JP3370149B2 - 溝を有する円筒形状物の製造方法 - Google Patents

溝を有する円筒形状物の製造方法

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JP3370149B2
JP3370149B2 JP24799393A JP24799393A JP3370149B2 JP 3370149 B2 JP3370149 B2 JP 3370149B2 JP 24799393 A JP24799393 A JP 24799393A JP 24799393 A JP24799393 A JP 24799393A JP 3370149 B2 JP3370149 B2 JP 3370149B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は溝を有する円筒形状物の
製造方法に係り、特に、冷間押出し加工によって溝を形
成し、円筒形状物を短時間で且つ安価に製造する技術に
関するものである。 【0002】 【従来の技術】軸心方向の両端部が開口し且つその周壁
を半径方向に貫通する溝が一方の開口端側から平行に設
けられている円筒形状物、例えばカップリング等の製造
に際して、先ず、円柱形状の素材にパンチによる冷間押
出し加工を施すことにより、前記溝に対応する部分の外
周側に周壁と繋がったままの残留部を有する有底円筒形
状物を製造し、その後にその底部を抜き加工するととも
に残留部を除去する方法が考えられている。特公平3−
56131号公報に記載されている製造方法はその一例
であり、このような製造方法によれば、フライス加工等
の機械加工で溝を形成する場合に比較して製造コストが
低減される。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来の製造方法では、1回の押出し加工で内周側に溝状
凹所を有する有底円筒形状物を製造するようになってい
るため、溝に対応する部分の外周側に残留部を残してい
るもののパンチに対する負荷が大きく、パンチ寿命が比
較的短いという課題を残していた。また、溝に対応する
部分の余肉により有底円筒形状物の開口端形状が不揃い
(肉の盛り上がり等)となり、切削加工等による仕上げ
加工に時間がかかるという別の問題も含んでいた。 【0004】本発明は以上の事情を背景として為された
もので、その目的とするところは、冷間押出し加工の際
のパンチ負荷を軽減するとともに、溝に対応する部分の
余肉による形状の不揃いを抑制することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、本発明の要旨とするところは、軸心方向の両端部が
開口し且つその周壁を半径方向に貫通する溝が一方の開
口端側から軸心と平行に設けられている円筒形状物を製
造する方法であって、(a)円柱形状の素材を用意する
工程と、(b)その素材に冷間押出し加工を施すことに
より、前記円筒形状物の内径と略同じ内径で深さが前記
溝の長さより深い有底穴を有する一次加工物を得る第1
押出し工程と、(c)その一次加工物に冷間押出し加工
を施すことにより、前記溝に対応する余肉部分を、外周
側に残留部を残して前記有底穴の底部へ流動させ、周壁
の内周側に溝状凹所を有する二次加工物を得る第2押出
し工程と、(d)その二次加工物の底部に抜き加工を施
すことにより、前記円筒形状物の内径と同じ内径の円穴
を形成するピアス工程と、(e)前記残留部を除去する
残留部除去工程とを有することにある。 【0006】 【作用】かかる溝を有する円筒形状物の製造方法では、
第1押出し工程において、予め用意された円柱形状の素
材に冷間押出し加工が施されることにより、製造すべき
円筒形状物の内径と略同じ内径で深さが軸心方向におけ
る溝の長さより深い有底穴を有する一次加工物が得られ
る。続く第2押出し工程において、その一次加工物に冷
間押出し加工が施されることにより、溝に対応する余肉
部分は外周側に残留部を残して上記有底穴の底部へ流動
させられ、周壁の内周側に溝状凹所を有する二次加工物
が得られる。このとき、上記余肉部分の一部は底部と反
対側の開口端側へも流動させられるが、大部分は底部側
へ良好に流動させられるため、開口端における肉の盛り
上がりは従来よりも少ない。その後、ピアス工程におい
て有底穴の底部へ流動させられた余肉部分が、底部と共
に抜き加工されるとともに、残留部除去工程において、
プレス或いは切削加工などによって残留部が除去される
ことにより所定の溝が形成され、目的とする円筒形状物
が得られる。なお、上記第2押出し工程において、有底
穴の底部および開口端側へ流動する余肉は、溝状凹所が
成形された部分のものと完全に一致するわけではない。 【0007】 【発明の効果】このように、本発明の製造方法において
は、第1押出し工程において溝の長さより深い有底穴を
形成しておくことにより、第2押出し工程で溝状凹所を
形成する際に余肉部分をその有底穴の底部側へ流動させ
るようにしているため、加工装置の負荷が軽減され、パ
ンチやダイス等の寿命が向上する。また、溝に対応する
余肉部分は比較的円滑に有底穴の底部へ流動するため、
二次加工物の開口端での局部的な肉の盛り上がりが抑制
され、仕上げ加工が容易となる。 【0008】 【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。 【0009】図1および図2は、それぞれ本発明に従う
製造方法によって製造される円筒形状物10の斜視図お
よび縦断面図である。かかる円筒形状物10は、軸心方
向の両端部が開口しているとともに、軸心まわりの対称
的な2位置には、周壁12を半径方向に貫通する一対の
溝14が軸心方向の一方の開口端16から軸心と平行に
設けられている。この円筒形状物10はS35C等の炭
素鋼、或いはその他の金属材料にて構成されている。そ
して、このような溝14を有する円筒形状物10は、以
下に説明する各工程を経て製造される。 【0010】先ず、第1工程においては、予め焼鈍およ
びボンデ処理(潤滑処理)された図3に示す円柱形状の
素材108が、棒材からの切り出しや金属塊の据込み鍛
造などにより用意される。この素材108の長さ寸法L
3は、円筒形状物10の軸心方向長さL1(図2参照)
より少し短いとともに、外径D2は、円筒形状物10の
外径D1(図2参照)よりも所定寸法だけ小さい。 【0011】続く第2工程においては、図4に示すよう
に上記素材108に冷間前後方押出し加工が施される。
図4の押出加工装置110では、ダイス112および1
14によって形成される有底の下型成形面内に素材10
8を同心に挿入した後、パンチ116をその下型成形面
内に高圧で押し込むことにより、そのパンチ116とダ
イス112,114およびノックアウト115との間の
空間内へ素材108の一部を押し出して有底円筒形状に
成形する。なお、図4の右半分は成形中の状態を示して
いる一方、左半分は、押出し成形された一次加工物12
2がノックアウトピン117によりパンチ116から払
い出された成形後の状態を示している。この押出し加工
により、後方側すなわち図4における上方側に開口する
有底穴118が形成されるとともに、前方側すなわち図
の下方側には一部がダイス114内に押し出された底部
120が形成され、図5に示す有底円筒形状の一次加工
物122が得られる。図5の(a)および(b)はそれ
ぞれ縦断面図および平面図であり、一次加工物122の
長さ寸法L4は円筒形状物10の長さL1よりやや短い
とともに、有底穴118の深さ寸法L5は、円筒形状物
10の前記溝14の軸心方向における長さL2(図2参
照)よりも所定寸法だけ長く、底部120側に次の工程
に備えての余肉ポケット126が設けられている。ま
た、有底穴118の内径d2は、円筒形状物10の内径
d1(図2参照)と同じか少し小さめの寸法である。こ
の第2工程は第1押出し工程に相当する。 【0012】第3工程においては、図6に示すように上
記一次加工物122にさらに冷間押出し加工が施され
る。図6の押出加工装置130では、ダイス132a,
132bおよびノックアウト133によって形成される
有底の下型成形面内に一次加工物122を開口部124
が上になるように挿入した後、パンチ134をその下型
成形面内に高圧で押し込むことにより、そのパンチ13
4とダイス132a,132bおよびノックアウト13
3との間で一次加工物122の一部を前後方押出し成形
する。なお、図6の右半分および左半分は、それぞれ直
交する断面を示しており、いずれも成形時の状態であ
る。パンチ134は、その横断面を示す図7から判るよ
うに、円筒形状物10の内径d1と同一寸法の外周面1
36を有するとともに、前記溝14に対応する部分には
その溝14と同一の幅寸法で円筒形状物10の外径D1
と略等しい位置まで膨出する凸条138を備えている。
また、ダイス132aは、凸条138の位置に拘らず、
軸心まわりの全周に亘って一定内径の内周面140を有
している。 【0013】上記の押出し加工により図8に示すような
二次加工物142が成形される。図8の(a)および
(b)はそれぞれ縦断面図および平面図である。二次加
工物142は、円筒形状物10における溝14に対応す
る余肉部分148が外周側に薄肉の残留部150を残し
て底部120側の前記余肉ポケット126および周壁1
44の前記開口部124側へ流動させられることによ
り、一対の溝状凹所146が周壁144に形成されてい
る。この実施例では、上記余肉ポケット126の容積が
余肉部分148の体積より小さく、底部120の中央部
分が更にノックアウト133側へ押し出されるが、前記
有底穴118の深さ寸法L5を大きくして余肉ポケット
126の容積を余肉部分148の体積と略同じかそれよ
り大きくし、余肉部分148が完全に余肉ポケット12
6内に収容されるようにすることもできる。また、図8
(a)に示す溝状凹所146の内径d3は、円筒形状物
10の外径D1と略同じかやや大きい。そして、図中の
寸法L6は図2における寸法L2と略等しく、底部12
0の突出部外径D3は円筒形状物10の内径d1と略同
じかやや小さい。この第3工程は第2押出し工程に相当
する。なお、図8の余肉部分148は溝状凹所146の
形成に伴って押し出されたものであり、主として図5に
示されている余肉部分148が有底穴118内へ逃げた
ものであるが、それらは完全に一致するわけではない。 【0014】そして、第4工程においては、図9に示す
ように上記二次加工物142にピアス加工が施される。
図9の打抜加工装置154では、ダイス156a,15
6b,156cによって構成される下側治具内に二次加
工物142を底部120が下になるように嵌め入れた
後、円筒形状物10の内径d1と同一寸法のパンチ15
8を下降させることにより、底部120および余肉部分
148をダイス156c側へ打ち抜いて円穴160を形
成する。なお、図9の右半分は加工時の状態を示してい
る一方、左半分は、ピアス加工された三次加工物164
がノックアウトピン162によりパンチ158から払い
出された加工後の状態を示している。図10に示す三次
加工物164においては、前記残留部150が残ってい
る外周側を除いて円筒形状物10と同じ形状となってい
る。この第4工程はピアス工程に相当する。 【0015】最終の第5工程においては、外径寸法が円
筒形状物10の外径D1と一致するように図示しない旋
盤装置等により三次加工物164の外周部を前記残留部
150を含めて切削除去する。なお、この切削加工の
際、図10に一点鎖線で示すように、必要に応じてフラ
ンジ状の突起166を残しておくことも可能である。こ
の切削加工を終えたあと、必要に応じてばり取り加工や
研削加工等の仕上げ加工が追加して行われ、目的とする
円筒形状物10が得られる。上記第5工程は残留部除去
工程に相当する。 【0016】このように、本実施例においては、第2工
程において、円筒形状物10における溝14の長さ(L
2)よりも所定寸法だけ長い深さ(L5)の有底穴11
8を有するように一次加工物122を成形したあと、第
3工程において、溝14に対応する余肉部分148を上
記有底穴118の底部120側の余肉ポケット126へ
流動させるようになっているため、溝状凹所146を有
する二次加工物142を1回の押出し加工で成形する従
来の製造方法に比べて加工負荷が大幅に軽減され、第2
工程,第3工程で用いられるパンチやダイス等の工具寿
命が向上する。また、第3工程でパンチ134の凸条1
38により押し退けられる余肉部分148は比較的円滑
に有底穴118内へ流動するため、残留部150やその
周辺における開口端側への局部的な肉の盛り上がりが抑
制され、仕上げ加工がその分容易となる。 【0017】また、本実施例では、上記第2工程,第3
工程において、底部120の中央部分が下方へ押し出さ
れるようになっているため、加工負荷が一層軽減される
とともに、第3工程では開口端側への局部的な肉の盛り
上がりが一層効果的に抑制される。 【0018】次に、本発明方法の他の実施例を説明す
る。なお、前述の実施例と共通する部分については同じ
符号を付して説明を省略する。 【0019】この実施例では、図11に示すように、目
的とする円筒形状物10の外径D1と略同じ外径D4を
有する円柱形状の素材18が、第1工程において用意さ
れる。この素材18も前記素材108と同様に予め焼鈍
およびボンデ処理(潤滑処理)されたもので、その長さ
寸法L7は円筒形状物10の軸心方向長さL1より少し
短い。 【0020】第2工程においては、前記押出加工装置1
10と同様な図示しない押出加工装置により、上記素材
18に冷間前後方押出し加工が施され、図12に示す有
底円筒形状の一次加工物42が成形される。図12の
(a)および(b)はそれぞれ縦断面図および平面図で
ある。この一次加工物42の長さ寸法L8は円筒形状物
10の長さL1と略同じであり、有底穴38の深さ寸法
L9は、円筒形状物10の溝14の軸心方向における長
さL2よりも所定寸法だけ長く、底部40側に次の工程
に備えての余肉ポケット46が設けられている。また、
有底穴38の内径d4は、円筒形状物10の内径d1と
同じか少し小さめの寸法である。この第2工程は第1押
出し工程に相当する。 【0021】第3工程においては、前記押出加工装置1
30と同様な図示しない押出加工装置により、上記一次
加工物42にさらに冷間押出し加工が施される。かかる
押出加工において用いられるパンチ56の横断面図を図
13に、ダイス52の平面図を図14にそれぞれ示す。
パンチ56は、円筒形状物10の内径d1と同一寸法の
外周面58を有するとともに、前記溝14に対応する部
分にはその溝14と同一の幅寸法で円筒形状物10の外
径D1と略等しい位置まで外周側に膨出する凸条60が
設けられている。また、ダイス52は、円筒形状物10
の外径D1と同一寸法の内周面62を有するとともに、
溝14に対応する部分にはその溝14と略等しい幅寸法
の凹溝64が形成されている。 【0022】上記の押出し加工により図15に示すよう
な二次加工物66が成形される。図15の(a)および
(b)はそれぞれ縦断面図および平面図であり、この二
次加工物66は、溝14に対応する余肉部分72が、薄
肉部74を介して周壁68と繋がったままの残留部76
を残して底部40側の余肉ポケット46へ流動させられ
ることにより、周壁68に一対の溝状凹所70が形成さ
れている。上記溝状凹所70および周壁68は、円筒形
状物10の溝14および周壁12に相当するもので、そ
れらと同一形状を成しており、図中の寸法L10は図2
における寸法L2と等しい。この第3工程は第2押出し
工程に相当する。 【0023】そして、第4工程においては、例えば図1
6に示すような装置により、上記二次加工物66にピア
ス加工およびスリッティング加工が施される。図16の
複合加工装置80では、ダイス82およびノックアウト
84によって構成される下側治具内に二次加工物66を
底部40が下になるようにして嵌め入れた後、パンチ8
6を下降させることにより、底部40および余肉部分7
2をノックアウト84側へ打ち抜いて円筒形状物10の
内径d1と同じ内径の円穴88を形成するとともに、前
記薄肉部74を開口端側から破断しつつ残留部76を外
周側へ曲げ加工して三次加工物90を得る。パンチ86
は、その横断面を示す図17から判るように、円筒形状
物10の内径d1と同一寸法の外径で、且つ前記溝14
に対応する部分にはその溝14と同一の幅寸法で外周側
へ突き出す凸条92を備えている。この凸条92の下端
面は、図16から明らかなように外周側の一部が傾斜さ
せられているとともに、その両側角部には薄肉部74を
破断するための切れ刃が設けられている。図18は、上
記ピアス加工およびスリッティング加工が施された三次
加工物90を示す縦断面図であり、この段階で円筒形状
物10における溝14が略形成された状態となる。この
第4工程はピアス工程に相当する。 【0024】最終の第5工程においては、図19に示す
ように上記三次加工物90にトリミング加工が施され
る。図19のトリミング加工装置94では、ダイス96
およびノックアウト98によって構成される下側治具内
に三次加工物90を溝14側が上になるように嵌め入れ
た後、外抜きパンチ100を下降させることにより、一
対の残留部76を切断する。外抜きパンチ100は円筒
形状物10の外径D1と同一寸法の内径を有しており、
上記トリミング加工により溝14の下方側における周壁
12の外周面を整える。この加工を終えたあと、必要に
応じて切削加工、研削加工等による仕上げ加工が行わ
れ、図1の円筒形状物10が得られる。この第5工程は
残留部除去工程に相当する。 【0025】本実施例の場合も、第2工程において、円
筒形状物10における溝14の軸心方向における長さ
(L2)よりも所定寸法だけ長い深さ(L9)の有底穴
38を一次加工物42に予め設けておき、第3工程にお
いて、溝状凹所70を形成する際に溝14に対応する余
肉部分72を前記有底穴38の底部40へ流動させるよ
うになっているため、加工負荷が軽減されるとともに、
余肉部分72の円滑な流動により二次加工物66の開口
端側での局部的な肉の盛り上がりが抑制される。 【0026】また、本実施例では、薄肉部74を介して
周壁68と連続して形成された残留部76が、第4工程
のスリッティング加工によって周壁68から破断しつつ
外周側へ折り曲げられたあと、第5工程のトリミング加
工によって切除されるようになっているため、前述の実
施例のように残留部150を切削除去する場合に比較し
て、円筒形状物10を迅速且つ安価に製造できる。 【0027】以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳
細に説明したが、本発明は他の態様で実施することもで
きる。 【0028】例えば、前述の実施例では、第2工程にお
いて溝14の長さL2よりも所定寸法だけ長い有底穴1
18,38内の余肉ポケット126,46に該当する部
分が、それぞれ開口端側と同一内径で形成されていた
が、それらの部分が底部120,40に近いほど先細と
なるテーパ状に形成されたり、底部120,40側に比
較的大きな隅部Rが設けられたりしても差し支えない。 【0029】また、前述の実施例では、第2工程におい
て底部120,40の中央部がパンチ押込み方向に押し
出されて突出するようになっていたが、単純な後方押出
し加工または前方押出し加工により底部120,40側
に突出部の無い一次加工物が成形されても良い。 【0030】また、前述した図15の第2実施例では、
残留部76が溝状凹所70の外周側へ周壁68の外径以
上に膨出するように設けられていたが、その残留部76
の一部あるいは全部が溝状凹所70内に存在するように
なっていても差支えない。 【0031】また、前述した第2実施例では、残留部7
6の除去に際して第4工程のスリッティング加工と第5
工程のトリミング加工との2段階で除去を行っていた
が、スリッティング加工を省略して直接トリミング加工
により除去しても良いし、複動式のパンチを用いること
によりピアス加工も含めて1つの加工装置(1工程)で
同時に行うようにすることも可能である。残留部76を
切削加工で除去するようにしても良い。 【0032】また、前記実施例では、ピアス工程で円穴
160,88を形成した後に残留部150,76を除去
するようになっていたが、残留部150,76を除去し
た後に円穴160,88を形成するようにしても良い。 【0033】また、前述の実施例は一対の溝14を有す
る円筒形状物10を製造する場合であったが、溝の数は
1つ或いは3つ以上であっても良い。 【0034】その他一々例示はしないが、本発明は当業
者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実
施することができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明方法に従って製造される円筒形状物の一
例を示す斜視図である。 【図2】図1の円筒形状物の縦断面図である。 【図3】本発明方法の第1実施例の第1工程において用
意される素材の一例を示す斜視図である。 【図4】第1実施例の第2工程(第1押出し工程)にお
いて一次加工物を成形する装置の一例を示す要部断面図
である。 【図5】図4の装置により加工された一次加工物を示す
図で、(a)は縦断面図、(b)は平面図である。 【図6】第1実施例の第3工程(第2押出し工程)にお
いて二次加工物を成形する装置の一例を示す要部断面図
である。 【図7】図6の装置におけるパンチの横断面図である。 【図8】図6の装置により加工された二次加工物を示す
図で、(a)は縦断面図、(b)は平面図である。 【図9】第1実施例の第4工程(ピアス工程)において
二次加工物に抜き加工を施す装置の一例を示す要部断面
図である。 【図10】図9の装置により二次加工物に抜き加工が施
された状態を示す図で、(a)は縦断面図、(b)は平
面図である。 【図11】本発明方法の第2実施例の第1工程において
用意される素材の一例を示す斜視図である。 【図12】第2実施例における第2工程(第1押出し工
程)で成形された一次加工物を示す図で、(a)は縦断
面図、(b)は平面図である。 【図13】第2実施例における第3工程(第2押出し工
程)で用いられるパンチの横断面図である。 【図14】第2実施例における第3工程で用いられるダ
イスの平面図である。 【図15】第2実施例における第3工程で成形された二
次加工物を示す図で、(a)は縦断面図、(b)は平面
図である。 【図16】第2実施例の第4工程(ピアス工程)におい
て二次加工物に抜き加工を施す装置の一例を示す要部断
面図である。 【図17】図16の装置におけるパンチの横断面図であ
る。 【図18】図16の装置により二次加工物に抜き加工等
が施された状態を示す縦断面図である。 【図19】第2実施例の第5工程(残留部除去工程)に
おいて二次加工物の残留部を除去する装置の一例を示す
要部断面図である。 【符号の説明】 10:円筒形状物 12:周壁 14:溝 16:開口端 108,18:素材 118,38:有底穴 120,40:底部 122,42:一次加工物 142,66:二次加工物 144,68:周壁 146,70:溝状凹所 148,72:余肉部分 150,76:残留部 160,88:円穴

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 軸心方向の両端部が開口し且つその周壁
    を半径方向に貫通する溝が一方の開口端側から軸心と平
    行に設けられている円筒形状物を製造する方法であっ
    て、 円柱形状の素材を用意する工程と、 該素材に冷間押出し加工を施すことにより、前記円筒形
    状物の内径と略同じ内径で深さが前記溝の長さより深い
    有底穴を有する一次加工物を得る第1押出し工程と、 該一次加工物に冷間押出し加工を施すことにより、前記
    溝に対応する余肉部分を、外周側に残留部を残して前記
    有底穴の底部へ流動させ、周壁の内周側に溝状凹所を有
    する二次加工物を得る第2押出し工程と、 該二次加工物の底部に抜き加工を施すことにより、前記
    円筒形状物の内径と同じ内径の円穴を形成するピアス工
    程と、 前記残留部を除去する残留部除去工程とを有することを
    特徴とする溝を有する円筒形状物の製造方法。
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