JP3362768B2 - 光ピックアップ装置 - Google Patents

光ピックアップ装置

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JP3362768B2
JP3362768B2 JP05265798A JP5265798A JP3362768B2 JP 3362768 B2 JP3362768 B2 JP 3362768B2 JP 05265798 A JP05265798 A JP 05265798A JP 5265798 A JP5265798 A JP 5265798A JP 3362768 B2 JP3362768 B2 JP 3362768B2
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    • G11B7/135Means for guiding the beam from the source to the record carrier or from the record carrier to the detector
    • G11B7/1353Diffractive elements, e.g. holograms or gratings
    • GPHYSICS
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光ディスクやカ
ード等の記録媒体のデータ読み出し等に使用される光ピ
ックアップ装置に係り、詳しくは記録媒体の複数のトラ
ックに同時に光スポットを形成する光ピックアップ装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光ディスク等の記録媒体の複数のトラッ
クに記録されたデータを同時に読み出すための方法とし
て、光ピックアップ装置より複数の光を記録媒体に照射
することにより各トラック上に光スポットを作り、それ
ぞれの反射光を別々の光検出器で検出する方式がある。
複数の光を生成する方式として図7及び図8に示すもの
が公知である。後述のこの発明の実施の形態と重複する
部分は同符号で指示して、主要点について述べると、図
7では、必要な光スポットの個数の半導体レーザを配列
した半導体レーザアレイ60を用いて、各半導体レーザの
発光部としての光源61a,61b,61c,61dからの光を利用
している。また、図8では、1個の半導体レーザ10を用
いて、その半導体レーザ10の発光部として真レーザ光源
11(後述の仮想光源12a,12b,12cと区別するために、
真レーザ光源11と呼ぶ。)から射出された光を回折格子
体64により複数の光に分割し、各分割光に図7の半導体
レーザアレイ60の各光源61a,61b,61c,61dからの光と
等価な機能を果たさせている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】図7の半導体レーザア
レイ60を用いる方式の場合、(a)複数個の半導体レー
ザを1個のパッケージ又はチップ内に並べるため、半導
体レーザ形状を小さくするには限界があること、(b)
端子数が多くなること、(c)放熱には一定の表面積が
必要であることを考慮すると外形形状を小さくすること
が難しいこと、さらに(d)複数の半導体レーザの特性
を揃えるために製造時の歩留まりが悪くなり、低価格化
が難しいことなどの問題がある。
【0004】回折格子体64を用いる場合、単体の半導体
レーザが使用できるため低価格化できる利点がある。し
かし、小型化のためには回折格子体64を半導体レーザの
できる限り近傍に配置する必要があるが、図9に示すよ
うに、回折格子体64を半導体レーザ10の近くに配置する
ほど真レーザ光源11から射出して回折格子体64に入射す
る光線と回折格子体64から射出された回折光とのなす角
度θが大きくなるため(θ1>θ2)、光スポットの非点
収差やコマ収差が増大する。その結果、光ディスク23上
の光スポット25a,25b,25cの径が大きくなり、再生信
号のジッタ(Jitter)が増加するという欠点があった。
【0005】この発明の目的は、1個の真レーザ光源か
ら回折を利用して複数の光スポットを生成する光ピック
アップ装置において上述の問題点を克服することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明の光ピックアッ
プ装置(20)は、(a)1個の真レーザ光源(11)、(b)
少なくとも1個の仮想レーザ光源(12a-c)を生成するよ
うに真レーザ光源(11)からの光を回折するホログラム体
(13)、及び(c)ホログラム体(13)からの光を入射され
て複数の光スポット(24,25a-c)を記録媒体(23)上のトラ
ックに形成する光スポット形成光学素子(19)を有してい
る。そして、このような光ピックアップ装置(20)におい
て、ホログラム体(13)のホログラムパターン(15a-c)
は、真レーザ光源(11)から記録媒体(23)までの光路にお
ける光学素子(13,18,19)に因る収差とは逆の収差を回折
光に付与するホログラムパターンとされている。
【0007】光スポット形成光学素子(19)には、レンズ
のような中央部と周辺部の厚さが相違している光学素子
だけでなく、フレネル体のような厚さ均一の平面状の光
学素子も含む。記録媒体には、光ディスク以外に読み出
し及び/又は書き込み自在のカードを含む。収差には、
非点収差及びコマ収差を含む。
【0008】複数の光スポット(24,25a-c)は、記録媒体
(23)上のトラックに形成されるが、このトラックは別々
の複数のトラックの場合も、同一のトラックの場合もあ
る。すなわち、記録媒体(23)上のトラックは、同心円状
に複数個形成される場合もあるし、螺旋状に延びて、ト
ラックが1本しかない場合もある。
【0009】真レーザ光源(11)から記録媒体(23)までの
光路における光学素子(13,18,19)に因る収差は、真レー
ザ光源(11)から記録媒体(23)までの全部の光学素子(13,
18,19)に因る収差の合計であってもよいし、真レーザ光
源(11)から記録媒体(23)までの一部の光学素子(13,18,1
9)のみに因る収差であってもよい。すなわち、ホログラ
ム体(13)のホログラムパターン(15a-c)は、真レーザ光
源(11)から記録媒体(23)までの光路における光学素子(1
3,18,19)に因る収差とは逆の収差を回折光に付与するホ
ログラムパターンであり、真レーザ光源(11)から記録媒
体(23)までの光路における光学素子(13,18,19)に因る収
差を完全相殺するホログラムパターンである必要はな
い。また、データ読出しに対して適切な光スポット(25a
-c)としては、ある程度の収差が残っていた方が良い場
合があり、収差の完全相殺よりは収差を積極的に所定量
だけ残したり、あるいは、完全相殺を意図的に僅かに超
えさせて、逆符号の僅かの所定量の収差を生じさせたり
するように、ホログラムパターン(15a-c)を設計する場
合があることを付言する。ホログラム体(13)のホログラ
ムパターン(15a-c)は、真レーザ光源(11)から記録媒体
(23)までの全部の光学素子(13,18,19)に因る収差の合計
を相殺する逆収差を回折光に付与するパターンの方が、
真レーザ光源(11)から記録媒体(23)までの一部の光学素
子(13,18,19)のみに因る収差を相殺する逆収差を回折光
に付与するパターンより、記録媒体(23)における光スポ
ット(24,25a-c)の収差低減効果の大きいことは、言うま
でもない。
【0010】ホログラムパターン(15a-c)は、干渉縞の
明暗より成る振幅ホログラムパターン、及びバイナリ状
(階段状断面)又はブレーズ状(鋸歯状断面)より成る
位相ホログラムパターンを含む。ホログラム体(13)は、
仮想レーザ光源(12a-c)を少なくとも1個生成するもの
とし、仮想レーザ光源(12a-c)を複数個生成する場合
は、全部の仮想レーザ光源(12a-c)を真レーザ光源(11)
に対して一方の側に生成しても、両側に分けて生成して
もよい。記録媒体(23)の各トラックに形成される光スポ
ット(24,25a-c)は、通常は、反射光を検出して、トラッ
クのデータの読み出し用に使われるが、書き込み用に使
われてもよい。
【0011】こうして、真レーザ光源(11)から前記記録
媒体(23)までの光路における光学素子(13,18,19)に因る
収差が、ホログラム体(13)のホログラムパターン(15a-
c)により部分的又は完全に相殺され(完全な相殺の方が
よいが、部分的な相殺も可とする意。)、記録媒体(23)
のトラックにおいて収差の低減された又は収差を除去さ
れた適切な光スポット(24,25a-c)を形成することができ
る。
【0012】この発明の光ピックアップ装置(20)によれ
ば、ホログラム体(13)におけるホログラムパターン(15a
-c)の列は、真レーザ光源(11)のファーフィールドパタ
ーンの長軸方向に設定されている。
【0013】真レーザ光源(11)の光は、ファーフィール
ドパターンでは楕円形状になる。ホログラム体(13)にお
ける回折により複数の光を形成する場合、ホログラム体
(13)におけるホログラムパターン(15a-c)の列方向へ
は、それに対してその直角方向より一様な光強度につい
て広い広がりを必要とする。真レーザ光源(11)の光は、
ファーフィールドパターンの長軸方向へは短軸方向より
十分に大きな広がり角において適切な光強度を維持する
ので、ホログラムパターン(15a-c)の列の端側のホログ
ラムパターン(15c)へも十分な強度の光を真レーザ光源
(11)から照射することができ、各光スポット(24,25a-c)
について適切な光強度を確保できる。
【0014】この発明の光ピックアップ装置(20)によれ
ば、ホログラム体(13)は位相ホログラム体であり、各仮
想レーザ光源(12a-c)に対応する回折光用のホログラム
パターン(15a-c)は、光スポット非生成用回折光につい
て光強度を低減させて、その低減分の光量を光スポット
生成用回折光へ振り向けるように、設定されている。
【0015】光スポット非生成用回折光とは光スポット
生成用回折光に対峙する概念であり、回折光の内、光ス
ポット形成光学素子(19)の方へ向かう分は光スポット生
成用回折光になるが、光スポット形成光学素子(19)から
それる分は光スポット非生成用回折光となる。位相ホロ
グラム体(13)では、所定方向の光量を低減しつつ、その
低減分の光量を他方向へ振り向けることができる。した
がって、光スポット非生成用回折光についての光強度を
低減させて、その低減分の光量を光スポット生成用回折
光へ振り向けて、光強度の大きい光スポット(25a-c)を
生成できる。
【0016】この発明の光ピックアップ装置(20)によれ
ば、真レーザ光源(11)からの非回折の光に因る記録媒体
(23)における光スポット(24)はサーボ用に使用され、ホ
ログラム体(13)はサーボ用光スポット(24)について全体
にわたり光強度を一様化するホログラムパターン(14)を
有している。
【0017】サーボ用とは、特にはトラッキングサーボ
であるが、他のサーボとしてフォーカスサーボも含む。
また、真レーザ光源(11)からの非回折の光に因る前記記
録媒体(23)における光スポット(24)は、サーボ専用の場
合だけでなく、サーボ以外のデータ読み出し用等と兼用
される場合もあり得るし、兼用される場合の方が通常で
ある。
【0018】サーボ用には、光スポット(24)がトラッキ
ングシフトする等の際の光強度の変化を少なくする必要
があるのに対して、記録媒体(23)における光スポット(2
4)の通常の光強度は、中心部が大きく、周辺部が小さ
い。したがって、これはサーボ用には不利である。サー
ボ用の光スポット(24)に対応する真レーザ光源(11)から
の光は、従来の光ピックアップ装置では、ホログラム体
(13)において回折することなく、通過する。そこで、そ
の光について所定のホログラムパターン(14)を通過させ
ることにより、中央部の光強度を低下させ、記録媒体(2
3)における光スポット(24)の光強度を全体にわたり一様
化して、サーボ用に適した光スポット(24)を生成でき
る。
【0019】この発明の光ピックアップ装置(20)は、
(a)1個の真レーザ光源(11)、及び(b)真レーザ光
源(11)からの光を、ホログラム体(13)を介して入射さ
れ、サーボ用の光スポット(24)を記録媒体(23)に形成す
る光スポット形成光学素子(19)を有している。ホログラ
ム体(13)は、サーボ用光スポット(24)について全体にわ
たり光強度を一様化するホログラムパターン(14)を有し
ている。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、発明の実施の形態について
図面を参照して説明する。図1は光ピックアップ装置20
の構成図である。図2は図1の半導体レーザ10からホロ
グラムモジュール13までの範囲の拡大図である。半導体
レーザ10から対物レンズ19までの光路範囲は光ピックア
ップ装置20に含まれ、半導体レーザ10は、レーザチップ
が1個、内蔵された単体のものであり、唯一の発光部と
しての真レーザ光源11(仮想光源12a,12b,12cと区別
するために、真レーザ光源11と呼ぶ。)からの光をホロ
グラムモジュール13の方へ射出する。ホログラムモジュ
ール13は、非回折用ホログラムパターン14と3個の回折
用ホログラムパターン15a,15b,15cとを備え、非回折
用ホログラムパターン14では真レーザ光源11からの光を
回折することなく通過させ、回折用ホログラムパターン
15a,15b,15cでは、真レーザ光源11からの光をコリメ
ータレンズ18の方へ回折する。各回折用ホログラムパタ
ーン15a,15b,15cにおける回折光はそれぞれ仮想レー
ザ光源12a,12b,12cからの放射光に一致する。真レー
ザ光源11及び仮想レーザ光源12a,12b,12cの列と、非
回折用ホログラムパターン14及び回折用ホログラムパタ
ーン15a,15b,15cの列とは、相互に平行である。ま
た、真レーザ光源11及び仮想レーザ光源12a,12b,12c
は等間隔に配置される。非回折用ホログラムパターン14
及び回折用ホログラムパターン15a,15b,15cは、図で
は、ホログラムモジュール13の半導体レーザ10側の面に
記録されているが、半導体レーザ10とは反対側の面に記
録されてもよい。また、非回折用ホログラムパターン14
及び回折用ホログラムパターン15a,15b,15cは、図で
は、列方向へ間隔を開けて設けられているが、列方向へ
部分的にオーバラップして設けられてもよい。ホログラ
ムモジュール13から出た光は、コリメータレンズ18へ向
かい、コリメータレンズ18の通過後は、平行光線束にな
って、対物レンズ19へ進む。対物レンズ19から出た光
は、真レーザ光源11及び仮想レーザ光源12a,12b,12c
の像としての光スポット24,25a,25b,25cを光ディス
ク23の各トラック上に形成する。光スポット24,25a,2
5b,25cが形成されるトラックは、光ディスク23におい
て放射方向へ順番に並んでいる。これら光スポット24,
25a,25b,25cの各反射光は、対物レンズ19及びコリメ
ータレンズ18を逆行して、図示していないビームスプリ
ッタを介して光検出器(図示せず)へ到達し、これによ
り、各トラックにおけるデータが読み取られる。
【0021】真レーザ光源11は、そのファーフィールド
パターンの長軸方向がホログラムモジュール13の非回折
用ホログラムパターン14及び回折用ホログラムパターン
15a,15b,15cの列方向へ一致するように、配置され
る。真レーザ光源11のファーフィールドパターンは楕円
状となり、ファーフィールドパターンの光強度は、楕円
の長軸方向へは、長い範囲にわたり所定値以上の光強度
を維持するので、このような長軸方向の規定に拠り仮想
レーザ光源12a,12b,12cからの仮想光についての光強
度を均一化できる。非回折用ホログラムパターン14及び
回折用ホログラムパターン15a,15b,15cは、干渉縞の
明暗が記録されている振幅ホログラムであっても、ガラ
ス材等にバイナリ状又はブレーズ状の溝を刻設した位相
ホログラムであってもよい。
【0022】真レーザ光源11からの光は、ホログラムモ
ジュール13における回折、コリメータレンズ18、及び対
物レンズ19の屈折に伴い、非点収差及びコマ収差を生
じ、これは、光ディスク23における光スポット25a,25b
a,25cの品質を低下させる。したがって、回折用ホログ
ラムパターン15a,15b,15cは、各光スポット25a,25
b,25cについて真レーザ光源11から光スポット25a,25
b,25cまでの光路の合計の非点収差及びコマ収差と逆の
非点収差及びコマ収差を、回折用ホログラムパターン15
a,15b,15cからの射出光に付与するホログラムパター
ンに設定し、光スポット25a,25b,25cにおいて逆収差
を重畳した非点収差及びコマ収差を低減又は0にする
(0にするのが最適だが、0には至らない低減も可とす
る意。)。回折用ホログラムパターン15a,15b,15cに
より相殺する非点収差及びコマ収差を、各光スポット25
a,25b,25cについて真レーザ光源11から光スポット25
a,25ba,25cまでの光路の合計の非点収差及びコマ収差
とせず、収差の最大要因である回折に起因する非点収差
及びコマ収差のみとしてもよい。その場合、光スポット
25a,25b,25cの非点収差及びコマ収差の相殺も、回折
に因る収差のみを相殺する部分的相殺となる。
【0023】図3は回折用ホログラムパターン15a,15
b,15cの概略を示している。図8の従来の光ピックアッ
プ装置における回折格子体64の回折格子部65は、回折だ
けを考えて、収差の相殺を考えていないので、相互に平
行な複数の直線から成るパターンとなるのに対し、回折
用ホログラムパターン15a,15b,15cでは、回折機能及
び収差相殺機能の両方を具備するので、平行直線状のパ
ターンにはならず、湾曲線状のパターンになる。
【0024】光スポット25a,25b,25cの非点収差及び
コマ収差を除去するために、各回折用ホログラムパター
ン15a,15b,15cにおいて真レーザ光源11から光スポッ
ト24,25a,25b,25cまでの光路における光学素子によ
る収差と逆収差を回折光に付与するホログラムパターン
を決定するための方法を説明する。第1の方法では、ホ
ログラムモジュール13の位置に感光剤フィルムを置き、
真レーザ光源11と、この真レーザ光源11と同一の波長で
各仮想レーザ光源12a,12b,12cの位置に置かれた光源
とから射出した光線が生成する干渉縞を感光剤フィルム
に記録し、これをホログラムパターンにすることができ
る。この方法により生成したホログラムパターンは、回
折による収差(非点収差及びコマ収差)を理論上、含ま
ないものになる。第2の方法としては、コンピュータ解
析法がある。このようなコンピュータ解析ソフトはすで
に販売され、公知となっている。例として、Optic
al Research Associates(米国
企業名)のcode V(ソフト名)では、2点の光源
(この場合は、真レーザ光源11と仮想レーザ光源12a,1
2b,12cの1個とを2点とする。)から射出されるホロ
グラムパターンを示す数式(多項式の係数)を求めるこ
とができ、この多項式に基づいて回折に因る収差(非点
収差及びコマ収差)を理論上、生じないホログラムパタ
ーンを作成する。また、この解析ソフトにおいて、コリ
メータレンズ18及び対物レンズ19の収差の補正を含めて
検討する場合は、コリメータレンズ18及び対物レンズ19
の例えば曲率半径、レンズ厚さ、非球面係数等のデータ
を入力して、光ピックアップ装置の光学的構成をシュミ
レーションする。このシュミレーションにおいて、光デ
ィスク23の各光スポット25a,25b,25cの位置に無収差
の光源を置き、この光源からの光線と真レーザ光源11か
らの光線とによりホログラムモジュール13に位置で生成
されるホログラムパターンの数式を求める。この数式か
ら形成されるホログラムパターンはコリメータレンズ18
及び対物レンズ19の収差と共に回折に因る収差も除去し
たものとなる。
【0025】図4は光学素子を使用して各回折用ホログ
ラムパターン15a,15b,15cを決定する方法の説明図で
ある。真レーザ光源11から非回折用ホログラムパターン
14へ向かう光路の途中にハーフミラー35aを配置し、一
部を下方へ反射する。そして、その反射光路の途中にハ
ーフミラー35b,35cを配置し、一部を回折用ホログラム
パターン15a,15b等の方へ反射し、残部を下方へ透過さ
せる。ハーフミラー35a,35b,35c,・・・の列の最下
端のもの(この例では、図示していない35d)はフルミ
ラーとされ、下方への透過無しの反射のみとなる。こう
して、真レーザ光源11と特性の一致する複数個の仮想レ
ーザ光源12a,12b,12cを作り出すことができる。回折
用ホログラムパターン15aの位置における真レーザ光源1
1からの光と仮想レーザ光源12aからの光との干渉縞を回
折用ホログラムパターン15aとする。この回折用ホログ
ラムパターン15aを記録するために、例えば、ホログラ
ムモジュール13に感光剤を塗布した後、この感光剤に干
渉縞パターンを照射して、露光させる。こうして得られ
た回折用ホログラムパターンは、回折に因る非点収差及
びコマ収差を相殺して0にできる。
【0026】図5は図4におけるハーフミラー35a,35
b,35cに代えて真レーザ光源11と特性の一致する複数の
光源を作り出す方式を示している。真レーザ光源11から
射出された光は、コリメータレンズ47により平行光とな
り、ピンホール部材50に照射され、ピンホール部材50の
各ピンホール51a,51b,51c,51dから射出される。各ピ
ンホールから射出された光は、仮想レーザ光源からの光
と同等であり、これを用いて、ホログラムモジュール13
の回折用ホログラムパターンを求める。
【0027】図6はトラッキングサーボ用光スポットを
改善するための説明グラフ等である。図2の非回折用ホ
ログラムパターン14を透過する光は、光ディスク23のト
ラックのデータ読み出しの他に、トラッキングサーボ用
にも利用される。トラッキングサーボ用の光スポットと
しての光スポット24は、全体にわたり光強度の一様性が
要求される。しかしながら、図6の(a)に示されるよ
うに、ホログラムモジュール13の非回折用ホログラムパ
ターン14に真レーザ光源11から入射される光の強度は、
中心部を頂点とする山形状になる。これは位相ホログラ
ムにより改善できる。すなわち、位相ホログラムでは、
溝の深さを深くする程、回折しない光(0次光)の光量
を減少させ、かつその減少分の光量を回折光の方へ回し
て、回折光量を増大できる。また、谷(溝)と丘(非
溝)の幅比が等しい程、0次光の光量を減少させ、かつ
その減少分の光量を回折光の方へ回して、回折光量を増
大できる。図6の(b)では、光軸中心から遠ざかる
程、溝54の深さを低減させて、0次光を低減させて、そ
の低減分の光量を他方向へ振り向けている。溝54の深さ
の調整の代わりに、溝54の深さは等しくして、相互に隣
り合う溝54と非溝とを組として、各組の全幅に対する非
溝の幅比を、光軸中心から遠ざかる方向へa1,a2,
a3,a4,a5,a6,・・・・,anとし、a1>
a2>a3>a4>a5>a6>・・・・>anとして
もよい。こうして、(c)のように、光軸中心を中心と
する放射方向の光強度を一様化して光を射出することが
できる。
【0028】図1及び図2の光ピックアップ装置20で
は、仮想レーザ光源12a,12b,12cが真レーザ光源11の
一方の側のみに生成されているが、真レーザ光源11の両
側に仮想レーザ光源12a,12b,12cを生成するようにし
てもよい。通常は、真レーザ光源11を中央にして真レー
ザ光源11の両側に仮想レーザ光源12a,12b,12cを対称
配置する。また、図1及び図2の光ピックアップ装置20
では、非回折用ホログラムパターン14及び回折用ホログ
ラムパターン15a,15b,15cは、ホログラムモジュール1
3の半導体レーザ10側の面にのみ設けられているが、ホ
ログラムモジュール13のコリメータレンズ18側の面にの
み設けられても、あるいは両側に(回折用ホログラムパ
ターン15aは半導体レーザ10側、回折用ホログラムパタ
ーン15bはコリメータレンズ18側、・・・)設けられて
もよい。図1及び図2の光ピックアップ装置20では、ホ
ログラムモジュール13における回折用ホログラムパター
ン15a,15b,15cは、その列方向へ間隔を開けて設けら
れているが、列方向へ部分的に重複して設けられてもよ
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】光ピックアップ装置の構成図である。
【図2】図1の半導体レーザからホログラムモジュール
までの範囲の拡大図である。
【図3】回折用ホログラムパターンの概略を示す図であ
る。
【図4】光学素子を使用して各回折用ホログラムパター
ンを決定する方法の説明図である。
【図5】図4におけるハーフミラーに代えて真レーザ光
源と特性の一致する複数の光源を作り出す方式を示す図
である。
【図6】トラッキングサーボ用光スポットを改善するた
めの説明グラフ等である。
【図7】半導体レーザアレイを用いて複数の光スポット
を生成する従来の光ピックアップ装置の構成図である。
【図8】1個の半導体レーザにより複数の光スポットを
生成する従来の光ピックアップ装置の構成図である。
【図9】図8の光ピックアップ装置において回折格子体
を半導体レーザからの距離を変えて配置したときに真レ
ーザ光源から回折格子体に入射する光線と回折格子体か
ら射出された回折光とのなす角度θを対比した図であ
る。
【符号の説明】
11 真レーザ光源 12a,12b,12c 仮想レーザ光源 13 ホログラムモジュール(ホログラム体光学素
子) 13 ホログラムモジュール 14 非回折用ホログラムパターン(ホログラムパタ
ーン) 15a,15b,15c 回折用ホログラムパターン
(ホログラムパターン) 18 コリメータレンズ(光学素子) 19 対物レンズ(光学素子) 19 対物レンズ(光スポット形成光学素子) 20 光ピックアップ装置(光ピックアップ装置) 23 光ディスク(記録媒体) 24 光スポット(トラッキングサーボ用光スポッ
ト) 25a,25b,25c 光スポット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−233445(JP,A) 特開 昭59−58637(JP,A) 特開 平4−132024(JP,A) 特開 昭60−173728(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 7/09 - 7/22

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)1個の真レーザ光源(11)、 (b)少なくとも1個の仮想レーザ光源(12a-c)を生成
    するように前記真レーザ光源(11)からの光を回折するホ
    ログラム体(13)、及び (c)前記ホログラム体(13)からの光を入射されて複数
    の光スポット(24,25a-c)を記録媒体(23)上のトラックに
    形成する光スポット形成光学素子(19)、 を有している光ピックアップ装置(20)において、 前記ホログラム体(13)のホログラムパターン(15a-c)
    は、前記真レーザ光源(11)から前記記録媒体(23)までの
    光路における光学素子(13,18,19)に因る収差とは逆の収
    差を回折光に付与するホログラムパターンとされている
    ことを特徴とする光ピックアップ装置。
  2. 【請求項2】 前記真レーザ光源(11)からの非回折の光
    に因る前記記録媒体(23)における光スポット(24)はサー
    ボ用に使用され、前記ホログラム体(13)は、サーボ用光
    スポット(24)について全体にわたり光強度を一様化する
    ホログラムパターン(14)を有していることを特徴とする
    請求項1記載の光ピックアップ装置。
  3. 【請求項3】 前記ホログラム体(13)におけるホログラ
    ムパターン(15a-c)の列は、前記真レーザ光源(11)のフ
    ァーフィールドパターンの長軸方向に設定されているこ
    とを特徴とする請求項2記載の光ピックアップ装置。
  4. 【請求項4】 前記ホログラム体(13)は位相ホログラム
    体であり、各仮想レーザ光源(12a-c)に対応する回折光
    用のホログラムパターン(15a-c)は、スポット非生成用
    回折光について光強度を低減させて、その低減分の光量
    を光スポット生成用回折光へ振り向けるように、設定さ
    れていることを特徴とする請求項2又は3記載の光ピッ
    クアップ装置。
  5. 【請求項5】 (a)1個の真レーザ光源(11)、及び (b)前記真レーザ光源(11)からの光を、ホログラム体
    (13)を介して入射され、サーボ用の光スポット(24)を前
    記記録媒体(23)に形成する光スポット形成光学素子(1
    9)、 を有し、前記ホログラム体(13)は、サーボ用光スポット
    (24)について全体にわたり光強度を一様化するホログラ
    ムパターン(14)を有していることを特徴とする光ピック
    アップ装置。
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