JP3370827B2 - シートバックの保持装置 - Google Patents
シートバックの保持装置Info
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Description
などとして用いられる可倒式シートのシートバックの保
持装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】ワゴン型、バン型あるいはハッチバック
型の自動車においては、リヤシートを可倒式シートで構
成することにより、このシートのシートバックを前方に
倒して後部荷室のスペースを拡大できるようにすること
がある。このような可倒式シートにおいては、シートバ
ックと車体の間に設けた保持装置を係合作動させてシー
トバックを起立状態に保持させ、または、シートバック
を前方に折畳回動させて後部荷室を拡大できるようにす
ることが多い。 【0003】かかるシートバックの保持装置の従来例と
しては、実公平1−30360号公報に見られるよう
に、車体に取り付けたストライカに係合するロック溝を
設けたロックプレートを可倒式シートのシートバックに
上下回動可能に取り付け、ロックプレートを下方に向っ
て移動付勢してロック溝をストライカに係合保持させる
バネおよび該バネに抗してロックプレートを上昇回動さ
せてストライカからロック溝を離脱させる操作部材を設
けたもの、あるいは、実公平4−39719号公報に見
られるようにロックプレートを上下に摺動させてロック
溝をストライカに係脱させるようにしたものがある。 【0004】ところで、このような保持装置をシートバ
ックの片側のみに設けてシートバックを片持状態で保持
させるようにした場合は、シートバックに加えられた荷
重がストライカを支点としたねじり力として作用する。
従って、従来ではロックプレートの板厚を大きくして該
プレートとストライカの当り幅を拡大して保持装置の回
転抑止機能を高くして起立状態でのシートバックの保持
安定性を確保していたが、ロックプレートの板厚を大き
くした場合は保持装置の重量が大きくなるとともに、曲
げ剛性などが大きくなるために成形性が低下してしまう
という不具合があった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上記実情に鑑
みてなされたものであって、重量の増加をともなうこと
なくロックプレートの板厚を実質的に増大させて保持装
置の回転抑止力を増強させることを課題としている。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、車体に取り付けた平面略U字状をなすスト
ライカと、可倒式シートのシートバックに上下移動可能
に取り付けられて前記ストライカの脚部に対応する下方
に向って開口する少なくとも2条のロック溝を設けたロ
ックプレートと、該ロックプレートを下方に向って移動
付勢してロック溝をストライカに係合保持させるバネお
よび該バネに抗してロックプレートを上昇移動させてス
トライカからロック溝を離脱させる操作部材を設けたシ
ートバックの保持装置において、ロック溝を形成すべく
ロックプレートに設けた複数のロック爪を該ロック爪の
板厚方向に向って交互に逆方向にオフセットさせたこと
を特徴としている。 【0007】 【作用】上記のように構成したシートバックの保持装置
において、ロックプレートに設けたロック溝をストライ
カに係合させた状態ではシートバックが起立状態に係合
保持される。ところが、バネに抗してロックプレートを
上昇移動させるとストライカからロック溝が外れて保持
作用を行なわなくなるために、シートバックを例えば前
方に折畳回動させることができる。 【0008】また、ロック溝を構成すべくロックプレー
トに設けたロック爪を該ロック爪の板厚方向に交互に逆
方向にオフセットさせている。従って、ロック溝に係合
したストライカの脚部はオフセットされたロック爪によ
り挟持されることになり、オフセット寸法に相当する分
だけストライカの脚部とロック爪の当り幅が実質的に大
きくなって保持装置の回転抑止力が大きくなる。このた
めに、重量および成形性を犠牲にしてロックプレートの
板厚を大きくして保持装置の回転抑止力を増強する必要
性がなく、シートバックの保持装置のコストアップを抑
制できる。 【0009】 【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態を図に基
づいて詳細に説明する。図1は本発明に係る保持装置の
取付状態を示すシートバックの概略斜視図、図2は図1
に示した保持装置の一実施形態を示す外観斜視図、図3
は図2に示したロックプレートとストライカの係合状態
を例示する断面図、図4は図2に示した保持装置の分解
斜視図である。 【0010】これらの図において、可倒式シートのシー
トバック1のフレーム(図示省略)の上端部近傍側面に
取り付けたベースプレート2にピン3を介してロックプ
レート4を上下回動自在に取り付けている。ロックプレ
ート4の回動端部には下方に向う5本のロック爪5a〜
5eを折曲げ形成することにより、下方に向って開口す
る4条のロック溝6a〜6dを形成している。なお、シ
ートバック1の後端側に位置するロック爪5aを他のロ
ック爪5b〜5dより短くする一方、シートバック1の
前端側に位置するロック爪5eを他のロック爪5b〜5
dより長くしている。 【0011】また、ベースプレート2とロックプレート
4の間に引っ張りコイルバネ7を張設してロックプレー
ト4を下方に向って回動付勢するとともに、このバネ7
に抗してロックプレート4を上昇回動操作できる操作部
材8を設けている。9は操作部材8をロックプレート4
に結合するためのピンである。 【0012】一方、図示しない車体にストライカ10を
取り付けている。ストライカ10はロック溝6a〜6d
の幅と略同径の丸鋼材を平面略U字状に成形して構成さ
れている。そして、ストライカ10の脚部10a、10
bの基端を車体に固定することにより、中間部に位置す
るロック爪5b〜5dのいずれかをストライカ10の脚
部10a、10bの間に突入係合させて当該ロック爪の
両側に位置するロック溝6a〜6dを脚部10a、10
bに係合保持させるとシートバック1が保持されるよう
にしている。11はベースプレート2の上縁を折曲げて
構成したストッパであり、脚部10a、10bと係合し
た状態において中央2つのロック溝6b、6cに噛合し
てロックプレート4の支持安定性を高くする。 【0013】以上のように構成したシートバックの保持
装置において、図2および図3に実線で示したように中
央に位置するロック爪5cを脚部10a、10bの間に
挿入して中央2つのロック溝6b、6cをストライカ1
0の脚部10a、10bに係合させた状態ではシートバ
ック1が中立位置に保持される。また、図3に一点鎖線
で示したように後部2つのロック溝6a、6bを脚部1
0a、10bに係合させればシートバック1が前段位置
に係合保持され、図3に二点鎖線で示したように前部2
つのロック溝6c、6dを脚部10a、10bに係合さ
せればシートバック1が後段位置に係合保持される。 【0014】因に、シートバック1の係合位置を変更す
る場合は、操作部材8を操作してバネ7に抗してロック
プレート4を上方に回動操作してストライカ10の脚部
10a、10bの間からロック爪5a〜5dを引き抜
く。すると、ロック溝6a〜6dがストライカ10の脚
部10a、10bから離脱されて保持作用を行なわなく
なる。 【0015】従って、このようにロックプレート4を引
き上げ操作したままシートバック1を前段位置または後
段位置まで揺動操作して操作部材8を離すと、ロックプ
レート4がバネ7による付勢力で自動的に下降回動して
ロック溝6a〜6dがストライカ10の脚部10a、1
0bに係合するために、シートバック1の保持角度を変
更することができ、ロックプレート4を上昇回動させた
ままシートバック1を前方に大きく回動させて折り畳む
ことができる。 【0016】ここに本実施形態では、ストライカ10の
脚部10a、10bに係脱するロック溝6a〜6dを形
成するロック爪5a〜5eを該ロック爪5a〜5eの板
厚方向に向って交互に逆方向に寸法aだけオフセットさ
せている。このために、ロック爪5a〜5eの厚さがb
であるとすれば、ロック爪5a〜5eとストライカ10
の脚部10a、10bの当り幅cは、ロック爪5a〜5
eのオフセット寸法aとロック爪5a〜5eの厚さbの
和と略等しくなり、あたかもロック爪5a〜5eの板厚
を大きくした場合と同様に保持装置の回転抑止力が大き
くなる。これを具体的に説明すれば、ロック爪5a〜5
eをオフセットさせていない状態では、ロック爪5a〜
5eとストライカ10の脚部10a、10bの当り幅が
ロック爪5a〜5eの厚さbと一致する。ところが、本
実施形態のように複数のロック爪5a〜5eを該ロック
爪5a〜5eの板厚方向に向って交互に逆方向に寸法a
だけオフセットさせた場合は、ストライカ10の脚部1
0a、10bが図3に実線で示したようにロック溝6
b、6cに係合している状態において、例えばロック爪
5cの右側端面との当接部分を中心としてストライカ1
0が図中時計廻りの方向に相対回転しようとするとき
は、ロック爪5bの左側端面が脚部10aに当接し、逆
の反時計廻りの方向への回転時にはロック爪5dの右側
端面が脚部10bに当接してストライカ10に対してそ
れぞれ回転抑止作用をする。よって、本実施形態のよう
にロック爪5a〜5eの厚さがbであるときにロック爪
5a〜5eを寸法aだけオフセットさせた場合は、ロッ
ク爪5a〜5eとストライカ10の脚部10a、10b
の当り幅cが、ロック爪5a〜5eのオフセット寸法a
とロック爪5a〜5eの厚さbの和と略等しくなり、あ
たかもロック爪5a〜5eの板厚を大きくした場合と同
様に保持装置の回転抑止力が大きくなる。従って、重量
および成形性を犠牲にしてロックプレート4の板厚を大
きくして保持装置の回転抑止力を増強する必要性がな
く、シートバック1の保持装置のコストアップを抑制す
ることができる。 【0017】また、平面略U字状をなすストライカ10
の脚部10a、10bの間にロック爪5a〜5dを突入
係合させてシートバック1を保持させるようにしている
ために、側方に向う外力が加えられた場合にもロック爪
5a〜5dがストライカ10から外れ難くなり、回転抑
止力の増強と相まってシートバック1の保持安定性が高
くなる。 【0018】なお、本実施形態においては5本のロック
爪5a〜5eをロックプレート4に設けて4条のロック
溝6a〜6dを形成することにより、シートバック1の
係止位置を前後3位置に変更できるようにしているが、
3本のロック爪を設けて2条のロック溝を形成すること
により、所定の位置のみでシートバックを保持できるよ
うにし、あるいは、ロック爪の数を増やしてシートバッ
ク1の保持位置をより増加させることもできる。 【0019】また、本実施形態ではシートバック1の後
端側に位置するロック爪5aを他のロック爪5b〜5d
より短くするとともに、前方下位に傾斜するガイド面1
2をロック爪5aの前面に設けることにより、折畳回動
されているシートバック1を前段位置の手前まで回動操
作すると、ストライカ10の脚部10bがロック爪5a
を押し上げて自動的にロック溝6aに係合されるように
している。さらに、本実施形態においては、シートバッ
ク1の前端側に位置するロック爪5eを他のロック爪5
b〜5dより長くしてシートバック1を後段位置まで回
動させたときにこのロック爪5eをストライカ10に当
接させてシートバック後段位置より後方には回動操作さ
れないようにしているが、ストッパおよびガイド面11
などを省略することもできる。 【0020】さらにまた、本実施形態ではピン3を中心
としてロックプレート4を上下方向に回動させてロック
プレート4のロック爪5a〜5d(ロック溝6a〜6
d)をストライカ10の脚部10a、10bに係脱させ
るようにしているが、平行状態を維持させたままロック
プレート4を昇降移動させてロック爪5a〜5d(ロッ
ク溝6a〜6d)をストライカ10の脚部10a、10
bに係脱させることもできる。 【0021】 【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明に
よれば、ストライカの脚部に係合するロック溝を構成す
べくロックプレートに設けた複数本のロック爪を該プレ
ートの板厚方向に交互に逆方向にオフセットさせること
により、ロック爪とストライカの脚部の当り幅を実質的
に拡大して保持装置の回転抑止力を大きくしたのもであ
るから、重量および成形性を犠牲にしてロックプレート
の板厚を大きくして保持装置の回転抑止力を増強する必
要性がなく、シートバックの保持装置のコストアップを
抑制できる。
バックの概略斜視図である。 【図2】図1に示した保持装置の一実施形態を示す外観
斜視図である。 【図3】図2に示したロックプレートとストライカの係
合状態を示す断面図である。 【図4】図2に示した保持装置の分解斜視図である。 【符号の説明】 1 シートバック 2 ベースプレート 3 ピン 4 ロックプレート 5a〜5e ロック爪 6a〜6d ロック溝 7 バネ 8 操作部材 9 ピン 10 ストライカ 10a、10b 脚部 11 ストッパ 12 ガイド面
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 車体に取り付けた平面略U字状をなすス
トライカと、可倒式シートのシートバックに上下移動可
能に取り付けられて前記ストライカの脚部に対応する下
方に向って開口する少なくとも2条のロック溝を設けた
ロックプレートと、該ロックプレートを下方に向って移
動付勢してロック溝をストライカに係合保持させるバネ
および該バネに抗してロックプレートを上昇移動させて
ストライカからロック溝を離脱させる操作部材を設けた
シートバックの保持装置において、ロック溝を形成すべ
くロックプレートに設けた複数のロック爪を該ロック爪
の板厚方向に向って交互に逆方向にオフセットさせたこ
とを特徴とするシートバックの保持装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20535395A JP3370827B2 (ja) | 1995-07-19 | 1995-07-19 | シートバックの保持装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20535395A JP3370827B2 (ja) | 1995-07-19 | 1995-07-19 | シートバックの保持装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0930302A JPH0930302A (ja) | 1997-02-04 |
JP3370827B2 true JP3370827B2 (ja) | 2003-01-27 |
Family
ID=16505470
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20535395A Expired - Fee Related JP3370827B2 (ja) | 1995-07-19 | 1995-07-19 | シートバックの保持装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3370827B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2892984A1 (fr) * | 2005-11-10 | 2007-05-11 | Cera | Siege de vehicule automobile reglable longitudinalement et a dossier accroche. |
-
1995
- 1995-07-19 JP JP20535395A patent/JP3370827B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0930302A (ja) | 1997-02-04 |
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