JP3368868B2 - 導電率計、および酸濃度連続測定装置 - Google Patents

導電率計、および酸濃度連続測定装置

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JP3368868B2
JP3368868B2 JP12041799A JP12041799A JP3368868B2 JP 3368868 B2 JP3368868 B2 JP 3368868B2 JP 12041799 A JP12041799 A JP 12041799A JP 12041799 A JP12041799 A JP 12041799A JP 3368868 B2 JP3368868 B2 JP 3368868B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸液の導電率を測
定することができる導電率計と鋼帯の連続酸洗設備に
おける酸洗槽の酸濃度を連続的に測定することができる
酸濃度連続測定装置とに関する。
【0002】
【従来の技術】酸洗とは、例えば、冷延鋼板、冷延鋼板
の圧延素材となる熱延鋼板または最終成品である熱延鋼
板等といった処理鋼板の表面に存在する酸化スケール
を、塩酸や硫酸等の酸洗液に浸漬すること、あるいは酸
洗液を噴霧することによって、除去する処理をいう。こ
の酸洗は、例えば、処理鋼板を、酸洗液を収容する酸洗
槽を通板方向へ複数並列した状態で備える連続酸洗設備
に、連続して通板させることにより、行われる。この連
続酸洗設備を用いた酸洗では、各酸洗槽とりわけ最終酸
洗槽における酸濃度が、酸化スケールの除去効率に大き
く影響する。このため、この連続酸洗設備を用いた酸洗
に関しては、酸濃度を正確に制御することが要求され
る。
【0003】従来より、鋼帯の連続酸洗設備では、卓上
測定器で酸洗液の酸濃度を測定し、この測定結果に基づ
いて手動で酸液を供給すること、もしくは、この卓上測
定器を連続酸洗設備の酸洗槽に設置して酸濃度を自動測
定し、この測定結果に基づいて酸液の供給量を自動制御
することによって、酸洗液の酸濃度測定および酸液供給
が行われてきた。
【0004】しかし、手動で酸液を供給すると、酸洗液
の酸濃度の変化に的確に対応できない。このため、酸洗
液の酸濃度の変動が大きくなり易く、また安全を見込む
ために酸液の供給量が過剰となり易い。このため、手動
で酸液を供給すると、酸の原単位が悪化する。
【0005】また、卓上測定器を酸洗槽に設置して酸洗
液の酸濃度を自動測定するには、試料用装置である滴定
式分析計を用いる。この滴定式分析計による測定は、サ
ンプル液、試薬および洗浄液を交互に測定セル内に導入
することにより、行われる。このため、測定セル内での
サンプル液の流れが断続的となるために滞留したサンプ
ル液が配管内で固化して配管が詰まってしまい、測定開
始後短時間で測定できなくなってしまう。
【0006】また、この滴定式分析計による測定では微
量のサンプル液を配送するため、配管系の微細チューブ
が詰まってしまう。詰まり防止のために濾過装置を設け
ると、切り換え機構を有する複雑な配管系となる。この
ため、切り換え機構の切換え回数の増加により、配管の
詰まりが誘発される。
【0007】また、滴定式分析計は高価である。そのた
め、サンプルが複数種存在する場合には、各サンプリン
グ配管を並列で一つの滴定式分析計に接続しておき、各
サンプリング配管を切り換えることによって、測定を行
う。このため、このサンプリング配管の切り換えによっ
ても、配管の詰まりが頻発する。
【0008】さらに、1回のサンプリングに際して、試
薬導入からデータ出力までに約15分間を要する。このた
め、複数回のサンプリングを行う場合、各データの出力
間隔は最低でも15分毎に1回程度と、かなり長くなる。
このため、連続酸洗設備の酸濃度制御系に滴定式分析計
を適用しても、連続的に酸洗液の酸濃度測定値を出力す
ることは事実上不可能である。
【0009】このように、滴定式分析計を用いた酸濃度
の測定は、薬液による反応時間、および前処理装置によ
る洗浄のための切り換え時間やサンプリング時間が長
い。このため、サンプリングタイミングに対する測定タ
イミングの時間遅れが不可避的に発生する。また、滴定
式分析計を用いた酸濃度の測定では、出力データもかな
りの間隔を伴って断続的に出力される。このため、制御
の応答性が極めて低い。したがって、滴定式分析計を用
いて酸洗液の酸濃度を高精度で制御することは、事実上
困難であった。
【0010】このように、酸洗槽に収容された酸洗液の
酸濃度の測定には長時間を要する。このため、特に、各
酸洗槽が仕切り板により区画され、下流側の酸洗槽に収
容された酸洗液が上流側の酸洗槽へ順次オーバーフロー
するとともに、最終酸洗槽に対して酸を供給する型の連
続酸洗設備では、通常、最終酸洗槽の酸濃度だけを測定
して酸液の供給量を決定することにより、酸濃度に応じ
て酸液の供給量を管理していた。
【0011】しかし、この型の連続酸洗設備において酸
洗液による鋼帯のスケール層との反応が活発に行われて
いるのは、実際には、最終酸洗槽よりも上流側の酸洗槽
である。このため、最終酸洗槽よりも上流側の酸洗槽に
収容された酸濃度の変動が大きい場合には、鋼帯にスケ
ール残りが発生する。
【0012】鋼帯にスケール残りが発生すると、ライン
速度を低下することにより各酸洗槽の酸濃度を安定させ
る必要が生じる。また、スケール残りの発生を防止する
ために、各酸洗槽の酸濃度を通常時よりも高目に管理す
る必要も生じる。このため、たとえ、酸濃度をリアルタ
イムで計測して酸液の供給量を制御することができたと
しても、酸原単位すなわちコストの上昇は避けられな
い。
【0013】そのため、従来より、酸洗槽に収容された
酸洗液の濃度を連続的に測定することができないことを
補って酸濃度を高い応答性で迅速に制御するために、様
々な提案がなされてきた。
【0014】例えば、特公昭57−2275号公報には、酸濃
度のフィードバック制御ではゲイン(精度) を大きくす
るとハッチングし、また小さくすると検出器の精度が低
下して使用できないことから、液温度、酸濃度、酸反応
時間および反応表面積の間の関係式を用いたフィードフ
ォワード制御を行うことによって、酸濃度の制御の応答
性を改善する発明が開示されている。
【0015】また、特開平6−126322号公報には、噴流
酸洗設備において、最上流の循環タンクにおける酸濃度
を調整するとともにそのときの投入酸量に対応する量を
一つ下流の循環タンクに供給し、この酸濃度調整および
酸供給を下流の循環タンクに対して順次行っていくこと
により、各循環タンクの酸濃度を制御する発明が開示さ
れている。
【0016】また、特開平9−125270号公報には、酸濃
度および液面レベルの測定値を求め、それらの測定値が
目標値を外れる場合に、排酸、給酸そして給水を行う発
明が開示されている。
【0017】また、特開平10−147895号公報には、各酸
洗槽毎に酸洗液の循環装置を個別に有するとともに隣接
する酸洗槽間での酸洗液のオーバーフローを伴わない型
の連続酸洗設備に関して、酸濃度を制御する方法が開示
されている。
【0018】さらに、特開平7−54175 号公報には、連
続酸洗設備による酸洗の前後における板厚差から酸洗減
量を求め、求めた酸洗減量に基づいて酸供給量および酸
濃度を制御する方法が開示されている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特公昭57−22
75号公報により開示された発明で必要となる酸濃度の測
定は、連続的に行うことはできない。このため、この発
明によっても酸濃度を高精度で制御することはできな
い。また、この発明の実施に際し、酸濃度を長時間測定
すると、サンプリング配管において酸による詰まりが発
生し、測定器の稼働率を低下させてしまう。
【0020】また、特開平6−126322号公報により開示
された発明により酸濃度を連続的に制御するには、最終
循環タンクに収容された酸洗液の酸濃度を連続的に測定
する必要がある。しかし、前述したように、酸濃度の連
続的な測定は不可能である。このため、この発明によっ
ても、酸濃度を連続的に制御することはできない。
【0021】また、特開平9−125270号公報により開示
された発明においても、上述したように酸濃度を連続的
に測定することはできない。このため、この発明によっ
ても酸濃度を連続的に制御することは困難である。さら
に、この発明では、給水を行うと廃酸の酸濃度が低下す
る。このため、この発明によると、廃酸の回収時に酸原
単位が悪化する。
【0022】また、特開平10−147895号公報により開示
された型の連続酸洗設備では、各酸洗槽の酸濃度を独立
して制御することができるため、高精度で酸濃度を制御
することが可能である。しかし、この提案にかかる制御
を、何らの設備改造を伴うことなく、隣接する酸洗槽間
で酸洗液のオーバーフローが発生する型の連続酸洗設備
に適用することはできない。つまり、特開平10−147895
号公報に開示された方法を、隣接する酸洗槽間で酸洗液
のオーバーフローが発生する型の連続酸洗設備に対して
適用するには、酸液の循環タンク、循環ポンプ、廃酸・
給酸配管等を各酸洗槽の全てに設置する必要がある。こ
のため、相当な設備投資や設置スペースが必要となり、
この発明を実施することは現実には極めて難しい。
【0023】さらに、酸洗でのスケールロスはスケール
厚によっても変動し、このスケール厚は例えば熱間圧延
時の巻取温度によって変動する。このため、特開平7−
54175 号公報により開示された発明では、酸濃度の変化
量と酸洗ロス量とは必ずしも等しくならない。このた
め、偏差が発生した分だけ酸濃度の制御精度が低下して
しまう。
【0024】このように、従来の技術には、そのいずれ
にも、酸洗槽に収容された酸洗液の酸濃度を連続的に測
定することができないという、共通かつ致命的な課題が
あった。このため、酸液の供給量を手動で制御する場合
のみならず、自動制御する場合においても、酸濃度の制
御の応答遅れや精度低下を甘受しなければならなかっ
た。
【0025】ここに、本発明の目的は、酸洗槽に収容さ
れた酸洗液の酸濃度を連続的に測定することができる技
術を提供することである。具体的には、本発明の目的
は、酸洗槽においてサンプル液を常時測定することによ
って非測定時間を短縮して酸濃度の変動および偏析を連
続かつ的確に測定でき、さらにサンプリング方法も単純
であるとともにメンテナンス性にも優れた酸濃度連続測
定装置と、この酸濃度連続測定装置に用いることができ
る導電率計とを提供することである。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる目
的を達成するために種々検討を重ねた。そして、酸洗槽
に収容された酸洗液の一部を絶えず流しておき、この酸
洗液の酸濃度を連続的に測定することに着目した。従来
は、このように酸洗液を絶えず流そうとしても、流速が
低下する部分が必ず発生し、この流速が低下する部分で
酸洗液が短時間で詰まってしまうと考えられていた。し
たがって、これまでは、このようにして酸洗液の酸濃度
を連続的に測定することは、全く検討されなかった。
【0027】その結果、本発明者らは、酸洗液の酸濃度
以外の物性値を連続的に測定することができる測定装置
を酸洗液の流路に配置し、この測定装置から出力される
連続的な測定データを用いて演算を行うことによって、
酸洗液の詰まりを事実上解消しながら酸洗液の酸濃度を
連続的かつ正確に求めることができることを知見した。
【0028】また、本発明者らは、これらの酸濃度の連
続的な演算値に基づいて、酸液を供給される酸洗槽の酸
濃度に対して、フィードバック制御、またはフィードバ
ック制御とフィードフォワード制御との組合せを行うこ
とにより、絶えず変動する酸濃度に迅速かつ的確に対応
でき、酸洗槽の酸濃度を高精度で制御できることを知見
した。
【0029】さらに、本発明者らは、酸液を供給される
酸洗槽と、この酸液を供給される酸洗槽以外の少なくと
も一つの酸洗槽とのそれぞれにおける酸洗液の連続的な
演算値に基づいて、酸液を供給される酸洗槽の酸濃度に
対してフィードバック制御を行うことにより、下流側の
酸洗槽に収容された酸洗液を上流側に隣接する酸洗槽へ
順次オーバーフローさせる型の連続酸洗設備に関して
も、酸液を供給される酸洗槽の酸濃度を高精度で制御で
きることを知見した。
【0030】本発明者らは、これらの知見に基づいてさ
らに検討を重ねた結果、本発明を完成した。ここに、本
発明は、測定される酸液が内部を流れる検出部を有する
導電率計であって、この検出部の外部における検出部に
向かう酸液の流れ方向が略鉛直方向であるとともに、酸
液中に存在する気泡が検出部の内部に貯留する時間が、
検出部の内部における酸液の流れ方向が水平方向である
場合に酸液中に存在する気泡が検出部の内部に貯留する
時間よりも、低減されるように、検出部の内部を流れる
酸液の流れ方向が水平方向に対して斜めに交差する方向
または鉛直方向であることを特徴とする導電率計であ
る。
【0031】また、別の観点からは、本発明は、酸洗槽
に収容された酸洗液を連続的に流すための流路の一部を
構成する本体と、この本体に設置されて流路の一部を流
れる酸洗液を連続的に測定するための密度計と、流路ま
たは酸洗槽における酸洗液を連続的に測定するための温
度計および導電率計と、密度計、温度計および導電率計
それぞれの測定結果に基づいて流路の一部を流れる酸洗
液の酸濃度を演算する演算装置とを備え、導電率計が、
測定される酸液が内部を流れる検出部を有し、この検出
部の内部および/または底面を流れる酸液の流れ方向
が、検出部の外部における検出部に向かう酸液の流れ方
向が略水平方向である場合には、略水平方向であり、検
出部の外部における検出部に向かう酸液の流れ方向が略
水平方向以外の方向である場合には、略水平方向以外の
方向であることを特徴とする酸濃度連続測定装置であ
る。
【0032】この本発明にかかる酸濃度連続測定装置で
は、温度計および/または導電率計が、本体に設置さ
れ、流路の一部を流れる酸洗液を測定することが例示さ
れる。
【0033】また、別の観点からは、本発明は、酸洗槽
に収容された酸洗液を連続的に流すための流路の一部を
構成する筒形状の本体と、この本体に設置されて本体内
を流れる酸洗液の密度を連続的に測定するための密度計
と、本体に設置されて本体内を流れる酸洗液の温度を連
続的に測定するための温度計と、本体に設置されて本体
内を流れる酸洗液の導電率を連続的に測定するための導
電率計と、密度計、温度計および導電率計それぞれの測
定結果に基づいて流路の一部を流れる酸洗液の酸濃度を
演算する演算装置とを備え、本体は、この本体内を酸液
が略鉛直方向に流れるように設置されており、導電率計
は、測定される酸液と接触する中空の検出部を有し、こ
の検出部の内面および/または底面が水平方向に対して
斜めに交差する方向に向けて形成されていることを特徴
とする酸濃度連続測定装置である。 さらに、別の観点か
らは、本発明は、酸洗槽に収容された酸洗液を連続的に
流すための流路の一部を構成する本体と、この本体に設
置されて流路の一部を流れる酸洗液を連続的に測定する
ための密度計、温度計および導電率計と、密度計、温度
計および導電率計それぞれの測定結果に基づいて流路の
一部を流れる酸洗液の酸濃度を演算する演算装置とを備
え、導電率計が、測定される酸液が内部を流れる検出部
を有し、検出部の外部における検出部に向かう酸液の流
れ方向が略鉛直方向であって、検出部の内部を流れる前
記酸液の流れ方向が、水平方向に対して斜めに交差する
方向かまたは鉛直方向であることを特徴とする酸濃度連
続測定装置である。 また、これらの場合、本体の内部へ
酸洗液を連続的に流入させる配管が、消泡機能を有する
ことが、望ましい。
【0034】また、これらの本発明にかかる酸濃度連続
測定装置では、本体の内部であって導電率計の検出部の
下方には、この検出部への泡の侵入を抑制する遮断部材
が設けられることが、望ましい。
【0035】また、これらの本発明にかかる酸濃度連続
測定装置では、密度計が、少なくとも二つの検出部を有
する差圧センサー方式の密度計であることが望ましい。
この場合、二つの検出部が、本体における流路の形成方
向について少なくとも500mm離間して設置されること
が、所望の測定精度を維持するために望ましい。
【0036】また、これらの本発明にかかる酸濃度連続
測定装置では、温度計および導電率計が、ともに、本体
における流路の出側に設けられることが、所望の測定精
度を維持するために望ましい。
【0037】また、これらの本発明にかかる酸濃度連続
測定装置では、本体における流路をできるだけ直線状に
形成して部分的な流速低下部を発生させないようにし、
または、流路のうちで流速が低下して酸洗液が詰まり易
い部分には、酸洗液の滞留を抑制することによる詰まり
防止機構を設けておくことが、酸洗液による詰まりを防
止するために望ましい。
【0038】別の観点から、連続酸洗設備を構成する複
数の酸洗槽のうちで、酸液を供給される酸洗槽に設置さ
れた上記の本発明にかかる酸濃度連続測定装置と、この
酸濃度連続測定装置により得られる演算値に基づいた、
酸液を供給される酸洗槽の酸濃度に関するフィードバッ
ク制御手段とを組み合わせて備えることを特徴とする酸
濃度自動制御装置が提供される。
【0039】別の観点から、連続酸洗設備を構成する複
数の酸洗槽のうちで、酸液を供給される酸洗槽と、酸液
を供給される酸洗槽以外の少なくとも一つの酸洗槽とに
いずれも設置された上記の本発明にかかる酸濃度連続測
定装置と、複数の酸濃度連続測定装置それぞれにより得
られる演算値に基づいた、酸液を供給される酸洗槽の酸
濃度に関するフィードバック制御手段とを組み合わせて
備えることを特徴とする酸濃度自動制御装置が提供され
る。
【0040】これらの酸濃度自動制御装置では、さら
に、酸濃度連続測定装置により得られる演算値に基づい
た、酸液を供給される酸洗槽の酸濃度に関するフィード
フォワード制御手段を備えることが、制御の応答性をさ
らに高めるために望ましい。これらの酸濃度連続測定装
置または酸濃度自動制御装置の制御対象としての酸洗槽
が、浸漬方式ばかりでなく、噴霧方式であってもよい。
【0041】また、上記の酸濃度自動制御装置では、酸
液を供給される酸洗槽が最終酸洗槽であることが例示さ
れる。さらに、上記の酸濃度自動制御装置が適用される
連続酸洗設備は、下流側の酸洗槽に収容された酸洗液を
上流側に隣接する酸洗槽へ順次オーバーフローさせる型
の連続酸洗設備であることが、例示される。
【0042】本明細書における「連続的な測定」とは、
例えば公知の滴定式分析計を用いた場合の測定ピッチ
(約15分間)に比べて極めて短い測定ピッチでの測定を
意味しており、例えば、測定ピッチが1分間以下、望ま
しくは10秒間以下である酸濃度測定を意味する。
【0043】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)次に、酸洗液と
して塩酸を使うとともに最終酸洗槽に酸液を供給する場
合を例にとって、本発明にかかる導電率計および酸濃度
連続測定装置の実施の形態を詳細に説明する。図1は、
本実施形態の酸濃度連続測定装置1の内部構造を示す説
明図である。図1中の酸濃度連続測定装置本体3内にお
ける矢印は、酸洗液の流れを示す。
【0044】図1に示すように、この酸濃度連続測定装
置1は、ポンプ13により酸洗槽11から圧送された酸洗液
を連続的に一方向へ流すための循環流路2の一部を内蔵
する筒状の酸濃度連続測定装置本体3と、循環流路2の
一部を流れる酸洗液を連続的に測定する密度計4、温度
計5および導電率計6とを備える。
【0045】本実施形態における酸濃度連続測定装置本
体3は、筒型状のものであってサンプルである酸洗液を
酸洗槽11から連続的に流して酸洗槽11へ戻すことができ
る構造であればよく、特定の構造には限定されない。
【0046】酸濃度連続測定装置本体3の材質は、酸洗
液に浸食されない程度の耐酸性を有するものであればよ
く、本実施形態ではポリプロピレン製とした。また、酸
濃度連続測定装置本体3の内部に形成される循環流路2
の一部は、できるだけエルボ等の流速低下部が少ないス
トレート状に形成してある。これにより、酸濃度連続測
定装置本体3の内部において、酸洗液の流れが低下する
ことによる詰まりの発生が可及的抑制される。
【0047】さらに、循環流路2の一部を流れる酸洗液
の流速は、密度計4、温度計5および導電率計6それぞ
れの測定精度を維持するために、2m/sec 以下であるこ
とが望ましい。すなわち、本実施形態の酸濃度連続測定
装置1の酸濃度連続測定装置本体3の内部では、循環流
路2の上部が、排出用配管2と略同じ高さ位置に形成さ
れている。これにより、ポンプ13により圧送されてきた
酸洗液は、図中の破線矢印で示すように、酸濃度連続測
定装置本体3の内部における最上部付近において、一旦
オーバーフローしてから、排出用配管2へ導かれる。こ
のため、本実施形態の酸濃度連続測定装置1では、循環
流路2を流れる酸洗液の流速を、密度計4、温度計5お
よび導電率計6の測定精度の観点から望ましい流速であ
る2m/sec 以下に、容易に設定・管理することができ
る。本実施形態では、酸洗液の流速は1m/sec に設定し
た。
【0048】また、本実施形態では、密度計4には、二
つの検出部4−1 、4−2 を有する公知の差圧センサー
方式の密度計を用いた。二つの検出部4−1 、4−2
は、所望の密度測定精度を確保するために、循環流路2
の一部の形成方向に関する距離d1 が少なくとも500mm
となるように離して、酸濃度連続測定装置本体3の長手
方向略中央の胴部に設置される。
【0049】図2は、密度計4の設置部近傍を抽出して
示す断面図である。図2に示すように、酸濃度連続測定
装置1には、密度計4の二つの検出部4−1 、4−2 へ
酸洗液を導くための分流部8が不可避的に形成される。
この分流部8は、循環流路2の一部を構成するものの、
酸洗液の流速が低下して塩化鉄結晶7が堆積して詰まり
易い部分である。そこで、本実施形態では、詰まり防止
機構としてパージ管9を分流部8に設置してある。パー
ジ管9を介して詰まり易い部分へ向けて酸洗液を噴出す
る。これにより、詰まり易い部分における酸洗液の滞留
が抑制され、酸洗液の詰まりが確実に防止される。
【0050】図1に示すように、本実施形態では、温度
計5には公知の白金抵抗体式の温度計を用いた。温度計
5は、循環流路2の一部の出側で測定を行うことができ
るように、酸濃度連続測定装置本体3の頭部に設置され
る。
【0051】図3は、本実施形態で用いる導電率計6を
抽出して示す説明図である。同図に示すように、導電率
計6は導電率の検出部6aを有する。この検出部6aは、中
空の円筒形状を有し、その内周面および外面をいずれも
PTFEにより被覆される。また、検出部6aは、測定さ
れる酸洗液が水平方向および垂直方向のいずれの方向に
対しても交差する方向 (本実施形態では水平方向および
垂直方向のいずれの方向に対しても45度交差する方向)
へ通過するように、内面および底面が、水平方向および
垂直方向のいずれの方向に対しても斜めに交差する方向
に向けて形成される。この理由を図4および図5を参照
しながら、詳細に説明する。
【0052】図4は、比較のための導電率計6’の説明
図であり、図4(a) は導電率計6’を用いた酸濃度連続
測定装置1’の縦断面図、図4(b) は導電率計6’の斜
視図、図4(c) は導電率計6’の縦断面図である。
【0053】図1に示すように、酸洗槽11から酸洗液を
循環流路2を用いて循環させると、図3に示すように、
酸洗処理された鋼帯から剥離した鉄分を含むスケール
が、循環流路2内で酸洗液(塩酸)と反応して水素ガス
の気泡Bが発生する。このようにして発生した気泡B
は、図4(a) に示すように、導電率計6’の検出部6a’
を通過する際に、PTFEを被覆された内周面および外
面はいずれも親水性を示すことから、この内周面および
底面に付着して成長する。検出部6a’の内周面および底
面で成長した気泡Bは、検出部6a’の磁場を遮断する作
用(シールド効果)を奏する。このため、導電率計6’
の指示値が低下して異常値を示し、気泡Bがさらに成長
して自身の浮力により検出部6a’の内周面および底面か
ら離れると導電率計6’の指示値が急上昇して正常値を
示す。このため、導電率計6’の出力値aは、図4(a)
中にグラフで例示するような鋸歯状となって安定せず、
高精度で導電率を測定することができなくなってしま
う。
【0054】これに対し、図5は、本実施形態の導電率
計6の説明図であり、図5(a) は導電率計6を用いた酸
濃度連続測定装置1の縦断面図、図5(b) は導電率計6
の縦断面図、図5(c) は導電率計6の斜視図である。
【0055】本実施形態では、内面および底面が、水平
方向および垂直方向のいずれの方向に対しても交差する
方向に向けて形成されるように、検出部6aを斜めに配置
する。これにより、気泡Bが検出部6aを通過する際にお
ける滞留時間が低減され、内面および底面において気泡
Bが磁場を遮断する程度にまで大きく成長することが、
防止される。
【0056】検出部6aの傾斜角度θは、気泡Bが検出部
6aに滞留する時間を低減するには、0度超90度未満で
あればよいが、同様の観点から、傾斜角度θは、30度
以上60度以下であることが望ましく、45度であるこ
とが特に望ましい。また、気泡Bの検出部6aへの付着を
防止するには、内面および底面を例えば成形加工するこ
とにより滑らかに仕上げておくことも望ましい。
【0057】本実施形態によれば、多少の気泡Bが存在
しても、導電率計6の出力値aは、図5(a) 中にグラフ
で例示するように安定して略直線状となり、所望の測定
精度で導電率を測定することができる。なお、図5(d)
の縦断面図および図5(e) の斜視図に示すように、検出
部6aの支持位置6bを変更してもよい。
【0058】本実施形態の導電率計6は、検出部6aが傾
斜して配置されたこと以外は、公知の電磁誘導型の導電
率計と同じである。導電率計6は、温度計5と同様に、
循環流路2の一部の出側で測定を行うことができるよう
に、酸濃度連続測定装置本体3の頭部に設置される。
【0059】なお、本実施形態では、温度計5および導
電率計6は、いずれも、酸濃度連続測定装置本体3に設
けた。これは、温度計5および導電率計6をともに密度
計4の近傍に配置することにより、測定誤差を可及的低
減するためである。しかし、温度計5、導電率計6は、
必ずしも酸濃度連続測定装置本体3に配置する必要はな
い。温度計5、導電率計6を、酸洗槽11の内部または、
酸洗槽11と酸濃度連続測定装置本体3との間の循環流路
2を構成する配管等に設置して、循環する酸洗液の温
度、導電率を測定することとしてもよい。この場合、密
度計4の設置部近傍における温度、導電率の値と、温度
計5、導電率計6の設置部における測定データとの偏差
を予め求めておき、これらの偏差を用いて温度計5、導
電率計6の設置部における測定データを補正すればよ
い。これにより、温度計5および導電率計6を密度計4
の近傍に配置しなくとも、測定誤差が可及的低減され
る。
【0060】また、図3に示すように、本実施形態の酸
濃度連続測定装置1では、遮断部材であるスクリーン30
が、酸濃度連続測定装置本体3の内部であって検出部6a
の下方に、適宜手段により固定される。
【0061】図6は、スクリーン30を設けた酸濃度連続
測定装置1の縦断面図である。スクリーン30はV字型の
断面を有する通水性を有する部材であり、適当な粗さを
有する。このスクリーン30は酸洗液に浸食されない程度
の耐酸性を有する材料により構成されればよく、本実施
形態ではポリプロピレン製とした。
【0062】スクリーン30は、酸濃度連続測定装置本体
3の内部を流れる酸洗液に含まれる気泡Bが検出部6aへ
進入しないように、導き、検出部6aへの気泡Bの侵入を
防止する。
【0063】本実施形態によれば、気泡Bが検出部6aへ
進入することがさらに抑制され、導電率計6の出力値a
は、図6中にグラフで例示するようにさらに安定して略
直線状となり、所望の測定精度で酸洗液の導電率を測定
することが可能となる。
【0064】さらに、本実施形態の酸濃度連続測定装置
1では、酸濃度連続測定装置本体3の内部へ酸洗液を連
続的に流す配管である循環流路2に、消泡機能が与えら
れている。
【0065】図7は、この循環流路2の構成を示す説明
図である。また、図8は、酸洗槽11における循環流路2
の構成を示す説明図である。図7に示すように、循環流
路2の一部に脱気管31が設けられている。脱気管31は、
循環流路2よりも大径の管であって、垂直方向に向けて
延設される。脱気管31の上部は、大気開放される。
【0066】循環流路2を送られてきた酸洗液は、大径
の脱気管31を介して、酸濃度連続測定装置本体3の内部
へ導かれる。ここで、脱気管31は大径であるために酸洗
液の流速が低下するとともに脱気管31の上部は大気開放
されているため、酸洗液に含まれる気泡Bはその浮力に
よって脱気管31の上部開口部へ向かい、脱気管31から系
外に排出される。このように、脱気管31は消泡機能を有
する。
【0067】このため、酸濃度連続測定装置本体3の内
部へ導かれる酸洗液中の気泡Bの量が低減され、気泡B
が検出部6aへ進入することをさらに抑制できる。このた
め、導電率計6の出力値aは、図7中にグラフで例示す
るようにさらに安定して略直線状となり、所望の測定精
度で酸洗液の導電率を測定することができる。また、本
実施形態では、酸洗槽11に収容された酸洗液に浸漬され
る取出配管32にも、気泡Bの発生抑制対策がなされてい
る。
【0068】図8は、この取出配管32を示す説明図であ
る。取出配管32から酸洗液を取り込む際に、酸洗液とと
ともに、酸洗処理された鋼帯から剥離した鉄分を含むス
ケール35を取り込んでしまうと、図8右上の拡大図に示
すように、取出配管32の内部で、取り込まれたスケール
35が塩酸と反応して気泡B(水素ガス)が発生し、導電
率計6の測定精度低下を引き起こす。そこで、本実施形
態では、図8右下の拡大図に示すように、取出配管32の
下部にエンドキャップ32a を設けるとともに、取出配管
32の先端部34の外周面に、スケール35の侵入を遮断する
ことができる大きさの吸引孔36を多数設けてある。これ
により、取出配管32の内部へのスケール35の侵入が抑制
され、気泡Bの発生が防止される。
【0069】さらに、本実施形態では、酸洗槽11内にお
ける取出配管32の先端部34の設置位置は、酸洗処理され
る鋼帯33の通過位置等も勘案し、酸洗槽11内の酸洗液の
流れが最も少ない位置とした。なお、図8の酸洗槽11内
における矢印は、気泡Bの流れを示す。
【0070】この酸濃度連続測定装置1は、後述する図
10に示すように、本実施形態では、酸洗槽11の外壁面近
傍に設置される。そして、酸濃度連続測定装置1は、酸
洗槽11の近傍に設置したポンプ13により酸洗槽11に収容
された酸洗液を一方向へ流す。これにより、酸濃度連続
測定装置1は、連続的に酸洗液の密度、温度および導電
率をいずれも測定することが可能である。
【0071】このように、本実施形態の酸濃度連続測定
装置1で用いる密度計4および温度計5には、いずれ
も、高い使用実績を有する公知の工業計器を使用すると
ともに、導電率計6には検出部6aを傾斜させた点以外は
公知の導電率計と同じである工業計器を使用する。この
ため、本実施形態の酸濃度連続測定装置1は、極めて高
い精度で正確に、酸洗液の密度、温度および導電率を求
めることができる。
【0072】また、本実施形態の酸濃度連続測定装置1
には、密度計4により連続的に測定された密度と、温度
計5により連続的に測定された温度と、導電率計6によ
り連続的に測定された導電率とに基づいて、酸洗液の酸
濃度を演算する演算装置14が設置される。この演算装置
14により酸洗液の酸濃度が連続的に演算される。演算装
置14による酸濃度の演算内容は、図9および図10を参照
しながら後述する。
【0073】また、本実施形態の酸濃度連続測定装置1
では、酸濃度連続測定装置本体3を筒型状単管式とす
る。このため、以下に列記する効果(i) 〜(viii)が奏せ
られる。
【0074】(i) 循環流路2の形状をできるだけ直線状
とし、またパージ管9を分流部8に設ける。このため、
循環流路2内、特に密度計4、温度計5および導電率計
6それぞれの近傍における酸洗液の滞留が防止され、酸
洗液を連続的に流すことができる。
【0075】(ii)酸洗液は、循環流路2内を連続的に流
れる。このため、循環流路2内における酸洗液の偏析が
防止され、別々に採取した複数種の酸洗液をも同一条件
で正確に測定することができる。
【0076】(iii) ポンプ13により酸洗液を常時流すと
ともに、流速低下部をできるだけ少なくした循環流路2
の分流部8にパージ管9を設置する。このため、酸濃度
連続測定装置本体3のメンテナンス性および内部洗浄性
がいずれも著しく向上し、酸洗液の詰まりを解消しなが
ら連続測定を行うことができる。
【0077】(iv)酸洗液の密度、温度および導電率を連
続的に測定するため、酸洗液の酸濃度を連続的に測定す
ることができる。これにより、この酸濃度連続測定装置
1を、例えば連続酸洗設備の最終酸洗槽の酸濃度に関す
るフィードバック制御、または、フィードバック制御お
よびフィードフォワード制御と組合せることにより、最
終酸洗槽の酸濃度を連続的かつ高精度で自動制御するこ
とが可能となる。
【0078】(v) 酸濃度連続測定装置1は、図1に示す
ように、極めて簡単な外部形状を有する。このため、例
えば連続酸洗設備等への設置の自由度が高い。 (vi)酸濃度連続測定装置1の内部は、図1に示すよう
に、簡単な内部構造を有する。このため、循環流路2を
流れる酸洗液の流速を、密度計4、温度計5および導電
率計6の測定精度の観点から望ましい流速である2m/se
c 以下に、容易に設定・管理することができる。したが
って、酸濃度連続測定装置1は、測定精度の維持が容易
である。
【0079】(vii) 酸濃度連続測定装置1は簡単な構造
であるため、酸洗槽の近傍に容易に設置することができ
る。このため、酸洗槽から酸洗液を分流させる循環流路
2を構成する配管の長さを可及的短くすることができ
る。これにより、酸洗液が酸洗槽を出てから酸濃度連続
測定装置1に到達して測定されるまでの間のタイムロス
を可及的短縮することができる。このため、酸濃度連続
測定装置1は、制御精度の低下を抑制できる。
【0080】(viii)検出部6aを傾斜させた導電率計6を
用い、スクリーン30を設置し、脱気管31を用い、さらに
は酸洗槽11内における取出配管32の先端部34を酸洗槽11
内の酸洗液の流れが最も少ない位置に配置するため、酸
洗液に含まれる気泡Bに起因した測定精度の低下を、可
及的抑制できる。
【0081】図9は、連続酸洗設備12へ適用した本実施
形態の酸濃度自動制御装置10の制御系の一例を模式的に
示す説明図である。また、図10は、本発明にかかる酸濃
度自動制御装置10を構成する最終酸洗槽11d の概略を示
す説明図である。
【0082】この連続酸洗設備12では、酸洗槽を連続し
て4槽設けてある。第4槽11d が最終酸洗槽である。第
4槽11d より上流側に第3槽11c 、第2槽11b そして第
1槽11a が順次設けられている。酸洗処理される鋼帯
(本例では熱延鋼帯) は、図示していないが、図面向か
って右側から左側に向かって搬送される。これにより、
鋼帯は、各槽11a 〜11d に順次浸漬されながら酸洗され
る。なお、図9および図10の説明では、第1槽11a に付
帯する設備には符号aを付し、以下、第2槽11bには符
号bを、第3槽11a には符号cを、第4槽11d には符号
dをそれぞれ付すこととする。
【0083】この連続酸洗設備12の各酸洗槽11a 〜11d
には、各酸洗槽11a 〜11d それぞれにおいて酸洗液の密
度、温度および導電率を連続的に測定するために、ポン
プ13a 〜13d を介して、前述した本実施形態の酸濃度連
続測定装置1a〜1dが接続される。酸洗液は、ポンプ13a
〜13d により各酸洗槽11a 〜11d から循環流路2を介し
て圧送される。圧送された酸洗液は、酸濃度連続測定装
置1a〜1dの内部に形成された循環流路2a〜2dの一部を流
れ、各酸洗槽11a 〜11d へ戻される。循環する酸洗液
は、酸濃度連続測定装置1a〜1dの内部に形成された循環
流路2a〜2dの一部を流れる間に、密度計4a〜4d、温度計
5a〜5dおよび導電率計6a〜6dにより、密度、温度および
導電率がそれぞれ連続的に測定される。
【0084】なお、本実施形態における酸濃度連続測定
装置1a〜1dによる「連続的な測定」とは、例えば公知の
滴定式分析計を用いた場合の測定ピッチ (約15分間) に
比べて極めて短い測定ピッチでの測定を意味しており、
例えば、測定ピッチが1分間以下、望ましくは10秒間以
下である酸濃度測定を意味する。
【0085】なお、図9および図10に示すように、循環
流路2には、詰まり防止のための濾過装置は設けていな
い。本実施形態の酸濃度連続測定装置1では、循環流路
2に詰まり防止のために濾過装置を設けなくとも、酸洗
液の滞留に起因した詰まりは発生しない。したがって、
詰まり防止のために濾過装置を循環流路2に設けると、
却って、この濾過装置において詰まりが発生するおそれ
がある。
【0086】酸濃度連続測定装置1a〜1dは、演算装置で
あるDDC(直接デジタル制御)装置14に接続される。この
DDC 装置14からの制御信号が、最終酸洗槽11d への酸液
(塩酸) 供給量を調整する弁機構15の開閉信号として送
られる。
【0087】このように、本実施形態の酸濃度自動制御
装置10は、酸液の供給を最終酸洗槽である第4槽11d だ
けに対して行い、第1槽11a 〜第3槽11c への酸液の供
給は行わない。ただし、第4槽11d から第3槽11c へ、
第3槽11c から第2槽11b へ、第2槽11b から第1槽11
a へ、それぞれ酸洗液がオーバーフローする。このた
め、最終酸洗槽である第4槽11d 以外の各酸洗槽11a 〜
11c の酸濃度は、上昇および低下を繰り返しながらも、
略一定に保たれる。
【0088】この本実施形態の酸濃度自動制御装置10で
は、酸濃度連続測定装置1a〜1dにより連続的に得られた
密度、温度および導電率それぞれに関する測定値は、信
号データとしてDDC 装置14へ送られる。DDC 装置14は、
送られたデータのうちで最終酸洗槽11d に関するデータ
に基づいて、後述するようにして、最終酸洗槽11d の酸
濃度を演算する。
【0089】なお、最終酸洗槽11d 以外の酸洗槽11a 〜
11c に関するデータは、本実施形態の酸濃度自動制御装
置10ではフィードフォワード制御を行うために用いられ
る。このフィードフォワード制御については後述する。
【0090】DDC 装置14は、演算された最終酸洗槽11d
の酸洗液の酸濃度と、予め決められた酸濃度の目標値と
を比較する。そして、DDC 装置14は、両者の偏差をゼロ
とするべく、最終酸洗槽11d への酸液の供給量を演算す
る。演算された酸液の供給量は、DDC 装置14から、給酸
量制御信号として弁機構15の開閉機構へ送られる。これ
により、弁機構15の開閉が制御され、最終酸洗槽11d へ
の酸液の供給量が変更される。このようにして、最終酸
洗槽11d の酸濃度がフィードバック制御される。
【0091】すなわち、図10において、本実施形態の酸
濃度自動制御装置10は、最終酸洗槽11d と、最終酸洗槽
11d への酸液供給系15と、演算器 (データ処理用コンピ
ュータ)14 を有する酸濃度連続測定装置1dとから構成さ
れる。そして、最終酸洗槽11d の酸濃度は、酸濃度連続
測定装置1dによって連続的に測定される酸洗液の密度、
温度および導電率のデータに基づいて、演算器14によっ
て算出される。なお、図10における廃酸タンク16は、第
1酸洗槽11a からオーバーフローする廃酸を処理するた
めのタンクであり、第1酸洗槽11a に接続されている。
【0092】図11(a) 、図11(b) は、それぞれ、塩酸濃
度、塩化鉄濃度の調整値とそれぞれの計算値との関係を
示す検量線に関するグラフである。図11(a) における横
軸B 1 は塩酸濃度調整値を示し、縦軸C1 は塩酸濃度計
量値を示す。また、図11(b)における横軸B2 は塩化鉄
濃度調整値を示し、縦軸C2 は塩化鉄濃度計量値を示
す。検量線に関するこのグラフを予め作成しておくこと
により、塩酸濃度、塩化鉄濃度の調整値を容易に求める
ことができる。
【0093】図12は、密度計4d、温度計5dおよび導電率
計6dにより得られた測定値の処理の概要を示す説明図で
ある。同図に示すように、密度計4d、温度計5dおよび導
電率計6dの測定結果は、図10におけるアンプ盤 (変換
盤) 18を介して、アナログ信号で演算機14へ入力され
る。
【0094】演算機14により塩酸濃度および塩化鉄濃度
が演算される際の算出式は、例えば、次の通りである。 SA=S−a(T−25) ・・・ DA=D+b(T−25) ・・・ 塩酸濃度=c(d{e・SA+f・SA(DA−1)} −g{h・SA+i・SA(DA−1)}+j)+k・・・ 塩化鉄濃度=m(n・DA−SA) −p ・・・ ただし、Sは導電率実測値を、Tは温度実測値を、SA
は導電率温度補正値を、Dは密度実測値を、DAは密度
温度補正値を、符号a〜pは定数を、それぞれ示す。
【0095】このように連続的に測定した密度、温度お
よび導電率の値を上記の関係式〜に代入することに
より、各酸洗槽11a 〜11d において連続的に塩化鉄濃
度、塩酸濃度が求められる。本実施形態では、最終酸洗
槽11d に関する測定値から、最終酸洗槽11d の塩酸濃度
が連続的に求められる。
【0096】そして、このようにして得られた塩酸濃度
と目標とする塩酸濃度との偏差をゼロとするために、塩
酸供給系15に酸液の供給量を決定する制御信号が出力さ
れる。このようにして、本実施形態の酸濃度自動制御装
置10では、最終酸洗槽11d の密度、温度および導電率そ
れぞれの実測値から酸洗液の酸濃度を連続的に求め、求
めた酸濃度を目標値に一致させるべく、最終酸洗槽11d
の酸濃度をフィードバック制御する。
【0097】すなわち、本実施形態の酸濃度自動制御装
置10の第1の特徴は、第4槽11d のみに対して行ってい
る酸液の供給量の最適化を図るために、酸濃度連続測定
装置1dと、第4槽11d に関する酸液の供給量のフィード
バック制御とを組み合わせて用いる点にある。これによ
り、酸濃度の連続的な測定値、すなわち測定間隔が従来
に比較して極めて短く、略連続した酸濃度の測定値を用
いて、最終酸洗槽11dに対する酸液の供給量をフィード
バック制御することができる。このため、本実施形態の
酸濃度自動制御装置10によれば、酸濃度制御の応答性を
顕著に向上することができる。これにより、酸濃度の変
動量を小さくできるために、酸濃度の高濃度側へのばら
つきを小さく抑制でき、酸原単位の上昇を可及的に抑制
することが可能となる。
【0098】さらに、本実施形態の酸濃度自動制御装置
10では、酸濃度制御の応答性をさらに向上させるため
に、最終酸洗槽11d 以外の酸洗槽11a 〜11c に関する測
定データを用いて、最終酸洗槽11d の酸洗液の酸濃度を
フィードフォワード制御する。以下、このフィードフォ
ワード制御について説明する。
【0099】図9において、最終酸洗槽11d 以外の酸洗
槽11a 〜11c にそれぞれ設けた酸濃度連続測定装置1a〜
1cにより、各酸洗槽11a 〜11c に収容された酸洗液の酸
濃度が連続的に測定される。酸濃度連続測定装置1a〜1c
による測定は、酸濃度連続測定装置1dによる測定と同じ
である。
【0100】酸濃度連続測定装置1a〜1cによる測定結果
に基づいて、酸洗槽11a 〜11c における単位時間当たり
の酸消費量の実績値が求められる。そこで、各酸洗槽11
a 〜11c における単位時間当たりの酸消費量の実績値に
基づいて、最終酸洗槽11d における単位時間当たりの酸
消費量を予測する。
【0101】すなわち、各酸洗槽11a 〜11d における単
位時間当たりの酸消費量は、ストリップ持ち出し量によ
って急激に変動する。このストリップ持ち出し量は、通
板される鋼板の板厚、板幅およびラインスピードに略比
例する。このため、酸濃度連続測定装置1a〜1cにより酸
洗槽11a 〜11c における酸濃度の変化を連続的に測定し
ておくことにより、最終酸洗槽11d における酸濃度の変
化、すなわち酸消費量を高精度で予測することができ
る。なお、酸洗槽11a 〜11c の全てに関する単位時間当
たりの酸消費量の実績値を用いる必要はなく、例えば最
終酸洗槽11d に隣接した第3酸洗槽11c に関する実績デ
ータを用いることとして、簡略化してもよい。
【0102】すなわち、図10において、前述したフィー
ドバック制御を行う際に、連続酸洗設備プロセスコンピ
ュータ20には、板厚、板幅およびラインスピードの実績
値が入力される。このため、これらのデータを DDC装置
19へ取り込めるように、連続酸洗設備プロセスコンピュ
ータ20を接続しておく。
【0103】つまり、演算装置14によりフィードバック
制御によって演算された酸液の供給量を DDC装置19へ入
力する。また、連続酸洗設備プロセスコンピュータ20か
らの板厚、板幅およびラインスピードそれぞれに関する
実績値と、演算装置14により演算された酸洗槽11a 〜11
c における酸濃度の変化とを DDC装置19へ入力する。そ
して、DDC 装置19により、酸洗槽11a 〜11c における酸
濃度の低下率に基づいて最終酸洗槽11d における酸消費
量を予測し、フィードバック制御により演算された酸液
の供給量を、フィードフォワード制御により、さらに補
正・変更する。
【0104】板厚、板幅およびラインスピードの実績値
から塩酸濃度の低下分を予測するには、例えば次のよう
にして行えばよい。図9および図10において、酸洗槽11
a 〜11c の塩酸濃度は、前述の式および式を用いる
ことにより求められる。このようにして求めた塩酸濃度
に、図11(a) および図11(b) に示した、板厚、板幅およ
びラインスピードを関数として予め求めてある相関関係
式(検量線)により、塩酸消費量、つまり低下分を予測
する。ここで、フィードフォワード制御関数FFは、例え
ば下記式により、求められる。
【0105】 FF =KF・W・f(d)・g(Ls) ・・・・・ ただし、式において、KF は濃度変動係数を、Wは板
幅を、f(d) は板厚を、さらにg(Ls)はラインスピード
を、それぞれ示す。
【0106】すなわち、フィードバック制御による加算
および減算により、最終酸洗槽における酸濃度の目標値
に対しての偏差を抑制する。さらに、フィードバック制
御により求められた酸液の供給量を、フィードフォワー
ド制御による乗算および加算により酸液の供給量を予測
的に導き出すことにより、補正する。これにより、最終
酸洗槽に対する塩酸供給量を、極めて高精度で制御する
ことができる。
【0107】このようにして、酸洗槽11a 〜11c におけ
る酸消費量の実績値に基づいて、最終酸洗槽11d におけ
る酸液の供給量を変更するフィードフォワード制御を、
フィードバック制御に重畳させて、行う。これにより、
最終酸洗槽11d の酸濃度だけを用いるフィードバック制
御だけでは迅速に応答できない、ストリップ持ち出しに
よる最終酸洗槽11d の酸濃度の急激な低下に対しても、
極めて少ないタイムラグで酸濃度を高精度で制御するこ
とができる。
【0108】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、酸濃度連続測定装置1dと、最終酸洗槽11d の酸濃度
の連続測定値を用いるフィードバック制御手段とを組み
合わせる。このため、酸液を供給される酸洗槽である最
終酸洗槽11d に対する酸液の供給量を連続的に求めるこ
とができ、最終酸洗槽11d の酸濃度を目標値に迅速かつ
高精度で制御することができる。
【0109】さらに、酸洗槽11a 〜11c の酸濃度の変動
値を用いて最終酸洗槽11d の酸消費量を予測するフィー
ドフォワード制御を重畳させることにより、ストリップ
持ち出しによる最終酸洗槽11d の酸濃度の急激な低下に
対しても迅速に応答して、適正な酸液の供給量を求める
ことができる。
【0110】このように、本実施形態の酸濃度自動制御
装置10では、(i) 連続酸洗設備12を構成する最終酸洗槽
11d のそれぞれにおいて酸洗液の密度、温度および導電
率を連続的に測定する酸濃度連続測定装置1dと、(ii)得
られた測定値から予め求めたそれらの値の相関関係式に
基づき最終酸洗槽11d における塩酸濃度および塩化鉄濃
度、つまり鉄イオン濃度を導き出し、それらの結果を連
続的に出力して、最終酸洗槽11d の塩酸濃度値と目標値
との比較を行い、その差異がゼロとなるように最終酸洗
槽11d への酸液の供給量を変更するフィードバック制御
手段と、(iii) 板厚、板幅およびラインスピードと、酸
洗槽11a 〜11c の塩酸および塩化鉄の各濃度測定結果と
を用いて酸洗槽11a 〜11c における酸消費量を求め、こ
れに基づいて最終酸洗槽11d の酸液の供給量を変更する
フィードフォワード制御手段とを組み合わせて備える。
このため、最終酸洗槽11d における酸液の供給量の自動
制御における酸濃度制御の応答遅れや精度低下を、いず
れも解消できる。
【0111】(第2実施形態)図13(a) は、下流側の酸
洗槽に収容された酸洗液を上流側に隣接する酸洗槽へ順
次オーバーフローさせる型の連続酸洗設備21の説明図で
ある。また、図13(b)は、本実施形態の酸濃度自動制御
装置22を連続酸洗設備21に適用した状況を示す説明図で
ある。
【0112】図13(a) に示すように、この連続酸洗設備
21では、酸洗槽を連続して5槽設けてある。この連続酸
洗設備21では第5槽21e が最終酸洗槽となる。第5槽21
e より上流側に第4槽21d 、第3槽21c 、第2槽21b そ
して第1槽21a が順次設けられる。図示するように、酸
洗処理される鋼帯23 (本例では熱延鋼帯) は図面向かっ
て右側から左側に向かって搬送される。鋼帯23は、各槽
21a 〜21e に順次浸漬されながら酸洗される。なお、図
13(a) および図13(b) の説明では、第1槽21aに付帯す
る設備には符号aを付し、以下、第2槽21b には符号b
を、第3槽21cには符号cを、第4槽21d には符号d
を、さらに第5槽 (最終酸洗槽)21eには符号eを、それ
ぞれ付すこととする。
【0113】図13(b) に示すように、この連続酸洗設備
21の各酸洗槽21a 〜21e には、各酸洗槽21a 〜21e それ
ぞれにおいて酸洗液の密度、温度および導電率を連続的
に測定するために、図示しない5基のポンプをそれぞれ
介して、前述した図1〜図8に示す酸濃度連続測定装置
1a〜1eが接続される。酸洗液は、5基のポンプにより各
酸洗槽21a 〜21e から圧送される。圧送される酸洗液
は、循環流路2を介して、酸濃度連続測定装置1a〜1eの
内部に形成された循環流路2a〜2eの一部を流れて各酸洗
槽21a 〜21e へ循環する。酸洗液は、循環流路2a〜2eの
一部を流れる間に、密度計4a〜4e、温度計5a〜5eおよび
導電率計6a〜6eにより、密度、温度および導電率がそれ
ぞれ連続的に測定される。
【0114】酸濃度連続測定装置1a〜1eは、演算装置で
あるDDC(直接デジタル制御)装置24に接続される。この
DDC装置24からの制御信号は、最終酸洗槽21e への酸液
の供給量を調整する弁機構25の開閉信号として送られ
る。
【0115】このように、本実施形態の酸濃度自動制御
装置22では、酸液の供給を最終酸洗槽である第5槽21e
だけに対して行い、第1槽21a 〜第4槽21d への酸供給
は行わない。ただし、この連続酸洗設備21では、第5槽
21e から第4槽21d へ、第4槽21d から第3槽21c へ、
第3槽21c から第2槽21b へ、第2槽21b から第1槽21
a へ、それぞれ酸洗液がオーバーフローする。このた
め、酸濃度自動制御装置22の各酸洗槽21a 〜21d の酸濃
度は、上昇および低下を繰り返しながらも、略一定に保
たれる。
【0116】この本実施形態の酸濃度自動制御装置22で
は、酸濃度連続測定装置1a〜1eにより連続的に得られた
密度、温度および導電率それぞれに関する測定値は、信
号データとして DDC装置24へ送られる。DDC 装置24は、
送られたデータのうちで最終酸洗槽21e および第4槽21
d に関するデータに基づいて、後述するようにして、最
終酸洗槽21e の酸濃度を算出する。
【0117】DDC 装置24は、算出された最終酸洗槽21e
、第4槽21d それぞれの酸濃度値と、予め決められた
それぞれの目標値とを比較する。そして、DDC 装置24
は、最終酸洗槽21e への酸液の供給量を演算する。
【0118】図14は、DDC 装置24における酸液の供給量
の決定演算の流れを示すフロー図である。以下、図14に
示すフロー図を参照しながら、DDC 装置24における酸液
の供給量の決定演算の流れを説明する。
【0119】ステップ (以下、「S」と記す。) 1にお
いて、DDC 装置24が起動されてフィードバック制御が開
始される。DDC 装置24の起動後にS2へ進む。S2にお
いて、酸濃度連続測定装置1a〜1eそれぞれにより、各酸
洗槽21a 〜21e に収容された酸洗液の密度、温度および
導電率がそれぞれ連続的に測定される。測定完了後にS
3へ進む。
【0120】S3において、酸濃度連続測定装置1a〜1e
それぞれにより連続的に測定された酸洗液の密度、温度
および導電率に基づき、前述した式〜式を用いて、
各酸洗槽21a 〜21e に収容された酸洗液の酸濃度が演算
される。酸濃度の演算後にS4へ進む。
【0121】S4において、1回目の濃度測定結果の判
定が行われる。すなわち、最終酸洗槽である第5槽21
e の酸濃度の演算値C5が、第5槽21e の酸濃度の管理下
限値C5min より小さく、かつ第4槽21d の酸濃度の演
算値C4が、第4槽21d の酸濃度の管理下限値C4min より
小さいか、否かが判定される。小さい場合にはS5へ進
み、小さくない場合にはS6へ進む。
【0122】S5において、弁機構25からの第5槽21e
への酸液の供給量を、WからW+δW (ただし、δWは
酸供給量の補正値を示す。) へと増加し、S2へ進む。
S6において、2回目の濃度測定結果の判定が行われ
る。すなわち、最終酸洗槽である第5槽21e の酸濃度
の演算値C5が、第5槽21e の酸濃度の管理上限値C5max
より大きく、かつ第4槽21d の酸濃度の演算値C4が、
第4槽21d の酸濃度の管理上限値C4max より大きいか、
否かが判定される。大きい場合にはS7へ進み、大きく
ない場合にはS8へ進む。
【0123】S7において、弁機構25からの第5槽21e
への酸液の供給量を、WからW−δWへと減少し、S2
へ進む。S8において、弁機構25からの第5槽21e への
酸供給量がWとして決定される。この後、S1へ進み、
以降S1〜S8を繰り返す。
【0124】このように、DDC 装置24における酸液の供
給量の決定演算では、酸濃度連続測定装置1d、1eそれぞ
れによる酸濃度の測定結果を、第4槽21d および第5槽
21eそれぞれについて予め設定した管理上限値および管
理下限値と比較する。
【0125】酸濃度連続測定装置1d、1eそれぞれによる
酸濃度の測定結果がともに管理下限値を下回る場合に
は、予め設定してある酸液の供給量Wに補正値δWを上
乗せする。一方、測定結果がともに管理上限値を上回る
場合には、逆に補正値δWを差し引く。これにより、弁
機構25からの第5槽21e への酸液の供給量が変更され、
供給される酸液の流量が変わる。
【0126】演算された酸液の供給量Wは、 DDC装置14
から、給酸量制御信号として弁機構15の開閉機構に送ら
れて、弁機構15の開閉を制御する。これにより、最終酸
洗槽11d への酸液の供給量が変更されて、フィードバッ
ク制御が行われる。このため、酸濃度の測定値を用いた
第5槽21e および第4槽21d 以外の第3槽21c 〜第1槽
21a についても酸濃度が安定化し、全体の酸濃度も低下
する。
【0127】このようにして、本実施形態によれば、各
酸洗槽21a 〜21e に収容された酸洗液の酸濃度の測定結
果を、酸液の供給量の決定に連続的にフィードバックさ
せることができる。
【0128】さらに、本実施形態では、最終酸洗槽であ
る第5槽21e のみならず、第5槽21e に隣接する第4槽
21d の酸濃度もフィードバック制御する。このため、第
5槽21e の酸濃度の測定結果だけを用いた場合に比較す
ると、より安定的に各酸洗槽21a 〜21e の酸濃度を自動
制御することができる。
【0129】このようにして、本実施形態の酸濃度自動
制御装置22では、最終酸洗槽21e および第4槽21d それ
ぞれにおける酸洗液の密度、温度および導電率それぞれ
の実測値から酸濃度を連続的に求め、求めた酸濃度を目
標値に一致させるべく、酸液の供給量のフィードバック
制御を行う。
【0130】すなわち、本実施形態の酸濃度自動制御装
置22の特徴は、第1実施形態によれば第5槽21e のみに
対して行う酸液の供給量をさらに最適化するため、酸濃
度連続測定装置1e、1dによる第5槽21e および第4槽21
d それぞれに対する酸濃度の連続測定と、第5槽21e に
関する酸液の供給量のフィードバック制御とを組み合わ
せて用いる点である。これにより、酸濃度の連続的な測
定値、すなわち測定間隔が極めて短く略連続した酸濃度
の測定値を用いて、最終酸洗槽21e の酸洗液の酸濃度を
フィードバック制御することができ、酸濃度制御の応答
性を顕著に向上することができる。また、これにより、
酸濃度の変動量を小さくできるために、酸濃度の高濃度
側へのばらつきを小さくでき、酸原単位の上昇を可及的
に抑制することが可能となる。
【0131】なお、図14に示す酸液の供給量の決定演算
のS4およびS6において、第5槽21e および第4槽21
d それぞれの濃度区分をさらに細分化して判定してもよ
い。また、酸液の供給量Wを決定する際に、酸洗ライン
を管理するプロセスコンピュータ等から、予め今後処理
される鋼帯の情報に基づいてフィードフォワード制御を
行うことにより、酸液の供給量をさらに変更することも
可能である。
【0132】さらに、本実施形態において、第1槽21a
〜第2槽21c それぞれからの測定値を用いた演算値を、
同様に組み合わせてフィードバック制御を行ってもよ
い。ただし、下流側の酸洗槽に収容された酸洗液を上流
側に隣接する酸洗槽へ順次オーバーフローさせるととも
に最終酸洗槽に酸液を供給する場合、酸液の供給量によ
る濃度コントロールは第4槽21d と比較すると、第1槽
21a 〜第3槽21c では非常に困難であるためにフィード
バック制御に用いる意義は薄い。そのため、第1槽21a
〜第3槽21c には、酸濃度連続測定装置1a〜1cを設けな
くともよい。
【0133】
【実施例】(第1実施例)さらに、本発明を実施例を参
照しながらより詳細に説明する。図13(a) に示す、下流
側の酸洗槽に収容された酸洗液を上流側に隣接する酸洗
槽へ順次オーバーフローさせる型の連続酸洗設備21につ
いて、図1〜図8に示す酸濃度連続測定装置を適用して
酸濃度を測定してフィードバック制御を行った場合と、
図4に示す比較例の酸濃度連続測定装置を適用して酸濃
度を測定してフィードバック制御を行った場合とについ
て、各酸洗槽の塩酸濃度の変化を連続的に測定した。な
お、各酸洗槽の塩酸濃度の測定には、図1〜図8に示す
酸濃度連続測定装置を用いた。
【0134】第1槽21a 、第3槽21c および第5槽に関
する酸濃度の測定結果を図15にグラフで示す。図15(a)
は比較例を示し、図15(b) は本発明例を示す。図15(a)
に示すように、比較例では、後述する本発明例に比較す
ると、各酸洗槽21a 〜21e の酸濃度は大きく変動し、一
定した濃度の管理は困難であった。また、全体の濃度も
高目となった。
【0135】これに対し、図15(b) に示すように、本発
明例では、第5槽21e および第4槽21d のみならず他の
酸洗槽21c 〜21a における酸濃度も安定化し、全体の濃
度も低下した。
【0136】(第2実施例)第1実施形態の酸濃度連続
測定装置1を用いて酸洗液の酸濃度を測定する前に、導
電率計6全体を酸液に長時間浸漬し、検出部6aの内面お
よび底面に、酸液を含浸させた。
【0137】前述したように、検出部6aの内面および底
面は、PTFEを被覆されていることから、極めて濡れ
性が悪い。そこで、酸液を含浸させて表面性状を変更す
ることによって、検出部6aの内面および底面への気泡の
付着を抑制した。このように、導電率計6全体を酸液に
長時間浸漬してから、酸濃度連続測定装置1を稼働し
て、酸洗液の酸濃度を連続的に測定した。
【0138】図16は、測定開始時からの第3槽11c に収
容された酸洗液の導電率および酸濃度の出力値の一例を
示すグラフである。また、図17は、導電率計6全体を酸
液に長時間浸漬せずに、直ちに測定を行った場合の一例
を示すグラフである。
【0139】図16のグラフから、測定開始前に導電率計
6全体を酸液に長時間浸漬しておくことにより、測定開
始直後から検出部6aの内面および底面への気泡の付着が
抑制され、安定して酸濃度を測定することができる。
【0140】これに対し、図17のグラフから、測定開始
前に導電率計6全体を酸液に長時間浸漬しておかない
と、検出部6aの内面および底面に酸液が充分に含浸され
るまでの約130 時間、酸濃度の測定値が大きく変動する
ことがわかる。このため、この間の酸濃度制御の精度が
低下し、酸原単位が悪化した。
【0141】
【変形の形態】以上説明した各実施形態および実施例の
説明は、酸洗液が塩酸である場合を例にとった。しか
し、本発明はかかる態様に限定されるものではない。本
発明は、硫酸等の他の酸洗液についても等しく適用する
ことができる。
【0142】また、各実施形態および実施例の説明は、
酸洗処理される鋼帯が熱延鋼帯である場合を例にとっ
た。しかし、本発明はかかる態様に限定されるものでは
ない。本発明は、冷延鋼帯についても等しく適用するこ
とができる。
【0143】また、各実施形態および実施例の説明は、
流路が、本発明の酸濃度連続測定装置および酸洗槽を循
環する循環流路である場合を例にとった。しかし、本発
明は、かかる態様に限定されるものではない。本発明の
流路は、酸洗槽に収容された酸洗液を連続的に流すため
の流路であればよく、例えば、酸洗槽と、廃酸タンクや
循環タンク等の酸収容タンクとの間に設置され、酸洗槽
に収容された酸洗液を酸収容タンクへ連続的に流すため
の流路も、等しく包含される。
【0144】また、各実施形態および実施例の説明は、
最終酸洗槽に酸液が供給される場合を例にとった。しか
し、本発明はかかる態様に限定されるものではない。本
発明は、最終酸洗槽以外の他の酸洗槽に酸液が供給され
る場合についても等しく適用することができる。
【0145】また、各実施形態および実施例の説明で
は、導電率計の円筒状の検出部が傾斜して配置された場
合を例にとった。しかし、本発明はこの形態には限定さ
れず、検出部の内面および底面の少なくとも一方が、水
平方向および垂直方向のいずれの方向に対しても交差す
る方向に向けて形成されていれば、等しく適用される。
例えば、検出部の本体は図4に示すように水平方向に向
けて配置され、この本体の内面における流路と底面と
が、いずれも、斜めに形成される場合が例示される。こ
のような場合にも、気泡の影響を受けることなく、導電
率を高精度で測定することができる。
【0146】さらに、本発明にかかる導電率計は、図1
等により示された形態には限定されない。例えば、図18
(a) に示すように、検出部6aの外部における検出部6aに
向かう酸液の流れ方向(白抜き矢印方向)が略水平方向
である場合には、検出部6aの内部および底面の一方また
は双方を流れる酸液の流れ方向が、略水平方向であれば
よい。
【0147】また、図18(b) および図18(c) に示すよう
に、検出部6aの外部における検出部6aに向かう酸液の流
れ方向(白抜き矢印方向)が略水平方向以外の方向であ
る場合には、検出部6aの内部および底面の一方または双
方を流れる酸液の流れ方向が、略水平方向以外の方向で
あればよい。
【0148】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明にか
かる導電率計および酸濃度連続測定装置によれば、酸
洗液に含まれる気泡に起因した導電率の測定精度の低下
を、可及的抑制でき、これにより、酸洗液の酸濃度を高
精度で測定できる。
【0149】また、本発明にかかる酸濃度連続測定装置
によれば、酸洗液の密度、温度および導電率を連続的に
測定することができ、これにより、酸濃度を連続的に長
時間測定することができる。また、酸洗液を流す流路内
に酸洗液が詰まらず、詰まった場合にもその洗浄が容易
な構造としてあるため、メンテナンス性も向上する。し
たがって、本発明にかかる酸濃度連続測定装置によれ
ば、長時間にわたって連続した測定が可能となる。
【0150】また、この酸濃度連続測定装置を用いた酸
濃度自動制御装置によれば、酸液を供給される酸洗槽の
酸濃度を、高精度かつ安定的に制御することができる。
これにより、酸原単位が向上する。
【0151】特に、この酸濃度自動制御装置では、酸濃
度の連続測定にフィードバック制御を組み合わせること
を基本とし、さらにフィードフォワード制御を重畳させ
る。このため、制御精度およびレスポンスをいずれも著
しく向上することができる。
【0152】さらに、本発明にかかる酸濃度連続測定装
置を用いた酸濃度自動制御装置によれば、下流側の酸洗
槽に収容された酸洗液を上流側に隣接する酸洗槽へ順次
オーバーフローさせる型の連続酸洗設備における酸洗槽
の酸濃度を連続的に測定し、この測定結果を酸液の供給
量にフィードバックする。このため、各酸洗槽の酸濃度
を適正に保つことができるとともに酸洗液の原単位を低
減することもできる。かかる効果を有する本発明の意義
は、極めて著しい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の酸濃度連続測定装置の内部構造を示
す説明図である。
【図2】密度計の設置部近傍を拡大して示す断面図であ
る。
【図3】実施形態で用いる導電率計を抽出して示す説明
図である。
【図4】比較のための導電率計の説明図であり、図4
(a) は導電率計を用いた酸濃度連続測定装置の縦断面
図、図4(b) は導電率計の斜視図、図4(c) は導電率計
の縦断面図である。
【図5】実施形態の導電率計の説明図であり、図5(a)
は導電率計を用いた酸濃度連続測定装置の縦断面図、図
5(b) は導電率計の縦断面図、図5(c) は導電率計の斜
視図である。
【図6】スクリーンを設けた酸濃度連続測定装置の縦断
面図である。
【図7】循環流路の構成を示す説明図である。
【図8】酸洗槽における循環流路の構成を示す説明図で
ある。
【図9】連続酸洗設備へ適用した実施形態の酸濃度自動
制御装置の制御系の一例を模式的に示す説明図である。
【図10】本発明にかかる酸濃度自動制御装置を構成す
る最終酸洗槽の概略を示す説明図である。
【図11】図11(a) 、図11(b) は、それぞれ、塩酸濃
度、塩化鉄濃度の調整値とそれぞれの計算値との関係を
示す検量線に関するグラフである。
【図12】密度計、温度計および導電率計により得られ
た測定値の処理の概要を示す説明図である。
【図13】図13(a) は、下流側の酸洗槽に収容された酸
洗液を上流側に隣接する酸洗槽へ順次オーバーフローさ
せる型の連続酸洗設備の説明図であり、図13(b) は、こ
の酸濃度自動制御装置をこの連続酸洗設備に適用した状
況を示す説明図である。
【図14】DDC 装置における酸液の供給量の決定演算の
流れを示すフロー図である。
【図15】第1実施例の結果を示すグラフであり、図15
(a) は比較例を示し、図15(b) は本発明例を示す。
【図16】第2実施例の結果を示すグラフである。
【図17】比較例の結果を示すグラフである。
【図18】図18(a) 〜図18(c) は、いずれも、変形形態
の説明図である。
【符号の説明】
1 酸濃度連続測定装置 2 循環流路 3 酸濃度連続測定装置本体 4 密度計 4−1 、4−2 検出部 5 温度計 6 導電率計 6a 検出部 11 酸洗槽 13 ポンプ 30 スクリーン 31 脱気管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23G 1/08 C23G 3/02

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定される酸液が内部を流れる検出部を
    有する導電率計であって、 該検出部の外部における該検出部に向かう前記酸液の流
    れ方向が略鉛直方向であるとともに、 前記酸液中に存在する気泡が該検出部の内部に貯留する
    時間が、前記検出部の内部における酸液の流れ方向が水
    平方向である場合に当該酸液中に存在する気泡が当該検
    出部の内部に貯留する時間よりも、低減されるように、
    前記検出部の内部を流れる前記酸液の流れ方向が水平方
    向に対して斜めに交差する方向または鉛直方向であるこ
    とを特徴とする導電率計。
  2. 【請求項2】 酸洗槽に収容された酸洗液を連続的に流
    すための流路の一部を構成する本体と、 当該本体に設置されて前記流路の一部を流れる酸洗液を
    連続的に測定するための密度計と、 前記流路または前記酸洗槽における酸洗液を連続的に測
    定するための温度計および導電率計と、 前記密度計、前記温度計および前記導電率計それぞれの
    測定結果に基づいて前記流路の一部を流れる酸洗液の酸
    濃度を演算する演算装置とを備え、 前記導電率計は、測定される酸液が内部を流れる検出部
    を有し、該検出部の内部および/または底面を流れる前
    記酸液の流れ方向が、前記検出部の外部における該検出
    部に向かう前記酸液の流れ方向が略水平方向である場合
    には、略水平方向であり、前記検出部の外部における該
    検出部に向かう前記酸液の流れ方向が略水平方向以外の
    方向である場合には、略水平方向以外の方向であること
    を特徴とする酸濃度連続測定装置。
  3. 【請求項3】 前記温度計および/または前記導電率計
    は、前記本体に設置され、前記流路の一部を流れる酸洗
    液を測定する請求項2に記載された酸濃度連続測定装
    置。
  4. 【請求項4】 酸洗槽に収容された酸洗液を連続的に流
    すための流路の一部を構成する筒形状の本体と、 当該本体に設置されて前記本体内を流れる酸洗液の密度
    を連続的に測定するための密度計と、 前記本体に設置されて前記本体内を流れる酸洗液の温度
    を連続的に測定するための温度計と、 前記本体に設置されて前記本体内を流れる酸洗液の導電
    率を連続的に測定するための導電率計と、 前記密度計、前記温度計および前記導電率計それぞれの
    測定結果に基づいて前記流路の一部を流れる酸洗液の酸
    濃度を演算する演算装置とを備え、 前記本体は、該本体内を酸液が略鉛直方向に流れるよう
    に設置されており、 前記導電率計は、測定される酸液と接触する中空の検出
    部を有し、該検出部の内面および/または底面が水平方
    向に対して斜めに交差する方向に向けて形成されている
    ことを特徴とする酸濃度連続測定装置。
  5. 【請求項5】 酸洗槽に収容された酸洗液を連続的に流
    すための流路の一部を構成する本体と、 当該本体に設置されて前記流路の一部を流れる酸洗液を
    連続的に測定するための密度計、温度計および導電率計
    と、 前記密度計、前記温度計および前記導電率計それぞれの
    測定結果に基づいて前記流路の一部を流れる酸洗液の酸
    濃度を演算する演算装置とを備え、 前記導電率計は、測定される酸液が内部を流れる検出部
    を有し、該検出部の外部における該検出部に向かう前記
    酸液の流れ方向が略鉛直方向であって、該検出部の内部
    を流れる前記酸液の流れ方向が、水平方向に対して斜め
    に交差する方向かまたは鉛直方向であることを特徴とす
    る酸濃度連続測定装置。
  6. 【請求項6】 前記本体の内部へ前記酸洗液を連続的に
    流入させる配管は、消泡機能を有することを特徴とする
    請求項2から請求項5までのいずれか1項に記載された
    酸濃度連続測定装置。
  7. 【請求項7】 前記本体の内部であって前記検出部の下
    方には、該検出部への泡の侵入を抑制する遮断部材が設
    けられることを特徴とする請求項2から請求項6までの
    いずれか1項に記載された酸濃度連続測定装置。
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