JP3365142B2 - プラズマ装置及びこれを用いたプラズマ処理方法 - Google Patents

プラズマ装置及びこれを用いたプラズマ処理方法

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JP3365142B2 JP10639595A JP10639595A JP3365142B2 JP 3365142 B2 JP3365142 B2 JP 3365142B2 JP 10639595 A JP10639595 A JP 10639595A JP 10639595 A JP10639595 A JP 10639595A JP 3365142 B2 JP3365142 B2 JP 3365142B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば半導体装置の製
造に適用されるプラズマ装置及びこれを用いたプラズマ
処理方法に関し、例えばシリコン系材料膜からゲート電
極を形成する際のドライエッチングにおける対絶縁膜選
択比を向上させる装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近時では、いわゆるMOS(金属−酸化
膜−半導体の3層構造)型のトランジスタを多数集積し
たLSI(以下、単にMOS型LSIと記す)において
は、そのゲート電極材料として多結晶シリコンやポリサ
イド(多結晶シリコン−シリサイドの2層構造とされた
もの)が、また金属配線材料としてアルミ系合金がそれ
ぞれ広く用いられている。
【0003】上記MOS型LSIにおいては、極めて微
細なパターンとしてゲート電極や金属配線(アルミ電
極)等を多数形成する必要があり、そのための最も好適
な加工装置の1つとしてプラズマエッチング装置があ
る。特に近年提案されている高密度プラズマエッチング
装置は、表面に被エッチング材を有する基板を収容する
高真空容器と、当該高真空容器内にRF電界、マイクロ
波電界或は磁場を与えてプラズマを励起させる手段を備
え、低圧下でもイオン密度1011/cm2 以上の高密度
プラズマを発生させるように構成されている。
【0004】上記プラズマエッチング装置を使用するに
際して、例えばゲート電極を形成する場合には、通常エ
ッチングガスとしてハロゲン系ガスを用い、SiO2
りなるゲート酸化膜上に成膜された多結晶シリコン膜の
表面に高分子レジスト等のマスクを所定形状に形成し、
高密度プラズマにより解離生成するハロゲン・ラジカル
やハロゲン・イオンを利用してドライエッチングを施す
ことにより、所望のゲート電極が形成される。このよう
に、上記プラズマエッチング装置を用いることにより、
イオン・アシストという特有の機構で高速性及び異方性
を達成することが可能である。
【0005】なお、上記ゲート酸化膜はその膜厚が例え
ば0.25μmレベルのデザインルールが適用される記
憶容量256MDRAMの場合で5nm〜7nmと極め
て薄いために、上記ドライエッチングを実行するに際し
て、ゲート電極を形成する場合では略々100以上の対
ゲート酸化膜選択比が必要である。また、アルミ系合金
よりなるアルミ電極を形成する場合では、アルミ系材料
膜の下地として平坦化特性を高めるためにリン(P)や
ボロン(B)をドープしたSi系の層間絶縁膜が用いら
れているが、かかる不純物含有の層間絶縁膜はハロゲン
系化学種によるエッチング速度が特に大きいため、略々
15以上の対絶縁膜選択比が要求される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ド
ライエッチングを実行するに際して、対ゲート酸化膜選
択比或は対絶縁膜選択比(以下、単に選択比と記す)を
増大させると、レジストマスク下の被エッチング材がテ
ーパ形状やノッチング形状(ゲート酸化膜や絶縁膜との
界面におけるゲート材料やアルミ系合金のくびれ)とな
り易く、拡散層にオフセットが生じることになる。した
がって、これらの形状異常の発生を極力防止することが
必要である。
【0007】上記テーパ形状やノッチング形状の発生を
防止する手法として、以下に示すいくつかのものが案出
されている。先ず、ゲート電極を形成する場合の防止方
法を以下に示す。
【0008】(1)エッチングガスとして用いる塩素
(Cl2 )や臭化水素(HBr)に、二フッ化メタン
(CH2 2 )等のポリマーを形成するガスを添加して
混合ガスとして用いる。この場合、プラズマの発生によ
り、エッチングガスが反応してドライエッチングが進行
するとともに、CH2 2 等のガスがプラズマ中で解離
することによりカーボン系ポリマーが生成し、これがエ
ッチングされてゆくゲート材料の側壁部に堆積して側壁
保護膜が形成される。この側壁保護膜により、反応性の
イオンや活性中性粒子のゲート材料に対する側方攻撃を
防ぐことができる。
【0009】(2)プラズマ電極からシリコン基板へ印
加するRF(高周波)電力を増大させ、マスクであるレ
ジストマスクのエッチレートを高める。この場合、プラ
ズマの発生により、レジストマスクからの分解物量が増
大し、当該分解物により被エッチング材であるゲート材
料の側壁部に形成される側壁保護膜の膜厚が大きくな
る。この側壁保護膜により、反応性のイオンや活性中性
粒子のゲート材料に対する側方攻撃を防ぐことができ
る。
【0010】(3)反応性イオンの濃度を大きく、活性
中性粒子の濃度を小さくする。これは、ガス圧を低下さ
せることにより可能となる。この場合、上記反応性イオ
ンの平均自由行程が増大し、シリコン基板に対するイオ
ンの進入方向を揃えて異方性を向上させることが可能と
なる。
【0011】しかしながら、上記の各手法には、以下に
示すような問題がある。
【0012】(1)の手法においては、CH2 2 等の
ガスの反応によりゲート材料の側壁部のみならず上記プ
ラズマ装置の高真空容器の内壁部にカーボン系ポリマー
の膜が堆積してしまう。そのため、パーティクル汚染に
よるデバイス不良を招くほか、高真空容器内をしばしば
洗浄する必要があり、プラズマ装置のメンテナンス上の
問題がある。
【0013】(2)の手法においては、プラズマ電極か
らシリコン基板へ供給する基板バイアスのRFパワーを
増加させることにより、レジストマスクの後退による寸
法変換差が生じ易くなる。またこれと同時にゲート酸化
膜のエッチレートもまた増加してしまい、対ゲート膜選
択比の大幅な低下が惹起される。
【0014】(3)の手法においては、ドライエッチン
グ時の反応圧力を10-2Paのオーダーの低圧に保つこ
とができれば、活性中性粒子/反応性イオンの生成比を
1/10程度にできると考えられるが、活性種の絶対数
が減少するためにゲート材料のエッチレートの低下を来
すことが予想される。このエッチレートの低下を防ぐに
は、基板へ印加するRFバイアス電力を増加させなけれ
ばならず、上記(2)の手法と同様の問題が生じる。
【0015】一方、上記アルミ電極の形成に際しては、
エッチングガスとして塩化ほう素(BCl3 )の流量比
を増大させてBClx + イオンによるスパッタ作用の寄
与を高め、レジストマスクのエッチレートを高めるとい
う手法がある。この場合、レジストマスクの分解物量が
増大し、アルミ電極の側壁部における堆積量が向上して
側壁保護効果が高まる。
【0016】しかしながら、この手法においても、レジ
ストマスクのエッチレートの増加のみならず、層間絶縁
膜のエッチレートもまた増加してしまい、対絶縁膜選択
比の大幅な低下が惹起される。
【0017】このように、現在のところ、対ゲート酸化
膜選択比/対絶縁膜選択比の向上とエッチング形状の良
好な制御という相反する要求を双方とも満たすことは極
めて困難であり、ゲート酸化膜のエッチングの際の対ゲ
ート酸化膜選択比が40程度、アルミ系材料膜のエッチ
ングの際の対絶縁膜選択比が6〜7程度が実現されてい
るに過ぎず、100以上の対ゲート酸化膜選択比及び1
5以上の対絶縁膜選択比の実現は難しい現状にある。
【0018】本発明は、上述の様々な課題に鑑みてなさ
れたものであり、その目的とするところは、被エッチン
グ材のエッチレートを大幅に低下させることなく、対シ
リコン酸化物膜選択比の大幅な向上を図ることを可能と
するプラズマ装置及びそれを用いたプラズマ処理方法を
提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の対象となるもの
は、基板を収容する高真空容器内に第1の高周波電力に
より生成させた高密度プラズマを用いて当該基板に対し
て所定のプラズマ処理を施すプラズマ装置及びそれを用
いたプラズマ処理方法である。
【0020】本発明のプラズマ装置は、上記基板近傍に
上記高真空容器の器壁から絶縁され且つ上記第1の高周
波電力より小さい第2の高周波電力を供給する交流電源
に接続された器壁電極が配されるとともに、当該器壁電
極の高真空容器内の露出面が上記プラズマにより所定の
化学種を供給し得るライナで被覆されて構成されている
ことを特徴とするものである。
【0021】この場合、上記プラズマ装置としては、高
真空容器の上蓋部の周囲にプラズマ発生コイルが巻回さ
れ、当該プラズマ発生コイルに高周波パワーが供給され
てプラズマが生成されるものとすることができ、また上
記ライナとして高純度の石英等のシリコン化合物を用い
ると好適である。
【0022】なお、プラズマ発生用の高周波としては、
通常13.56MHz等のRF帯の周波数が用いられる
が、上記器壁電極に接続される交流電源の周波数はプラ
ズマ生成に影響を与えないように、これより低周波帯の
ものを用いると良い。概ね数100kHzオーダーのも
ので十分である。
【0023】また、本発明のプラズマ処理方法は、上記
プラズマ装置を用いて、上記器壁電極に印加する交流電
圧をプラズマ生成と独立して制御することにより、前記
プラズマと前記ライナとの相互作用によって前記基板上
へ所定の堆積性物質を供給しながら、所定のプラズマ処
理を行うことを特徴とするものである。
【0024】具体的に、所定のプラズマ処理としては、
ライナを高純度の石英とするとともに、基板上の所定材
料膜をハロゲン系ガスを用いてエッチングするドライエ
ッチングが好適である。
【0025】この場合、上記基板上の所定材料膜として
は、シリコン系材料膜やアルミニウム系材料膜とするこ
とができる。
【0026】
【作用】本発明において、高真空容器内に高密度プラズ
マを生成させるとともに、プラズマ生成とは独立に器壁
電極にプラズマ生成に影響を与えない程度の低周波の交
流電圧を印加することにより、当該器壁電極の高真空容
器内の露出面にもイオン・シースが形成され、その直流
電界によりイオン・スパッタ作用が期待できるようにな
る。この場合、上記露出面にはライナが被覆されている
ので、これがスパッタされることになる。したがって、
プラズマ生成とは独立に上記ライナから基板上へ化学種
を供給することが可能となる。
【0027】プラズマ処理の具体例として、ライナを高
純度の石英とするとともに、基板上の所定材料膜をハロ
ゲン系ガスを用いてエッチングするドライエッチングを
行う場合では、生成された高密度プラズマにより活性化
された反応性のハロゲン化イオン(ハロゲンラジカル)
とライナのシリコン酸化物とが反応し、オキシハロゲン
化シリコンやハロゲン化シリコンが生成される。
【0028】ここで、上記の如く生成されるオキシハロ
ゲン化シリコンは、ハロゲンをXとして、 SiOm n (2m+n=4) ・・・(1) で示され、ハロゲン化シリコンは、 SiXn (n=1〜4) ・・・(2) で示されるものである。このオキシハロゲン化シリコン
や、(2)式でn=1,2の場合の低次のハロゲン化シ
リコンは、極性の高い酸化シリコン膜や窒化シリコン膜
等のシリコン系化合物膜上に選択的に堆積し、極性の低
いシリコン膜上には堆積し難いという性質を有する。
【0029】したがって、ドライエッチング時におい
て、基板近傍のライナから生成されたオキシハロゲン化
シリコンや低次のハロゲン化シリコンが、極性の高いシ
リコン化合物膜、例えば酸化シリコン膜からなるゲート
酸化膜や層間絶縁膜上に選択的に堆積して被膜を形成す
ることにより、対ゲート酸化膜選択比及び対層間絶縁膜
選択比を向上させることができる。
【0030】
【実施例】以下、本発明に係るプラズマ装置の好適な例
として、いわゆる誘導結合型のプラズマエッチング装置
(以下、単にプラズマ装置と記す)及び当該プラズマ装
置を用いたプラズマ処理方法のいくつかの具体的な実施
例について、図面を参照しながら説明する。
【0031】先ず第1実施例について説明する。この第
1実施例のプラズマ装置は、高真空状態に保たれた高真
空容器内に設置された基板上に、当該高真空容器内に発
生させた高密度プラズマを用いて所定のドライエッチン
グを施すものである。
【0032】上記プラズマ装置は、図1に示すように、
シリコン基板1が収容される高真空容器2を有してお
り、当該高真空容器2は、セラミックを材料とする上蓋
状の絶縁ベルジャ11と、当該絶縁ベルジャ11の下部
に設置されるリアクタ12とから構成され、リアクタ1
2上にOリング31を介して絶縁ベルジャ11が設置固
定されて密閉構造が形成される。
【0033】上記絶縁ベルジャ11は、略々半球形状を
なしており、外周部にプラズマ発生コイルである非共鳴
マルチターンアンテナ21が渦巻状に巻回されて構成さ
れている。この非共鳴マルチターンアンテナ21には、
一端が接地されてなるプラズマ励起用RF電源22がイ
ンピーダンス整合用のマッチングネットワーク23を介
して電気的に接続されており、プラズマ発生時には当該
プラズマ励起用RF電源22から非共鳴マルチターンア
ンテナ21に高周波パワーが供給される。
【0034】上記リアクタ12は、当該リアクタ12の
底板を兼ねる基板ステージ24と、エッチングガスの導
入管25が設けられている側壁部26とから構成されて
おり、上記基板ステージ24上にOリング32を介して
上記側壁部26が固定される。
【0035】上記基板ステージ24は、基板1と接触す
る部分に導電性を有する基板電極33が組み込まれ、ま
た、高真空容器2内の排気を行う排気孔(図示は省略す
る)が設けられている。当該基板電極33にはマッチン
グネットワーク23を介して一端が接地されたバイアス
印加用RF電源34が電気的に接続されている。
【0036】ここで、バイアス印加用RF電源34から
上記基板電極33に所定周波数の交流電圧を印加するこ
とにより、当該交流電圧が基板バイアスとして上記基板
1に印加される。この基板電極33は、基板バイアスの
印加によりプラズマ中から入射するイオンのエネルギー
を制御するためのものである。
【0037】上記側壁部26は、陽極酸化アルミを材料
とする接地部34と、当該接地部34の下部にセラミッ
ク絶縁板35を介して配される陽極酸化アルミを材料と
する器壁電極36と、当該器壁電極36の高真空容器2
内の露出面に被覆された上記プラズマにより所定の化学
種を供給し得るライナ37とから構成されている。ここ
で、上記接地部34の中を通ってガス導入管25が高真
空容器2内に開口しており、また上記器壁電極36には
マッチングネットワーク23を介して一端が接地された
器壁電源38が電気的に接続されている。
【0038】以上の構成を有するプラズマ装置を用い
て、プラズマ励起用RF電源22から非共鳴マルチター
ンアンテナ21に高周波パワーを供給して高密度プラズ
マを発生させるとともに、器壁電源38から器壁電極3
6にプラズマ生成に影響を与えない程度の低周波の交流
電圧を印加することにより、当該器壁電極36の高真空
容器2内の露出面にもイオン・シースが形成され、その
直流電界によりイオン・スパッタ作用が期待できるよう
になる。この場合、上記露出面には上記ライナ37が被
覆されているので、これがスパッタされることになる。
したがって、プラズマ生成とは独立に上記ライナ37か
らの化学種の供給が可能となる。
【0039】次いで、本発明の第2実施例について説明
する。この第2実施例においては、上記の如く構成され
たプラズマ装置を用いて、以下に示すように基板ステー
ジ24上に設置されたシリコン基板に所定のプラズマ処
理を施す。ここでは、シリコン基板21上でMOS型ト
ランジスタのゲート電極加工を行う場合について述べ
る。
【0040】先ず、図2に示すように、単結晶シリコン
よりなるシリコン基板41の表面に選択酸化を施して素
子分離領域(図示は省略する。)を形成した後、当該素
子分離領域により区分けされた素子形成領域の表面に熱
酸化を施してSiO2 よりなるゲート酸化膜42を形成
する。
【0041】次いで、上記素子分離層の表面を含む各素
子形成領域の表面にプラズマCVD等の真空薄膜形成技
術を用いて多結晶シリコン膜43を成膜する。その後、
多結晶シリコン膜43にパターニングを施してゲート電
極45を形成する。すなわち、各素子形成領域にフォト
レジストを塗布し、露光、現像等の工程を経た後、形成
されたレジストマスク44を介して以下に示す異方性ド
ライエッチングを施して図3に示すようなゲート電極4
5を形成する。
【0042】上記プラズマ装置を用いて異方性ドライエ
ッチングを行うには、先ず高真空容器2内の基板ステー
ジ24上に上記シリコン基板21を載置固定し、当該高
真空容器2内が所定のガス圧となるまで上記基板ステー
ジ24の下部に設けられた上記排気孔から真空排気を行
う。その後、リアクタ12の側壁部26に設けられたガ
ス導入管25からエッチングガスであるCl2 を所定流
量導入する。
【0043】この状態で、プラズマ励起用RF電源22
から非共鳴マルチターンアンテナ21に所定周波数のR
F電圧(ソース電圧)を印加するとともに、基板電源3
4から上記基板電極33に所定周波数の交流電圧を印加
して基板バイアスをシリコン基板41に印加する。さら
にこのとき、RF電圧及び基板バイアスの印加ととも
に、器壁電源38から上記器壁電極36に所定周波数の
交流電圧(器壁電圧)を印加する。
【0044】上記ソース電圧の印加により、各非共鳴マ
ルチターンアンテナ21の内側に磁界が形成されて磁力
線に沿って電子が回転し、当該電子と高真空容器2内の
Cl2 ガス分子とが高確率で衝突して、約1011〜10
12/cm3 のイオン密度の高密度プラズマが発生する。
この高密度プラズマの生成により、シリコン基板41の
ゲート酸化膜上に成膜された多結晶シリコン膜43にエ
ッチングが施され、レジストマスク44により所定形状
に規制されたゲート電極45が形成されてゆく。このと
き、レジストマスク44もまた若干ながらエッチングさ
れ、そのために生成された当該レジストマスク44の分
解物がエッチングされてゆくゲート材料の側壁部に堆積
して側壁保護膜46が形成される。
【0045】それとともに、上記器壁電圧の印加によ
り、高密度プラズマにより活性化された反応性の塩素イ
オン(Cl+ )とライナ37の石英(SiO2 )とが反
応し、以下に示すオキシ塩化シリコンや塩化シリコンが
生成される。
【0046】 SiOm Cln (2m+n=4) ・・・(3) SiHn (n=1〜4) ・・・(4) このオキシ塩化シリコンや、(4)式でn=1,2であ
る低次の塩化シリコンは、極性の高い二酸化シリコン膜
や窒化シリコン膜上に選択的に堆積し、極性の低いシリ
コン膜上には堆積し難いという性質を有する。
【0047】したがって、生成されたオキシ塩化シリコ
ンや低次の塩化シリコンが極性の高い二酸化シリコン膜
であるゲート酸化膜43の露出面に選択的に堆積して被
膜が形成される。それに対して、オキシ塩化シリコンや
上記低次の塩化シリコンは、極性の低い多結晶シリコン
膜43上には堆積し難い。そのため、多結晶シリコン膜
43の対ゲート酸化膜選択比を増大させても、当該多結
晶シリコン膜43のエッチレートが低下することなく所
望のゲート電極45を形成することができる。
【0048】この第2実施例においては、上記ドライエ
ッチングを具体的には以下の条件で行った。
【0049】 Cl2 流量 50 SCCM ガス圧 0.13 Pa ソースパワー 2000W(13.56MHz) 基板バイアスパワー 300W (400KHz) 器壁電極への印加パワー 300W (100KHz) この場合における器壁電極への印加パワーとゲート酸化
膜のエッチレート(ERg)との関係を図4に、器壁電
極への印加パワーと多結晶シリコン膜の対ゲート酸化膜
選択比(Sg)/多結晶シリコン膜のエッチレート(E
Rp)との関係を図5に示す。
【0050】図4によると、器壁電圧を印加した当初
は、ERgが15nm/秒であり、印加パワーが増大す
るにつれてERgは急激な低下を示した。これは、上記
の如く生成されたオキシ塩化シリコンや低次の塩化シリ
コンがゲート酸化膜上に選択的に堆積してエッチングが
抑止された結果であると考えられる。
【0051】また、図5によると、器壁電圧を印加した
当初は、ERpが300nm/秒であり、その後印加パ
ワーが増大しても殆ど低下を示さないのに対して、Sg
は当初20程度であったが、印加パワーが増大するにつ
れて急激な増加を示した。これは、オキシ塩化シリコン
や低次の塩化シリコンは多結晶シリコン膜上には殆ど堆
積しないことの結果と考えられる。
【0052】このように、上記第2実施例においては、
多結晶シリコン膜のエッチレートを高値に保ちつつ、多
結晶シリコン膜の対ゲート酸化膜選択比を増大させて、
高いエッチング均一性をもってゲート電極を形成するこ
とが可能であることが示された。
【0053】また、高真空容器2内において、ライナ3
7はシリコン基板41の近傍、ここでは側壁部26の下
方に設けられているため、ライナ37から生成される堆
積物はシリコン基板41の近傍のみにて発生する。した
がって、高真空容器2内全体に余分なパーティクルが発
生することが抑制され、効率よく多結晶シリコン膜の対
ゲート酸化膜選択比を増大させることが可能となる。
【0054】なお、本第2実施例においては、エッチン
グガスとしてCl2 を用いた例を示したが、例えばHB
rやHIを用いても上記と同様の効果を得ることが可能
である。
【0055】次いで、第3実施例について説明する。こ
の第3実施例においては、エッチングガスとして塩素ガ
ス(Cl2 )と三塩化ホウ素ガス(BCl3 )との混合
ガスを用い、SiO2 よりなる絶縁膜上にアルミ系材料
膜及びレジストパターンが順次成膜されたシリコン基板
1上でドライエッチングを行ってアルミ配線を形成す
る。
【0056】先ず、図6及び図7に示すように、熱CV
D法によりリンやホウ素をドープしたSi02 系の層間
絶縁膜51を形成する。その後、当該層間絶縁膜51の
表面にTi,TiNを用いて順次成膜することにより2
層構成のバリヤメタル52を形成する。
【0057】次いで、記シリコン基板1の全面にスパッ
タリング法によりAl−1%Si合金或はAl−1%S
i−0.5%Cu合金よりなるアルミ系材料膜53を成
膜し、さらに当該アルミ系材料膜53上にTiNよりな
る反射防止膜54を成膜する。
【0058】そして、レジストマスク55を形成した
後、上記プラズマ装置を用いてドライエッチングを施し
てアルミ配線56を形成する。このとき、アルミ配線5
6が形成されてゆくとともに、エッチングされてゆくア
ルミ配線56またはアルミ系材料膜53の側壁部にレジ
ストマスク55の分解物が堆積して側壁保護膜57が形
成される。
【0059】この第3実施例においては、上記ドライエ
ッチングを具体的には以下の条件で行った。
【0060】 Cl2 流量 150 SCCM BCl3 流量 30 SCCM ガス圧 0.4 Pa ソースパワー 2000W(13.56MHz) 基板バイアスパワー 300W (400KHz) 器壁電極への印加パワー 300W (100KHz) この場合、上記第2実施例の場合と同様に上記ドライエ
ッチングを施すが、上記器壁電圧の印加により、高密度
プラズマにより活性化された反応性のCl+ イオン及び
BCln + イオン(n=1〜3)とライナ37の石英
(SiO2 )とが高密度プラズマ中にて反応し、上記第
2実施例の場合と同様に(3),(4)式で示すオキシ
塩化シリコンや低次の塩化シリコンが生成される。
【0061】したがって、これらオキシ塩化シリコンや
低次の塩化シリコンは、極性の高い二酸化シリコン膜で
ある上記層間絶縁膜51上に選択的に堆積し、上記アル
ミ系材料膜53には堆積し難いため、アルミ系材料膜5
3のエッチングレートを低下させることなく当該アルミ
系材料膜53の対絶縁膜選択比を増大させることができ
る。
【0062】なお、上記層間絶縁膜51はゲート酸化膜
42のような熱酸化により形成されるものと異なり、上
記の如く熱CVD法によりリンやホウ素をドープして成
長させるものであるために、熱酸化膜と比較して選択比
がとり難く、従来では対層間絶縁膜選択比は10程度で
あったが、この第3実施例では20以上の値を得ること
が可能となる。
【0063】なお、上記各実施例においては、誘導結合
型のプラズマエッチング装置を例として説明したが、本
発明はこれに限定されるものではなく、例えば、電子サ
イクロトロン共鳴のプラズマソースを利用したプラズマ
エッチング装置やヘリコン波プラズマソースを利用した
もの等にも適用可能である。また、絶縁膜の材料として
はSiO2 のみならずSiNを用いてもよい。
【0064】
【発明の効果】本発明によれば、被エッチング材のエッ
チレートを大幅に低下させることなく、対シリコン化合
物膜選択比の大幅な向上を図ることが可能となるため、
微細なゲート電極加工やその他配線加工等を極めて精度
よく行うことができ、半導体デバイスの高集積化、高信
頼化、及び高性能化に貢献することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係るプラズマ装置を示す模式図であ
る。
【図2】多結晶シリコン膜上にレジストマスクが形成さ
れた様子を模式的に示す断面図である。
【図3】レジストマスク下にゲート電極が形成された様
子を模式的に示す断面図である。
【図4】器壁電圧の印加パワーとゲート酸化膜のエッチ
ングレートとの関係を示す特性図である。
【図5】器壁電圧の印加パワーと多結晶シリコン膜の対
ゲート酸化膜選択比との関係及び多結晶シリコン膜のエ
ッチレートとの関係を示す特性図である。
【図6】層間絶縁膜上にバリヤメタル、アルミ系材料
膜、反射防止膜、及びレジストマスクが形成された様子
を模式的に示す断面図である。
【図7】レジストマスク下にアルミ配線が形成された様
子を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 シリコン基板 2 高真空容器 11 絶縁ベルジャ 12 リアクタ 21 非共鳴マルチターンアンテナ 33 基板電極 34 バイアス印加用RF電源 36 器壁電極 37 ライナ 38 器壁電源

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板を収容する高真空容器内に第1の高
    周波電力により生成させた高密度プラズマを用い当該基
    板に対して所定のプラズマ処理を施すプラズマ処理装置
    において、 上記基板近傍に上記高真空容器の器壁から絶縁され且つ
    上記第1の高周波電力より小さい第2の高周波電力を供
    給する交流電源に接続された器壁電極が配されるととも
    に、当該器壁電極の高真空容器内の露出面が上記プラズ
    マにより所定の化学種を供給し得るライナで被覆されて
    いることを特徴とするプラズマ装置。
  2. 【請求項2】 上記高真空容器の上蓋部の周囲にプラズ
    マ発生コイル巻回され、当該プラズマ発生コイルに高周
    波パワーが供給されてプラズマが生成されることを特徴
    とする請求項1記載のプラズマ装置。
  3. 【請求項3】 上記ライナがシリコン化合物よりなるこ
    とを特徴とする請求項1記載のプラズマ装置。
  4. 【請求項4】 上記シリコン化合物が高純度の石英より
    なることを特徴とする請求項記載のプラズマ装置。
  5. 【請求項5】 基板を収容する高真空容器内に第1の高
    周波電力により生成させた高密度プラズマを用い当該基
    板に対して所定のプラズマ処理を施すものであり、上記
    基板近傍に上記高真空容器の器壁から絶縁され且つ上記
    第1の高周波電力より小さい第2の高周波電力を供給す
    る交流電源に接続された器壁電極が配されるとともに、
    当該器壁電極の高真空容器内の露出面が上記プラズマに
    より所定の化学種を供給し得るライナで被覆されてなる
    プラズマ装置を用いて、 上記器壁電極に印加する交流電圧をプラズマ生成と独立
    して制御することにより、上記プラズマと上記ライナと
    の相互作用によって上記基板上へ所定の堆積性物質を供
    給しながら、所定のプラズマ処理を行うことを特徴とす
    るプラズマ処理方法。
  6. 【請求項6】 上記高真空容器の上蓋部の周囲にプラズ
    マ発生コイルが巻回され、当該プラズマ発生コイルに高
    周波パワーが供給されてプラズマが生成されるプラズマ
    装置を用いることを特徴とする請求項5記載のプラズマ
    処理方法。
  7. 【請求項7】 上記ライナを高純度の石英とした上で、
    所定のプラズマ処理として基板上の所定材料膜をハロゲ
    ン系ガスを用いてエッチングするドライエッチングを行
    うことを特徴とする請求項5記載のプラズマ処理方法。
  8. 【請求項8】 上記基板上の所定材料膜がシリコン系材
    料膜であることを特徴とする請求項7記載のプラズマ処
    理方法。
  9. 【請求項9】 上記基板上の所定材料膜がアルミニウム
    系材料膜であることを特徴とする請求項7記載のプラズ
    マ処理方法。
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