JP3830604B2 - 密封装置の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種装置の軸封部に使用されるオイルシール等の密封装置、特にゴム状弾性体製シールリップと樹脂性シールリップとを有する密封装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来この種の密封装置は、図13,14に示すように多数の部品を集積し、かしめ組立によるものであった。
【0003】
図13に示す密封装置100は、外周側の金属環101に直接ゴムリップ102と外周ガスケット103を連続して焼き付け、加硫成形し、樹脂製シール部材104と組立補強用の金属環105を挿入し、外周側の金属環101の大気O側の端部101aを機械的にかしめて組み立てたものである。それ以前の密封装置200は、図14に示すように、外周側の金属環201の外周側にシールリング202を装着し、内周側にゴムリップ203,樹脂製シール部材204,平ワッシャー状の金属環205,ダストリップ206を挿入し、金属環201の大気側Oの端部201aを機械的にかしめて組み立てたものであった。密封装置100は、密封装置200に比べて、部品点数を大幅に削減し、製作の容易化及び低コスト化をもたらした。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、工程面では外周のかしめ工程が繁雑でコストがかかるのに加えて、表面皮膜からの粉末あるいは金属粉の発生の問題、製品の品質面での表面処理皮膜の破損による錆発生の問題,製品への前記粉末の付着による密封機能の低下の問題等が生じていた。さらに、外周金属面が露出しているため、実機ハウジングに傷が付き密封性に影響する場合もあった。
【0005】
本発明は、かかる従来技術の課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、低コストで容易に製造できる高品質の密封装置の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、軸方向に延びる外周部と該外周部の密封対象流体側の端部から内径方向に延びるフランジ部とを有する第1金属環の外周部の内周面と、軸方向に延びる外周部と該外周部の密封対象流体側の端部から内径方向に延びるフランジ部とを有する第2金属環の外周部の外周面と、を嵌合させ、樹脂製の第1シールリップ部を有する樹脂リングの基端部を前記第1金属環のフランジ部と前記第2金属環のフランジ部との間で挟持する、一体的に組み立てられた組立体と、少なくとも、前記第1金属環の外周面を被覆する外周被覆部と、前記第1金属環のフランジ部の密封対象流体側の端面を被覆する密封対象流体側被覆部と、前記第1シールリップ部の密封対象流体側に設けられる第2シールリップ部とが連続的に形成されたゴム状弾性体製の被覆部と、を備え、前記組立体が前記被覆部によって一体的に保持されている密封装置の製造方法において、前記第1金属環の内部であって該第1金属環のフランジ部の反密封対象流体側に前記樹脂リングを組み付け、前記第1金属環の内部の前記樹脂リングの反密封対象流体側に、前記第2金属環を圧入して、前記第1金属環の外周部の内周面と前記第2金属環の外周部の外周面とを嵌合させ、前記第1金属環のフランジ部と前記第2金属環のフランジ部との間で、前記樹脂リングの基端部を挟持して、前記組立体を一体的に組み立て、成形型内に配置された前記組立体に対して、加硫成形によって前記被覆部を一体的に形成することを特徴とする。
【0007】
このようにすれば、組立体が被覆部によって一体的に保持されるので、製造過程において繁雑でコストがかかるかしめ工程が不要となり、製造工程の簡略化と低コスト化が可能となる。また、かしめ工程による金属表面処理皮膜からの粉末,金属粉が発生しなくなるので、密封装置に粉末等が異物となって付着し密封機能が失われることがなく、品質が向上する。また、かしめ工程での金属表面処理皮膜の破損による錆の発生という問題も生じないので、品質が向上する。
【0008】
また、被覆部が連続的に形成されているので、組立体を組み立てた際に生じる気密漏れの流路が被覆部によって密封され、信頼性が向上する。さらに、被覆部が連続的に形成されているので、組立体の各部材について、気密性を損なうおそれのある異物,傷,成形不良及び組立不良の品質管理を徹底する必要がない。従って、製造工程が簡略化され、低コスト化が可能となる。
【0009】
また、第1金属環の外周面がゴム状弾性体製の外周被覆部によって被覆されるので、外周側の金属面がハウジングの内周面に傷を付けて密封性に影響を与えることもなく、外周側での密封機能が十分に確保でき、機能上の信頼性が向上する。
【0011】
そして、組立体に対して一体的に形成された被覆部によって組立体が保持されるので、繁雑でコストがかかるかしめ工程が不要となり、製造工程の簡略化と低コスト化が可能となる。また、かしめ工程による金属表面処理皮膜からの粉末,金属粉が発生しなくなるので、密封装置に粉末等が異物となって付着し密封機能が失われることがなく、品質が向上する。また、かしめ工程での金属表面処理皮膜の破損による錆の発生という問題も生じないので、品質が向上する。
【0012】
また、加硫成形の過程で、ゴム状弾性体材料が、組立体の各部材の隙間に入り込んで充填され、気密漏れの流路となる隙間が密封されるので、信頼性が向上する。また、被覆部を連続的に形成することができるので、各部材について、気密性を損なうおそれのある異物,傷,成形不良及び組立不良の品質管理を徹底する必要がない。従って、製造工程が簡略化され、低コスト化が可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施形態に基づいて説明する。
【0014】
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係る密封装置1の概略構成を示す断面図である。
【0015】
密封装置1の第1金属環としての金属環2は、断面略L字形状で、軸方向に延びる外周部3,内周面側に面取りによって形成された段部5を有する外周部の軸方向端部4,外周部3の密封対象流体O側端部から内径方向に延びるフランジ部6,フランジ部6の内径側に段部を介して密封対象流体O側に形成される内周部6aからなる。
【0016】
金属環2の内周側の第2金属環としての金属環10は、断面略L字形状で、軸方向に延びる外周部11,外周部の密封対象流体O側から内径方向に延びるフランジ部12からなり、フランジ部12には複数の軸方向の孔13が設けられている。
【0017】
金属環2の外周部3の内周面7と金属環10の外周部11の外周面18とが嵌合し、樹脂リングとしてのPTFE製の環状のシール部材15の外径側の基端部としてのシールリップ支持部16が金属環2,10のフランジ部6,12の間に挟み込まれている。シールリップ支持部16の内径側端部には軸方向密封対象流体側Oに延びる第1シールリップ部としてのシールリップ部17が形成されており、軸と摺動密封する。ここで、金属環2,金属環10及びシール部材15によって組立体が構成される。樹脂としては、耐薬品性,耐熱性及び低摩擦係数等の特性からPTFEが望ましいが、特性に応じてピュアなものや種々の充填剤を添加したものを使用することができる。
【0018】
ゴム製の被覆部20は、金属環2,10の大気A側の軸方向端部4,14を金属環2の外周部3の外周面8側から金属環10の外周部11の内周面側角部まで覆う軸方向端部21,金属環2の外周部3の外周面8全体を覆う外周被覆部としての外周嵌合部22,金属環2のフランジ部6の密封対象流体O側端面を覆う密封対象流体側被覆部としての壁部23,軸方向密封対象流体O側に延びる第2シールリップ部としてのシールリップ部24,軸と摺動密封するリップ先端部25,シール部材15のシールリップ支持部16と金属環2のフランジ部6の内周部6aとの間の空間を埋める接合気密部26からなり、各部は連続的に形成されている。本実施形態ではゴム状弾性体としてゴムを使用しているがこれに限られるものではない。
【0019】
被覆部20は金属環2,10及びシール部材15に加硫成形により一体的に焼き付けられている。軸方向端部21は金属環2の外周部3の段部5と金属環10との間に形成される空間に入り込んで金属環2及び金属環10の大気A側端部を保持しており、接合気密部26は金属環2の内周部6aとシール部材15のシールリップ支持部16との間に入り込んでシールリップ支持部16を保持しており、連続的に形成された被覆部20は金属環2,10及びシール部材15を一体的に保持している。従って、かしめ工程が不要となるので、金属表面処理皮膜からの粉末,金属粉が発生せず、密封装置に粉末等が異物となって付着し密封機能が失われることもなく、品質が向上する。また、かしめ工程での金属表面処理皮膜の破損による錆の発生という問題も生じないので、品質が向上する。
【0020】
被覆部20が連続的に形成されているので、金属環2,金属環10及びシール部材15を組み立てた際に生じる気密漏れの流路が被覆部20によって密封されるので、信頼性が向上する。また、被覆部20は金属環2,10及びシール部材15に対して連続的に形成されるので、各部材について、気密性を損なうおそれのある異物,傷,成形不良及び組立不良の品質管理を徹底する必要がない。従って、製造工程が簡略化され、低コスト化が可能となる。
【0021】
シール部材15のシールリップ部17は、後述するように、平ワッシャー形状のシール部材15の内径部18を、加硫成形後に被覆部20のシールリップ部24と同方向に曲げ加工して形成したものである。
【0022】
図2は密封装置1の固定側のハウジングへの取付状態を示す断面図である。
【0023】
密封装置1の被覆部20の外周嵌合部22がハウジング30の軸孔31の内周面32に嵌合し、壁部23がハウジング30の段部端面33に当接して固定される。密封装置1の大気側Oのハウジング30の軸孔31内周面32に溝34を設け、密封装置1の離脱を防止するためのストップリング35を装着している。
【0024】
金属環2の外周部3の外周面8全体を覆う外周嵌合部22が形成されているので、金属面がハウジング30の内周面32に傷を付けて密封性に影響を与えることもなく、外周側での密封機能が十分に確保でき、機能上の信頼性が向上する。
密封装置1の内周には、同心的に軸40が回転可能に挿入される。軸40の外周面41には、被覆部20のシールリップ部24のリップ先端部25と、シール部材15のシールリップ部17とが摺接して密封する。
【0025】
以下、密封装置1の製造方法について説明する。
【0026】
図3(a)に組み立て前の各部材を示す。金属環2のフランジ部6側まで外周部3に沿って平ワッシャー形状のシール部材15を挿入し、金属環2のフランジ部6の大気A側にシール部材15を組み付ける。さらに金属環10を金属環2の内径側にプレス圧入し、金属環2の外周部3の内周面7と金属環10の外周部11の外周面18とを嵌合させる。2つの金属環2,10のフランジ部6,12の間でシール部材15の外径側を圧着するように挟み込んで一体化する。組み立て時には、金属環2の軸方向端部4の内周面に形成された段部5がシール部材15及び金属環10の挿入時のガイドの役割をする。
【0027】
組み立てた状態を示すのが図3(b)である。組み立てた後には、金属環10のフランジ部12にある等配孔13のエッジ部14はシール部材15の表面にくい込み、組立後の滑り及び作動時の軸に対する共回りを防止し、強固な固定をする役割をする。
【0028】
金属環2及び10は、共に予め表面処理されており、下地には燐酸皮膜等の化成皮膜処理を行い、その表面にゴムに最適な樹脂系,ゴム糊系等の接着剤を塗布しており、加硫成形により金属環2,10にゴム製の被覆部20を形成するとともに強固な焼き付け接着ができるようにしている。
【0029】
図4(a)のように、一体化した2つの金属環2,10と平ワッシャー形状のシール部材15を第1下型45上に設置する。第1下型45の上面には突出部45a,シール部材保持部45b,金属環保持部45cが中心部から外径方向へ階段状に同心的に形成されており、シール部材保持部45b上にシール部材15の内径部18が保持され、金属環保持部45cの上に金属環10のフランジ部12が保持される。金属環2及び金属環10の外周部3,11は、第1下型45,第2下型46及び中型47によって形成される環状の凹部48に挿入されており、金属環2及び金属環10の軸方向端部4,14の下方には空間が確保されている。
【0030】
この後、図4(b)に示すように、金属環2のフランジ部6の上部に環状に切断したゴム生地52を載せ、上型(図示せず)によって上方から押圧して、最適な圧力と温度条件下で圧縮し加硫成形を行い、軸方向端部21,外周嵌合部22,壁部23,シールリップ部24,リップ先端部25,接合気密部26からなる被覆部20を一体的に形成する。
【0031】
この過程で、ゴム生地52は、金属環2の段部5と金属環10の外周面18との間、金属環2の内周部6とシール部材15の密封対象側端面との間にも回り込んで充填され、気密漏れの流路となる金属環2,10及びシール部材15の組立部の隙間が密封されるので、信頼性が向上する。また、被覆部20は金属環2,10及びシール部材15に対して一体的に形成されるので、各部材について、気密性を損なうおそれのある異物,傷,成形不良及び組立不良の品質管理を徹底する必要がない。従って、製造工程が簡略化され、低コスト化が可能となる。さらに、かしめ工程が不要となり、金属表面処理皮膜からの粉末,金属粉が発生しなくなるので、密封装置に粉末等が異物となって付着し密封機能が失われることがなく、品質が向上する。また、かしめ工程での金属表面処理皮膜の破損による錆の発生という問題も生じないので、品質が向上する。金属環2の外周部3の外周面8全体がゴムによって被覆されているので、実機ハウジングに傷を付けて密封性に影響を与えることもなく、外周側での密封機能が十分に確保でき、機能上の信頼性が向上する。
【0032】
このように圧縮成形をしてもよいし、図5に示すように第1上型49,第2上型50によって型締めし、第2上型50に等配される注入孔51からゴム生地を射出成形して製造してもよい。
【0033】
図6は成形直後の半製品状態の密封装置1を示し、シール部材15は平ワッシャー形状のままで、曲げ加工は行っていない。図7は、半製品状態の密封装置1のシール部材15の内径に曲げ治具の軸55を挿入して、曲げ加工して軸方向密封対象流体O側に延びるシールリップ部17を形成する状態を示す。多数の製品を軸上で棒状に整列させて、電気炉内で一定時間の加熱をすると、生産性良く安定した曲げ状態と寸法が得られる。
【0034】
(第2の実施形態)
図8に本発明の第2の実施形態に係る密封装置61を示す。被覆部20シールリップ部24及びシール部材15のシールリップ部17の内周面の構成を除いては第1の実施形態と同様の構成を有するので、同様の構成を有する部分については同様の符号を用いて説明を省略する。
【0035】
密封装置61の被覆部20のシールリップ部24のリップ先端部25の内周面25aには断面略三角形状の螺旋状のリブ62を周方向に等配し、シール部材15のシールリップ部17の内周面17aには螺旋状の切り込み状の溝63を形成することにより、動流体力学的に密封作用を与える螺子を付加している。従って、密封性能を一層向上させることができる。
【0036】
(第3の実施形態)
図9に本発明の第3の実施形態に係る密封装置71を示す。被覆部20シールリップ部24及びシール部材15のシールリップ部17の内周面の構成を除いては第1の実施形態と同様の構成を有するので、同様の構成を有する部分については同様の符号を用いて説明を省略する。
【0037】
密封装置71の被覆部20のシールリップ部24のリップ先端部25の内周面25aには断面略三角形状の螺旋状のリブ62を周方向に等配し、シール部材15のシールリップ部17の内周面17aには、断面V形状の螺旋溝72を周方向に等配している。このような動流体力学的に密封作用を与える螺子を付加することにより、密封性能を一層向上させることができる。
【0038】
シール部材15のシールリップ部17の内周面17aの螺旋溝72は、図10に示すように加硫成形時の第1下型45のシール部材保持部45bに突起状螺子を形成しこれを転写することにより容易に形成することができる。
【0039】
(第4の実施形態)
図11に本発明の第4の実施形態に係る密封装置81を示す。被覆部20シールリップ部24及びシール部材15のシールリップ部17の内周面の構成を除いては第1の実施形態と同様の構成を有するので、同様の構成を有する部分については同様の符号を用いて説明を省略する。
【0040】
密封装置81の被覆部20のシールリップ部24のリップ先端部25の内周面25aには断面略三角形状の左方向螺旋状のリブ82及び右方向の螺旋状のリブ83を周方向に等配し、シール部材15のシールリップ部17の内周面17a及び外周面17bには、断面V形状の螺旋溝84,85を周方向に等配している。このような動流体力学的に密封作用を与える螺子を付加することにより、密封性能を一層向上させることができる。
【0041】
(第5の実施形態)
図12に本発明の第5の実施形態に係る密封装置91を示す。被覆部20のシールリップ部24の構成を除いては、第1の実施形態と同様の構成を有するので、同様の構成を有する部分については同様の符号を用いて説明を省略する。
【0042】
密封装置91の被覆部20のシールリップ部24のリップ先端部25の外径側に周方向の溝25bを設け、この溝25bにスプリング92を装着し、リップ先端部25の軸への追随性を向上させている。このように軸への追随性が向上すれば、密封性能も向上する。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、組立体が被覆部によって一体的に保持されるので、製造過程をおいて繁雑でコストがかかるかしめ工程が不要となり、製造工程の簡略化と低コスト化が可能となる。また、かしめ工程による金属表面処理皮膜からの粉末,金属粉が発生しなくなるので、密封装置に粉末等が異物となって付着し密封機能が失われることがなく、品質が向上する。また、かしめ工程での金属表面処理皮膜の破損による錆の発生という問題も生じないので、品質が向上する。
【0044】
また、被覆部が連続的に形成されているので、組立体を組み立てた際に生じる気密漏れの流路が被覆部によって密封され、信頼性が向上する。さらに、被覆部が連続的に形成されているので、組立体の各部材について、気密性を損なうおそれのある異物,傷,成形不良及び組立不良の品質管理を徹底する必要がない。従って、製造工程が簡略化され、低コスト化が可能となる。
【0045】
また、第1金属環の外周面がゴム状弾性体製の外周被覆部によって被覆されるので、外周側の金属面がハウジングの内周面に傷を付けて密封性に影響を与えることもなく、外周側での密封機能が十分に確保でき、機能上の信頼性が向上する。
【0046】
また、組立体に対して一体的に形成された被覆部によって組立体が保持されるので、繁雑でコストがかかるかしめ工程が不要となり、製造工程の簡略化と低コスト化が可能となる。また、かしめ工程による金属表面処理皮膜からの粉末,金属粉が発生しなくなるので、密封装置に粉末等が異物となって付着し密封機能が失われることがなく、品質が向上する。また、かしめ工程での金属表面処理皮膜の破損による錆の発生という問題も生じないので、品質が向上する。
【0047】
また、加硫成形の過程で、ゴム状弾性体材料が、組立体の各部材の隙間に入り込んで充填され、気密漏れの流路となる隙間が密封されるので、信頼性が向上する。また、被覆部を連続的に形成することができるので、各部材について、気密性を損なうおそれのある異物,傷,成形不良及び組立不良の品質管理を徹底する必要がない。従って、製造工程が簡略化され、低コスト化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の第1の実施形態に係る密封装置の概略構造を示す断面図である。
【図2】図2は本発明の第1の実施形態に係る密封装置の取付状態を示す断面図である。
【図3】図3(a)は本発明の第1の実施形態に係る密封装置の金属環部分の組み立て前の状態を示す断面図である。図3(b)は同金属環部分の組立状態を示す断面図である。
【図4】図4は本発明の第1の実施形態に係る密封装置の製造方法を説明する図である。
【図5】図5は本発明の第1の実施形態に係る密封装置の他の製造方法を説明する図である。
【図6】図6は半製品状態の本発明の第1の実施形態に係る密封装置を示す半断面図である。
【図7】図7は半製品状態の本発明の第1の実施形態に係る密封装置の加工方法を説明する図である。
【図8】図8は本発明の第2の実施形態に係る密封装置の概略構造を示す半断面図である。
【図9】図9は本発明の第3の実施形態に係る密封装置の概略構造を示す半断面図である。
【図10】図10は本発明の第3の実施形態に係る密封装置の製造方法を説明する図である。
【図11】図11は本発明の第4の実施形態に係る密封装置の概略構造を示す半断面図である。
【図12】図12は本発明の第5の実施形態に係る密封装置の概略構造を示す半断面図である。
【図13】図13は従来の密封装置を示す図である。
【図14】図14は従来の他の密封装置を示す図である。
【符号の説明】
1,61,71,81,91,100,200 密封装置
2 金属環
3 外周部
5 段部
6 フランジ部
7 内周面
8 外周面
10 金属環
11 外周部
12 フランジ部
18 外周面
15 シール部材
17 シールリップ部
18 内径部
20 被覆部
21 軸方向端部
22 外周嵌合部
23 壁部
24 シールリップ部
25 リップ先端部
30 ハウジング
40 軸
45 第1下型
46 第2下型
47 中型
49 第1上型
50 第2上型
Claims (1)
- 軸方向に延びる外周部と該外周部の密封対象流体側の端部から内径方向に延びるフランジ部とを有する第1金属環の外周部の内周面と、軸方向に延びる外周部と該外周部の密封対象流体側の端部から内径方向に延びるフランジ部とを有する第2金属環の外周部の外周面と、を嵌合させ、樹脂製の第1シールリップ部を有する樹脂リングの基端部を前記第1金属環のフランジ部と前記第2金属環のフランジ部との間で挟持する、一体的に組み立てられた組立体と、
少なくとも、前記第1金属環の外周面を被覆する外周被覆部と、前記第1金属環のフランジ部の密封対象流体側の端面を被覆する密封対象流体側被覆部と、前記第1シールリップ部の密封対象流体側に設けられる第2シールリップ部とが連続的に形成されたゴム状弾性体製の被覆部と、を備え、
前記組立体が前記被覆部によって一体的に保持されている密封装置の製造方法において、
前記第1金属環の内部であって該第1金属環のフランジ部の反密封対象流体側に前記樹脂リングを組み付け、
前記第1金属環の内部の前記樹脂リングの反密封対象流体側に、前記第2金属環を圧入して、前記第1金属環の外周部の内周面と前記第2金属環の外周部の外周面とを嵌合させ、
前記第1金属環のフランジ部と前記第2金属環のフランジ部との間で、前記樹脂リングの基端部を挟持して、前記組立体を一体的に組み立て、
成形型内に配置された前記組立体に対して、加硫成形によって前記被覆部を一体的に形成することを特徴とする密封装置の製造方法。
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JPH10220591A (ja) | 1998-08-21 |
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