JP3363915B2 - 高能率符号化方式 - Google Patents

高能率符号化方式

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JP3363915B2 JP27887191A JP27887191A JP3363915B2 JP 3363915 B2 JP3363915 B2 JP 3363915B2 JP 27887191 A JP27887191 A JP 27887191A JP 27887191 A JP27887191 A JP 27887191A JP 3363915 B2 JP3363915 B2 JP 3363915B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、画像データの高能率符
号化方式に関するものである。 【0002】 【従来の技術】画像の符号化方式の一つに、画素値の変
化の激しい部分に小さいサイズのブロックを割り当て、
ゆるやかな部分に大きいサイズのブロックを割り当てて
ブロック分割し、各ブロック内の画素値の変化を直交変
換の係数か近似式の係数に変換し、その係数を量子化し
て符号化する方式がある(特開昭62−252217号
(データ符号化方式)公報などに示されている。)。こ
こではこの方式を適応ブロックサイズ符号化方式とよ
ぶ。また、前記直交変換の係数もしくは近似式の係数を
特に変換係数と呼ぶことにする。この適応ブロックサイ
ズ符号化方式では、変換係数を量子化する処理におい
て、人間の視覚特性を利用し効率よく行う従来の技術が
あった。しかしこの従来の技術は、特に低い圧縮や特に
高い圧縮では効率化が維持できず、限定された圧縮範囲
でしか効果を得ることができなかった。 【0003】そこで、はじめにこの適応ブロックサイズ
符号化の概要について説明する。まず、分割した各ブロ
ック内の画素値は、通常直交変換か近似式の係数に変換
される。一例として(1)式のような近似式がある。 f(i,j)=A×i×j+B×i+C×j+D ...(1) {iはブロック内の水平方向の位置。jはブロック内の
垂直方向の位置。f(i,j)はブロック内の(i,
j)の位置の近似値。A,B,C,Dは変換係数(近似
式の係数。)} つまり、ブロック内の画素値をA−Dの4つの変換係数
で表現することになる。従って、同じサイズのブロック
で画像全体を分割し(1)式で近似してしまうと、画素
値の変化のゆるやかな部分より、変化の激しい部分で大
きな近似誤差が発生してしまう。画素値の変化にかかわ
らず近似誤差を均一にするためには、変化の激しい部分
はより小さいサイズのブロックで分割する必要がある。
以下この近似誤差をたんに歪みと呼ぶことにする。そこ
で適応ブロックサイズ符号化では、ある任意の値を許容
できる最大の歪みとして設定し、画像の各部分において
その歪みをこえない範囲でできるだけ大きいサイズのブ
ロックにより分割をするようにしている。これにより、
必然的に画素値の変化の激しい部分は小さいサイズのブ
ロックで分割され、ゆるやかな部分は大きいサイズのブ
ロックで分割されるようになる。なお、上記許容できる
最大の歪みを許容歪みと呼ぶことにする。また、最適ブ
ロックサイズ符号化では許容歪みの値を小さくすると、
画像全体により小さいサイズのブロックがブロック分割
に使用され、低圧縮状態になる。逆に許容歪みの値を大
きくすると、画像全体により大きいサイズのブロックが
ブロック分割に使用され、高圧縮状態になる。当然のこ
とながら空間解像度は小さいサイズのブロックを多く使
用したほうが維持される。 【0004】ところで、上述した適応ブロックサイズ符
号化方式では、変換係数を量子化する処理が必要であ
る。この処理において、画素値の変化のゆるやかな部分
では量子化誤差が目につきやすいが、画素値の変化の激
しい部分では逆に量子化誤差は目につきにくいという人
間の視覚特性を利用し、圧縮効率を上げている。左記視
覚特性についてアナログ信号をアナログ・ディジタル変
換(以下、A/D変換と呼ぶ。)器で量子化する一般的
な場合を例として、図2により説明する。まず、図2
(A)に示すようにゆるやかな変化をするアナログ信号
をA/D変換した場合を考えると、ディジタル信号の量
子化レベルが変化する前後の大部分では、量子化レベル
は同一値をとるため、変化した部分にあたかも輪郭があ
るかのように見えてしまう。ところが、図2(B)に示
すように激しい変化のアナログ信号に対しては、量子化
レベルも常に変化しており、上記輪郭は確認されること
がない。つまり、変化の激しい部分は、ゆるやかな変化
の部分に比べ、量子化ステップを大きくできる。量子化
ステップを大きくできるということは、量子化後のデー
タの必要ビット長を削減することができるということに
なる。量子化ステップを2のm乗倍すれば必要ビット長
をmビット削減できることになる。 【0005】一般に、最適ブロックサイズ符号化の変換
係数の量子化では、量子化後のデータ(以後、量子化デ
ータと呼ぶ)をさらに可変長符号化する場合が多いが、
量子化ステップを大きくするとビット長を削減できるこ
とに変わりはない。それは、ほとんどの可変長符号化は
量子化データの値がゼロ付近に集中する確率が大きいと
いう仮定でゼロに近い値になるほどビット長の短い符号
データを割り当てるようになっているからである。具体
的には、量子化ステップnで量子化した量子化データが
100だとすれば、量子化スケールを4nと大きくする
ことで量子化データは25になる。つまりゼロに近づく
ため可変長符号化したビット長は短くなる。 【0006】そこで適応ブロックサイズ符号化方式で
は、画素値の変化の激しい部分には小さいサイズのブロ
ックが割り当てられることから、大きいサイズのブロッ
クにおける変換係数の量子化ステップより、小さいサイ
ズのブロックにおける変換係数の量子化ステップを大き
くすることで効率のよい量子化を実現している。 【0007】より具体的な従来例を図3に示す。まず、
図3の例では基本処理ブロックと呼ばれる固定サイズ
(16画素×16画素)のブロックで入力データを分割
するものとしている。これにより、この基本処理ブロッ
ク内には、図4に示すように1個の16画素×16画素
ブロック、4個の8画素×8画素ブロック、16個の4
画素×4画素ブロック、64個の2画素×2画素ブロッ
クが階層構造として存在する。そして、これらのブロッ
クのいくつかを用い、データの変化に応じて基本処理ブ
ロック内を適応的に分割することができる。図5に基本
処理ブロック内のブロック分割の一例を示す。この例で
は4個の2画素×2画素ブロック、3個の4画素×4画
素ブロック、3個の8画素×8画素ブロックで分割して
いる。この分割状態を分割に使用したブロックを葉とし
た木構造で表現したものを図6に示した。図6の各葉
は、そこに記した番号と同じ番号を持つ図5のブロック
と対応する。このように、基本処理ブロック内はデータ
の変化に応じて木構造として表現可能な様々な分割が可
能である。 【0008】では図3の処理について述べる。入力デー
タ17は基本処理ブロック分割部18で基本処理ブロッ
ク単位の並びのデータ19に変えられる。次にデータ1
9は変換係数算出部20と歪み算出部22に入力され
る。変換係数算出部20では、それぞれ16画素×16
画素ブロック、8画素×8画素ブロック、4画素×4画
素ブロック、2画素×2画素ブロック、に対する変換係
数(例えば、前述(1)式のA,B,C,D)を求め、
これを変換係数21として出力する。つまり、ここで各
基本処理ブロックごとに図5に示した全ブロックの変換
係数が求まる。次に変換係数21の16画素×16画素
ブロックにたいする変換係数は16画素ブロック量子化
部23で量子化され、8画素×8画素ブロックにたいす
る変換係数は8画素ブロック量子化部24で量子化さ
れ、4画素×4画素ブロックにたいする変換係数は4画
素ブロック量子化部25で量子化され、2画素×2画素
ブロックにたいする変換係数は2画素ブロック量子化部
26で量子化される。そして、量子化データ28とし
て、最適ブロック分割部30に入力される。この時16
画素ブロック量子化部23の量子化ステップをnとする
と、8画素ブロック量子化部24の量子化ステップを2
n、4画素ブロック量子化部25の量子化ステップを4
n、2画素ブロック量子化部26の量子化ステップを8
nとする。一方、前記変換係数21は歪み算出部22に
も入力される。歪み算出部22ではデータ19と変換係
数21より、基本処理ブロックごとに図5に示した全ブ
ロックについて、各々近似することによる歪みを算出
し、歪みデータ27として最適ブロック分割部30に入
力する。最適ブロック分割部30は、許容歪み29と歪
みデータ27を入力して、各基本処理ブロックごとに、
許容歪みをこえない範囲でできるだけ大きいブロックを
用いて分割を決定する。そして、該当するブロックの量
子化データを前記量子化データ28から選択し、量子化
データ31として出力する。次に選択された量子化デー
タ31は可変長符号化部32により、可変長符号化され
符号データ33となる。 【0009】これにより画素値の変化が激しい部分ほど
小さいサイズのブロックで分割され、ブロックサイズが
一つ小さくなるごとに量子化ステップを2倍に大きくし
ていることから、変化の激しい部分では量子化データの
必要ビット長を削減することができ、上述の視覚特性を
利用した効率の良い量子化がされることになる。この様
子を画像サイズ32画素×32画素として図7に示す。
変化の激しい車や木の部分などでは最も小さいサイズの
2画素×2画素ブロックが使用され、その量子化ステッ
プは8nと大きく、変化のゆるやかな空の部分では16
画素×16画素ブロックが使用され、その量子化ステッ
プはnである。 【0010】ここで特に低い圧縮について考えると、前
述したように画像内は小さいサイズのブロックが多くな
り、空間解像度の劣化はほとんどなくなる。しかし、図
8に示すように画素値の変化のゆるやかな部分にも小さ
いサイズの2画素×2画素ブロックが割り当てられるこ
とになり、そのブロックの変換係数にたいする量子化ス
テップが8nと大きいことから、変化のゆるやかな部分
に視覚的に影響のある量子化誤差が発生するという問題
がある。本来劣化の許されない低い圧縮率でこのような
問題が生じることは致命的である。 【0011】また、逆に特に高い圧縮の場合について考
えると、図9に示すように画像内は大きいサイズのブロ
ックが多くなり、空間解像度の劣化が激しくほとんどぼ
けたような復号画像しか得ることはできない。このよう
な状態で、大きいサイズのブロックの変換係数にたいす
る量子化ステップが小さく、量子化誤差を少なくおさえ
てあっても全く効果がない。むしろ、量子化ステップを
小さくしてあることにより、量子化後のデータの必要ビ
ット長が多くなっていることが無駄になっている。以上
のように従来技術では特に低い圧縮や特に高い圧縮にお
いて、変換係数の量子化が適切になっておらず、ある範
囲の圧縮率でしか効率的な圧縮がされていなかった。 【0012】 【発明が解決しようとする課題】前述の従来技術には、
低圧縮では画素値の変化のゆるやかな部分(つまり、量
子化誤差が目立つ部分)にも小さなブロックが割り当て
られ、その変換係数にたいする量子化ステップが大きい
ことから、量子化誤差が見えるという欠点がある。ま
た、高圧縮では画像全体に大きなサイズのブロックが多
くなり、空間解像度の劣化が激しくほとんどぼけた復号
画像しか得られないため、大きいサイズのブロックの変
換係数にたいする量子化ステップが小さく設定されてい
ることの効果がなく、むしろ量子化後の必要ビット長が
多く割り当てられていることが冗長になっているという
欠点がある。そこで、本発明はこの欠点を除き、圧縮状
態に応じて異なるサイズのブロックごとに変換係数の量
子化ステップを変更可能とし、どのような圧縮状態にお
いても最適な量子化ステップで変換係数を量子化可能と
することを目的とする。 【0013】 【課題を解決するための手段】図1は本発明の全体構成
を示すブロック図である。図において入力画像データ1
は基本処理ブロック分割部2に入力され、その基本処理
ブロック分割部2からはデータ3が出力され、データ3
は変換係数算出部4と歪み算出部6に入力される。変換
係数算出部4からは、変換係数5が出力され、変換係数
量子化部7と歪み算出部6に入力される。また、許容歪
み8は、量子化ステップ制御部9と最適ブロック分割部
13に入力される。この量子化ステップ制御部9から
は、制御信号10が出力されて変換係数量子化部7に入
力される。そして、変換係数量子化部7からは、量子化
データ11が出力され、最適ブロック分割部13に入力
される。一方、データ3と変換係数5を入力した歪み算
出部6は、歪みデータ12を最適ブロック分割部13に
出力する。最適ブロック分割部13からは、量子化デー
タ14が出力され、可変長符号化部15に入力され、可
変長符号化部15からは、符号データ16が出力され
る。 【0014】 【作用】本発明の動作について以下に述べる。まず、ビ
デオカメラ等の走査線順の並びとなっている入力画像デ
ータ1は、基本処理ブロック分割部2で基本処理ブロッ
ク単位のデータの並びに変えられデータ3となる。デー
タ3は変換係数算出部4で、基本処理ブロック単位に基
本処理ブロック内に存在しうる全てのブロックにたいす
る変換係数を求める。その結果として、全ブロックの変
換係数5が出力される。 【0015】ここで許容歪み8が小さい値であれば低圧
縮となり逆に大きい値であれば高圧縮となることは従来
の技術で説明したが、ここでは従来の技術で問題になら
ない範囲を通常範囲とし、低圧縮による問題が発生する
範囲を低圧縮範囲とし、また高圧縮による問題が発生す
る範囲を高圧縮範囲とするものとする。そして、量子化
ステップ制御部9は上記範囲を許容歪み8から判別し、
制御信号10で変換係数量子化部7を制御することで、
異なるサイズのブロックごとに量子化ステップを変更可
能とする。具体的には、通常範囲の場合には従来の技術
と同様の量子化ステップとし、低圧縮範囲の場合は小さ
いサイズのブロックにたいする量子化ステップを小さく
し、高圧縮範囲の場合は大きいサイズのブロックにたい
する量子化ステップを大きくするように制御するもので
ある。 【0016】これにより許容歪み8が通常範囲の場合、
量子化ステップ制御部9は制御信号10により、従来の
技術と同様の量子化ステップとなるように、変換係数量
子化部7を制御する。これにより、前記変換係数5は従
来と同様の量子化がされ、量子化データ11となる。一
方、歪み算出部6は、データ3と変換係数5から、基本
処理ブロック単位に基本処理ブロック内に存在しうる全
ブロックにたいする歪みを算出し、歪みデータ12とし
て最適ブロック分割部13に出力する。そして、最適ブ
ロック分割部13は、許容歪み8と歪みデータ12か
ら、各基本処理ブロックごとに許容歪みをこえないブロ
ックで、かつできるだけ大きいブロックを用いて分割を
決定する。そして、該当ブロックの量子化データが量子
化データ11から選択され、量子化データ14として出
力される。最後に可変長符号化部15により、量子化デ
ータ14は可変長符号化され符号データ16となる。こ
のように、許容歪み8が通常範囲のときは、従来と同様
の動作をし、視覚特性を利用した効率のよい量子化をす
る。 【0017】次に許容歪み8が低圧縮範囲の場合、量子
化ステップ制御部9は、制御信号10により、小さいサ
イズのブロックにたいする量子化ステップを小さくす
る。これにより、小さいサイズのブロックにたいする量
子化誤差を改善できる。従来の技術では特に低い圧縮に
したときに、ゆるやかな変化の部分が小さいサイズのブ
ロックで分割され、その量子化ステップが大きいことに
より視覚上目立つ量子化誤差が発生していたが、この問
題を解決できる。 【0018】次に許容歪み8が高圧縮範囲の場合、量子
化ステップ9は制御信号10により、大きいサイズのブ
ロックにたいする量子化ステップを大きくする。通常は
量子化ステップを大きくしたことによる弊害として量子
化誤差による劣化が問題となるが、特に高い圧縮の場合
視覚的には空間解像度の劣化の影響が大きく、量子化誤
差による劣化は相対的に無視できる状態になる。したが
って、従来の技術による復号画像にそれ以上の劣化を与
えることなく量子化ステップを大きくでき、それにより
符号データ量をさらに削減できることになる。 【0019】また、同じ符号データ量で比較すれば、本
発明により従来の技術による復号画像より空間解像度を
改善した復号画像を得ることができる。量子化ステップ
を大きくして符号データ量を削減した分だけ、新しく小
さいブロックによる分割を増加させることができ、空間
解像度の劣化が改善できるからである。高圧縮では空間
解像度の劣化の影響が大きいため、本発明による空間解
像度の劣化改善は効果が大きい。 【0020】図1は許容歪みを指定して符号データ量を
制御する方式にたいする本発明の全体構成をしめす図で
あるが、圧縮率を指定して符号データ量を制御する方式
にたいしても本発明は適応できる。この場合、量子化ス
テップ制御部に指定した圧縮率を入力し、その値によっ
て量子化ステップの制御を行えばよい。 【0021】なお、一般に許容歪みを指定して符号デー
タ量を制御する方式と圧縮率を指定して符号データ量を
制御する方式の違いは、許容歪みによる制御ではあらゆ
る画像にたいし確実に1/Nという確定した圧縮率に符
号化することができない(入力画像の圧縮のしやすさに
より多少左右されてしまう)が、復号画像の圧縮による
劣化具合はあらゆる画像にたいしほぼ等しくでき、逆に
圧縮率による制御ではあらゆる画像にたいし確実に1/
Nという確定した圧縮率に符号化することができるが、
復号画像の圧縮による劣化具合は画像によって差が生じ
てしまうということにある。 【0022】 【実施例】以下、この発明の実施例を図10により説明
する。図10の入力データ34は双線形関数変換回路3
5と歪み算出回路55に入力される。双線形関数変換回
路35は変換係数データ36−39を歪み算出回路55
に出力する。さらに、変換係数36−39は、各々RO
M56−59にも出力される。許容歪み40はROM4
1と最適ブロック分割回路51に入力される。前記歪み
算出回路55は歪みデータ46を最適ブロック分割回路
51に出力する。またROM41は制御データ42−4
5を各々ROM56−59に出力する。ROM56−5
9は量子化データ47−50を最適ブロック分割回路に
出力する。その最適ブロック分割回路51は量子化デー
タ52を可変長符号化回路53に出力する。可変長符号
化回路53は符号データ54を出力する。 【0023】以下、この動作について説明する。本実施
例は図3の従来例の説明で仮定したのと同様に、基本処
理ブロックは16画素×16画素とする。また、分割し
たブロック内の画素値の変化は従来の技術で示した
(1)式で近似するものとする。ここでは、(1)式を
双線形関数と呼ぶことにする。まず、入力データ34は
基本処理ブロック単位のデータの並びになっているもの
とし、これが双線形関数変換回路35で(1)式の変換
係数A−Dに変換される。これは、基本処理ブロック単
位に基本処理ブロック内に存在しうる全ブロックにたい
し実行される。その結果、16画素×16画素ブロック
の変換係数36と、8画素×8画素ブロックの変換係数
37と4画素×4画素ブロックの変換係数38と2画素
×2画素ブロックの変換係数39が出力される。そし
て、変換係数36−39は各々ROM56−59のアド
レスに入力され、量子化した結果をROM56−59の
データから量子化データ47−50として得る。このと
き、ROM56−59のアドレスにはROM41のデー
タから出力された制御データ42−45も入力されてお
り、その値によってROM56−59による量子化ステ
ップが変更されることになる。また、ROM41のアド
レスには許容歪み40が入力されており、その値によっ
て制御データ42−45が変更される。したがって、許
容歪み40の値によって、ROM56−59による量子
化ステップが制御できることになる。一方、歪み算出回
路55は、変換係数36−39と入力データ34を入力
し、基本処理ブロック単位に基本処理ブロック内に存在
しうる全ブロックにたいし、(1)式で近似することに
よる歪みを算出し、歪みデータ46として出力する。最
適ブロック分割回路51は、歪みデータ46と許容歪み
40を入力し、許容歪みをこえないブロックで、かつ最
も大きいサイズのブロックを選びブロック分割を決定す
る。そして、前記許容歪み40で量子化ステップを制御
された量子化データ47−50の中から、前記決定した
ブロック分割に使用するブロックの量子化データだけを
選択し、量子化データ52として出力する。この量子化
データ52は可変長符号化回路53により、可変長符号
化され符号データ54となる。 【0024】以上により、特に低い圧縮や特に高い圧縮
の場合に自動的に変換係数の量子化ステップを変更する
ことができ、従来の技術による問題を解決することがで
きる。量子化ステップ変更の具体的な例を図11に示
す。図11では許容歪みの値の範囲を5段階に分割し、
範囲(1)は低い圧縮の方であり、範囲(5)は高い圧
縮の方である。また、範囲(3)は従来の技術でも問題
にならなかった範囲としている。範囲(3)よりも低い
圧縮となる範囲(1)(2)では、小さいサイズのブロ
ックにたいする量子化ステップを順に小さくしている。
また、範囲(3)よりも高い圧縮となる範囲(4)
(5)では、大きいサイズのブロックにたいする量子化
ステップを順に大きくしている。 【0025】これを実現するための図10におけるRO
M41のデータを説明する。ROM41のデータビット
をD7、D6、D5、D4、D3、D2、D1、D0の
8ビットとし、制御信号42−45との関係を以下のよ
うにする。 制御データ42:D7、D6 制御データ43:D5、D4 制御データ44:D3、D2 制御データ45:D1、D0 そして、制御データのビットの値と量子化ステップの関
係を次のようにする。 00:量子化ステップn 01:量子化ステップ2n 10:量子化ステップ4n 11:量子化ステップ8n したがってROM41では、許容歪みの(1)−(5)
の範囲をROM41のアドレスとし、該当するアドレス
空間に図11にしたがったデータを設定すればよい。結
果を図12に示す。次にROM56−59であるが、こ
れらのROMの上位2ビットに制御データ42−45を
それぞれ接続し、その下位のビットに変換係数36−3
9をそれぞれ接続するものとする。これにより、ROM
56−59では、上位2ビットが00のアドレス空間の
データには、その下位アドレスの値を量子化ステップn
で量子化した結果を設定すればよい。同様に上位2ビッ
トが01のアドレス空間のデータには量子化ステップ2
nで、上位2ビットが10のアドレス空間のデータには
量子化ステップ4nで、上位2ビットが11のアドレス
空間のデータには量子化ステップ8nで、量子化した結
果を設定すればよい。以上のようにROMデータを設定
することで、図11にしたがった量子化が可能となる。 【0026】ここで、図8に示したのが範囲(1)の場
合だったとすると、ゆるやかな変化である空の部分は、
4画素×4画素ブロックと、2画素×2画素ブロックで
分割されていることから、従来の技術によると量子化ス
テップは4nか8nであった。これを上記例によればn
とすることができるため、量子化誤差を4または8倍改
善できたことになる。したがって、特に低い圧縮にした
時、ゆるやかな変化の部分に発生する視覚上目立つ量子
化誤差の問題を解決できる。 【0027】次に図9に示したのが範囲(5)の場合だ
ったとして、従来の技術に比べ符号データ量を削減でき
ることを具体的に示す。とりあえず、可変長符号化回路
53での処理内容は無視する。まず、量子化ステップn
の時の量子化データの必要ビット長を6ビットとすれ
ば、他の量子化ステップと量子化データの必要ビット長
の関係は以下のようになる。 量子化ステップn :必要ビット長6ビット 量子化ステップ2n:必要ビット長5ビット 量子化ステップ4n:必要ビット長4ビット 量子化ステップ8n:必要ビット長3ビット 【0028】これをもとに図13に図9の従来の技術に
よる符号データ量の計算内容を示す。図13の[ブロッ
ク個数]は図9で分割に使用されているブロックの個数
である。また、[量子化ステップ]は従来の技術による
ものである。次の[必要ビット長]は前記した量子化デ
ータの必要ビット長を示してある。異なるサイズのブロ
ックごとの必要データ量を[データ量]に示した。各ブ
ロック1個にたいし前記(1)式のA−Dの4つの係数
が必要であり、各々必要ビット長だけのデータ量が必要
であることから、 [データ量]=4(係数の数)×[必要ビット長]×
[ブロック個数] という式で求められる。したがってデータ量を全部加算
すると340ビットと符号データ量が求まる。原画像の
データを8ビット/画素とすれば、圧縮率1/24(3
40ビット/32画素×32画素×8ビット)となる。 従来の技術による符号データ量:340ビット(1/2
4) 【0029】では、図14に本実施例による符号データ
量の計算内容を示す。[量子化ステップ]の変更にとも
ない[必要ビット長]も変わっている。結果として、符
号データ量は228ビット、圧縮率1/35となる。 本実施例による符号データ量:228ビット(1/3
5) 高い圧縮では空間解像度の劣化が激しいため、量子化ス
テップを大きくしたことによる量子化誤差の劣化はほと
んど無視されるため、以上のように復号画像にほとんど
影響を与えず符号データ量をさらに削減できることがわ
かる。なお、ここでは可変長符号化回路53での処理を
無視したが、可変長符号化は量子化データの値がゼロ付
近に集中する確率が大きいという仮定でゼロに近い値に
なるほどデータ長の短い符号データを割り当てるように
なっているため、量子化ステップを大きくすれば量子化
データはよりゼロに近い値となり、可変長符号化回路5
3の処理を考慮すればさらに符号データ量が削減できる
可能性がある。 【0030】また、本実施例により従来の技術と同様の
符号データ量にしようとすれば、上記符号データ量の削
減量は112ビット(340ビット−228ビット)で
あるため、分割ブロックの数を約9ブロック増加させる
ことが可能である。それは、量子化ステップを8nとし
た場合の1ブロックに必要なデータ量は、 12ビット=4(係数の数)×3ビット([必要ビット
長]) となるから、 9ブロック < 112ビット/12ビット となる。図9にたいして9ブロック増加させたものを図
15に示す。図9に比べブロック数が増加したぶんだけ
空間解像度が改善されている。このように高い圧縮の場
合における空間解像度の改善効果は非常に大きい。 【0031】以上本発明の1実施例について説明した
が、図11の5段階の範囲分けはそれより多くても少な
くても実用的な段階数でかまわない。また、許容歪みの
代りに指定された圧縮率で範囲分けをしても同様の効果
が得られる。さらに、上記説明では量子化ステップを2
の倍数で変更したが、これも本発明の制限するところで
はない。図10ではROMにより実現したが論理回路で
構成しても可能である。なお、基本的には図11に示し
たようにサイズの異なるブロック単位に量子化ステップ
を変更できるのがよいが、回路構成の都合等により図1
6に示すように全サイズのブロックごと同じ変更比率で
変更してもかまわない。図16の範囲(1)では大きい
サイズのブロックの量子化ステップが(1/4)nと小
さすぎることになるが、低い圧縮では大きいサイズのブ
ロックがほとんど発生することがないため実用上問題な
い。また、範囲(5)では小さいサイズのブロックの量
子化ステップが32nと大きすぎることになるが、これ
も高い圧縮では小さいサイズのブロックの発生頻度は少
ないので実用上は問題ない。 【0032】 【発明の効果】本発明によれば、符号データ量を制御す
るパラメータ(許容歪み、圧縮率など)に応じて、異な
るサイズのブロックごとにその変換係数の量子化ステッ
プを変更することで、特に低い圧縮の場合はゆるやかな
変化の部分に発生する視覚上影響の大きい量子化誤差を
改善することができる。また、特に高い圧縮の場合は復
号画像にほとんど影響を与えることなく符号データ量を
さらに削減することができる。これにより、同じ圧縮率
で比較すれば、高い圧縮の時に効果の大きい空間解像度
の劣化改善も可能となる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の全体構成を示すブロック図である。 【図2】視覚特性を説明する図である。 【図3】従来の技術例を示すブロック図である。 【図4】基本処理内に存在するブロックを示す図であ
る。 【図5】基本処理ブロック内のブロック分割の1例を示
す図である。 【図6】図5の分割状態を木構造で示した図である。 【図7】通常の圧縮におけるブロック分割状態を示す図
である。 【図8】低い圧縮におけるブロック分割状態を示す図で
ある。 【図9】高い圧縮におけるブロック分割状態を示す図で
ある。 【図10】本発明の1実施例を示す図である。 【図11】量子化ステップ変更の1例を示す図、 【図12】図1のROM41の内容を示す図である。 【図13】図9における従来の技術による符号データ量
を示す図である。 【図14】図9における本発明の実施例による符号デー
タ量を示す図である。 【図15】本発明の実施例により図9における空間解像
度を改善したことを示す図である。 【図16】簡易的な量子化ステップ変更を示す図であ
る。 【符号の説明】 1 画像データ 2 基本処理ブロック分割部 3 データ 4 変換係数算出部 5 変換係数 6 歪算出部 7 変換係数量子化部 8 許容歪 9 量子化ステップ制御部 10 制御信号 11 量子化データ 12 歪データ 13 最適ブロック分割部 14 量子化データ 15 可変長符号化部 16 符号データ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 7/24 - 7/68 H03M 7/30 - 7/50 H04N 1/41 - 1/419

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 入力データを大きさの異なる複数のブロ
    ックに分割する手段と、当該各ブロック内の入力データ
    を直交変換における係数あるいは近似関数における係数
    のいずれか1つに対応する変換係数に変換する手段と、
    当該変換係数を量子化する手段と、当該量子化データを
    圧縮符号化する高能率符号化方式において、前記変換係
    数を量子化する手段における量子化ステップを、符号デ
    ータ量を制御するパラメータである圧縮率あるいは許容
    歪み値のいずれか1つに基づき、所定の圧縮範囲より低
    圧縮範囲の場合は小さいサイズのブロックに対する量子
    化ステップを小さく、所定の圧縮範囲より高圧縮範囲の
    場合は大きいサイズのブロックに対する量子化ステップ
    を大きくするよう各ブロックのサイズに相応するそれぞ
    れの量子化ステップに変更制御する量子化ステップ制御
    手段を設けたことを特徴とする高能率符号化方式。
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