JP3361221B2 - A/d変換回路 - Google Patents

A/d変換回路

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JP3361221B2
JP3361221B2 JP34633695A JP34633695A JP3361221B2 JP 3361221 B2 JP3361221 B2 JP 3361221B2 JP 34633695 A JP34633695 A JP 34633695A JP 34633695 A JP34633695 A JP 34633695A JP 3361221 B2 JP3361221 B2 JP 3361221B2
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    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03MCODING; DECODING; CODE CONVERSION IN GENERAL
    • H03M1/00Analogue/digital conversion; Digital/analogue conversion
    • H03M1/66Digital/analogue converters
    • H03M1/74Simultaneous conversion
    • H03M1/80Simultaneous conversion using weighted impedances
    • H03M1/802Simultaneous conversion using weighted impedances using capacitors, e.g. neuron-mos transistors, charge coupled devices
    • H03M1/804Simultaneous conversion using weighted impedances using capacitors, e.g. neuron-mos transistors, charge coupled devices with charge redistribution

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はA/D変換回路に係り、
特にアナログ入力電圧が入力された、第1キャパシタン
スと、この第1キャパシタンスの出力に接続された、線
形特性を有する第1反転増幅部と、前記アナログ入力電
圧が入力され、このアナログ入力電圧の量子化出力を出
力する第1量子化回路と、前記第1反転増幅部および第
1量子化回路の出力が入力された出力用容量結合と、こ
の出力用容量結合の出力が入力された、第1反転増幅部
と実質的に同一特性の第2反転増幅部と、この第2反転
増幅部の出力が入力され、この第2反転増幅部の出力を
量子化する第2量子化回路とを備えたA/D変換回路で
あって、第1、第2量子化回路は、所定閾値の量子化用
MOSインバータと、この量子化用MOSインバータの
入力に接続された複数の並列キャパシタンスよりなる量
子化用容量結合とを有する複数段階の閾値回路であっ
て、各閾値回路の量子化用容量結合は、入力電圧、およ
びより上位の閾値回路の出力の反転が入力されて、これ
らを加算し、前記量子化用MOSインバータはこの加算
結果が前記閾値を越えたときに出力を反転するようにな
っている複数段階の閾値回路を備えているA/D変換回
路に関する。
【0002】
【従来の技術】本願出願人はこの種A/D変換回路に関
し、平成6年特許願第261613号および平成7年特
許願第263574号において特許出願を行っており、
キャパシタンスの精度にかかわらず、高い変換精度を持
つA/D変換回路を提案している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしこのA/D変換
回路においては、量子化用MOSインバータの閾値は素
子の精度に依存し、素子レベルの精度コントロールを要
するという問題があった。
【0004】
【発明の目的】この発明は、上述した従来技術の課題に
鑑みてなされたものであり、個々のインバータの特性値
のバラツキに影響されることなく、安定した性能を実現
できるA/D変換回路を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明にかかるA/D
変換回路は、上記の目的を達成させるため、複数の単位
インバータを並列に設けて量子化用インバータを構成し
たものである。
【0006】
【発明の実施の形態】次に本発明に係るA/D変換回路
の1実施例を図面に基づいて説明する。
【実施例】
【0007】図1において、A/D変換回路は2段階の
インバータINV11、INV12を有し、各インバー
タには、その出力を入力に帰還させるフィードバックキ
ャパシタンスCf11、Cf12が接続されている。I
NV11の入力端子には入力キャパシタンスCin1が
接続され、アナログ入力電圧VinpはCin11に入
力されている。INV12の入力端子には入力キャパシ
タンスCin12が接続され、INV11の出力はCi
n12を介してINV12に接続されている。
【0008】INV11、INV12はそれぞれ3段の
MOSインバータよりなり、INV11、INV12は
3段のインバータのオープンゲインの積によって与えら
れる大きなゲインを持つ。これによってINV11は入
力キャパシタンスとフィードバックキャパシタンスの比
によって与えられる以下の出力V1を良好な線形特性で
生成する。
【数1】 ここに、Vdd[AMP]はINV11、INV12の
電源電圧を示す。
【0009】入力電圧VinpはMUX11の前段で分
岐してマルチプレクサMUX12に入力され、このMU
X12を介して第1量子化回路Q1に入力されている。
Q1の出力は容量結合Cp1を介してINV12に入力
されている。量子化回路Q1はVinpを複数ビット
(実施例では4ビット)の2進数に変換し、その出力電
圧Vb0、Vb1、Vb2、Vb3は容量結合Cp1に
よって統合されている。
【0010】容量結合Cp1はキャパシタンスCb0、
Cb1、Cb2、Cb3を有し、Vb0〜Vb3はこれ
らCb0〜Cb3にそれぞれ入力されている。INV1
2にはCP1の出力とCin12の出力とが並列に入力
され、INV12の入出力電圧をV2、Voとすると、
【数2】 なる関係が存在する。ここで各キャパシタンスの比率は
以下のように設定されており、
【数3】 以上からVoを算出する式(4)が得られる。
【数4】
【0011】これはVinpを4ビット2値データに変
換したものをVinp自体から減算した結果であり、量
子化回路Q1の出力が上位4ビット、Voがより下位デ
ータ相当することが分かる。Voは第2量子化回路Q2
に入力され、Q2において2段階目の4ビット2値化が
行われる。Q2はVa0、Va1、Va2、Va3の2
値化電圧を出力し、これはVinpの下位4ビットデー
タとなる。
【0012】図2において、量子化回路Q1は閾値回路
Th0、Th1、Th2、Th3を有し、前記出力電圧
Vb0〜Vb3はこれら閾値回路の出力として生成され
ている。またVb0〜Vb3の反転電圧Vb0’〜Vb
3’が中間データとして生成されている。量子化回路Q
1への入力は、マルチプレクサMUX21、MUX2
2、MUX23によって生成され、MUX21は、入力
電圧Vin2または基準電圧VrefQを選択的に出力
してVin21を生成し、MUX22は電源電圧Vdd
または基準電圧VrefQを選択的に出力してVin2
2を生成する。またMUX23はグランドGNDまたは
基準電圧VrefQを選択的に出力してVin23を生
成する。
【0013】最上位の閾値回路Th0にはVin21、
Vin22、Vin23が入力され、第2番目の閾値回
路Th1にはVin21〜Vin23およびVb0’が
入力されている。第3の閾値回路Th2にはVin21
〜Vin23およびVb0’、Vb1’が入力され、第
4の閾値回路Th3にはVin21〜Vin23および
Vb0’、Vb1’、Vb2’が入力されている。
【0014】閾値回路Th3は容量結合Cp23および
4段の量子化用MOSインバータINV241、INV
242、INV243、INV244を有し、容量結合
Cp23は、Vin21、b0’、b1’、b2’、V
in22、Vin23が接続されるキャパシタンスC2
31、C232、C233、C234、C235、C2
36よりなる。閾値回路Th2は容量結合Cp22およ
び4段の量子化用MOSインバータINV231、IN
V232、INV233、INV234を有し、容量結
合Cp22は、Vin21、b0’、b1’、Vin2
2、Vin23が接続されるキャパシタンスC221、
C222、C223、C224、C225よりなる。閾
値回路Th1は容量結合Cp21および4段の量子化用
MOSインバータINV221、INV222、INV
223、INV224を有し、容量結合Cp21は、V
in21、b0’、Vin22、Vin23が接続され
るキャパシタンスC211、C212、C213、C2
14よりなる。閾値回路Th0は容量結合Cp20およ
び量子化用4段の量子化用MOSインバータINV21
1、INV212、INV213、INV214を有
し、容量結合Cp20は、Vin21、Vin22、V
in23が接続されるキャパシタンスC201、C20
2、C203よりなる。
【0015】各容量結合における各キャパシタンスの容
量比は表1に示すとおりであり、またVin21が0〜
Vdd[V]の範囲内のときのVb0〜Vb3の変化は
表2のとおりである。なお表1中Cuは比例定数であ
り、表2中VaはVdd/16を示す。
【表1】
【表2】
【0016】以上の量子化回路Q1により出力Vb0〜
Vb3が生成される。Q2はQ1と同様の構成を有する
ので説明を省略する。ここに後段の量子化回路Q2にお
いては、下位4ビットの生成が行われるため、Q11段
の場合に比較して出力精度は16倍に高められたことに
なる。なお量子化回路をさらに多段階設けることによ
り、さらに高精度のデジタル出力を生成し得ることはい
うまでもない。
【0017】前記表1から明らかなように、各容量結合
におけるキャパシタンスの容量値の合計は一定(32C
u)であり、これによってインバータINV211〜I
NV214、INV221〜INV224、INV23
1〜INV234、INV241〜INV244の寄生
容量の影響を実質的に除去し得るようになっている。1
個のインバータの寄生容量を電源側Cpa1、グランド
側Cpa2、出力側Cpa3と、このインバータに接続
された容量結合の各キャパシタンスの容量をW1〜W
n、これらキャパシタンスへの入力電圧をV1〜Vn、
インバータの入力電圧VAとすると、寄生容量がW1〜
Wnに比較して微少であることから、
【数5】 であり、寄生容量は略一定であるため、容量結合の合計
容量が一定であれば、VAに対する寄生容量の影響を無
視し得ることになる。
【0018】以上のとおり、A/D変換回路は2段階の
量子化回路Q1、Q2によって、高精度のA/D変換を
行うが、本実施例では、さらに量子化回路Q1、Q2に
おけるインバータINV211、INV221,INV
231,INV241のオフセットを解消し、さらに量
子化回路動作範囲がINV11、INV12の線形領域
に入るように設定がおこなれている。
【0019】第1にオフセットの解消の手段として、リ
フレッシュに際してLSIの外部で正確に生成された基
準電圧VrefQを各閾値回路に入力する。インバータ
INV211、INV213、INV214、INV2
21、INV223、INV224、INV231、I
NV233、INV234、INV241、INV24
3、INV244はスイッチSWA21、SWB21、
SWB22、SWA22、SWB23、SWB24、S
WA23、SWB25、SWB26、SWA24、SW
B27、SWB28によって、それぞれその入出力が接
続され、リフレッシュ時にはこれらスイッチによってイ
ンバータの入出力が短絡される。
【0020】各インバータの閾値電圧をVthとする
と、リフレッシュ時において各容量結合に発生する電荷
q0は、
【数6】 である。そして、各閾値回路Th0〜Th3がその出力
を反転することになる閾値(閾値回路としての)をVt
h0、Vth1、Vth2、Vth3とすると、これら
閾値は以下のように与えられる。
【数7】
【数8】
【数9】
【数10】 ここで、式(6)を式(7)に代入し、VrefQにつ
いて解くと、式(11)が得られる。このときVthは
相殺されており、Vthのばらつき、すなわちオフセッ
トが解消されたことが分かる。
【数11】 例えば、Vth0=2.5[V]と設定する場合には、
Vdd=3.0[V]とすると、VrefQ=2.0
[V]となる。なお他の閾値回路においてもVth=
2.5[V]となる。
【0021】一方、インバータINV11、INV12
には、その入出力を短絡するスイッチSW11、SW1
2が接続され、リフレッシュ時にはこれらスイッチが閉
成され、かつマルチプレクサMUX11によって基準電
圧VrefがCin11に入力される。一般に、入力電
圧Vinpに対応して、キャパシタンスCin11に電
荷をq1を生じ、容量結合Cp1に電荷をq2を生じ、
INV11、INV12の入力電圧がVb、INV11
の出力電圧をVn、INV12の出力電圧がVoutな
ったとすると、以下の式(12)、(13)が得られ
る。
【数12】
【数13】 ここで、式(12)、(13)からVnを消去し、Vo
utについて解く。
【数14】 また、入力電圧に対して意図的にオフセットVxを与え
ることにして、インバータの動作範囲を0[V]よりも
やや高い(例えば1.0[V])電圧から使用する。こ
のVxを用いて、式(14)は式(15)のように改め
られる。
【数15】 ここに、式(15)右辺の末尾3項はシフト電圧Vsf
tであり、出力電圧Voutにおける動作範囲のオフセ
ット量となる。式(16)において、このVsftを示
す。
【数16】
【0022】INV11、INV12の電源電圧を量子
化回路のインバータの電源電圧Vddよりも高く5.0
[V]とすると、リフレッシュ時には、
【数17】
【数18】 の関係が存在し、これらの式(17)、(18)を式
(16)に代入し、Vrefについて解くと、式(1
9)が得られる。
【数19】
【0023】INV11、INV12の電源電圧をQ
1、Q2のインバータの電源電圧よりも高くし、かつV
xを与えたことにより、入力電圧Vinpの全範囲がI
NV11、INV12の線形領域に入るように設定する
ことが可能であり、これによってA/D変換の精度を高
め得る。例えば、入力電圧の範囲を1.0〜4.0
[V]とし、これにともなってVx=1.0[V]とす
る。また前記式(11)で閾値回路Th0〜Th3の閾
値をVthよりも1.0[V]高く2.5[V]と設定
したのは、動作範囲の上限をVddよりも1.0[V]
高く4.0[V]に設定することに対応している。そし
て、Vb=2.5[V]、Vth=1.5[V]であ
り、Vsft=1.0[V]とする。これを式(19)
に代入すれば、Vref=2.5[V]が得られる。
【0024】以上のようにリフレッシュ時基準電圧印加
によりオフセットを解消し、かつ動作範囲が線形領域と
なるように設定を行うことにより、A/D変換の精度を
高めうる。
【0025】図3に示すように、前記スイッチSWA2
1は、入力電圧Vin3に対して並列なpMOS型トラ
ンジスタとnMOS型トランジスタとよりなるトランジ
スタ回路T3を有し、pMOSとnMOSはそのソース
が相手方のドレインと接合するように接続されている。
また入力電圧Vin3はpMOSのドレイン側(nMO
Sのソース側)に接続されている。トランジスタ回路T
3の入力側にはダミートランジスタDT3が接続され、
nMOS、pMOSがT3と逆極性で接続され、かつそ
の入出力が接続されている。T3のnMOSのゲートに
はゲートにはコントロール信号Ctrl3が入力され、
pMOSのゲートにはCtrl3をインバータINV3
で反転させた信号が入力されている。DT3に関しては
pMOSのゲートにCtrl3が入力され、反転信号が
nMOSのゲートに入力されている。これは公知のMO
Sスイッチであり、DT3によって入力側のオフセット
を相殺しつつVin3を出力電圧Vout3として出力
し、あるいは遮断する。なおスイッチSWA22、SW
A23、SWA24、SW11、SW12も同様に構成
されているので説明を省略する。
【0026】図4において、スイッチSWB21は図3
のMOSスイッチからダミートランジスタを省略した構
成であり、トランジスタ回路T4とインバータINV4
よりなる。このスイッチは、コントロール信号Ctrl
4により入力電圧Vin4を出力電圧Vout4として
出力し、あるいは遮断する。なおSWB22、SWB2
3、SWB24、SWB25、SWB26、SWB2
7、SWB28も同様に構成されているので説明を省略
する。
【0027】図5において、マルチプレクサMUX11
は、入力電圧Vin5に対して並列なpMOS型トラン
ジスタとnMOS型トランジスタとよりなる1対のトラ
ンジスタ回路T51、T52を有し、各トラジスタ回路
のpMOSとnMOSはそのソースが相手方のドレイン
と接合するように接続されている。また入力電圧Vin
5はpMOSのドレイン側(nMOSのソース側)に接
続されている。T51のnMOSのゲートおよびT52
のpMOSのゲーロにはコントロール信号Ctrl5が
入力され、T51のpMOSのゲートおよびT52のn
MOSのゲートにはCtrl5をインバータINV5で
反転させた信号が入力されている。本回路も公知であ
り、Vin5を出力電圧Vout5として出力し、ある
いは遮断する。なおマルチプレクサMUX12、MUI
X21、MUX22、MUX23も同様に構成されてい
るので説明を省略する。
【0028】次の前記量子化用インバータの構成に関す
る実施例を説明する。
【0029】図6に示すように量子化用インバータは、
複数の単位インバータINV1,INV2, … ,I
NVnを、入出力端子Vin,Vout間において、並
列接続してなる。
【0030】それぞれの単位インバータは、図7に示し
たようにpMOS型FETとnMOS型FETとを直列
に接続して構成されるC−MOSインバータである。単
一のC−MOSインバータの閾値電圧Vinは、pMO
S型FETに印加されるソース電圧をVDD、pMOS型
FETの閾値電圧をVtp、nMOS型FETの閾値電圧
をVtnとして、以下の式(20)で表される。一方、n個
のインバータが並列に接続された場合には、その閾値電
圧Vthは以下の式(21)で与えられる。
【0031】
【数20】
【0032】ただし、βp、βnは、それぞれpMOS型
FETとnMOS型FETとにおける電子の易動度をμ
p、μn、単位面積当たりのゲート酸化膜の誘電率及び厚
さをそれぞれε、tox、チャネル幅をWp、Wn、チャネ
ル長をLp、Lnとして、以下の式(22)、(23)で表
される係数である。
【0033】
【数21】
【0034】閾値のバラツキはβの値により正規分布と
して現れるが、式(21)には2項のβが含まれるた
め、この式を解析的に解くことはできない。しかしなが
ら、バイポーラ型のトランジスタを並列接続すると性能
が向上することは従来から知られており、一般的に素子
を並列接続した場合には互いの特性が平均されて統計的
に見れば安定した性能が実現できることが予測される。
【0035】この予測は実験により確認されている。シ
ミュレーション実験によると、式(20)で表される閾
値電圧Vthの分散V1(Vth)は、式(21)で表
される閾値電圧Vthの分散V2(Vth)より大きい
ことが判明した。
【0036】図8は、2つの単位インバータを並列接続
したインバータ回路の電圧特性を示すグラフである。グ
ラフ中の□−□線で表されるのは入力端子Vinへの印加
電圧、△−△線、▽−▽線で表されるのは、それぞれの
単位インバータの特性であり、○−○線で示されるのが
2つの単位インバータを並列接続したインバータ回路の
特性である。
【0037】図8から理解できるように、2つの単位イ
ンバータを並列接続することにより、それぞれのインバ
ータの特性を平均した特性が得られる。このことは、例
えば単位インバータの数を3以上にした場合にも同様で
ある。したがって、複数の単位インバータを並列接続す
ることにより、単一の場合よりも閾値の精度を統計的に
向上させることができる。
【0038】図9は2グループの複数の単位インバータ
を用いて2個のインバータ回路を構成するための単位イ
ンバータの配列を示す。図10は各インバータ回路を明
確にするための図10の等価回路であり、各インバータ
回路は12個の単位インバータa1〜a12、b1〜b
12を並列接続してなり、a1〜a12入力出力端子は
Vin1、Vout1を出力し、b1〜b12の入力出
力端子はVin2、Vout2である。
【0039】図9の配列において、一方のインバータ回
路の単位インバータと他方のインバータ回路の単位イン
バータとが交互に直線的に配列され、これによって両イ
ンバータ回路の対応する単位インバータ、例えばa1と
b1、a2とb2が隣接配置されている。一般にLSI
内において、同一パターンで作成されかつ近接配置され
た素子は実質的に同一特性となるため、これらの単位イ
ンバータ対は実質的に同一特性となる。このような略同
一特性の単位インバータを並列させることにより、第
1、第2のインバータ回路の特性は極めて近似したもの
となり、ばらつき解消の効果とあいまって、設計値との
誤差もわずかとなる。
【0040】図11は、3段インバータ回路を接合キャ
パシタンスを介して2段階接続した回路を2系統構成す
るための単位インバータの配置を示す。図12の等価回
路において、その第1の系統は、第1の3段インバータ
において、単位インバータa11、a12、a13、a
14を並列接続した第1段、単位インバータb11、b
12、b13、b14を並列接続した第2段、単位イン
バータc11、c12、c13、c14を並列接続した
第3段を直列接続している。また第2の3段インバータ
では、単位インバータd11、d12、d13、d14
を並列接続した第1段、単位インバータe11、e1
2、e13、e14を並列接続した第2段、単位インバ
ータf11、f12、f13、f14を並列接続した第
3段を直列接続し、第1の3段インバータの出力を接合
キャパシタンスCC1を介して第2の3段インバータに
接続している。一方第2系統においては、並列単位イン
バータa21、a22、a23、a24による第1段、
b21、b22、b23、b24による第2段、c2
1、c22、c23、c24による第3段を直列接続し
て第1の3段インバータを構成し、並列単位インバータ
d21、d22、d23、d24による第1段、e2
1、e22、e23、e24による第2段、f21、f
22、f23、f24による第3段を直列接続して第2
の3段インバータを構成している。そして第1の3段イ
ンバータは接合キャパシタンスCC2を介して第2の3
段インバータに接続されている。ここに図11では、接
合キャパシタンスは図示せず、接合キャパシタンスCC
1への接続端子C11、C12、およびCC2への接続
端子C21、C22のみ図示している。なお第1系統の
入出力端子はVin1、Vin2、第2系統の入出力端
子はVin2、Vout2である。
【0041】以上の回路を構成するための図11の配列
において、第1の3段インバータにおける第1段のイン
バータ回路は、第1系統の単位インバータa11〜a1
4と、第2系統の単位インバータa21〜a24とが交
互に配列され、対応単位インバータが隣接配置されてい
る。またa11〜a14、およびa21〜a24入出力
がそれぞれ並列接続され、特性ばらつきが抑制されてい
る。第2段においては、第1系統と第2系統の順序を逆
転しつつ、両系統の単位インバータを交互に配列してい
る。すなわち第2系統の単位インバータb21〜b24
と、第1系統の単位インバータb11〜b14が交互に
配列され、対応単位インバータの隣接配置と、複数単位
インバータの並列接続が行われている。第3段では第1
系統と第2系統の関係が第1段の状態に戻り、従って全
体としては、第1、第2系統の単位インバータが千鳥配
列されている。このような構成によっても、図10の構
成と同様の効果を奏することができる。第2の3段イン
バータにおいても、第1の3段インバータと同様の交互
配列および千鳥配列が行われ、第1の3段インバータと
同様に、両系統の特性均一化、高精度化が実現されてい
る。
【0042】図13は4系統の3段インバータを構成す
るための単位インバータの配列を示す。図14の等価回
路において、その第1の系統は、単位インバータa1
1、a12、a13、a14を並列接続した第1段、単
位インバータb11、b12、b13、b14を並列接
続した第2段、単位インバータc11、c12、c1
3、c14を並列接続した第3段を直列接続し、第2系
統においては、並列単位インバータa21、a22、a
23、a24による第1段、b21、b22、b23、
b24による第2段、c21、c22、c23、c24
による第3段を直列接続し、第3系統においては、並列
単位インバータa31、a32、a33、a34による
第1段、b31、b32、b33、b34による第2
段、c31、c23、c33、c34による第3段を直
列接続し、第4系統においては、並列単位インバータa
41、a42、a43、a44による第1段、b41、
b42、b43、b44による第2段、c41、c4
2、c43、c44による第3段を直列接続してなる。
ここに第1、第2、第3、第4系統の入出力端子は、そ
れぞれVin1、Vin1、Vin2、Vout2、V
in3、Vout3、Vin4、Vout4である。
【0043】以上の回路を構成するための図15の配列
において、第1段のインバータ回路においては、第1、
第2系統の単位インバータa11〜a14と、a21〜
a24とが直線的に交互に配列され、また第3、第4系
統の単位インバータa31〜a34と、a41〜a44
が直線的に交互に配列されている。そして第1、第2系
統の列と、第3、第4系統の列は隣接配置され、対応す
る単位インバータ、例えばa11、a21、a31、a
41は上下左右の位置関係で近接配置されている。そし
て、第2段、第3段についても同様の位置関係の配列が
行われている。すなわち全体として、異なる系列の対応
単位インバータの近接配置による特性均一化、複数単位
インバータの並列化による精度向上が実現されている。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、複数の単位インバ
ータを並列接続して用いることにより、個々の単位イン
バータの性質のバラツキを吸収して統計的に安定した性
能の量子化用インバータを実現することができ、また異
なるインバータ回路の対応単位インバータを近接配置す
ることにより、インバータ回路の特性均一化を図ること
ができる。これによって、量子化精度が向上し、A/D
変換の精度を高め得る。
【0045】
【発明の効果】前述のとおり、本発明に係るA/D変換
回路は、複数の単位インバータを並列に設け量子化用イ
ンバータを構成したので、素子特性のバラツキに無関係
にA/D変換の安定性を確保し得るという優れた効果を
有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかるA/D変換回路の1実施例を
示す回路図である。
【図2】 同実施例における量子化回路を示す回路図で
ある。
【図3】 同実施例に使用される第1のスイッチを示す
回路図である。
【図4】 同実施例に使用される第2のスイッチを示す
回路図である。
【図5】 同実施例に使用されるマルチプレクサを示す
回路図である。
【図6】 この発明に係るインバータ回路の実施例を示
す回路図である。
【図7】 図6の回路に用いられる単位インバータの回
路図である。
【図8】 2個の単位インバータの電圧特性と、これら
を並列接続したインバータ回路の電圧特性とを示すグラ
フである。
【図9】 2個のインバータ回路のための単位インバー
タの配列を示す回路図(平面図)である。
【図10】 図9の回路の等価回路を示す回路図であ
る。
【図11】 2個の3段インバータ回路を直列した回路
を2系統構成するための単位インバータの配列を示す回
路図(平面図)である。
【図12】 図11の回路の等価回路を示す回路図であ
る。
【図13】 4系統の3段インバータ回路を構成するた
めの単位インバータの配列を示す回路図(平面図)であ
る。
【図14】 図13の回路の等価回路を示す回路図であ
る。
【符号の説明】
Q1、Q2 ... 量子化回路 INV11、INV12、INV211、INV21
2、INV213、INV214、INV221、IN
V222、INV223、INV224、INV23
1、INV232、INV233、INV234、IN
V241、INV242、INV243、INV244
... インバータ Cp1、Cp20、Cp21、Cp22、Cp23
... 容量結合 Vref、VrefQ ... 基準電圧 Vinp ... 入力電圧 Cin11、Cin12、Cf11、Cf12 ...
キャパシタンス INV1、INV2、…、INVn … インバータ Vin、Vin1、Vin2、Vin3、Vin4 …
入力端子 Vout、Vout1、Vout2、Vout3、Vo
ut4 … 出力端子 a11〜a14、a21〜a24、a31〜a34、a
41〜a44、b11〜b14、b21〜b24、b3
1〜b34、b41〜b44、c11〜c14、c21
〜c24、c31〜c34、c41〜c44、d11〜
d14、d21〜d24、d31〜d34、d41〜d
44、e11〜e14、e21〜e24、e31〜e3
4、e41〜e44、f11〜f14、f21〜f2
4、f31〜f34、f41〜f44 … 単位キャパ
シタンス。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 誠 東京都世田谷区北沢3−5−18 鷹山ビ ル 株式会社鷹山内 (72)発明者 高取 直 東京都世田谷区北沢3−5−18 鷹山ビ ル 株式会社鷹山内 (56)参考文献 特開 平7−141898(JP,A) 特開 平5−252034(JP,A) 特開 平2−140971(JP,A) 特開 昭64−81012(JP,A) 特開 平7−273651(JP,A) 特開 平7−273630(JP,A) 特開 昭59−156025(JP,A) 特開 昭62−40823(JP,A) 特開 平5−48459(JP,A) 特開 平1−160115(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03M 1/00 - 1/88

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アナログ入力電圧が入力された、第1キ
    ャパシタンスと、この第1キャパシタンスの出力に接続
    された、線形特性を有する第1反転増幅部と、前記アナ
    ログ入力電圧が入力され、このアナログ入力電圧の量子
    化出力を出力する第1量子化回路と、前記第1反転増幅
    部および第1量子化回路の出力が入力された出力用容量
    結合と、この出力用容量結合の出力が入力された、第1
    反転増幅部と実質的に同一特性の第2反転増幅部と、こ
    の第2反転増幅部の出力が入力され、この第2反転増幅
    部の出力を量子化する第2量子化回路とを備えたA/D
    変換回路であって、第1、第2量子化回路は、所定閾値
    の量子化用MOSインバータと、この量子化用MOSイ
    ンバータの入力に接続された複数の並列キャパシタンス
    よりなる量子化用容量結合とを有する複数段階の閾値回
    路であって、各閾値回路の量子化用容量結合は、入力電
    圧、およびより上位の閾値回路の出力の反転が入力され
    て、これらを加算し、前記量子化用MOSインバータは
    この加算結果が前記閾値を越えたときに出力を反転する
    ようになっている複数段階の閾値回路を備え、第1、第
    2反転増幅部の電源電圧は、量子化用MOSインバータ
    の電源電圧よりも高く設定され、結果として入力電圧が
    量子化用MOSインバータの線形領域に入るように設定
    されているA/D変換回路において、量子化用MOSイ
    ンバータは、複数の単位インバータ回路を並列に設けた
    ことを特徴とするA/D変換回路。
  2. 【請求項2】 単位インバータ回路は、直列に接続され
    たpMOS型FETとnMOS型FETとから構成され
    たC−MOSインバータよりなることを特徴とする請求
    項1に記載のA/D変換回路。
  3. 【請求項3】 LSI基盤上に複数のインバータ回路の
    ための単位インバータ回路を近接させつつ2次元的に配
    列し、異なるインバータ回路における対応位置の単位イ
    ンバータを相互に隣接配置してある請求項1記載のA/
    D変換回路。
  4. 【請求項4】 第1、第2反転増幅部、量子化用MOS
    インバータの入出力を短絡させ、同時に容量結合に、こ
    れらMOSインバータの閾値電圧の理想値に実質的に等
    しい既知の正の電圧を入力し得るリフレッシュ手段がさ
    らに設けられていることを特徴とする請求項1記載のA
    /D変換回路。
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