JP3365873B2 - マイクロ波誘電体磁器組成物及びその製造方法 - Google Patents

マイクロ波誘電体磁器組成物及びその製造方法

Info

Publication number
JP3365873B2
JP3365873B2 JP25891694A JP25891694A JP3365873B2 JP 3365873 B2 JP3365873 B2 JP 3365873B2 JP 25891694 A JP25891694 A JP 25891694A JP 25891694 A JP25891694 A JP 25891694A JP 3365873 B2 JP3365873 B2 JP 3365873B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
less
mno
powder
added
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP25891694A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0891931A (ja
Inventor
弘至 片桐
博文 尾関
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Spark Plug Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Spark Plug Co Ltd filed Critical NGK Spark Plug Co Ltd
Priority to JP25891694A priority Critical patent/JP3365873B2/ja
Priority to DE69409477T priority patent/DE69409477T2/de
Priority to EP94120445A priority patent/EP0659706B1/en
Priority to US08/363,333 priority patent/US5489559A/en
Publication of JPH0891931A publication Critical patent/JPH0891931A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3365873B2 publication Critical patent/JP3365873B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Inorganic Insulating Materials (AREA)
  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マイクロ波誘電体磁器
組成物に関し、更に詳しく言えば、比誘電率(以下、単
にεr という。)、無負荷Q(以下、単にQuとい
う。)及び共振周波数の温度係数(以下、単にτf とい
う。)を実用的な特性範囲内で広く制御し、これらの各
特性をバランスよく維持するマイクロ波誘電体磁器組成
物及びその製造方法に関する。本発明は、マイクロ波領
域において誘電体共振器、マイクロ波集積回路基板、各
種マイクロ波回路のインピーダンス整合等に利用され、
特にLCフィルタ材として好適である。
【0002】
【従来の技術】一般にマイクロ波やミリ波等の高周波領
域に使用されるLCフィルタ材や誘電体共振器、誘電体
基板等には、高いεr 及び高いQuを有し、しかもτf
の絶対値が小さいものが望まれている。つまり、マイク
ロ波誘電体磁器組成物(以下、単に誘電体磁器組成物と
いう。)は、使用周波数が高周波となるに従って誘電損
失が大きくなる傾向にあるので、マイクロ波領域で高い
εr 及びQu等優れた特性を有する誘電体磁器組成物が
望まれている。近年、このような誘電体磁器組成物とし
て、Ba(Zn1/3 Ta2/3 )O3 やBa(Mg1/3
2/3 )O3 等の複合ペロブスカイト型構造に属する組
成物或いはBaO−TiO2 系組成物等が使用されてい
るが、いずれも焼成温度が1300℃以上と高いもので
ある。
【0003】このように焼成温度が高いと焼成時の電力
消費量が多くなり、生産コストや生産効率の面で不利益
を生じる等の欠点がある。また、LCフィルタ、ストリ
ップ線路フィルタ等のように、電極として銅(融点;1
083℃)、銀(融点;961℃)などの導体と同時焼
結する場合には、特に焼成温度が導体の融点より低い方
が有利である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記欠点を
克服するものであり、Bi(NbTa)O4 系主成分
に、所定量のV2 5 及びMnO2 、並びにTiO2
はPbO が添加含有された組成物により、εr 、Qu
及びτf を実用的な特性範囲内で広く制御し、これらの
各特性をバランスよく維持するマイクロ波誘電体磁器組
成物、及びそれを比較的低温で且つ広い温度範囲で焼成
して製造する方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、Bi(N
bTa)O4 系組成物において、εr 、Qu及びτf
実用的な特性範囲内で広く制御し、また、低温で焼成し
て製造できる組成について種々検討した結果、上記主成
分組成物においてNb2 5 とTa2 5 の比率を変化
させ、それに更に所定量のV2 5 、MnO2 及びTi
2 、又はV25 、MnO2 及びPbOを添加した組
成物とすることにより上記の目的が達成されることを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本第1発明の誘電体磁器組成物は、
Bi(Nbx Ta1-x )O4 (但し、0<x≦0.9
6)で示される組成を主成分とし、これに上記Bi(N
x Ta1-x )O4 100重量%に対して2重量%以下
(0重量%を含まない。)のV2 5 、2重量%以下
(0重量%を含まない。)のMnO2 及び0.7重量%
以下(0重量%を含まない。)のTiO2 が添加含有さ
れたことを特徴とする。
【0007】上記発明において、xを0<x≦0.96
とした理由は、xが0.96を超えた場合は、Ta2
5 成分が実質的に存在しないに等しい状態となり、εr
及びτf の制御が困難となるためである。また、V2
5 は焼結助剤として働くため、添加することにより焼成
温度を低くでき、性能の安定化を図ることができる。そ
して、このV2 5 の添加量が2重量%を超える場合は
Qu及びτf の低下を招き、また、V2 5 を添加しな
い場合は焼結不十分となり各特性が低下するからであ
る。V2 5 の添加量は、特に0.2〜1.0重量%
(好ましくは0.3〜0.5重量%、より好ましくは
0.4重量%前後)で各特性のバランスがとれた実用的
な誘電体磁器組成物が得られ、より好ましい。例えば、
これが0.2〜1.0重量%(MnO2 及びTi
2 ;ともに0.2重量%、x;0.8)では、εr;
46.6〜47.9、Qu;890〜1300、τf;
−10.91〜−2.45ppm/℃、0.4重量%
(MnO2 及びTiO2 ;ともに0.2重量%、x;
0.8)では、εr;47.1、Qu;1325、τ
f;−7.46ppm/℃である。
【0008】更に、MnO2 の添加量が0.4重量%ま
ではQu及びτfがいずれも向上する。従って、この添
加範囲においては、このMnO2 はτfを負から正へ移
行する働きをもつので、このτfを負から正の方向に調
整するのに有効である。一方、2重量%を超えて添加す
ると、Quは大きく低下する傾向にあるので、好ましく
ない。特に、1.0重量%以下で各特性のバランスがと
れた実用的な誘電体磁器組成物が得られ、より好まし
い。例えば、これが0.2〜1.0重量%(V25
0.4重量%、TiO2 ;0.2重量%、x;0.8)
では、εr;47.0〜47.5、Qu;900〜14
40、τf;−6.0〜−11.1ppm/℃である。
【0009】また、TiO2 の添加量を0.7重量%以
下とするのは、添加量が0.7重量%を超えると、Qu
が大きく低下し、またτfは正方向へ移動し、0(ゼ
ロ)から離れてしまうからである。尚、このTiO
2 は、添加することによりτf を負から正に移行する働
きをもつので、負から正に調整させたい場合には有効で
ある。特に、0.1〜0.2重量%で各特性のバランス
がとれた実用的な誘電体磁器組成物が得られる。例え
ば、これが0.1〜0.2重量%(V2 5 ;0.4重
量%、MnO2 ;0.2重量%及びx;0.8)では、
εr;46.4〜47.1、Qu;1320〜149
0、τf;−7.5〜−8.8ppm/℃である。
【0010】更に、V2 5 の添加量が0.2〜1.0
重量%、MnO2 の添加量が1.0重量%以下、TiO
2 の添加量が0.4重量%以下及びxが0.8〜0.9
6であるものとすることができる。この場合には、性能
のバランスがよいからである。例えば、τf;−12〜
+7、Qu;800〜1600及びεr;45〜50と
することができる。
【0011】本第4発明の誘電体磁器組成物は、Bi
(Nbx Ta1-x )O4 (但し、0<x≦0.96)で
示される組成を主成分とし、これに上記Bi(Nbx
1-x)O4 100重量%に対して0.2〜1重量%の
2 5 、1重量%以下(0重量%を含まない。)のM
nO2 及び0.5重量%以下(0重量%を含まない。)
のPbOが添加含有されたことを特徴とする上記発明に
おいて、xを0<x≦0.96とした理由は、上記第1
発明において示すものと同じである。
【0012】また、V2 5 は焼結助剤として働くた
め、添加することにより焼成温度を低くでき、性能の安
定化を図ることができる。そして、この添加量が1重量
%を超えると、Quが小さくなり、特に3重量%では5
10程度と大変小さくなる。また、τf は、その添加量
が1重量%を超えると、−24ppm/℃以下となり、
負側に大きくなる。更にV2 5 を添加しない場合は焼
結不十分となるとともに、Quが低下するので、好まし
くない。V2 5 の添加量は、特に0.4〜0.8重量
%で各特性のバランスがとれた実用的な誘電体磁器組成
物が得られ、より好ましい。例えば、これが0.4〜
0.8重量%(x;0.8、MnO2 及びPbO;とも
に0.2重量%)では、εr;44.9〜46.8、Q
u;1460〜1950、τf;−1.7〜−14.5
ppm/℃、0.6重量%前後(x;0.8、MnO
2 及びPbO;ともに0.2重量%)では、εr;4
6.5、Qu;1430、τf;−1.75ppm/℃
であり、τfが0に近いものとなる。
【0013】更に、MnO2 の添加により、εr及びτ
fを増大させることができる。そして、特にτf に関し
ては、主として負から正へ移行する働きをもつので、負
から正の方向に調整するのに有効である。一方、1重量
%を超えて添加すると、Quは大きく低下する傾向にあ
るので、好ましくない。特に、このMnO2 添加量が、
0.2〜0.4重量%(V2 5 ;0.4重量%、Pb
O;0.2重量%及びx;0.8)では、εr;46.
8〜47.9、Qu;1351〜1465、τf;−
2.1〜−6.3ppm/℃というように、各特性のバ
ランスがとれた実用的な誘電体磁器組成物が得られるの
で、より好ましい。
【0014】また、PbOの添加量を0.5重量%以下
とするのは、添加量が0.5重量%を超えると、Quと
τf の低下が大きいためである。PbOは、添加するこ
とにより、主としてτf を正から負に移行する働きをも
つので、正から負の方向に調整するのに有効である。特
に、PbOの添加量が0.2〜0.4重量%(V
2 5 ;0.4重量%、MnO2 ;0.2重量%及び
x;0.8)では、εr;46.8〜47.4、Qu;
1293〜1465、τf;−13.2〜−6.3pp
m/℃というように、各特性のバランスがとれた実用的
な誘電体磁器組成物が得られ、より好ましい。
【0015】更に、V2 5 の添加量が0.3〜0.8
重量%、MnO2 の添加量が0.1〜1.0重量%、P
bOの添加量が0.4重量%以下及びxが0.8〜0.
96であるものとすることができる。この場合には、性
能のバランスがよいからである。例えば、τf;−15
〜+4、Qu;1000〜2000及びεr;44〜4
9とすることができる。
【0016】更に、本第7発明の誘電体磁器組成物の製
造方法は、Bi(Nbx Ta1-x )O4 (但し、0<x
≦0.96)で示される組成を主成分とし、これに上記
Bi(Nbx Ta1-x )O4 100重量%に対して2重
量%以下(0重量%を含まない。)のV2 5 、2重量
%以下(0重量%を含まない。)のMnO2 及び0.7
重量%以下(0重量%を含まない。)のTiO2 が添加
含有された組成になるように、酸化ビスマス (III)粉
末、酸化ニオブ (V)粉末、酸化タンタル (V)粉末、酸化
バナジウム (V)粉末、酸化マンガン (II) 及び酸化チタ
ン (II) 粉末を混合し、その後、600〜800℃にて
仮焼して仮焼粉末を製造し、該仮焼粉末を粉砕し、所定
形状に成形し、次いで、850〜950℃にて焼成する
ことを特徴とする。
【0017】また、本第8発明の誘電体磁器組成物の製
造方法は、Bi(Nbx Ta1-x )O4 (但し、0<x
≦0.96)で示される組成を主成分とし、これに上記
Bi(Nbx Ta1-x )O4 100重量%に対して0.
2〜1重量%のV2 5 、1重量%以下(0重量%を含
まない。)のMnO2 及び0.5重量%以下(0重量%
を含まない。)のPbOが添加含有された組成になるよ
うに、酸化ビスマス (III)粉末、酸化ニオブ (V)粉末、
酸化タンタル (V)粉末、酸化バナジウム (V)粉末、酸化
マンガン (II) 粉末及び酸化鉛を混合し、その後、60
0〜800℃にて仮焼して仮焼粉末を製造し、該仮焼粉
末を粉砕し、所定形状に成形し、次いで、850〜95
0℃にて焼成することを特徴とする。
【0018】尚、上記発明の製造方法では、大気雰囲
気、還元雰囲気いずれであっても焼成できる。上記焼成
温度を850〜950℃の範囲とするのは、この範囲の
場合は十分な焼結密度を確保でき、しかも安定した性能
を示すからである。尚、LCフィルタのように導体と同
時焼結するような場合は、特に低温焼成が好ましい。
【0019】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を具体
的に説明する。 (1)誘電体磁器組成物の製造 Bi粉末(純度;98.9%)、Nb粉末
(純度;99.9%)、Ta粉末(純度;99.
9%)、V粉末(純度;99.5%)及びMnO
粉末(純度;96.0%)、並びにTiO粉末(純
度;99.9%)又はPbO粉末(純度;99.5%)
を出発原料として、表1及び表2に示すように、Bi
(NbTa1−X)Oのxを0〜1.0、V
の添加量(α重量%)を0〜3.0、MnOの添加量
(β重量%)が0〜2.0、TiOの添加量(γ重量
%、表1に示す。)が0〜2.0、更に、PbOの添加
量(δ重量%、表2に示す。)が0〜2.0の範囲で変
化した組成になるように、所定量(いずれも全量として
約600g)を秤量、混合した。尚、表1中、No.
1、6、7、12、16、17、22及び27が比較例
である。また、表2中、No.1、8、9、14、1
8、19、22〜24及び29が比較例である。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】その後、上記秤量、混合した原料粉末を振
動ミル中に投入し一次粉砕(3時間)を施した後、大気
雰囲気中にて700℃で2時間仮焼した。尚、600℃
及び800℃で仮焼してもよい。次いで、この仮焼粉末
に適量の有機バインダー(約15g)と水(330g)
を加え、ボールミル中で20mmφのアルミナボールに
より、90rpmで、23時間二次粉砕した。その後、
真空凍結乾燥(圧力;約0.4Torr、凍結温度;−
20〜−40℃、乾燥温度;40〜50℃、時間;20
時間)により造粒し、この造粒された原料を用いて1ト
ン/cm2 のプレス圧で19mmφ×10mmt(高
さ)の円柱状の成形体を得た。
【0023】次に、この成形体を大気中、500℃で、
3時間脱脂し、その後、850〜950℃で2時間焼成
して焼結体を得た。最後にこの焼結体の両端面を約16
mmφ×8mmt(高さ)の円柱状に研磨し、更にエタ
ノールで洗浄し、誘電体試料(表1のNo.1〜27、
表2の1〜29)とした。尚、上記仮焼工程における昇
温速度は200℃/h及び降温速度は−200℃/h、
脱脂工程における昇温速度は50℃/h、並びに焼成工
程における昇温速度は100℃/h及び降温速度は−1
00℃/hであった。
【0024】上記各試料につき、平行導体板型誘電体円
柱共振器法(TE011 MODE)等により、τf
εr 、Qu及び焼結密度を測定した。尚、τf は25〜
80℃の温度領域で測定し、τf =(f80−f25)/
(f25×ΔT)、ΔT=80−25=55℃にて算出し
た。また、測定時の共振周波数は表に示す(f0 )通り
である。これらの結果を表1及び表2に併記するととも
に図1〜24のグラフに示す。
【0025】(2)V2 5 −MnO2 −TiO2 系の
組成物における実施例の効果 表1及び図1〜12及び図17〜24の結果によれば、
2 5 を添加しない場合(No.12)は焼結不十分
となり、各特性の測定は不可能になる。そして、この添
加によりεr は増大し(図1)、τfは減少するので
(図3)、τfの調整ができる。しかし、Quはその添
加により低下するので(図2)、V2 5の多量の添加
は好ましくない。また、MnO2 の添加では、0.4重
量%までの添加の場合はQuが増大するので、有用であ
るが、多量の添加(1及び2重量%)はこのQuの大き
な低下をもたらすので好ましくない(図6)。TiO2
の添加によりτfが大きく向上し、τfの制御が容易に
できることを示している(図11)。また、TiO2
1.0重量%の添加までは、εrが増大するので、好ま
しい(図9)。また、このTiO2 の添加によりQuが
低下し、特に0.4重量%ではQuが747となり、大
きく低下するので、TiO2 の多量の添加は好ましくな
い(図10)。
【0026】更に、Bi(Nbx Ta1-x )O4 のx値
の増大に従って、τfが増加するので(図19)、この
x値の変化によりτfの調整ができる。また、このxの
増大に伴ってQuは増大し(図18)、xが0.6まで
はεrも増大するので(図17)、この物性の点におい
ては好ましいが、焼結密度は低下する(図20)。尚、
焼結密度はxが1.0の場合でも7.05kg/m3
確保できる(No.27、図20)。また、焼成温度が
850℃の場合(No.8)でも、焼結は十分であり、
850〜950℃(x=0.8、V2 5 =0.4重量
%、MnO2 =0.2重量%TiO2 =0.2重量%)
では、焼結密度は7.30〜7.51kg/m3 と大き
く(No.8〜11、図24)、物性も安定している
(図21〜24)。
【0027】このように各特性は、各添加剤の種類、そ
の添加量及び焼成温度とともに種々変化するが、本実施
例の結果(表1)によれば、例えば、以下に示す組成範
囲では、以下の如く実用的なバランスよい性能を示す。 V2 5 ;0.2〜1.0重量%、MnO2 、TiO
2 ;ともに0.2重量%及びx;0.8では、εr;4
6.6〜47.9、Qu;890〜1300、τf;−
10.91〜−2.45ppm/℃である。 V2 5 ;0.4重量%、MnO2 、TiO2 ;とも
に0.2重量及びx;0.8では、εr;47.1、Q
u;1325、τf;−7.46ppm/℃である。 MnO2 ;0.2〜1.0重量%、V2 5 ;0.4
重量%、TiO2 ;0.2重量%及びx;0.8では、
εr;47.0〜47.5、Qu;900〜1440、
τf;−6.0〜−11.1ppm/℃である。
【0028】TiO2 ;0.4重量%以下、V
2 5 ;0.4重量%、MnO2 ;0.2重量%及び
x;0.8では、εr;45.7〜48.6、Qu;7
50〜1660、τf;−1.1〜−10.2ppm/
℃である。 TiO2 ;0.1〜0.2重量%、V2 5 ;0.4
重量%、MnO2 ;0.2重量及びx;0.8では、ε
r;46.4〜47.1、Qu;1320〜1490、
τf;−7.5〜−8.8ppm/℃である。 V2 5 ;0.2〜1.0重量%、MnO2 ;1.0
重量%以下、TiO2;0.4重量%以下及びx;0.
8〜0.96である場合、τf;−12〜+7、Qu;
800〜1600及びεr;45〜50である。
【0029】(3)V2 5 −MnO2 −PbO系の組
成物における実施例の効果 表2及び図1〜8及び図13〜24の結果によれば、V
2 5 を添加しない場合(No.1)は焼結不十分とな
り、各特性の測定は不可能になる。そして、この添加に
よりτf及びQuは変化するので(各々図3及び図
2)、τf及びQuの調整ができる。特に、τfはその
0.6重量%までの添加では増大し、また、Quはその
0.8重量%までの添加では増大するので、好ましい。
また、MnO2 の添加では、εrは増大する(図5)。
またτfは0.4重量%までの添加では増加する(図
7)。尚、その添加によりQuは低下するので、多量の
添加は好ましくない(図6)。PbOの添加によりτf
が変化する(主に負の方向に変化する。)ので、τfの
制御が容易にできることを示している(図15)。ま
た、その添加によりεrが増大するので、好ましい(図
13)。尚、その添加によりQuは低下するので、多量
の添加は好ましくない(図14)。
【0030】更に、Bi(Nbx Ta1-x )O4 のx値
の増大に従って、τfが大きく変化する(主に正の方向
に変化する。)するので(図19)、このx値の変化に
よりτfの調整ができる。また、このxの増大に伴って
Quは増大するので、好ましい(図18)。尚、焼結密
度はその添加により低下する傾向にあるが、xが1.0
の場合でも7.04kg/m3 を確保できる(No.2
9、図16)。また、焼成温度については、V2 5
MnO2 −TiO2 系の組成物の場合と同様に、850
〜950℃において十分に焼結し(図24)、物性も安
定している(図21〜24)。
【0031】このように各特性は、各添加剤の種類、そ
の添加量及び焼成温度とともに種々変化するが、本実施
例の結果(表2)によれば、例えば、以下に示す組成範
囲では、以下の如く実用的なバランスよい性能を示す。
例えば、V2 5 −MnO2 −PbO系の組成物では、
以下の如く実用的なバランスよい性能を示す。まず、 V2 5 ;0.4〜0.8重量%、MnO2 及びPb
O;ともに0.2重量%及びx;0.8では、εr;4
4.9〜46.8、Qu;1460〜1950、τf;
−1.7〜−14.5ppm/℃である。 V2 5 ;0.6重量%、MnO2 及びPbO;とも
に0.2重量%並びにx;0.8では、εr;46.
5、Qu;1430、τf;−1.75ppm/℃であ
る。 MnO2 ;0.2〜0.4重量%、V2 5 ;0.4
重量%、PbO;0.2重量%及びx;0.8では、ε
r;46.8〜47.9、Qu;1351〜1465、
τf;−2.1〜−6.3ppm/℃である。
【0032】PbO;0.2〜0.4重量%、V2
5 ;0.4重量%、MnO2 ;0.2重量%及びx;
0.8では、εr;46.8〜47.4、Qu;129
3〜1465、τf;−13.2〜−6.3ppm/℃
である。 V2 5 ;0.3〜0.8重量%、MnO2 ;0.1
〜1.0重量%、PbO;0.4重量%以下及びx;
0.8〜0.96では、τf;−15〜+4、Qu;1
000〜2000及びεr;44〜49である。 尚、本発明においては、前記具体的実施例に示すものに
限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変
更した実施例とすることができる。
【0033】
【発明の効果】本発明の誘電体磁器組成物では、εr
Qu及びτf を実用的な特性範囲内であるとともに、こ
れらの各特性をバランスよく維持するものである。従っ
て、LCフィルタ材として好適なものである。また、本
製造方法によれば、上記に示すような有用な誘電体磁器
組成物を、850〜950℃という比較的低温で焼成す
ることにより製造できる。そしてこの低温焼成は導体と
同時焼結するLCフィルタの場合には、特に好都合であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】〔Bi(Nb0.8 Ta0.2 )O4 〕で表される
主成分にMnO2 を0.2重量%、TiO2 (又はPb
O)を0.2重量%添加し、且つ焼成温度が900℃の
場合の、V2 5 の添加量αとεr との関係を示すグラ
フである。
【図2】図1に示す組成及び焼成温度においてV2 5
の添加量αとQuとの関係を示すグラフである。
【図3】図1に示す組成及び焼成温度においてV2 5
の添加量αとτf との関係を示すグラフである。
【図4】図1に示す組成及び焼成温度においてV2 5
の添加量αと焼結密度との関係を示すグラフである。
【図5】〔Bi(Nb0.8 Ta0.2 )O4 〕で表される
主成分にV2 5 を0.4重量%、TiO2 (又はPb
O)を0.2重量%添加し、且つ焼成温度が900℃の
場合の、MnO2 の添加量βとεr との関係を示すグラ
フである。
【図6】図5に示す組成及び焼成温度においてMnO2
の添加量βとQuとの関係を示すグラフである。
【図7】図5に示す組成及び焼成温度においてMnO2
の添加量βとτf との関係を示すグラフである。
【図8】図5に示す組成及び焼成温度においてMnO2
の添加量βと焼結密度との関係を示すグラフである。
【図9】〔Bi(Nb0.8 Ta0.2 )O4 〕で表される
主成分にV2 5 を0.4重量%、MnO2 を0.2重
量%添加し、且つ焼成温度が900℃の場合の、TiO
2 の添加量γとεr との関係を示すグラフである。
【図10】図9に示す組成及び焼成温度においてTiO
2 の添加量γとQuとの関係を示すグラフである。
【図11】図9に示す組成及び焼成温度においてTiO
2 の添加量γとτf との関係を示すグラフである。
【図12】図9に示す組成及び焼成温度においてTiO
2 の添加量γと焼結密度との関係を示すグラフである。
【図13】〔Bi(Nb0.8 Ta0.2 )O4 〕で表され
る主成分にV2 5 を0.4重量%、MnO2 を0.2
重量%添加し、且つ焼成温度が900℃の場合の、Pb
Oの添加量δとεr との関係を示すグラフである。
【図14】図13に示す組成及び焼成温度においてPb
Oの添加量δとQuとの関係を示すグラフである。
【図15】図13に示す組成及び焼成温度においてPb
Oの添加量δとτf との関係を示すグラフである。
【図16】図13に示す組成及び焼成温度においてPb
Oの添加量δと焼結密度との関係を示すグラフである。
【図17】〔Bi(Nbx Ta1-x )O4 〕で表される
主成分にV2 5 を0.4重量%、MnO2 を0.2重
量%、TiO2 又はPbOを0.2重量%添加し、且つ
焼成温度が900℃の場合の、xとεr との関係を示す
グラフである。
【図18】図17に示す組成及び焼成温度においてxと
Quとの関係を示すグラフである。
【図19】図17に示す組成及び焼成温度においてxと
τf との関係を示すグラフである。
【図20】図17に示す組成及び焼成温度においてxと
焼結密度との関係を示すグラフである。
【図21】〔Bi(Nb0.8 Ta0.2 )O4 〕で表され
る主成分にV2 5 を0.4重量%、MnO2 を0.2
重量%、TiO2 (又はPbO)を0.2重量%添加し
た場合の、焼成温度とεr との関係を示すグラフであ
る。
【図22】図21に示す組成において焼成温度とQuと
の関係を示すグラフである。
【図23】図21に示す組成において焼成温度とτf
の関係を示すグラフである。
【図24】図21に示す組成において焼成温度と焼結密
度との関係を示すグラフである。

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Bi(Nbx Ta1-x )O4 (但し、0
    <x≦0.96)で示される組成を主成分とし、これに
    上記Bi(Nbx Ta1-x )O4 100重量%に対して
    2重量%以下(0重量%を含まない。)のV2 5 、2
    重量%以下(0重量%を含まない。)のMnO2 及び
    0.7重量%以下(0重量%を含まない。)のTiO2
    が添加含有されたことを特徴とするマイクロ波誘電体磁
    器組成物。
  2. 【請求項2】 上記V2 5 の添加量は0.2〜1.0
    重量%であり、上記MnO2 の添加量は1.0重量%以
    下であり、上記TiO2 の添加量は0.4重量%以下で
    あり、上記xが0.8〜0.96である請求項1記載の
    マイクロ波誘電体磁器組成物。
  3. 【請求項3】 共振周波数の温度係数が−12〜+7で
    あり、無負荷Qが800〜1600であり、比誘電率が
    45〜50である請求項1又は2記載のマイクロ波誘電
    体磁器組成物。
  4. 【請求項4】 Bi(Nbx Ta1-x )O4 (但し、0
    <x≦0.96)で示される組成を主成分とし、これに
    上記Bi(Nbx Ta1-x )O4 100重量%に対して
    0.2〜1重量%のV2 5 、1重量%以下(0重量%
    を含まない。)のMnO2 及び0.5重量%以下(0重
    量%を含まない。)のPbOが添加含有されたことを特
    徴とするマイクロ波誘電体磁器組成物。
  5. 【請求項5】 上記V2 5 の添加量は0.3〜0.8
    重量%であり、上記MnO2 の添加量は0.1〜1.0
    重量%であり、上記PbOの添加量は0.4重量%以下
    であり、上記xは0.8〜0.96である請求項4記載
    のマイクロ波誘電体磁器組成物。
  6. 【請求項6】 共振周波数の温度係数が−15〜+4で
    あり、無負荷Qが1000〜2000であり、比誘電率
    が44〜49である請求項4又は5記載のマイクロ波誘
    電体磁器組成物。
  7. 【請求項7】 Bi(Nbx Ta1-x )O4 (但し、0
    <x≦0.96)で示される組成を主成分とし、これに
    上記Bi(Nbx Ta1-x )O4 100重量%に対して
    2重量%以下(0重量%を含まない。)のV2 5 、2
    重量%以下(0重量%を含まない。)のMnO2 及び
    0.7重量%以下(0重量%を含まない。)のTiO2
    が添加含有された組成になるように、酸化ビスマス (II
    I)粉末、酸化ニオブ (V)粉末、酸化タンタル (V)粉末、
    酸化バナジウム (V)粉末、酸化マンガン (II) 及び酸化
    チタン (II) 粉末を混合し、その後、600〜800℃
    にて仮焼して仮焼粉末を製造し、該仮焼粉末を粉砕し、
    所定形状に成形し、次いで、850〜950℃にて焼成
    することを特徴とするマイクロ波誘電体磁器組成物の製
    造方法。
  8. 【請求項8】 Bi(Nbx Ta1-x )O4 (但し、0
    <x≦0.96)で示される組成を主成分とし、これに
    上記Bi(Nbx Ta1-x )O4 100重量%に対して
    0.2〜1重量%のV2 5 、1重量%以下(0重量%
    を含まない。)のMnO2 及び0.5重量%以下(0重
    量%を含まない。)のPbOが添加含有された組成にな
    るように、酸化ビスマス (III)粉末、酸化ニオブ (V)粉
    末、酸化タンタル (V)粉末、酸化バナジウム (V)粉末、
    酸化マンガン (II) 粉末及び酸化鉛を混合し、その後、
    600〜800℃にて仮焼して仮焼粉末を製造し、該仮
    焼粉末を粉砕し、所定形状に成形し、次いで、850〜
    950℃にて焼成することを特徴とするマイクロ波誘電
    体磁器組成物の製造方法。
JP25891694A 1993-12-27 1994-09-27 マイクロ波誘電体磁器組成物及びその製造方法 Expired - Fee Related JP3365873B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25891694A JP3365873B2 (ja) 1994-09-27 1994-09-27 マイクロ波誘電体磁器組成物及びその製造方法
DE69409477T DE69409477T2 (de) 1993-12-27 1994-12-22 Mikrowellendielektrische keramische Zusammensetzung
EP94120445A EP0659706B1 (en) 1993-12-27 1994-12-22 Microwave dielectric ceramic composition
US08/363,333 US5489559A (en) 1993-12-27 1994-12-23 Microwave dielectric ceramic composition

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25891694A JP3365873B2 (ja) 1994-09-27 1994-09-27 マイクロ波誘電体磁器組成物及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0891931A JPH0891931A (ja) 1996-04-09
JP3365873B2 true JP3365873B2 (ja) 2003-01-14

Family

ID=17326817

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25891694A Expired - Fee Related JP3365873B2 (ja) 1993-12-27 1994-09-27 マイクロ波誘電体磁器組成物及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3365873B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0891931A (ja) 1996-04-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH04285046A (ja) 誘電体磁器組成物
JP3322742B2 (ja) マイクロ波誘電体磁器組成物及びその製造方法
JP3436770B2 (ja) マイクロ波誘電体磁器組成物の製造方法
JP3365873B2 (ja) マイクロ波誘電体磁器組成物及びその製造方法
JP3357479B2 (ja) マイクロ波誘電体磁器組成物及びその製造方法
EP0659706B1 (en) Microwave dielectric ceramic composition
JP3384610B2 (ja) マイクロ波誘電体磁器組成物及びその製造方法
JP3351600B2 (ja) マイクロ波誘電体磁器組成物及びその製造方法
JPH0680467A (ja) 誘電体磁器組成物
JP3040286B2 (ja) 誘電体磁器組成物
JP3384598B2 (ja) マイクロ波誘電体磁器組成物及びその製造方法
JPH06333426A (ja) 高周波用誘電体磁器組成物
JP3384611B2 (ja) マイクロ波誘電体磁器組成物及びその製造方法
JP3550414B2 (ja) マイクロ波誘電体磁器組成物の製造方法
JP2992197B2 (ja) 誘電体磁器材料およびその製造方法
JP3322739B2 (ja) マイクロ波誘電体磁器組成物及びその製造方法
JP3257147B2 (ja) 誘電体磁器組成物
JPH06215624A (ja) 高周波用誘電体磁器組成物
JPH04240158A (ja) 誘電体磁器組成物
JPH0815012B2 (ja) マイクロ波用高誘電率誘電体磁器組成物
JPH06333422A (ja) 誘電体磁器組成物
JPH0676628A (ja) 誘電体磁器組成物
JPH0524904A (ja) 高周波用誘電体磁器組成物
JPH06325621A (ja) 誘電体磁器組成物
JPH06321631A (ja) マイクロ波誘電体磁器組成物

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees