JP3361432B2 - 内燃機関における排気脈動制御方法及び装置 - Google Patents

内燃機関における排気脈動制御方法及び装置

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JP3361432B2 JP19918296A JP19918296A JP3361432B2 JP 3361432 B2 JP3361432 B2 JP 3361432B2 JP 19918296 A JP19918296 A JP 19918296A JP 19918296 A JP19918296 A JP 19918296A JP 3361432 B2 JP3361432 B2 JP 3361432B2
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  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は2サイクル或いは4
サイクル内燃機関における排気ガスの圧力脈動を最適化
するための内燃機関の排気脈動制御方法の改良に関す
る。
【0002】
【従来の技術】2サイクルエンジンは、排気管内の排気
ガスの圧力脈動を利用して燃焼室内のガス交換を行う。
圧力は音速で伝搬するので排気温度の変化により、その
伝搬速度が変わり、従って排気孔に対する圧力の正圧及
び負圧反射波帰還時間が変わりエンジンの出力に影響を
及ぼすことは周知のことである。すなわち、排気管の断
面が絞られる部分や、流れの方向が急激に曲げられる部
分において、排気行程初期の正の排気圧力波がそのまま
正圧のまま反射し、後の掃排気サイクルの排気行程終期
に排気孔に戻ってくるようにすれば、新気の吹き抜けを
少なくできる。また、排気管が排気膨脹室に接続される
箇所あるいは排気管出口において、排気行程初期の正の
排気圧力波が負圧に反転して反射し、後の掃排気サイク
ルの掃排気行程中に排気孔に戻ってくるようにすれば、
ガス交換の効率を高めることが出来る。一方、4サイク
ルエンジンでは、排気弁の開閉工程終期と吸気弁の開閉
工程初期が重ねられるのが一般的であり、この時期に上
記と同様にして反射する負圧が排気弁に戻ってくるよう
にすれば、吸気弁からの新気の充填効率を高めることが
できる。図16は、2サイクルエンジンにおける排気温
度とエンジン出力との関係を各エンジン回転数に対して
示したグラフである。このグラフからも分かるように各
エンジン回転数に対して排気温度が最適になるような制
御ができれば、高いエンジン出力が得られエンジンの運
転効率を向上させることが可能である。4サイクルエン
ジンにおいても同様のことが言える。これに関して従来
は、制御対象となるエンジンのエンジン回転数及びスロ
ットル開度に対する最適な排気温度を予め測定してお
き、実際に測定した排気温度と前記最適な温度とを比較
し、この比較結果に応じて可変排気タイミング装置のバ
ルブ開度を変えることで排気ガスの温度を調節し、実際
の測定温度を最適な温度に近づけることでエンジン出力
を上げる方法が2サイクルエンジンについて提案されて
いた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の方法に
よれば、排気温度を各エンジン回転数及びスロットル開
度に対する最適な排気温度を得ることができ、圧力の伝
搬速度を調節することができるが、可変排気タイミング
装置のバルブ開度を変えると、それに伴って排気孔の開
閉タイミングも変わり、従って最適な正圧反射波帰還時
間も変わってしまうので、エンジン回転数及びスロット
ル開度に対する最適な排気温度も、予め測定しておいた
温度と変わってしまうという問題が生ずる。上記した問
題を解決しないまま、従来の方法で排気脈動を制御する
と、排気温度を予め測定した最適な温度に一致させて
も、前記予め測定した最適な温度自体が本来の最適な温
度ではなくなっており、結局最適なエンジン出力が得ら
れないので、この問題を解決しなけばならないという課
題がある。一方4サイクルエンジンにおいても、排気弁
と、弁開駆動開始タイミングを可変とする排気弁開閉駆
動装置とからなる可変排気タイミング装置を配置し、排
気弁開開始タイミングを変えることで排気ガスの温度を
調整し、実際の測定温度を最適な温度に近づけることが
考えられる。しかし、この場合においても上記した2サ
イクルエンジンの場合と同様な課題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の内燃機関における排気脈動制御方法は、排
気孔の入口付近に設けられたバルブ装置で排気孔の開閉
タイミングを可変させる可変排気タイミング装置を有す
る2サイクル内燃機関において、内燃機関の運転状態に
対応する走行中の排気温度を検知し、予め用意した、様
々な内燃機関の運転状態に対する正圧反射波帰還時間が
排気孔の開閉タイミングに最適になる最適排気温度のデ
ータに基づいて、検知した排気温度が最適排気温度にな
るように前記可変排気タイミング装置におけるバルブ装
置のバルブ開度を補正すると同時に、前記最適排気温度
のデータを、前記補正後のバルブ開度に対応する正圧反
射波帰還時間が排気孔の開閉タイミングに最適になる最
適排気温度に合わせて補正することを特徴とするもので
ある。
【0005】また、本発明の内燃機関における排気脈動
制御装置は、2サイクル内燃機関における排気孔の入口
付近にバルブ装置を設けて排気孔の開閉タイミングを可
変させる可変排気タイミング装置と内燃機関の運転状態
を検知するセンサと、排気温度を検知するセンサと前記
各センサの検知結果に基づいて可変排気タイミング装置
のバルブ装置の開度を設定する制御装置とを有し、前記
制御装置が内燃機関の運転状態に応じてバルブ装置の開
度を決定するバルブ開度決定手段と、様々な内燃機関の
運転状態に対する正圧反射波帰還時間が排気孔の開閉タ
イミングに最適になる最適排気温度のデータを予め記憶
する手段と、検知した排気温度が前記記憶された最適排
気温度になるようにバルブ開度決定手段で決定されたバ
ルブ装置の開度を補正する手段と、同時に、最適排気温
度のデータを、前記補正後のバルブ開度に対応する正圧
反射波帰還時間が排気孔の開閉タイミングに最適になる
最適排気温度に合わせて補正する手段とを備えているこ
とを特徴とするものである。
【0006】さらに、本発明の別の内燃機関における排
気脈動制御方法は、吸気弁及び排気弁が設けられたシリ
ンダ内側に往復動するピストンを配置し、該ピストンが
2往復する間に、排気弁及び吸気弁それぞれを一回づつ
開閉するとともに、少なくとも排気弁を開き始めるタイ
ミングを可変とする可変排気タイミング装置を有する4
サイクル内燃機関において、内燃機関の運転状態に対応
する走行中の排気温度を検知し、予め用意した、様々な
内燃機関の運転状態に対する負圧反射波帰還時間が排気
弁開開始タイミングに最適になる最適排気温度のデータ
に基づいて、検知した排気温度が最適排気温度になるよ
うに前記可変排気タイミング装置における排気弁開閉駆
動装置の弁開駆動開始タイミングを補正すると同時に、
前記最適排気温度のデータを、前記補正後の弁開駆動開
始タイミングに対応する負圧反射波帰還時間が排気弁開
開始タイミングに最適になる最適排気温度に合わせて補
正することを特徴とするものである。さらに、本発明の
別の内燃機関における排気脈動制御方法は、吸気弁及び
排気弁が設けられたシリンダ内側に往復動するピストン
を配置し、該ピストンが2往復する間に、排気弁及び吸
気弁それぞれを一回づつ開閉するとともに、排気弁を開
き始めるタイミングと排気弁を閉じ終えるタイミングを
可変とする可変排気タイミング装置と、少なくとも吸気
弁の開き始めるタイミングを可変とする可変吸気タイミ
ング装置とを有する4サイクル内燃機関において、予め
用意した、様々な内燃機関の運転状態に対する負圧反射
波帰還時間が排気弁開開始タイミングに最適になる最適
排気温度のデータに基づいて、検知した排気温度が最適
排気温度になるように前記可変排気タイミング装置にお
ける排気弁開閉駆動装置の弁開駆動タイミングを補正す
ると同時に、弁開駆動タイミングが早まる場合には、吸
気弁の開き始めるタイミングを早め、弁開駆動タイミン
グが遅くなる場合には、排気弁を閉じ終えるタイミング
を遅くするようにしたことを特徴とするものである。さ
らに、本発明の別の内燃機関における排気脈動制御方法
は、吸気弁及び排気弁が設けられたシリンダ内側に往復
動するピストンを配置し、該ピストンが2往復する間
に、排気弁及び吸気弁それぞれを一回づつ開閉するとと
もに、排気弁を閉じ終えるタイミングを可変とする可変
排気タイミング装置かあるいは吸気弁の開き始めるタイ
ミングを可変とする可変吸気タイミング装置のいずれか
一方、あるいは両方を有する4サイクル内燃機関におい
て、内燃機関の運転状態に対応する走行中の排気温度と
エンジン回転速度を検知し、負圧反射波が排気弁に到達
するタイミングが、排気弁と吸気弁の両方が開となるオ
ーバーラップ期間内となるように、排気弁を閉じ終える
タイミングあるいは吸気弁を開き始めるタイミングのい
ずれか一方、あるいは両方を調整するようにしたことを
特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る内燃機関にお
ける排気脈動制御方法及び装置(以下、単に排気脈動制
御方法及び排気脈動制御装置と称する。)の実施の形態
を添付図面に示した一実施例を参照して説明する。
【0008】図1は本発明に係る排気脈動制御方法を実
行する排気脈動制御装置で制御される2サイクルエンジ
ンを搭載した自動二輪車の概略側面図であり、図中1は
自動二輪車を示している。図中2はヘッドパイプであ
り、このヘッドパイプ2は上端にハンドル3を有する操
舵軸(図示せず)を回動自在に支持している。操舵軸に
は左右一対のフロントフォーク5が連結されており、フ
ロントフォーク5はそれらの間に前輪6を回動自在に支
持している。また、ヘッドパイプ2にはフレーム7が連
結されている。フレーム7は前端がヘッドパイプ2に固
定された左右一対のメインフレーム7aと、メインフレ
ーム7aの後側からさらに後方に延長するリアフレーム
7bと、メインフレーム7aの前側から一度下方に延長
した後車両後方に延長し後端がメインフレーム7aの後
端部に連結しているダウンチューブ7cとから成り、前
記メインフレーム7aの上側には燃料タンク8が搭載さ
れている。図中9はスイングアームを示しており、この
スイングアーム9は、後端部で後輪10を支持し、また
前端部はメインフレーム7aに回動自在に軸支されてい
る。また、図中11は2サイクルエンジンを示してお
り、このエンジン11はメインフレーム7a及びダウン
チューブ7cに懸架されている。
【0009】図2は前記エンジン11の構成を概略的に
示すエンジン11の概略断面図である。このエンジン1
1はシリンダヘッド12、シリンダブロック13及びク
ランクケース14,15を積層締結して構成され、内部
にシリンダを画定している。前記シリンダはピストン1
7により区画され、一方が燃焼室18に、他方がクラン
ク室19になっている。前記クランク室19にはクラン
クシャフト20が回動自在に軸支され、シリンダにはピ
ストン17が上下方向に摺動自在に配置されており、ク
ランクシャフト20とピストン17とはコンロッド21
で連結されている。エンジン11には吸気経路25、掃
気経路26及び排気経路27が形成されている。吸気経
路25は、吸気通路25bを有し、連結管25aで、ク
ランク室19の吸気取入口19aと吸気通路25bとを
連結して成る。吸気取入口19aにはリードバルブ28
が密閉的に挟持されており、このリードバルブ28はク
ランク室19と吸気通路25bとの圧力差で開閉する。
前記吸気通路25bは気化器100の上部を貫通して形
成されており、バタフライ型のスロットル弁29が設け
られている。このスロットル弁29はスロットル30の
開度に応じて吸気管25bにおける吸気経路の断面積を
可変させる。また、掃気経路26はシリンダブロック1
3及び14にかけて形成された掃気通路26aから成
り、この掃気通路26aは一端がシリンダの燃焼室18
側に繋がり、他端がシリンダのクランク室19側に繋が
っており、燃焼室18で混合気が爆発燃焼した後、ピス
トン17の下降に伴ってシリンダの燃焼室18側の端部
を開口してクランク室19と燃焼室18とを連通させ、
クランク室19内に吸入された混合気を燃焼室18に送
り込む。排気経路27は、シリンダブロック13に形成
された排気通路27a及び排気管27bから構成され、
排気通路27aはその一端がシリンダの燃焼室18に開
口する排気孔27cを構成し、他端が排気管27bに連
結している。この排気経路27の排気孔27cは、燃焼
室18で混合気が爆発燃焼した後、ピストン17の下降
に伴って前記掃気通路26より早いタイミングで開口
し、燃焼室18内の燃焼ガスの排気を始め、そしてこれ
より遅いタイミングで開かれる掃気経路26を通って燃
焼室18内に入る混合気が燃焼室18内に残留している
燃焼ガスを排気経路27に向けて押し出し、次の燃焼の
ための圧縮がピストン17により行われる。また、排気
管27bは膨脹室27dを有し、この膨脹室27dの作
用で排気経路27を流れる排気ガスに圧力脈動を生じさ
せて、排気初期には排気経路27の排気孔27c付近を
負圧にして燃焼室18からの排気ガスの排気を促進さ
せ、また、排気後期には排気経路27の排気孔27c付
近を正圧にして排気孔27cから漏れた未燃混合気を再
度燃焼室18に押し込み漏れ出しを防止する。この排気
ガスの圧力脈動、即ち排気孔27c付近における排気ガ
スが正圧から一度負圧になり、再度正圧に戻るまでの時
間を正圧反射波帰還時間と言い、この正圧反射波帰還時
間は圧力の伝搬速度によって変化する。前記圧力の伝搬
速度は温度、即ち排気ガスの温度に依存し、温度が高け
れば早く温度が低ければ遅くなる。従って、排気孔27
cの開くタイミングが早いと燃焼直後の排気ガスが排気
管に流れることになるので、排気ガス圧力の伝搬速度は
早く、即ち正圧反射波帰還時間は短くなり、また、排気
孔27cの開くタイミングが遅くなれば排気ガスの温度
が下がるので、排気ガス圧力の伝搬速度は遅く、即ち正
圧反射波帰還時間は長くなる。また、正圧反射波帰還時
間は排気管の長さ及び膨脹室の大きさ等で大きく変わる
ので、これらの寸法は出荷時にエンジンの特性に応じた
正圧反射波帰還時間が得られるように調節される。ま
た、排気通路27aには可変排気タイミング装置31が
設けられており、この可変排気タイミング装置31は、
断面半円形のバルブ装置32及び駆動モータ33を有
し、制御装置40の出力に応じてバルブ装置32を前記
駆動モータ33で回動して排気孔27cの開度を変え、
開閉タイミングを細かく調節できるように構成されてい
る。
【0010】この可変排気タイミング装置は制御装置4
0によって制御されている。図3は制御装置40の概略
ブロック図を示しており、図面に示すようにこの制御装
置40は、バルブ開度決定手段41、最適排気温度記憶
・読込手段42、バルブ開度補正手段43、最適排気温
度補正手段44及び運転状態判断手段45を有し、前記
バルブ開度補正手段43は比較手段43a、バルブ開度
補正値決定手段43b、補正値加算手段43c及びバル
ブ開度リミット維持手段43dを備えている。この制御
装置40は前記各手段で、エンジン回転数検出センサ4
6、スロットル開度検出センサ47及び排気管壁温検出
センサ48からの検出信号に基づいて可変排気タイミン
グ装置31の駆動モータ33を駆動させてバルブ装置3
2を回動させて各エンジン回転数N及びスロットル開度
Hにおける排気孔27cの開閉タイミングと正圧反射波
帰還時間Tとを適合させてエンジンから最適な出力が得
られるように排気脈動を制御している。なお、排気管壁
温検出センサ48の代わりに排気ガス温検出センサ4
8’を配置し、所定時間の排気ガス温度の平均値を以下
の方法における排気管壁温の代わりに用いてもよい。
【0011】図4は制御装置40の制御フローチャート
を示している。以下図3及び図4を参照して制御装置4
0の作用を説明する。制御装置40は、自動二輪車1の
エンジンの始動と共に制御を開始し、制御開始時にバル
ブ開度補正手段43及び最適排気温度補正手段44の最
適壁温補正値Pc(後で詳細に説明する)及びバルブ開
度補正値Vc(後で詳細に説明する)を0に設定する
(ステップ1)。次に、バルブ開度決定手段41で、エ
ンジン回転数検出センサ46及びスロットル開度検出セ
ンサ47からエンジン回転数N1及びスロットル開度H
1を入力し(ステップ2)、当該エンジン回転数N1及
びスロットル開度H1に基づいてマップ1から可変排気
タイミング装置31の最適バルブ開度Vgを読み込む
(ステップ3)。図5(a)は前記マップ1を示してお
り、このマップ1は、予め各エンジン回転数N及びスロ
ットル開度Hに対して最適な出力が得られるバルブ開度
Vgを実験等で計測するか、又は計算して求めたデータ
から成る可変排気タイミング装置で一般的に使用されて
いるマップであり、制御装置40が記憶している。続い
て、運転状態判断手段45で、前記入力されたエンジン
回転数N1及びスロットル開度H1の変化率が所定値を
越えているか否かを判断し(ステップ4)、変化率が所
定値を越えている場合にはエンジンの運転状態が過渡状
態にあると判断して、バルブ開度補正手段43における
バルブ開度補正値Vcを0に設定して(ステップ1
0)、バルブ開度決定手段41で求めた最適バルブ開度
Vgに基づいて可変排気タイミング装置31の駆動モー
タ33を駆動させ(ステップ15)、バルブ装置32の
開度を変える。入力したエンジン回転数N1及びスロッ
トル開度H1の変化率が所定値を越えていない場合に
は、続けて最適排気温度記憶・読込手段42で排気管壁
温検知センサ47から排気管壁温P1を入力する(ステ
ップ5)。バルブ開度補正手段43の比較手段43a
は、センサ46及び47から入力されるエンジン回転数
N1及びスロットル開度H1に基づてマップ2から最適
排気管壁温範囲Pghを読み込み(ステップ6)、入力
された排気管壁温P1が最適排気管壁温範囲Pghの範
囲内にあるか否かの比較を行う(ステップ7)。図5
(b)は前記マップ2の一例を示すグラフである。この
マップ2は予め各エンジン回転数N及びスロットル開度
Hに対して最高のエンジン出力が得られる最適な壁温P
gを実験等で計測するか又は計算して求め、当該最適な
排気管壁温Pgを基準にエンジン出力に大きく影響しな
い程度の適当な排気管壁温範囲Pghを設定したデータ
から成り、制御装置40が記憶している。ここで最適な
排気管壁温Pgとは各エンジン回転数N及びスロットル
開度Hにおいて、排気ガスの正圧反射波帰還時間Tが排
気孔27cの開閉タイミングに対して最適になる排気ガ
スの圧力伝搬速度が得られる排気管壁温(即ち排気温
度)のこといい、正圧反射波帰還時間Tとは、排気孔2
7cにおける排気圧力が正圧から負圧になり再度正圧に
戻るまでの時間をいう。図8に排気圧力の正圧反射波帰
還時間Tと排気孔27cの開閉タイミングとの関係を表
すグラフを示す。前記排気圧力Lは、図8(a)に点線で
示すデータLgのように、ピストン17が排気孔27c
を開いた後、さらに下降して下死点付近にある時に、負
圧になり燃焼室18内の燃焼ガスの引き出しを補助し、
また排気孔27cが閉じる前、具体的には掃気通路26
から混合気が燃焼室18内に入り燃焼室18内の燃焼ガ
スを完全に排気した後に、正圧になって排気孔27cか
ら漏れだした未燃混合気を燃焼室18に押し戻す最適正
圧反射波帰還時間Tgで伝搬するのが好ましいのである
が、天候の変化等で排気管壁温が変化し、それに伴い排
気温度に急激な温度変化が生じて排気圧力の速度が変わ
り、図8(a)に実線で示す排気圧力L1のように排気孔
27cの開閉タイミングとずれた正圧反射帰還時間T1
になると、燃焼ガスの排気が不十分になったり、未燃混
合気の漏れが生じたりして燃焼室18内のガス交換率を
下げエンジン出力が下がる。前記比較手段43aは、ス
テップ5で入力された排気管壁温P1がステップ6で読
み込まれた最適排気管壁温範囲Pghの範囲内にあるか
否かを判断し(ステップ7)、P1がPghの範囲内に
ある場合には、前記正圧反射帰還時間Tが排気孔27c
の開閉タイミングに適合した最適正圧反射帰還時間Tg
であると判断して、バルブ開度補正値決定手段43bに
おけるバルブ開度補正値Vcを0に設定し(ステップ1
0)、ステップ3で読み込まれた最適バルブ開度Vgで
駆動モータ33を駆動させてバルブ装置32を回動させ
る(ステップ11及びステップ15)。また、排気管壁
温P1が最適排気管壁温範囲Pghの範囲外にある場合
には、バルブ開度補正値決定手段43bで排気管壁温P
1と最適排気管壁温Pgとの温度差及び入力されたエン
ジン回転数N1に基づいてマップ3から最適バルブ開度
Vgに対するバルブ開度補正値Vcを読み込む(ステッ
プ8)。前記マップ3は、予めエンジン回転数N及び排
気管壁温Pと最適排気管壁温Pgとの温度差に対する最
適なバルブ開度補正値Vcを実験等によって計測する
か、又は計算で求めて得られたデータであり、制御装置
40が記憶している。図6(a)はマップ3の一例を示
すグラフである。通常可変排気タイミング装置のバルブ
開度が大きくなると排気孔が開口するタイミングが早く
なるので排気ガスが燃焼から排気管内に流入するまでの
時間が短くなり、結果として排気ガスの温度が上がり排
気管壁温を上げる。また、逆に前記バルブ開度を小さく
すると逆の作用で排気壁温が下がる。従って、本図に示
すように実際の排気管壁温P1が最適排気管壁温範囲P
ghを越えて低い場合には実際のバルブ開度V1を最適
バルブ開度Vgよりも大きくなるようにバルブ開度補正
値Vcを決定し、また逆に排気管壁温P1が最適排気管
壁温範囲Pghを越えて高い場合には実際のバルブ開度
V1を最適バルブ開度Vgよりも小さくなるようバルブ
開度補正値Vcを決定するようにマップ3は作られてい
るのであるが、実際のバルブ開度V1を補正することに
より、例えばバルブ開度V1を大きくすると、前述のよ
うに排気孔の開口タイミングが早まると共に閉口タイミ
ングが遅くなるので、結果として最適な正圧反射波帰還
時間Tgも長くなり、例えばTg+Tcに変わる(図8
(b)参照)。前記正圧反射波帰還時間Tは排気圧力Lの
伝搬速度によって決まり、前記圧力伝搬速度は温度によ
って変化するため、結果として各エンジン回転数N及び
スロットル開度Hに対する最適排気管壁温Pgの値も変
わり、マップ2における最適排気管壁温範囲Pghが変
わることになる。従って、バルブ開度補正値決定手段4
3bでバルブ開度補正値Vcを決定した後、最適排気温
度補正手段44で、前記補正値Vcと入力された実際の
エンジン回転数N1に基づいてマップ4から最適排気管
壁温範囲補正値Pcを読み込み(ステップ9)、最適排
気管壁温範囲Pgh(即ち、最適排気管壁温Pg)を補
正後のバルブ開度に合った最適排気管壁温度範囲(Pg
+Pc)hに補正する(ステップ3)。このマップ4は
予めエンジン回転数N及びバルブ開度補正値Vcに対す
る最適排気管壁温範囲補正値Pcを実験等で測定する
か、又は計算で求めて得られたデータであり、制御装置
40が記憶している。図6(b) にマップ4の一例を示
す。ここでマップ3について、さらに説明すると、例え
ば、図8(a)に示すデータのように、あるエンジン回転
数において排気管壁温P1が最適排気管壁温範囲Pgh
より低くなり、それによって排気圧力L1の伝搬速度が
最適排気圧力Lgの伝搬速度より遅くなって正圧反射波
帰還時間T1が最適正圧反射波帰還時間Tgより長くな
り排気孔27cの開閉タイミングに合っていない場合に
は、可変排気タイミング装置における実際のバルブ開度
V1を補正値Vcで補正して大きくして排気管壁温P1
を上げれば、前記正圧反射帰還時間T1を短くできるの
であるが、可変排気タイミング装置におけるバルブ開度
V1の一回の補正量が大きいと、それに伴って排気孔2
7cの開閉タイミングが大きく変わり、従って最適排気
管壁温範囲Pghの補正量Pcも大きくなり、補正して
得られた正圧反射波帰還時間T1’が補正最適排気管壁
温範囲(Pg+Pc)hに対応する補正正圧反射波帰還
時間Tg+Tcを下回ってしまうという矛盾を生ずるこ
とになる。従って、マップ3におけるバルブ開度補正値
Vcは、上記のことを考慮して、マップ3に示すように
その変化量を十分に小さく設定しておく必要がある。
【0012】一方、前記バルブ開度補正値決定手段43
bでマップ3から読み込まれたバルブ開度補正値Vc
(ステップ8)は、補正値加算手段43cでバルブ開度
決定手段41でマップ1から読み込んだ最適バルブ開度
Vgに加算される(ステップ11)。そして、バルブ開
度リミット維持手段43dで、入力された実際のエンジ
ン回転数N1及びスロットル開度H1に基づいてマップ
5からバルブ開度Vの限界値Vmを読み込み(ステップ
12)、前記補正後のバルブ開度Vg+Vcが限界値V
mを越えているか否かの判断を行う(ステップ13)。
図7はマップ5の一例を示している。このマップ5は予
め各エンジン回転数N及びスロットル開度Hに対するバ
ルブ開度の限界値を実験等で計測するか又は計算して求
めたデータであり、制御装置40が記憶している。ここ
で前記補正後のバルブ開度Vg+Vcが限界値Vmを越
えていない場合には、当該バルブ開度Vg+Vcだけバ
ルブ装置32が可動するように駆動モータ33を駆動さ
せ(ステップ15)、また、補正後のバルブ開度Vg+
Vcが限界値Vmを越えている場合には、補正バルブ開
度Vg+Vcを限界値Vmの上限若しくは下限のいずれ
か近い方に合わせて設定し直して(ステップ14)、当
該設定後の補正バルブ開度Vmで駆動モータ33を駆動
させてバルブ装置32を可動させる(ステップ15)。
そして駆動モータ33を駆動させた後(ステップ1
5)、エンジン回転数N2及びスロットル開度H2を各
センサ46,47から新たに入力し(ステップ16)、
当該エンジン回転数N2及びスロットル開度H2がステ
ップ2で入力したエンジン回転数N1及びスロットル開
度H1に対して変化している場合にはスタートステップ
に戻り(ステップ17)、図示していないリセット手段
で前記バルブ開度補正値決定手段43b及び最適排気温
度補正手段44の各補正値Vc,Pcを0に設定し直し
てから(ステップ1)、ステップ2以降の作用を繰り返
す。また、前記エンジン回転数N2及びスロットル開度
H2がステップ2で入力したエンジン回転数N1及びス
ロットル開度H1に対して変化していない場合には、前
記各補正値Vc及びPcを記憶したままステップ2に戻
り、運転状態判断手段45でさらにエンジン回転数N1
+1及びスロットル開度H1+1を入力し、前記ステッ
プ16で計測したエンジン回転数N2及びスロットル開
度H2に対する変化率が所定の変化率を越えているか否
かの判断を行い(ステップ4)、判断結果に基づいて、
それ以降のステップに進む。尚、この場合、前記バルブ
開度決定手段41はマップ1から最適バルブ開度Vgを
読み込む時にバルブ開度補正値決定手段43bから得ら
れるバルブ開度補正値Vcを加算し(ステップ3)、最
適排気管温度記憶・読込手段42もまたマップ2から最
適排気管温度範囲Pghを読み込む時に最適排気管温度
範囲補正手段44から得られた最適排気管温度範囲補正
値Pcを加算する(ステップ6)。なお、ステップ17
において前記エンジン回転数N2及びスロットル開度H
2がステップ2で入力した値とそれぞれ同じ場合、ステ
ップ16におけるエンジン回転数N2及びスロットル開
度H2と、再度ステップ2で入力する新しい値N1,H
1とは変化がないはずであり、ステップ2とステップ4
とが省略できる。このため、ステップ18にて最適バル
ブ開度Vgを読み込むことなく、前回の最適バルブ開度
Vgに補正値Vcを加算したものを新たな最適バルブ開
度とし、最適排気管壁温Pghを読み込むことなく前回
の最適排気管壁温範囲Pghに補正値Pcを加算したも
のを新たな最適排気管壁温範囲Pghとし、さらに排気
管壁温P1を取り込んだ後、ステップ7に進むようにし
てもよい。
【0013】以上説明した本実施例の排気脈動制御装置
及び方法によれば、可変排気タイミング装置のバルブ開
度を補正すると共に、補正後のバルブ開度に合わせて最
適排気管壁温を補正するように構成しているので、より
精度の高い排気脈動の制御を行うことができ、それによ
り最適なエンジン出力を得ることができるという効果を
奏する。また、本実施例では排気ガスの温度のパラメー
タを排気管壁温から得ているのでパラメータの測定が容
易になるという効果を奏する。
【0014】以下に、排気脈動の別の制御方法として点
火時期による制御方法の一例について本発明の一実施例
を示した図2を参照して説明する。当該点火時期による
脈動制御方法は、図2に点線で示した点火装置51を介
して点火プラグ52の点火時期を制御装置50で制御す
ることで成され、この場合可変排気タイミング装置31
は既存の制御、例えば、図5(a)に示したマップ1に
基づいて制御装置50で制御される。前記点火装置51
は、図示していないがCDIユニットやイグニッション
コイル等を含む。
【0015】以下、制御装置50における点火次期を用
いた脈動制御方法に関して図9のフローチャートを参照
して説明する。制御装置50は、自動二輪車1のエンジ
ン始動と共に制御を開始し、制御開始時に点火時期進角
補正値Ic及び点火時期遅角補正値Id(後で詳細に説
明する)を0に設定する(ステップ1)。次に、エンジ
ン回転数検出センサ46及びスロットル開度検出センサ
47からエンジン回転数N1及びスロットル開度H1を
入力し(ステップ2)、この実際のエンジン回転数N1
及びスロットル開度H1に基づいてマップ6から点火プ
ラグの最適点火時期Igを読み込む(ステップ3)。図
10(a)は前記マップ6を示しており、このマップ6
は、予め各エンジン回転数N及びスロットル開度Hに対
して最適な出力が得られる点火時期Igを実験等で計測
するか、又は計算して求めたデータから成る点火時期制
御に一般的に用いられているマップであり、制御装置5
0が記憶している。続いて、入力した実際のエンジン回
転数N1が所定値を越えているか否かの判断を行い(ス
テップ4)、エンジン回転数N1が所定値を越えていな
い場合にはエンジンの運転状態が中低速域にあると判断
して前記マップ6から読み込んだ最適点火時期Igのタ
イミングで点火プラグが点火するように点火装置51に
出力が行われる(ステップ19)。また、エンジン回転
数N1が所定値を越えている場合にはエンジンの運転状
態が高速域にあると判断して、続けてスロットル開度H
1が所定値を越えているか否かの判断(ステップ5)に
移る。そしてステップ4においてスロットル開度H1が
所定値を越えていない場合にはスロットル開度が中開度
以下と判断してマップ6から読み込んだ最適点火時期I
gのタイミングで点火プラグが点火するように点火装置
51に出力が行われ(ステップ19)、またスロットル
開度H1が所定値を越えている場合にはスロットル開度
H1が高開度であると判断して、さらにエンジン回転数
N1及びスロットル開度H1の変化率の判断(ステップ
6)に移る。ステップ6において、前記変化率が所定の
値を越えている場合にはエンジンが過渡状態にあると判
断して前記マップ6から読み込んだ最適点火時期Igの
タイミングで点火プラグ52が点火するように点火装置
51に出力が行われ(ステップ19)、ここで変化率が
所定の値を越えていない場合には続けて排気管壁温検知
センサ48から実際の排気管壁温P1を入力する(ステ
ップ7)。そして、さらにセンサ46,47から入力し
たエンジン回転数N1及びスロットル開度H1に基づて
マップ7から最適排気管壁温Pgを読み込み(ステップ
8)、実際の排気管壁温P1が最適排気管壁温Pgと等
しいか否かの判断に移行する(ステップ9)。図10
(b)は前記マップ7の一例を示すグラフである。この
マップ7は予め各エンジン回転数N及びスロットル開度
Hに対して最高のエンジン出力が得られる最適な壁温P
gを実験等で計測するか又は計算して求めて得られたデ
ータであり、制御装置50が記憶している。前の実施例
で述べたように排気管壁温P、即ち排気ガス温度の変化
により排気圧力の正圧反射波帰還時間Tは変化し、この
正圧反射波帰還時間Tが排気孔27cの開閉タイミング
とずれるとエンジン出力は低下する。前記マップ7にお
ける最適排気管壁温Pgは各エンジン回転数N及びスロ
ットル開度Hにおいて正圧反射波帰還時間Tが排気孔2
7cの開閉タイミングに最も適合する温度Pgに設定さ
れているので、実際の排気管壁温P1が最適排気壁温P
gと等しい場合には、ステップ3で読み込まれた最適点
火時期Igが適当であると判断して(ステップ9)、最
適点火時期Igのタイミングで点火プラグが点火するよ
うに点火装置51に出力が行われる(ステップ19)。
また、前記排気管壁温P1が最適排気管壁温Pgと等し
くない場合には正圧反射波帰還時間Tが排気孔27cの
開閉タイミングとずれていると判断して(ステップ
9)、前記排気管壁温P1が最適排気管壁温Pgより低
いか高いかの判断(ステップ10)に移行し、排気管壁
温P1が最適排気管壁温Pgより低い場合には、前記排
気管壁温P1と最適排気管壁温Pgとの温度差及びステ
ップ2で計測されたエンジン回転数N1に基づいて図1
2(a)に示す遅角補正マップから点火時期遅角補正値
Idを読み込み、マップ6から読み込んだ最適点火時期
Igに点火時期遅角補正値Idを加算し遅角補正点火時
期Ig+Idを算出する(ステップ11)。前記遅角マ
ップは、予め様々なエンジン回転数N及び排気管壁温P
1と最適排気管壁温Pとの温度差に対する最適な点火時
期遅角補正値Idを実験等によって計測するか、又は計
算で求めて得られたデータであり、制御装置40が記憶
している。そしてさらに各センサ46及び47から入力
した実際のエンジン回転数N1とスロットル開度H1と
に基づいてマップ8から点火時期遅角リミットIdmを
読み込み(ステップ12)、前記遅角補正点火時期Ig
+Idが点火時期遅角リミットIdmより遅角している
か否かの判断を行い(ステップ13)、遅角補正点火時
期Ig+Idが点火時期遅角リミットIdmより遅角し
ていない場合には前記遅角補正点火時期Ig+Idのタ
イミングで点火プラグ52が点火するように点火装置5
1に出力が行われ(ステップ19)、また。遅角補正点
火時期Ig+Idが点火時期遅角リミットIdmより遅
角している場合は、遅角補正点火時期Ig+Idを点火
時期遅角リミットIdmに設定して(ステップ14)、
当該点火時期遅角リミットIdmのタイミングで点火プ
ラグ52が点火するように点火装置51に出力が行われ
る(ステップ19)。図11にマップ8の一例を示す。
このマップ8は予め様々なエンジン回転数N及びスロッ
トル開度Hに対する点火時期の遅角リミットIdm及び
進角リミットIcmを実験等で計測するか、又は計算に
よって求めて得られるデータであり、制御装置50が記
憶している。一方、排気管壁温P1が最適排気管壁温P
gより高い場合には、前記排気管壁温P1と最適排気管
壁温Pgとの温度差及び各センサ46及び47から入力
される実際のエンジン回転数N1に基づいて図12
(b)に示す進角マップから点火時期進角補正値Icを
読み込み、マップ6から読み込んだ最適点火時期Igに
点火時期進角補正値Icを加算し進角補正点火時期Ig
+Icを算出する(ステップ15)。前記進角マップ
は、予め様々なエンジン回転数N及び排気管壁温Pと最
適排気管壁温Pとの温度差に対する最適な点火時期進角
補正値Icを実験等によって計測するか、又は計算で求
めて得られたデータであり、制御装置40が記憶してい
る。そしてさらに各センサ46,47から入力されたエ
ンジン回転数N1とスロットル開度H1とに基づいてマ
ップ8から点火時期進角リミットIcmを読み込み(ス
テップ16)、前記進角補正点火時期Ig+Icが点火
時期進角リミットIcmより進角しているか否かの判断
を行い(ステップ17)、進角補正点火時期Ig+Ic
が点火時期進角リミットIcmより進角していない場合
には前記進角補正点火時期Ig+Icのタイミングで点
火プラグが点火するように点火装置51に出力が行われ
(ステップ19)、また。進角補正点火時期Ig+Ic
が点火時期進角リミットIcmより進角している場合
は、進角補正点火時期Ig+Icを点火時期進角リミッ
トIcmに設定して(ステップ18)、当該点火時期進
角リミットIcmのタイミングで点火プラグ52が点火
するように点火装置51に出力が行われる(ステップ1
9)。そして点火装置51への出力(ステップ19)を
終えた後、エンジン回転数N2及びスロットル開度H2
を各センサ46及び47から新たに入力し(ステップ2
0)、当該エンジン回転数N2及びスロットル開度H2
がステップ2で入力されたエンジン回転数N1及びスロ
ットル開度H1に対して変化している場合にはスタート
ステップに戻り(ステップ21)、前記進角補正値Ic
及び遅角補正値Idを0に設定し直してから(ステップ
1)、ステップ2以降の作用を繰り返す。また、前記エ
ンジン回転数N2及びスロットル開度H2がステップ2
で入力されたエンジン回転数N1及びスロットル開度H
1に対して変化していない場合には、前記各補正値I
c,Idを記憶したままステップ2に戻り、そこでまた
エンジン回転数N1+1及びスロットル開度H1+1を
計測して、エンジンの運転状態の判断を行い(ステップ
4〜ステップ6)、判断結果に基づいて、それ以降のス
テップに進む。尚、この場合はステップ3においてマッ
プ6から読み込まれる最適点火時期Igに補正値Ic又
はIdが加算される。点火時期を遅角すれば燃焼末期或
いは燃焼が完了して直ぐのタイミングで既燃焼ガスが排
気されることとなり排気ガス温度は高まる。一方、点火
時期を進角すれば、燃焼完了後排気までに時間的遅れが
生じ、燃焼室内の既燃焼ガスの温度が下がり排気ガス温
度が低下する。図12(a)及び(b)はこの特性を折
り込んだものである。
【0016】以上説明した点火時期による排気脈動の制
御によれば、最適点火時期Igに幅を持たせる必要がな
いので、より精密な排気脈動の制御ができるという効果
を奏する。
【0017】上記は2サイクルエンジンについて説明し
たが、4サイクルエンジンにおいても全く同様な方法を
採用することにより、各エンジンの運転状態において最
適な出力を得ることが可能になる。図13は、4サイク
ルエンジン60の吸排気機構の構成を示す概略断面図で
ある。図中62は吸気弁を、64は排気弁を各々示して
いる。これら吸気弁62及び排気弁64は対応する動弁
機構によって開弁及び閉弁される。各動弁機構は各々、
カムシャフト66,68及びカム70,72を備え、減
速機構74を介してクランク軸76で各カムシャフト6
6,68を回転駆動することにより、吸気弁62及び排
気弁64は対応するカム70,72によって開閉され
る。排気弁64の動弁機構は、排気弁開閉タイミング調
整機構78が設けられており、この排気弁開閉タイミン
グ調整機構78により、排気弁64の開弁あるいは閉
弁、あるいは開弁及び閉弁の両方のタイミングを変える
ことができるように構成されている。なお、吸気弁62
の動弁機構に吸気弁開閉タイミング調整機構101を設
け、吸気弁62の開弁、あるいは開弁及び閉弁の両方の
タイミングを変えるようにしてもよい。図14は、4サ
イクルエンジンにおけるクランク角度に対する排気弁及
び吸気弁の開閉タイミング(弁リフト)及び排気ポート
部の圧力の関係を示すグラフである。このグラフに示す
ように、4サイクルエンジンでは、排気弁の開閉工程終
期と吸気弁の開閉工程初期がオーバーラップされてい
る。一方排気ポート部の圧力について、ピストン75が
いまだ下降行程中のクランク角約124゜において排気
弁64が開となると、燃焼室内の高圧の既燃焼ガスが短
時間に排気ポート部を通過して排気通路に排出される。
ピストン75が上昇行程中のクランク角約220゜にお
いては、燃焼室からの既燃焼ガスの排出が完了する。ク
ランク角約130゜における高圧の排気ポート部圧力
は、排気通路27を音速で進行し排気管27bの開放端
で負圧に反転し、クランク角約130゜から約280゜
にかけて排気ポート部に戻ってくる。排気弁64は開い
ているので負圧波は一部正圧に反転する一方、負圧波の
大部分は排気弁64に衝突し負圧のまま反射するので、
反転して形成される正圧により負圧が相殺されるので、
排気管27bの開放端に向かう圧力波はピーク値が減少
した負圧波となる。この負圧波は排気管27bの開放端
で正圧に反転し、クランク角約280゜から約322゜
にかけて排気ポート部に戻ってくる。上記と同様に排気
ポート部で僅かにピーク値が減少した正圧波となって反
射し、再び排気通路27を音速で進行し排気管27bの
開放端で負圧に反転し、クランク角約322゜から約3
65゜にかけて排気ポート部に戻ってくる。このように
して排気圧力波は反射、反転を繰り返しながら次第に減
衰していく。本グラフの事例においては、負圧波が戻っ
てくる約322゜から約365゜にかけてのクランク角
範囲中にオーバーラップ期間が設定されている。従っ
て、第1の実施例と同様の方法で、弁開閉タイミング調
整機構78を制御して、各エンジンの運転状態において
排気弁64の開閉工程終期(即ち、排気弁64と吸気弁
62の開閉工程が重なっている部分)に、排気圧力の負
圧波が排気ポート部分に戻ってくるように排気温度を調
整して予め用意した最適排気温度をさらに補正したもの
にすれば、吸気弁62の開閉工程初期において、負圧波
を燃焼室から吸気弁を介して吸気系に作用させることが
できるので、充填効率を高めることができ、各エンジン
の運転状態において最適な出力を得ることが可能にな
る。尚、図13中、符号77はコンロッドを各々示して
いる。上記の4サイクルエンジンの排気脈動制御方法の
原理は以下の通りである。排気弁64が開となるタイミ
ングを可変とするものでは、排気弁64から排出される
排気ガス温度を変化させることにより、排気ガス温をそ
の運転状態における標準温度に近づけることができる。
その運転状態(エンジン回転数等)における標準温度と
は、所定のクランク角のタイミングで排気弁が開となる
ことに起因する排気が、その標準温度に対応する音波の
速度で脈動すると、オーバーラップ期間中に必ず排気の
負圧波が戻ってくる場合の温度であり、予め種々の運転
状態下で求めておき、メモリー中にデータとして記憶さ
れるものである。この標準温度脈動の圧力波の速度にお
いて排気脈動すると、これにより天候による影響を無く
するか、又は小さくできる。しかし、排気弁64が開と
なるタイミングそのものを変化させると、戻ってくる負
圧波がオーバーラップ期間からずれることがある。上記
のものでは、これを解消するためフィードバックに使用
する目標温度をメモリ中の標準温度に補正を加えるよう
にしている。なおさらに、別の排気脈動制御方法の採用
も可能である。すなわち、排気弁64が開となるタイミ
ングを可変とし、排気ガス温をその運転状態における標
準温度に近づけるフィードバック制御をする一方、排気
弁64が開となるタイミングそのものが変化することに
より発生する戻り負圧波がオーバーラップ期間からずれ
る課題を、オーバーラップ期間そのものを変化させるこ
とにより解消するものである。排気弁64の弁開駆動タ
イミングが早まる場合には、吸気弁64の開き始めるタ
イミングを早める。なお、同時に、排気弁64の閉じ終
えるタイミングを早めるようにしてもよい。これにより
オーバーラップ期間が長くなることを防止し、吸気系へ
の排気ガスの逆流が起こる正圧波もオーバーラップ期間
中に戻ることがないようにできる。さらに、排気弁64
の弁開駆動タイミングが遅くなる場合には、排気弁64
を閉じ終えるタイミングを遅くするようにする。なお同
時に、吸気弁62の開き始めるタイミングを遅くするよ
うにしてもよい。これによりオーバーラップ期間が長く
なることを防止でき、吸気系への排気ガスの逆流が起こ
るのを防止できる。
【0018】以上説明した、実施例では、制御装置40
及び50にマップ1〜5及びマップ6〜8を記憶させて
各パラメータを読み込むように構成しているが、これは
本実施例に限定されることなく、マップの変わりに適当
な関数を用いて各パラメータを演算で算出するように構
成してもよい。また、以上説明した実施例では、排気ガ
ス温度のパラメータを排気管壁温を測定することによっ
て得ているが、これは本実施例に限定されることなく排
気管中に熱電対や抵抗温度計等を突き出して排気ガス温
度を直接計測してもよい。但し、この場合にはサイクル
中の温度変化を拾わないように所定の時間間隔で計測し
た温度を平均化する必要がある。また、上記実施例で
は、エンジン負荷を検知する手段としてスロットル回動
検知センサ47を用いているが、これは本実施例に限定
されることなく、例えば、図15に示すように吸気管負
圧センサ80或いは空気量検知センサ82を用いてもよ
い。図15は、4サイクルエンジンにおける吸気管負圧
センサ80及び空気量検知センサ82の配置位置の一例
を示す図であり、図面に示すように、吸気管負圧センサ
80は、吸気管84におけるチョークバルブ85及びス
ロットルバルブ86の上流に配置され、また、空気量検
知センサ82は、吸気管84の途中に設けられる。尚、
図15中、88はピストン、90は吸気弁、92は排気
弁、そして94は燃料噴射装置を各々示している。この
ようにスロットル開度検知センサ47に代えて、吸気管
負圧センサ80或いは空気量検知センサ82を用いる場
合、図5、図7におけるスロットル開度H軸の代わりに
吸気管負圧p軸あるいは空気量Q軸あるいはエンジン負
荷LD軸を配置することになり、図4或いは図7中のス
ロットル開度H1,H2も代わりに代替値p1,p2或
いはQ1,Q2或いはLD1,LD2を使用する。な
お、第1実施例と別の方法でも、以下の方法により充填
効率を高めることができる。すなわち、雨、風、雪等の
天候の変化により排気管壁温が変化すると、排気温度に
も影響し、排気脈動の速度に影響する。排気弁64が開
となるタイミングが固定のものでは、排気弁から排出さ
れる排気ガス温度を変化させることはできないが、排気
弁が開となるタイミングからオーバーラップ期間までの
クランク角と時間の関係をエンジン回転数検知データか
ら算出する一方、排気ガス温あるいは排気管壁温の計測
データに基づき排気脈動の圧力波の速度を算出し、オー
バーラップ期間中に排気の負圧波が戻ってくるように、
排気弁64の閉弁タイミングあるいは吸気弁62の開弁
タイミング、あるいは両方のタイミングを変えるように
し、エンジン性能を向上できる。
【0019】
【発明の効果】本発明の内燃機関における排気脈動制御
方法及び装置によれば、様々なエンジンの運転状態に対
する正圧或いは負圧反射波帰還時間が排気孔或いは排気
弁の開閉タイミングに最適になる最適排気温度のデータ
を予め用意し、走行中の排気温度が前記最適排気温度に
なるように可変排気タイミング装置におけるバルブ装置
のバルブ開度を補正するだけでなく、さらに前記最適排
気温度のデータを、前記補正後のバルブ開度に対応する
正圧或いは負圧反射波帰還時間が排気孔或いは排気弁の
開閉タイミングに最適になる最適排気温度に合わせて補
正しているので、バルブ装置のバルブ開度を変えたこと
による最適排気温度(即ち、制御目標)のずれを補正す
ることができ、可変排気タイミング装置を利用した排気
脈動制御においてより正確な排気の脈動制御を行うこと
ができるという効果を奏し、結果として各エンジンの運
転状態において最適な出力を得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る排気脈動制御方法を実行する排
気脈動制御装置で制御される2サイクルエンジンを搭載
した自動二輪車の概略側面図である。
【図2】 エンジン11の構成を概略的に示すエンジン
11の概略断面図である。
【図3】 制御装置40の概略ブロック図である。
【図4】 制御装置40の制御フローチャートである。
【図5】 (a) はエンジン回転数N及びスロットル開度
Hに対する最適バルブ開度Vgのマップであり、(b) は
エンジン回転数N及びスロットル開度Hに対する最適排
気管壁温Pgのマップである。
【図6】 (a) はエンジン回転数N及び排気管壁温Pと
最適排気管壁温Pとの温度差に対する最適なバルブ開度
補正値Vcのマップであり、(b) はエンジン回転数N及
びバルブ開度補正値Vcに対する最適排気管壁温範囲補
正値Pcのマップである。
【図7】 エンジン回転数N及びスロットル開度Hに対
するバルブ開度の限界値Vmのマップである。
【図8】 (a),(b)共に排気圧力の正圧反射波帰還時間
Tと排気孔27cの開閉タイミングとの関係を表すグラ
フであり、(a) は補正前、(b) は補正後を各々示してい
る。
【図9】 点火時期を用いた脈動制御方法の一例のフロ
ーチャートである。
【図10】 (a) エンジン回転数N及びスロットル開度
Hに対する最適点火時期Igのマップであり、(b) エン
ジン回転数N及びスロットル開度Hに対する最適排気管
壁温Pgのマップである。
【図11】 エンジン回転数N及びスロットル開度Hに
対する点火時期の遅角リミットIdm及び進角リミット
Icmのマップである。
【図12】 (a) はエンジン回転数N及び排気管壁温ず
れ量(実測される排気管壁温P1マイナス最適排気管壁
温Pgが負となる場合)に対する点火時期の遅角側への
補正値Idマップ(遅角マップ)である。(b) はエンジ
ン回転数N及び排気管壁温ずれ量(実測される排気管壁
温P1マイナス最適排気管壁温Pgが正となる場合)に
対する点火時期の遅角側への補正値Icマップ(進角マ
ップ)である。
【図13】 4サイクルエンジンの吸排気機構の構成を
示す概略断面図である。
【図14】 4サイクルエンジンにおけるクランク角度
に対する排気弁及び吸気弁の開閉タイミング(弁リフ
ト)及び排気ポート部の圧力の関係を示すグラフであ
る。
【図15】 4サイクルエンジンにおける吸気管負圧セ
ンサ及び空気量検知センサの配置位置の一例を示す図で
ある。
【図16】 2サイクルエンジンにおける排気温度とエ
ンジン出力との関係を各エンジン回転数に対して示した
グラフである。
【符号の説明】
1 自動二輪車 2 ヘッドパイプ 3 ハンドル 5 フロントフォーク 6 前輪 7 フレーム 7a メインフレーム 7b リアフレーム 7c ダウンチューブ 8 燃料タンク 9 スイングアーム 10 後輪 11 2サイクルエンジン 12 シリンダヘッド 13 シリンダブロック 14 シリンダブロック 15 クランクケース 17 ピストン 18 燃焼室 19 クランク室 19a 吸気取入口 20 クランクシャフト 21 コンロッド 25 吸気経路 25a 連結管 25b 吸気管 26 掃気経路 26a 掃気通路 27 排気経路 27a 排気通路 27b 排気管 27c 排気孔 27d 膨脹室 28 リードバルブ 29 スロットル弁 30 スロットル 31 可変排気タイミング装置 32 バルブ装置 33 駆動モータ 40 制御装置 41 バルブ開度決定手段 42 最適排気温度記憶・読込手段 43 バルブ開度補正手段 43a 比較手段 43b バルブ開度補正値決定手段 43c 補正値加算手段 43d バルブ開度リミット維持手段 44 最適排気温度補正手段 45 運転状態判断手段 46 エンジン回転数検知センサ 47 スロットル開度検知センサ 48 排気管壁温検知センサ N1 エンジン回転数(実際値) H1 スロットル開度(実際値) V1 バルブ開度(実際値) Vg 最適バルブ開度 Vc バルブ開度補正値 Vm バルブ開度限界値 P1 排気管壁温(実際値) Pg 最適排気管壁温 Pgh 最適排気管壁温範囲 (Pg+Pc)h 補正最適排気管壁温範囲 Pc 最適排気管壁温範囲補正値 T1 正圧反射波帰還時間(実際値) Tg 最適正圧反射波帰還時間 Tc 補正正圧反射波帰還時間 L1 排気圧力(実際値) Lg 最適排気圧力 (点火時期を用いた脈動制御方法に関する一例) 50 制御装置 51 点火装置 52 点火プラグ Ig 最適点火時期 Ic 点火時期進角補正値 Icm 点火時期進各リミット Ig+Ic 進各補正点火時期 Id 点火時期遅角補正値 Idm 点火時期遅角リミット Ig+Id 遅角補正点火時期 P1 排気管壁温(実際値) Pg 最適排気管壁温 N1 エンジン回転数(実際値) H1 スロットル開度(実際値) 60 4サイクルエンジン 62 吸気弁 64 排気弁 66 カムシャフト 68 カムシャフト 70 カム 72 カム 74 減速機構 75 ピストン 76 クランク軸 77 コンロッド 78 排気弁開閉タイミング調整機構 80 吸気管負圧センサ 82 空気量検知センサ 84 吸気管 85 チョークバルブ 86 スロットルバルブ 88 ピストン 90 吸気弁 92 排気弁 94 燃料噴射装置 101 吸気弁開閉タイミング調整機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F02D 45/00 F02D 45/00 312R (56)参考文献 特開 平7−150954(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02B 27/06 F02B 25/20 F02D 13/02 F02D 45/00 312

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排気孔の入口付近に設けられたバルブ装
    置で排気孔の開閉タイミングを可変させる可変排気タイ
    ミング装置を有する2サイクル内燃機関において、 内燃機関の運転状態に対応する走行中の排気温度を検知
    し、 予め用意した、様々な内燃機関の運転状態に対する正圧
    反射波帰還時間が排気孔の開閉タイミングに最適になる
    最適排気温度のデータに基づいて、検知した排気温度が
    最適排気温度になるように前記可変排気タイミング装置
    におけるバルブ装置のバルブ開度を補正すると同時に、 前記最適排気温度のデータを、前記補正後のバルブ開度
    に対応する正圧反射波帰還時間が排気孔の開閉タイミン
    グに最適になる最適排気温度に合わせて補正することを
    特徴とする内燃機関における排気脈動制御方法。
  2. 【請求項2】 2サイクル内燃機関における排気孔の入
    口付近にバルブ装置を設けて排気孔の開閉タイミングを
    可変させる可変排気タイミング装置と内燃機関の運転状
    態を検知するセンサと、 排気温度を検知するセンサと前記各センサの検知結果に
    基づいて可変排気タイミング装置のバルブ装置の開度を
    設定する制御装置とを有し、 前記制御装置が内燃機関の運転状態に応じてバルブ装置
    の開度を決定するバルブ開度決定手段と、 様々な内燃機関の運転状態に対する正圧反射波帰還時間
    が排気孔の開閉タイミングに最適になる最適排気温度の
    データを予め記憶する手段と、 検知した排気温度が前記記憶された最適排気温度になる
    ようにバルブ開度決定手段で決定されたバルブ装置の開
    度を補正する手段と、 同時に、最適排気温度のデータを、前記補正後のバルブ
    開度に対応する正圧反射波帰還時間が排気孔の開閉タイ
    ミングに最適になる最適排気温度に合わせて補正する手
    段とを備えていることを特徴とする内燃機関における排
    気脈動制御装置。
  3. 【請求項3】 吸気弁及び排気弁が設けられたシリンダ
    内側に往復動するピストンを配置し、該ピストンが2往
    復する間に、排気弁及び吸気弁それぞれを一回づつ開閉
    するとともに、少なくとも排気弁を開き始めるタイミン
    グを可変とする可変排気タイミング装置を有する4サイ
    クル内燃機関において、 内燃機関の運転状態に対応する走行中の排気温度を検知
    し、 予め用意した、様々な内燃機関の運転状態に対する負圧
    反射波帰還時間が排気弁開開始タイミングに最適になる
    最適排気温度のデータに基づいて、検知した排気温度が
    最適排気温度になるように前記可変排気タイミング装置
    における排気弁開閉駆動装置の弁開駆動開始タイミング
    を補正すると同時に、 前記最適排気温度のデータを、前記補正後の弁開駆動開
    始タイミングに対応する負圧反射波帰還時間が排気弁開
    開始タイミングに最適になる最適排気温度に合わせて補
    正することを特徴とする内燃機関における排気脈動制御
    方法。
  4. 【請求項4】 吸気弁及び排気弁が設けられたシリンダ
    内側に往復動するピストンを配置し、該ピストンが2往
    復する間に、排気弁及び吸気弁それぞれを一回づつ開閉
    するとともに、排気弁を開き始めるタイミングと排気弁
    を閉じ終えるタイミングを可変とする可変排気タイミン
    グ装置と、少なくとも吸気弁の開き始めるタイミングを
    可変とする可変吸気タイミング装置とを有する4サイク
    ル内燃機関において、 予め用意した、様々な内燃機関の運転状態に対する負圧
    反射波帰還時間が排気弁開開始タイミングに最適になる
    最適排気温度のデータに基づいて、検知した排気温度が
    最適排気温度になるように前記可変排気タイミング装置
    における排気弁開閉駆動装置の弁開駆動タイミングを補
    正すると同時に、弁開駆動タイミングが早まる場合に
    は、吸気弁の開き始めるタイミングを早め、弁開駆動タ
    イミングが遅くなる場合には、排気弁を閉じ終えるタイ
    ミングを遅くするようにしたことを特徴とする内燃機関
    の排気脈動制御方法。
  5. 【請求項5】 吸気弁及び排気弁が設けられたシリンダ
    内側に往復動するピストンを配置し、該ピストンが2往
    復する間に、排気弁及び吸気弁それぞれを一回づつ開閉
    するとともに、排気弁を閉じ終えるタイミングを可変と
    する可変排気タイミング装置かあるいは吸気弁の開き始
    めるタイミングを可変とする可変吸気タイミング装置の
    いずれか一方、あるいは両方を有する4サイクル内燃機
    関において、 内燃機関の運転状態に対応する走行中の排気温度とエン
    ジン回転速度を検知し、負圧反射波が排気弁に到達する
    タイミングが、排気弁と吸気弁の両方が開となるオーバ
    ーラップ期間内となるように、排気弁を閉じ終えるタイ
    ミングあるいは吸気弁を開き始めるタイミングのいずれ
    か一方、あるいは両方を調整するようにしたことを特徴
    とする内燃機関における排気脈動制御方法。
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