JP3365592B2 - 補強用織物の製造方法 - Google Patents

補強用織物の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、繊維強化プラスチック
(FRP)を成形するときに樹脂の補強材として使用す
る織物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】FRPを成形するときに、補強繊維、た
とえば炭素繊維を、マルチフィラメント糸を織糸とする
織物の形態で使用することがよくある。そして、織物と
しても、いろいろな種類のものが提供されている。
【0003】ところで、よく知られているように、炭素
繊維糸は、ポリアクリルニトリル繊維などのプリカーサ
ー繊維糸(マルチフィラメント糸)を不活性雰囲気中で
焼成し、炭素化することによって製造される。そして、
炭素繊維糸の製造コストの多くがこの焼成工程によって
占められ、焼成工程における生産性の良否が、炭素繊維
糸、ひいては織物のコストに大きな影響を与えている。
【0004】焼成工程における生産性は、太いプリカー
サー繊維糸を用いるほど向上する。一気に焼成できるか
らで、細いものほど生産性は悪くなり、織物のコストは
上昇する。しかるに、織物のコストが上昇すると、炭素
繊維強化プラスチック(CFRP)に占める材料費の割
合が大きくなってコストパーフォーマンスが低下し、用
途の制限が大きくなるので、プリカーサー繊維糸として
は、通常、単糸数が、数千本、ときには1万本を超える
ような太いものを使用している。そのため、そのように
太いプリカーサー繊維糸から得られる炭素繊維糸もま
た、当然のことながらやはり太く、それから織成される
織物にいろいろな不都合をもたらしている。
【0005】すなわち、織物は、織糸の太さが太ければ
太いほど、交錯による織糸の曲がりが大きくなる。しか
るに、力学上明らかなように、曲がりがあるとその部分
に応力が集中するようになるので、炭素繊維が本来有す
る特性を十分に利用しきれなくなる。炭素繊維の特性が
発現される前に、曲がり部分から織物の破壊が起こるよ
うになるからである。
【0006】また、織糸の曲がりが大きくなると、織目
が大きくなり、表面の凹凸も大きくなる。織目や凹凸
は、炭素繊維は剛性が高く、織糸に交錯による収束力が
作用することによっても大きくなる。しかるに、織目が
大きくなったり、凹凸が大きくなったりすると、CFR
Pにしたとき、炭素繊維の偏在による、炭素繊維が全く
存在しない部分ができたり、樹脂過多な部分ができたり
するので、物性はもちろん、信頼性に優れたCFRPを
得ることはなかなか難しい。
【0007】ところで、CFRPの成形にあたっては、
織物をあらかじめプリプレグ化しておくことが多い。す
なわち、織物にBステージの熱硬化性樹脂を加熱下に加
圧含浸してプリプレグ化しておくのであるが、含浸工程
では、加熱されて熱硬化性樹脂の粘度が下がった状態の
下で加圧するために、織糸が拡幅されて織目がほとんど
閉塞され、また、表面の凹凸もほとんどなくなる。これ
は、一見、好ましいことのように思えるが、これは、剛
性の高い炭素繊維の単糸が加圧によって無理に移動させ
られた結果であり、加圧を解くと、全く元の状態とまで
はいかないまでも、それに近い状態まで回復してしま
う。そのようなプリプレグを、たとえば、ハニカムコア
の各面に複数枚積層し、加熱、加圧して熱硬化性樹脂を
硬化させてスキンを形成するとともに、ハニカムコアと
の接着を行ってハニカムサンドイッチパネルを製造する
ようなときに使用すると、セル壁部分では織物が加圧さ
れて単糸の移動が起こるが、セル孔の部分では加圧され
ないために上述した回復状態がほとんどそのまま維持さ
れることになり、炭素繊維が偏在して、炭素繊維が全く
存在しない部分ができたり、樹脂過多な部分ができた
り、層間にボイドができたりするようになる。しかる
に、そのようなハニカムサンドイッチパネルで、たとえ
ば航空機のスポイラーを構成すると、ボイドに水分が溜
り、その水分が高高度を飛行中に凍結してスキンにひび
割れを誘発し、また、これを繰り返しているうちにハニ
カムコアにも水分が侵入するようになり、パネルの物性
が低下して航空機の安全な運行にも支障をきたすように
なる。
【0008】このように、CFRPは、もともと金属材
料のように等方性材料ではなく、異方性材料であるがた
めに設計そのものが難しいうえに、補強材にもさまざま
な微妙な問題があってこれが設計をさらに困難にしてお
り、その困難さが信頼性をいま一歩確実性のないものに
している。CFRPが、比強度や比弾性率などの特性に
優れた先端材料として航空機に使用されながらも、その
使用が二次構造材に止まり、破壊が飛行の安全に影響を
及ぼす一次構造材としての使用が躊躇されている理由も
ここにある。そのため、補強材としての炭素繊維織物に
ついて、さまざまな工夫が行われている。
【0009】たとえば、特公平2−32383号発明
は、補強炭素繊維織物を連続的に走行させながらその表
面に30〜1,000kg/cm2 の高圧のウォータジ
ェットを当てて織糸を開繊し、拡幅・扁平化して、交錯
部での織糸の曲がりを小さくし、表面の凹凸を小さくす
るとともに織目を完全に閉塞することを提案している。
補強炭素繊維織物への言及はないが、同様のことは、特
開昭50−126979号公報にも記載されている。そ
して、このように処理された織物は、交錯部での織糸の
曲がりが小さく、上述した応力集中の問題は軽減され
る。また、表面の凹凸が小さく、織目も完全に閉塞され
ているから、CFRPを成形するときの、炭素繊維の偏
在による不都合も防止できよう。しかしながら、一方
で、炭素繊維織物に30〜1,000kg/cm2 もの
高圧のウォータジェットを当てると、織糸を構成してい
る単糸の折損が激しくなるという問題がある。炭素繊維
は、脆いからである。しかるに、単糸の折損が起こる
と、当然、CFRPにおける樹脂の補強効果は低下す
る。また、ウォータジェットは、織物のよこ糸方向に列
状に配置した複数個のノズル孔から指向するが、ノズル
孔のピッチが適当でないと、ウォータジェットが指向さ
れない織糸がでてきたり、織糸に複雑な方向の力が作用
したりして織糸間で開繊、拡幅・扁平化の程度に差がで
たり、単糸が蛇行したりする。この場合も、やはり補強
効果は低下する。
【0010】このように、炭素繊維織物にウォータジェ
ットを指向して織糸を開繊し、拡幅・扁平化するにあた
っては、ウォータジェットの打力やノズルピッチなどが
織物品質に大きく影響を与える。
【0011】また、炭素繊維織物のたて糸およびよこ糸
には製織性を考慮して、サイジング剤を付着させ収束さ
せているので、とくに冬場の水温が低いときには、サイ
ジング剤が硬く固まって織糸を開繊することができない
問題がある。このようにウォータジェットの場合、水温
の管理が重要となり、非常に厄介である。
【0012】さらに、ウォータジェットを指向した場
合、炭素繊維織物が多くの水を含むことになり、後の乾
燥に時間がかかるという問題もある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の上述した補強用織物、とくにサイジング剤が付着した
炭素繊維の織物の製造方法における問題点を解決し、織
糸の開繊、拡幅・扁平化の均一性の優れ、交錯部におけ
る織糸の曲がりが小さくて応力集中による破壊の問題を
ほとんど心配する必要がないばかりか、表面平滑性に優
れていてCFRPを成形するときの炭素繊維の偏在によ
る不都合を回避することができ、また物性も高く、しか
も、信頼性に優れたFRPを成形することができる補強
用織物の製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】この目的に沿う本発明の
補強用織物の製造方法は、たて糸とよこ糸の撚り数が5
回/m以下で、かつサイジング剤が付着した炭素繊維の
マルチフィラメント糸を補強繊維とする織物を、たて糸
方向に走行させながら、その織物に、その織物のよこ糸
方向に列状に配列した複数個のノズル孔からスチームジ
ェットを指向してたて糸およびよこ糸を開繊および拡
幅することを特徴とする方法からなる。
【0015】すなわち、本発明による方法は、従来のウ
ォータジェットに代えて、スチームジェットを補強用織
物に指向して、たて糸およびよこ糸を開繊および拡幅・
扁平化するものであり、とくに炭素繊維からなる補強用
織物の製造に用いて好適な方法である。
【0016】本発明方法においては、スチームジェット
の温度管理が重要となる。この温度管理は、炭素繊維織
物の場合には、炭素繊維糸に付着しているサイジング剤
のガラス転移温度(Tg)を基準に考慮すればよく、該
Tg以上の温度のスチームジェットを使用する。好まし
いスチームジェット温度は200〜300℃であり、3
〜15kg/cm2 のスチーム圧力を用いればよい。
【0017】このように、炭素繊維糸に付着しているサ
イジング剤のTg以上の温度であるスチームジェットを
採用することにより、サイジング剤が柔らかくなり、開
繊し易くなる。また、従来のウォータジェットでは水温
が低いと開繊しない問題、あるいは、水温変化により開
繊が不安定になるという問題があったが、スチームは高
温であるから、開繊が安定する。良好な開繊が安定して
行われることにより、織糸の拡幅・扁平化も円滑に行わ
れる。
【0018】また、スチームであるから、処理後の水分
率が、ウォータジェットの場合に比べて非常に少ないの
で、処理後の乾燥が簡単になる。
【0019】上記スチームジェット用のノズルの仕様と
しては、ノズル孔の大きさが、たとえば0.1〜0.5
mmφ程度が好ましく、これによって良好な開繊効果が
得られる。また、ノズルの配設ピッチとしては、1〜5
mmが好ましく、織糸ピッチによって適当に変えてもよ
い。さらに、これらノズルは、揺動されることが好まし
く、スチームジェットの揺動により開繊状態が一層均一
になる。
【0020】また、ノズル〜織物間距離としては、1〜
10mm程度が好ましく、これによって良好な開繊効果
が得られる。距離を大きく離すと、噴射流が拡散してし
まうので、所望の開繊効果が得られなくなるおそれがあ
る。
【0021】さらに、織物の走行速度についてはとくに
限定されないが、通常、0.1〜5.0m/分程度であ
る。
【0022】織物自身の織成については、通常の織成操
作により炭素繊維のマルチフィラメント糸を、織糸、
すなわちたて糸およびよこ糸とする織物を得る。
【0023】マルチフィラメント糸の単糸数は、織成操
作の容易性や、単糸数が多ければ多いほど後の開繊、拡
幅・扁平化処理における織糸内での単糸の分散の均一性
が向上することを考えると、1,000〜30,000
本程度、デニールにして400〜40,000デニール
程度であるのが好ましい。単糸径は、5〜10μm程度
である。
【0024】上述したマルチフィラメント糸は、後の開
繊、拡幅・扁平化処理を容易かつ均一性に優れるものと
するために、撚り数が5回/m以下であるものを使用す
る。開繊、拡幅・扁平化という点では無撚であるのが最
も好ましいが、撚りが全くないものは、織成操作を行い
にくい。
【0025】そのようなマルチフィラメント糸は、炭素
繊維の有撚マルチフィラメント糸に0.2〜1.8重量
%の範囲でサイジング剤を付着させ、乾燥し、ボビンに
巻き取り、撚り数が5回/m以下になるように解撚する
ことによって得るのが好ましい。すなわち、プリカーサ
ー繊維の有撚マルチフィラメント糸を焼成し、炭素化し
た後、サイジング剤を付着、乾燥させてボビンに巻き取
り、撚り数が5回/m以下になるようにボビンを回転さ
せながら解撚すると、マルチフィラメント糸が空気抵抗
を受けてバルーンを形成する。このとき、サイジング剤
の付着量が0.2〜1.8重量%の範囲にあると、空気
との摩擦でサイジング剤が剥がれ、単糸間の拘束が解け
て開繊状態となる。このようなマルチフィラメント糸を
織糸とする織物に対し、サイジング剤のTg以上の温度
のスチームジェットにより開繊処理が行われる。スチー
ムジェットの打力が低くても、織糸の十分かつ均一な開
繊、拡幅・扁平化処理が可能になる。すなわち、緩やか
な条件での開繊、拡幅・扁平化処理が可能になる。な
お、サイジング剤としてエポキシ系のものを使用する
と、脱サイジング剤の必要がなくなり、スチームジェッ
トによる開繊、拡幅・扁平化処理を終えた織物をそのま
まプリプレグ化工程やCFRPの成形工程に供すること
ができるようになる。このとき、エポキシ系サイジング
剤が水溶性成分や界面活性剤などを含んでいる場合に
は、処理に先立って水や温水で濡らしておくとよい。
【0026】上述した炭素繊維のマルチフィラメント糸
を織糸とする織物の織成にあたっては、後の開繊、拡幅
・扁平化処理を容易かつ均一に行えるよう、また、カバ
ーファクターが所望の範囲になるよう、たて糸間および
よこ糸間に形成される隙間、すなわち織目を拡げておく
ことが好ましい。どの程度拡げておくかは、織糸の太さ
などにもよるが、たて糸の幅の少なくとも1/5とす
る。例示すれば、たて糸の幅が1.5mmのときは0.
5mm前後、4〜5mmのときは10〜20mm程度に
しておく。織目の大きさが10〜20mmもあるような
織物は、メッシュ織物と呼ばれている。
【0027】織物の組織は、平組織であるのが最も好ま
しい。そして、通常は、たて糸およびよこ糸に、同じ単
糸数で、繊度の等しい織糸を使用し、かつ、たて糸方向
とよこ糸方向とで織密度を等しくする。しかしながら、
一方向織物と呼ばれる、たて糸方向に一方向組織とする
ことも可能である。
【0028】一方、目付は任意に選び得るが、織糸の単
糸数が少ない場合には、開繊、拡幅・扁平化処理の容易
性、均一性や、得られる織物の形態保持性、カバーファ
クターなどを考えると、好ましくは120〜200g/
2 、より好ましくは140〜195g/m2 の範囲に
しておく。この目付の範囲は、単糸数が12,000本
である場合、とくに好ましい。なお、目付は、開繊、拡
幅・扁平化処理の後においても変わることはない。
【0029】さて、本発明における処理の様子を図面を
用いて説明するに、図1に示すように、クリール等(図
示略)からくり出されてきたマルチフィラメント糸から
なる複数のたて糸1は、たて糸シート2に引き揃えられ
る。たて糸シート2の各たて糸1は、綜絖3の綜目4に
通され、各綜絖3の上下運動に伴ってたて糸シート2の
開閉運動が行われる。開閉されるたて糸シート2の各た
て糸1は筬5の筬目に通される。シート2が開かれたと
きによこ糸6が打ち込まれ、シート2が閉じられた後次
にシート2が開かれたときに、次のよこ糸6が打ち込ま
れる。このようにして、織物7が製織される。
【0030】製織された織物7は、引取り用のサーフェ
スローラ8を経た後、巻取機9へと送られて巻き取られ
る。このサーフェスローラ8と巻取機9との間に、スチ
ームジェットノズル10が設けられている。スチームジ
ェットノズル10は、織物7のよこ糸方向に複数個列状
に配列されている。適当なガイドローラ11、12、1
3を経た織物7のたて糸およびよこ糸は、スチームジェ
ットノズル10から指向されてくるスチームジェットに
より、開繊および拡幅・扁平化処理される。処理後の織
物7は、ガイドローラ14を経た後、一対のロール状の
乾燥ヒータ15にかけられ、ガイドローラ16を経た後
巻取機9によりロール状に巻き取られる。
【0031】スチームジェットは、織物表面に対し、9
0±20°の方向から指向し、その打力によって織糸の
開繊、拡幅・扁平化の処理を行う。織物7の走行速度、
すなわち処理速度は、スチームジェットの打力にもよる
が、0.5〜20m/分の範囲にするのが好ましい。打
力が小さいときには低速で、大きいときには高速で処理
できる。より好ましい範囲は、0.5〜15m/分であ
る。なお、織成操作上、当然であるが、織物はそのたて
糸方向が長さ方向になる。だから、図1における織物の
走行方向はたて糸方向である。
【0032】スチームジェットノズル10は、図示例で
はよこ糸方向に一列に配されているが、千鳥状に配して
もよい。各ノズル10は、好ましくは、処理中織物7の
よこ糸方向に揺動される。揺動のピッチおよび周期は、
それぞれ、たて糸ピッチの1〜5倍、0.03〜1秒程
度の範囲がよい。
【0033】また、上述したノズル10の孔径(ノズル
孔の直径)は、0.1〜0.5mmの範囲が好ましい。
0.1mm未満ではスチーム量が少なく、織物の表面に
おける打力をたとえ高くしても、織糸を開繊し、拡幅・
扁平化するのに十分なエネルギーが得られない。また、
ノズル孔が詰まりやすくなり、安定した処理が困難にな
る。一方、0.5mmを超えると、逆にスチーム量が多
すぎ、打力にもよるが、織物の表面上で隣接するスチー
ムジェット同士が干渉し合うようになり、織糸を構成し
ている単糸が不規則に曲がったり、織糸の開繊、拡幅・
扁平化の均一性が大きく低下したりするようになる。
【0034】また、ノズル孔のピッチは、織物の径糸ピ
ッチの1/2以下にしておく。1/2を超えるような大
きなピッチでは、織物の表面におけるスチームジェット
のエネルギー分布のむらが大きくなりすぎ、極端な場合
にはスチームジェットが指向されない織糸がでてきたり
して、織糸の開繊、拡幅・扁平化の均一性が大きく低下
してくる。
【0035】以上においては、便宜上、ノズル孔径やノ
ズル孔ピッチ、あるいは織物の表面におけるスチームジ
ェットの打力との関連について説明したが、これらは、
相互に関連し合っており、前述した本発明の目的を達成
するうえで有機的、一体不可分のものである。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の補強用織
物の製造方法によれば、よこ糸方向に配列したノズルか
らのスチームジェットにより、たて糸とよこ糸の撚り数
が5回/m以下で、かつサイジング剤が付着した炭素繊
維のマルチフィラメント糸を補強繊維とする織物のたて
糸およびよこ糸の開繊、拡幅・扁平化処理を行うように
したので均一性の高い優れた処理効果が得られ、交錯
部における織糸の曲がりの問題が発生せず、FRPに成
形した際の補強繊維偏在の問題も防止できる。その結
果、優れた物性の、信頼性の高いFRPを成形できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る方法を示す概略構成図
である。
【符号の説明】
1 たて糸 2 たて糸シート 3 綜絖 4 綜目 5 筬 6 よこ糸 7 織物 8 サーフェスローラ 9 巻取機 10 スチームジェット 11、12、13、14、16 ガイドローラ 15 乾燥ヒータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−194252(JP,A) 特開 昭51−53075(JP,A) 特開 昭55−98963(JP,A) 特開 昭54−142383(JP,A) 特開 平3−8832(JP,A) 特開 平5−286065(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06C 29/00 D03D 1/00 D06B 1/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 たて糸とよこ糸の撚り数が5回/m以下
    で、かつサイジング剤が付着した炭素繊維のマルチフィ
    ラメント糸を補強繊維とする織物を、たて糸方向に走行
    させながら、その織物に、その織物のよこ糸方向に列状
    に配列した複数個のノズル孔からスチームジェットを指
    向してたて糸およびよこ糸を開繊および拡幅すること
    を特徴とする、補強用織物の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記スチームジェットを織機の引取りサ
    ーフェスローラから巻取までの間で前記織物に指向す
    る、請求項1の補強用織物の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記スチームジェットは、前記サイジン
    グ剤のガラス転移温度以上を有している、請求項1また
    は2の補強用織物の製造方法。
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