JP3365637B2 - 水溶性パーフルオロポリエーテルを含むトップコート潤滑剤 - Google Patents

水溶性パーフルオロポリエーテルを含むトップコート潤滑剤

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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、磁気データの記録、記憶と読出に関するも
ので、特に関連する磁気変換器ヘッドに接触する模様表
面と潤滑剤トップコートを含む薄膜磁気デイスクのよう
な、回転磁気記録媒体に関するものである。また、本発
明は、磁気記録媒体に潤滑剤トップコートを適用する方
法としても、特に有効である。
背景技術 従来から、磁化可能な形で大量のデータを記憶させる
ために、薄膜磁気記録デイスクとデイスク駆動装置を使
用している。操作時、デイスクが回転を始め、データ変
換ヘッドがデイスク表面に対して滑動を開始する時、典
型的な接触起動−停止方式(CSS方式)が始動する。所
定の高回転速度に達した時、ヘッドはデイスク表面から
所定の距離で空気中に浮上し、読出及び記録操作中はこ
の位置で浮上したまヽとなる。デイスク駆動装置の操作
終了時には、ヘッドは、再びデイスク表面に対して滑動
開始し、終にはデイスクに接触して停止し、デイスクを
押圧する。ヘッドとデイスク組立品を駆動する毎に、ヘ
ッドの滑動表面は、デイスク表面に対する停止と滑動、
空中浮上、デイスク表面に対する滑動と停止から成る循
環動作を反復する。
最適な整合と予測のためには、各変換器ヘッドを関係
する記録表面に出来る限り密着させる、即ちヘッドの浮
上高を最小にする必要がある。そのためには、平滑な記
録表面が好ましく、同様に関係する変換器ヘッドの対抗
表面が平滑であることが望まれる。しかし、ヘッド表面
と記録表面が平滑過ぎるとこれら表面が精密に一致し
て、起動と停止段階で過度のスチクション(stiction)
とフリクション(friction)を起こし、それによってヘ
ッドと記録表面が磨耗して、終には「ヘッドクラッシ
ュ」に導かれる。従って、ヘッド/デイスクのフリクシ
ョンの減少と変換器の浮上高の最小化の競合する目標が
発生する。
これらの明らかに競合する目的を処理する従来のやり
方は、粗面化した記録表面をもつ磁気デイスクを用いて
ヘッド/デイスクのフリクションを減少させることを含
み、通常この技術を「表面模様」と呼んでいる。従来の
表面模様技術は、デイスク基板表面の機械研磨とレーザ
ー加工による表面模様付けを含み、この方法は基板表面
に表面模様を作成し、その後に引き続き、下塗層、磁気
層、保護オーバーコート及び潤滑剤トップコートのよう
な層を付着さる。この基板上の模様表面は、続く付着層
に実質的に模写される。
図1に代表的な長手記録媒体を図示するが、この媒体
は、非晶質ニッケル−燐(NiP)層でメッキした、アル
ミニウム−マグネシウム(Al−Mg)合金のようなアルミ
ニウム(Al)合金で代表される基板10を含んでいる。代
替の基板としては、ガラス、ガラス−セラミック材料と
グラファイトがある。基板10は、基板の各側に逐次付着
させた、クロム(Cr)またはCr合金下塗層11、11'、コ
バルト(Co)基合金磁気層12、12'、通常炭素を含有す
る保護オーバーコート13、13'、と潤滑剤トップコート1
4、14'を含む。
Cr下塗層11、11'は、複数の補助下塗層11A、11A'を含
む複合層として適用できる。Cr下塗層11、11'、Co基合
金磁気層12、12'、通常炭素を含有する保護オーバーコ
ート13、13'は、通常、逐次付着室を備えた装置中で実
施するスパッタリング技術で付着させる。従来からのAl
合金基板は、NiPメッキで提供され、主にAl基板の硬度
を高めて適切な表面を形成し、表面模様を与える。この
模様はデイスク表面に実質的に再生される。
従来の方法に従い、潤滑剤トップコートを保護層上に
均一に適用し、駆動操作中のデイスクとヘッドの境界面
における磨耗を防止する。通常炭素を含有する保護オー
バーコートの過度の磨耗は、ヘッドとデイスク間のフリ
クションを増大し、悲劇的な駆動の失敗を引き起こす。
ヘッドとデイスク境界面の過剰の潤滑剤は、ヘッドとデ
イスク間の高スチクションを引き起こす。スチクション
が過度であれば、駆動装置は起動できず、悲劇的な失敗
の原因となる。従って、潤滑剤の厚みはスチクションと
フリクションに最適でなければならない。潤滑剤トップ
コートに用いた従来の材料は、本質的に炭素、フッ素と
酸素原子より成るパーフルオロポリエーテル(PFPE)を
含んでいる。
潤滑剤トップコートを重要視する観点から、保護炭素
オーバーコートに対する潤滑剤の結合力を改善するニー
ズが依然として存在する。結合力を調節する従来の方法
は、潤滑剤の加熱処理と紫外線硬化がある。
PFPEから作成する従来の潤滑剤トップコートは、極め
て無極性の分子よりなり、従ってフッ素化溶剤にだけ溶
解性を示す。長年にわたり、磁気記録媒体上の潤滑剤ト
ップコートの形成に、フレオン(商標)溶剤を使用して
いた。しかし、多くのフレオン(商標)溶剤は、環境害
をもたらし、それ故合衆国では使用を禁じられた。フレ
オン(商標)の最近の代替溶剤は、パーフルオロ化ヘキ
サンがあるが、極めて高価である。
従って、高価でない溶剤、特に水又は水性アルコール
溶剤のような溶剤に容易に溶解し、そして磁気記録媒体
上の潤滑剤トップコートとして効果的に使用できる潤滑
剤に対するニーズがある。
発明の開示 本発明の目的は、磁気記録媒体に適用容易できて、優
れたフリクションとスチクション特性をもつ潤滑剤トッ
プコートの形成が可能な、水溶性及び/又は水性アルコ
ール溶性の潤滑剤である。
本発明の他の目的は、磁気記録媒体の製造で潤滑剤ト
ップコートとして使用できる水溶性潤滑剤の製造方法で
ある。
本発明の追加の目的、利点と他の特徴は、以下の記述
の中で説明するので、本発明の実施に関しては当業界の
通常の技術を有する者には明白になり、或いは発明の実
施を通して学習出来るに違いない。本発明の目的と利点
は、特に指摘した添付の請求の範囲で理解できるに違い
ない。
本発明に従い、上記及び他の目的は、潤滑剤が水、低
級アルカノール又はアルカノールと水の混合溶液に可溶
性である、潤滑剤トップコートを含む磁気記録媒体によ
り一部達成可能となる。
本発明のもう一つの観点は、少なくとも1個の水酸基
をもつパーフルオロポリエーテル化合物の塩より成る水
溶性潤滑剤である。
本発明の更に他の観点は、磁気記録媒体の製造方法で
あって、前記方法は基板上に磁気層を付着させ、そして
磁気層上に水溶性潤滑剤の溶液を付着させて、潤滑剤ト
ップコートを形成する。
本発明の更なる観点は、水溶性パーフルオロポリエー
テルアルコールの製造方法であって、前記方法は、パー
フルオロポリエーテルアルコールをアルカリ金属カチオ
ン、アルカリ土類金属カチオン、遷移金属カチオン又は
有機カチオンと混合して、沈殿を形成させ、得られた沈
殿を水洗し、洗浄した沈殿を溶剤に溶解させ、そしてパ
ーフルオロポリエーテルアルコールのアルカリ金属、ア
ルカリ土類金属、遷移金属又は有機塩として回収する。
本発明の追加の目的と利点は、以下の詳細な説明から
当業者には容易に明白になる筈であり、本発明の実施態
様は本発明を実施するための最善のモードを簡潔に解説
している。これから判るように、本発明は、本発明から
外れることなく、その他の実施態様及び異なる実施態様
も可能であり、それらの詳細な説明も種々の観点から変
更可能である。従って、図面と説明は例証のためのもの
であり、これに限定するもではない。
図面の簡単な説明 図1は、本発明を適用する磁気記録媒体の構造を図式
的に描写している。
発明の説明 従来の磁気記録媒体の製造方法は、フッ素化炭化水
素、特にパーフルオロヘキサンに溶解した潤滑剤を適用
して潤滑剤トップコートを形成することを含み、製造コ
ストに経済的打撃を与えていた。また、磁気記録媒体の
潤滑剤トップコートを形成する従来技術は、乳化したフ
ッ素化調剤の使用、と潤滑剤のフッ素化溶剤溶液を水と
共にデイスクに載せるラングミュアー・ブロジェット技
術の使用を含んでいる。しかし、これらの技術は、フッ
素化溶剤を使用する必要があり不利である。
本発明は、水溶性及び水性アルコール溶性潤滑剤を提
供し、この潤滑剤は、高価ではなく、時間を節減でき、
便利な手段で容易に適用できて、磁気記録媒体の潤滑剤
トップコートを形成可能である。本発明は、磁気記録媒
体を潤滑剤の水性溶液に浸漬する程度のコスト効果の高
い技術により潤滑剤トップコートの形成が可能であり、
そして環境的に有害なフッ素化溶剤の使用を回避してい
る。従って、潤滑剤トップコート14を、潤滑剤の水及び
/又は水性アルコール溶液として適用し、加熱乾燥する
方法により、図1に描写したような磁気記録媒体を有利
に製造できる。
本発明による水溶性潤滑剤は、少なくとも1個の水酸
基、例えばジオールの如きアルコールをもつパーフルオ
ロポリエーテル化合物を含む。本発明の潤滑剤は、パー
フルオロポリエーテルアルコールと、金属カチオン基、
適切な有機カチオン又は塩基性金属を、下記の一般反応
機構のいずれかの反応によって製造可能である。
PFPE−CH2OH+M+−OH-→ PFPE−CH2O-M++H2O PFPE−CH2OH+M+H-→ PFPE−CH2O-M++H2 PFPE−CH2OH+M+-(CH2HC2CH2CH3)→ PFPE−CH2O-M++CH3CH2CH2CH3 2PFPE−CH2OH+2M0→ 2PFPE−CH2O-M++H2 〔式中、Mは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移
金属または有機カチオンである〕 本発明の実施に際し使用する塩の調製には、如何なる
パーフルオロポリエーテルアルコールでも使用可能であ
ることは、当業者には明らかである。事実、上記の反応
におけるPFPEは、如何なるタイプのものでもよく、PFPE
−1、PFPE−2、PFPE−3、とPFPE−4(デルペソ、パ
ーフルオロアルキルポリエーテル、CRCハンドブック・
オブ・ルブリケーション・アンド・トライボロジー、第
3巻、287〜303頁、1994年、ブーサー、E.R.監修、CRC
出版、ボカレイトン、フロリダ州)などが使用可能であ
り、これらの化合物は金属塩形成のために少なくとも1
個のフリーな水酸基をもっている。
これに関連して、本発明の開示全般で用いているよう
に、PFPEとカチオンの反応から得られる生成物を「塩」
と呼ぶが、塩の従来からの定義には合わないかも知れな
い。更に、パーフルオロポリエーテルアルコールは、水
酸基を含む末端メチレン基がパーフルオロ化していない
相当する化合物を含んでもよい。
上記の一般構造に加えて、パーフルオロポリエーテル
は、カチオンと反応するための1個以上の水酸基を含有
してもよい。本発明の一つの実施態様では、パーフルオ
ロポリエーテルは、PFPE−3又はPFPE−4のようにリニ
アーポリマーであって、1個又はそれ以上の水酸基が末
端に位置するポリマーである。
本発明では、慣用のパーフルオロポリエーテルアルコ
ール潤滑剤、例えばZDOLを金属カチオンを用いて上記の
反応機構に従って変性して、パーフルオロポリエーテル
アルコールを水溶性にする。ZDOL(オーシモンUSA、サ
ラフェア、ニュージャージー州)は、下記構造のリニア
ーパーフルオロポリエーテルジオールである。
HOCH2CF2O−〔CF2CF2O〕−〔CF2O〕−CF2CH2OH 〔式中、mとnはそれぞれ0又は約100までの整数であ
る〕 このようにして、本発明の実施態様は、下記構造の水溶
性リニアーパーフルオロポリエーテルジオール塩を含
む。
HOCH2CF2O−〔CF2CF2O〕−〔CF2O〕−CF2CH2OH 〔式中、Mは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移
金属または有機塩カチオンであり、mとnはそれぞれ0
又は約100までの整数である〕 ZDOLは、約100〜約10,000の種々の分子量をもつ、分
別法により工業用として製造したものが入手でき、その
何れも本発明の実施に使用可能である。本発明の1実施
態様では、平均分子量が約1,000〜約5,000の範囲の、例
えば2,000のZDOLアルコール塩が形成される。
本発明の実施に使用可能な、他の工業用として入手で
きるパーフルオロポリエーテルアルコールには、下記構
造のデムナム(商標)SA(長瀬社)がある。
F(CF2CF2CF2O)nCF2CF2CH2OH 〔式中、nは約15〜約100の整数である〕 デムナム(商標)SAは、約1,500〜約8,000の範囲の分
子量で入手可能であり、フラッシュ・クロマトグラフ又
は蒸留の如き分別法により約100〜10,000の分子量が得
られる。本発明の他の実施態様では、約1,000〜約5,000
の平均分子量を有するデムナム(商標)SAを使用する。
本発明の別の実施態様では、過剰のアルカリ金属、ア
ルカリ土類金属、遷移金属または有機カチオンの塩基性
源(例えば、第4級アンモニウム、ホスホニウム、スル
ホニウムなど)を含有する水性溶液に、パーフルオロポ
リエーテルアルコールを加え、そして混合することによ
り、水溶性及び/又は水性アルコール溶性PFPE潤滑剤を
製造する。この実施態様明の1つの観点では、可なり短
時間の反応で収率を最高にするために、激しく攪拌して
混合を実施する。金属又は有機カチオンとの反応では、
パーフルオロポリエーテルアルコールは、沈殿物を生成
し、この沈殿は標準的な技術、例えばデカンテーショ
ン、ろ過などにより容易に分離できる。
分離したパーフルオロポリエーテルアルコール塩の沈
殿を、脱イオン水、例えば8mΩの水、で洗浄して過剰の
塩薬品を除去する。その後に、洗浄した沈殿をアルコー
ル、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イ
ソプロパノールまたはブタノールのようなC1〜C5アルカ
ノールに溶解し、同容量のフレオンTF(商標)、〔フル
オリナート(商標)〕、又はパーフッ素化ヘキサンなど
を用いて未反応パーフルオロポリエーテルアルコールを
反復抽出してその全てを除去する。
次に、生成物であるPFPE−アルコール塩製品を含有す
るアルコール抽出物を、重力式供給によりセライトカラ
ムを通過させ、そして真空で溶剤を除去する。白色沈殿
物である回収製品を、適切な所定の濃度の水性アルコー
ル、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブ
タノールのような低級アルキルアルコールに溶解させ
る。回収製品は、アルコール自体にも可溶である。通
常、PFPE−アルコール塩溶液を、約0.01%(重量/容
積)〜約100%(重量/容積)の範囲の濃度、例えば約
0.1%(重量/容積)〜約50%(重量/容積)で再溶解
させる。本発明の1つの実施態様では、PFPE−アルコー
ル塩溶液を、約1%(重量/容積)〜約10%(重量/容
積)の濃度で再溶解させる。
本発明の実施において、所定量のPFPE−アルコール塩
を水、例えば脱イオン水、及び/又は水性短鎖アルコー
ル溶液を用いて、所望の作業濃度に希釈する。通常、本
発明の実施におけるPFPE−アルコール塩の有用な作業濃
度は、約0.0001%(重量/容積)〜約10%(重量/容
積)の範囲であり、例えば約0.001%(重量/容積)〜
約1%(重量/容積)、1例として約0.01%(重量/容
積)〜約0.5%(重量/容積)である。本発明の1実施
態様では、水性PFPE−アルコール塩の作業濃度は、約0.
1%(重量/容積)であり、そして、使用に先立ってこ
の水性溶液を約40℃〜約100℃の温度に加熱し、そして
慣用技術でろ過する。
本発明に従い製造したPFPE−アルコール塩は、従来技
術により磁気記録媒体に適用可能である。例えば、作業
溶液を約50℃〜約90℃の温度で加熱する。昇降式浸漬器
を用いて、磁気デイスクを潤滑剤溶液中に沈め、デイス
ク表面を十分にコートするに有効な時間浸漬する。当業
者には明らかであるが、コーテイング形成に要する時間
は、溶液濃度、温度、と特殊なPFPE−アルコール塩の性
質に依存している。例えば、0.1%(重量/容積)のZDO
Lナトリウム塩溶液を用いてデイスク表面をコートする
のに有効な浸漬時間は、約3分であることが判明した。
有効なコーテイング時間が経過した後、約0.01mm/秒
〜約10.0mm/秒の範囲の速度、例えば約0.1mm/秒〜約1mm
/秒の速度で、デイスクを潤滑剤溶液から徐々に取り出
す。得られたデイスクは、フーリエ変換赤外分光法(FT
−IR)で測定して約15Å〜30Å厚さの潤滑剤コーテイン
グを有する。塗布したデイスクは、未乾燥であれば、高
められた温度で乾燥する。
本発明の他の実施態様では、デイスクを、上記のよう
にコーテイング形成に有効な時間浸漬し、溶液から取り
出し、手又は機械拭き取りで過剰な潤滑剤溶液を拭き取
る。この実施態様では、約20℃〜約40℃のような低い温
度を採用するので、従って浸漬時間も変更される。得ら
れたデイスクは約5Å〜約100Åの範囲の厚さの潤滑剤
コーテイングを含み、このコーテイング厚さは潤滑剤溶
液組成、溶液中の潤滑剤濃度、潤滑剤溶液の温度と薄膜
デイスクの構造に依存する。
本発明の潤滑剤溶液に界面活性剤を添加して、薄膜媒
体の濡れ性を高めることができる。適する慣用の界面活
性剤は、3M社から得られるフルオラード(商標)界面活
性剤があり、他の既知の界面活性剤も使用できる。界面
活性剤は、特に、前記した低温度塗布/拭き取りの実施
態様に有効である。
本発明の他の実施態様では、デイスク表面の濡れ性を
高めて、潤滑剤トップコートの接着と形成を促進且つ改
善している。例えば、デイスク表面を、プラズマエッチ
ングのような慣用手段で酸化させ、より親水性表面を与
え、濡れ性を高めることが可能である。
本発明に従い形成した磁気記録媒体上の潤滑剤トップ
コートは、薄膜磁気記録デイスク上の静的スチクショ
ン、1rpmスチクションとSD−CSS特性に付いて評価を行
い、その結果はAM2001(オーシモンUSA)のような現在
使用の潤滑剤に比較して良好又は一層良好である。さら
に、本発明によるPFPE−アルコール塩潤滑剤は、塗布し
て潤滑剤トップコートを形成する際に、極めて低価格の
溶剤系が使用できる利点がある。加えて、本発明は、従
来のパーフルオロ化炭化水素使用に付随する環境破壊を
伴わずに、優れた潤滑剤膜を与え、且つ作業者に対し害
を与えない。
実施例1 三角フラスコ中で、オーシモン社から工業用として入
手できる10mlのZDOL2000と30mlの50%苛性ソーダ溶液
を、攪拌棒を用いて激しく混合した。大量の白色沈殿が
生成したので、さらに手による攪拌を5分間続けた。過
剰の苛性ソーダ溶液をデカンテーション除去して、白色
沈殿を脱イオン水で5回洗浄した。その後、白色沈殿を
300mlのメタノールに溶解し、そしてフレオンTF(商
標)で5回抽出して未反応ZDOLの全てを取り除いた。
メタノール層を重力式でセライト中を通過させてろ過
し、真空除去して白色固体として12gのZDONaを収穫し
た。得られた白色固体ZDONaは、メタノール、イソプロ
パノール、水及び水性アルコール溶液に可溶であり、し
かしフレオン(商標)類、ヘキサン、塩化メチレン、ア
セトンとパーフルオロ化ヘキサンに不溶であることが判
明した。
磁気記録媒体上に潤滑剤トップコートを形成するため
の潤滑剤溶液は、本発明に従い製造したPFPE−アルコー
ル塩をアルコールに単純に溶解して溶液を作成し、この
溶液を水で希釈することにより調整できる。
実施例2 5gのZDONaを10mlのメタノールに加熱溶解した。得ら
れたメタノール溶液を脱イオン水を用いて1リットルに
希釈した。この溶液を60℃〜80℃で加熱し、綿製濾紙を
用いてろ過した。得られた溶液を用いて磁気記録媒体の
潤滑剤トップコートを作成した。
実施例3 超音波エネルギーを使用して、10mlのメタノールZDON
a溶液を作成した以外は、実施例2の方法に従った。
この場合の利点として、本発明に従い調整した水溶性
潤滑剤溶液は、磁気記録媒体に適用容易であり、例えば
図1に描写した磁気記録媒体の潤滑剤トップコート14を
形成できた。本発明に従えば、デイスクを潤滑剤溶液中
に有効時間浸漬し、デイスク上に潤滑剤トップコートを
生成させ、過剰の潤滑剤を手で拭き取り除去することに
より、潤滑剤トップコートを塗布できる利点がある。高
められた温度は必要としないが、しかし、高められた温
度で潤滑剤トップコートを生成させることは有利である
と判明している。
実施例4 実施例2に従って調整したZDONa潤滑剤溶液を、約50
℃〜約90℃の温度に加熱した。昇降式浸漬器を用いて、
デイスクを潤滑剤溶液中に沈め、3分間浸漬し、そして
0.1mm/秒〜1.0mm/秒の速度でデイスクを溶液から取り出
した。得られたデイスクは、水の汚点が無く、FT−IR
(フーリエ変換赤外分光法)により測定して約15Å〜30
Å厚さの均一な潤滑剤コーテイングを有していた。本実
施例に従いZDONaを用いて潤滑付与した、潤滑剤の厚み
が10〜11Åと21〜26Åの薄膜デイスクに対する、1rpmス
チクションとSD−CSS特性を試験した結果、オーシモン
社が販売する従来使用の潤滑剤AM2001に比較して、同等
又は優れた性能を示すことが判明した。
当業者は認めるところであるが、潤滑剤コーテイング
厚さは、特殊な潤滑剤溶液組成、溶液中の潤滑剤濃度、
潤滑剤溶液の温度と薄膜デイスクの構造に依存する。当
業者であれば、関連する工程要素を調節し、容易に所望
のコーテイング厚みが得られるであろう。
前に述べたように、本発明に従う潤滑剤溶液は、高め
られた温度で、デイスクを潤滑剤溶液に浸漬した後に、
手による拭き取り又は機械的拭き取りによって塗布可能
である。潤滑剤塗布のために準備したデイスクを、潤滑
剤溶液に浸漬し、溶液から取り出し、清潔な綿布を用い
て手又は機械で拭き取る。このやり方では、潤滑剤の厚
みは10Å〜100Åの範囲であり、厚みは組成と拭き取り
方法に依存して決まる。
本発明は、ZDOL(商標)アルコール塩に限定されな
い。むしろ、種々のPFPEアルコールが工業用として入手
可能であり、開示した塩変換方法によって同様に有用な
ものとなすことができる。例えば、長瀬社のデムナム
(商標)SAのPFPEアルコールは、約1,500〜約8,000の分
子量のものが入手可能であり、本発明に使用できる。本
発明の1実施態様では、約1,000〜約5,000の範囲の分子
量のデムナム(商標)SAアルコールを使用して成功して
いる。
本発明によるPFPEアルコール塩は、ナトリウムに限定
しない。むしろ、全てのアルカリ金属カチオン、例えば
リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウムとルビジウ
ム等が有効に使用できる。さらに、種々のアルカリ土類
金属カチオン、例えばベリリウム、マグネシウム、カル
シウム、ストロンチウムとバリウム等が使用でき、水溶
性PFPEアルコール塩を形成できる。さらに、また種々の
遷移金属カチオン、及び有機カチオン、例えば第4級ア
ンモニウム(R4N+)、スルホニウム(R3S+)とホスホニ
ウムカチオン等が使用できる。
本発明は、特定のタイプの磁気記録媒体に限定される
ものではなく、種々の磁気記録媒体に使用でき、基板又
は続いて付着させた層が、機械的処理又はレーザー技術
により表面模様処理された磁気記録媒体、及び続いて付
着させた層上に実質的に再生した模様表面を含む磁気記
録媒体に使用される。このように、本発明により製造し
た潤滑剤は、図1に描写した磁気記録媒体のトップコー
ト14の如き、トップコートを形成するべく適用できる
が、これに限定するものではない。
本開示中に、発明の好適な実施態様と変更可能な幾つ
かの実施例を示し且つ説明した。発明は、種々の他の組
み合わせや環境中で使用可能であり、またここに記述す
る発明の概念の範囲内で変更と変性が可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI //(C10M 173/00 C10M 105:54 105:54 107:38 107:38) C10N 10:02 C10N 10:02 10:04 10:04 40:18 40:18 (56)参考文献 特開 昭62−229525(JP,A) 特開 平5−78644(JP,A) 特開 平6−4855(JP,A) 特開 平1−158615(JP,A) 特開 平1−308242(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/62 - 5/858 C10M 105/54 C10M 107/38 C10M 173/00 C10N 10:02 C10N 10:04 C10N 40:18

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】潤滑剤トップコートを含む磁気記録媒体で
    あって、該潤滑剤が、水;低級アルカノール;又は低級
    アルカノール及び水より成る溶液;に可溶性であり、且
    つ該潤滑剤がフルオロポリエーテルアルコール塩であ
    る、上記磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】フルオロポリエーテル化合物がパーフルオ
    ロポリエーテルである、請求項1記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】潤滑剤が少なくとも1個の水酸基を有する
    パーフルオロポリエーテル化合物の塩である、請求項1
    記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】潤滑剤がパーフルオロポリエーテルジオー
    ルのナトリウム塩である、請求項1記載の磁気記録媒
    体。
  5. 【請求項5】パーフルオロポリエーテルアルコール塩
    が、構造式: MOCH2CF2O−〔CF2CF2O〕−〔CF2O〕mCF2CH2OM 〔式中、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金
    属のカチオン又は有機塩カチオンであり、mとnはそれ
    ぞれ0又は約100以下の整数である〕で表されるリニア
    ーパーフルオロポリエーテルジオール塩である、請求項
    3記載の磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】パーフルオロポリエーテルアルコールの塩
    を含むことを特徴とする水溶性潤滑剤。
  7. 【請求項7】パーフルオロポリエーテルアルコール塩
    が、構造式: MOCH2CF2O−〔CF2CF2O〕−〔CF2O〕mCF2CH2OM 〔式中、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金
    属のカチオン又は有機塩カチオンであり、mとnはそれ
    ぞれ0又は約100以下の整数である〕で表されるリニア
    ーパーフルオロポリエーテルジオール塩である、請求項
    6記載の水溶性潤滑剤。
  8. 【請求項8】請求項6に記載の潤滑剤;アルカノール;
    水;又は該アルカノールと水より成る溶液;を含むこと
    を特徴とする溶液。
  9. 【請求項9】潤滑剤が水に溶解している、請求項8に記
    載の溶液。
  10. 【請求項10】磁気記録媒体の製造方法であって、基板
    上に磁気層を付着させ;磁気層上に水溶性潤滑剤として
    フルオロポリエーテルアルコール塩の溶液を付着させて
    潤滑剤トップコートを形成させる、上記製造方法。
  11. 【請求項11】磁気層上に保護オーバーコートを付着さ
    せ、保護オーバーコート上に潤滑剤トップコートを付着
    させる、請求項10記載の方法。
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