JP3358576B2 - 被加熱材の保温部材 - Google Patents

被加熱材の保温部材

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JP3358576B2 JP02638999A JP2638999A JP3358576B2 JP 3358576 B2 JP3358576 B2 JP 3358576B2 JP 02638999 A JP02638999 A JP 02638999A JP 2638999 A JP2638999 A JP 2638999A JP 3358576 B2 JP3358576 B2 JP 3358576B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被加熱材の搬送テ
ーブルの上方に設置される被加熱材の保温部材に関し、
保温部材の耐久性を改善するものである。
【0002】
【従来の技術】製鉄所では、例えば、連続鋳造工程で鋳
造された連鋳スラブの温度降下量を抑制してその熱エネ
ルギーの損失を防止したり、熱間圧延工程の粗圧延機お
よび仕上圧延機間における粗バー等の温度降下量を抑制
して圧延精度を向上させて圧延品質の向上を図るため
に、これらの被加熱材の搬送テーブルの上方に、保温部
材である保温カバーを設置することが、広く行われてい
る。
【0003】図11は、例えば、熱間圧延工程のいわゆる
ディレーテーブルといった、被加熱材1の搬送テーブル
2の上方に設置された保温カバー3の設置例を示す正面
図である。
【0004】図11に示すように、被加熱材1の搬送テー
ブル2の上方には、平板状の保温カバー3を懸垂用部材
4で懸垂支持する。搬送テーブル2の両端側には、幅方
向両端部からの放熱を防ぐために、布状断熱材5、5が
垂下されている。
【0005】図12は、保温カバー3の構造をその取付け
状況とともに拡大して示す説明図である。図12に示すよ
うに、この保温カバー3は、一般的に、セラミックファ
イバー等により平板状に形成された断熱材6と、断熱材
6の上側の平面に接して配置された鋼板等の固定板7
と、断熱材6の下側の平面に接して配置されたステンレ
ス鋼板等の保護板8と、固定板7および保護板8を固定
する多数の締結部材9とにより、構成される。そして、
固定板7が、懸垂用部材4に固定された鉄骨の構造部材
10に溶接されることにより、保温カバー3は、被加熱材
1の搬送テーブル2の上方に配置される。
【0006】この保護板8は、断熱材6が剥離して被加
熱材1へ落下することを防止するとともに、搬送テーブ
ル2の搬送ロールを保護するために搬送ロールに吹き付
けられる冷却水による多湿雰囲気やこの冷却水が直接吹
き上がることにより、断熱材6が劣化することを防止す
る。
【0007】なお、保温カバー3が平板状であるのは、
保温カバー3を用いる必要がない被加熱材1’の搬送時
や補修時等における保温カバー3の退避や補修等を、容
易に行うためである。
【0008】ところで、搬送テーブル2の幅方向、すな
わち図11中の左右方向に関する保護板8の中央部におけ
る温度の変化を、図13にグラフで示す。図13にグラフで
示すように、保護板8の温度は、高温の被加熱材1が間
欠的に通過することに伴って、上昇および降下を繰り返
しながら変動する。
【0009】また、図14には、高温の被加熱材1の先端
通過時および後端通過時のそれぞれにおける保護板8の
幅方向(図11における左右方向)の温度分布を、グラフ
で示す。図14にグラフで示すように、高温の被加熱材1
が通過することにより、特に幅方向の中央部の温度が上
昇する。このため、被加熱材1の後端通過時には、図14
に実線で示すように、山形の温度分布となる。
【0010】このため、図12に示すように保温カバー3
を構造部材10に多数の締結部材9を用いて固定すると、
図13および図14にそれぞれグラフで示すような保護板8
の温度上昇による熱膨張を吸収できない。このため、保
護板8には熱応力が発生し、変形や熱疲労による割れが
発生してしまう。図14にグラフで示すように、保護板8
の幅方向の中央部での温度変化は特に大きいため、保護
板8の幅方向の中央部の耐久性が著しく劣化してしま
う。
【0011】このような保護板8の耐久性の劣化を防止
するために、締結部材9の設置数を減らしても、保護板
8には図13および図14にそれぞれグラフで示すような温
度変化が不可避的に発生するため、保護板8の幅方向の
中央部には圧縮応力が発生するとともに両端部には引張
応力が発生し、保護板8には変形や熱疲労が生じてしま
う。
【0012】このように、図11および図12に示す構成を
有する従来の保温カバー3では、被加熱材1の間欠的な
通過による加熱とその間の放冷とによる温度変動や、搬
送ロールの冷却水の吹き上げ等により、保護板8の劣
化、変形さらには割れ等が発生し、保護板8の耐久性が
不足する。このため、保温カバー3による被加熱材1の
保温作用を安定的に維持するには、相当の頻度で保温カ
バー3を補修する必要があり、補修費が嵩んでいた。
【0013】そこで、特開平7−1024号公報には、通常
数mmの厚さを有する保護板8の代わりに、厚さが1mm以
下の金属箔を用い、この金属箔の被加熱材1の側の平面
に金属メッシュを固定することにより、保護板8の耐久
性の不足を改善する発明が提案されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】この特開平7−1024号
公報により提案された発明によれば、金属メッシュの部
分は熱膨張による応力を緩和することが可能であるが、
金属箔は程度の違いこそあれ保護板8と同様に熱膨張を
起こす。このため、金属箔の劣化、変形さらには割れ等
が発生することが懸念される。したがって、この発明に
よっても、金属箔の耐久性を所望の程度に確保すること
は難しく、保温カバー3の補修費を低減することは難し
い。
【0015】ここに、本発明の目的は、被加熱材の保温
カバーを構成する保護板の変形や割れ等を防止し、保護
板の耐久性を向上することにより、保温カバーの保温性
能を従来よりも長期間にわたって維持し、これにより保
温カバーの補修費の低減を図ることができる被加熱材の
保温部材を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意検討を重ねた結果、保温カバーを構
成する保護板の形状を、従来のように平板状とするので
はなく、上方へ向けて凸となるアーチ形状とすることに
より、上記課題を解決できることを知見し、さらに検討
を重ねて、本発明を完成した。
【0017】本発明は、被加熱材の搬送テーブルの上方
に設置されるとともに、断熱材とこの断熱材の被加熱材
の側に固定された保護板とを有し、被加熱材の温度低下
を抑制する保温部材であって、少なくとも保護板が、搬
送テーブルの幅方向を含む垂直断面において、上方へ向
けて凸となるアーチ形状を呈し、このアーチ形状が、ア
ーチ高さの、保護板の幅方向に関する距離に対する比が
0.05〜0.3 となる形状であることを特徴とする被加熱材
の保温部材である。また、本発明は、被加熱材の搬送テ
ーブルの上方に設置されるとともに、断熱材とこの断熱
材の被加熱材の側に固定された保護板とを有し、被加熱
材の温度低下を抑制する保温部材であって、少なくとも
保護板が、搬送テーブルの幅方向を含む垂直断面におい
て、上方へ向けて凸となるアーチ形状を呈するととも
に、幅方向の略中央部において固定支持され、幅方向の
両端部において幅方向に移動自在に支持されることを特
徴とする被加熱材の保温部材である。
【0018】また、本発明は、被加熱材の搬送テーブル
の上方に設置されるとともに、断熱材とこの断熱材の被
加熱材の側に固定された保護板とを有し、被加熱材の温
度低下を抑制する保温部材であって、少なくとも保護板
が、搬送テーブルの幅方向を含む垂直断面において、上
方へ向けて凸となるアーチ形状を呈するとともに、隣接
するもの同士を重ね合わされて、搬送テーブルにより搬
送される被加熱材の搬送方向に2以上並設されることを
特徴とする被加熱材の保温部材である。また、本発明
は、被加熱材の搬送テーブルの上方に設置されるととも
に、断熱材とこの断熱材の被加熱材の側に固定された保
護板とを有し、被加熱材の温度低下を抑制する保温部材
であって、少なくとも保護板が、搬送テーブルの幅方向
を含む垂直断面において、上方へ向けて凸となるアーチ
形状を呈し、このアーチ形状が、アーチ高さの、保護板
の幅方向に関する距離に対する比が0.05〜0.3 となる形
状であるとともに、幅方向の略中央部において固定支持
され、幅方向の両端部において幅方向に移動自在に支持
されることを特徴とする被加熱材の保温部材である。
【0019】また、本発明は、被加熱材の搬送テーブル
の上方に設置されるとともに、断熱材とこの断熱材の被
加熱材の側に固定された保護板とを有し、被加熱材の温
度低下を抑制する保温部材であって、少なくとも保護板
が、搬送テーブルの幅方向を含む垂直断面において、上
方へ向けて凸となるアーチ形状を呈し、このアーチ形状
が、アーチ高さの、保護板の幅方向に関する距離に対す
る比が0.05〜0.3 となる形状であるとともに、隣接する
もの同士を重ね合わされて、搬送テーブルにより搬送さ
れる被加熱材の搬送方向に2以上並設されることを特徴
とする被加熱材の保温部材である。
【0020】さらに、本発明は、被加熱材の搬送テーブ
ルの上方に設置されるとともに、断熱材とこの断熱材の
被加熱材の側に固定された保護板とを有し、被加熱材の
温度低下を抑制する保温部材であって、少なくとも保護
板が、搬送テーブルの幅方向を含む垂直断面において、
上方へ向けて凸となるアーチ形状を呈し、幅方向の略中
央部において固定支持され、幅方向の両端部において前
記幅方向に移動自在に支持され、さらに、隣接するもの
同士を重ね合わされて、搬送テーブルにより搬送される
被加熱材の搬送方向に2以上並設されることを特徴とす
る被加熱材の保温部材である。
【0021】
【発明の実施の形態】(第1実施形態) 以下、本発明にかかる被加熱材の保温部材の実施形態
を、添付図面を参照しながら、詳細に説明する。
【0022】図1は、本実施形態の保温部材(保温カバ
ー)11の説明図であり、図1(a) は正面図、図1(b) は
図1(a) に示す保温部材11を下から見た図である。ま
た、図2は、図1(a) におけるA部の拡大図である。本
実施形態の保温部材11は、固定板12と、保護板13と、締
結部材14と、断熱材15とを備える。以下、これらの構成
要素について順次説明する。
【0023】〔固定板12〕 図1(a) に示すように、本実施形態においても、図11を
参照しながら説明した従来の装置と同様に、固定板12
は、搬送テーブルの上方に設けられた懸垂用部材(図示
しない。) に固定された鉄骨の構造部材16に溶接される
ことにより、被加熱材の搬送テーブルの上方に配置され
る。
【0024】この固定板12は、本実施形態においても、
鋼板等により構成される。なお、構造部材16には、保護
板13の幅方向の両端部を支持する支持部25、25が設けら
れている。支持部25は、くの字型の断面形状を有する掛
止部材である。
【0025】〔保護板13、締結部材14〕 本実施形態における保護板13は、図1(a) に示されるよ
うに、搬送テーブル(図示しない)の幅方向を含む垂直
断面、すなわち図1(a) により示される断面において、
上方へ向けて凸となるアーチ形状、すなわち搬送テーブ
ルの幅方向の中央部が最も高いアーチ形状を呈する。こ
の保護板13として、本実施形態では、ステンレス鋼板を
用いた。
【0026】本発明者は、様々なアーチ形状を呈する保
護板を、被加熱材の搬送テーブルの上方に設置して、こ
の保護板の温度分布および変形を測定する実験を行っ
た。図3は、この実験に用いた装置を示す説明図であ
り、図3(a) は側面図、図3(b)は正面図である。
【0027】図3(a) および図3(b) に示すように、搬
送テーブル17に搭載されて搬送される被加熱材18の上方
には、架台19により、保護板20と断熱材21とからなる保
温カバー22を設けてある。この保温カバー22は、幅方向
の中央部において3本の締結部材23により固定される。
各締結部材23は、いずれも、架台19に対して上下方向に
移動自在に配置される。また、保護板20の両端部は、L
字型の断面形状を有する掛止部材である支持部24により
支持される。したがって、この装置では、締結部材23を
上下方向に移動させることにより、保護板20のアーチ形
状を自在に変更することができる。
【0028】この実験では、保護板20のアーチ形状、す
なわち図3(b) における距離HC (本明細書では、「ア
ーチ高さ」という。) を様々に変更して、保護板20の温
度分布および変形を測定した。
【0029】温度に関する測定結果を図4および図5に
それぞれグラフで示す。図4は、保護板20の幅方向中央
部と端部との間の温度差と、 (Hc /Wc ) との関係を
示し、図5は、保温係数と、 (Hc /Wc ) との関係を
示す。なお、図5における「保温係数」は、仕上圧延前
の温度Tf を用いて下記式により算出される。
【0030】
【数1】
【0031】この保温係数は、従来の平板状の保護板に
対する本実施形態の保護板の保温性能を示しており、
「保温係数:1未満」は従来の保護板よりも保温性能が
劣ることを示し、「保温係数:1」は従来の保護板と同
等の保温性能を有することを示し、さらに「保温係数:
1以上」は従来の保護板よりも保温性能が優れることを
示す。
【0032】また、変形に関する測定結果を図6および
図7にそれぞれグラフで示す。図6および図7は、いず
れも、幅方向位置と高さとの関係を示す。なお、図6
は、HC =0mm、保護板20の幅方向に関する距離Wc
1740mmの場合であり、図7は、HC =200 mm、Wc =17
40mmの場合である。
【0033】図4から、 (Hc /Wc ) を大きくするこ
と、すなわちアーチ形状の曲率半径を小さくするほど、
保護板20の幅方向の中央部と端部との間の温度差が小さ
くなることがわかる。
【0034】また、図5から、アーチ形状の端部を平板
状とし、保護板20と同じ高さにして(Hc /Wc ) の比
を0.14程度とした場合、保温係数も略1.0 程度であるこ
とがわかる。
【0035】また、図6から、アーチ高さHC =0mm、
すなわち保護板20が平面状であると、保護板20を締結部
材23により幅方向の中央部の一点でしか固定していない
場合であっても、保護板20は、幅方向に大きく歪み、さ
らに搬送方向に関しても波打つことがわかる。
【0036】これに対し、図7にグラフで示すように、
保護板20を、アーチ高さHC が200mmであるアーチ形状
とし、かつ幅方向の中央部の一点で固定することによ
り、変形が殆ど発生しないことがわかる。
【0037】これらの実験結果に基づき、本実施形態で
は、図4にグラフで示す温度差や、図6にグラフで示す
歪みや波打ちをいずれも解消するために、図1(a) に示
すように、搬送テーブルの幅方向を含む垂直断面におい
て、保護板13を、上方へ向けて凸となるアーチ形状とす
る。これにより、温度変化に起因した、保護板13の幅方
向の変形は、殆ど発生しなくなる。保護板13をアーチ形
状とすることにより保護板13の幅方向の変形が解消され
る理由としては、(i) アーチ形状とすることにより、保
護板13の幅方向の温度分布が緩やかになること、(ii)形
状的に堅牢性が向上して変形し難くなること等が考えら
れる。
【0038】また、図1(a) および図2に示すように、
保護板13を、例えばボルトおよびナットからなる締結部
材14により幅方向の一か所 (中央部) のみで固定板12に
固定し、両端部を支持部25により幅方向に移動自在に支
持することにより、保護板13が幅方向に熱膨張しても、
保護板13には熱応力が発生しないために、変形が生じな
い。
【0039】ここで、保護板13のアーチ形状は、アーチ
高さHC の、保護板13の幅方向に関する距離Wc に対す
る比 (Hc /Wc ) が0.05〜0.3 となる形状であること
が、望ましい。すなわち、高温のステンレス鋼板の熱応
力による疲労限は150 ℃程度であるから、図4に示すグ
ラフから、保護板13の幅方向中央部と端部との間の温度
差を150 ℃以下に抑制するには、 (Hc /Wc ) は0.05
以上であることが望ましい。かかる観点からは、 (Hc
/Wc ) の上限を設ける必要はないが、設置スペースや
設備投資額が増加することを考えると、( Hc /Wc )
は0.3 以下であることが現実的である。さらに望ましく
は、0.1 ≦( Hc /Wc ) ≦0.2 である。
【0040】このように、本実施形態では、保護板13を
アーチ形状とするとともに、保護板13を締結部材14によ
り幅方向の中央部のみで固定板12に固定し、幅方向の端
部は支持部25により幅方向に移動自在に支持する。これ
により、温度変化に起因した保護板13の幅方向の変形が
防止される。
【0041】ところで、前述した図6に示すように、被
加熱材の搬送方向に関しては、図3(a) における各締結
部材23の間で、アーチ形状の曲率半径が若干大きくな
り、保護板13が波打ち状に変形する。そこで、本実施形
態では、一枚の保護板13を搬送方向に延設するのではな
く、図1(b) に示すように、搬送方向に2以上保護板13
を並設することが、被加熱材の搬送方向に関する波打ち
状の変形を防止するために、望ましい。
【0042】この場合、図1(b) において、保護板13の
搬送方向長さLは1000mm以下であることが望ましい。搬
送方向長さLが1000mmを超えると、保護板13をアーチ形
状としても、保護板13は1本の締結部材14により固定さ
れているため、搬送方向の前後でたれを生じてしまうか
らである。
【0043】このような観点からは、搬送方向長さLの
下限を設ける必要はない。しかし、製作時や補修時の手
間や隣接する保護板13同士を重ね合わせる必要性から、
保護板13同士の重ね合わせ代Aは、50mm以上が望まし
い。このような観点から、保護板13の搬送方向長さL
は、300 mm以上800 mm以下が好ましい。
【0044】このように、本実施形態では、アーチ形状
の保護板13が、幅方向の中央部が締結部材14により固定
板12に固定支持され、幅方向の両端部が支持部25により
幅方向に移動自在に支持され、さらに、搬送方向にも締
結部材14により一か所のみで固定される。これにより、
保護板13の幅方向の中央部を中心とした熱膨張による変
形が、抑制される。
【0045】〔断熱材15〕 保護板13の固定板12側の平面には、セラミックファイバ
ー等により板状に形成された断熱材15が設けられる。こ
の断熱材15は、保護板13のアーチ形状に沿うことから、
保護板13と同様のアーチ形状を呈している。
【0046】なお、保護板13の幅方向の両端部に向かう
につれて、断熱材15と固定板12との間の隙間が大きくな
る。そこで、本実施形態では、保護板13からの断熱材15
の剥離を防止するために、図1(a) に示すように、固定
板12に多数の固定部材27を貫着させて、断熱材15を押さ
えている。
【0047】本実施形態の保温部材11は以上のように構
成される。この本実施形態の保温部材11により、搬送テ
ーブルに搭載されて搬送される被加熱材の温度低下を確
実にかつ長期間にわたって抑制することができる。
【0048】また、本実施形態の保温部材11では、温度
変化や温度分布に起因した保護板13の変形や割れに対す
る耐久性が向上する。また、本実施形態の保護板13は、
部分的に補修することが容易であり、補修費の削減を図
ることができる。
【0049】(第2実施形態) 図8は、本実施形態の保温部材(保温カバー)11-1の説
明図であり、図8(a)は正面図、図8(b) は図8(a) に
示す保温部材11−1を下から見た図である。また、図9
は、図8(a) におけるA部の拡大図である。
【0050】本実施形態の説明は、前述した第1実施形
態と相違する部分についてだけ行うこととし、共通する
部分については同一の図中符号を付すことにより、重複
する説明を省略する。
【0051】本実施形態では、断熱材15-1を、保護板13
と固定板12との間に隙間なく、設けている。これによ
り、本実施形態の保温部材11-1は、第1実施形態の保温
部材11よりも、幅方向の温度分布がさらに均一化され、
保温性が向上する。また、断熱材15-1により保護板13の
アーチ形状を形成することができるため、図9に示すよ
うに、カバー端部支持部を簡素化することができる。
【0052】(変形形態) 各実施形態の説明では、保護板13が図1および図2に示
すアーチ形状を呈する場合を例にとった。しかし、本発
明はかかる形態に限定されるものではなく、上方へ向け
て凸となるアーチ形状であれば、等しく適用される。図
10(a) 〜図10(d) は、このようなアーチ形状を有する保
護板13a 〜13d の一例を示す説明図である。本発明は、
これらのアーチ形状を有する保護板13a 〜13d について
も、等しく適用される。
【0053】
【実施例】図1および図2に示す第1実施形態の保温部
材11を、熱延工程のディレーテーブルの上方に設置し
て、被加熱材の搬送を行った。このとき、保護板13は、
幅Wc =1800mm、アーチ高さHc =250 mm、Hc /Wc
=0.139 、L=500 mm、厚さが3mmのSUS310S 板を用い
た。また、隣接する保護板13の重ね合わせ代Aは50mmと
した。
【0054】また、断熱材15は、セラミックファイバー
製で厚みを50mmで均一とし、保護板13と同様のアーチ形
状として、保護板13の上面に締結部材14により固定し
た。さらに、搬送テーブルの上方への設置では、保護板
13の両端部の設置高さが、図11に示す従来の装置におけ
る保護板8の設置高さと同じ高さとなるようにした。
【0055】その結果、設置後半年間以上経過しても、
保護板13の変形は極僅かであり、割れは発生しなかっ
た。これに対し、図11に示す従来の装置では、設置後約
2ヶ月間経過した時点で保護板13に変形や割れが著しく
発生し、部分的に断熱材15が露出した。
【0056】また、このときの保温係数を計算したとこ
ろ、図5に示す結果と略同等であり、約1.0 であった。
このことから、本実施例の保温部材11は、従来の保温部
材と略同等の保温性能を有することが確認できた。すな
わち、本実施例の保温部材11のようにアーチ形状にすれ
ば、幅方向の中央部の高さは高くなって被加熱材との平
均距離は増加するものの、被加熱材を囲む角度が等しけ
れば保温性は略同等であるためであると考えられる。
【0057】したがって、保護板13の両端部を、従来の
保護板13の設置高さと同じ高さにすることにより同等の
保温性を得られ、また保護板13の耐久性が向上したため
に保護板13の設置高さを低下して保温性の向上を図るこ
ともできる。
【0058】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
り、被加熱材の保温部材を構成する保護板の変形や割れ
等を防止し、保護板の耐久性を向上することにより、保
温部材の保温性能を従来よりも長期間にわたって維持
し、これにより保温部材の補修費の低減を図ることがで
きる。
【0059】また、保護板を搬送方向に複数並列させる
ことにより、交換が必要な保護板を部分的に交換するこ
とが、容易となった。かかる効果を有する本発明の意義
は、極めて著しい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の保温部材の説明図であり、図1
(a) は正面図、図1(b) は図1(a) に示す保温部材を下
から見た図である。
【図2】図1(a) におけるA部の拡大図である。
【図3】第1実施形態の保護板の温度分布および変形を
測定する実験に用いた装置を示す説明図であり、図3
(a) は側面図、図3(b) は正面図である。
【図4】保護板の幅方向中央部と端部との間の温度差
と、 (Hc /Wc ) との関係の測定結果を示すグラフで
ある。
【図5】保温係数と、 (Hc /Wc ) との関係の測定結
果を示すグラフである。
【図6】幅方向位置と高さとの関係の測定結果を示すグ
ラフである。
【図7】幅方向位置と高さとの関係の測定結果を示すグ
ラフである。
【図8】第2実施形態の保温部材の説明図であり、図8
(a) は正面図、図8(b) は図8(a) に示す保温部材を下
から見た図である。
【図9】図8(a) におけるA部の拡大図である。
【図10】図10(a) 〜図10(d) は、いずれも、保護板の
アーチ形状の変形例を示す説明図である。
【図11】被加熱材の搬送テーブルの上方に設置された
保温カバーの設置例を示す正面図である。
【図12】保温カバーの構造をその取付け状況とともに
拡大して示す説明図である。
【図13】搬送テーブルの幅方向に関する保護板の中央
部における温度の変化を示すグラフである。
【図14】高温の被加熱材の先端通過時および後端通過
時のそれぞれにおける保護板の幅方向の温度分布を示す
グラフである。
【符号の説明】
11 保温部材 (保温カバー) 12 固定板 13 保護板 14 締結部材 15 断熱材 25 支持部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 39/00 B21B 45/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加熱材の搬送テーブルの上方に設置さ
    れるとともに、断熱材と該断熱材の前記被加熱材の側に
    固定された保護板とを有し、前記被加熱材の温度低下を
    抑制する保温部材であって、少なくとも前記保護板は、 前記搬送テーブルの幅方向を含む垂直断面において、上
    方へ向けて凸となるアーチ形状を呈し、該アーチ形状
    が、アーチ高さの、前記保護板の前記幅方向に関する距
    離に対する比が0.05〜0.3 となる形状であることを特徴
    とする被加熱材の保温部材。
  2. 【請求項2】 被加熱材の搬送テーブルの上方に設置さ
    れるとともに、断熱材と該断熱材の前記被加熱材の側に
    固定された保護板とを有し、前記被加熱材の温度低下を
    抑制する保温部材であって、少なくとも前記保護板は、 前記搬送テーブルの幅方向を含む垂直断面において、上
    方へ向けて凸となるアーチ形状を呈するとともに、 前記幅方向の略中央部において固定支持され、前記幅方
    向の両端部において前記幅方向に移動自在に支持される
    ことを特徴とする被加熱材の保温部材。
  3. 【請求項3】 被加熱材の搬送テーブルの上方に設置さ
    れるとともに、断熱材と該断熱材の前記被加熱材の側に
    固定された保護板とを有し、前記被加熱材の温度低下を
    抑制する保温部材であって、少なくとも前記保護板は、 前記搬送テーブルの幅方向を含む垂直断面において、上
    方へ向けて凸となるアーチ形状を呈するとともに、 隣接するもの同士を重ね合わされて、前記搬送テーブル
    により搬送される被加熱材の搬送方向に2以上並設され
    ることを特徴とする被加熱材の保温部材。
  4. 【請求項4】 被加熱材の搬送テーブルの上方に設置さ
    れるとともに、断熱材と該断熱材の前記被加熱材の側に
    固定された保護板とを有し、前記被加熱材の温度低下を
    抑制する保温部材であって、少なくとも前記保護板は、 前記搬送テーブルの幅方向を含む垂直断面において、上
    方へ向けて凸となるアーチ形状を呈し、該アーチ形状
    が、アーチ高さの、前記保護板の前記幅方向に関する距
    離に対する比が0.05〜0.3 となる形状であるとともに、 前記幅方向の略中央部において固定支持され、前記幅方
    向の両端部において前記幅方向に移動自在に支持される
    ことを特徴とする被加熱材の保温部材。
  5. 【請求項5】 被加熱材の搬送テーブルの上方に設置さ
    れるとともに、断熱材と該断熱材の前記被加熱材の側に
    固定された保護板とを有し、前記被加熱材の温度低下を
    抑制する保温部材であって、少なくとも前記保護板は、 前記搬送テーブルの幅方向を含む垂直断面において、上
    方へ向けて凸となるアーチ形状を呈し、該アーチ形状
    は、アーチ高さの、前記保護板の前記幅方向に関する距
    離に対する比が0.05〜0.3 となる形状であるとともに、 隣接するもの同士を重ね合わされて、前記搬送テーブル
    により搬送される被加熱材の搬送方向に2以上並設され
    ることを特徴とする被加熱材の保温部材。
  6. 【請求項6】 被加熱材の搬送テーブルの上方に設置さ
    れるとともに、断熱材と該断熱材の前記被加熱材の側に
    固定された保護板とを有し、前記被加熱材の温度低下を
    抑制する保温部材であって、少なくとも前記保護板は、 前記搬送テーブルの幅方向を含む垂直断面において、上
    方へ向けて凸となるアーチ形状を呈し、 前記幅方向の略中央部において固定支持され、前記幅方
    向の両端部において前記幅方向に移動自在に支持され、
    さらに 隣接するもの同士を重ね合わされて、前記搬送テーブル
    により搬送される被加熱材の搬送方向に2以上並設され
    ることを特徴とする被加熱材の保温部材。
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