JP3364109B2 - 集積回路装置の歩留まり推定方法 - Google Patents
集積回路装置の歩留まり推定方法Info
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Description
造するにあたり、投入ウエハ数に対して得られる良品デ
バイス数を決定するための歩留まりの推定方法に関す
る。
C等の新規にプロセスを開発することが多い多品種少量
生産用のデバイスにおいては、生産された良品デバイス
数が必要数に達しないのでは大問題となることから、ど
うしても一定の余裕を持って多数のウエハを投入するこ
とになる。その結果、必要数を超える多くの良品デバイ
スが作られる等の無駄を生じていた。
置を製造するにあたり、投入したウエハ数から最終的に
得られるであろう良品デバイスの数を正確に推定するこ
とにより、投入ウエハ数の余裕を小さくして、無駄なウ
エハの削減と、製造に要する無駄な時間,資材の節約と
を図ることは重要な課題である。
程における歩留まりを推定する方法として、拡散工程等
の欠陥密度を利用する方法がある。これは、集積回路の
それぞれのチップ面積と、該集積回路装置が製造される
拡散工程等の欠陥密度を用いて集積回路装置の予測歩留
まりを算出するものであり、たとえば以下のような手順
によって行われている。
cm2 )、製造に使用される拡散工程の欠陥密度を D
(単位:個/cm2 )とすると、予測歩留まり Y(単
位:%)は、例えば、下記各式 Y={exp(−A*D)}*100 (ポアソンの式) Y={1/(1+A*D)}*100 (シーズの式) Y=1/{(1+A*D*S)1/S }*100(スタッパーの式) (ただし、Sは工程変動許容度である) Y=[{1−exp(−A*D)}/A*D)]2 *100 (マーフィーの式) Y=exp{−√(A*D)}*100 (ムーアの式) に基づいて算出されている。
マスク不良,汚染,結晶欠陥等の点状欠陥を意味する。
順により算出される。
ついて、各工程における事象が独立であるという仮定に
基づきx個の欠陥が発生する確率Pを表す2項分布を算
出し、これに工程数が十分大きく、欠陥の発生確率が十
分小さく、欠陥の分布がウエハ面内、ウエハ間、ロット
間で一様であると仮定すると欠陥密度Dは定数となるの
で、確率Pは、下記ポアソン分布 P{X=x}={(A*D)x /x!}exp(−A*
D) で表される。したがって、歩留まりYは、下記ポアソン
の式 Y=P{X=0}={exp(−A*D)}*100 で表される。ただし、一般的にはこのポアソンの式にし
たがって算出した歩留まりは、実際の歩留まりよりも小
さくなる傾向にあるといわれている。
分布があるとしてこの分布関数をガンマ関数と仮定する
ことにより、下記スタッパーの式 Y=1/{(1+A*D*S)1/S }*100 が得られる。
1とすることにより、下記シーズの式 Y={1/(1+A*D)}*100 が得られる。したがって、このシーズの式は、広義には
スタッパーの式に含まれることになる。以下の説明で
は、このシーズの式をスタッパーの式の特殊な場合と捉
え、これらをスタッパーの式として総称することにす
る。
定式を使用して予測歩留まりを推定し、その推定結果に
基づいて投入するウエハ枚数を決定することにより、無
駄なウエハ,処理時間,原料の消費をできるだけ回避す
るようにしていた。
来の各式を用いて歩留まりの推定を行う場合、チップ面
積が小さい場合、あるいはマスク回数が少ない場合に
は、実際の歩留まりと比較的よく一致するが、チップ面
積とが大きくなると実際値と大きなずれを生じるという
問題があった。図7は、上記各式における歩留まりのチ
ップ面積依存特性を示す特性曲線である。ポアソンの
式,スタッパーの式(シーズの式),マーフィーの式
は、チップ面積が小さい場合には互いに近い予測歩留ま
りの値を示すが、チップ面積が大きくなると、互いに大
きく食い違ってくることがわかる。この特性曲線の形状
からも、チップ面積が大きくなると、推定値と実際の歩
留まりとの食い違いが大きくなるであろうことが予測さ
れる。
歩留まりを推定する場合の推定値と実際値との比較を以
下に行う。ただし、S=1とする。
2 )の拡散工程において、以下の各種の集積回路装置A
〜Cを製造する場合を考える。
式を用いて予測歩留まりを算出すると、以下のようにな
る。
スタッパーの式を用いて算出する場合の予測歩留まりの
チップ面積依存曲線y1と、上記集積回路装置A〜Cを
実際に製造した際の歩留まりZa1〜Zc1を示している。
同図に示されるように、実際の歩留まりZa1〜Zc1は、
スタッパーの式に基づく推定値曲線y1に一致せずに、
曲線y1の上下にばらついている。
は、いずれの推定式を使用するにしても、かなり大きな
余裕をもってウエハを投入せざるを得ず、無駄なウエハ
や時間等を節約することが困難であった。
ては、開発段階で既に必要なウエハの数量を予測しなけ
ればならないが、予測した歩留まりから大きくはずれる
集積回路装置が多数存在していた。
な歩留まりの推定値と実際値との相違を生じる原因の解
明とその解決とを試みた結果、その主な原因が、集積回
路装置内に配設されているトランジスタ等の素子の密度
の相違によるものであるらしいことを見出した。
であり、その目的は、集積回路装置内に配設される素子
密度を考慮して歩留まりの推定を行うことにより、チッ
プ面積の如何にかかわらず精度よく集積回路装置の予測
歩留まりを算出しうる統一的な歩留まり推定方法を提供
することにある。
に、本発明では、集積回路装置の歩留まり推定方法とし
て、チップ面積から歩留まりを予測する推定式を用いる
際に、素子密度を考慮して補正されたチップ面積から歩
留まりを推定することにある。
る集積回路装置の歩留まり推定方法に関する手段を講じ
ている。
は、請求項1に記載されているように、集積回路装置内
の素子数と上記集積回路装置のチップ面積と上記集積回
路装置の製造工程における欠陥密度とを入力するステッ
プと、上記素子の単位面積当たりの数である素子密度を
算出するステップと、予想される歩留まりの欠陥密度及
びチップ面積に対する依存特性を表す推定式を選ぶステ
ップと、上記ステップで算出された上記素子密度に応じ
てチップ面積を補正するステップと、上記補正されたチ
ップ面積と上記欠陥密度を上記推定式に代入して、上記
集積回路装置の予測される歩留まりを算出するステップ
とを備えている。
密度が大きいほどチップ面積が大きくなるように補正さ
れる。すなわち、素子密度が大きくなると配線密度も大
きくなることから、同じ数の欠陥に対する故障の発生確
率が高くなる、つまり歩留まりが低下することから、こ
のようにチップ面積が補正されることで、チップ面積の
如何に拘わらず高精度の歩留まり推定を行うことができ
る。
1において、上記製造工程で製造される集積回路装置の
素子数を基にして得た平均素子密度を算出するステップ
をさらに備え、上記チップ面積を補正するステップで
は、上記素子密度を平均素子密度で除した値の関数とし
て補正係数を決定し、この補正係数を入力されたチップ
面積に乗じることにより、チップ面積を補正することが
できる。
変数をより適正に設定することができ、歩留まり推定の
ための統一的な手法を確立することが可能になる。
2において、上記チップ面積を補正するステップでは、
上記使用する推定関数から逆算して得られる逆算チップ
面積をチップ面積で除した値と、素子密度を平均素子密
度で除した値との相関関係を示す各種集積回路装置につ
いてのデータから素子密度を平均素子密度で除した値の
もっとも確からしい関数として補正係数を決定すること
ができる。
造する工程におけるデータに基づいた正確な歩留まりの
推定を行うことができる。
1−3のいずれか1つにおいて、上記集積回路装置内に
異なる種類の回路が配設されている場合には、上記素子
密度を算出するステップでは、上記回路の種類に応じた
重み付けを行って素子密度を算出することが好ましい。
の種類によって異なる配線密度の相違を反映した歩留ま
りの推定を行うことが可能になり、歩留まりの推定精度
が向上する。
4において、上記集積回路装置内に、ロジック回路領域
とメモリーセル領域とが設けられている場合には、上記
素子密度を算出するステップでは、上記メモリーセル領
域の素子数に0より大きく1より小さい重み係数を乗じ
て素子密度を算出することが好ましい。
ンジスタでは1トランジスタあたりの配線が少ない事実
を反映した歩留まり推定を行うことができる。
4において、上記集積回路装置内にデジタル回路領域と
アナログ回路領域とが設けられている場合には、上記ア
ナログ回路領域の素子数に1よりも大きい重み付けを行
って素子密度を算出することが好ましい。
ジスタは1トランジスタあたりの配線量が多い等の事実
を反映した歩留まり推定を行うことができる。
1−6のいずれか1つにおいて、上記集積回路装置内の
各素子の拡散層間を接続する配線層の形成状態により、
同じ個数の欠陥が与える故障確率が互いに異なる複数種
類の素子が設けられている場合には、上記素子密度を算
出するステップでは、上記各素子と配線との接続部にお
ける欠陥が与える故障確率に応じて上記素子数に重み付
けを行って素子密度を算出することが好ましい。
とCWROMセルとのごとく、配線構造の相違によって
同じ欠陥数がもたらす故障の確率が異なる場合において
も、これを考慮した高精度の歩留まり推定を行うことが
できる。ここで、ALROMとは記憶させるデータの形
成にアルミニウム配線を用いる形式のROMをいい、C
WROMとはバイアホール(コンタクト)の有無を用い
る形式のROMをいう。
1−7のうちいずれか1つにおいて、上記欠陥密度の推
定を、当該集積回路装置の製造工程における各種集積回
路装置についてのチップ面積及び欠陥密度と実際の歩留
まりとの関係を示すデータに基づいて行うことができ
る。
の歩留まりを算出することの困難さを回避しながら、各
製造ライン及び各種集積回路装置特有の条件に左右され
ることが多い実際の歩留まりに基づいた正確な欠陥密度
の把握が可能になる。
8において、上記チップ面積として、各集積回路装置に
おける素子密度に応じて素子密度が大きいほどチップ面
積を大きくするように補正したものを用いることが好ま
しい。
躍的に向上するので、最終的な歩留まり推定精度もさら
に高くなる。
いて、図1〜図3を参照しながら説明する。本実施形態
では、上記「発明が解決しようとする課題」の欄で例示
した3種類の集積回路装置A〜Cについて、トランジス
タ密度を考慮しながらスタッパーの式を用いた歩留まり
の推定を行う。ただし、本実施形態では、説明を単純化
するために、集積回路装置A〜Cがメモリを含まないラ
ンダムロジックのみを配設した集積回路装置である場合
について説明する。
方法の手順を示すフローチャートである。
〜Cのチップ面積,Tr数,欠陥密度を入力する。ただ
し、各集積回路装置のTr数は、以下の通りである。
(トランジスタ密度が小さい)ものであり、集積回路装
置Bは単位面積当たりのTr数が多いものであり、集積
回路Cは単位面積当たりのTr数が平均値のものであ
る。
中における拡散工程の欠陥密度Dは、たとえば半導体基
板面を観察して、結晶欠陥数,パーティクル数などを検
出することにより直接的に求められる。ただし、現実に
デバイスの不良につながる欠陥と実際に検出される欠陥
とは必ずしも一致しないことや、多数の工程において1
つの欠陥を重畳して数えることなどを考慮して、経験的
に欠陥密度Dを求めることも可能である。たとえば、使
用する製造ラインにおいては、スタッパーの式等で表さ
れる歩留まりのチップ面積依存特性が欠陥密度Dをパラ
メータとして変わることを利用して、実験で得られたチ
ップ面積と歩留まりのデータから最小2乗法等により、
欠陥密度Dを比較的正確に決定することができる。たと
えば、図6に示すデータがある場合には、D=1.1と
決定することができる。ただし、後述するように、この
欠陥密度Dを決定する際にも、チップ面積をトランジス
タ密度で補正することが好ましい。また、図6におい
て、各集積回路装置において実際のデータを示す各点が
推定曲線から大きくずれていることに対しては、上述の
トランジスタ密度の相違の他、設計ミスや工程数の相違
などの多くの要因が影響している。
とする課題」の欄で述べたと同様に、欠陥密度Dが一様
で0.63(個/cm2 )であったとする。
単位面積あたりのTr数であるトランジスタ密度TD
(単位:個/cm2 )を、下記式 TD=Tr数/チップ面積 から算出する。また、現に製造している各種集積回路装
置のトランジスタ密度TDの平均値である平均トランジ
スタ密度TDM(単位:個/cm2 )も同様に算出す
る。本実施形態では、上記拡散工程において現に製造し
ている各種集積回路装置の平均トランジスタ密度TDM
が5400(個/cm2 )と算出されたとする。
Y=f(A)を選ぶ。本実施形態では、スタッパーの式
である下記式(1) Y={1/(1+A*D)}*100 (1) を用いる。
上記式(1)におけるチップ面積Aを集積回路装置内に
おけるトランジスタ密度を考慮して補正することが最大
の特徴である。たとえばトランジスタ密度が高くなる
と、配線密度も高くなり、同じ欠陥密度に対する故障の
発生確率が高くなるからである。そのために、本実施形
態では、チップ面積Aの補正係数をKとして、上記式
(1)を下記式(2) Y={1/(1+A*K*D)}*100 (2) の形にする。
回路装置毎のTr数を反映するようにチップ面積Aを補
正する係数であるが、この補正係数Kを決定するため
に、以下の処理を行う。
ら、その逆関数であるA=f-1(Y)を算出する。本実
施形態では、現に製造している各集積回路装置の実際の
拡散工程の歩留まりY(単位:%)と、拡散工程の欠陥
密度D(単位:個/cm2 )から、スタッパーの式を用
いて逆算する。すなわち、逆算チップ面積A’(単位:
cm2 )は、下記式(3) A’=(100/Y−1)/D (3) で表し、この式(3)に欠陥密度Dを代入する。式
(3)における予測歩留まりYが最終的にトランジスタ
密度TDを考慮して補正されることを考えると、このよ
うに算出された逆算チップ面積A’は補正されたチップ
面積と考えることができるので、K=A’/Aと考えて
もよい。
タ密度TDに依存して変化する関数であるとしている。
すなわち、K値は、トランジスタ密度TDと平均トラン
ジスタ密度TDMとの比(TD/TDM)の関数になる
と考え、下記式(4) K=A’/A=g(TD/TDM) (4) を決定するために、以下の処理を行う。
積Aとの比(A’/A)と、集積回路装置のトランジス
タ密度TDと、上記集積回路装置を製造する拡散工程に
おいて現に製造している各種集積回路装置のTDの平均
値である平均トランジスタ密度TDMとの比(TD/T
DM)との関係をプロットした図である。図3に示すさ
れるように、比(A’/A)と比(TD/TDM)との
間には、概略的に以下のような傾向がある。
ジスタ密度TDMより大きい場合 この場合には、Tr相互の位置関係が密になることから
歩留まりに影響を及ぼす1Tr当たりの平均配線長が減
少するため、(A’/A)<(TD/TDM)となる。
つまり、図3において、A’/A=TD/TDMとした
ときの直線g1よりも下方にある点が多い。また、トラ
ンジスタ密度TDが平均トランジスタ密度TDMより大
きくなればなるほど、左辺と右辺との差は大きくなる。
ジスタ密度TDMより小さい場合 この場合には、歩留まりに影響を及ぼす1Tr当たりの
平均配線長が増加するため、(A’/A)>(TD/T
DM)となり、トランジスタ密度TDが平均トランジス
タ密度TDMより小さくなればなるほど、左辺と右辺の
差は大きくなる。つまり、図3において、A’/A=T
D/TDMとしたときの直線g1よりも上方にある点が
多い。
いては、比(TD/TDM)の値は0.3〜4程度にな
るので、この定義域においてデータと適合するような関
数関係を決定すればよい。
データに適合するように、関数関係K=g(TD/TD
M)を決定する。ここでは、図3の各点の分布状態から
見て、同図に示す曲線g2がデータにもっとも近い関数
を表すとする。つまり、補正係数Kを、比(TD/TD
M)の平方根の関数として、下記式(5) K=SQRT(TD/TDM) (5) で近似する。これは、実用上十分な近似であることがわ
かった。
ら補正係数Kを算出する。たとえば、上記集積回路装置
A〜CのK値は以下のように算出される。
式(1)に代入することにより、予測歩留まりを算出す
る。たとえば、上記各集積回路装置A〜Cの予測歩留ま
りは、以下のように算出される。
関係を示す。図中、実線で示す点Ya2〜Yc2は上述の算
出結果を示す。また、点線で示される点Za1〜Zc1は補
正されていないチップ面積Aについて実際の歩留まりを
表示した点であり、実線で示される点Za2〜Zc2は実際
の歩留まりを補正されたチップ面積A*Kについて表示
した点である。同図に示されるように、補正されたチッ
プ面積A*Kを用いて比較すると、実際の歩留まりと予
測歩留まりは、各集積回路装置A〜Cについてよく一致
している。
きの式(1)つまりスタッパーの式から算出される曲線
であり、上記図5に示すものと同じ曲線である。同図に
示されるように、予測歩留まりYa2〜Yc2は曲線y1に
ほぼのっている。つまり、チップ面積を補正すること
で、スタッパーの式等の基本的な推定式を用いた歩留ま
りの推定を正確に行うことができることがわかる。
ば、トランジスタ密度を考慮して補正された推定式(本
実施形態ではスタッパーの式)から予測歩留まりを算出
することにより、実際値にほぼ一致した歩留まりを算出
することができ、非常に高い推定精度を得ることができ
る。
分配線密度も高くなるので、単位面積内に同じ数の欠陥
があったとしても、その欠陥によって集積回路装置が故
障する確率も増大する。そこで、トランジスタ密度TD
が大きいものではこのチップ面積を見かけ上実際の値A
よりも大きくするように補正することにより、推定式を
利用しながら推定精度を高めることができるのである。
うに、補正係数Kを比(TD/TDM)の関数として表
す必要はなく、実験等から補正係数Kをトランジスタ密
度TDの関数として決定してもよい。
路装置における平均トランジスタ密度TDMを求め、比
(TD/TDM)に応じて補正係数Kを決定することに
より、補正係数Kを決定するための変数をより適正に設
定することができ、その結果、K値を求めるための統一
的な手法を確立することが可能になる。
各種集積回路装置における比(TD/TDM)と比
(A’/A)との相関関係から比(TD/TDM)と補
正係数Kとの関数関係を決定することにより、現実のデ
ータに即してより確からしい関数関係gを求めることが
できる。
も、本実施形態の手法を利用して、チップ面積をトラン
ジスタ密度TDで補正しておくことが好ましい。たとえ
ば図6に示す点A,B,Cは補正前のチップ面積である
が、これらをトランジスタ密度TDと平均トランジスタ
密度TDMとの比で補正することによって、それぞれ同
図に示す点A’,B’,C’のごとく推定曲線に近い点
に移動するので、たとえば最小2乗法を用いてパラメー
タである欠陥密度Dの決定を行う際にも、より正確な推
定を行うことが可能となる。
積回路装置の予測歩留まりに関する第2の実施形態につ
いて説明する。本実施形態では、メモリとしてROMを
含む集積回路装置Dの歩留まりを推定する方法について
説明する。
するデータは以下の通りである。
位:個)とすると、 TrROM =524,288個 集積回路装置内のROM以外のTr数をTrLOG (単
位:個)とすると、 TrLOG =130,000個 集積回路装置Dを製造する拡散工程の欠陥密度 D=0.63(個/cm2 ) 上記拡散工程において現に製造している各種集積回路装
置のTDの平均値 TDM=5400(個/cm2 ) 本実施形態においても、図1のフローチャートの各ステ
ップST1〜ST7に沿って歩留まりの推定を行う点は
同じである。ただし、本実施形態では、歩留まりに影響
を与える欠陥としては、パーティクルの存在によって生
じる配線のショートや断線が不良の大部分を占めること
を考慮して、以下のような修正を施している。
ROM とTrLOG とを入力し、ステップST2では、以下
の考えに基づきトランジスタ密度TDを算出する。
とROM内のTrとでは、1Trあたりの配線数(但
し、電源との接続配線を除く)に、以下のような差異が
ある。
線部分で同じ欠陥密度が存在していても、その欠陥密度
の集積回路装置の歩留まりへの影響が異なってくること
を考慮して、トランジスタ密度TDを算出するにあた
り、ROM部分のTr数を上記配線数の比を用いて補正
する。すなわち、下記式 TD=(TrLOG +0.5*TrROM )/A により、トランジスタ密度TDを算出する。言い換える
と、トランジスタ等の素子の種類に応じて重み付けを行
う。
プST1〜ST7に沿って、補正係数Kの算出,予測歩
留まりYの算出を実行した結果、下記の値が得られた。
る。同図に示されるように、点Yd は、曲線y1に極め
て近い値を示している。
によれば、メモリTrとロジックTrとでは1Trあた
りの配線数に相違がある点に着目し、それに応じて重み
付けを行ったトランジスタ密度TDを用いて歩留まりの
推定を行うことにより、メモリとロジックとを備えた集
積回路装置についても、高い歩留まり推定を行うことが
できる。
態における重み付けの値に限定されるものではない。
について説明する。本実施形態では、上記第2の実施形
態のようなTrの配線数の相違だけでなく、配線の構造
による不良の発生確率の相違をも考慮する。
CWROMセルとにおける不良の発生確率の相違を説明
するための平面図である。ここで、ALROMとは記憶
させるデータの形成にアルミニウム配線を用いる形式の
ROMをいい、CWROMとはバイアホール(コンタク
ト)の有無を用いる形式のROMをいう。ALROMセ
ルとCWROMセルにおいて、同じ4つのパーティクル
が同じ箇所に存在していたとして、図4(a)に示すA
LROMセルにおいては3箇所でショートが発生するの
に対し、CWROMにおいては、2箇所でしかショート
が発生しない。つまり、配線の形成方法が異なるため
に、CWROMセルにおいてはX方向のみにおいてAL
間ショートが問題となるのに対し、ALROMセルにお
いては、コンタクトにおけるアルミニウムデータが各々
孤立しているためにX,Y方向のいずれにおいてもショ
ートが問題となるからである。
におけるALROMセルの数をTRALROM とし、CWR
OMセルの数をTRCWROM として、トランジスタ密度T
D(実質的には配線密度)を下記式 TD=(TrLOG +0.5*(TrALROM +TrCWROM
*0.55)}/A に基づき算出する。
処理を行うことは、上記第1,第2の実施形態と同じで
ある。
接続する配線の形成方法によって、同じ数の欠陥に対す
る故障確率が異なることに着目し、それに基づいて素子
数に重み付けを行ってトランジスタ密度TDを算出する
ことにより、より高い精度で歩留まり推定を行うことが
できる。
態における重み付けの値に限定されるものではない。
施形態では、いずれもデジタル回路のみが配置されてい
ることを前提に説明したが、デジタル回路とバイポーラ
トランジスタ等を有するアナログ回路とが配置されてい
る場合についても、1Trあたりの配線数等を考慮した
Tr数の重み付けを行うことができる。その場合、Tr
の大きさと配線量とを考慮して、たとえばアナログ回路
のTr数をTrANAとすると、TrANAには4倍程度の重
み付けを行うことにより、下記式 TD=(TrLOG +4*TrANA)/A のようにトランジスタ密度TDを算出することができ
る。
1である場合のスタッパーの式(狭義にはシーズの式)
を用いて歩留まりの推定を行ったが、本発明はかかる実
施形態に限定されるものではなく、工程変動許容度Sが
1でないスタッパーの式 Y=1/{(1+A*D*S)1/S }*100 において、チップ面積Aの代わりにA*Kを用いてもよ
い。
ムーアの式、あるいは他の推定式を利用することができ
ることはいうまでもない。
れもトランジスタであるが、本発明の素子はかかる実施
形態に限定されるものではなく、ダイオード等のトラン
ジスタ以外の能動素子や、抵抗素子,容量素子等の受動
素子についても本発明を適用することができる。
ップ面積に対する歩留まりの依存特性を示す推定式を用
いて集積回路装置の歩留まりを推定する方法として、チ
ップ面積をトランジスタ密度に応じて補正するようにし
たので、数多くの種類の集積回路装置を同一の製造工程
で製造する集積回路装置製造事業において、該集積回路
装置のレイアウト設計完了前に正確な歩留まり予測が可
能となり、よって、集積回路装置の製造工程への投入ウ
エハ等の無駄を削減することができる。
平均素子密度の比に応じてチップ面積を補正することに
より、歩留まりの推定精度のさらなる向上を図ることが
できる。
によって配線密度が異なることや、配線の種類によって
欠陥が与える故障確率が異なることを考慮して素子密度
を算出する際の素子数に重み付けを行うようにしたの
で、歩留まりの推定精度のさらなる向上を図ることがで
きる。
を算出する際にも素子密度に応じてチップ面積を補正す
るようにしたので、歩留まりの推定精度のさらなる向上
を図ることができる。
の手順を示すフローチャート図である。
留まり結果とを比較して示す図である。
装置のA’/AとTD/TDMの相関関係を示す図であ
る。
MセルとCWROMセルとにおける配線構造の相違を示
すための平面図である。
予測歩留まりと実際の歩留まり結果とを示す図である。
から欠陥密度を決定する方法を説明するための図であ
る。
記述する推定曲線を示す特性図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 集積回路装置内の素子数と、上記集積回
路装置のチップ面積と、上記集積回路装置の製造工程に
おける欠陥密度とを入力するステップと、 上記素子の単位面積当たりの数である素子密度を算出す
るステップと、 予想される歩留まりの欠陥密度及びチップ面積に対する
依存特性を表す推定式を選ぶステップと、 上記ステップで算出された上記素子密度に応じてチップ
面積を補正するステップと、 上記補正されたチップ面積と上記欠陥密度を上記推定式
に代入して、上記集積回路装置の予測される歩留まりを
算出するステップとを備えている集積回路装置の歩留ま
り推定方法。 - 【請求項2】 請求項1に記載の集積回路装置の歩留ま
り推定方法において、 上記製造工程で製造される集積回路装置の素子数を基に
して得た平均素子密度を算出するステップをさらに備
え、 上記チップ面積を補正するステップでは、上記素子密度
を平均素子密度で除した値の関数として補正係数を決定
し、この補正係数を入力されたチップ面積に乗じること
により、チップ面積を補正することを特徴とする集積回
路装置の歩留まり推定方法。 - 【請求項3】 請求項2に記載の集積回路装置の歩留ま
り推定方法において、 上記チップ面積を補正するステップでは、上記使用する
推定関数から逆算して得られる逆算チップ面積をチップ
面積で除した値と、素子密度を平均素子密度で除した値
との相関関係を示す各種集積回路装置についてのデータ
から素子密度を平均素子密度で除した値のもっとも確か
らしい関数として補正係数を決定することを特徴とする
集積回路の歩留まり推定方法。 - 【請求項4】 請求項1−3のいずれか1つに記載の集
積回路装置の歩留まり推定方法において、 上記集積回路装置内には、異なる種類の回路が配設され
ており、 上記素子密度を算出するステップでは、上記回路の種類
に応じた重み付けを行って素子密度を算出することを特
徴とする集積回路装置の歩留まり推定方法。 - 【請求項5】 請求項4に記載の集積回路装置の歩留ま
り推定方法において、 上記集積回路装置内には、ロジック回路領域とメモリー
セル領域とが設けられており、 上記素子密度を算出するステップでは、上記メモリーセ
ル領域の素子数に0より大きく1より小さい重み係数を
乗じて素子密度を算出することを特徴とする集積回路装
置の歩留まり推定方法。 - 【請求項6】 請求項4に記載の集積回路装置の歩留ま
り推定方法において、 上記集積回路装置内には、デジタル回路領域とアナログ
回路領域とが設けられており、 上記アナログ回路領域の素子数に1よりも大きい重み付
けを行って素子密度を算出することを特徴とする集積回
路装置の歩留まり推定方法。 - 【請求項7】 請求項1−6のいずれか1つに記載の集
積回路装置の歩留まり推定方法において、 上記集積回路装置内の各素子の拡散層間を接続する配線
層の形成状態により、同じ個数の欠陥が与える故障確率
が互いに異なる複数種類の素子が設けられており、 上記素子密度を算出するステップでは、上記各素子と配
線との接続部における欠陥が与える故障確率に応じて上
記素子数に重み付けを行って素子密度を算出することを
特徴とする集積回路装置の歩留まり推定方法。 - 【請求項8】 請求項1−7のうちいずれか1つに記載
の集積回路装置の歩留まり推定方法において、 上記欠陥密度の推定は、当該集積回路装置の製造工程に
おける各種集積回路装置についてのチップ面積及び欠陥
密度と実際の歩留まりとの関係を示すデータに基づいて
行われることを特徴とする集積回路装置の歩留まり推定
方法。 - 【請求項9】 請求項8に記載の集積回路装置の歩留ま
り推定方法において、 上記チップ面積として、各集積回路装置における素子密
度に応じて素子密度が大きいほどチップ面積を大きくす
るように補正したものを用いることを特徴とする集積回
路装置の歩留まり推定方法。
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