JP3362099B2 - シールリングの製造方法及び樹脂材料により製作されるシールリング - Google Patents

シールリングの製造方法及び樹脂材料により製作されるシールリング

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シールリングの製
造方法及び樹脂材料により製作されるシールリングに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、相対往復運動するピストンと
シリンダの摺動面や相対回転運動を行うハウジングと軸
との隙間、あるいは相対的な移動を伴わない2部材を接
合する接合面を密封するために、樹脂材料により製作さ
れるシールリングが用いられている。
【0003】図4は、この種の樹脂材料によるシールリ
ングの一例を示す図であり、図4(a)はエンドレスの
シールリング101、図4(b)はストレートカットの
シールリング102、図4(c)はバイアスカットのシ
ールリング103、図4(d)は特殊ステップカットの
シールリング104である。そして、この種の樹脂材料
によるシールリングは、例えばハウジングの内周に形成
された凹溝に嵌合されて使用される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図5は、各シールリン
グ101,102,103,104の使用される温度と
漏れ量との関係を示す図であり(符号101,102,
103,104は各シールリングに対応している)、各
シールリングはそのカット仕様に応じてシール特性が決
定されている。
【0005】この図5において、ストレートカットのシ
ールリング102の使用される温度と漏れ量との関係を
一例として説明すると、線図102Aは、熱による経時
変化の発生する前の温度と漏れ量との関係を示す図であ
るが、温度の低い状態では、シールリング102の径寸
法が相手ハウジング内径寸法より小さいため、カット部
の隙間が広くシール性が低く漏れ量が多いが、温度上昇
に伴う膨張によりシールリング102の径寸法が線膨張
係数の大きいことにより大きくなり易く、カット部の隙
間も減少して漏れ量が少なくなりシール性が高くなって
いる。
【0006】線図102Bは、熱による経時変化が発生
した後のストレートカットのシールリング102の使用
される温度と漏れ量との関係を示す線図である。熱によ
る経時変化の前後を比較すると、経時変化後の線図10
2Bではカット部のクリープが発生して、低温領域での
漏れ量がさらに多くなっている。従って、ストレートカ
ットのシールリング102を使用する場合には、経時変
化による低温領域時の漏れ量の増加を予め考慮し、問題
のない部分に適用したり、最低動作圧を高く設定する等
の制限条件が必要となる。
【0007】ここで、熱による経時変化とは、シールリ
ング102が使用された際の雰囲気温度(ハウジング温
度)の上昇により、装着されるハウジングとシールリン
グ102との熱膨張差から径寸法に差が発生し(シール
リング102の方が大きくなる)、シールリング102
の周方向寸法が伸びてカット部が合わさり、カット部近
傍に円周方向の圧縮力が発生し、その結果カット部近傍
に永久的なひずみ(塑性変形的な状態)が発生してシー
ルリング102の周長が短くなる現象のことをいい、こ
のような経時変化が起こるとシールリング102の周長
がハウジング側の溝の長さよりも短くなるため、低温領
域での漏れ量が増大する。
【0008】図6は、ストレートカットのシールリング
102を、実際に使用される自動車のオートマチックト
ランスミッション(以下ATと記載)のドラム内のシー
ルに使用した場合の線図であり、熱による経時変化の発
生した状態の線図102B’は、油温がT1よりも低い
状態では、オイル漏れ量が大きく、ATの性能を低下さ
せる要因となっていた(熱による経時変化が起こる以前
の線図は101A’で示されている)。
【0009】また、エンドレスのシールリング101も
図5によるとストレートカットのシールリング102と
同様の温度と漏れ量との関係を有している。エンドレス
のシールリング101における熱による経時変化は、ス
トレートカットのシールリング102と同様に、装着さ
れるハウジングとの熱膨張差により発生する円周方向の
圧縮力が、全周に分散する永久ひずみを発生させること
によるもので、同じく低温領域での環状隙間が大きくな
り漏れ量が増大する。
【0010】従って、従来では、熱による経時変化(カ
ット部のクリープ)の割合の小さい図4(c)のバイア
スカットのシールリング103や、特殊ステップカット
のシールリング104を使用することがあるが、ストレ
ートカットやエンドレスのシールリングに比べて高温時
のシール性が劣ることから、使用する機器によっては問
題が生じることがあった。
【0011】本発明は上記従来技術の問題を解決するた
めになされたもので、その目的とするところは、樹脂材
料によるシールリングの経時変化を抑え、また温度に依
存して変化するシール特性の変化を低減することにより
安定したシール特性を維持することを可能とするシール
リングの製造方法及び樹脂材料により製作されるシール
リングを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明にあっては、予め外周部をシリンダにより拘束
した状態で加熱し、周方向に発生する圧縮応力によりク
リープさせることを特徴とする。
【0013】この製造方法によりシールリングを製造す
ると、予めクリープを与えることにより実際の耐久使用
時におけるクリープの発生が抑えられる。従って、シー
ルリングの寸法変化が抑えられると共に、常温または低
温領域での縮み量が少なく漏れ量に与える影響が少ない
ので、安定したシール特性が維持可能となる。
【0014】また、シリンダにより拘束した状態で加熱
する前記シールリングは、常温においてシールリングが
実際に機器等で使用されるときの周長よりも長い周長に
設定されることを特徴とすることも好ましい。
【0015】この方法により、クリープにより短くなる
シールリングの周長が補われ、使用時における周長が短
縮されることはない。
【0016】樹脂材料により製作されるシールリングに
おいては、予め外周部をシリンダにより拘束した状態で
加熱し、周方向に発生する圧縮応力によりクリープさせ
ることを特徴とする。
【0017】これによると、予めクリープを与えること
により実際の耐久使用時におけるクリープの発生が抑え
られる。従って、シールリングの寸法変化が抑えられる
と共に、常温または低温領域での縮み量が少なく漏れ量
に与える影響が少ないので、安定したシール特性が維持
可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に本発明を図示の実施の形態
に基づいて説明する。図1は、本発明のシールリングの
製造方法を説明するものである。この図において、本発
明が適用されるシールリングの材質は、樹脂材料であ
り、フッ素系樹脂が一般的であるが、この材料に限定さ
れるものではなく、他の様々な樹脂材料を使用すること
も可能である。
【0019】シールリング1は、予め使用状態において
ハウジング内側の溝に実際に嵌合される周長(L1)よ
りも若干大きい寸法(L1+α)に加工しておき、その
シールリング1をシリンダとしての加熱成形型10の中
に装填して拘束する(図1(a)参照)。
【0020】加熱成形型10は、環状の加熱リング11
の内径側にシールリング1を嵌め込む凹溝12を備え、
外径側には加熱リング11自体を加熱するヒータ13が
備えられている。ここでは、1個づつのシールリング1
を加熱する構成としているが、複数個のシールリング1
を重ねて同時に多数個のシールリングを加熱する構成と
することも可能である。
【0021】この図1(a)の状態でシールリング1を
加熱すると、熱膨張により周長が長くなりカット部1a
が閉るが、さらにシールリング1が膨張しようとしても
凹溝12によりそれ以上には大きくならず、周方向に圧
縮応力が発生する(図1(b)参照)。
【0022】そして、本来ならば使用時の加熱により発
生するクリープを予め加熱成形型10の中で発生させて
いる。これは、図2に示されるクリープ曲線の点線で囲
まれる初期クリープ領域R1を発生させていることにな
り、この処理の後で、実施に使用される場合の加熱によ
りカット部1aが閉じて圧縮応力が発生しても、クリー
プ量の発生割合が小さい後期クリープ領域R2に移行さ
れているので、クリープ量の発生が抑えられる。
【0023】尚材料によって、クリープ特性は異なるの
で、加熱成形時の温度や、縮み代の設定はそれぞれの材
料に合わせる必要があるが、これは、既知の材料の特性
データを考慮すると共に実験等により決定すれば良い。
【0024】この方法により製造されたシールリング1
を、図6と同じ条件で実験してみると、実際の使用環境
の熱の影響により経時変化が起こる以前の線図1Aと、
熱履歴を与えて実際の使用環境の熱の影響を受けた線図
1Bでは、低温時に多少のオイル漏れ量の増加がみられ
たが、それ以上の温度では線図1Aと同じくオイル漏れ
は発生しなかった(図3参照)。
【0025】従って、シールリング1の経時変化を抑
え、また温度に依存して変化するシール特性の変化を低
減することができ、安定したシール特性を維持すること
が可能となる。
【0026】尚、本実施の形態においては、ストレート
カットのシールリングを一例として説明したが、カット
部の存在しないエンドレスのシールリングにも同様の製
造方法を適用することが可能であり、同じ効果が得られ
る。また、その他のカット形状を有するシールリングに
適用することも可能である。
【0027】
【発明の効果】上記のように説明された本発明にあって
は、使用時におけるクリープを低減することが可能とな
り、シールリングの経時変化が抑えられ安定したシーツ
特性を発揮するシールリングが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施の形態におけるシールリン
グの製造方法の説明図。
【図2】図2はクリープ曲線の図。
【図3】図3は温度とオイル漏れ量の関係を示す図。
【図4】図4はシールリングの形状を説明する図。
【図5】図5は従来のシールリングの温度と漏れ量の関
係を示す図。
【図6】図6は従来のストレートカットのシールリング
の温度と漏れ量の関係を示す図。
【符号の説明】
1 シールリング 1a カット部 10 加熱成形治型(シリンダ) 11 加熱リング 12 凹溝 13 ヒータ R1 初期クリープ領域 R2 後期クリープ領域

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め外周部をシリンダにより拘束した状
    態で加熱し、周方向に発生する圧縮応力によりクリープ
    させることを特徴とするシールリングの製造方法。
  2. 【請求項2】 シリンダにより拘束した状態で加熱する
    前記シールリングは、常温においてシールリングが実際
    に機器等で使用されるときの周長よりも長い周長に設定
    されることを特徴とする請求項1に記載のシールリング
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 予め外周部をシリンダにより拘束した状
    態で加熱し、周方向に発生する圧縮応力によりクリープ
    させることを特徴とする樹脂材料により製作されるシー
    ルリング。
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