JP3359422B2 - 消弧用絶縁材料組成物、消弧用絶縁材料成形体およびそれらを用いた消弧装置 - Google Patents

消弧用絶縁材料組成物、消弧用絶縁材料成形体およびそれらを用いた消弧装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、消弧用絶縁材料組成
物、消弧用絶縁材料成形体およびそれらを用いた消弧装
置に関する。さらに詳しくは、回路遮断器、限流器また
は電磁接触器など、電流遮断時に容器内にアークが発生
する消弧装置および該装置に使用される消弧用絶縁材料
組成物、消弧用絶縁材料成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】回路遮断器、限流器または電磁接触器な
どにおいて、過剰電流または定格電流の通電時に可動接
触子の接点と固定接触子の接点を開離させると、両者の
間にアークが発生する。このアークを消弧するために図
14に示すように、可動接触子3の可動接点と固定接触
子6の固定接点5との間に発生するアーク9の周辺部
に、絶縁物(1)1および絶縁物(2)2を設けた消弧
装置が使用される。なお、7は可動接点である。
【0003】消弧装置8の絶縁物(1)1および絶縁物
(2)2からアーク9によって熱分解ガスが発生し、熱
分解ガスによりアーク9が冷却され、消弧される。
【0004】前記消弧装置および消弧装置に使用される
消弧用絶縁材料については、特開昭63−126136
号公報、特開昭63−310534号公報、特開昭64
−77811号公報、特開平2−144811号公報お
よび特開平2−256110号公報などに記載されてい
る。
【0005】たとえば、特開昭63−126136号公
報には、ポリメチルペンテン、ポリブチレンまたはポリ
メチルメタクリレートにガラス繊維を5〜35%(%、
以下同様)含有させた絶縁材料を使用した消弧装置が開
示されている。ポリメチルペンテン、ポリブチレンまた
はポリメチルメタクリレートは水素ガスの発生量が多
く、しかも水素ガスは熱伝導性がよいので急冷効果が大
きい。
【0006】また、特開昭63−310534号公報に
は、アクリル酸エステル共重合体、脂肪族炭化水素樹
脂、ポリビニルアルコール、ポリブタジエン、ポリ酢酸
ビニル、ポリビニルアセタール、イソプレン樹脂、エチ
レン−プロピレンゴム、エチレン−ビニルアセテート共
重合体またはポリアミド樹脂に、ガラス繊維を5〜35
%含有させた絶縁材料が記載されている。
【0007】また、特開昭64−77811号公報に
は、チッ素雰囲気中で764℃に1秒間高周波加熱した
ときに発生する水素が2.5×10-2ml/mg以上の
ポリメチルペンテンおよびメラミン樹脂などの絶縁材料
が記載されている。
【0008】さらに、特開平2−144811号公報に
は、ε−カプロラクタムおよび水酸化アルミニウムを含
有したメラミン樹脂、さらには末端アミン型イミド化合
物を含有したメラミン樹脂などの絶縁材料が、また、特
開平2−256110号公報には、ε−カプロラクタム
および水酸化アルミニウムを含有したメラミン樹脂の他
に、ガラス繊維またはエポキシ樹脂を含有したメラミン
樹脂およびε−カプロラクタム、水酸化アルミニウム、
ガラス繊維およびエポキシ樹脂のうちの少なくとも2種
を含有するメラミン樹脂などの絶縁材料が記載されてい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】消弧装置8を小型化
し、しかも限流遮断性能を向上させるには、アークを発
生する接点部を被覆する絶縁物(1)1、または、開閉
時の接点の軌跡を含む平面の両側あるいは接点部の周囲
に配置された絶縁物(2)2を使用するのが効果的であ
る。この際、絶縁物(1)1、絶縁物(2)2の消弧性
能の向上を図る必要がある。
【0010】消弧装置8の小型化を目的として、可動接
触子あるいは固定接触子の断面積を従来より縮小したば
あい、可動接触子あるいは固定接触子の電気抵抗値が上
昇するため、通電時の接点部およびその周囲の温度は従
来よりも上昇する。そのため、絶縁物(1)1および
(2)2には従来以上の耐熱性が要求される。
【0011】消弧装置8の小型化を目的として、絶縁物
(2)2の幅Wを従来より縮小したばあい、開閉時の接
点の軌跡を含む平面と絶縁物(2)2との距離が近づく
ことになり、絶縁物(2)2からアークによって発生す
る熱分解ガスの圧力が従来より高くなる。そのため、絶
縁物(1)1および(2)2には、従来以上の耐圧強度
が要求される。
【0012】また、開閉時の接点の軌跡を含む平面と絶
縁物(2)の距離が近づき、絶縁物(2)のアークによ
る消耗が大きくなるため、絶縁物(2)の耐アーク消耗
性の向上(具体的には穴があかないこと)が要求され
る。
【0013】前記従来の技術であるメラミン樹脂または
変性メラミン樹脂をマトリクスとした絶縁物あるいはメ
ラミン−フェノール系の絶縁物を用いたばあい、可動接
点の開成時に発生するアークの高熱で絶縁物から熱分解
ガスが発生し、この熱分解ガスによって接点周辺の圧力
が高まり、絶縁物(1)および絶縁物(2)の耐圧強度
が不足して割れてしまうという問題がある。
【0014】また、消弧装置を小型化して接点と絶縁物
(2)の距離が短くなると、絶縁物(2)の耐アーク消
耗性を向上させるため、充填材の量を増やす必要性が生
じるが、酸化ナトリウム8%および酸化カリウム1%を
含むCガラスや、酸化ナトリウム15%を含むAガラス
を充填材として用いると、消弧性能が低下するといった
問題がある。
【0015】また、消弧装置8の絶縁物(1)および絶
縁物(2)の被アーク部分に芳香環を多く含む耐熱性熱
可塑性樹脂を用いると、耐熱性は向上する反面、アーク
9によって絶縁物(1)および絶縁物(2)の表面が炭
化し、また、遊離炭素が周辺に飛散して絶縁不良を起こ
すという問題がおこる。
【0016】本発明は、前記従来技術にみられる問題が
なく、消弧性能、耐熱性、耐圧強度、耐アーク消耗性な
どに優れた消弧用絶縁材料組成物、消弧用絶縁材料成形
体およびそれらを用いた消弧装置を提供することを目的
とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る消弧用絶
縁材料組成物は、周期表1A族の金属の化合物の合計含
有量が1%以下であるガラス繊維、周期表1A族の金属
の化合物の合計含有量が1%以下である無機鉱物および
周期表1A族の金属の化合物の合計含有量が1%以下で
あるセラミック繊維からなる群から選択された1種以上
の充填材を含有し、マトリクス樹脂の主成分が、ポリオ
レフィン、ポリオレフィン系共重合体、ポリアミド、ポ
リアミド系ポリマーブレンド、ポリアセタールおよびポ
リアセタール系ポリマーブレンドからなる群から選択さ
れた1種からなるものである。
【0018】請求項2に係る消弧用絶縁材料組成物は、
請求項1記載の消弧用絶縁材料組成物において、無機鉱
物が、炭酸カルシウム、珪灰石または含水珪酸マグネシ
ウムであるものである。
【0019】請求項3に係る消弧用絶縁材料組成物は、
請求項1記載の消弧用絶縁材料組成物において、セラミ
ック繊維が、ケイ酸アルミニウム繊維、ホウ酸アルミニ
ウムウィスカまたはアルミナウィスカであるものであ
る。
【0020】請求項4に係る消弧用絶縁材料組成物は、
請求項1、2または3記載の消弧用絶縁材料組成物にお
いて、ポリオレフィンが、ポリプロピレンまたはポリメ
チルペンテンであるものである。
【0021】請求項5に係る消弧用絶縁材料組成物は、
請求項1、2または3記載の消弧用絶縁材料組成物にお
いて、ポリオレフィン系共重合体が、エチレン−ビニル
アルコール共重合体であるものである。
【0022】請求項6に係る消弧用絶縁材料組成物は、
請求項1、2または3記載の消弧用絶縁材料組成物にお
いて、ポリアミド系ポリマーブレンドが、ポリアミドと
ポリオレフィンとの組み合わせ、ポリアミドと熱可塑性
エラストマーとの組み合わせまたはポリアミドとゴムと
の組み合わせであるものである。
【0023】請求項7に係る消弧用絶縁材料組成物は、
請求項1、2、3または6記載の消弧用絶縁材料組成物
において、ポリアミドが、ナイロン6T、ナイロン46
またはナイロン66であるものである。
【0024】請求項8に係る消弧用絶縁材料組成物は、
請求項1、2、3または6記載の消弧用絶縁材料組成物
において、ポリアミドがナイロン6Tからなり、周期表
1A族の金属の化合物の合計含有量が1%以下であるガ
ラス繊維、周期表1A族の金属の化合物の合計含有量が
1%以下である無機鉱物および周期表1A族の金属の化
合物の合計含有量が1%以下であるセラミック繊維から
なる群から選択された1種以上の充填材の含有量が10
〜55%であるものである。
【0025】請求項9に係る消弧用絶縁材料組成物は、
請求項1、2、3または6記載の消弧用絶縁材料組成物
において、ポリアミドがナイロン6Tからなり、周期表
1A族の金属の化合物の合計含有量が1%以下であるガ
ラス繊維、周期表1A族の金属の化合物の合計含有量が
1%以下である無機鉱物および周期表1A族の金属の化
合物の合計含有量が1%以下であるセラミック繊維から
なる群から選択された1種以上の充填材の含有量が40
〜55%であるものである。
【0026】請求項10に係る消弧用絶縁材料組成物
は、請求項1、2、3または6記載の消弧用絶縁材料組
成物において、ポリアミドがナイロン46またはナイロ
ン66からなり、周期表1A族の金属の化合物の合計含
有量が1%以下であるガラス繊維、周期表1A族の金属
の化合物の合計含有量が1%以下である無機鉱物および
周期表1A族の金属の化合物の合計含有量が1%以下で
あるセラミック繊維からなる群から選択された1種以上
の充填材の含有量が10〜55%であるものである。
【0027】請求項11に係る消弧用絶縁材料組成物
は、請求項1、2、3または6記載の消弧用絶縁材料組
成物において、ポリアミドがナイロン46またはナイロ
ン66からなり、周期表1A族の金属の化合物の合計含
有量が1%以下であるガラス繊維、周期表1A族の金属
の化合物の合計含有量が1%以下である無機鉱物および
周期表1A族の金属の化合物の合計含有量が1%以下で
あるセラミック繊維からなる群から選択された1種以上
の充填材の含有量が30〜40%であるものである。
【0028】請求項12に係る消弧用絶縁材料組成物
は、請求項1、2または3記載の消弧用絶縁材料組成物
において、ポリアセタール系ポリマーブレンドが、ポリ
アセタールとは非相溶性でポリアセタール以上の融点を
有する熱可塑性樹脂と、ポリアセタールとの組み合わせ
であるものである。
【0029】請求項13に係る消弧用絶縁材料組成物
は、請求項1、2または3記載の消弧用絶縁材料組成物
において、ポリアセタール系ポリマーブレンドが、ポリ
アセタールとナイロン6との組み合わせであるものであ
る。
【0030】請求項14に係る消弧用絶縁材料組成物
は、ポリアセタールとは非相溶性で、ポリアセタール以
上の融点を有する熱可塑性樹脂と、ポリアセタールとの
組み合わせであるポリアセタール系ポリマーブレンドを
主成分として用いたものである。
【0031】請求項15に係る消弧用絶縁材料組成物
は、請求項14記載の消弧用絶縁材料組成物において、
ポリアセタールとは非相溶性でポリアセタール以上の融
点を有する熱可塑性樹脂がナイロン6であるものであ
る。
【0032】請求項16に係る消弧用絶縁材料組成物
は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、1
0、11、12、13、14または15記載の消弧用絶
縁材料組成物において、熱分解によってHO、O
O(原子状酸素)を発生させる物質を含有するものであ
る。
【0033】請求項17に係る消弧用絶縁材料組成物
は、請求項16記載の消弧用絶縁材料組成物において、
熱分解によってHO、O、O(原子状酸素)を発生
させる物質が水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
ム、四酸化アンチモンまたは五酸化アンチモンであるも
のである。
【0034】請求項18に係る消弧用絶縁材料組成物
は、熱分解によってHO、O、O(原子状酸素)を
発生させる物質を含有し、マトリクス樹脂の主成分がナ
イロン6T、ナイロン46およびナイロン66からなる
群から選択された1種からなるものである。
【0035】請求項19に係る消弧用絶縁材料成形体は
2層からなり、周期表1A族の金属の化合物の合計含有
量が1%以下であるガラス繊維、周期表1A族の金属の
化合物の合計含有量が1%以下である無機鉱物および周
期表1A族の金属の化合物の合計含有量が1%以下であ
るセラミック繊維からなる群から選択された1種以上の
充填材を20%以下含有し、マトリクス樹脂がポリオレ
フィン、ポリオレフィン系共重合体、ポリアミド、ポリ
アミド系ポリマーブレンド、ポリアセタールおよびポリ
アセタール系ポリマーブレンドからなる群から選択され
た1種が主成分である消弧用絶縁材料組成物からなる被
アーク層、または非強化のポリオレフィン、ポリオレフ
ィン系共重合体、ポリアミド、ポリアミド系ポリマーブ
レンド、ポリアセタールおよびポリアセタール系ポリマ
ーブレンドからなる群から選択された1種が主成分であ
る消弧用絶縁材料組成物からなる被アーク層が、ガラス
繊維、無機鉱物またはセラミック繊維からなる群から選
択された1種以上の充填材を20〜65%含有し、マト
リクス樹脂がポリオレフィン、ポリオレフィン系共重合
体、ポリアミド、ポリアミド系ポリマーブレンド、ポリ
アセタールおよびポリアセタール系ポリマーブレンドが
主成分である層に積層されてなるものである。
【0036】請求項20に係る消弧用絶縁材料成形体は
2層からなり、周期表1A族の金属の化合物の合計含有
量が1%以下であるガラス繊維、周期表1A族の金属の
化合物の合計含有量が1%以下である無機鉱物および周
期表1A族の金属の化合物の合計含有量が1%以下であ
るセラミック繊維からなる群から選択された1種以上の
充填材を20%以下含有し、マトリクス樹脂がポリオレ
フィン、ポリオレフィン系共重合体、ポリアミド、ポリ
アミド系ポリマーブレンド、ポリアセタールおよびポリ
アセタール系ポリマーブレンドからなる群から選択され
た1種が主成分である消弧用絶縁材料組成物からなる被
アーク層、または非強化のポリオレフィン、ポリオレフ
ィン系共重合体、ポリアミド、ポリアミド系ポリマーブ
レンド、ポリアセタールおよびポリアセタール系ポリマ
ーブレンドからなる群から選択された1種が主成分であ
る消弧用絶縁材料組成物からなる被アーク層が、ガラス
繊維、無機鉱物またはセラミック繊維からなる群から選
択された1種以上の充填材を20〜65%含有し、マト
リクス樹脂が熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂が主成分
である層に積層されてなるものである。
【0037】請求項21に係る消弧用絶縁材料成形体
は、請求項20記載の消弧用絶縁材料成形体において、
熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂が、ナイロン6T、ナ
イロンMXD6、ポリエチレンテレフタレートまたはポ
リブチレンテレフタレートであるものである。
【0038】請求項22に係る消弧用絶縁材料成形体
は、請求項19または20記載の消弧用絶縁材料成形体
において、被アーク層および(または)被アーク層でな
い層におけるポリアミドが、ナイロン46またはナイロ
ン66であるものである。
【0039】請求項23に係る消弧用絶縁材料成形体
は、請求項19、20、21または22記載の消弧用絶
縁材料成形体において、被アーク層および(または)被
アーク層でない層における無機鉱物が、炭酸カルシウ
ム、珪灰石または含水珪酸マグネシウムであるものであ
る。
【0040】請求項24に係る消弧用絶縁材料成形体
は、請求項19、20、21または22記載の消弧用絶
縁材料成形体において、被アーク層および(または)被
アーク層でない層におけるセラミック繊維が、ケイ酸ア
ルミニウム繊維、ホウ酸アルミニウムウィスカまたはア
ルミナウィスカであるものである。
【0041】請求項25に係る消弧用絶縁材料成形体
は、請求項19、20、21または22記載の消弧用絶
縁材料成形体において、周期表1A族の金属の化合物の
合計含有量の規定がないガラス繊維が、周期表1A族の
金属の化合物の合計含有量が1%以下であるガラス繊維
からなるものである。
【0042】請求項26に係る消弧用絶縁材料成形体
は、請求項19、20、21、22、23、24または
25記載の消弧用絶縁材料成形体において、熱分解によ
ってHO、O、O(原子状酸素)を発生させる物質
が被アーク層に含有されているものである。
【0043】請求項27に係る消弧用絶縁材料成形体
は、請求項26記載の消弧用絶縁材料成形体において熱
分解によってHO、O、O(原子状酸素)を発生さ
せる物質が水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、
四酸化アンチモンまたは五酸化アンチモンであるもので
ある。
【0044】請求項28に係る消弧装置は、請求項1、
2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、
13、14、15、16、17、18、19、20、2
1、22、23、24、25、26または27記載の消
弧用絶縁材料組成物または消弧用絶縁材料成形体を使用
したものである。
【0045】請求項29に係るアークを発生する接点部
の接触面以外を被覆する絶縁物(1)を有する消弧装置
は、前記絶縁物(1)に請求項1、2、3、4、5、
6、7、8、9、10、11、12、13、14、1
5、16、17または18記載の消弧用絶縁材料組成物
を使用したものである。
【0046】請求項30に係る開閉時の接点の軌跡を含
む平面の両側または接点部の周囲に配置された絶縁物
(2)を有する消弧装置は、前記絶縁物(2)に請求項
1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、1
2、13、14、15、16、17、18、19、2
0、21、22、23、24、25、26または27記
載の消弧用絶縁材料組成物または消弧用絶縁材料成形体
を使用したものである。
【0047】請求項31に係るアークを発生する接点部
の接触面以外を被覆する絶縁物(1)および開閉時の接
点の軌跡を含む平面の両側または接点部の周囲に配置さ
れた絶縁物(2)を有する消弧装置は、前記絶縁物
(1)に請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、
10、11、12、13、14、15、16、17また
は18記載の消弧用絶縁材料組成物を使用し、前記絶縁
部(2)に請求項1、2、3、4、5、6、7、8、
9、10、11、12、13、14、15、16、1
7、18、19、20、21、22、23、24、2
5、26または27記載の消弧用絶縁材料組成物または
消弧用絶縁材料成形体を使用したものである。
【0048】
【作用】請求項1〜13の発明では、消弧用絶縁材料組
成物が、周期表1A族の金属の化合物の合計含有量が1
%以下であるガラス繊維、周期表1A族の金属の化合物
の合計含有量が1%以下である無機鉱物および周期表1
A族の金属の化合物の合計含有量が1%以下であるセラ
ミック繊維からなる群から選択された1種以上の充填材
を含有し、マトリクス樹脂の主成分が、ポリオレフィ
ン、ポリオレフィン系共重合体、ポリアミド、ポリアミ
ド系ポリマーブレンド、ポリアセタールおよびポリアセ
タール系ポリマーブレンドからなる群から選択された1
種であるため、消弧性能、耐圧強度および耐アーク消耗
性の向上を図ることができる。さらに、これらマトリク
ス樹脂の主成分は熱可塑性樹脂であるため、成形時に硬
化時間が必要な熱硬化性樹脂と比較して、成形時間の短
縮を図ることができる。
【0049】請求項2および3の発明では、無機鉱物と
して炭酸カルシウム、珪灰石または含水珪酸マグネシウ
ムを、セラミック繊維としてケイ酸アルミニウム繊維、
ホウ酸アルミニウムウィスカまたはアルミナウィスカを
用いるため、消弧性能の向上を図ることができる。
【0050】請求項4の発明では、ポリオレフィンが、
比重が小さいポリプロピレンまたはポリメチルペンテン
であるため、絶縁材料の軽量化を図ることができる。と
くにポリメチルペンテンは、融点240℃の結晶性樹脂
のために高耐熱性の絶縁材料組成物がえられる。
【0051】請求項5の発明では、ポリオレフィン系共
重合体が、高強度樹脂であるエチレン−ビニルアルコー
ル共重合体であるため、絶縁材料組成物の一層の耐圧強
度の向上を図ることができる。
【0052】請求項6の発明では、ポリアミド系ポリマ
ーブレンドが、ポリアミドとポリオレフィンとの組み合
わせ、ポリアミドと熱可塑性エラストマーとの組み合わ
せまたはポリアミドとゴムとの組み合わせであるため、
耐衝撃性が向上することから絶縁材料組成物の一層の耐
圧強度の向上を図ることができる。
【0053】請求項7の発明では、ポリアミドが、高融
点の結晶性ポリアミドのナイロン6T、ナイロン46ま
たはナイロン66であるため、高い熱変形温度がえら
れ、一層の耐熱性の向上を図ることができる。
【0054】請求項8、9の発明では、ポリアミドが、
高融点の結晶性ポリアミドであるナイロン6Tであるた
め、高い熱変形温度がえられ、一層の耐熱性の向上を図
ることができると同時に、周期表1A族の金属の化合物
の合計含有量が1%以下であるガラス繊維、周期表1A
族の金属の化合物の合計含有量が1%以下である無機鉱
物および周期表1A族の金属の化合物の合計含有量が1
%以下であるセラミック繊維からなる群から選択された
1種以上の充填材の含有量が10〜55%、さらには4
0〜55%であることから、一層の耐アーク消耗性と耐
圧強度の向上が図られる。
【0055】請求項10、11の発明では、ポリアミド
が、高融点の結晶性ポリアミドであるナイロン46また
はナイロン66であるため、高い熱変形温度がえられ、
一層の耐熱性の向上を図ることができると同時に、周期
表1A族の金属の化合物の合計含有量が1%以下である
ガラス繊維、周期表1A族の金属の化合物の合計含有量
が1%以下である無機鉱物および周期表1A族の金属の
化合物の合計含有量が1%以下であるセラミック繊維か
らなる群から選択された1種以上の充填材の含有量が1
0〜55%、さらには30〜40%であることから、耐
アーク消耗性と耐圧強度の向上を図ることができる。さ
らに、ナイロン46及びナイロン66は、その化学構造
式中に芳香環を有していないことから、アークによる表
面炭化が少なく、一層の消弧性の向上を図ることができ
る。
【0056】請求項12の発明では、ポリアセタールと
は非相溶性でポリアセタール以上の融点を有する熱可塑
性樹脂と、ポリアセタールとの組み合わせであるポリア
セタール系ポリマーブレンドがマトリクス樹脂の主成分
であるため、たとえば被アーク面をポリアセタールのリ
ッチ層で形成したばあい、アークによってポリアセター
ルから発生するガスによって消弧性能が向上する。また
ポリマーブレンドの相手の素材によってポリアセタール
以上の耐熱性を有することができる。また周期表1A族
の金属の化合物の合計含有量が1%以下であるガラス繊
維、周期表1A族の金属の化合物の合計含有量が1%以
下である無機鉱物および周期表1A族の金属の化合物の
合計含有量が1%以下であるセラミック繊維からなる群
から選択された1種以上の充填材を含有しているため、
耐圧強度と耐アーク消耗性の向上を図ることができる。
【0057】請求項13の発明では、ポリアセタール系
ポリマーブレンドが、ポリアセタールとナイロン6との
組み合わせであり、前記請求項12の発明での記載事項
とともに、さらにナイロン6はその化学構造式中に芳香
環を有していないことから、アークによる表面炭化が少
なく、一層の消弧性の向上を図ることができる。
【0058】請求項14の発明では、ポリアセタールと
は非相溶性でポリアセタール以上の融点を有する熱可塑
性樹脂と、ポリアセタールとの組み合わせであるポリア
セタール系ポリマーブレンドがマトリクス樹脂の主成分
であるため、たとえば被アーク面をポリアセタールのリ
ッチ層で形成したばあい、アークによってポリアセター
ルから発生するガスによって消弧性能が向上する。また
ポリマーブレンドの相手の素材によってポリアセタール
以上の耐熱性を有することができる。
【0059】請求項15の発明では、ポリアセタール系
ポリマーブレンドが、ポリアセタールとナイロン6との
組み合わせであり、前記請求項12の発明での記載事項
とともに、さらにナイロン6はその化学構造式中に芳香
環を有していないことから、アークによる表面炭化が少
なく、一層の消弧性の向上を図ることができる。
【0060】請求項16の発明では、請求項1〜15記
載の消弧用絶縁材料組成物が、熱分解によってHO、
、O(原子状酸素)を発生させる物質を含有し、こ
れらの分解によって生ずるガスなどが遊離炭素の発生を
抑制するため、一層の消弧性能の向上を図ることができ
る。
【0061】請求項17の発明では、熱分解によってH
O、O、O(原子状酸素)を発生させる物質が、水
酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、四酸化アンチ
モンまたは五酸化アンチモンであり、これらはより好ま
しく遊離炭素の発生を抑制するため、消弧性能のさらな
る向上を図ることができる。
【0062】請求項18の発明では、HO、O、O
(原子状酸素)を発生させる物質を含有し、これらの分
解によって生ずるガスなどが遊離炭素の発生を抑制する
ため、特定のポリマーと併用されて一層の消弧性能の向
上を図ることができる。
【0063】請求項19〜27の発明では、消弧用絶縁
材料成形体を2層にすることによって、消弧性にすぐれ
た層と、耐圧強度、耐アーク消耗性および耐熱性にすぐ
れた層を有することができる。
【0064】請求項19〜21の発明では、消弧用絶縁
材料成形体の被アーク層が、周期表1A族の金属の化合
物の合計含有量が1%以下であるガラス繊維、周期表1
A族の金属の化合物の合計含有量が1%以下である無機
鉱物および周期表1A族の金属の化合物の合計含有量が
1%以下であるセラミック繊維からなる群から選択され
た1種以上の充填材を20%以下含有し、マトリクス樹
脂がポリオレフィン、ポリオレフィン系共重合体、ポリ
アミド、ポリアミド系ポリマーブレンド、ポリアセター
ルおよびポリアセタール系ポリマーブレンドからなる群
から選択された1種が主成分である、または非強化のポ
リオレフィン、ポリオレフィン系共重合体、ポリアミ
ド、ポリアミド系ポリマーブレンド、ポリアセタールお
よびポリアセタール系ポリマーブレンドからなる群から
選択された1種が主成分であるため、消弧性能の向上を
図ることができる。
【0065】請求項19の発明では、消弧用絶縁材料成
形体が、ガラス繊維、無機鉱物またはセラミック繊維か
らなる群から選択された1種以上の充填材を20〜65
%含有し、マトリクス樹脂がポリオレフィン、ポリオレ
フィン系共重合体、ポリアミド、ポリアミド系ポリマー
ブレンド、ポリアセタールおよびポリアセタール系ポリ
マーブレンドが主成分である層に被アーク層を積層して
なることから、耐圧強度および耐アーク消耗性の向上を
図ることができる。
【0066】請求項20および21の発明では、消弧用
絶縁材料成形体が、ガラス繊維、無機鉱物またはセラミ
ック繊維からなる群から選択された1種以上の充填材を
20〜65%含有したナイロン6T、ナイロンMXD
6、ポリエチレンテレフタレートまたはポリブチレンテ
レフタレートなどの熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂が
主成分である層に被アーク層を積層してなることから、
耐圧強度および耐アーク消耗性の向上を図ることができ
る。とくにナイロン6Tは、ナイロン46およびナイロ
ン66よりも高融点のため、一層の耐熱性の向上を図る
ことができる。
【0067】請求項22の発明では、ポリアミドが化学
構造式中に芳香環を有していないナイロン46またはナ
イロン66であるため、アークによる表面炭化が少な
く、一層の消弧性の向上を図ることができる。
【0068】請求項23〜25の発明では、無機鉱物と
して炭酸カルシウム、珪灰石または含水珪酸マグネシウ
ムを、セラミック繊維としてケイ酸アルミニウム繊維、
ホウ酸アルミニウムウィスカまたはアルミナウィスカ
を、周期表1A族の金属の化合物の合計含有量の規定が
ないガラス繊維として周期表1A族の金属の化合物の合
計含有量が1%以下であるガラス繊維を用いるため、消
弧性能の向上を図ることができる。
【0069】請求項26の発明では、請求項19〜25
記載の消弧用絶縁材料成形体の被アーク層が、熱分解に
よってHO、O、O(原子状酸素)を発生させる物
質を含有し、これらの分解によって生ずるガスなどが遊
離炭素の発生を抑制するため、一層の消弧性能の向上を
図ることができる。
【0070】請求項27の発明では、熱分解によってH
O、O、O(原子状酸素)を発生させる物質が、水
酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、四酸化アンチ
モンまたは五酸化アンチモンであり、これらはより好ま
しく遊離炭素の発生を抑制するため、消弧性能のさらな
る向上を図ることができる。
【0071】請求項28の発明では、請求項1〜27の
いずれかに記載の消弧用絶縁材料組成物または消弧用絶
縁材料成形体を用いることにより消弧装置の小型化と限
流遮断性能の向上を図ることができる。
【0072】請求項29の発明では、アークを発生する
接点部の接触面以外を被覆する絶縁物(1)に請求項1
〜18のいずれかに記載の消弧用絶縁材料組成物を用い
ることにより、消弧装置の小型化と限流遮断性能の向上
を図ることができる。
【0073】請求項30の発明では、開閉時の接点の軌
跡を含む平面の両側または接点部の周囲に配置された絶
縁物(2)に請求項1〜27のいずれかに記載の消弧用
絶縁材料組成物または消弧用絶縁材料成形体を用いるこ
とにより、消弧装置の小型化と限流遮断性能の向上を図
ることができる。
【0074】請求項31の発明では、アークを発生する
接点部の接触面以外を被覆する絶縁物(1)を有する消
弧装置において、請求項1〜18のいずれかに記載の消
弧用絶縁材料組成物を用い、また開閉時の説点の軌跡を
含む平面の両側または接点部の周囲に配置された絶縁物
(2)に請求項1〜27のいずれかに記載の消弧用絶縁
材料組成物または消弧用絶縁材料成形体を用いることに
より消弧装置の小型化と限流遮断性能の向上を図ること
ができる。
【0075】
【実施例】本発明の消弧用絶縁材料組成物(I)は、前
記特定の充填材を含有する特定のマトリクス樹脂を主成
分とするものである。
【0076】前記充填材は、周期表1A族の金属の化合
物の合計含有量が1%以下であるガラス繊維、周期表1
A族の金属の化合物の合計含有量が1%以下である無機
鉱物および周期表1A族の金属の化合物の合計含有量が
1%以下であるセラミック繊維からなる群から選択され
た1種以上の充填材のことである。
【0077】前記充填材は、耐アーク消耗性、耐圧強度
および消弧性能の向上のために用いられる。
【0078】前記周期表1A族の金属(Li、Na、
K、Rb、Cs、Fr)の化合物とは、M2O(Na
2O、K2O、Li2Oなど)のかたちになっているもの
をいう。
【0079】前記充填材は前記化合物をそれらの合計量
として1%以下しか含有しない。1%をこえて含有する
ばあいには、消弧性能がわるくなる。前記化合物の合計
含有量は、0.6%以下、さらには0.15%以下であ
るのが消弧性能の点から好ましい。なお、前記化合物の
合計含有量の測定方法としては、X線回析法が用いられ
る。
【0080】ガラス繊維は、その補強効果から生じる耐
圧強度および耐アーク消耗性の向上を図るために用いら
れる。
【0081】ガラス繊維はガラスからなる繊維状物のこ
とをいい、前記周期表1A族の金属の化合物の合計含有
量を満足していればとくに限定はされない。ガラス素材
としてはEガラス、Sガラス、Dガラス、Tガラスまた
はシリカガラスなどがあげられるが周期表1A族の金属
の化合物を含まないという点から、Sガラス、Dガラ
ス、Tガラスまたはシリカガラスが好ましい。ガラス繊
維製品としては長繊維、短繊維またはグラスウールなど
があげられるが、熱可塑性樹脂の充填材として用いると
いう点から短繊維が好ましい。
【0082】ガラス繊維の直径が6〜13μm、アスペ
クト比が10以上であることが耐圧強度の点から好まし
い。また、ガラス繊維には、シランカップリング剤など
の処理剤が加工されているのが、耐圧強度の点から好ま
しい。
【0083】無機鉱物は、消弧性能の向上とともに耐ア
ーク消耗性、耐圧強度の向上を図るために用いられる。
【0084】無機鉱物は前記周期表1A族の金属の化合
物の合計含有量を満足していればとくに限定はされな
い。無機鉱物の具体例としては、炭酸カルシウム、珪灰
石、タルク、アストン、クリソタイルおよびセピオライ
トなどの含水珪酸マグネシウムなどが、消耗性能の向上
などの点から好ましいものとしてあげられる。
【0085】炭酸カルシウムはステアリン酸など表面改
質剤により、樹脂中への分散性を向上させたものが耐圧
強度の点から好ましい。
【0086】珪灰石は、繊維状でアスペクト比の大きい
ものほど耐圧強度の点から好ましい。含水珪酸マグネシ
ウムは、アストンのように繊維状のものが耐圧強度の点
から好ましい。
【0087】セラミック繊維は消弧性能の向上とともに
耐アーク消耗性、耐圧強度の向上を図るために用いられ
る。
【0088】セラミック繊維は、セラミックからなる繊
維状物のことをいい、前記周期表1A族の金属の化合物
の合計含有量を満足していればとくに限定はされない。
セラミック繊維の具体例としては、ケイ酸アルミニウム
繊維、ホウ酸アルミニウムウィスカ、アルミナウィスカ
などが、消弧性能の向上、耐圧強度の点から好ましい。
【0089】繊維の直径が1〜10μm、アスペクト比
が10以上であることが、耐圧強度の点から好ましい。
【0090】前記充填材は1種または2種以上が用いら
れる。2種以上が用いられるばあいには、前記ガラス繊
維と前記無機鉱物、前記ガラス繊維と前記セラミック繊
維、前記無機鉱物と前記セラミック繊維、前記ガラス繊
維どうし、前記無機鉱物どうし、前記セラミック繊維ど
うし、前記ガラス繊維と前記無機鉱物と前記セラミック
繊維との組み合わせが、消弧性能の点から好ましい。
【0091】前記組み合わせて用いる場合の重量比率と
しては、ガラス繊維/無機鉱物、ガラス繊維/セラミッ
ク繊維および無機鉱物/セラミック繊維においては5/
50〜50/5、さらには10/30〜30/10が好
ましく、ガラス繊維:無機鉱物:セラミック繊維におい
ては1:1:1〜1:1:10が好ましい。
【0092】前記マトリクス樹脂は、ポリオレフィン、
ポリオレフィン系共重合体、ポリアミド、ポリアミド系
ポリマーブレンド、ポリアセタールおよびポリアセター
ル系ポリマーブレンドからなる群から選択された1種で
ある。
【0093】前記マトリクス樹脂は、消弧性能、耐圧強
度および耐アーク消耗性の向上さらには成形時間の短縮
を図るために用いられる。
【0094】ポリオレフィンは芳香環を有さず、耐衝撃
性にすぐれることから、消弧性能および耐圧強度を満足
させるために用いられる。その具体例としては、ポリプ
ロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテンなどがあ
げられる。それらのなかではポリプロピレン、ポリメチ
ルペンテンなどの比重が小さいものが、絶縁材料の軽量
化の点から好ましく、とくにポリメチルペンテンは融点
240℃の結晶性樹脂のために高耐熱性が得られる点か
ら好ましい。
【0095】ポリオレフィン系共重合体は芳香環を有し
ないことから消弧性能を満足させるために用いられる。
その具体例としては、エチレン−ビニルアルコール共重
合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などがあげられる
が、エチレン−ビニルアルコール共重合体などの高強度
樹脂が、耐圧強度の向上を図る点から好ましい。エチレ
ン/ビニルアルコールの共重合比率は30/70〜45
/55、さらには30/70〜35/65であるのが耐
圧強度の点から好ましい。
【0096】ポリアミドはアミド結合をもつ高分子化合
物のことをいい、本発明ではポリアミド共重合体をも含
む。ポリアミドは高強度樹脂であり、耐圧強度を満足さ
せるために用いられる。その具体例としては、ナイロン
6T、ナイロン46、ナイロン66、ナイロンMXD
6、ナイロン610、ナイロン6、ナイロン11、ナイ
ロン12およびナイロン6とナイロン66の共重合体ナ
イロンなどがあげられる。なおナイロンはポリアミドの
うち線状の合成ポリアミドのことをいい、ナイロンmn
は炭素数mのジアミン(NH2(CH2)mNH2)と炭
素数nの2塩基酸(HOOC(CH2n-2COOH)と
の重縮合物のことをいい、ナイロンnは炭素数nのω−
アミノ酸(H2N(CH2n-1COOH)またはラクタ
ムの重合物のことをいう。
【0097】前記ポリアミドの具体例のなかでは高融点
の結晶性ポリアミドであるナイロン6T(融点320
℃)、ナイロン46(融点290℃)およびナイロン6
6(融点260℃)が、高い熱変形温度が得られ、一層
の耐熱性の向上を図り得る点から好ましい。
【0098】以下に、代表的なポリアミドの化学式を示
す。
【0099】
【化1】 ポリアミド系ポリマーブレンドとはポリアミド系ポリマ
ーと他のポリマーとのブレンド物のことである。ポリア
ミド系ポリマーブレンドは耐衝撃性の向上のために用い
られ、それらにはポリアミドとポリオレフィンとのブレ
ンド物、ポリアミドと熱可塑性エラストマーとのブレン
ド物、ポリアミドとゴムとのブレンド物などがある。
【0100】ポリアミドとしては前述のものを使用する
ことができ、ポリアミド系ポリマーブレンドに用いられ
るポリアミドとしては、高融点で芳香環を有しないナイ
ロン46、ナイロン66などが耐熱性および消弧性能の
点から好ましい。
【0101】該ポリマーブレンドに用いられるポリオレ
フィンとしては、前述のものを使用することができ、な
かでもポリプロピレンが耐圧強度の点から好ましい。
【0102】該ポリマーブレンドに用いられる熱可塑性
エラストマーとしては、ポリオレフィンエラストマー、
ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマーな
どがあるが、なかでもポリオレフィンエラストマーが耐
圧強度の点から好ましい。
【0103】該ポリマーブレンドに用いられるゴムとし
ては、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、ア
クリル酸ゴムなどがあるが、なかでもエチレン−プロピ
レンゴムが耐圧強度の点から好ましい。
【0104】前記ブレンド比率は、ポリアミド100部
(重量部、以下同様)に対して、耐熱性および耐圧強度
の点からポリオレフィン、熱可塑性エラストマーおよび
ゴムのいづれの場合も1〜15部、さらには5〜10部
が好ましい。
【0105】ポリアセタールはアークによってポリアセ
タールから発生するガスによって消弧性能を向上させる
ために用いられる。その具体例としては、ポリオキシメ
チレンのホモポリマー、コポリマーがあげられる。
【0106】ポリアセタール系ポリマーブレンドは、ブ
レンド物中のポリアセタール部分が前記のごとくアーク
によってポリアセタールから発生するガスによって消弧
性能を向上させ、またブレンド物中のポリアセタール以
外の熱可塑性樹脂によってポリアセタール以上の耐熱性
をもたせるために用いられるものである。
【0107】ポリアセタールは前記の記載内容と同じ内
容であり、該ポリマーブレンドに用いられるポリマーと
しては、ポリアセタールとは非相溶性でポリアセタール
以上の融点、好ましくは230℃以下の融点を有する熱
可塑性樹脂が、耐熱性の向上という点から好ましい。ポ
リアセタールと非相溶性であるとは、ポリアセタールと
ポリマーブレンドの相手の素材のそれぞれのガラス転移
温度において弾性率の著しい変化および損失正接のピー
クが各々みられることをいう。なお、ポリアセタールの
融点は、ホモポリマーで178℃、コポリマーで167
℃である。
【0108】該熱可塑性樹脂の具体例としては、ナイロ
ン6、ポリブチレンテレフタレートなどがあげられる。
それらのなかではナイロン6がその化学構造式中に芳香
環を有していないことから、アークによる表面炭化が少
なく、一層の消弧性能の向上を図ることができる点から
好ましい。
【0109】前記ブレンド比率は、ポリアセタール10
0部に対して、耐熱性の点から100〜400部、さら
には200〜300部が好ましい。
【0110】前記マトリクス樹脂は、前記の樹脂を主成
分とするものであり、前記充填材以外の副成分として
は、難燃剤などの成分を含有する場合がある。難燃剤と
しては、芳香環を含まないリン系難燃剤や無機系難燃剤
が好ましい。
【0111】本発明の消弧用絶縁材料組成物(I)は、
前記のごとくマトリクス樹脂中に、前記特定の充填材お
よび副成分を含有している。前記特定の充填材は、消弧
用絶縁材料組成物(I)の総重量に対して10〜55
%、さらには30〜40%含有されることが好ましい。
含有量が10%よりも少ない場合には、耐アーク消耗
性、耐圧強度などが不充分となる傾向があり、55%を
こえる場合には、消弧性能が不充分となる傾向がある。
【0112】前記充填材を10〜55%含有する消弧用
絶縁材料組成物(I)は、主として低い電流値(100
A程度)の回路遮断器に使用される。
【0113】なお、含有量が10%より少ない場合で
も、後述するように、他のものと積層することにより、
積層品として耐アーク消耗性、耐圧強度などを改善する
ことができる。積層品とした場合には、主として高い電
流値(200A程度以上)の回路遮断器に使用される。
【0114】なお、マトリクス樹脂が、ナイロン6Tの
場合には前記特定の充填材は10〜55%、さらには4
0〜55%含有されることが一層の耐アーク消耗性と耐
圧強度の向上という点から好ましい。
【0115】また、ナイロン46またはナイロン66の
場合には、前記特定の充填材は10〜55%、さらには
30〜40%含有されることが一層の消弧性能の向上と
耐アーク消耗性、耐圧強度の向上という点から好まし
い。
【0116】本発明の消弧用絶縁材料組成物(I)には
さらに熱分解によってH2O、O2、O(原子状酸素)を
発生させる物質(以下、遊離炭素抑制剤という)を含有
させることが、遊離炭素の発生を抑制し、消弧性能の向
上を図る点から好ましい。
【0117】前記熱分解によってH2O、O2、O(原子
状酸素)を発生させる物質であることを確認するために
は、たとえばチッ素中で加熱分解させ、分解ガスをガス
検知管を通過させ、その濃度を測定するなどの方法によ
り行なうことができる。
【0118】前記遊離炭素抑制剤の具体例としては、水
酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、四酸化アンチ
モン、五酸化アンチモンが、遊離炭素の発生抑制効果の
点から好ましい。水酸化アルミニウムまたは水酸化マグ
ネシウムの場合には前記分解によって発生するH2
が、四酸化アンチモンまたは五酸化アンチモンの場合に
は前記分解によって発生するO2、Oが、電極材などか
ら発生する金属または消弧用材料から発生する遊離炭素
と反応して酸化金属、一酸化炭素または二酸化炭素など
を形成し、絶縁不良を抑制することができる。
【0119】前記遊離炭素抑制剤の消弧用絶縁材料組成
物(I)中の含有量は、20%以下であることが好まし
い。含有量が20%をこえる場合には、とくにナイロン
と水酸化マグネシウムの組み合わせにおいて耐圧強度が
低下する傾向がある。
【0120】前記遊離炭素抑制剤をさらに含有させる場
合の本発明の消弧用絶縁材料組成物(I)の構成は、前
記遊離炭素抑制剤がさらに含有されること以外にはとく
に前記の消弧用絶縁材料組成物(I)と変わることはな
い。
【0121】前記消弧用絶縁材料組成物(I)の製法と
しては、前記充填材、副成分などをマトリクス樹脂中に
混合し得る限り、とくに限定はないが、通常は押出混合
法、ロール混合法などの方法により行なわれ、ペレット
状、シート状、その他の形状のものが得られる。
【0122】以下に前記本発明の消弧用絶縁材料組成物
(I)のなかでも総合的に好ましいものをあげる。周期
表1A族の金属の化合物の合計含有量が1%以下である
Eガラスからなるガラス繊維30〜50%を含有するナ
イロン46、ナイロン66またはナイロン6Tを主成分
とするマトリクス樹脂からなるものが、耐熱性、耐アー
ク消耗性、耐圧強度、経済性の点から好ましい。
【0123】また周期表1A族の金属の化合物の合計含
有量が1%以下であるホウ酸アルミニウムウィスカまた
はケイ酸アルミニウム繊維30〜40%を含有するナイ
ロン46、ナイロン66を主成分とするマトリクス樹脂
からなるものが、耐熱性、消弧性能の点から好ましい。
【0124】また周期表1A族の金属の化合物の合計含
有量が1%以下である含水珪酸マグネシウムまたは珪灰
石30〜40%を含有するナイロン46、ナイロン66
を主成分とするマトリクス樹脂からなるものが、耐熱
性、消弧性能の点から好ましい。
【0125】前記総合的に好ましい消弧用絶縁材料組成
物のそれぞれに、さらに水酸化マグネシウム5〜20%
を含有させた消弧用絶縁材料組成物が、さらに遊離炭素
の発生抑制効果にすぐれ、絶縁不良を抑制する点から好
ましい。
【0126】つぎに本発明の消弧用絶縁材料組成物(I
I)について説明する。
【0127】該組成物は、ポリアセタールとは非相溶性
で、ポリアセタール以上の融点を有する熱可塑性樹脂
と、ポリアセタールとの組み合わせからなるポリアセタ
ール系ポリマーブレンドが主成分である消弧用絶縁材料
組成物である。該材料組成物は、ブレンド物中のポリア
セタール部分がアークによってポリアセタールから発生
するガスによって消弧性能を向上させ、またブレンド物
中のポリアセタール以外の熱可塑性樹脂によってポリア
セタール以上の耐熱性をもたせることができるものであ
る。
【0128】ポリアセタール、ポリアセタールとは非相
溶性でポリアセタール以上の融点を有する熱可塑性樹脂
およびブレンド比率さらには副成分の種類、その配合
量、消弧用絶縁材料組成物の形状および製造法などの説
明は、消弧用絶縁材料組成物(I)に記載した内容と同
じであるので、省略する。
【0129】本発明の消弧用絶縁材料組成物(II)に
も、さらに前記遊離炭素抑制剤を含有させることがで
き、そのばあい遊離炭素の発生を抑制し、消弧性能の向
上を図ることができる。
【0130】遊離炭素抑制剤の具体例、好ましい具体
例、含有量その他の事項については前記消弧用絶縁材料
組成物(I)での記載内容と同じであるので、省略す
る。
【0131】前記消弧用絶縁材料組成物(II)のなかで
も総合的に好ましいものとしては、ナイロン6の100
部とポリアセタール100〜25部とのポリマーブレン
ドを主成分とする絶縁材料組成物が消弧性能、耐熱性な
どの点から好ましい。また、その絶縁材料に、さらに水
酸化マグネシウムまたは水酸化アルミニウム5〜20%
を含有させた消弧用絶縁材料組成物が、さらに遊離炭素
の発生抑制効果にすぐれ、絶縁不良を抑制する点から好
ましい。
【0132】つぎに本発明の消弧用絶縁材料組成物(II
I)について説明する。それは、熱分解によってHO、
、O(原子状酸素)を発生させる物質を含有し、マ
トリクス樹脂の主成分がナイロン6T、ナイロン46お
よびナイロン66からなる群から選択された1種である
消弧用絶縁材料組成物である。該材料組成物は、熱分解
によってHO、O、O(原子状酸素)を発生し、こ
れらは遊離炭素の発生を抑制するため、消弧性能の向上
を図ることができる。
【0133】遊離炭素抑制剤およびナイロン6T、ナイ
ロン46、ナイロン66などについての内容は、前記消
弧用絶縁材料組成物(I)に記載した内容と同じである
ので記載を省略する。
【0134】遊離炭素抑制剤としては、水酸化マグネシ
ウム、四酸化アンチモンまたは五酸化アンチモンが樹脂
への添加の容易性の点から好ましい。
【0135】前記遊離炭素抑制剤の消弧用絶縁材料組成
物(III)中の含有量は、5〜20%であることが好まし
い。含有量が5%よりも少ない場合には、遊離炭素の発
生抑制効果が不充分となる傾向があり、20%をこえる
場合には耐圧強度が低下する傾向がある。
【0136】前記消弧用絶縁材料組成物(III)の製造
法、形状などは絶縁材料組成物(I)と同じ内容なので
記載を省略する。
【0137】本発明の消弧用絶縁材料組成物(I)、
(II)および(III)は、特定の形状に成形された成形
体にすることができる。該成形体としては、たとえば消
弧装置においてアークを発生する接点部の接触面以外を
被覆する絶縁物(1)および(または)開閉時の接点の
軌跡を含む平面の両側または接点部の周囲に配置された
絶縁物(2)などに用いられるものがあげられる。成形
体の形状、構造、寸法(厚さ)としては、消弧装置の遮
断方式などにより異なるが、たとえば図5〜7に示すも
のがあげられる。
【0138】前記成形体の製法としては、たとえば射出
成形法、加熱プレス法などにより行なわれ、量産性の点
から好ましくは射出成形法が用いられる。
【0139】つぎに、本発明の消弧用絶縁材料成形体
(I)について説明する。
【0140】すなわち、周期表1A族の金属の化合物の
合計含有量が1%以下であるガラス繊維、周期表1A族
の金属の化合物の合計含有量が1%以下である無機鉱物
および周期表1A族の金属の化合物の合計含有量が1%
以下であるセラミック繊維からなる群から選択された1
種以上の充填材を20%以下含有し、マトリクス樹脂が
ポリオレフィン、ポリオレフィン系共重合体、ポリアミ
ド、ポリアミド系ポリマーブレンド、ポリアセタールお
よびポリアセタール系ポリマーブレンドからなる群から
選択された1種が主成分である消弧用絶縁材料組成物か
らなる被アーク層、または非強化のポリオレフィン、ポ
リオレフィン系共重合体、ポリアミド、ポリアミド系ポ
リマーブレンド、ポリアセタールおよびポリアセタール
系ポリマーブレンドからなる群から選択された1種が主
成分である消弧用絶縁材料組成物からなる被アーク層
が、ガラス繊維、無機鉱物またはセラミック繊維からな
る群から選択された1種以上の充填材を20〜65%含
有し、マトリクス樹脂がポリオレフィン、ポリオレフィ
ン系共重合体、ポリアミド、ポリアミド系ポリマーブレ
ンド、ポリアセタールおよびポリアセタール系ポリマー
ブレンドからなる群から選択された1種が主成分である
消弧用絶縁材料組成物からなる層に積層されてなる消弧
用絶縁材料成形体である。
【0141】本発明では、消弧用絶縁材料を2層にする
ことによって、絶縁材料組成物(I)〜(III)の単層
で絶縁物(2)を構成するばあいにくらべて消弧性能に
すぐれた被アーク層と、耐圧強度、耐アーク消耗性およ
び耐熱性にすぐれた、被アーク層が積層される層(以
下、ベース層ともいう)を有することができる利点があ
る。
【0142】被アーク層は消弧性能の向上の役割を果た
すものである。充填材を含有する被アーク層(以下、被
アーク層Aともいう)を構成する前記特定の充填材の使
用目的、周期表1A族の金属の化合物および該化合物の
含有量についての内容、ガラス繊維・無機鉱物・セラミ
ック繊維のそれぞれの使用目的、内容、好ましい化合物
などは、前記消弧用絶縁材料組成物(I)について記載
した内容と同じであるから、ここでは省略する。
【0143】また、前記マトリクス樹脂の使用目的、前
記各ポリマーの使用目的、各ポリマーの内容および具体
例、好ましい具体例とその理由、マトリクス樹脂の副成
分の内容および含有量なども、消弧用絶縁材料組成物
(I)について記載した内容と同じであるから、ここで
は省略する。
【0144】なお、マトリクス樹脂がナイロン46また
はナイロン66の場合には、これら熱可塑性樹脂の化学
構造式中には芳香環を有していないことから、アークに
よる表面炭化が少なく、一層の消弧性能の向上を図るこ
とができる。
【0145】被アーク層Aは、前記マトリクス樹脂中に
前記特定の充填材を20%以下含有する。該含有量が2
0%以下の場合には、電流値の大きい消弧装置の遮断で
も消弧性能を満足できる。前記含有量は、耐アーク消耗
性と消弧性能の点から5〜20%が好ましい。
【0146】本発明の消弧用絶縁材料成形体(I)を構
成する被アーク層の他の態様としては、前記充填材を含
有しない、すなわち非強化のマトリクス樹脂を用いる被
アーク層Bがある。
【0147】被アーク層Bを構成する前記マトリクス樹
脂の使用目的、前記各熱可塑性樹脂の使用目的、各熱可
塑性樹脂の内容および具体例、好ましい具体例とその理
由、マトリクス樹脂の副成分の内容および含有量など
は、前記被アーク層Aについて記載した内容と同じであ
るからここでは省略する。
【0148】被アーク層Bは被アーク層Aに較べて、消
弧装置の遮断電流が大きくなるにつれて、消弧性能の点
から被アーク層Bが好ましい。
【0149】つぎに、ベース層の説明を行なう。ベース
層は耐アーク消耗性、耐圧強度の向上の役割を果たすも
のである。
【0150】ベース層に含有されるガラス繊維、無機鉱
物またはセラミック繊維は、耐アーク消耗性、耐圧強度
の向上のために用いられる。ベース層において、前記充
填材中の周期表1A族の金属の化合物の合計含有量につ
いては、とくに限定はされない。それはアークに接しに
くい位置におかれるため、消弧性能の向上はとくに要求
されないからである。しかし、ガラス繊維などの前記充
填材の場合にも、前記化合物の合計含有量が1%以下で
あるのが、消弧装置の安全性の点から好ましい。
【0151】ベース層に含有されるガラス繊維、無機鉱
物またはセラミック繊維のその他の記載、すなわち、そ
れぞれの使用目的、内容、好ましい化合物および前記マ
トリクス樹脂の使用目的、前記各ポリマーの使用目的、
各ポリマーの内容および具体例、好ましい具体例とその
理由、マトリクス樹脂の副成分の内容および含有量など
は、消弧用絶縁材料組成物(I)について記載した内容
と同じであるから、ここでは省略する。ただし、ベース
層中にはクレー、カオリン、マイカなど周期表1A族の
金属の化合物の合計含有量が1%をこえる充填材であっ
ても好ましく用いることができる。
【0152】なお、ベース層のマトリクス樹脂がナイロ
ン46またはナイロン66の場合には、消弧装置の安全
性の点から好ましい。
【0153】また、ベース層は前記被アーク層と積層さ
れるために、接着性などの点から同じ種類の樹脂である
ことが好ましい。
【0154】ベース層は、前記充填材を20〜65%含
有する。含有量が20%より少ない場合には、耐アーク
消耗性、耐圧強度が不充分となる傾向となり、65%を
こえる場合には成形性が低下する傾向となる。前記含有
量は、耐アーク消耗性、耐圧強度、成形性の点から、3
5〜50%が好ましい。
【0155】本発明の消弧用絶縁材料成形体(I)は前
記のごとく被アーク層とベース層が積層されてなるもの
であるが、その形状、構造、寸法としては、消弧装置の
遮断方式によるが、たとえば図8〜図10に示すものが
あげられる。
【0156】前記成形体の製法としては、量産性などの
点から射出成形法のうちとくに二色成形法が好ましい。
【0157】つぎに、同じく2層となる本発明の消弧用
絶縁材料成形体(II)について説明する。
【0158】すなわち、周期表1A族の金属の化合物の
合計含有量が1%以下であるガラス繊維、周期表1A族
の金属の化合物の合計含有量が1%以下である無機鉱物
および周期表1A族の金属の化合物の合計含有量が1%
以下であるセラミック繊維からなる群から選択された1
種以上の充填材を20%以下含有し、マトリクス樹脂が
ポリオレフィン、ポリオレフィン系共重合体、ポリアミ
ド、ポリアミド系ポリマーブレンド、ポリアセタールお
よびポリアセタール系ポリマーブレンドからなる群から
選択された1種が主成分である消弧用絶縁材料組成物か
らなる被アーク層、または非強化のポリオレフィン、ポ
リオレフィン系共重合体、ポリアミド、ポリアミド系ポ
リマーブレンド、ポリアセタールおよびポリアセタール
系ポリマーブレンドからなる群から選択された1種が主
成分である消弧用絶縁材料組成物からなる被アーク層
が、ガラス繊維、無機鉱物またはセラミック繊維からな
る群から選択された1種以上の充填材を20〜65%含
有し、マトリクス樹脂が熱可塑性樹脂または熱硬化性樹
脂が主成分である消弧用絶縁材料組成物からなる層に積
層されてなる消弧用絶縁材料成形体である。
【0159】消弧用絶縁材料成形体(II)は、前記消弧
用絶縁材料成形体(I)のうち、ベース層を構成するマ
トリクス樹脂が熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂が主成
分である消弧用絶縁材料組成物からなる層になった点が
消弧用絶縁材料成形体(I)とは異なっている。したが
って、消弧用絶縁材料成形体(II)は、消弧用絶縁材料
成形体(I)にくらべてさらに耐アーク消耗性、耐圧強
度が向上するという特徴を有している。
【0160】熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂は耐アー
ク消耗性、耐圧強度の向上のために用いられるものであ
る。該樹脂の具体例としては、ナイロン6T、ナイロン
MXD、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテ
レフタレート、変性ポリフェニレンオキサイド、ポリフ
ェニレンサルファイド、ポリサルフォン、ポリエーテル
サルフォン、ポリエーテルケトンなどがあげられる。こ
れらは1種または2種以上用いることができる。これら
の中でもナイロン6T、ナイロンMXD、ポリエチレン
テレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートが成
形性、経済性の点から好ましい。
【0161】前記消弧用絶縁材料成形体(II)を構成す
る充填材を含有する被アーク層A、充填材を含有しない
被アーク層B、ベース層の素材や形状・構造および該絶
縁材料成形体(II)の形状や製法などの内容について
は、前記消弧用絶縁材料成形体(I)についての記載と
同じであるから、ここでは省略する。
【0162】本発明の消弧用絶縁材料成形体(I)また
は(II)には、さらに前記遊離炭素抑制剤を含有させる
ことが、遊離炭素の発生を抑制し、消弧性能の向上を図
る点から好ましい。
【0163】遊離炭素抑制剤の具体例、好ましい具体例
などは、前記消弧用絶縁材料組成物(I)についての記
載と同じであるから、ここでは省略する。
【0164】また、遊離炭素抑制剤は前記被アーク層に
含有させることが遊離炭素がアークに触れて発生するこ
とから、必要である。この場合、遊離炭素抑制剤として
は水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、四酸化ア
ンチモンまたは五酸化アンチモンなどがあるが、これら
のなかでも水酸化マグネシウムが添加の容易性の点から
好ましい。
【0165】前記遊離炭素抑制剤の前記被アーク層A中
の含有量および前記被アーク層B中の含有量は、それぞ
れ20%以下であることが好ましい。含有量が20%を
こえる場合には、とくにナイロンと水酸化マグネシウム
との組み合わせにおいて耐圧強度が低下する傾向があ
る。
【0166】以下に前記本発明の消弧用絶縁材料成形体
(I)および(II)のなかでも総合的に好ましいものを
あげる。被アーク層が、周期表1A族の金属の化合物の
合計含有量が1%以下であるホウ酸アルミニウムウィス
カまたはケイ酸アルミニウム繊維5〜10%を含有する
ナイロン46またはナイロン66を主成分とするマトリ
クス樹脂からなり、ベース層が、ホウ酸アルミニウムウ
ィスカまたはケイ酸アルミニウム繊維35〜50%を含
有するナイロン46またはナイロン66を主成分とする
マトリクス樹脂からなるものが、耐熱性、消弧性能、耐
アーク消耗性、耐圧強度の点から好ましい。
【0167】また被アーク層が、周期表1A族の金属の
化合物の合計含有量が1%以下であるホウ酸アルミニウ
ムウィスカまたはケイ酸アルミニウム繊維5〜10%を
含有するナイロン46またはナイロン66を主成分とす
るマトリクス樹脂からなり、ベース層が、周期表1A族
の金属の化合物の合計含有量が1%以下であるEガラス
からなるガラス繊維35〜50%を含有するナイロン4
6またはナイロン66を主成分とするマトリクス樹脂か
らなるものが、耐熱性、消弧性能、耐アーク消耗性、耐
圧強度の点から好ましい。
【0168】また被アーク層が、周期表1A族の金属の
化合物の合計含有量が1%以下であるホウ酸アルミニウ
ムウィスカまたはケイ酸アルミニウム繊維5〜10%を
含有するナイロン46またはナイロン66を主成分とす
るマトリクス樹脂からなり、ベース層が、周期表1A族
の金属の化合物の合計含有量が1%以下であるEガラス
からなるガラス繊維35〜50%を含有するナイロンM
XD、ナイロン6T、ポリエチレンテレフタレートまた
はポリブチレンテレフタレートを主成分とするマトリク
ス樹脂からなるものが、消弧性能、耐アーク消耗性、耐
圧強度の点から好ましい。
【0169】また、被アーク層が、非強化のナイロン4
6またはナイロン66を主成分とするマトリクス樹脂か
らなり、ベース層が、ホウ酸アルミニウムウィスカまた
はケイ酸アルミニウム繊維35〜50%を含有するナイ
ロン46またはナイロン66を主成分とするマトリクス
樹脂からなるものが、耐熱性、消弧性能、耐アーク消耗
性、耐圧強度の点から好ましい。
【0170】前記、総合的に好ましい消弧用絶縁材料成
形体(I)または(II)のそれぞれの被アーク層中に、
さらに水酸化マグネシウム5〜20%を含有させた消弧
用絶縁材料成形体が、さらに遊離炭素の発生抑制効果に
すぐれ、絶縁不良を抑制する点から好ましい。
【0171】つぎに、本発明の消弧装置について説明す
る。
【0172】本発明の消弧装置は、前記消弧用絶縁材料
組成物(I)〜(III)および(または)前記消弧用絶
縁材料成形体のいずれかを用いたことを特徴とする消弧
装置である。
【0173】本発明の消弧装置には、たとえばアークを
発生する接点部の接触面以外を被覆する絶縁物(1)を
有する消弧装置において、前記絶縁物(1)が請求項1
〜18のいずれかに記載の消弧用絶縁材料組成物である
ことを特徴とする消弧装置(I)、開閉時の接点の軌跡
を含む平面の両側または接点部の周囲に配置された絶縁
物(2)を有する消弧装置において、前記絶縁物(2)
が請求項1〜27のいずれかに記載の消弧用絶縁材料組
成物または消弧用絶縁材料成形体であることを特徴とす
る消弧装置(II)およびアークを発生する接点部の接触
面以外を被覆する絶縁物(1)および開閉時の接点の軌
跡を含む平面の両側または接点部の周囲に配置された絶
縁物(2)を有する消弧装置において、前記絶縁物
(1)が請求項1〜18のいずれかに記載の消弧用絶縁
材料組成物からなり、前記絶縁部(2)が請求項1〜2
7のいずれかに記載の消弧用絶縁材料組成物または消弧
用絶縁材料成形体からなることを特徴とする消弧装置
(III)などがある。
【0174】前記消弧装置のなかでも、消弧装置(II)ま
たは(III)において開閉時の接点の軌跡を含む平面の両
側または接点部の周囲に配置された絶縁物(2)が、開
閉時の接点の軌跡を含む平面の両側および該両側のアー
クの曲がる方向の一端どうしを連結するようにU字型に
配置されたもの(たとえば図3、図4および図6〜1
0)であることが、本発明の効果を好適に達成する観点
から好ましい。
【0175】以下に、本発明の消弧装置および本発明の
消弧用絶縁材料組成物、消弧用絶縁材料成形体の使用態
様について、図面とともに詳細に説明する。
【0176】図1は本発明の消弧用絶縁材料組成物を使
用した一例としての、および本発明の消弧装置(III)
の閉成状態を示す側面説明図、図2は前記消弧装置(II
I)の開成状態を示す側面説明図、図3は前記消弧装置
(III)の閉成状態を示す平面説明図である。
【0177】図1、図2および図3において、可動中心
7を支点として開閉する可動接触子3の開動側に可動接
点4が設けられ、固定接触子6の一端の可動接点4と対
応する位置に固定接点5が設けられ、可動接点4および
固定接点5の周囲を被覆するように厚さT1の絶縁物
(1)1と可動接点4および固定接点5を囲む厚さT
2、幅Wの絶縁物(2)2が設けられている。
【0178】可動接触子3の寸法は、たとえば3mm幅
×5mm厚×25mm長であり、可動接点4の寸法は、
たとえば3mm平方×2mm厚であり、絶縁物(1)の
寸法は、たとえばT1が0.8〜1.0mmで、接点を
含む面が5mm平方(3mm平方の接点が含まれる)
で、前記5mm平方と垂直方向の長さが5.8〜6.0
mmであり、固定接触子6の寸法は、たとえば3mm幅
×5mm厚×25mm長であり、固定接点の寸法は、3
mm平方×2mm厚である。
【0179】絶縁物(2)の寸法は、T2が0.8〜
1.2mm、Wが8〜12mm、高さが10〜15m
m、好ましくはT2が0.8〜1.0mm、Wが8〜1
0mmであり、2層になっている場合には、T2が1.
5〜2.0mm、被アーク層の厚さが0.5〜1.0m
m、Wが8〜15mm、高さが10〜15mmである。
【0180】固定接点の先端部と絶縁物(2)との間隔
N1は、2〜8mm、好ましくは3〜5mmである。固
定接点の側面部と絶縁物(2)との間隔N2は2〜5m
m、好ましくは3〜4mmである。
【0181】図4に本発明の消弧装置(III)のうち絶縁
物(2)が2層になっているばあいの閉成状態を示す平
面説明図を示す。
【0182】図15に従来の消弧装置の閉成状態を示す
平面説明図を示す。
【0183】図3、図4、図15からもわかるように、
本発明の消弧装置においては、固定接点の先端部と絶縁
物(2)との間隔N1および固定接点の側面部と絶縁物
(2)との間隔N2は、従来の消弧装置よりも接近させ
ることができることがわかる。
【0184】前記のように、消弧装置の小型化が可能に
なったのは、絶縁物(1)および(2)に用いられる消
弧用絶縁材料組成物または消弧用絶縁材料成形体の性能
が大巾に向上したためである。
【0185】消弧装置(III)においては、前記絶縁物
(1)が請求項1〜18のいずれかに記載の消弧用絶縁
材料組成物であり、それらの内容はすでに記載したもの
と同じであるからここでは省略する。前記消弧用絶縁材
料組成物のなかでも請求項8または9に係るもの、たと
えばポリアミドがナイロン6Tからなり、周期表1A族
の金属の化合物の合計含有量が1%以下であるガラス繊
維、周期表1A族の金属の化合物の合計含有量が1%以
下である無機鉱物および周期表1A族の金属の化合物の
合計含有量が1%以下であるセラミック繊維からなる群
から選択された1種以上の充填材の含有量が10〜55
%好ましくは40〜55%である請求項1、2、3また
は6記載の消弧用絶縁材料組成物が耐熱性、耐アーク消
耗性、耐圧強度、消弧性能の点から好ましい。
【0186】また前記絶縁部(2)が請求項1〜27の
いずれかに記載の消弧用絶縁材料組成物または消弧用絶
縁材料成形体であり、それらの内容はすでに記載したも
のと同じであるからここでは省略する。前記消弧用絶縁
材料組成物のなかでも請求項10または11に係るも
の、たとえばポリアミドがナイロン46またはナイロン
66からなり、周期表1A族の金属の化合物の合計含有
量が1%以下であるガラス繊維、周期表1A族の金属の
化合物の合計含有量が1%以下である無機鉱物および周
期表1A族の金属の化合物の合計含有量が1%以下であ
るセラミック繊維からなる群から選択された1種以上の
充填材の含有量が10〜55%、好ましくは30〜40
%である請求項1、2、3または6記載の消弧用絶縁材
料組成物が消弧性能、耐圧強度、耐熱性、耐アーク消耗
性の点から好ましい。
【0187】また、請求項22〜24の消弧用絶縁材料
成形体、たとえば周期表1A族の金属の化合物の合計含
有量が1%以下であるガラス繊維、周期表1A族の金属
の化合物の合計含有量が1%以下である炭酸カルシウ
ム、珪灰石または含水珪酸マグネシウムおよび周期表1
A族の金属の化合物の合計含有量が1%以下であるケイ
酸アルミニウム繊維、ホウ酸アルミニウムウィスカまた
はアルミナウイスカからなる群から選択された1種以上
の充填材を20%以下含有し、マトリクス樹脂がナイロ
ン46またはナイロン66などのポリアミドが主成分で
ある消弧用絶縁材料組成物からなる被アーク層、または
非強化のナイロン46またはナイロン66などのポリア
ミドが主成分である消弧用絶縁材料組成物からなる被ア
ーク層が、周期表1A族の金属の化合物の合計含有量が
1%以下であるガラス繊維、炭酸カルシウム、珪灰石ま
たは含水珪酸マグネシウムまたはケイ酸アルミニウム繊
維、ホウ酸アルミニウムウィスカまたはアルミナウイス
カからなる群から選択された1種以上の充填材を20〜
65%含有し、マトリクス樹脂がポリオレフィン、ポリ
オレフィン系共重合体、ナイロン46またはナイロン6
6などのポリアミド、ポリアミド系ポリマーブレンド、
ポリアセタール、ポリアセタール系ポリマーブレンドお
よびナイロン6T、ナイロンMXD6、ポリエチレンテ
レフタレートまたはポリブチレンテレフタレートなどの
熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂からなる群から選択さ
れた1種が主成分である消弧用絶縁材料組成物からなる
層に積層されてなる消弧用絶縁材料成形体が消弧性能、
耐圧強度、耐アーク消耗性の点から好ましい。
【0188】消弧装置のその他の態様としては、図11
に示すように絶縁物(1)のみの消弧装置(I)の場合
や図12、13に示すように絶縁物(2)のみの消弧装
置(II)の場合がある。
【0189】以下に具体的な実施例にもとづいて、さら
に詳しく本発明について説明する。なお、実施例中にお
いては、下記に示す遮断試験、短絡試験および耐久試験
を行なった。 (遮断試験)前記構成の消弧装置を含む回路遮断器に閉
成状態で定格電流の6倍の電流(たとえば100A用回
路遮断器の場合は600A)を通電し、可動接点4と固
定接点5とを接点開離距離L(可動接点4と固定接点5
との距離)15〜25mmで開離させ、アーク電流を発
生させ、アーク電流の遮断を規定回数成功させることを
もって合格とする試験。 (短絡試験)閉成状態において、10〜100kAの過
剰電流を通電して可動接触子を開離させ、アーク電流を
発生させ、このアーク電流の遮断の成功と破損がないこ
とをもって合格とする試験。 (耐久試験)閉成状態において、通常電流(たとえば1
00A用回路遮断器のばあいは100A)を通電し、こ
の状態から可動接触子を機械的に開離させて、アーク電
流を発生させ、アーク電流の遮断を規定回数成功し、消
弧用絶縁材料の耐アーク消耗性(具体的には穴があかな
いこと)をもって合格とする試験。 実施例1〜10 表1記載の消弧用絶縁材料組成物を絶縁物(1)および
絶縁物(2)に用いて前記図1〜図3で示した消弧装置
を作製した。そして前記遮断試験、短絡試験および耐久
試験を行なった。なお、絶縁物(1)および絶縁物
(2)の厚さT1、T2はいずれも1mm、絶縁物2の
幅Wは10mm、可動および固定接点の接触部は3×3
mmとした。
【0190】なお、絶縁材料組成物中の充填材の含有量
は、絶縁物(1)は40%、絶縁物(2)は30%とし
た。
【0191】試験条件としては、遮断試験が3相720
V/600A、短絡試験が3相460V/50kA、耐
久試験が3相550V/100Aとした。
【0192】なお、表中のマトリクス樹脂および充填材
の詳細を以下に記載する。 PA6T:ナイロン6T、三井石油化学工業(株)製ア
ーレン PA66:ナイロン66、三菱化成(株)製ノバミッド PA46:ナイロン46、ユニチカ(株)製ユニチカナ
イロン46 PBT:ポリブチレンテレフタレート、三菱化成(株)
ノバドゥール メラミン:メラミン樹脂、富士化成(株)製U−CON GF−A:Eガラス(酸化ナトリウム、酸化カリウムな
どの周期表1A族の金属の化合物の合計量が0.6%)
からなるガラス繊維。直径10μm、平均長3mm、日
本板硝子(株)製マイクログラス CaCO3:粒径(平均)1.8μm、日本タルク
(株)製 3MgO・4SiO2・H2O:左記組成式のものを主成
分とするタルク、粒径(平均)5μm、日本タルク
(株)製 3MgO・2SiO2・2H2O:左記組成式のものを主
成分とするクリソタイル、粒径(平均)3.5μm、日
本タルク(株)製 5MgO・3SiO2・3H2O:左記組成式のものを主
成分とするアストン、平均径1μm、平均長10μm、
日本タルク(株)製 珪灰石:CaO・SiO2、純度97.4%、アスペク
ト比20、平均径5μm、キンセイマテック(株)製 ケイ酸アルミ:ケイ酸アルミニウム繊維、平均径5μ
m、平均長50μm ホウ酸アルミ:ホウ酸アルミニウムウィスカ、平均径1
μm、平均長20μm アルミナ:アルミナウィスカ、平均径1μm、平均長1
0μm 無機材料:リン酸アルミニウム20%、アルミナ25
%、ジルコニア30%、水酸化アルミニウム10%およ
び珪灰石15% なお、前記充填材は、すべて周期表1A族の金属の化合
物の合計含有量が1%以下であった。
【0193】
【表1】 表1から明らかなように、比較例1(絶縁物(1)、
(2)ともに、有機のマトリクス樹脂を用いずに無機材
料のみ使用)および2では消弧性能が不充分、比較例3
では耐圧強度が不充分であるのに対して、実施例1〜1
0では、遮断試験で30回の成功回数をクリアし、短絡
試験での遮断および破損にも問題なく、耐久試験も60
00回をクリアし、合格であった。 実施例11〜16 表2に記載の消弧用絶縁材料組成物を用いて消弧装置を
作製した。なお絶縁物(2)の幅Wを10mmから12
mmとした以外は、実施例1〜10で用いた消弧装置と
同様の装置である。
【0194】なお、絶縁材料組成物中の充填材の含有量
は、絶縁物(1)は50%、絶縁物(2)は40%とし
た。
【0195】試験条件は、実施例1〜10と同条件とし
た。
【0196】なお、表中のマトリクス樹脂および充填材
の詳細を以下に記載する。 PP:ポリプロピレン、三菱油化(株)製三菱ポリプロ EVOH:エチレン−ビニルアルコール共重合体(3
0:70)、日本合成化学工業(株)製ソアライト ポリメチルペンテン:三井石油化学工業(株)製TPX
【0197】
【表2】 表2からわかるように、実施例11〜16では、遮断試
験で30回の成功回数をクリアし、短絡試験での遮断お
よび破損にも問題なく、耐久試験も6000回をクリア
し、合格であった。また表2に示した以外に絶縁物
(2)の無機鉱物において3MgO・4SiO2・H2
または3MgO・2SiO2・2H2Oなる含水珪酸マグ
ネシウム、またはセラミック繊維においてケイ酸アルミ
ニウム繊維またはアルミナウィスカを用いた場合も同様
の結果が得られた。また本実施例で用いたガラス繊維、
無機鉱物またはセラミック繊維の含有率を絶縁物(2)
30%としたばあいも、同様の結果が得られた。 実施例17〜24 表3に記載の消弧用絶縁材料組成物を用いて実施例1〜
10と同様の消弧装置を作製した。
【0198】なお、絶縁材料組成物中の充填材の含有量
は、絶縁物(1)は50%、絶縁物(2)は30%とし
た。
【0199】試験条件は、実施例1〜10と同条件とし
た。
【0200】
【表3】 表3からわかるように、実施例17〜24では、遮断試
験で30回の成功回数をクリアし、短絡試験での遮断お
よび破損にも問題なく、耐久試験も6000回をクリア
し、合格であった。また表3に示した以外に絶縁物
(2)の無機鉱物において3MgO・4SiO2・H2
または3MgO・2SiO2・2H2Oなる含水珪酸マグ
ネシウム、またはセラミック繊維においてケイ酸アルミ
ニウム繊維またはアルミナウィスカを用いた場合も同様
の結果が得られた。また本実施例で用いたガラス繊維、
無機鉱物またはセラミック繊維の含有率が絶縁物(1)
55%、50%、45%、40%、30%、絶縁物
(2)55%、40%、35%、30%、20%、10
%などの10%ないし55%の場合も、同様の結果が得
られた。 実施例25〜35 表4に記載の消弧用絶縁材料組成物を用いて実施例1〜
10と同様の消弧装置を作製した。
【0201】なお、絶縁材料組成物中の充填材の含有量
は、絶縁物(1)は50%、絶縁物(2)は30%とし
た。
【0202】試験条件は、実施例1〜10と同条件とし
た。
【0203】なお、表中のマトリクス樹脂および充填材
の詳細を以下に記載する。 PA66/PP:ナイロン66 90部、PP 10部
のブレンド物、なおナイロン66およびPPは前記実施
例で使用したものと同じである(以下も同様)。 PA66/TPE:ナイロン66 90部、熱可塑性エ
ラストマー(オレフィン系エラストマー、三井石油化学
工業(株)製グドマー)10部のブレンド物 PA66/EPR:ナイロン66 90部、エチレン−
プロピレンゴム10部のブレンド物 なお、表中の実施例29〜35において充填材が2種類
使用されており、その混合比率は重量比で1:1であっ
た。
【0204】
【表4】 表4からわかるように、実施例25〜35では、遮断試
験で30回の成功回数をクリアし、短絡試験での遮断お
よび破損にも問題なく、耐久試験も6000回をクリア
し、合格であった。また表4に示した以外に実施例25
〜28において絶縁物(1)および(または)(2)の
ガラス繊維の代わりに、無機鉱物(3MgO・4SiO
2・H2O、3MgO・2SiO2・2H2Oまたは5Mg
O・3SiO2・3H2Oなる含水珪酸マグネシウムまた
はCaO・SiO2なる珪灰石)またはセラミック繊維
(ケイ酸アルミニウム繊維、ホウ酸アルミニウムウィス
カおよびアルミナウィスカ)を用いた場合も同様の結果
が得られた。また本実施例25〜28および前記の実施
例25〜28に類似の実施例で用いたガラス繊維、無機
鉱物またはセラミック繊維の含有率が絶縁物(1)55
%、50%、45%、40%、30%、絶縁物(2)4
0%、35%、30%、20%、10%などの10%な
いし55%の場合も、同様の結果が得られた。また実施
例29〜35においてナイロン46の代わりにナイロン
66、ナイロン46およびナイロン66のポリマーブレ
ンド、ポリメチルペンテンを用いた場合、または絶縁物
(2)の無機鉱物において3MgO・4SiO2・H2
または3MgO・2SiO2・2H2Oなる含水珪酸マグ
ネシウム、またはセラミック繊維においてケイ酸アルミ
ニウム繊維またはアルミナウィスカを用いた場合、また
は前記の実施例29〜35およびそれらに類似の実施例
で用いたガラス繊維、無機鉱物またはセラミック繊維の
含有率が絶縁物(1)55%、50%、45%、40
%、絶縁物(2)40%、35%、30%、10%など
の10%ないし55%の場合も同様の結果が得られた。 実施例36〜38 表5に記載の消弧用絶縁材料組成物を用いて消弧装置を
作製した。なお絶縁物(2)の幅Wを15mmとした以
外は、実施例1〜10で用いた消弧装置と同様の装置で
ある。
【0205】なお、絶縁材料中の充填材の含有量は、絶
縁物(1)は50%、絶縁物(2)は40%とした。
【0206】試験条件は、実施例1〜10と同条件とし
た。
【0207】なお、表中のマトリクス樹脂および充填材
の詳細を以下に記載する。 POM/PA6:ポリアセタール(ポリプラスチックス
(株)製ジュラコン)30部、ナイロン6の70部のブ
レンド物
【0208】
【表5】 表5からわかるように、実施例36〜38では、遮断試
験で30回の成功回数をクリアした。実施例37および
38では、短絡試験での遮断および破損にも問題なく、
耐久試験も6000回をクリアし、合格であった。 実施例39〜43 表6記載の消弧用絶縁材料組成物を絶縁物(2)の被ア
ーク層およびベース層に用いて前記図12、図13で示
した絶縁物(2)のみを有する消弧装置を作製した。そ
して前記遮断試験、短絡試験および耐久試験を行なっ
た。なお、絶縁物(2)の厚さT2を2mmとし、うち
被アーク層が1mmの2層構成とし、絶縁物2の幅Wは
12mmとし、可動および固定接点の接触部分は4mm
×4mmとした。本装置は絶縁物(1)がない場合であ
る。
【0209】なお、絶縁材料中の充填材の含有量は、表
中に記載した。
【0210】試験状態としては、遮断試験が3相720
V/1500A、短絡試験が3相460V/50kA、
耐久試験が3相550V/225Aとした。
【0211】
【表6】 表6からわかるように、実施例39〜43では、遮断試
験で20回の成功回数をクリアし、短絡試験での遮断お
よび破損にも問題なく、耐久試験も4000回をクリア
し、合格であった。また表6に示した以外に、被アーク
層、ベース層のナイロン66の代わりにナイロン46を
用いた場合も、同様の結果が得られた。 実施例44〜47 表7に記載の消弧用絶縁材料組成物を用いて実施例39
〜43と同様の装置を作製した。絶縁材料中の充填材の
含有量は、表中に記載した。試験条件は、実施例39〜
43と同条件とした。
【0212】なお、表中のマトリクス樹脂および充填材
の詳細を以下に記載する。 PA・MXD6:ナイロンMXD6、三菱ガス化学
(株)製レニー PET:ポリエチレンテレフタレート、三菱化成(株)
製ノバペット T−GF−A:Tガラス(酸化ナトリウムと酸化カリウ
ムなどの周期表1A族の金属の化合物の合計量が0%)
からなるガラス繊維、直径10μm、長さ3mm、日東
紡績(株)製
【0213】
【表7】 表7からわかるように、実施例44〜47では、遮断試
験で20回の成功回数をクリアし、短絡試験での遮断お
よび破損にも問題なく、耐久試験も4000回をクリア
し、合格であった。また被アーク層のナイロン66の代
わりにナイロン46を用いた場合も、同様の結果が得ら
れた。 実施例48〜52 表8に記載の消弧用絶縁材料組成物を用いて消弧装置を
作製した。なお実施例1〜10で用いた消弧装置と同様
の装置である。
【0214】なお、絶縁材料組成物中の充填材の含有量
は、絶縁物(1)は50%、絶縁物(2)は表中に記載
した。
【0215】試験条件は、短絡試験を3相460V/5
0kAで2回繰り返し、その後、回路遮断器の負荷側相
間絶縁抵抗を測定した。
【0216】なお、表中の充填材の詳細を以下に記載す
る。 Mg(OH)2:粒径0.7μm、協和化学(株)製キ
スマ5 Al(OH)3:住友化学工業(株)製 Sb25:日産化学(株)製 GF−C:直径10μm、Cガラスの粉末、日本板硝子
(株)製マイクロガラス
【0217】
【表8】 なお実施例48〜52について、遮断試験、耐久試験、
短絡試験を行なったところ、遮断試験では30回の成功
回数をクリアし、耐久試験も6000回をクリアし合格
であり、短絡試験での遮断および破損にも問題はなかっ
た。 実施例53〜57および比較例5〜6 表9記載の消弧用絶縁材料組成物を用いて図11で示し
た絶縁物(1)のみを有する消弧装置を作製した。
【0218】可動および固定接点の寸法は、接触部3×
3mm(×2mm厚)、可動および固定接触子の寸法は
3mm幅×5mm厚×25mm長、絶縁物(1)の寸法
は、T1=1mmで、接点を含む面が5mm平方で、該
面と垂直方向の長さが6mmである。
【0219】なお、絶縁材料中の充填材の含有量は、表
中に記載した。試験条件としては、遮断試験が電流/電
圧=3相600A/720V、接点開離距離25mm、
短絡試験が電流/電圧=3相50kA/460V、接点
開離距離25mmとした。
【0220】
【表9】 表9からわかるように、実施例では、遮断試験で30回
の成功回数をクリアし、短絡試験での遮断および破壊に
も問題がなかった。 実施例58〜66および比較例7 表10記載の消弧用絶縁材料組成物を用いて図12、図
13で示した絶縁物(2)のみを有する消弧装置を作製
した。
【0221】可動および固定接点の接触部3×3×1m
m厚、可動および固定接触子3mm×5mm×25m
m、T2=1mm、W=12mm。
【0222】なお、絶縁材料中の充填材の含有量は、表
中に記載した。試験条件としては、(遮断=3相720
V/600A、接点開離25mm)、短絡=3相460
V、50kA、接点開離25mm、(耐久=3相550
V/100A、接点開離25mm)とした。
【0223】
【表10】 短絡試験後に、直流抵抗計を用いて負荷側端子間の絶縁
抵抗値を測定する。
【0224】なお、以下の実施例における試験条件は下
記に示す条件で行った。
【0225】消弧装置を含む開閉器に閉成状態で定格電
流の6倍の電流(1相420V/600Aまたは1相4
20V/1500A)を通電し、可動接点4と固定接点
5とを接点開離距離L(可動接点4と固定接点5との距
離)15mmまたは25mmで開離させ、アーク電流を
発生させ、アーク電流の遮断を規定回数成功することを
もって合格とする遮断試験、閉成状態において、1相2
65V/25KAの過剰の電流を流して可動接触子を開
離させ、アーク電流を発生させ、このアーク電流の遮断
の成功と破損がないことをもって合格とする短絡試験、
または、閉成状態において、3相550V/100Aま
たは3相550V/225Aの電流を流し、この状態か
ら可動接触子を機械的に開離(L=25mm)させて、
アーク電流を発生させ、アーク電流の遮断を規定回路数
成功し、消弧用絶縁材料の耐消耗性(具体的には穴があ
かないこと)をもって合格する耐久試験。 実施例67〜78および比較例8〜11 表11に本願発明の実施例67〜78と比較例8〜11
とに使用した絶縁物と試験結果を示す。表11におい
て、絶縁物(1)および絶縁物(2)の厚さT1、T2
を1mm、絶縁物(2)の幅Wを10mmとし、実施例
では絶縁物(2)をナイロン46またはナイロン66に
Eガラスからなるガラス繊維(以下GFという)を30
%含有させたものとし、絶縁物(1)をナイロン6Tに
GF、プラスチック補強用無機充填材である無機鉱物
(CaCO3、タルク、アストン、セピオライト、ウオ
ラストナイト)またはセラミック繊維(ケイ酸アルミニ
ウム、ホウ酸アルミニウムおよびアルミナ)を30%含
有させたものとした。
【0226】比較例では、絶縁物(1)または絶縁物
(2)を変性メラミン樹脂、PBTあるいは液晶ポリエ
ステルにそれぞれのGFを30%含有させたものとし
た。 (試験条件)遮断:1相420V/600A、開離距離
L=15mm、耐久:3相550V/100A、開離距
離L=15mm、短絡:1相265V/25kA、開離
距離L=25mm。
【0227】
【表11】 表11から明らかなように、比較例8〜11の変性メラ
ミン樹脂、液晶ポリエステルにそれぞれのGFを含有さ
せたものは変性による遮断失敗、遮断試験における遮断
回数および耐久試験回数の低下があったのに対して、実
施例67〜78のナイロン6Tに上記充填材を含有させ
たものおよびナイロン46またはナイロン66にGFを
含有させたものには破壊がなく、また、遮断試験で遮断
成功回数30回をクリアし、耐久試験も6000回をク
リアし、合格であった。
【0228】高融点のナイロン6T、ナイロン46およ
びナイロン66に上記充填材を含有させることによっ
て、熱変形温度が上昇するとともに機械的強度が向上す
る。ナイロン6Tは300℃をこえる融点を有し、この
ナイロン6Tに充填材として、GF、プラスチック補強
用無機充填材である無機鉱物(CaCO3、タルク、ア
ストン、セピオライト、ウオラストナイト)またはセラ
ミック繊維(ケイ酸アルミニウム、ホウ酸アルミニウム
またはアルミナ)の1種類を10%以上含有させると、
熱変形温度が上昇した。ナイロン6Tに上記充填材を1
0%以上含有させたものは、絶縁物(1)に使用する
と、上記熱変形温度の上昇に加えて熱分解ガスの消弧作
用が効果的に働いて良好な結果をもたらすものであり、
また、絶縁物(1)よりも熱的条件が緩い絶縁物(2)
にも使用できるものである。
【0229】また、ナイロン6T、ナイロン46および
ナイロン66は、芳香環が少ないか、または無いので、
炭化および遊離炭素の飛散が少なく、絶縁不良が軽減さ
れる。
【0230】なお、上記充填材の含有量は55%をこえ
ると消弧性能が低下する傾向があり、使用しにくくな
る。 実施例79〜94 表12に本願発明の実施例79〜94に使用した絶縁物
と試験結果を示す。表12において、絶縁物(1)およ
び絶縁物(2)の厚さT1、T2を1mm、絶縁物
(2)の幅Wを12mmとし、絶縁物(1)はナイロン
6TにGFを30%含有させたもの、また、絶縁物
(2)はナイロン46、ナイロン66またはナイロン6
6とポリプロピレンとのブレンド物(ナイロン66/プ
ロピレン=90/10)にGF、プラスチック補強用無
機充填材である無機鉱物(アストン)、セラミック繊維
(ホウ酸アルミニウム)、GFとホウ酸アルミニウムと
の混合体またはアストンとホウ酸アルミニウムとの混合
体を10〜50%含有させたものを使用した。 (試験条件)遮断:1相420V/600A、開離距離
L=15mm、耐久:3相550V/100A、開離距
離L=15mm、短絡:1相265V/25kA、開離
距離L=25mm。
【0231】
【表12】 表12から明らかなように、実施例では充填材としてG
F、プラスチック補強用無機充填材である無機鉱物(ア
ストン)、セラミック繊維(ホウ酸アルミニウム)また
はそれらの混合体を10〜50%含有させたものは、遮
断試験で遮断成功回数30回をクリアし、耐久試験も6
000回をクリアし、合格であった。
【0232】ウォラストナイトおよびセピオライトは、
アストンと同様、優れた機械的補強効果を有する繊維状
の無機充填材であり、また、ケイ酸アルミニウムおよび
アルミニウムウィスカもホウ酸アルミニウムウィスカと
同様、優れた機械的補強効果を有するセラミック繊維で
あり、アストンの代わりにウォラストナイトまたはセピ
オライトを、またホウ酸アルミニウムウィスカの代わり
にケイ酸アルミニウムまたはアルミニウムウィスカを使
用しても同様の効果がえられた。なお、セピオライトは
平均径0.1μm、平均長2μmの日本タルク(株)製
のものを用いた。
【0233】高融点のナイロン46またはナイロン66
に上記充填材単独または混合体を含有させることによっ
て、熱変形温度が上昇するとともに機械的強度が向上す
る。ナイロン46およびナイロン66は融点がそれぞれ
290℃および260℃と高融点で、上記充填材を10
%以上含有させることによって、それぞれ熱変形温度
(試験方法ASTM−D648による)が285℃(非
強化では220℃)および245℃(非強化では100
℃)に上昇し、特に30%以上で効果が大きくなるの
で、30%以上含有させるのが好ましい。なお、上記充
填材の含有量は55%が限界で、これをこえると加工性
がわるくなり、使用しにくくなる。 実施例95〜96 表13に本願発明の実施例95〜96に使用した絶縁物
と試験結果を示す。表13において、絶縁物(1)およ
び絶縁物(2)の厚さTを1mm、絶縁物(2)の幅W
を12mmとし、絶縁物(1)はナイロン6TにGFを
50%含有させたもの、また、絶縁物(2)はナイロン
6をポリアセタールにポリマーブレンド(ナイロン6/
ポリアセタール=70/30)したもの、さらに、GF
を40%含有させたものとした。 (試験条件) 遮断:1相420V/600A、開離距離L=15m
m、耐久:3相550V/100A、開離距離L=15
mm、短絡:1相265V/25kA、開離距離L=2
5mm。
【0234】
【表13】 表13に示すように、本実施例のものは遮断試験で遮断
回数30回をクリアし、耐久試験も3000回、600
0回をクリアし、合格であった。
【0235】ポリアセタールとナイロン6は非相溶性で
ナイロン6をポリアセタールにポリマーブレンドするこ
とによって、絶縁物(2)は被アーク面をポリアセター
ルで形成することができ、アークの高熱に触れた時、ポ
リアセタールから消弧ガスを発生させることができる。
ポリアセタールから発生した消弧ガスは消弧効果が大き
くこの消弧作用によつて、限流遮断性能が向上する。ま
た、ナイロン6をポリマーブレンドすることによって熱
変形温度が高くなり、小型化した消弧装置においても、
アークによる圧力上昇に耐える機械的強度がえられた。 実施例97〜101 表14に本願発明の実施例97〜101に使用した絶縁
物と試験結果を示す。表14において、絶縁物(1)お
よび絶縁物(2)の厚さTを1mm、絶縁物(2)の幅
Wを12mmとし、絶縁物(1)はナイロン6TにGF
を50%含有させたもの、また、絶縁物(2)はナイロ
ン46にGFを30%含有させたもの、または、ポリア
セタールにナイロン6をポリマーブレンドしたものに、
水酸化マグネシウム、五酸化アンチモンまたは水酸化ア
ルミニウムを添加したものである。
【0236】試験条件は、実施例58〜62と同条件と
した。
【0237】
【表14】 本実施例は、無添加のものと比較して負荷側相間絶縁抵
抗を一桁以上大きくすることができる。
【0238】アークの熱によって、水酸化アルミニウム
はアルミナとH2Oに、水酸化マグネシウムは酸化マグ
ネシウムとH2Oに、四酸化アンチモンは三酸化アンチ
モンとO2またはOに、また、五酸化アンチモンは四酸
化アンチモンとO2またはOに分解したのち、三酸化ア
ンチモンとO2またはOに分解する。この分解によって
えられたH2OまたはO2またはOが、電流遮断時に接点
周辺から発生する金属蒸気および絶縁物から発生する遊
離炭素と反応して、金属酸化物または一酸化炭素、二酸
化炭素を形成し、絶縁不良を抑制するので小型化した消
弧装置に使用しても絶縁不良が発生しなくなる。
【0239】本実施例において、ナイロン46に代え
て、ナイロン66またはナイロン6Tを使用してもよ
い。これらのものは、無添加の場合と比較して負荷側相
間絶縁抵抗を一桁以上大きくすることができる。 実施例102〜108 表15に本願発明の実施例102〜108に使用した絶
縁物と試験結果を示す。表15において絶縁物(2)の
みを用い、この厚さT2を1.5mm、幅Wを10mm
とし、絶縁物(2)は被アーク層(1mm)とこの外側
を覆うベース層(0.5mm)から成る2層構造とし
た。被アーク層には充填材含有率20%以下のナイロン
46またはナイロン66、あるいは非強化のナイロン4
6またはナイロン66とし、この外側のベース層はGF
を含有させて強化したナイロン46、ナイロンMXD
6、PETまたはナイロン6Tとした。 (試験条件) 遮断:1相420V/1500A、開離距離L=25m
m、耐久:3相550V/225A、開離距離L=25
mm、短絡:1相265V/25kA、開離距離L=2
5mm。
【0240】
【表15】 表15に示したように、短絡試験によって、絶縁物
(2)に破壊が生じることなく、遮断試験では遮断成功
回数20回をクリアしまた、耐久試験も穴の発生はなく
合格であった。
【0241】ベース層の材料には、前記ナイロン46、
ナイロンMXD6、PETおよびナイロン6Tのほか、
変性ポリフェニレンオキサイド、ポリカーボネイト、ポ
リフェニレンサルファイド、ポリサルフォン、ポリエー
テルサルフォンまたはポリエーテルケトンをGFで補強
したものを用いても良好な試験結果が得られた。
【0242】前記実施例において使用された充填材は、
いずれもアーク熱にさらされても絶縁抵抗が低下するも
のではないので、絶縁抵抗の高い消弧用絶縁材料が得ら
れた。
【0243】なお、前記実施例102〜108の消弧用
絶縁材料は絶縁物(2)に使用したときに大きな効果を
発揮するものであるが、絶縁物(1)に使用しても効果
が発揮された。
【0244】
【発明の効果】請求項1〜13の発明では、消弧用絶縁
材料組成物が、周期表1A族の金属の化合物の合計含有
量が1%以下であるガラス繊維、周期表1A族の金属の
化合物の合計含有量が1%以下である無機鉱物および周
期表1A族の金属の化合物の合計含有量が1%以下であ
るセラミック繊維からなる群から選択された1種以上の
充填材を含有し、マトリクス樹脂の主成分が、ポリオレ
フィン、ポリオレフィン系共重合体、ポリアミド、ポリ
アミド系ポリマーブレンド、ポリアセタールおよびポリ
アセタール系ポリマーブレンドからなる群から選択され
た1種であるため、消弧性能、耐圧強度および耐アーク
消耗性の向上を図ることができる。さらに、これらマト
リクス樹脂の主成分は熱可塑性樹脂であるため、成形時
に硬化時間が必要な熱硬化性樹脂と比較して、成形時間
の短縮を図ることができる。
【0245】請求項2および3の発明では、無機鉱物と
して炭酸カルシウム、珪灰石または含水珪酸マグネシウ
ムを、セラミック繊維としてケイ酸アルミニウム繊維、
ホウ酸アルミニウムウィスカまたはアルミナウィスカを
用いるため、消弧性能の向上を図ることができる。
【0246】請求項4の発明では、ポリオレフィンが、
比重が小さいポリプロピレンまたはポリメチルペンテン
であるため、絶縁材料の軽量化を図ることができる。と
くにポリメチルペンテンは、融点240℃の結晶性樹脂
のために高耐熱性の絶縁材料組成物が得られる。
【0247】請求項5の発明では、ポリオレフィン系共
重合体が、高強度樹脂であるエチレン−ビニルアルコー
ル共重合体であるため、絶縁材料組成物の一層の耐圧強
度の向上を図ることができる。
【0248】請求項6の発明では、ポリアミド系ポリマ
ーブレンドが、ポリアミドとポリオレフィンとの組み合
わせ、ポリアミドと熱可塑性エラストマーとの組み合わ
せまたはポリアミドとゴムとの組み合わせであるため、
耐衝撃性が向上することから絶縁材料組成物の一層の耐
圧強度の向上を図ることができる。
【0249】請求項7の発明では、ポリアミドが、高融
点の結晶性ポリアミドのナイロン6T、ナイロン46ま
たはナイロン66であるため、高い熱変形温度がえら
れ、一層の耐熱性の向上を図ることができる。
【0250】請求項8、9の発明では、ポリアミドが、
高融点の結晶性ポリアミドであるナイロン6Tであるた
め、高い熱変形温度がえられ、一層の耐熱性の向上を図
ることができると同時に、周期表1A族の金属の化合物
の合計含有量が1%以下であるガラス繊維、周期表1A
族の金属の化合物の合計含有量が1%以下である無機鉱
物および周期表1A族の金属の化合物の合計含有量が1
%以下であるセラミック繊維からなる群から選択された
1種以上の充填材の含有量が10〜55%、さらには4
0〜55%であることから、一層の耐アーク消耗性と耐
圧強度の向上が図られる。
【0251】請求項10、11の発明では、ポリアミド
が、高融点の結晶性ポリアミドであるナイロン46また
はナイロン66であるため、高い熱変形温度が得られ、
一層の耐熱性の向上を図ることができると同時に、周期
表1A族の金属の化合物の合計含有量が1%以下である
ガラス繊維、周期表1A族の金属の化合物の合計含有量
が1%以下である無機鉱物および周期表1A族の金属の
化合物の合計含有量が1%以下であるセラミック繊維か
らなる群から選択された1種以上の充填材の含有量が1
0〜55%、さらには30〜40%であることから、耐
アーク消耗性と耐圧強度の向上を図ることができる。さ
らに、ナイロン46及びナイロン66は、その化学構造
式中に芳香環を有していないことから、アークによる表
面炭化が少なく、一層の消弧性の向上を図ることができ
る。
【0252】請求項12の発明では、ポリアセタールと
は非相溶性でポリアセタール以上の融点を有するプラス
チックと、ポリアセタールとの組み合わせであるポリア
セタール系ポリマーブレンドがマトリクス樹脂の主成分
であるため、たとえば被アーク面をポリアセタールのリ
ッチ層で形成した場合、アークによってポリアセタール
から発生するガスによって消弧性能が向上する。またポ
リマーブレンドの相手の素材によってポリアセタール以
上の耐熱性を有することができる。また周期表1A族の
金属の化合物の合計含有量が1%以下であるガラス繊
維、周期表1A族の金属の化合物の合計含有量が1%以
下である無機鉱物および周期表1A族の金属の化合物の
合計含有量が1%以下であるセラミック繊維からなる群
から選択された1種以上の充填材を含有しているため、
耐圧強度と耐アーク消耗性の向上を図ることができる。
【0253】請求項13の発明では、ポリアセタール系
ポリマーブレンドが、ポリアセタールとナイロン6との
組み合わせであり、前記請求項12の発明での記載事項
とともに、さらにナイロン6はその化学構造式中に芳香
環を有していないことから、アークによる表面炭化が少
なく、一層の消弧性の向上を図ることができる。
【0254】請求項14の発明では、ポリアセタールと
は非相溶性でポリアセタール以上の融点を有する熱可塑
性樹脂と、ポリアセタールとの組み合わせであるポリア
セタール系ポリマーブレンドがマトリクス樹脂の主成分
であるため、たとえば被アーク面をポリアセタールのリ
ッチ層で形成した場合、アークによってポリアセタール
から発生するガスによって消弧性能が向上する。またポ
リマーブレンドの相手の素材によってポリアセタール以
上の耐熱性を有することができる。したがって、前記充
填材を含有しなくても良好な消弧用絶縁材料組成物とし
て用いることができる。
【0255】請求項15の発明では、ポリアセタール系
ポリマーブレンドが、ポリアセタールとナイロン6との
組み合わせであり、前記請求項12の発明での記載事項
とともに、さらにナイロン6はその化学構造式中に芳香
環を有していないことから、アークによる表面炭化が少
なく、一層の消弧性の向上を図ることができる。したが
って、前記充填材を含有しなくても良好な消弧用絶縁材
料組成物として用いることができる。
【0256】請求項16の発明では、請求項1〜15記
載の消弧用絶縁材料組成物が、熱分解によってHO、
、O(原子状酸素)を発生させる物質を含有し、こ
れらの分解によって生ずるガスなどが遊離炭素の発生を
抑制するため、一層の消弧性能の向上を図ることができ
る。
【0257】請求項17の発明では、熱分解によってH
O、O、O(原子状酸素)を発生させる物質が、水
酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、四酸化アンチ
モンまたは五酸化アンチモンであり、これらはより好ま
しく遊離炭素の発生を抑制するため、消弧性能のさらな
る向上を図ることができる。
【0258】請求項18の発明では、HO、O、O
(原子状酸素)を発生させる物質を含有し、これらの分
解によって生ずるガスなどが遊離炭素の発生を抑制する
ため、特定の熱可塑性樹脂と併用されて一層の消弧性能
の向上を図ることができる。
【0259】請求項19〜27の発明では、消弧用絶縁
材料成形体を2層にすることによって、消弧性にすぐれ
た層と、耐圧強度、耐アーク消耗性および耐熱性にすぐ
れた層を有することができる。
【0260】請求項19〜21の発明では、消弧用絶縁
材料成形体の被アーク層が、周期表1A族の金属の化合
物の合計含有量が1%以下であるガラス繊維、周期表1
A族の金属の化合物の合計含有量が1%以下である無機
鉱物および周期表1A族の金属の化合物の合計含有量が
1%以下であるセラミック繊維からなる群から選択され
た1種以上の充填材を20%以下含有し、マトリクス樹
脂がポリオレフィン、ポリオレフィン系共重合体、ポリ
アミド、ポリアミド系ポリマーブレンド、ポリアセター
ルおよびポリアセタール系ポリマーブレンドからなる群
から選択された1種が主成分である、または非強化のポ
リオレフィン、ポリオレフィン系共重合体、ポリアミ
ド、ポリアミド系ポリマーブレンド、ポリアセタールお
よびポリアセタール系ポリマーブレンドからなる群から
選択された1種が主成分であるため、消弧性能の向上を
図ることができる。
【0261】請求項19の発明では、消弧用絶縁材料成
形体が、ガラス繊維、無機鉱物またはセラミック繊維か
らなる群から選択された1種以上の充填材を20〜65
%含有し、マトリクス樹脂がポリオレフィン、ポリオレ
フィン系共重合体、ポリアミド、ポリアミド系ポリマー
ブレンド、ポリアセタールおよびポリアセタール系ポリ
マーブレンドが主成分である層に被アーク層を積層して
なることから、耐圧強度および耐アーク消耗性の向上を
図ることができる。
【0262】請求項20および21の発明では、消弧用
絶縁材料成形体が、ガラス繊維、無機鉱物またはセラミ
ック繊維からなる群から選択された1種以上の充填材を
20〜65%含有したナイロン6T、ナイロンMXD
6、ポリエチレンテレフタレートまたはポリブチレンテ
レフタレートなどの熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂が
主成分である層に被アーク層を積層してなることから、
耐圧強度および耐アーク消耗性の向上を図ることができ
る。とくにナイロン6Tは、ナイロン46およびナイロ
ン66よりも高融点のため、一層の耐熱性の向上を図る
ことができる。
【0263】請求項22の発明では、ポリアミドが化学
構造式中に芳香環を有していないナイロン46またはナ
イロン66であるため、アークによる表面炭化が少な
く、一層の消弧性の向上を図ることができる。
【0264】請求項23〜25の発明では、無機鉱物と
して炭酸カルシウム、珪灰石または含水珪酸マグネシウ
ムを、セラミック繊維としてケイ酸アルミニウム繊維、
ホウ酸アルミニウムウィスカまたはアルミナウィスカ
を、周期表1A族の金属の化合物の合計含有量の規定が
ないガラス繊維として周期表1A族の金属の化合物の合
計含有量が1%以下であるガラス繊維を用いるため、消
弧性能の向上を図ることができる。
【0265】請求項26の発明では、請求項19〜25
記載の消弧用絶縁材料成形体の被アーク層が、熱分解に
よってHO、O、O(原子状酸素)を発生させる物
質を含有し、これらの分解によって生ずるガスなどが遊
離炭素の発生を抑制するため、一層の消弧性能の向上を
図ることができる。
【0266】請求項27の発明では、熱分解によってH
O、O、O(原子状酸素)を発生させる物質が、水
酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、四酸化アンチ
モンまたは五酸化アンチモンであり、これらはより好ま
しく遊離炭素の発生を抑制するため、消弧性能のさらな
る向上を図ることができる。
【0267】請求項28の発明では、請求項1〜27の
いずれかに記載の消弧用絶縁材料組成物または消弧用絶
縁材料成形体を用いることにより消弧装置の小型化と限
流遮断性能の向上を図ることができる。
【0268】請求項29の発明では、アークを発生する
接点部の接触面以外を被覆する絶縁物(1)に請求項1
〜18のいずれかに記載の消弧用絶縁材料組成物を用い
ることにより、消弧装置の小型化と限流遮断性能の向上
を図ることができる。
【0269】請求項30の発明では、開閉時の接点の軌
跡を含む平面の両側または接点部の周囲に配置された絶
縁物(2)に請求項1〜27のいずれかに記載の消弧用
絶縁材料組成物または消弧用絶縁材料成形体を用いるこ
とにより、消弧装置の小型化と限流遮断性能の向上を図
ることができる。
【0270】請求項31の発明では、アークを発生する
接点部の接触面以外を被覆する絶縁物(1)を有する消
弧装置において、請求項1〜18のいずれかに記載の消
弧用絶縁材料組成物を用い、また開閉時の接点の軌跡を
含む平面の両側または接点部の周囲に配置された絶縁物
(2)に請求項1〜27のいずれかに記載の消弧用絶縁
材料組成物または消弧用絶縁材料成形体を用いることに
より消弧装置の小型化と限流遮断性能の向上を図ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の消弧装置(III)の閉成状態を示す側
面説明図である。
【図2】本発明の消弧装置(III)の開成状態を示す側
面説明図である。
【図3】本発明の消弧装置(III)の閉成状態を示す平
面説明図である。
【図4】絶縁物(2)が2層構成である本発明の消弧装
置(III)の閉成状態を示す平面説明図である。
【図5】本発明の消弧材料組成物から成形された絶縁物
(1)を説明する斜視図である。
【図6】本発明の消弧材料組成物から成形された1層か
らなる絶縁物(2)の態様を説明する斜視図である。
【図7】本発明の消弧材料組成物から成形された1層か
らなる絶縁物(2)の別の態様を説明する斜視図であ
る。
【図8】本発明の消弧材料組成物から成形された2層か
らなる絶縁物(2)の態様を説明する斜視図である。
【図9】本発明の消弧材料組成物から成形された2層か
らなる絶縁物(2)の別の態様を説明する斜視図であ
る。
【図10】本発明の消弧材料組成物から成形された2層
からなる絶縁物(2)のさらに別の態様を説明する斜視
図である。
【図11】絶縁物(1)を有する本発明の消弧装置
(I)の開成状態を示す側面説明図である。
【図12】絶縁物(2)を有する本発明の消弧装置(II)
の開成状態を示す斜視図である。
【図13】絶縁物(2)を有する本発明の消弧装置(II)
の開成状態を示す側面説明図である。
【図14】従来の消弧装置のアーク発生状態を説明する
斜視図である。
【図15】従来の消弧装置の閉成状態を示す平面説明図
である。
【符号の説明】
1 絶縁物(1)、2 絶縁物(2)、3 可動接触
子、4 可動接点、5固定接点、6 固定接触子、7
可動接触子の可動中心、8 消弧装置、9 アーク、1
0 被アーク層、11 ベース層。
フロントページの続き (72)発明者 高橋 貢 尼崎市塚口本町八丁目1番1号 三菱電 機株式会社 中央研究所内 (72)発明者 三橋 孝夫 尼崎市塚口本町八丁目1番1号 三菱電 機株式会社 中央研究所内 (72)発明者 加藤 和晴 尼崎市塚口本町八丁目1番1号 三菱電 機株式会社 中央研究所内 (72)発明者 山県 伸示 福山市緑町1番8号 三菱電機株式会社 福山製作所内 (72)発明者 勝部 俊一 福山市緑町1番8号 三菱電機株式会社 福山製作所内 (56)参考文献 特開 昭59−41429(JP,A) 特開 昭53−102358(JP,A) 特開 昭63−16510(JP,A) 特開 昭63−126136(JP,A) 特開 昭63−310534(JP,A) 特開 平2−144811(JP,A) 特開 平2−256110(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01H 73/18

Claims (31)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周期表1A族の金属の化合物の合計含有
    量が1%以下であるガラス繊維、周期表1A族の金属の
    化合物の合計含有量が1%以下である無機鉱物および周
    期表1A族の金属の化合物の合計含有量が1%以下であ
    るセラミック繊維からなる群から選択された1種以上の
    充填材を含有し、マトリクス樹脂の主成分が、ポリオレ
    フィン、ポリオレフィン系共重合体、ポリアミド、ポリ
    アミド系ポリマーブレンド、ポリアセタールおよびポリ
    アセタール系ポリマーブレンドからなる群から選択され
    た1種である消弧用絶縁材料組成物。
  2. 【請求項2】 無機鉱物が、炭酸カルシウム、珪灰石ま
    たは含水珪酸マグネシウムである請求項1記載の消弧用
    絶縁材料組成物。
  3. 【請求項3】 セラミック繊維が、ケイ酸アルミニウム
    繊維、ホウ酸アルミニウムウィスカまたはアルミナウィ
    スカである請求項1記載の消弧用絶縁材料組成物。
  4. 【請求項4】 ポリオレフィンが、ポリプロピレンまた
    はポリメチルペンテンである請求項1、2または3記載
    の消弧用絶縁材料組成物。
  5. 【請求項5】 ポリオレフィン系共重合体が、エチレン
    −ビニルアルコール共重合体である請求項1、2または
    3記載の消弧用絶縁材料組成物。
  6. 【請求項6】 ポリアミド系ポリマーブレンドが、ポリ
    アミドとポリオレフィンとの組み合わせ、ポリアミドと
    熱可塑性エラストマーとの組み合わせまたはポリアミド
    とゴムとの組み合わせである請求項1、2または3記載
    の消弧用絶縁材料組成物。
  7. 【請求項7】 ポリアミドが、ナイロン6T、ナイロン
    46またはナイロン66である請求項1、2、3または
    6記載の消弧用絶縁材料組成物。
  8. 【請求項8】 ポリアミドがナイロン6Tからなり、周
    期表1A族の金属の化合物の合計含有量が1%以下であ
    るガラス繊維、周期表1A族の金属の化合物の合計含有
    量が1%以下である無機鉱物および周期表1A族の金属
    の化合物の合計含有量が1%以下であるセラミック繊維
    からなる群から選択された1種以上の充填材の含有量が
    10〜55%である請求項1、2、3または6記載の消
    弧用絶縁材料組成物。
  9. 【請求項9】 ポリアミドがナイロン6Tからなり、周
    期表1A族の金属の化合物の合計含有量が1%以下であ
    るガラス繊維、周期表1A族の金属の化合物の合計含有
    量が1%以下である無機鉱物および周期表1A族の金属
    の化合物の合計含有量が1%以下であるセラミック繊維
    からなる群から選択された1種以上の充填材の含有量が
    40〜55%である請求項1、2、3または6記載の消
    弧用絶縁材料組成物。
  10. 【請求項10】 ポリアミドがナイロン46またはナイ
    ロン66からなり、周期表1A族の金属の化合物の合計
    含有量が1%以下であるガラス繊維、周期表1A族の金
    属の化合物の合計含有量が1%以下である無機鉱物およ
    び周期表1A族の金属の化合物の合計含有量が1%以下
    であるセラミック繊維からなる群から選択された1種以
    上の充填材の含有量が10〜55%である請求項1、
    2、3または6記載の消弧用絶縁材料組成物。
  11. 【請求項11】 ポリアミドがナイロン46またはナイ
    ロン66からなり、周期表1A族の金属の化合物の合計
    含有量が1%以下であるガラス繊維、周期表1A族の金
    属の化合物の合計含有量が1%以下である無機鉱物およ
    び周期表1A族の金属の化合物の合計含有量が1%以下
    であるセラミック繊維からなる群から選択された1種以
    上の充填材の含有量が30〜40%である請求項1、
    2、3または6記載の消弧用絶縁材料組成物。
  12. 【請求項12】 ポリアセタール系ポリマーブレンド
    が、ポリアセタールとは非相溶性でポリアセタール以上
    の融点を有する熱可塑性樹脂と、ポリアセタールとの組
    み合わせである請求項1、2または3記載の消弧用絶縁
    材料組成物。
  13. 【請求項13】 ポリアセタール系ポリマーブレンド
    が、ポリアセタールとナイロン6との組み合わせである
    請求項12記載の消弧用絶縁材料組成物。
  14. 【請求項14】 ポリアセタールとは非相溶性で、ポリ
    アセタール以上の融点を有する熱可塑性樹脂と、ポリア
    セタールとを組み合わせたポリアセタール系ポリマーブ
    レンドが主成分である消弧用絶縁材料組成物。
  15. 【請求項15】 ポリアセタールとは非相溶性で、ポリ
    アセタール以上の融点を有する熱可塑性樹脂がナイロン
    6である請求項14記載の消弧用絶縁材料組成物。
  16. 【請求項16】 熱分解によってHO、O、O(原
    子状酸素)を発生させる物質がさらに含有されている請
    求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、1
    1、12、13、14または15記載の消弧用絶縁材料
    組成物。
  17. 【請求項17】 熱分解によってHO、O、O(原
    子状酸素)を発生させる物質が、水酸化アルミニウム、
    水酸化マグネシウム、四酸化アンチモンまたは五酸化ア
    ンチモンである請求項16記載の消弧用絶縁材料組成
    物。
  18. 【請求項18】 熱分解によってHO、O、O(原
    子状酸素)を発生させる物質を含有し、マトリクス樹脂
    の主成分がナイロン6T、ナイロン46およびナイロン
    66からなる群から選択された1種である消弧用絶縁材
    料組成物。
  19. 【請求項19】 周期表1A族の金属の化合物の合計含
    有量が1%以下であるガラス繊維、周期表1A族の金属
    の化合物の合計含有量が1%以下である無機鉱物および
    周期表1A族の金属の化合物の合計含有量が1%以下で
    あるセラミック繊維からなる群から選択された1種以上
    の充填材を20%以下含有し、マトリクス樹脂がポリオ
    レフィン、ポリオレフィン系共重合体、ポリアミド、ポ
    リアミド系ポリマーブレンド、ポリアセタールおよびポ
    リアセタール系ポリマーブレンドからなる群から選択さ
    れた1種が主成分である消弧用絶縁材料組成物からなる
    被アーク層、または非強化のポリオレフィン、ポリオレ
    フィン系共重合体、ポリアミド、ポリアミド系ポリマー
    ブレンド、ポリアセタールおよびポリアセタール系ポリ
    マーブレンドからなる群から選択された1種が主成分で
    ある消弧用絶縁材料組成物からなる被アーク層が、ガラ
    ス繊維、無機鉱物またはセラミック繊維からなる群から
    選択された1種以上の充填材を20〜65%含有し、マ
    トリクス樹脂がポリオレフィン、ポリオレフィン系共重
    合体、ポリアミド、ポリアミド系ポリマーブレンド、ポ
    リアセタールおよびポリアセタール系ポリマーブレンド
    からなる群から選択された1種が主成分である消弧用絶
    縁材料組成物からなる層に積層されてなる消弧用絶縁材
    料成形体。
  20. 【請求項20】 周期表1A族の金属の化合物の合計含
    有量が1%以下であるガラス繊維、周期表1A族の金属
    の化合物の合計含有量が1%以下である無機鉱物および
    周期表1A族の金属の化合物の合計含有量が1%以下で
    あるセラミック繊維からなる群から選択された1種以上
    の充填材を20%以下含有し、マトリクス樹脂がポリオ
    レフィン、ポリオレフィン系共重合体、ポリアミド、ポ
    リアミド系ポリマーブレンド、ポリアセタールおよびポ
    リアセタール系ポリマーブレンドからなる群から選択さ
    れた1種が主成分である消弧用絶縁材料組成物からなる
    被アーク層、または非強化のポリオレフィン、ポリオレ
    フィン系共重合体、ポリアミド、ポリアミド系ポリマー
    ブレンド、ポリアセタールおよびポリアセタール系ポリ
    マーブレンドからなる群から選択された1種が主成分で
    ある消弧用絶縁材料組成物からなる被アーク層が、ガラ
    ス繊維、無機鉱物またはセラミック繊維からなる群から
    選択された1種以上の充填材を20〜65%含有し、マ
    トリクス樹脂が熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂が主成
    分である消弧用絶縁材料組成物からなる層に積層されて
    なる消弧用絶縁材料成形体。
  21. 【請求項21】 熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂が、
    ナイロン6T、ナイロンMXD6、ポリエチレンテレフ
    タレートまたはポリブチレンテレフタレートである請求
    項20記載の消弧用絶縁材料成形体。
  22. 【請求項22】 被アーク層および(または)被アーク
    層でない層におけるポリアミドが、ナイロン46または
    ナイロン66である請求項19または20記載の消弧用
    絶縁材料成形体。
  23. 【請求項23】 被アーク層および(または)被アーク
    層でない層における無機鉱物が、炭酸カルシウム、珪灰
    石または含水珪酸マグネシウムである請求項19、2
    0、21または22記載の消弧用絶縁材料成形体。
  24. 【請求項24】 被アーク層および(または)被アーク
    層でない層におけるセラミック繊維が、ケイ酸アルミニ
    ウム繊維、ホウ酸アルミニウムウィスカまたはアルミナ
    ウィスカである請求項19、20、21または22記載
    の消弧用絶縁材料成形体。
  25. 【請求項25】 周期表1A族の金属の化合物の合計含
    有量の規定がないガラス繊維が、周期表1A族の金属の
    化合物の合計含有量が1%以下であるガラス繊維である
    請求項19、20、21または22記載の消弧用絶縁材
    料成形体。
  26. 【請求項26】 熱分解によってH2O、O2、O(原子
    状酸素)を発生させる物質が被アーク層に含有されてい
    る請求項19、20、21、22、23、24または2
    5記載の消弧用絶縁材料成形体。
  27. 【請求項27】 熱分解によってHO、O、O(原
    子状酸素)を発生させる物質が、水酸化アルミニウム、
    水酸化マグネシウム、四酸化アンチモンまたは五酸化ア
    ンチモンである請求項26記載の消弧用絶縁材料成形
    体。
  28. 【請求項28】 請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8、9、10、11、12、13、14、15、16、
    17、18、19、20、21、22、23、24、2
    5、26または27記載の消弧用絶縁材料組成物または
    消弧用絶縁材料成形体を用いることを特徴とする消弧装
    置。
  29. 【請求項29】 アークを発生する接点部の接触面以外
    を被覆する絶縁物(1)を有する消弧装置において、前
    記絶縁物(1)が請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8、9、10、11、12、13、14、15、16、
    17または18記載の消弧用絶縁材料組成物であること
    を特徴とする消弧装置。
  30. 【請求項30】 開閉時の接点の軌跡を含む平面の両側
    または接点部の周囲に配置された絶縁物(2)を有する
    消弧装置において、前記絶縁物(2)が請求項1、2、
    3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、1
    3、14、15、16、17、18、19、20、2
    1、22、23、24、25、26または27記載の消
    弧用絶縁材料組成物または消弧用絶縁材料成形体である
    ことを特徴とする消弧装置。
  31. 【請求項31】 アークを発生する接点部の接触面以外
    を被覆する絶縁物(1)および開閉時の接点の軌跡を含
    む平面の両側または接点部の周囲に配置された絶縁物
    (2)を有する消弧装置において、前記絶縁物(1)が
    請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、1
    1、12、13、14、15、16、17または18記
    載の消弧用絶縁材料組成物であり、前記絶縁部(2)が
    請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、1
    1、12、13、14、15、16、17、18、1
    9、20、21、22、23、24、25、26または
    27記載の消弧用絶縁材料組成物または消弧用絶縁材料
    成形体であることを特徴とする消弧装置。
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