JP3358594B2 - インバータ用母線電極板 - Google Patents

インバータ用母線電極板

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JP3358594B2
JP3358594B2 JP20705299A JP20705299A JP3358594B2 JP 3358594 B2 JP3358594 B2 JP 3358594B2 JP 20705299 A JP20705299 A JP 20705299A JP 20705299 A JP20705299 A JP 20705299A JP 3358594 B2 JP3358594 B2 JP 3358594B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、産業車両等におけ
る電気モータを駆動するためのインバータ回路に使用さ
れる母線電極板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、バッテリー・フォークリフト
等の電気モータ駆動車両には、半導体モジュールを組み
込んだインバータ回路がモータ駆動用として使用されて
いる。
【0003】図4は上述の半導体モジュールを使用した
インバータ回路の一例を示す回路図であり、図中のスイ
ッチング素子Q1〜Q6がそれぞれ半導体モジュール1
つに相当する。
【0004】このインバータ回路は、3相モータMに対
して上アーム群(Q1、Q3、Q5)と下アーム群(Q
2、Q4、Q6)とで構成されたブリッジ回路を有し、
不図示のドライブ回路からの制御信号を各スイッチング
素子(半導体モジュール)のゲート電極に所定のタイミ
ングで入力し、ターンオンとターンオフのスイッチング
制御を行うことで、電源Eから電源コンデンサCに蓄え
られた直流電力を3相モータMの回転を制御する交流電
力に変換する回路である。このような構成のインバータ
回路を例えば上述したバッテリー・フォークリフト等の
電気モータ駆動車両に使用する場合、スイッチング周波
数は一般に約数十kHz程度となる。
【0005】以上説明したようなインバータ回路中の半
導体モジュールを上記スイッチング周波数で実際に作動
させた場合、半導体モジュール内部の回路配線中または
外部との接続配線中において大きなインダクタンスの発
生が不可避なものとなり、その影響によってスイッチン
グ素子のターンオフ時にはかなり大きなスイッチング電
力のロス(以下、スイッチングロスという)が発生し、
また一方、スイッチング素子のターンオフ時にはかなり
高いサージ電圧が発生し、内部回路を電気的に損傷させ
る要因となっている。
【0006】ここで、スイッチングロスとは、上記半導
体モジュールのように制御電極を持つデバイスがスイッ
チングを行うときに内部で発生する電力損失のことであ
り、インバータ回路中には通常多数(4〜6個程度)の
半導体モジュールが使用されるため、これらに発生する
スイッチングロスを累計すると多大なものとなってい
た。そして、この大きな損失分は、電気自動車等の駆動
・操作に大きな影響を与えると共に、損失分の電力が発
熱に変わり半導体モジュールの熱損傷の原因となってい
た。
【0007】そして、従来よりこのスイッチングロスと
サージ電圧の低減を図ることを目的として、半導体モジ
ュールへの主電流の入出力を行う2つの主電流用電極配
線(例えばMOSFETの場合におけるソース電極配線
とドレイン電極配線)を平板状に構成し、これらを互い
に平行に近接させて対向配置すると共に、この対向配置
部位に上記主電流が互いに逆向きに流れるようにした構
成を採用しているものがあり、このような構成からなる
主電流用電極配線を母線電極板と言うことにする。この
ような母線電極板を採用することにより、上記対向配置
部位には相互誘導作用により配線インダクタンスを相殺
する(打ち消し合う)といった電磁気的効果が生じ、こ
れを利用することで配線インダクタンスの低減、ひいて
はスイッチングロスおよびサージ電圧の低減を図ってい
た。
【0008】また、バッテリー・フォークリフト等の産
業車両においては走行用と荷役用の2つのインバータが
必要であるため、近年においては、例えば図5(同図
(a)は平面図、同図(b)は側面図)に示すようにイ
ンバータ回路を2つ並置した構成からなるデュアルイン
バータ回路1が提案されている。このデュアルインバー
タ回路1は、半導体モジュールQ1〜Q6を有する走行
用インバータ回路2と、半導体モジュールQ1’〜Q
6’を有する荷役用インバータ回路3とを備えると共
に、母線電極板4や電源コンデンサC(図5では、電解
コンデンサ8を複数個並列接続した構成が電源コンデン
サCに相当する)を2つのインバータ回路2、3で共用
化して単モジュールとすることで、少容積化、軽量化、
少コスト化が図られている。
【0009】そして、同図において、母線電極板4は1
枚の薄い絶縁シート5を2枚の電極板10、11で上下
両面から挟着したサンドイッチ構造のものであり、上記
絶縁シート5は両電極板10、11間の電気的な絶縁を
行う一方、磁力線を容易に透過する材質のものが使用さ
れている。そして、各電極板10、11の外縁からの延
設部分が各インバータ回路2、3の各アーム対(図4に
おけるQ1とQ2、Q3とQ4、Q5とQ6の組み合わ
せのモジュール対)における主電流用電極に接続され、
また、複数の電解コンデンサ8(図4中の電源コンデン
サCに相当)が母線電極板4を下方から支持固定するブ
ラケット固定部材9に縦列配置されている。さらに、下
側の電極板10が電解コンデンサ8の正極側端子に接続
され、上側の電極板11が電解コンデンサ8の負極側端
子に接続されている。
【0010】なお、図4に示された電源Eは、その正極
側が下側電極板10の接続端子10aに接続され、負極
側が上側電極板11の接続端子11aに接続される。ま
た、図5中には示されていないが、各アーム対はその一
方のドレイン電極と他方のソース電極とが互いに接続さ
れ、その接続点が図4に示したようにモータMに接続さ
れる。
【0011】このように構成された母線電極板4は、両
電極板10、11が相互に平行近接して配置され、ま
た、これらに流れる電流が互いに入力と出力の方向関係
にあることから、母線電極板4全体にわたって前述の相
互誘導作用による配線インダクタンスの相殺低減が期待
できる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】図6は、図5に示した
デュアルインバータ回路中の従来の母線電極板4におけ
る、任意の1つのアーム対(例として、半導体モジュー
ル対Q1、Q2からなるアーム対)との接続部分を拡大
して示す図であり、同図(a)は平面図、同図(b)は
側面図である。なお、簡略化のため、半導体モジュール
Q1、Q2間の配線は図示省略してある。
【0013】図6(a)に示すように、母線電極板4の
下側正電極板10の外縁は、図の縦方向に真っ直ぐ伸び
た形状(全体の形状は略長方形)であって、そこに流れ
る電流Iiのほとんどは、表皮効果により電極板10の
外縁に沿って真っ直ぐに流れる。
【0014】ここで、半導体モジュールQ1の内部には
複数の半導体チップ(不図示)が図の縦方向に並置され
ており、これら複数の半導体チップに均等に電流を入力
するために、下側電極板10の外縁の2箇所に電流入力
部12、12’(半導体モジュールQ1との接続部)が
設けられている。すなわち、この複数の電流入力部1
2、12’と上記半導体チップ並置列とは、いずれも下
側正電極板10の外縁と平行に設置されている。このよ
うな構成となっていることにより、必然的に電流入力方
向(図中下から上方向)の上手に位置する電流入力部1
2’に電流の入力が集中する傾向にあり、この偏りによ
って、半導体チップ間における電流バランスの悪化を招
き、電気的な損傷につながるといった問題があった。
【0015】また、母線電極板4の上側負電極板11の
外縁には、下側正電極板10の外縁と直交する方向に延
設された電流出力部13(半導体モジュールQ2との接
続部)が設けられているが、この電流出力部13には図
の横方向に電流Ioが流れる。すなわち、母線電極板4
における半導体モジュールQ1、Q2との接続部分で
は、下側正電極板10に流れる電流Iiと上側負電極板
11に流れる電流Ioの各通電方向が互いに直交するこ
とになるため、上述の相互誘導作用による配線インダク
タンス相殺効果が見込めず、その分だけサージ電圧やス
イッチングロスを誘発する要因を備えているという問題
があった。
【0016】更に、図5(b)に示したブラケット固定
部材9は、母線電極板4を下方から支持すると共に、上
記複数の電解コンデンサ8(電源コンデンサC)を母線
電極板4下に縦列固定し、それらを電気的に接続するも
のであるが、このブラケット固定部材9は、従来よりデ
ュアルインバータ回路1全体の大重量、大容積、高コス
トの原因となっていたため、その削除・省略化が望まれ
ていた。
【0017】よって、本発明の課題は、母線電極板を構
成する一方の電極板から各半導体モジュールの2箇所の
電流入力部に対してバランスのよい電流の入力を可能に
することにある。
【0018】本発明の他の課題は、母線電極板と半導体
モジュール対との接続部分においても相互誘導作用によ
る配線インダクタンス相殺効果を発揮できるようにする
ことにある。
【0019】本発明の更に他の課題は、従来のブラケッ
ト固定部材を省略して電解コンデンサの安定した接続固
定を可能にすることにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は、主にMOSF
ETからなる半導体モジュールを使用したインバータ回
路についての課題を解決するものであるが、これに限ら
ず、これと同様な課題を有するバイポーラトランジスタ
等その他の半導体モジュールを使用したインバータ回路
にも適用可能である。なお、半導体モジュールの種類で
各電極の呼称が異なるため、便宜上、各電極の機能を考
慮して“主電流入力用電極”、“主電流出力用電極”、
“制御電極”という呼称を使用する。例えばMOSFE
Tの場合は、ドレイン電極が主電流入力用電極に、ソー
ス電極が主電流出力用電極に、ゲート電極が制御電極
に、それぞれ相当する。
【0021】まず、第1の発明は、インバータ回路のア
ーム対を構成する各半導体モジュールに電流の入出力を
行うインバータ用母線電極板において、“それぞれ正極
と負極の機能を果たす2枚の電極板を互いに上下に対向
させて離間配置してなる母線電極板本体”と、“該2枚
の電極板のうちの一方の外縁と、前記半導体モジュール
のそれぞれに設けられた2箇所の主電流入力部とを電気
的に接続するために、該2箇所の主電流入力部を平面図
上で互いに最短に直結する直結板と、該直結板の中央位
置から前記外縁まで接続された接続板とで、T字型に形
成された接続部”と、を備えたことを特徴とするもので
ある。
【0022】このように構成することにより、母線電極
板本体の外縁から半導体モジュールの2箇所の主電流入
力部への均等な電流の入力が可能となり、半導体チップ
の電気的損傷を防止できる。
【0023】
【0024】前記T字型形状の接続部における前記直結
板は、前記2箇所の主電流入力部との接触面を前記接続
板と平行に離間した形状とすることが可能である。この
ような形状とすることで、直結板と母線電極板本体外縁
との平行分離を確保しつつ、より接続板を短く形成で
き、その分だけ直結板の幅を広く形成できることで、大
電流の入力においても接続部の発熱を低減できる。
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】第2の発明は、電気モータ駆動用のインバ
ータ回路における第1及び第2のアームからなるアーム
対をそれぞれ構成する各半導体モジュールと電源コンデ
ンサとを電気的に接続するために使用され、前記電源コ
ンデンサの一方の端子と前記第1アーム用の半導体モジ
ュールとを接続するための第1の電極板が上側に、前記
コンデンサの他方の端子と前記第2アーム用の半導体モ
ジュールとを接続するための第2の電極板が下側になる
よう、該第1及び第2の電極板を互いに上下に対向させ
て離間配置した構成を有するインバータ用母線電極板に
おいて、前記第1の電極板の外縁から延設されて、前記
第1アーム用半導体モジュールに電気的に接続される第
1の接続部と、前記第2の電極板の外縁から延設され
て、前記第2アーム用半導体モジュールに電気的に接続
される第2の接続部とが、部分的に互いに対向するよう
近接して配置され、前記第1及び第2の接続部の少なく
とも一方は、その対向箇所を通ってそれぞれ流れる電流
の向きが互いに逆方向となるよう電流経路を規制する形
状を有する、ことを特徴とするものである。
【0030】このような構成とすることにより、各電極
板における半導体モジュールとの接続部においても、相
互誘導作用による配線インダクタンスの相殺効果を発揮
することができ、その結果、サージ電圧及びスイッチン
グロスが低減される。なお、上記のように電流経路を規
制する形状は、上記第1及び第2の接続部のどちらが備
えていてもよく、或いはその両方が備えていてもよい。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図を参照して説明する。なお、以下では半導体モジ
ュールとしてMOSFETを用いたインバータ回路を例
に説明するが、これに限らず、同様な課題を有するバイ
ポーラトランジスタやサイリスタ等その他のスイッチン
グ素子を半導体モジュールとして用いたものにも適用可
能であることは、前述した通りである。
【0032】図1は、本発明の第1の実施形態に係るデ
ュアルインバータ用母線電極板24における、任意の1
つのアーム対(例として、半導体モジュールQ1、Q2
からなるアーム対)との接続部分を拡大して示す図であ
り、同図(a)は平面図、同図(b)は側面図である。
この図1は従来の構成を示した図6に対応しているが、
この部分を除くデュアルインバータ回路全体の基本構成
は図5に示したものと同じであるものとする。なお、図
6と同様、簡略化のため、半導体モジュールQ1、Q2
間の配線は図示省略してある。
【0033】上記図1において、母線電極板24本体
は、1枚の薄い絶縁シート25を下側の正電極板30と
上側の負電極板31の2枚の電極板で挟着したサンドイ
ッチ構造のものであり、2つのインバータ回路における
共通の電源コンデンサ(図5に示した複数の電解コンデ
ンサ8)と各半導体モジュールとを電気的に接続すべく
水平に配置されている。各電極板30、31の外縁から
延設した部分が、正極接続部32、負極接続部33とし
て、各アーム対(図1には、一例として半導体モジュー
ルQ1、Q2からなるアーム対のみを示す)における主
電流用電極(ドレイン電極、ソース電極)に接続されて
いる。また、複数の電解コンデンサ8は上側負電極板3
1上に設置され、各電解コンデンサ8の正極側端子が下
側正電極板30に接続され、負極側端子が上側負電極板
31に接続されている。なお、各電解コンデンサ8本体
と上側負電極板31との間は電気的に絶縁されている必
要があるが、そのための手段としては、例えばそれらの
間に絶縁シートを介在させるようにしてもよい。
【0034】ここで、下側正電極板30における正極接
続部32の形状は、図1(a)に示すように、母線電極
板24の外縁に下端を接続して伸びるT字型となってお
り、このT字の側方左右両端部32L、32Rが、それ
ぞれ半導体モジュールQ1の2箇所の電流入力部である
電極端子34、34’に接続されている。この電極端子
34、34’は導電性金属のブロック体で構成され、半
導体モジュールQ1のドレイン電極(導電性ベース基
板)35上に立設されている。そして、電極端子34、
34’は、母線電極板24本体を下方から支持すると共
に、下側正電極板30とドレイン電極35とを電気的に
接続している。ここで、上記のブロック体とは、望まし
くは高さ、幅、奥行きがそれぞれ十分にある略直方体、
又はそれら略直方体を組み合わせた構造等を有するもの
であって、母線電極板24本体及びその上の複数の電解
コンデンサ8を支持可能なだけの充分な強度を有するも
のを意味する。
【0035】なお、本実施形態で使用されている半導体
モジュールは一般に非絶縁型と言われるものであり、す
なわち、各半導体チップや各電極等の搭載された導電性
のベース基板を有し、このベース基板が半導体チップの
ドレイン領域に接続されることによりドレイン電極35
として機能するものである。よって、上記電極端子3
4、34’は、構造的に堅固な土台であるドレイン電極
(ベース基板)35上に立設されている。
【0036】そして、もう一方の上側負電極板31に設
けられる負極接続部33は、その形状が従来と同じであ
り、上記正極接続部32と一致する位置でほぼ同じ幅に
設置されている。
【0037】なお、各接続部32、33および電極端子
34、34’と半導体モジュールの主電流用電極(ドレ
イン電極35、ソース電極37)とは、例えばスクリュ
ー36等により強固に固定接続されている。
【0038】また、半導体モジュールQ1、Q2間の配
線は図示省略してあるが、半導体モジュールQ1のソー
ス電極41から2つの電極端子34、34’間を通って
半導体モジュールQ2のドレイン電極(ベース基板)4
2へと延びる配線が存在し、、この配線が更に、各イン
バータ回路の駆動対象となる3相モータへと接続されて
いる(図4参照)。
【0039】次に、以上の構成からなる母線電極板24
の主な作用を説明する。まず、図1(a)において、例
えば上アーム側の半導体モジュールQ1と下アーム側の
いずれかの半導体モジュールとがターンオンされた場合
を想定し、その際の主電流の流れる経路を順を追って説
明する。
【0040】この場合、まず、半導体モジュールQ1へ
入力する電流Iiが、図6(a)の場合とほぼ同様に、
下側正電極板30の外縁に沿って(図の縦方向に)流れ
てくる。ところが、電流Iiが上記外縁からT字型の正
極接続部32を経由して2つの電極端子34、34’に
入力する時点で、正極接続部32の設置下端部から左右
両端部32L、32R(電極端子34、34’との接続
部分)までの各通電距離が等しいため、電流Iiが左右
両端部32L、32Rに均等に分割(2分割)されて入
力することになる。そして、図1(b)に示すように、
電流Iiは各電極端子34、34’及び半導体モジュー
ルQ1のドレイン電極35を経由して、内部の複数の半
導体チップ(不図示)に対しバランス良く供給される。
【0041】その後、半導体モジュールQ1のソース電
極41から出力された電流は、モータM(図4参照)中
のコイルを通って、オン状態にある下アーム側の半導体
モジュール(ここでは、説明を容易にするために、半導
体モジュールQ2を例にとって述べる)のドレイン電極
42に流れ込み、内部の半導体チップを通ってソース電
極37から出力される。この出力された電流Ioは、図
1に示すように、負極接続部33をその長手方向と平行
(図の横方向)に最短距離で流れて、上側負電極板31
の外縁へと流れていく。
【0042】このように、入力電流Iiと出力電流Io
がそれぞれ流れる正極接続部32と負極接続部33は、
上下の各電極板30、31の外縁の同じ位置に設置さ
れ、しかも正極接続部32が上述のようなT字型形状を
有しているため、少なくとも両接続部32、33の下端
設置部分においてはそれぞれ流れる電流Ii、Ioの通
電方向が互いに逆方向となり、かつ、両接続部32、3
3が母線電極板24本体と同様に薄い絶縁シート25を
介して近接離間した状態に対向配置されているため、こ
の部分においても相互誘導作用による配線インダクタン
ス相殺効果が発揮され、その結果、インバータ回路全体
におけるサージ電圧及びスイッチングロスの一層の低減
が可能になる。
【0043】なお、図4に示したようなインバータ回路
はモータMを駆動するためのブリッジ回路を構成してお
り、その上アーム及び下アームとして機能する各半導体
モジュールを交互にオン・オフさせることでモータMを
駆動するものであるため、原理的には、互いに直列接続
された上下アーム対(例えば、図4におけるQ1とQ
2、Q3とQ4、Q5とQ6)すなわち互いに近接配置
された上下アーム対には同時に電流Ii、Ioが流れな
いようにスイッチング制御される。しかし、前述したよ
うにスイッチング周波数が約数十kHzといった比較的
高いものであり、また、電流の通電とそれにより発生す
る周囲磁界についてはそれぞれ時間的な位相差角を持つ
ため、両接続部32、33について長期的に見れば、そ
こに流れる電流Ii、Ioが互いの磁界の影響を受ける
ことになり、その結果、相互誘導作用による配線インダ
クタンスの相殺効果が発揮される。
【0044】以上の効果を発揮するための両接続部3
2、33の形状は、図1に示したものに限定されること
はなく、それらを流れる電流Ii、Ioの向きが互いに
逆方向となるよう電流経路を規制可能な各種の形状を採
用可能であり、接続部32、33の少なくとも一方がそ
のような形状を備えていればよい。例えば図2及び図3
は、正極接続部に対して適用される形状の他の例を示す
ものであり、このような形状にしても同様な効果が得ら
れる。
【0045】すなわち、図2に示した正極接続部38
は、その平面図(図2(a))においては上記第1実施
形態の正極接続部32とほぼ同様なT字型の形状である
が、その左右両端部38L、38Rが、正面図(図2
(b))に示すように下方の半導体モジュールのドレイ
ン電極(ベース基板)35へ向けてL字状に屈曲し、そ
の分だけ、これに接続される電極端子34、34’の高
さが低くなるようにしたものである。このように構成す
ることで、左右両端部38L、38Rと下側正電極板3
0本体との空間絶縁距離を確保した上でT字型の胴部を
短くし、左右両端部38L、38Rの幅Wを広く形成す
ることが可能となるため、大きい電流の通電に対しても
発熱を低減させることができる。
【0046】また、図3に示した正極接続部39は略長
方形の形状であり、このように形成することで、隣り合
う2つの正極接続部間での電流の分割通電を確保した上
で、最も発熱を抑えることができる。
【0047】そしてまた、母線電極板24が導電性金属
のブロック体からなる電極端子34、34’によって堅
固に支持されると共に、その母線電極板24上に電解コ
ンデンサ8が設置された構成であるため、従来の構成で
必要としていたブラケット固定部材(図5中のブラケッ
ト固定部材9)が不要となる。その結果、デュアルイン
バータ回路全体の簡略化、軽量化および製造コストの削
減が可能となる。
【0048】なお、以上の実施形態では、正電極板を下
側に、負電極板を上側に配置した構成からなる母線電極
板を対象として説明したが、回路全体の極性関係を逆に
することにより、負電極板を下側に、正電極板を上側に
配置した構成からなる母線電極板に対しても、本発明は
同様に適用可能である。
【0049】また、以上の実施形態では薄い絶縁シート
を両電極板間に介在させたが、必ずしもこのような絶縁
シートを使用する必要はなく、両電極板を互いに一定距
離を隔てて対向配置させることができ、かつ、互いに磁
力線を透過可能な状態で絶縁できるようにした各種の構
成を採用可能である。
【0050】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、電
極板から半導体モジュールの2箇所の電流入力部に対し
てバランスのよい電流の入力が可能となるため、半導体
モジュール内部に並置された半導体チップの電気的損傷
が防止される。
【0051】また、母線電極板と半導体モジュール対と
の接続部分においても、相互誘導作用による配線インダ
クタンス相殺効果が発揮されることで、インバータ回路
全体におけるサージ電圧及びスイッチングロスの低減が
可能となる。これにより、放熱板の小型化、スナバレス
化、又はディレーティングを小さくできるための半導体
チップ数の削減が実現され、その結果、半導体モジュー
ル、ひいてはインバータ回路の信頼性向上と共に製造コ
ストの削減が可能となる。
【0052】更には、従来必要としていたブラケット固
定部材を不要にして電源コンデンサの安定した接続固定
を可能とすることで、デュアルインバータ回路全体の簡
略化、軽量化、及び製造コストの削減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るデュアルインバー
タ用母線電極板における、任意の1つのアーム対との接
続部分を拡大して示す図であり、(a)は平面図、
(b)は側面図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係る正極接続部を示す
図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図3】本発明の第3実施形態に係る正極接続部の平面
図である。
【図4】半導体モジュールを使用したインバータ回路の
一例を示す回路図である。
【図5】従来のデュアルインバータ構造を示す図であ
り、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図6】図5に示したデュアルインバータ回路中の従来
の母線電極板における、任意の1つのアーム対との接続
部分を拡大して示す図であり、(a)は平面図、(b)
は側面図である。
【符号の説明】
1 デュアルインバータ回路 2、3 インバータ回路 4 母線電極板 5 絶縁シート 8 電解コンデンサ 9 ブラケット固定部材 10 下側正電極板 11 上側負電極板 12、12’ 電流入力部(ドレイン電極端子) 13 電流出力部 24 母線電極板 25 絶縁シート 28 電解コンデンサ 30 下側正電極板 31 上側負電極板 32 正極接続部 33 負極接続部 34、34’ 電極端子 35 ドレイン電極(ベース基板) 36 スクリュー 37 ソース電極 38 正極接続部 39 正極接続部 41 ソース電極 42 ドレイン電極(ベース基板) Q1〜Q6、Q1’〜Q6’ スイッチング素子(半導
体モジュール) M 3相モータ C 電源コンデンサ E 電源 Ii 入力電流 Io 出力電流
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−203686(JP,A) 特開 平9−47036(JP,A) 特開 平11−4584(JP,A) 特開 平11−55938(JP,A) 特開 平9−247960(JP,A) 実開 平5−41396(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02M 7/5387 H02M 7/04 H02P 5/41

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インバータ回路のアーム対を構成する各
    半導体モジュールに電流の入出力を行うインバータ用母
    線電極板において、 それぞれ正極と負極の機能を果たす2枚の電極板を互い
    に上下に対向させて離間配置してなる母線電極板本体
    と、 該2枚の電極板のうちの一方の外縁と、前記半導体モジ
    ュールのそれぞれに設けられた2箇所の主電流入力部と
    を電気的に接続するために、該2箇所の主電流入力部を
    平面図上で互いに最短に直結する直結板と、該直結板の
    中央位置から前記外縁まで接続された接続板とで、T字
    型に形成された接続部と、 を備えたことを特徴とするインバータ用母線電極板。
  2. 【請求項2】 前記T字型形状の接続部における前記直
    結板が、前記2箇所の主電流入力部との接触面を前記接
    続板と平行に離間した形状であることを特徴とする請求
    記載のインバータ用母線電極板。
  3. 【請求項3】 電気モータ駆動用のインバータ回路にお
    ける第1及び第2のアームからなるアーム対をそれぞれ
    構成する各半導体モジュールと電源コンデンサとを電気
    的に接続するために使用され、 前記電源コンデンサの一方の端子と前記第1アーム用の
    半導体モジュールとを接続するための第1の電極板が上
    側に、前記コンデンサの他方の端子と前記第2アーム用
    の半導体モジュールとを接続するための第2の電極板が
    下側になるよう、該第1及び第2の電極板を互いに上下
    に対向させて離間配置した構成を有するインバータ用母
    線電極板において、 前記第1の電極板の外縁から延設されて、前記第1アー
    ム用半導体モジュールに電気的に接続される第1の接続
    部と、前記第2の電極板の外縁から延設されて、前記第
    2アーム用半導体モジュールに電気的に接続される第2
    の接続部とが、部分的に互いに対向するよう近接して配
    置され、 前記第1及び第2の接続部の少なくとも一方は、その対
    向箇所を通ってそれぞれ流れる電流の向きが互いに逆方
    向となるよう電流経路を規制する形状を有する、 ことを特徴とするインバータ用母線電極板。
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