JP3360968B2 - 保護継電器 - Google Patents

保護継電器

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、保護継電器に関し、特
に小電気量により内部電子回路の特性試験を行うことを
可能にした保護継電器に関する。 【0002】 【従来の技術】保護継電器は、電力系統のどこかに短絡
または接地事故等の事故が発生した場合、または電力系
統に悪影響を与えるような異常運転が行われた場合に、
かかる異常状態を検出し、その部分を速やかに電力系統
から切り離すように指令を発することを任務とする。 【0003】図5は従来の保護継電器およびテスト端子
の一例のブロック図である。 【0004】図5に示すように、保護継電器10は、保
護対象の電気量を検出する電気量検出端子9と、該電気
量検出端子9が検出した電気量を次に説明する電子回路
5に適応した電気量に変換する補助変成器2と、該補助
変成器2により変換された電気量を電圧に変換する抵抗
器4と、保護特性を実現するための電子回路(内部電子
回路)5と、保護特性の動作値および動作時間を整定す
る整定回路8と、該整定回路8を介して整定された条件
に基づき電子回路5が処理した所定の時間特性を表示す
る表示回路6と、前記所定の時間特性を出力する出力回
路7とにより構成されている。 【0005】また、テスト端子1Aは、テスト対象の電
気量を検出し補助変成器2に伝える補助変成器一次テス
ト端子1と、該補助変成器一次テスト端子1の入出力部
をなすテスト端子入出力部1Bとにより構成されてい
る。 【0006】このような構成の保護継電器10を現実に
電力系統に取り付けて使用しているうちに、保護継電器
10の特性が劣化したり、故障等が生じることがある。
特に、保護継電器10では補助変成器2の特性劣化や故
障が殆ど無いが(故障率が極めて小さい)、電子回路
5,表示回路6,出力回路7,整定回路8等では特性劣
化や故障が生じることがある。 【0007】従って、保守作業としてサイトにおいて電
力系統に取り付けられた保護継電器の特性試験を行い、
常に一定規格を満たした保護継電器であることを保証し
ておく必要がある。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図5に
示した従来の保護継電器の回路構成では、電力系統の主
回路変成器の二次電流,二次電圧からの特性試験を実施
するために、高電圧,大電流の電気的入力手段のみが用
意されている。従って、保護継電器の内部電子回路等に
おける短絡等の特性試験を実施するためには、非常に大
きな電気量を保護継電器に入力する必要があり、当該試
験を行うための試験装置も非常に大型になっていた。 【0009】この非常に大型の試験装置をサイトにおい
て、移動,設置することは困難であり、また、大型の試
験装置の電源容量も大きなものが必要であった。 【0010】そこで、本発明の目的は、保護継電器の特
性試験を行う場合に、数ボルト,数百ミリアンペアの電
気入力により該特性試験の実現が可能な保護継電器を提
供することである。 【0011】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の発明は、保護対象の電気量を所定電気量
に変換する補助変成器と、該補助変成器による変換後の
電気量が予め設定された値を越えたか否かを判断する内
部電子回路と、該内部電子回路が前記予め設定されてい
た値を越えていたと判断した場合にはその旨を外部に出
力する出力回路とを備えた保護継電器において、前記補
助変成器の一次側と二次側の両方に、外部より電気入力
が可能な電気入力手段を備えたことを特徴とする。 【0012】 【0013】 【0014】 【0015】 【作用】請求項1記載の発明によれば、電気入力手段を
介して補助変成器の二次側に外部より電気入力がされ
る。この電気入力手段に印加された電気量(例えば、数
ボルト,数百ミリアンペア)は、該電気入力手段と電子
回路との間に補助変成器が介在しないので、直接内部電
子回路に印加される。従って、数ボルト,数百アンペア
の電気量でも内部電子回路の特性試験を行うことができ
るので、試験装置を小形化することができ、試験装置の
電源を小容量化することができる。 【0016】 【0017】 【0018】 【実施例】以下、本発明を図示の実施例に基づいて説明
する。なお、既に説明した部分には同一符号を付し、重
複記載を省略する。 【0019】(1)第1実施例 図1は本実施例を示すブロック図である。 【0020】図1に示すように、保護継電器10Aは、
図示しない保護対象(電力系統の主変成器等)の異常を
検出し、遮断器等の開閉器(図示せず)に対し引き外し
指令を出力する。 【0021】保護対象の電気量を検出する電気量検出端
子9は、補助変成器一次テスト端子1を介して補助変成
器2の一次側に接続されている。補助変成器2の二次側
は「電気入力手段」である補助変成器二次テスト端子1
01を介して電子回路5の入力端に接続されている。電
子回路5の出力端は、表示回路6,出力回路7,整定回
路8にそれぞれ接続されている。 【0022】次に動作を説明する。 【0023】通常の保護継電器としての動作 図示しない電力系統の保護対象(主変成器等)に電気量
検出端子9が接続されている。この状態で保護対象に短
絡,接地等の異常状態が発生した場合には、その電気量
は電気量検出端子9と補助変成器一次テスト端子1を介
して補助変成器2の一次側に伝えられる。この伝えられ
た電気量は補助変成器2で所定レベルに降圧され、補助
変成器二次テスト端子101を介して抵抗器4の両端に
印加され、前記電気量に対応した電圧が抵抗器4に発生
する。この電圧は電子回路5の入力端に印加され、電子
回路5はこの印加電圧が予め定められた設定値より高い
か否かの判断を行う。 【0024】そして、前記印加電圧が設定値より高い場
合には、表示回路6および出力回路7により異常が発生
した旨の表示および出力を行う。 【0025】以上の動作は従来の保護継電器(図5参
照)と全く同一である。 【0026】内部電子回路の特性試験時の動作 図示しない試験装置の試験用端子を、補助変成器二次テ
スト端子101に接続する。この場合、補助変成器二次
テスト端子101には例えば数ボルト,数百ミリアンペ
アの電気量が印加され、この電気量は抵抗器4を介して
電子回路5に印加される。この電気量により電子回路5
の特性試験を行う。 【0027】即ち、電子回路5に直接印加する電気量は
前述の如く数ボルト,数百ミリアンペアの小容量なの
で、試験装置を小型に構成することができ、例えば携帯
用の試験装置とすることができる。 【0028】(2)第2実施例 本実施例は、保護継電器を、補助変成器を含むユニット
と電子回路を含むユニットとの別体に構成した場合であ
る。 【0029】図2は本実施例のブロック図である。 【0030】図2に示すように、前記第1実施例におけ
る抵抗4を2個の並列抵抗102A,102Bとし、こ
の2つの抵抗を境に電気量変換ユニット10Bと保護回
路ユニット10Cとの別ユニットにした。そして、2つ
のユニット間を補助変成器二次出力端子103A、補助
変成器二次検出端子103Bにより接続する構成にし
た。 【0031】このように構成すれば、電気量変換ユニッ
ト10Bは、その構成要素が電気量検出端子9,補助変
成器一次テストユニット1,補助変成器2,抵抗器10
2A,補助変成器二次出力端子103Aなので、特性劣
化や故障のおそれが殆ど無い(故障率が極めて低い)。
これに対し、保護回路ユニット10Cの構成要素には、
電子回路5,表示回路6,出力回路7,整定回路8があ
り、特性劣化,故障等のおそれがある。 【0032】従って、保護回路ユニット10Cを1つの
機器(ユニット)として、数ボルト、数百ミリアンペア
の小さな電気量で特性試験をすることができる。また、
補助変成器2を含む電気量変換ユニット10Bは比較的
重量があるが、保護回路ユニット10Cの重量は軽いの
で、サイトにおいても保護回路ユニット10Cの持ち運
びが容易に行うことができ、特性試験の際に便利であ
る。 【0033】(3)第3実施例 本実施例は保護継電器に保護対象の電気量を入力したま
までも、内部電子回路の特性試験を行うことを可能にし
た場合である。 【0034】図3は本実施例のブロック図である。 【0035】図3に示すように、第1実施例(図1参
照)における抵抗4と電子回路5との間に、オペアンプ
104と抵抗器105,106を追加し、抵抗器105
と106の間にテスト入力端子107を設け、第1実施
例における補助変成器二次テスト端子101を削除した
ものである。 【0036】このように構成すれば、オペアンプ104
を含む回路がボルテージフォロアを構成し、試験用の入
力電圧が保護対象の検出電圧に回り込まないようにして
いるので、保護対象の電気量を入力したままの状態でテ
スト入力端子107から数ボルト,数百ミリアンペアの
小さな電気量で特性試験をすることができる。 【0037】(4)第4実施例 本実施例は、前記ボルテージフォロア回路を補助変成器
のユニットに含ませ、電子回路を含むユニットを別体に
構成した場合である。 【0038】図4は本実施例のブロック図である。 【0039】図4に示すように、前記第3実施例におけ
る抵抗105,106を境に、電気量変換ユニット10
Eと保護回路ユニット10C(図2参照)とに分離し、
2つのユニット間を補助変成器二次出力端子103Aと
補助変成器二次検出端子103Bとにより接続する構成
にした。 【0040】このように構成すれば、特性劣化、故障等
のおそれのある電子回路5を1つの機器(ユニット)の
保護回路ユニット10Cとして、数ボルト、数百ミリア
ンペアの小さな電気量で特性試験できる。 【0041】 【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、
性劣化,故障等のおそれがある内部電子回路を含む部分
を直接試験できるので、特性試験装置は、数ボルト,数
百ミリアンペアの電気量を保護継電器に印加することに
より、内部電子回路を含む部分の特性試験を行うことが
できる。このようにすれば、例えば従来の補助変成器一
次を介して行う特性試験装置の電気量に比較し、1/1
00程度の電気量で十分の試験が行えるので、特性試験
装置を非常に小型に構成することができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の第1実施例を示すブロック図である。 【図2】同第2実施例を示すブロック図である。 【図3】同第3実施例を示すブロック図である。 【図4】同第4実施例を示すブロック図である。 【図5】従来例を示すブロック図である。 【符号の説明】

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】保護対象の電気量を所定電気量に変換する
    補助変成器と、該補助変成器による変換後の電気量が予
    め設定された値を越えたか否かを判断する内部電子回路
    と、該内部電子回路が前記予め設定された値を越えてい
    たと判断した場合にはその旨を外部に出力する出力回路
    とを備えた保護継電器において、 前記補助変成器の一次側と二次側の両方に、外部より電
    気入力が可能な電気入力手段を備えたことを特徴とする
    保護継電器。
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