JP3368316B2 - 車両換気制御方法および制御装置 - Google Patents

車両換気制御方法および制御装置

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JP3368316B2
JP3368316B2 JP37362499A JP37362499A JP3368316B2 JP 3368316 B2 JP3368316 B2 JP 3368316B2 JP 37362499 A JP37362499 A JP 37362499A JP 37362499 A JP37362499 A JP 37362499A JP 3368316 B2 JP3368316 B2 JP 3368316B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両換気制御方法お
よび制御装置に関する。さらに詳しくは、車両内の気圧
の急激な変動により、乗客が耳部に不快感を覚えるのを
防止する車両換気制御方法および制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、新幹線などの長距離高速交通
機関では車両の自然換気が困難であるため、車両をある
程度気密性の高い構造とするとともに、給気ファンおよ
び排気ファンを備えた換気装置により各車両を定員に応
じた風量で強制換気することが行われている。したがっ
て、各車両内部は換気装置を介して外部と連通されてい
るため、例えば車両同士のすれちがいや車両のトンネル
への進入により車外圧力が変動した場合は、そのままで
は車内圧力が急激に変動することになり、その結果乗客
の耳部に、いわゆる耳つんと呼ばれる不快感を生じさせ
ることがある。
【0003】この車内圧力の急激な変動を抑制するため
の最も初歩的な技術として、換気ダクトの圧力損失を大
きくして、車外圧力の変動の影響が車内へ伝わりにくく
する方法が知られている。しかるに、この方法は圧力損
失を大きくして耳つんを防止しているところから、本来
必要とされる換気風量を確保するためには能力の大きな
ファンが必要となり、消費電力および騒音が大きくなる
という問題がある。
【0004】そこで、例えば特願平10−337884
号による発明では、車両内の気圧を検出する車内圧力セ
ンサの検出値を参照して、車内圧力が一定値となるよう
にフィードバック制御するとともに、外気圧を検出する
外気圧センサの検出値を参照して、車外圧力の変動が大
きくなったときには給排気ファンによる各換気量を下げ
つつ、車内圧力が一定値となるように制御する方法が提
案されている。
【0005】また、特願平10−365904号による
発明では、車両内気圧の急激な変動を抑制するためには
車外圧力のみを参照して制御するだけで充分であるとい
う観点から、前記発明の車内圧力センサを省略して、外
気圧センサの検出値のみにより車両内気圧の急激な変動
を抑制する方法が提案されている。
【0006】ところが、このように車外の圧力センサの
みによる制御では、気候の移り変わりなどにより車両内
外で定常的な気圧差が生じ、その結果気密が解除された
ときに、車両内の気圧の急激な変動を引き起こすという
問題がある。例えば、冬季のように外気温が車内気温よ
りも低くなる条件下では、給気風量と排気風量とを等し
くしても、給気の質量流量が排気の質量流量よりも大き
くなる。このため、給気風量と排気風量とが等しくなる
ように各ファンの回転数を設定すると、車内の気圧が外
気圧よりも高めとなる。その逆に、夏季は車内気圧が外
気圧よりも低めとなる。この結果、このような状態でド
アを開放したときには、車内の気圧が急激に変化して乗
客が耳部に不快感を覚えるという問題がある。
【0007】この点、特願平10−337884号の方
法では、車外圧力センサの検出結果を利用しつつ車内圧
力センサの検出結果により、車内圧力をフィードバック
制御することが可能であり、前記不都合は回避できる
が、高価な圧力センサを車両の内外に設ける必要がある
ため、コストが上昇するという問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる従来技
術の課題に鑑みなされたものであって、より安価なシス
テムで、車両内の圧力の急激な変動を抑制することがで
き、これによって例えば乗客の耳部に不快感を生じさせ
るのを防止することができる車両換気制御方法および制
御装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の車両換気制御方
法は、車両内空気を所定の空気流量で換気するために、
外気を車両内部に送風する回転式給気手段および車両内
空気を外部に送風する回転式排気手段の各送風量が前記
所定の空気流量と等しくなるように、前記各手段のそれ
ぞれについて基準回転数を設定する車両換気制御方法で
あって、外気温を検出し、検出された外気温に応じて前
記各手段により送風される空気の質量流量が等しくなる
ように、前記各手段の基準回転数を補正することを特徴
とする。
【0010】本発明の車両換気制御方法においては、車
両外部の気圧を検出し、該検出値により車内圧力の急激
な変動を抑制するように、前記各手段の基準回転数を補
正するのが好ましい。
【0011】また、本発明の車両換気制御方法において
は、車両内気温を検出し、検出された車両内気温と前記
検出された外気温との差に応じて、前記各手段の基準回
転数を補正するのも好ましい。
【0012】なお、本発明の車両換気制御方法において
は、車両に空調設備が備えられているところから検出さ
れた外気温により車両内気温を推定し、推定された車両
内気温と前記検出された外気温との差に応じて、前記各
手段の基準回転数を補正してもよい。その場合、例え
ば、検出された外気温が15℃未満であれば車両内気温
を20℃と推定し、検出された外気温が30℃以上であ
れば車両内気温を25℃と推定する。
【0013】一方、本発明の車両換気制御装置は、車両
内空気を所定の空気流量で換気するために、外気を車両
内部に送風する回転式給気手段および車両内空気を外部
に送風する回転式排気手段の各送風量が前記所定の空気
流量と等しくなるように、前記各手段のそれぞれについ
て基準回転数を設定する基準回転数設定手段を備えてな
る車両換気制御装置であって、外気温を検出する温度セ
ンサと基準回転数補正手段とを備え、前記温度センサか
らの検出信号に応じて前記各手段により送風される空気
の質量流量が等しくなるように、前記基準回転数補正手
段により前記基準回転数設定手段により設定された前記
各手段の基準回転数を補正することを特徴とする。
【0014】本発明の車両換気制御装置においては、車
両外部の気圧を検出する圧力センサと圧力変動抑制手段
とを備え、前記圧力センサの検出信号により検出された
車外圧力の急激な変動が車内に伝播することを抑制する
ように、前記圧力変動抑制手段により前記基準回転数設
定手段により設定された各手段の基準回転数を補正する
ようにされてなるのが好ましい。
【0015】また、本発明の車両換気制御装置において
は、車両内気温を検出する温度センサと温度補正手段と
を備え、前記温度センサにより検出された車両内気温と
前記検出された外気温との差に応じて、前記温度補正手
段により前記各手段の基準回転数を補正するようにされ
てなるのも好ましい。
【0016】さらに、本発明の車両換気制御装置におい
ては、温度推定手段と温度補正手段とを備え、温度推定
手段により検出された外気温により車両内気温を推定
し、推定された車両内気温と前記検出された外気温との
差に応じて、前記温度補正手段により前記各手段の基準
回転数を補正するようにされてなるのも好ましい。その
場合、例えば、検出された外気温が15℃未満であれば
車両内気温を20℃と推定し、検出された外気温が30
℃以上であれば車両内気温を25℃と推定するものとさ
れる。
【0017】
【作用】本発明は前記の如く構成されているので、より
安価なシステムで、車両内部の気圧が急激に変動するの
を防止することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら本
発明を実施形態に基づいて説明するが、本発明はかかる
実施形態のみに限定されるものではない。
【0019】図1に本発明の一実施形態に係る車両換気
制御方法が適用された換気システムをブロック図で示
す。この換気システム10は、例えば、新幹線などの長
距離高速交通機関における車両の換気システムとして使
用されるものであって、外気を車両内部に供給する給気
機構20と、車両内部の空気を車外に排出する排気機構
30と、各機構20、30を制御する制御ユニット40
と、車両内部および車両外部の気温を検出してこの検出
値を制御ユニット40に出力する温度センサ50と、外
気圧を検出してこの検出値を制御ユニット40に出力す
る圧力センサ60とを備えてなる。
【0020】図2に本実施形態の換気システム10のさ
らに詳細な構成を示す。
【0021】給気機構20は、給気ファン(回転式給気
手段)21と、給気ファン21を駆動する給気ファンモ
ータ21aと、給気ファンモータ21aの位置角を検出
する給気レゾルバ21bと、給気ファン21の回転数が
制御ユニット40からの給気回転数指令と一致するよう
に、給気レゾルバ21bによる検出信号に基づいて給気
ファンモータ21aの回転数を調節する給気インバータ
22と、給気ファン21が設置され車両A内部に外気を
通風する給気ダクト23とを備えてなるものとされてい
る。
【0022】排気機構30は、排気ファン(回転式排気
手段)31と、排気ファン31を駆動する排気ファンモ
ータ31aと、排気ファンモータ31aの位置角を検出
する排気レゾルバ31bと、排気ファン31の回転数が
制御ユニット40からの排気回転数指令と一致するよう
に、排気レゾルバ31bからの検出信号に基づいて排気
ファンモータ31aの回転数を調節する排気インバータ
32と、排気ファン31が設置され車両A内部の空気を
外部に通風する排気ダクト33とを備えてなるものとさ
れている。
【0023】図3に給排気機構の各インバータ22,3
2の詳細な構成を示す。なお、各インバータ22、32
の構成は同一であるから、共通の構成として説明する。
【0024】給気インバータ22および排気インバータ
32はそれぞれ、各レゾルバ21b、31bからの信号
に基づいて各モータ21a、31aの位置角を検出する
位置角検出器71と、この位置角検出器71により検出
された位置角から各モータ21a、31aの回転数を検
出する回転数検出器72と、制御ユニット40からの各
回転数指令と回転数検出器72により検出された回転数
との差に応じた電流指令を発する回転数制御器73と、
回転数制御器73から発せられた電流指令と各モータ2
1a、31aに供給される電流値との差、および位置角
検出器71により検出された位置角に応じて各モータ2
1a、31aに供給される電流値を制御する電流制御器
74と、電流制御器74の制御に応じた電力を各モータ
21a、31aに供給する電力変換器75と、電力変換
器75から各モータ21a、31aに供給される電力量
を検出し、この電力量を電流値に換算し、電流制御器7
4に出力する電流検出器76とから構成されている。
【0025】温度センサ50は、例えば排気ダクト33
の車内開口部近傍に配設され車内温度を検出する車内温
度センサ51と、例えば給気ダクト23の外気取入口近
傍に配設され外気温を検出する車外温度センサ52とか
ら構成されている。
【0026】制御ユニット40は、例えば外気圧と車内
気圧とが等しい場合に、給気機構20および排気機構3
0により、所定の空気流量の換気が行えるように予め設
定される給気ファン21および排気ファン31の各基準
回転数に基づいて、給気インバータ22および排気イン
バータ32に給気回転数指令および排気回転数指令をそ
れぞれ発する回転数指令生成回路41と、車両A内外の
温度差により生じる車両A内外の圧力差を解消するよう
に、車内温度センサ51および車外温度センサ52の各
検出値から算出される車両A内外の温度差に応じて給気
ファン21および排気ファン31の各基準回転数を補正
する温度補正手段42と、外気圧の急激な変動が車両A
内部に伝わらないように給気ファン21および排気ファ
ン31の各基準回転数を圧力センサ60により検出され
る車外気圧に応じて調節する車内圧力制御器(圧力変動
抑制手段)43とを備えてなる。
【0027】以下、図4を参照して、制御ユニット40
の動作を説明する。
【0028】回転数指令回路(基準回転数設定手段)4
1では給気基準回転数および排気基準回転数に基づい
て、給気回転数指令および排気回転数指令が生成され
る。給気基準回転数および排気基準回転数の設定は以下
の原理による。
【0029】すなわち、図5に示すように、一般に、フ
ァンはその形状、大きさ、回転数によって風量と圧力と
の関係が決まる。この関係をあるファンのPQ特性と称
し、この特性曲線に、当該ファンが設置されるダクトの
圧力損失特性曲線を重ね合わせることによって、ある回
転数Nにおける当該換気機構の送風量Qを求めることが
できる。このとき送風量Qは回転数Nに比例し、圧力P
は回転数Nの2乗に比例する。このことより、例えばあ
る回転数Nおよび回転数2Nにおける送風量Qおよび2
Qを知ることによって、所要の送風量Q0を得るための
回転数N0を算出することが可能である。
【0030】制御ユニット40の車内圧力制御器43
は、圧力センサ60により検出される車外圧力の変動量
を抽出する変動量抽出回路43aと、抽出された変動量
を適宜増幅して出力するアンプ43bとから構成されて
いる。
【0031】すなわち、図6に示すように、給気ファン
21および排気ファン31を各基準回転数で運転してい
る状態で、同図(a)に示すような車外気圧の変化が生
じると、車内の気圧との差に応じた風量変化が給排気風
量に起こり(同図(b)、(c)参照)、車内圧力の変
動を引起す(同図(d)参照)。このとき、車外圧力の
変化に対して、車内圧力は近似的に1次遅れで追従す
る。
【0032】車外圧力の変化に対する車内圧力の応答時
定数T1は、車両容積とダクトの圧力損失特性に依存す
るが、1秒から数秒程度と予想される。一方、回転数指
令の変化に対する実用的なモータの回転数の応答も数秒
である。
【0033】車内圧力制御器43では、ハイパスフィル
タとして機能する圧力変動量抽出回路43aにより車外
圧力の変動分だけを抽出し、この抽出値をアンプ43b
により適宜増幅して、この増幅値を基準回転数補正指令
として回転数指令回路41に送出する。回転数指令回路
41では給気基準回転数から前記基準回転数補正指令に
よる回転数を減算する一方、排気基準回転数に前記基準
回転数補正指令による回転数を加算する。
【0034】これにより、図7(a)に示すような車外
圧力の変動の影響が車内圧力に及ぶ前に、給気および排
気ファン21,31の各回転数を変化させて(同図
(b)、(c)参照)、給排気風量の変動を抑制する
(同図(d)、(e)参照)。これにより、車外圧力の
車内への伝播による車内圧力の過渡的な変動を抑制する
とともに、車外圧力の変化がある程度持続した場合は、
車内圧力を車外圧力に徐々に追従させる(同図(f)参
照)ことが可能となる。すなわち、標高の変化や気候変
化による気圧の変化に車内圧を追従させることが可能に
なる。
【0035】温度補正手段42は、一時的な温度変化の
影響を排除するためのローパスフィルタ42aと、ロー
パスフィルタ42aからの信号に基づいて、車両A内外
の温度差によって車両A内外に定常的な気圧差が生じる
のを防止するように、回転数指令回路(基準回転数設定
手段)41により設定される各基準回転数を補正する温
度補正回路42bとを備えてなる。
【0036】すなわち、回転数指令回路41により設定
される各基準回転数は、厳密には例えば春季または秋季
の平均気温などを参照して決定される気温において、車
内の気圧が一定となるように定められるものである。し
たがって、例えば夏期や日中の気温の高い条件下では、
外気は給気ファン21を通った後に空調装置で冷却され
て室内へ入る。一方、排気はそのまま排出されるため、
車内圧力は車外圧力よりも低くなる。逆に冬期や夜間の
気温の低い条件下では、外気は給気ファン21を通った
後に空調装置で加熱されて室内へ入る。一方、排気はそ
のまま排出されるため、車内圧力は車外圧力よりも高く
なる。
【0037】このようにして、車両A内外の温度差が大
きくなると、車両A内外の気圧に定常的な不均衡が生
じ、これにより例えば列車が駅に到着して扉が開放され
るときに車内圧力が急激に変動して乗客が耳部に不快感
を生じるといった結果を招く。これを回避するために
は、車両A内外の温度差に応じて各基準回転数を補正し
て給排気をバランスさせる必要がある。
【0038】そこで、温度補正手段42では、各基準回
転数の補正のために車両A内外の温度差を検出し、車外
温度が高い場合は基準回転数を給気側は上げ、排気側は
下げ、その逆に車外温度が低い場合は基準回転数を給気
側は下げ、排気側は上げる制御を行う。
【0039】給気気体の容積変化は車両A内で加熱また
は冷却されたことによる温度変化(絶対温度)の比に比
例するため。同じ比率で風量が増減するよう、下記式に
よる基準回転数の補正を加える。
【0040】
【数1】
【0041】ここで、Nin、Noutはそれぞれ補正前の
給気基準回転数および排気基準回転数を示し、Ncin
coutはそれぞれ補正後の給気基準回転数および排気基
準回転数を示し、Tin、Toutは給気温度(外気温度)
および排気温度(室内温度)を示す。また、αは給排気
の回転数補正の分担比率を定める定数であり、給気およ
び排気ファン21,31の回転数の調節可能範囲の余裕
などを勘案して決定される。すなわち、基準回転数が各
ファン21,31の回転数の上限に近ければ各ファン2
1,31の回転数を下げることによって補正がなされる
ように設定される。すなわち、Tin>Toutであれば、
αは1に近い値とされる一方、Tin<To utであれば、
αは0に近い値とされる。また、基準回転数と各ファン
の回転数の上限との間に余裕がある場合はαは例えば
0.5に近い値とされる。
【0042】なお、前記式(1)において、排気温度T
outは、車内温度センサ51による検出値を用いること
なく、温度推定手段における推定値によるものとしてよ
い。この温度推定手段は、制御ユニット40のメモリに
給気温度Tinに対する推定値をマップの形態で保持させ
ておくことにより容易に実現できる。
【0043】例えば、給気温度Tinが15℃未満であれ
ば、冬期であるものとして、空調により例えば車内気温
が20℃に調節されていると推定し、排気温度Tout
20℃としてNcin値およびNcoutを算出する。給気温
度Tinが30℃以上であれば、夏期であるものとして、
空調により例えば車内気温が25℃に調節されていると
推定し、排気温度Toutを25℃としてNcin値およびN
coutを算出する。また、給気温度Tinが15℃以上30
℃未満であれば、春期または秋期であるものとして、車
両内外の気温差に起因する気圧差はそれほど大きくない
ものとして温度補正手段42による補正処理を省略する
ことも可能である。
【0044】このような構成とすることによって、車内
温度センサ51を省略したより安価なシステムで車両内
部の急激な変動を抑制することが可能となる。
【0045】このように、本実施形態の換気システム1
0によれば、圧力センサ60による車外気圧の検出値の
みにより車内圧力の急激な変動が抑えられるとともに、
温度センサ50により検出される車両A内外の温度差に
応じて車両A内外の気圧差を解消するように、給気ファ
ン21および排気ファン31の各回転数が制御されるの
で、高価な圧力センサの使用を抑えた安価なシステム
で、車内圧力の急激な変動を抑制することが可能とな
る。
【0046】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の車両換気
制御方法および制御装置によれば、車両内空気を所定の
空気流量で換気するために、外気を車両内部に送風する
回転式給気手段および車両内空気を外部に送風する回転
式排気手段の各送風量が、前記所定の空気流量と等しく
なるように前記各手段のそれぞれについて基準回転数を
設定するとともに、外気温を検出し、検出された外気温
に応じて前記各手段により送風される空気の質量流量が
等しくなるように、前記各手段の基準回転数を補正する
ので、圧力センサの使用を抑えた安価なシステムで、車
内圧力の急激な変動を抑制することが可能となるという
優れた効果を奏する。
【0047】また、車両外部の気圧を検出し、該検出値
により車内圧力の急激な変動を抑制するように前記各手
段の基準回転数を補正したり、さらに車両内気温を検出
し、検出された車両内気温と前記検出された外気温との
差に応じて、前記各手段の基準回転数を補正することに
よって、より効果的に車内圧力の急激な変動を抑制する
ことが可能となるという効果も奏し得る。
【0048】これによって、車内圧力の急激な変動によ
り、例えば乗客の耳部に不快感を生じさせるのを防止で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る車両換気制御方法が
適用された換気システムの概略構成を示すブロック図で
ある。
【図2】同システムのより詳細な構成を示すブロック図
である。
【図3】給気機構および排気機構のより詳細な構成を示
すブロック図である。
【図4】制御ユニットのより詳細な構成を示すブロック
図である。
【図5】各ファンの基準回転数を決定する原理を説明す
るためのグラフ図である。
【図6】車内圧の変動を抑制する制御を実行しない場合
の各物理量の変化の様子を示すグラフ図であり、(a)
は車外気圧の変化を示し、(b)および(c)はこれに
伴う給排気風量それぞれの変化を示し、(d)はこの結
果生じる車内気圧の変化を示す。
【図7】車内圧の変動を抑制する制御を実行する場合の
各物理量の変化の様子を示すグラフ図であり、(a)は
車外気圧の変化を示し、(b)および(c)はこの変化
に対応して前記制御を行ったときの給排気ファンそれぞ
れの回転数の変化を示し、(d)および(e)はこれに
伴う給排気風量それぞれの変化を示し、(d)はこの結
果生じる車内気圧の変化を示す。
【符号の説明】
10 換気システム 20 給気機構 30 排気機構 40 制御ユニット 50 温度センサ 60 圧力センサ 21 給気ファン(回転式給気手段) 31 排気ファン(回転式排気手段) 41 回転数指令回路(基準回転数設定手段) 42 温度補正手段 43 車内圧力制御器(圧力変動抑制手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 瓦林 順二 神戸市兵庫区和田山通2丁目1番18号 川崎重工業株式会社 兵庫工場内 (56)参考文献 特開2000−158934(JP,A) 特開2000−185546(JP,A) 特開 昭61−200058(JP,A) 特開 昭63−315365(JP,A) 特開 平7−9995(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B61D 27/00

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両内空気を所定の空気流量で換気する
    ために、外気を車両内部に送風する回転式給気手段およ
    び車両内空気を外部に送風する回転式排気手段の各送風
    量が前記所定の空気流量と等しくなるように、前記各手
    段のそれぞれについて基準回転数を設定する車両換気制
    御方法であって、 外気温を検出し、検出された外気温に応じて前記各手段
    により送風される空気の質量流量が等しくなるように、
    前記各手段の基準回転数を補正することを特徴とする車
    両換気制御方法。
  2. 【請求項2】 車両外部の気圧を検出し、該検出値によ
    り車内圧力の急激な変動を抑制するように、前記各手段
    の基準回転数を補正することを特徴とする請求項1記載
    の車両換気制御方法。
  3. 【請求項3】 車両内気温を検出し、検出された車両内
    気温と前記検出された外気温との差に応じて、前記各手
    段の基準回転数を補正することを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の車両換気制御方法。
  4. 【請求項4】 検出された外気温により車両内気温を推
    定し、推定された車両内気温と前記検出された外気温と
    の差に応じて、前記各手段の基準回転数を補正すること
    を特徴とする請求項1または2記載の車両換気制御方
    法。
  5. 【請求項5】 検出された外気温が15℃未満であれば
    車両内気温を20℃と推定し、検出された外気温が30
    ℃以上であれば車両内気温を25℃と推定することを特
    徴とする請求項4記載の車両換気制御方法。
  6. 【請求項6】 車両内空気を所定の空気流量で換気する
    ために、外気を車両内部に送風する回転式給気手段およ
    び車両内空気を外部に送風する回転式排気手段の各送風
    量が前記所定の空気流量と等しくなるように、前記各手
    段のそれぞれについて基準回転数を設定する基準回転数
    設定手段を備えてなる車両換気制御装置であって、 外気温を検出する温度センサと基準回転数補正手段とを
    備え、 前記温度センサからの検出信号に応じて前記各手段によ
    り送風される空気の質量流量が等しくなるように、前記
    基準回転数補正手段により前記基準回転数設定手段によ
    り設定された前記各手段の基準回転数を補正することを
    特徴とする車両換気制御装置。
  7. 【請求項7】 車両外部の気圧を検出する圧力センサと
    圧力変動抑制手段とを備え、 前記圧力センサの検出信号により検出された車外圧力の
    急激な変動が車内に伝播することを抑制するように、前
    記圧力変動抑制手段により前記基準回転数設定手段によ
    り設定された各手段の基準回転数を補正することを特徴
    とする請求項6記載の車両換気制御装置。
  8. 【請求項8】 車両内気温を検出する温度センサと温度
    補正手段とを備え、 前記温度センサにより検出された車両内気温と前記検出
    された外気温との差に応じて、前記温度補正手段により
    前記各手段の基準回転数を補正することを特徴とする請
    求項6または7記載の車両換気制御装置。
  9. 【請求項9】 温度推定手段と温度補正手段とを備え、 温度推定手段により検出された外気温により車両内気温
    を推定し、推定された車両内気温と前記検出された外気
    温との差に応じて、前記温度補正手段により前記各手段
    の基準回転数を補正することを特徴とする請求項6また
    は7記載の車両換気制御装置。
  10. 【請求項10】 検出された外気温が15℃未満であれ
    ば車両内気温を20℃と推定し、検出された外気温が3
    0℃以上であれば車両内気温を25℃と推定することを
    特徴とする請求項9記載の車両換気制御装置。
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