JP3367340B2 - 溶接ノズルのスパッタ除去装置 - Google Patents

溶接ノズルのスパッタ除去装置

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JP3367340B2 JP17507096A JP17507096A JP3367340B2 JP 3367340 B2 JP3367340 B2 JP 3367340B2 JP 17507096 A JP17507096 A JP 17507096A JP 17507096 A JP17507096 A JP 17507096A JP 3367340 B2 JP3367340 B2 JP 3367340B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶接ノズルに付着
したスパッタを除去するスパッタ除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】溶接時に溶接ノズルの先端、及び内面に
固着したスパッタ(溶接時に溶接対象の金属(例えば
鉄)のカスが高温状態のまま付着したものが自然冷却し
て固着したもの(例えば酸化鉄と鉄))は、定期的に除
去する必要がある。特に、溶接ロボットを用いて自動的
に溶接を行う自動溶接装置において、溶接作業の合間に
自動的にスパッタを除去するスパッタ除去装置が必要と
されている。
【0003】図6(a)は自動溶接装置の溶接ノズル付
近の概略構成図、(b)は溶接ノズルの構造とスパッタ
が付着した状態を示す断面図である。図6(a)におい
て、溶接ロボット140はトーチブラケット130によ
って溶接トーチ120と接続されている。溶接トーチ1
20の先端部には溶接ノズル110が設けられている。
同図に示す溶接ロボット140はロボットのアーム部分
であり、特に図示しない制御装置、駆動装置、関節機構
等によって、予め決められたプログラム等にしたがっ
て、所定の動作を行うようになっている。この溶接ロボ
ット140の動作に伴って、溶接ノズル110が移動し
て、所望の位置での溶接作業を行う。また、溶接ノズル
110を定期的にスパッタ除去装置の位置に移動させ
て、スパッタ除去を行わせる。
【0004】図6(b)は、溶接ノズル110の側断面
図である。同図において、溶接ノズル110は先端が開
口されている円筒形状であり、その内部にはチップ11
1と溶接ワイヤ112が存在する。
【0005】同図には、溶接ノズル110の先端部から
内面に掛けてスパッタが付着した状態を示してあり、ス
パッタはノズル先端部に付着するスパッタS1とノズル
内面に付着するスパッタS2とに分けられる。これは特
に明確な境界があるものではないが、付着量が多く付着
力が大きい先端部のスパッタS1と、付着量が少なく付
着力も小さいノズル内面のスパッタS2とは、スパッタ
除去作業上区別している。尚、スパッタS1は、ノズル
先端部の円形状に沿ってリング状に付着して見えること
から、以下、スパッタリングと呼ぶ場合もある。
【0006】ところで、上記溶接ロボットは、溶接ノズ
ルが何かに衝突することで破損、故障することを防止す
る為に、多少の力(3kg重程度)が加わるとショックセ
ンサが働いて動作を停止するようになっている。
【0007】さらに、衝突時の衝撃を緩和する為にトー
チブラケット130による溶接トーチ120の固定はゆ
るいものとなっており、この為溶接トーチ120及び溶
接ノズル110がふらつく、不安定な状態となってい
る。
【0008】一方、スパッタの除去においては、特にノ
ズル先端部のスパッタリングが破断し難い(こわれにく
い)ことから、従来のスパッタ除去装置では、スパッタ
除去の為に加えられる力が、溶接ノズル自体に加わっ
て、しばしばショックサンサを作動させてしまうもので
あった。
【0009】図7、8、9は、従来のスパッタ除去装置
の一例を示す図である。図7に示す従来のスパッタ除去
装置(その1)は、2枚刃の回転工具200と近接セン
サ210より構成される。溶接ロボットの動作に伴って
溶接ノズル110が移動(下降)してくると、これを近
接センサ210が検知して、特に図示しない回転駆動部
によって2枚刃の回転工具200を高トルクで低速回転
(例えば1秒に1回転)させる。
【0010】2枚刃の回転工具200の刃は、例えば表
面がクロムメッキされており溶接ノズルの内側に沿うよ
うに湾曲した形状となっている。そして、主に溶接ノズ
ル内面のスパッタS2を、回転駆動部のトルクの力によ
って刃先で削るようにして除去する。
【0011】図8(a)は従来のスパッタ除去装置(そ
の2)の概略構成図、図8(b)はその一部拡大図であ
る。図8(a)に示すスパッタ除去装置(その2)は、
溶接ノズル先端部に付着したスパッタS1を除去するた
めのブラシ310と、溶接ノズル内面に付着したスパッ
タS2を除去するためのブラシ320を有する。また、
ブラシ310、ブラシ320をそれぞれ独立して回転さ
せるためのモータ(不図示)を内蔵してある駆動部33
0を有する。更に、溶接ノズル110の接近を検知する
ための近接センサ340より構成させる。
【0012】ブラシ310は、図8(b)に示すよう
に、多数の細い針金を密集させた針金ブラシ部311を
複数(図では6個)有する構成で、上記駆動部330に
よって駆動されて回転する。そして、針金ブラシ部31
1によって溶接ノズル110の先端部のスパッタリング
を削り落とすものである。
【0013】また、ブラシ320は、例えば細長いピア
ノ線を多数本束ねてなるピアノ線ブラシ部322が、シ
リンダ321にその一端を固定されており、シリンダ3
21が駆動部330内の特に図示しない機構によって上
下動、及び回転するようになっている。そして、通常
時、及び上記ブラシ310の動作時は、図8(a)に示
すように、シリンダ321は下降しており、ピアノ線ブ
ラシ部322は装置内部に収容されている。そして、動
作時には、図8(b)に示すように、シリンダ321が
上昇することで、細長い多数のピアノ線が溶接ノズル1
10の内面に向けて拡がるようになっている。この状態
で、シリンダ321を回転させることで、ピアノ線ブラ
シ322が溶接ノズルの内面のスパッタS2を除去する
ものである。
【0014】上記のように、従来は、針金の束を回転接
触させ摩擦力で除去したり、2枚刃の回転工具等の鋭利
な器具を用いて、低速回転且つ高トルクで削り取る方法
であった。
【0015】また、ショットブラスト方式と呼ばれてい
る無数の小さな鉄球を打込む方法もある。図9は、従来
よりあるショットブラスト方式によるスパッタ除去装置
(従来のスパッタ除去装置(その3))の概略構成図で
ある。
【0016】同図において、チャンバー410の上面に
開けられた孔411に溶接ノズル110を挿入すると、
チャンバー内に設けられたショット吹き出し口420か
ら多数のショット玉430が高速で吹き出される。ショ
ット玉430は、例えば極小サイズの鋼球であり、これ
をショット吹き出し口420から高速で発射して、溶接
ノズル先端及び内面のスパッタに衝突させて除去するも
のである。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
主な方法は、針金の束を回転接触させ摩擦力で除去した
り、2枚刃の回転工具等の鋭利な器具を用いて、低速回
転且つ高トルクで削り取る方法であったが、上記従来の
スパッタ除去装置(その1)、(その2)では、以下の
ような問題があった。
【0018】すなわち、溶接ノズル110内にある溶接
ワイヤ112が、ピアノ線ブラシ322や2枚刃の刃の
間に巻き込まれて、溶接ワイヤが破損したり、その衝撃
でショックセンサが動作し、溶接ロボットが停止し、作
業効率が悪くなるという問題があった。
【0019】また、針金等によって溶接ノズル表面を傷
つけてしまうことで、この傷部分にスパッタが付着し易
くなり、更に傷部分のスパッタの固着力が増して除去し
難くなるという問題があった。
【0020】また、特に先端のスパッタリングのように
破断し難いスパッタを除去する際に、破断させることが
出来ない為に除去できなくなったり、針金がスパッタリ
ングに片当たりして溶接ノズルを接線方向に動かしてし
まう等することで、度々ショックセンサが作動し、溶接
ロボットが停止し、作業効率が悪くなるという問題があ
った。
【0021】また、ショットブラスト方式と呼ばれてい
る無数の小さな鉄球を打込む方法では、付着力、破断力
の大きいスパッタは除去出来ないという問題があった。
特にショットブラスト方式では、上記他の2つの方法に
比べて、付着力が大きく破断し難いスパッタは除去でき
ない場合が多かった。
【0022】上記のように、特にロボット溶接を行う場
合における従来のスパッタ除去装置では、溶接ワイヤを
巻き込んだり、溶接ノズルに衝撃を与えてしまうこと
で、ロボットのショックセンサを作動させてしまい、自
動溶接装置を停止させてしまうという問題があった。
【0023】あるいは、付着力、破断力の大きいスパッ
タを除去できないという問題があった。本発明の課題
は、溶接ワイヤを巻き込んだり、溶接ノズルに大きな力
を与えることなく、付着力、破断力の大きいスパッタも
除去できるスパッタ除去装置を提供することである。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明によるスパッタ除
去装置は、内部に溶接ワイヤを保持する略円筒状の溶接
ノズルに付着するスパッタを除去する装置において、そ
の動作時に溶接ワイヤを囲むように形成された略円柱状
の空洞部を有するととともに、その外面には複数の凹凸
が形成された回転工具と、前記回転工具を高速回転させ
る回転工具駆動手段とを有する。
【0025】上記構成のスパッタ除去装置では、外面に
複数の細かい凹凸面を有する回転工具を高速回転させた
状態でスパッタに接触させることで、衝撃力によってス
パッタを瞬間的に破壊する。これによって、溶接ノズル
内面に接触することなく、また溶接ノズル自体に力を加
えてしまうことなくスパッタを除去できるので、ノズル
内面を傷つけることやショックセンサを作動させてしま
うことはない。
【0026】また、溶接ノズル内の溶接ワイヤなどは、
略円柱状の空洞部に収まるので、溶接ワイヤを回転に巻
き込んでしまうことはない。本発明によるスパッタリン
グ除去装置は、複数のフックを備え、前記溶接ノズルの
先端部に付着するスパッタリングに該フックを引っ掛け
て溶接ノズルの軸方向に力を加えて除去する。
【0027】上記構成のスパッタリング除去装置では、
付着力が大きく破断し難いスパッタであるノズル先端部
のスパッタリングを、フックを用いて、溶接ノズルの軸
方向に力を加えることによって除去する。これによっ
て、回転工具を用いる方法よりも小さい力であってもス
パッタリングを除去できる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態につい
て図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1
の実施例によるスパッタ除去装置の概略外観図である。
【0029】同図において、溶接ノズル110、溶接ト
ーチ120、溶接ブラケット130、及び溶接ロボット
140よりなる構成と、近接センサ30は、従来と同様
であるので、ここでの説明は省略する。
【0030】回転工具10は、外形が2段形状の略円筒
状のスパッタ除去用工具である。回転工具10の外面は
例えばローレット目状の細かい凹凸の形状を有するよう
になっている。また、内部は溶接ノズル110内のチッ
プ111、溶接ワイヤ112を充分余裕をもって挿入で
きる程度の内径を有する略円柱形の空洞を有するものと
なっている。
【0031】回転工具10は、回転駆動部20によって
回転駆動される。回転駆動部20は、近接センサ30が
溶接ノズル110の接近を検知すると、回転工具10を
回転駆動する。このとき、回転数が例えば2000rpm
前後、あるいはそれ以上で高速回転させる。
【0032】そして、溶接ロボット140の下降動作に
伴って溶接ノズル110が下降してくると、外面にロー
レット目状の凹凸加工を施してある回転工具10が、高
速回転でスパッタリングに接触する。このとき、瞬間的
な衝撃力がスパッタリングに加わって一瞬でスパッタリ
ングが破壊される。スパッタの固着力は破断し難さに比
べればそれほど強くないので、スパッタが破断すること
にともなって固着がとれることになり、スパッタリング
が除去される。
【0033】同様に、溶接ノズル内面のスパッタS2も
衝撃力で瞬間的に破壊されることで除去される。このと
き、回転工具10は溶接ノズル110の内部まで入り込
むが、溶接ノズル110内のチップ111、溶接ワイヤ
112は、回転工具10の略円柱形の内部に入っている
ので、回転工具が溶接ワイヤ112を巻き込むことはな
い。また、衝撃を与えるのは一瞬であり、その衝撃力は
スパッタを破壊する力となるので、ショックセンサを作
動させてしまうことはない。
【0034】図2(a),(b)は、回転工具10によ
るスパッタ除去の詳細を示す図である。同図において、
2段形状の回転工具10は、その外面に1段目の曲面1
2、2段目の曲面13の2つの曲面と、1段目の曲面1
2と2段目の曲面13との間の傾斜面14とを有し、そ
の内部に空洞11を有する構造となっている。更に、1
段目の曲面12から先端までの間にも傾斜面15を有す
るものである。
【0035】回転工具10の外面は、例えば上記したロ
ーレット目のような凹凸の形状の加工が施されている。
また、回転工具10は、例えば2000rpm で高速回転
している。
【0036】いま、図2(a)に示すように、溶接ノズ
ル110が下降してくると、溶接時間が長く、スパッタ
が多量に付着して、溶接ノズル110の先端のスパッタ
S1(スパッタリング)のリングの内径が小さくなって
いる場合は、1段目の曲面12あるいは傾斜面15にス
パッタリングが接触して、衝撃力によってスパッタリン
グが破壊され四散する。また、溶接時間が短く、付着す
るスパッタの量が少ないことから、スパッタリングの内
径が大きい場合には、2段目の曲面13、あるいは傾斜
面14にスパッタリングが接触して、衝撃力によってス
パッタリングが破壊され四散する。
【0037】回転工具10の2段目の曲面13の外径
は、溶接ノズル110の内径より多少小さいものとなっ
ており、溶接ノズル110の内面には直接接触しないよ
うになっている。例えば、溶接ノズル110の内径が1
6mmの場合、例えば2段目の曲面13の外径は14.5
mm、1段目の曲面12の外径は12.5mmである。
【0038】溶接ノズル110の先端のスパッタS1
(スパッタリング)が破壊されて除去されると、更に溶
接ノズル110が下降してくる。これより、ノズル内面
に付着しているスパッタS2が回転工具10の傾斜面あ
るいは2段目の曲面13に次々接触して破壊され除去さ
れる。
【0039】図2(b)は、スパッタS2を除去途中の
状態を示す。同図において、溶接ノズル110内のチッ
プ111、溶接ワイヤ112は、回転工具10の円柱形
の空洞11内に入っており、溶接ワイヤなどが引っ掛か
って回転に巻き込まれるようなことはない。
【0040】以上説明したように、本発明の第1の実施
例によるスパッタ除去装置は、凹凸形状の外面を有する
回転工具10を高速回転させることで、瞬間的な衝撃力
をスパッタに加えて破壊することができる。また、この
とき、チップ111、溶接ワイヤ112を円筒内に挿入
させて保護しているので、溶接ワイヤなどが引っ掛けて
回転に巻き込んでしまうことはなくなる。
【0041】次に、本発明の第2の実施例について説明
する。第2の実施例によるスパッタ除去装置は、本発明
者などによって行われた実験結果に基づくものである。
【0042】図3は、実験方法、及び実験結果を説明す
る図である。図3(a)、(b)は実験方法、図3
(c)は実験結果を示す。図3(a)に示す実験は、例
えば第1の実施例で用いたような円筒形状の回転工具5
0を、溶接ノズル110の先端に付着したスパッタS1
(スパッタリング)の内側に接触するようにして挿入し
て、これを手で回転させて回転可能であるか否かを確か
める実験である。
【0043】図3(b)に示す実験は、複数のフック4
1をスパッタS1のリングの上側に引っ掛けて、フック
41をバネ秤40で溶接ノズルの軸に沿って下方に引っ
張り(以下、軸方向に抜くという)、スパッタS1を除
去(破壊せずにノズルの先端部から剥離させる)したと
きの力をバネ秤40で測るものである。
【0044】図3(a),(b)の実験は、溶接ノズル
110による溶接時間を、3、6、9、12分と変える
ことで、溶接ノズル110に付着するスパッタの量を変
化させる。当然、溶接時間が長いほどスパッタの量は多
くなり、壊れ難く、除去し難くなる。
【0045】図3(c)の実験結果60に示すように、
上記図3(a)の実験の結果は、溶接時間が3分、6分
の場合には手で回転可能であったが、9分、12分では
回転させることができないものであった。
【0046】一方、フックで引っ掛けて軸方向に抜く方
法では、溶接時間が12分であってもスパッタを除去で
き、そのとき必要な力は、わずかに1200(g)であ
った。
【0047】上記のように、実験結果は、数値で正確に
比較できるものではないが、通常の人間の手によって加
え得る力は1200(g)よりはるかに大きなものであ
り、そのような力を加えても、溶接時間が9分以上の場
合は回転不可能であった。
【0048】したがって、上記実験結果より、溶接ノズ
ル110先端のスパッタリングは、軸方向に力を加える
方法により、非常に小さい力を加えるのみで除去できる
ことが分かった。
【0049】図4は、第2の実施例によるスパッタ除去
装置の外観図である。このスパッタ除去装置は、スパッ
タリング除去部70とノズル内面スパッタ除去部80と
から構成される。
【0050】スパッタリング除去部70は、スパッタリ
ング除去用工具71、スパッタ防止液用容器72、スパ
ッタ防止液73、スパッタ防止液供給用タンク74、及
びスパッタ防止液面一定保持用穴75より構成される。
【0051】スパッタリング除去用工具71は、その先
端に例えば4つのフック76を設けてあり、図3(b)
の実験のように、フック76をスパッタリングに引っ掛
けて軸方向に抜いて除去する為の工具である。
【0052】スパッタリング除去用工具71は、スパッ
タ防止液用容器72内に収容されており、スパッタ防止
液用容器72内にはスパッタ防止液73が満たされてい
る。スパッタ防止液73は、一般に知られているもので
あり、スパッタを剥離し易くするための溶液である。
【0053】スパッタ防止液73は、スパッタ防止液供
給用タンク74から供給され、スパッタ防止液面一定保
持用穴75によって液面が一定になるようにしてスパッ
タ防止液用容器72内に常に満たされている。
【0054】そして、スパッタ除去作業時に、まず、溶
接ロボット140の動作に伴って溶接ノズル110がス
パッタリング除去用工具71の真上に移動してくる。次
に、溶接ロボット140によって溶接ノズル110が徐
々に下降し、スパッタリング除去用工具71の先端のフ
ック76が溶接ノズル110内に挿入される。
【0055】このとき、図5(a)に示すように、フッ
ク76はスパッタリングの内側に衝突して変形するが、
スパッタリングの上方では弾性力によって元に戻る。そ
して、図5(b)に示すように、フック76がスパッタ
リングの上面に引っ掛かると、今度は、溶接ロボット1
40によって溶接ノズル110が徐々に上昇する。これ
より、スパッタリングには溶接ノズル110の軸方向に
沿って下方向に力が加わることになる。そして、図3の
実験結果のように、少ない力によってスパッタリングが
溶接ノズル110の付着面から剥離して除去される。
【0056】上記作業は、スパッタ防止液中で行われる
ので、溶接ノズルのスパッタ付着箇所をスパッタ防止液
に浸す作業と、スパッタリング除去作業が一度に行え
る。そして、スパッタ防止液を併用することで、スパッ
タはより剥離し易くなり、より小さい力でスパッタリン
グが除去できる。したがって、従来のように大きな力を
加えてもスパッタを破断できずに、加えた力によってノ
ズルを動かしてしまい、溶接ロボットのショックセンサ
を作動させてしまうようなことはなくなる。
【0057】上記のようにしてスパッタリングを除去す
ると、続いて、溶接ロボット140は、溶接ノズル11
0をノズル内面スパッタ除去部80に移動させる。ノズ
ル内面スパッタ除去部80は、ノズル内面スパッタ除去
用回転工具81、近接センサ82、筐体83、及び筐体
83内のモータ84より構成される。
【0058】ノズル内面スパッタ除去用回転工具81
は、円筒形の回転工具であり、第1実施例の回転工具1
0と略同様のものであってもよいが、この回転工具81
を用いるのは既にスパッタリングを除去した後であるの
で、特に2段形状にする必要はなく、例えば同図に示す
ように先端からの緩やかな傾斜面を有する一段形状のも
のであってもよい。
【0059】溶接ロボット140によって溶接ノズル1
10が移動して回転工具81の真上にくると、近接セン
サ82がこれを検知することで、モータ84が回転工具
81を回転させる。続いて、溶接ノズル110が下降す
ることで、溶接ノズル内面に付着したスパッタS2は回
転工具81によって破壊され除去される。
【0060】上記したように、第2の実施例のスパッタ
除去装置では、最も除去し難いスパッタであるスパッタ
リングを、回転力ではなく、軸方向に力を加えることに
よって、より小さい力で除去することができる。また、
その後、溶接ノズル内面のスパッタS2は、スパッタリ
ングに比べて破断し易く付着力も弱いので、回転工具8
1によって簡単に除去することができる。
【0061】尚、上記回転工具10の外面形状は、2段
形状に限るものではなく、例えば回転工具81のように
傾斜面を有する一段形状であってもよい。更に、単に外
面に凹凸を有する円筒形状であってもよい。あるいは、
凹凸ではなく、例えば刃を設けたものであってもよい。
すなわち、略円筒形状であって、高速回転による衝撃を
スパッタに与え得る形状に外面を加工してあるものであ
れば良い。但し、一段目によるガイド効果(多少の衝撃
が加わっても溶接ノズルをふらつかせず安定させる効
果)を得ることができるので、2段形状の回転工具が最
適であることが実験により確かめられている。
【0062】また、第1の実施例において、スパッタ防
止液を併用するようにしてもよい。この場合、予め溶接
ノズルをスパッタ防止液中に所定時間浸してから、回転
工具によるスパッタ除去を行う。
【0063】更に、上記第2の実施例におけるスパッタ
リング除去用工具71のフックは、溶接ノズル内部に挿
入時は内側に閉じることでスパッタリングに衝突しない
ようにし、内部に挿入後は外側に開くことでスパッタリ
ングに引っ掛かるように動作する構成にしてもよい。
【0064】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、外面に凹凸を有する円筒形状の回転工具を高速
で回転させてスパッタに衝突させることで、スパッタを
瞬時に粉砕して除去することができる。これより、スパ
ッタリングのように付着力が大きく壊れ難いスパッタで
あっても、溶接ロボットのショックセンサを作動させて
しまうことなく除去することができる。
【0065】更に、スパッタリングを軸方向に抜いて除
去する方法を用いることで、より小さな力でスパッタを
除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例によるスパッタ除去装置
の概略外観図である。
【図2】回転工具10によるスパッタ除去の詳細を示す
図である。
【図3】実験方法、及び実験結果を説明する図である。
【図4】本発明の第2の実施例によるスパッタ除去装置
の外観図である。
【図5】スパッタリング除去用工具によるスパッタリン
グの除去作業を説明する図である。
【図6】(a)は自動溶接装置の溶接ノズル部分の概略
構成図、(b)は溶接ノズルの構造とスパッタが付着し
た状態を示す図である。
【図7】従来のスパッタ除去装置(その1)を説明する
図である。
【図8】従来のスパッタ除去装置(その2)を説明する
図である。
【図9】従来のスパッタ除去装置(その3)を説明する
図である。
【符号の説明】
10 回転工具 11 空洞 12 1段目の曲面 13 2段目の曲面 14 傾斜面 15 傾斜面 20 回転駆動部 30 近接センサ 40 バネ秤 41 フック 50 回転工具 70 スパッタリング除去部 71 スパッタリング除去用工具 72 スパッタ防止液用容器 73 スパッタ防止液 74 スパッタ防止液供給用タンク 75 スパッタ防止液面一定保持用穴 80 ノズル内面スパッタ除去部 81 ノズル内面スパッタ除去用回転工具 82 近接センサ 83 筐体 84 モータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−234671(JP,A) 実開 昭59−10982(JP,U) 実開 昭62−202979(JP,U) 実開 平4−43473(JP,U) 特公 昭63−3717(JP,B2) 実公 平5−11026(JP,Y2) 実公 平2−37501(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 9/32 B23K 9/29

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に溶接ワイヤを保持する略円筒状の
    溶接ノズルに付着するスパッタを除去する装置におい
    て、 その動作時に溶接ワイヤを囲むように形成された略円柱
    状の空洞部を有するとともに、その外面は、傾斜面によ
    りつらなる2段形状に形成され、該2段形状にわたって
    表面に複数の凹凸が配置される回転工具と、 前記回転工具を高速回転させる回転工具駆動手段と、 を有することを特徴とするスパッタ除去装置。
  2. 【請求項2】 前記高速回転は、略2000rpm、また
    は2000rpm以上の回転であることを特徴とする請求
    項1記載のスパッタ除去装置。
  3. 【請求項3】 前記回転工具はローレット目状に加工さ
    れた凹凸を有することを特徴とする請求項1または2記
    載のスパッタ除去装置。
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