JP3358569B2 - 回路基板用結晶化ガラス組成物、結晶化ガラス焼結体、絶縁体組成物、絶縁体ペーストおよび厚膜回路基板 - Google Patents
回路基板用結晶化ガラス組成物、結晶化ガラス焼結体、絶縁体組成物、絶縁体ペーストおよび厚膜回路基板Info
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Description
路基板において電気絶縁材料として用いられる回路基板
用結晶化ガラス組成物、この結晶化ガラス組成物を焼成
して得られる結晶化ガラス焼結体、また、結晶化ガラス
組成物からなる結晶化ガラス粉末とセラミック粉末とを
含む絶縁体組成物、この絶縁体組成物と有機ビヒクルと
を混合してなる絶縁体ペースト、およびこの絶縁体ペー
ストを焼成して得られた絶縁層を有する厚膜回路基板に
関するものである。
ス組成物または絶縁体組成物もしくは絶縁体ペーストを
低温焼結可能とするとともに、これらを焼成して得られ
た結晶化ガラス焼結体または絶縁層を低誘電率かつ高熱
膨張率とするための改良に関するものである。
集積回路素子の発展の成果として、各種の電子機器の小
型化および高密度化が急速に進められ、それに伴い、半
導体集積回路素子を搭載するための回路基板に対して
も、小型化および高密度化が要求され、回路基板におけ
る電気配線の微細化や多層化が進められている。
度は、その周囲を形成する材料の誘電率が高いほど遅れ
ることが知られており、高速伝播用としての電気絶縁材
料は、低誘電率であることが求められている。
は、電極等の導体材料の熱膨張係数と比較すると、一般
的に小さいため、各種材料を多層化していく場合におい
て、その熱膨張率の差による変形やクラックが問題とな
ってくる。
94号公報では、熱膨張係数の大きい誘電体層を絶縁層
で挟んだ状態で内蔵させた構造のコンデンサ内蔵複合回
路基板を実現するため、特定の割合で含有させたMg
O、SiO2 およびCaOを主成分として絶縁層を構成
することにより、絶縁層の熱膨張係数を大きくすること
が提案されている。この公報に記載された絶縁層は、1
000℃〜1300℃の温度で仮焼し、次いで1240
℃〜1340℃の温度で本焼することによって、フォル
ステライト(Mg2 SiO4 )の主結晶相を析出させ、
それによって、その熱膨張係数を大きくすることが行な
われている。
報に記載の絶縁層を構成する電気絶縁材料は、1100
℃以下の温度での焼結が不可能である。そのため、たと
えば銀を含む導体を表面または内部に形成した回路基板
のための電気絶縁材料としては用いることができない。
O4 )よりも大きい熱膨張係数を有する結晶相として、
メルウィナイト(Ca3 MgSi2 O8 )、モンティセ
ライト(CaMgSiO4 )ならびにカルシウム珪酸塩
(CaSiO3 、Ca3 Si2 O 7 、Ca2 SiO4 ま
たはCa3 SiO5 )が知られているが、上記公報に記
載の絶縁層のための電気絶縁材料は、これらの結晶相の
析出が比較的少ない組成領域となっている。
下の温度で焼結可能であるとともに、フォルステライト
(Mg2 SiO4 )よりも大きい熱膨張係数を有する、
メルウィナイト(Ca3 MgSi2 O8 )、モンティセ
ライト(CaMgSiO4 )ならびにカルシウム珪酸塩
(CaSiO3 、Ca3 Si2 O7 、Ca2 SiO4お
よびCa3 SiO5 のうちの少なくとも1種)の結晶相
を、上述のような1100℃以下の低温で効率良く析出
させることができ、したがって、焼成によって、比誘電
率が12以下、熱膨張係数が12ppm/℃以上といっ
た、低誘電率かつ高熱膨張係数の回路基板のための電気
絶縁材料を与えることができる、回路基板用結晶化ガラ
ス組成物を提供しようとするとともに、この結晶化ガラ
ス組成物を焼成して得られた結晶化ガラス焼結体を提供
しようとすることである。
な結晶化ガラス組成物とセラミック粉末とを含む絶縁体
組成物、これに有機ビヒクルを混合してなる絶縁体ペー
スト、およびこの絶縁体ペーストを焼成して得られた厚
膜回路基板を提供しようとすることで、より特定的に
は、1100℃以下の温度で焼結可能であるとともに、
メルウィナイト(Ca3 MgSi2 O8 )、モンティセ
ライト(CaMgSiO4 )ならびにカルシウム珪酸塩
(CaSiO3 、Ca3 Si2 O7 、Ca2 SiO4 お
よびCa3 SiO5 のうちの少なくとも1種)の結晶相
を、上述のような1100℃以下の低温で効率良く析出
させることができ、したがって、焼成によって、比誘電
率が10以下、熱膨張係数が8ppm/℃以上といっ
た、低誘電率かつ高熱膨張係数の回路基板のための電気
絶縁材料を与えることができる、絶縁体組成物および絶
縁体ペーストを提供しようとするとともに、この絶縁体
ペーストを焼成して得られた絶縁層を有する厚膜回路基
板を提供しようとすることである。
用結晶化ガラス組成物は、上述した技術的課題を解決す
るため、SiO2 とMgOとCaOとを含み、これらS
iO2 とMgOとCaOとの重量%による組成比(Si
O2 ,MgO,CaO)が、添付の図1に示す3元組成
図において、点G(30,19,51)、点H(30,
5,65)、点I(44,5,51)、および点J(4
4,19,37)で囲まれた領域内にあり、当該組成物
を熱処理することにより、メルウィナイト(Ca3 Mg
Si2 O8 )、モンティセライト(CaMgSiO4 )
ならびにカルシウム珪酸塩(CaSiO3 、Ca3 Si
2 O7 、Ca2 SiO4 およびCa3 SiO5 のうちの
少なくとも1種)の結晶相を析出するようにされている
ものであることを特徴としている。
常、これを与える原料を溶融後急冷して得られるもので
ある。
理後に析出するのが通常であるが、熱処理前に既に一部
析出している場合もある。また、これら特定の結晶相以
外の結晶相が含まれることもあり、このような他の結晶
相についても、熱処理後に析出したり、熱処理前に既に
一部析出していたりすることがある。
ような特定の結晶相を析出させるための熱処理は、通
常、その結晶化温度以上の温度で実施される。この結晶
化温度は、1100℃以下であり、したがって、比較的
低温で上述のような特定の結晶相を生成することができ
る。
ス」の用語は、「結晶相を有しているガラス」および/
または「熱処理により結晶相を析出する能力を備えたガ
ラス」の意味で用いられる。
板用結晶化ガラス組成物を焼成して得られた結晶化ガラ
ス焼結体にも向けられる。
gSi2 O8 )、モンティセライト(CaMgSi
O4 )ならびにカルシウム珪酸塩(CaSiO3 、Ca
3 Si2O7 、Ca2 SiO4 およびCa3 SiO5 の
うちの少なくとも1種)のすべての結晶相を含んでい
る。
ガラス組成物からなる結晶化ガラス粉末とセラミック粉
末とを含む、絶縁体組成物にも向けられる。この発明に
係る絶縁体組成物は、セラミック粉末の熱膨張係数が
6.0ppm/℃以上であることを特徴としている。
は、結晶化ガラス粉末は50重量%以上含むようにされ
る。
ック粉末は、好ましくは、アルミナ、フォルステライ
ト、スピネル、クォーツ、ディオプサイト、メルウィナ
イト、モンティセライト、ステアタイト、エンスタタイ
トおよびカルシウム珪酸塩からなる群から選ばれた少な
くとも1種のセラミック粉末である。
有機ビヒクルとを混合してなる、絶縁体ペーストにも向
けられる。
トを焼成して得られた絶縁層を有する、厚膜回路基板に
も向けられる。
び結晶化ガラス焼結体に関するものである。
MgCO3 、およびCaCO3 をそれぞれ準備し、これ
らを、表1に示すようなガラス組成(重量%)となるよ
うに混合した後、得られた混合物を、1500〜175
0℃の温度下で溶融させて溶融ガラスを作製した。その
後、この溶融ガラスを純水中へ投入して急冷した後、粉
砕してガラス粉末を得た。
3元組成図においてプロットされている。図1におい
て、1〜15の各数字は、表1の試料番号に対応してい
る。
インダおよび溶媒としてのトルエンを添加しかつ混合
し、次いで、ボールミルで十分混練することによって、
ガラス粉末を均一に分散させたスラリーを調製した。次
いで、このスラリーを、減圧下で脱泡処理した。
ら、ドクターブレードを用いたキャスティング法によ
り、フィルム上に厚み0.2mmのグリーンシートをそ
れぞれ成形し、これらグリーンシートを、それぞれ、乾
燥させ、フィルムから剥がし、そして、打ち抜くことに
よって、所定の大きさのグリーンシートとした。
層し、プレス成形することによって、成形体を得た。
200℃の速度で昇温しながら、1100℃で2時間焼
成し、結晶化ガラス焼結体を得た。
て、比誘電率、絶縁抵抗、熱膨張係数、1100℃以下
での焼結可否、および結晶相をそれぞれ評価した。
0mm×10mm×0.5mmの寸法の試料を用い、L
CRメータにて、周波数1MHz、電圧1Vrmsおよ
び温度25℃の各条件で、静電容量を測定し、この静電
容量から比誘電率を算出するようにした。
同じ寸法の試料を用い、50V直流電圧を印加し、60
秒後にこれを測定した。
10mmの寸法の試料を用い、30℃〜400℃の温度
範囲における平均熱膨張係数を測定した。
い、評価試料表面のX線回折パターンにより同定した。
なお、表1および表2において、試料番号に*を付した
ものは、この発明の範囲外のものである。
回路基板用結晶化ガラス組成物についての組成範囲の限
定理由について説明する。
し、x、yおよびzは重量%)組成の結晶化ガラスにつ
いて、図1に示す3元組成図において、点A(25,4
5,30)、点B(25,0,75)、点C(44,
0,56)、点D(44,22,34)、点E(40,
19,41)、および点F(29,40,31)で囲ま
れた領域内に、試料1〜11が入っている。
ライト(Mg2 SiO4 )よりも大きい熱膨張係数を有
する、メルウィナイト(Ca3 MgSi2 O8 )、モン
ティセライト(CaMgSiO4 )ならびにカルシウム
珪酸塩(CaSiO3 、Ca 3 Si2 O7 、Ca2 Si
O4 およびCa3 SiO5 のうちの少なくとも1種)の
少なくとも1種の結晶相が析出しており、1100℃以
下の温度で焼結可能であり、また、比誘電率が12以
下、絶縁抵抗(logIR)が9を超え、熱膨張係数が
12ppm/℃以上といった、回路基板のための電気絶
縁材料として好ましい特性を与えている。
D、点E、および点Fで囲まれた領域内のさらに限定さ
れた領域、すなわち、図1に示す3元組成図において、
点G(30,19,51)、点H(30,5,65)、
点I(44,5,51)、および点J(44,19,3
7)で囲まれた領域内にある、試料7〜11によれば、
上述したメルウィナイト、モンティセライトならびにカ
ルシウム珪酸塩のいずれもが析出しており、絶縁抵抗
(logIR)が11を超え、より高い絶縁性が得られ
ている。
よびFの各点を結ぶ領域内の組成であっても、前述した
ガラス化のための急冷によって得られた固化物中に、上
述のような特定の結晶相以外の結晶化物しか析出してい
ないことがある。たとえば、表1の試料10に係るガラ
ス組成物を金属板上で冷却した場合、アケルマナイトが
急冷固化物中に析出してしまい、それを熱処理した場
合、ディオプサイトやアケルマナイトが主結晶となり、
所望の結晶相が析出せず、その結果、熱膨張係数が12
ppm/℃未満となることが確認されている。このよう
に、同一ガラス組成の場合であっても、所望の結晶相を
有する結晶化ガラスが得られるかどうかは、その製造方
法に依存している。
Xでは、表2に示した試料12および13の焼結性から
わかるように、1100℃以下では焼結不十分となり、
絶縁抵抗の劣化を引き起こしている。
1の領域Yでは、表2に示した試料14の熱膨張係数か
らわかるように、熱膨張係数が12ppm/℃未満とな
ってしまう。これは、メルウィナイト、モンティセライ
ト、あるいはカルシウム珪酸塩よりも熱膨張係数が小さ
いフォルステライトが主結晶となってくるためである。
1の領域Zでは、表2に示した試料15の熱膨張係数か
らわかるように、熱膨張係数が12ppm/℃となって
しまう。これは、メルウィナイト、モンティセライト、
あるいはカルシウム珪酸塩よりも熱膨張係数が小さいデ
ィオプサイト(CaMgSi2 O4 )が主結晶となって
くるためである。
のである。
る試料4および11に係る各ガラス粉末を用いた。
からなる粉末を用意した。表3には、各セラミックの熱
膨張係数が示されている。ここで、アルミナ、フォルス
テライト、スピネル、クォーツ、ディオプサイト、メル
ウィナイト、モンティセライト、ステアタイト、エンス
タタイトおよびカルシウム珪酸塩(この実験では、カル
シウム珪酸塩としてCaSiO3 を用いた。)は、それ
ぞれ、6.0ppm/℃以上の熱膨張係数を有してい
る。また、ムライトは、4.0ppm/℃といった6.
0ppm/℃未満の熱膨張係数を有していて、比較例と
して掲げたものである。
れ、表4に示すような組成(重量%)となるように秤量
し、これらの粉末に、有機バインダおよび溶媒としての
トルエンを添加しかつ混合し、次いで、ボールミルで十
分混練することによって、粉末を均一に分散させたスラ
リーを調製した。次いで、このスラリーを、減圧下で脱
泡処理した。
ブレードを用いたキャスティング法により、フィルム上
に厚み0.2mmのグリーンシートをそれぞれ成形し、
これらグリーンシートを、それぞれ、乾燥させ、フィル
ムから剥がし、そして、打ち抜くことによって、所定の
大きさのグリーンシートとした。
層し、プレス成形することによって、成形体を得た。
200℃の速度で昇温しながら、1100℃で2時間焼
成し、絶縁体組成物の焼結体を得た。
いて、実施例1の場合と同様の方法で、熱膨張係数を評
価した。この評価結果が、表5に示されている。表5お
よび前掲の表4において、試料番号に*を付したもの
は、この発明の範囲あるいはこの発明の好ましい実施態
様において規定される範囲から外れたものである。
関するこの発明の範囲あるいはこの発明の好ましい実施
態様において規定される範囲の限定理由について説明す
る。
含まれるセラミック粉末は、6.0ppm/℃以上の熱
膨張係数を有していなければならない。熱膨張係数が
6.0ppm/℃未満のセラミック粉末を用いた場合、
8ppm/℃以上の熱膨張係数を有する焼結体が得られ
ないことがあるからである。
ク粉末として、表3に示すように、熱膨張係数が6.0
ppm/℃未満である4.0ppm/℃のムライト粉末
を用いているが、このように熱膨張係数が6.0ppm
/℃未満であるときには、結晶化ガラスの熱膨張係数が
12ppm/℃以上であっても(表2の試料4および1
1の「熱膨張係数」参照)、表5に示すように、8pp
m/℃以上の熱膨張係数を有する焼結体を得ることがで
きない。
絶縁体組成物は、50重量%以上の結晶化ガラス粉末を
含んでいる。ガラス粉末を50重量%未満しか含まない
場合には、1100℃以下での焼結が困難となったり、
これを絶縁材料として用いた回路基板において初期短絡
を引き起こしたり、湿中負荷試験での信頼性が低下した
りするといった問題が生じることがある。
は、表4に示すように、ガラス粉末を50重量%未満の
40重量%しか含まないので、表5に示すように、十分
な焼結が得られていない。
膜印刷多層回路基板に関するものである。
料に係る組成となるように、ガラス粉末とセラミック粉
末とを秤量し、これらの混合粉末の各々60重量部に対
して、アクリル樹脂をα−テルピネオールに溶解した有
機ビヒクル40重量部を加え、混練することによって、
絶縁体ペーストを作製した。
絶縁層を形成した厚膜印刷多層回路基板を以下のように
作製した。
0.635mmのアルミナ基板を準備し、その上に、A
g/Pdペーストをスクリーン印刷し、空気中、110
0℃で焼成することによって、直径8mmの円形の下層
導体2を形成した。下層導体2は、コンデンサの一方の
電極となるものである。
導体2上にスクリーン印刷し、空気中、1100℃で焼
成することによって、下層導体2上に直径6mmの円板
状の絶縁層3を形成した。
ーン印刷し、空気中で焼成することによって、コンデン
サの他方の電極となる直径4mmの円形の上層導体4を
形成するとともに、この上層導体4の周縁から500μ
mの間隔を隔てて上層導体4を取り囲むように、ガード
電極5を形成し、目的とする厚膜印刷多層回路基板を完
成させた。
極とし、かつ絶縁層3を誘電体層としたコンデンサの特
性を測定して、絶縁層3の特性、具体的には、比誘電率
(ε r )および絶縁抵抗(IR)を評価した。
数1MHz、電圧1Vrms、および温度25℃の条件
下で、ガード電極5でガードをとりながら、静電容量を
測定し、求めた静電容量とコンデンサの寸法とから、比
誘電率(εr )を算出するようにした。
℃および85%RHの条件下で、100Vの電圧を10
00時間印加した後、直流100Vを1分間印加して、
絶縁抵抗(IR)を測定した。
る。
の範囲あるいはこの発明の好ましい実施態様において規
定される範囲から外れたものである。なお、*を付した
試料24および28については、絶縁層3において十分
な焼結が得られなかったため、その特性の評価は実施し
なかった。
〜27、および29〜37、特に、この発明の範囲内に
ある試料25〜27によれば、比誘電率が10以下で、
絶縁抵抗が9を超える特性が得られている。なお、この
発明の範囲外にある試料38においても、同様の特性が
得られているが、この試料38については、前述した実
施例2で示したように、8ppm/℃以上の熱膨張係数
を有する焼結体を得ることができないので好ましくな
い。
に、この発明に係る回路基板用結晶化ガラス組成物によ
れば、SiO2 とMgOとCaOとの組成比が、図1に
示す3元組成図において、点G(30,19,51)、
点H(30,5,65)、点I(44,5,51)、お
よび点J(44,19,37)で囲まれた領域内にあ
り、熱処理することにより、メルウィナイト(Ca3 M
gSi2 O8 )、モンティセライト(CaMgSi
O4 )ならびにカルシウム珪酸塩(CaSiO3 、Ca
3 Si2 O7 、Ca2 SiO4 およびCa3 SiO5 の
うちの少なくとも1種)の結晶相のいずれをも析出する
ようにされているので、1100℃以下の温度で焼結可
能であるとともに、比誘電率が12以下、熱膨張係数が
12ppm/℃以上といった、低誘電率かつ高熱膨張係
数の回路基板のための電気絶縁材料として好適な特性を
与えることができる。
ラス組成物に含まれるSiO2 とMgOとCaOとの組
成比が、図1に示す3元組成図において、点G(30,
19,51)、点H(30,5,65)、点I(44,
5,51)、および点J(44,19,37)で囲まれ
た領域内にある場合には、熱処理することにより、メル
ウィナイト、モンティセライトならびにカルシウム珪酸
塩の結晶相のいずれをも析出し得るので、絶縁抵抗のよ
り高い電気絶縁材料を与えることができる。
晶化ガラス組成物を焼成して得られた結晶化ガラス焼結
体は、小型化かつ高密度化され、信号の高速伝播が要求
される多層基板等の回路基板のための電気絶縁材料とし
て有利に用いることができる。
なように、この発明に係る絶縁体組成物および絶縁体ペ
ーストによれば、上述の結晶化ガラス組成物からなる粉
末に、熱膨張係数が6.0ppm/℃以上のセラミック
粉末が添加されているので、これらを1100℃以下の
温度で焼成することによって、8ppm/℃以上の熱膨
張係数を有し、また、比誘電率が10以下で、絶縁性の
高い電気絶縁材料としての焼結体を得ることができる。
トを用いれば、これを焼成することによって、小型化か
つ高密度化され、信号の高速伝播が要求される厚膜多層
回路基板、たとえば、ハイブリッドIC用基板、パッケ
ージ、チップLCフィルタ、チップディレイライン、チ
ップ積層コンデンサ等における絶縁層を有利に提供する
ことができる。
0重量%以上の結晶化ガラス粉末を含むようにすれば、
1100℃以下での焼結が困難となったり、これを絶縁
材料として用いた回路基板において初期短絡を引き起こ
したり、湿中負荷試験での信頼性が低下したりする、と
いった問題に遭遇することを、確実に防止することがで
きる。
に含まれるSiO2 とMgOとCaOとの組成範囲を示
す3元組成図である。
実施例3において比誘電率および絶縁性の評価のための
用意された厚膜多層回路基板を図解的に示す断面図であ
る。
Claims (7)
- 【請求項1】 SiO2 とMgOとCaOとを含み、 前記SiO2 とMgOとCaOとの重量%による組成比
(SiO2 ,MgO,CaO)が、添付の図1に示す3
元組成図において、点G(30,19,51)、点H
(30,5,65)、点I(44,5,51)、および
点J(44,19,37)で囲まれた領域内にあり、 当該組成物を熱処理することにより、メルウィナイト
(Ca3 MgSi2 O8)、モンティセライト(CaM
gSiO4 )ならびにカルシウム珪酸塩(CaSi
O3 、Ca3 Si2 O7 、Ca2 SiO4 およびCa3
SiO5 のうちの少なくとも1種)の結晶相を析出する
ようにされている、回路基板用結晶化ガラス組成物。 - 【請求項2】 請求項1に記載の回路基板用結晶化ガラ
ス組成物を焼成して得られた結晶化ガラス焼結体であっ
て、メルウィナイト(Ca3 MgSi2 O8)、モンテ
ィセライト(CaMgSiO4 )ならびにカルシウム珪
酸塩(CaSiO3 、Ca3 Si2 O7 、Ca2 SiO
4 およびCa3 SiO5 のうちの少なくとも1種)の結
晶相を含む、結晶化ガラス焼結体。 - 【請求項3】 請求項1に記載の回路基板用結晶化ガラ
ス組成物からなる結晶化ガラス粉末と、熱膨張係数が
6.0ppm/℃以上のセラミック粉末とを含む、絶縁
体組成物。 - 【請求項4】 前記結晶化ガラス粉末を50重量%以上
含む、請求項3に記載の絶縁体組成物。 - 【請求項5】 前記セラミック粉末は、アルミナ、フォ
ルステライト、スピネル、クォーツ、ディオプサイト、
メルウィナイト、モンティセライト、ステアタイト、エ
ンスタタイトおよびカルシウム珪酸塩からなる群から選
ばれた少なくとも1種のセラミック粉末である、請求項
3または4に記載の絶縁体組成物。 - 【請求項6】 請求項3ないし5のいずれかに記載の絶
縁体組成物と有機ビヒクルとを混合してなる、絶縁体ペ
ースト。 - 【請求項7】 請求項6に記載の絶縁体ペーストを焼成
して得られた絶縁層を有する、厚膜回路基板。
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