下降させて、再び上
昇させるのは以下のような理由である。すなわち、半田
溶融後リッド3は一旦沈み、封止が完了するとパッケー
ジ2の内部圧力が上昇し、リッド3を押し上げようとす
る。ヒータチップ4の高さを当初の位置に固定したまま
封止を行うと、半田層23に十分熱が伝わらず不完全な
封止となったり、完全に封止した場合でもパッケージ2
の内部圧力の影響により、半田の表面張力を越えてしま
い、パッケージ2の外部に半田が突出したいわゆる半田
コブが発生する。
【0034】従って、半田層23に十分な熱が加わるよ
うに半田溶融後さらにヒータチップ4を下降させ、パッ
ケージ2の内部圧力が上昇し始めるとヒータチップ4を
上昇させて封止がうまくいくようにするのである。
【0035】しかしながら、たとえ半田コブが発生した
としても、本発明においてはパッケージ2の内部圧力が
上昇し始めるとヒータチップ4を上昇させることによ
り、リッド3とともに半田も上昇するため、まだ硬化し
ていない半田コブを吸収して消滅させることができる。
【0036】またこのヒータチップ4を上昇させている
間に、パルスヒート電源10によるヒータチップ4の3
70℃での保持が終了する。このヒータチップ4の37
0℃での保持終了と共にヒータチップ4が半田層23の
熱を奪うこととなり、半田層23が急激に冷却されて、
パッケージ2の開口部はリッド3で封止完了となる。
【0037】リッド3を仮固定したパッケージ2をパッ
ケージ封止装置に配置してから、封止完了までは1パッ
ケージあたりわずか約6秒である。
【0038】以下、本発明の弾性表面波デバイスの製造
方法におけるポイントについて記載する。
【0039】(1)熱応答性及び温度再現性に優れたシ
ャンク部4aと発熱部4bとからなるヒータチップ4を用
いているので、局部的かつ瞬間的な加熱で封止できる。
【0040】従って、非常に短持間で封止を完了するこ
とができるので、従来のようにリフロー炉を用いてパッ
ケージ封止工程を行っていた場合のように、弾性表面波
素子21や弾性表面波素子21をパッケージ2に固定し
ているシリコン樹脂20への悪影響を防止することがで
きる。
【0041】(2)パッケージ2とリッド3との仮固定
は大気中で行い、パッケージ封止装置を用いた封止工程
のみ窒素雰囲気中のチャンバ内で行うので、チャンバサ
イズを小さくでき、チャンバ内の雰囲気制御が容易にな
る。
【0042】(3)均一に加熱するためにリッド3の面
積よりも、リッド3との接触面積が大きなヒータチップ
4を用いることが必要である。
【0043】(4)パッケージ2を封止するための封止
材料として半田層23を用いたが、低融点ガラスを用い
ても構わない。
【0044】(5)ヒータチップ4に接続した熱電対1
1により、常に発熱部4bの温度を検知し、パルスヒー
ト電源10にフィードバックしてパルスヒート電源10
からの発熱部4bへの熱供給を調整し、常に所望となる
ようにする。
【0045】(6)半田層23が溶融してリッド3が沈
み込むのに対応してヒータチップ4を下降させることに
より、リッド3とヒータチップ4とが非接触の状態とな
り、ヒータチップ4の熱が半田層23に伝わりにくくな
るのを防止している。
【0046】
【発明の効果】以下本発明によると、短時間でパッケー
ジの封止を行うことができるため、封止後のパッケージ
の損傷を防止することのできる弾性表面波デバイスの製
造方法を提供することができる。
【0047】さらにパッケージ一つ一つについてヒータ
チップの位置決めを行うので、不完全な封止状態が発生
することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態におけるヒータチップの
斜視図
【図2】本発明の一実施の形態におけるパッケージ封止
装置の模式図
【図3】本発明の他の実施の形態におけるヒータチップ
の正面図
【図4】本発明の一実施の形態におけるパッケージ封止
工程を説明するための断面図
【図5】本発明の一実施の形態におけるパッケージ封止
工程を説明するための断面図
【図6】本発明の一実施の形態におけるパッケージ封止
工程を説明するための断面図
【符号の説明】
1 下面ヒータ 2 パッケージ 3 リッド 4 ヒータチップ 4a シャンク部 4b 発熱部 5 偏心カム 6 パルスモータ 7 LMガイド 8 クランプレバー 9 シリンダ 10 パルスヒート電源 11 熱電対 12 シャフト 13 重り 20 シリコン樹脂 21 弾性表面波素子 22 ワイヤ 23 半田層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H03H 9/25 H03H 9/25 A // B23K 101:12 B23K 101:12 101:36 101:36 (56)参考文献 特開 平11−74393(JP,A) 特開 平4−220170(JP,A) 特開 平2−241672(JP,A) 特開 昭64−27771(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 1/00 B23K 3/03 - 3/047 H01L 23/02 H03H 9/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パッケージの開口部をリッドで封止する
    のに用いるパッケージ封止装置において、前記パッケー
    ジと前記リッドの間に半田または低融点ガラスからなる
    封止材料を有し、前記リッドを加熱することにより前記
    封止材料を溶融させるための抵抗加熱方式のヒータチッ
    プからなる加熱手段と、この加熱手段に接続し熱を供給
    するための発熱手段と、前記加熱手段及び発熱手段に接
    続して加熱手段の温度を検知すると共に発熱手段の発熱
    温度をコントロールするための温度制御手段と、前記加
    熱手段の位置をコントロールするための位置決め制御手
    段とを備え、前記加熱手段は少なくとも二種類の金属を
    組み合わせて形成したものであり、前記リッドとの接触
    面を電気抵抗が大きくかつ熱伝導性に劣る金属で形成
    、前記加熱手段の位置は前記位置決め制御手段により
    前記リッドに当接させた後、前記ヒータチップの温度を
    前記封止材料の溶融温度以上まで上昇させ、その後前記
    加熱手段の位置をさらに下降させ、前記パッケージの内
    部圧力が上昇し始めた時点で上昇させるようにしたパッ
    ケージ封止装置。
  2. 【請求項2】 加熱手段を形成する金属は、ステンレス
    とベリリウム銅であり、リッドとの接触面をステンレス
    で形成した請求項1に記載のパッケージ封止装置。
  3. 【請求項3】 加熱手段の位置をコントロールするため
    の位置決め制御手段は、偏心カムにより前記加熱手段を
    上下運動させるものである請求項1に記載のパッケージ
    封止装置。
  4. 【請求項4】 パッケージの開口部をリッドで封止して
    なる弾性表面波デバイスであって、開口部を有する前記
    パッケージの下部内に前記弾性表面波素子を収納する第
    1の工程と、次に前記リッドを前記パッケージの開口部
    に半田または低融点ガラスからなる封止材料を介して設
    置する第2の工程と、次いでパッケージ封止装置の位置
    決め制御手段により加熱手段の位置をコントロールしな
    がら、抵抗加熱方式のヒータチップからなる加熱手段に
    より前記リッドを加熱して前記封止材料を溶融して前記
    パッケージを封止する第3の工程とを備え、前記パッケ
    ージの開口部を前記リッドで封止するのに用いる前記パ
    ッケージ封止装置において、前記パッケージと前記リッ
    ドの間に半田または低融点ガラスからなる前記封止材料
    を有し、前記リッドを加熱することにより前記封止材料
    を溶融させるための抵抗加熱方式のヒータチップからな
    る前記加熱手段と、この加熱手段に接続し熱を供給する
    ための発熱手段と、前記加熱手段及び前記発熱手段に接
    続して前記加熱手段の温度を検知すると共に前記発熱手
    段の発熱温度をコントロールするための温度制御手段
    と、前記加熱手段の位置をコントロールするための前記
    位置決め制御手段とを備え、前記加熱手段は少なくとも
    二種類の金属を組み合わせて形成したものであり、前記
    リッドとの接触面を電気抵抗が大きくかつ熱伝導性に劣
    る金属で形成し、前記加熱手段の位置は前記位置決め制
    御手段により前記リッドに当接させた後、前記ヒータチ
    ップの温度を前記封止材料の溶融温度以上まで上昇さ
    せ、その後前記加熱手段の位置をさらに下降させ、前記
    パッケージの内部圧力が上昇し始めた時点で上昇させる
    ようにしたパッケージ封止装置を用いてなる弾性表面波
    デバイスの製造方法。
  5. 【請求項5】 第3の工程において、パッケージを設置
    する支持台は封止材料の融点よりも低く加熱されたもの
    を用いる請求項4に記載の弾性表面波デバイスの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 第3の工程において、加熱手段からリッ
    ドへの荷重はパッケージの内部の圧力が溶融した封止材
    料の表面張力を越えないようにする請求項4から請求項
    のいずれか一つに記載の弾性表面波デバイスの製造方
    法。
  7. 【請求項7】 第3の工程において、加熱手段は封止材
    料を溶融後リッドと接触した状態で冷却する請求項4か
    ら請求項のいずれか一つに記載の弾性表面波デバイス
    の製造方法。
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