JP3357536B2 - 自動改札機 - Google Patents

自動改札機

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JP3357536B2 JP13069196A JP13069196A JP3357536B2 JP 3357536 B2 JP3357536 B2 JP 3357536B2 JP 13069196 A JP13069196 A JP 13069196A JP 13069196 A JP13069196 A JP 13069196A JP 3357536 B2 JP3357536 B2 JP 3357536B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乗車券以外の挿入
物が投入されても機器が損傷を受けないようにするとと
もに、自動改札機の処理速度を可能な限り高めることが
できるようにした自動改札機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、特急券と普通乗車券のよ
うに、一人の利用者が複数枚の乗車券を用いてその一人
の利用者の自動改札を行うことのできる複数枚対応型の
自動改札機は、自動改札機本体(以下、本体という)の
挿入口に積層して挿入された複数枚の乗車券を1枚ずつ
に分離して読取ヘッド側に送出する分離部が設けられて
いる。
【0003】上記分離部は、積層して搬送されてくる乗
車券の上下を挾む一対のゴムローラからなるローラを備
えている。そして、一方のローラを駆動状態に保つとと
もに、他方のローラを制動状態に保ち、制動ローラ側の
乗車券の搬送を遅らせて駆動ローラ側の乗車券を先に読
取ヘッド側に送出する制動型の分離部、あるいは、特開
平7−225863号公報に示されるように、一方のロ
ーラにトルクリミッタを設けるトルクリミッタ型の分離
部等の各種の形式が存在している。
【0004】分離部から1枚ずつ送出された乗車券は、
読取ヘッドにより乗車券に記録されているデータが読取
られ、その読取られたデータを基にして演算処理が行わ
れる。そして、その演算処理の結果、入出場を許可でき
る場合は、乗車券に入出場のデータが書込ヘッドで書込
まれ、さらにベリファイヘッドで読取られてチェックさ
れた後、利用者へ返却する必要のある乗車券は排出口へ
排出されて返却され、返却の必要のない乗車券は本体内
に回収される。もちろん、入出場を許可できないとき
は、乗車券は返却されてドアが閉じられるように構成さ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、自動改札機
が上述のような複数枚対応型に限らず、挿入口に硬貨や
クレジットカードのような乗車券よりも厚さが厚く、硬
質の挿入物(以下、このような挿入物を「異物」とい
う)が投入されると、磁気ヘッド等の機器が損傷を受け
るという問題点があった。
【0006】また、複数枚対応型の自動改札機において
は、分離部で乗車券を1枚ずつに分離できない分離ミス
が生じたとき、その後の読取,書込処理が不完全となっ
て自動改札処理ができなくなってしまう。この場合は、
当然、利用者の入出場は拒否される。このような不都合
の原因となる分離ミスを防止するために、分離部の乗車
券の搬送速度は、磁気ヘッドを備えた主搬送路よりも遅
くして、乗車券の分離が正常に行われるように工夫され
ている。したがって、この分離部の搬送速度が改札処理
速度を必然的に低下させる原因となっていた。
【0007】さらに、複数枚対応型の自動改札機におい
て、乗車券への読取り,書込み処理は、1枚の乗車券毎
に行われるので、本体内に乗車券を保留しておく保留部
を有している。したがって、複数枚対応型の自動改札機
は、上述の分離部の搬送速度の低下と合いまって、1枚
挿入型の自動改札機の改札処理時間よりも長くかかると
いう問題点を有していた。
【0008】そこで、本発明は、仮に異物が投入されて
も機器が損傷を受けないようにし、しかも、可能な限り
処理速度を高めることのできる自動改札機を提供するこ
とを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る自動改札機
は、上記目的を達成するために、一人の利用者によって
本体に挿入された複数枚の乗車券でその一人の利用者の
自動改札を行うことのできる自動改札機において、前記
本体の挿入口に挿入された挿入物の厚さを検出する厚さ
検出手段と、その厚さ検出手段が前記本体で処理可能な
乗車券の積層された枚数分の厚さを越えているときに、
前記挿入口に異物が投入されたと判定する判定手段と、
前記判定手段が異物の投入を判定したときに前記本体へ
の挿入物の取込みを禁止する禁止手段と、前記本体に、
積層して挿入された乗車券を1枚ずつに分離する分離機
構を設けるとともに、前記厚さ検出手段が乗車券を1枚
と検出したときに、その分離機構が積層された乗車券を
分離するときの速度よりも速い速度で処理する分離機構
速度制御手段と、を有することを特徴としている。さら
に、前記分離機構を乗車券の搬送方向に沿って複数段に
構成するとともに、前記厚さ検出手段をそれら各段毎に
設け、その分離機構の途中において1枚の乗車券が検出
されたときは、その検出された位置よりもその搬送方向
下流側の段の分離機構の速度を積層された乗車券を分離
するときの速度よりも速くなるように制御する分離機構
速度制御手段を設けたことを特徴としている。そして、
前記厚さ検出手段を前記最終段の分離機構の乗車券の送
出される側に設けるとともに、その厚さ検出手段が乗車
券の積層状態を検出したときは、それら乗車券に対して
データの読取処理等の乗車券処理を行うことなく前記本
体の排出口へ排出することを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は、自動改札機を複数枚対応
型としたときの本体aのカードハンドラA部分の概略構
成図である。
【0011】乗車券(図示せず)を挿入する挿入口1及
び利用者へ乗車券を返却する排出口2間には、モータM
により駆動される乗車券の搬送路Lが設けられている。
【0012】搬送路Lには、挿入口1から排出口2にか
けて、挿入口1に挿入されて本体a内に取込まれた乗車
券の厚さを検出する本発明の厚さ検出手段をなす厚みセ
ンサD1 〜D3 、積層して一括挿入された複数枚の乗車
券を1枚ずつに分離する本発明の分離機構に当る制動型
の分離部S、分離された乗車券の姿勢を整える整列部
3、乗車券に記録されているデータを読取るための読取
ヘッドH1 ,H1 ′、ウイングWを介して読取られた乗
車券を1枚ずつ保留することのできるプール部P、演算
処理によって得られた新たなデータを書込むための書込
ヘッドH2 ,H2′、その書込まれたデータをチェック
するためのベリファイヘッドH3 ,H3 ′、乗車券に使
用状態のパンチ穴をあけるパンチングユニット、又は乗
車券に入場駅名などの所定の内容を印字する印字ユニッ
トからなるパンチ・印字部4が設けられている。なお、
上記各ヘッドH1 ′,H2 ′,H3 ′は、乗車券が裏面
を上に挿入された場合に対応するためのものである。
【0013】上記分離部Sは、乗車券の搬送方向に沿っ
て第1分離部S1 ,第2分離部S2の複数段(図示の例
では2段)に構成されていて、各段の分離部S1 ,S2
はモータm1 ,m2 によりそれぞれ駆動されるように構
成されている。このように2段(複数段)に分離部を構
成することにより、乗車券の分離ミスがより効果的に防
止できるとともに、その段数が増えるにつれて乗車券の
処理枚数を増加させることができる特長がある。なお、
モータm1 ,m2 は1個とし、プーリー及びベルトを介
して各段に動力を伝達するようにしてもよい。
【0014】この分離部Sにおける乗車券の搬送速度
は、通常、読取ヘッドH1 等を備えたモータMにより駆
動される搬送路Lの搬送速度よりも分離ミスを防止する
ために遅く設定されている。
【0015】上記厚みセンサD1 〜D3 のうち厚みセン
サD1 は第1分離部S1 の入口側に、厚みセンサD2
は、第1分離部S1 の下流側、つまり第2分離部S2 の
手前に、そして、厚みセンサD3 は第2分離部S2 の出
口側に設けている。
【0016】これら厚みセンサD1 〜D3 は、図2に示
されるような渦電流式の厚みセンサから構成されてい
る。厚みセンサD1 を例に説明すると、この厚みセンサ
D1 は、下側に固定ローラ10を有しているとともに、
その固定ローラ10の上側に、常時、固定ローラ10側
に押圧されている導電性の可動ローラ11を有してい
る。そして、この可動ローラ11に向けて送信器12か
ら渦電流が放射されるように構成されていて、乗車券イ
等の被搬送物(挿入物)によって可動ローラ11が変化
したとき、その変位が渦電流の変化として、つまり、固
定ローラ10と可動ローラ11との間隔の変化として計
測できるように構成されている。このようにして計測さ
れた信号は、本体aを統括的に制御する制御器Cに入力
されるように構成されている。
【0017】なお、厚みセンサD1 〜D3 は、上述の渦
電流式に限らず、測定物に超音波を照射し反射時間の大
小により計測する超音波式、測定物にレーザービームを
照射し反射時間の大小により計測するレーザー式、又は
測定物に直接触れて変位を電気的に増幅して計測する直
接接触式等を採用することもできる。
【0018】以下、図3のフローチャートを参照して制
御動作を説明する。今、挿入口1に挿入物があったとす
る(ステップ100肯定。以下、ステップをSとす
る。)。また、本体aは、4枚までの乗車券(定期券を
含む)を積層状態に受入れて処理できるものとする。
【0019】挿入口1に挿入された挿入物は、第1分離
部S1の手前に設けられている厚みセンサD1で検出さ
れ、その検出信号は制御器Cに入力される(S10
2)。制御器Cにおいて、厚みセンサD1から得られた
挿入物の厚さが1.2mm以上と判定したとき、挿入口
1には、乗車券以外の異物が投入されたとして、主搬送
路LのモータM及び分離部S用のモータm1,m2を異
常停止させ、挿入物の本体a内への取込みが中止される
(S104肯定、S106)。したがって、異物は少な
くとも読取ヘッドH1,H1′の手前で停止され、読取
ヘッドH1,H1′やその他のヘッド(H2,H2′、
H3,H3′)が異物によって破損されるのを効果的に
防止することができる。
【0020】異物の投入が検出されたとき、本体aは稼
動停止となり、係員によって異物が除去されたのち再稼
動される。
【0021】なお、上述の異物検出用の厚さの1.5m
mは、硬貨のうち最も厚さの薄い1円硬貨の厚さの1.
5mm、及びクレジットカードの厚さの1.2mmから
求められている。この異物検出用の厚さを、本体aが受
入れて処理可能な枚数(図示の場合は4枚)の積層合計
厚さの0.8mm(1枚の厚さ0.2mm×4枚=0.
8mm)を越える場合とすることも可能である。
【0022】次に、挿入口1に1枚で入出場可能な乗車
券が挿入された場合について説明する。
【0023】本体aの挿入口1に乗車券が1枚挿入され
たときは、分離部Sの分離ミスは発生しないので、分離
部Sの搬送速度を高めても何ら差支えない。そこで、厚
みセンサD1 が1枚の乗車券の厚さ(0.2mm)を検
出したときは、分離部Sのローラの制動を解いて分離部
Sの搬送速度が搬送路Lの搬送速度と同じになるように
高められる(S104否定、S108否定、S110否
定、S112否定、S114)。なお、分離部Sの搬送
速度は、モータm1 ,m2 の回転速度そのものを高める
ようにしてもよい。
【0024】上述のように、分離部Sの搬送速度が高め
られると、その分だけ改札処理を高めることができる。
しかも、複数枚対応型の自動改札機においても、複数枚
の乗車券が挿入されるよりは、1枚の乗車券が挿入され
る割合が大きいので、本体aの全体的な処理時間の短縮
を図ることができる。
【0025】厚みセンサD2 において乗車券が1枚と検
出されたときは(S108肯定、S116肯定)、第2
分離部S2 による分離動作は不要なので、分離時の速度
よりも速い速度に調整される(S118)。これによ
り、乗車券の搬送速度が高められる。もちろん、厚みセ
ンサD2 において厚さが0.2mm以上で乗車券が積層
されていると検出されたときは、第2分離部S2 によっ
て分離を行う必要があるので、この場合は、第2分離部
S2 の搬送速度は、遅い速度に設定される(S116否
定、S120)。
【0026】厚みセンサD3 において、厚さが0.2m
mと検出されたとき、分離部Sの分離動作は正常に行わ
れたので、乗車券に対する通常の読取り,書込み等の処
理が行われる(S122肯定、S124)。
【0027】他方、厚さ検出器D3 において、乗車券1
枚を越える厚さが検出されたときは、その後の読取,書
込等の処理が正常にできないので、利用者の入出場は拒
否されるとともに、本体aに挿入された全ての乗車券
は、プール部Pに保留されることなく、しかもデータ書
込等の処理を一切行わずに無処理で排出口2へ排出して
返却される。この際、排出口2の近傍に設けられた図示
しない表示器を介して、又は図示しないスピーカを介し
て、乗車券を1枚ずつ再挿入するようにとの案内が行わ
れる(S122否定、S126)。
【0028】したがって、分離部Sが分離ミスを起こし
た場合でも、乗車券の返却を速やかに行うことができる
ので、結果的に改札処理速度を高めることができる。
【0029】
【発明の効果】本発明に係る自動改札機は、本体の挿入
口に挿入された挿入物の厚さを検出する厚さ検出手段
と、前記厚さ検出手段が前記本体で処理可能な乗車券の
積層された枚数分の厚さを越えているときに、前記挿入
口に異物が投入されたと判定する判定手段と、前記判定
手段が異物の投入を判定したときに前記本体への挿入物
の取込みを禁止する禁止手段と、前記本体に、積層して
挿入された乗車券を1枚ずつに分離する分離機構を設け
るとともに、厚さ検出手段が乗車券を1枚と検出したと
きに、その分離機構が積層された乗車券を分離するとき
の速度よりも速い速度で処理する分離機構速度制御手段
を有するので、異物の投入によって磁気ヘッド等の機
器が損傷を受けるのを効果的に防止することができる
ともに、分離部の搬送速度を高めて改札処理時間を短縮
することができる。
【0030】さらに、分離機構を乗車券の搬送方向に沿
って複数段に構成するとともに、厚さ検出手段をそれら
各段毎に設け、その分離機構の途中において1枚の乗車
券が検出されたときは、その検出された位置よりもその
搬送方向下流側の段の分離機構の速度を積層された乗車
券を分離するときの速度よりも速くなるように制御する
分離機構速度制御手段を設けたときは、搬送速度を高め
て改札処理時間を短縮することができる。
【0031】そして、厚さ検出手段を最終段の分離機構
の乗車券の送出される側に設けるとともに、その厚さ検
出手段が乗車券の積層状態を検出したときは、それら乗
車券に対してデータの読取処理等の乗車券処理を行うこ
となく本体の排出口へ排出するようにしたときは、乗車
券の返却を速やかに行うことができ、結果的に改札処理
効率を高めることができる。
【0032】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る自動改札機のカー
ドハンドラ部分の概略構成図である。
【図2】厚みセンサの詳細図である。
【図3】制御動作を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
1 挿入口 2 排出口 3 整列部 4 パンチ・印字部 H1 ,H1 ′ 読取ヘッド H2 ,H2 ′ 書込ヘッド H3 ,H3 ′ ベリファイヘッド W ウイング L 搬送路 C 制御器 D1 〜D3 厚みセンサ M モータ a 自動改札機本体(本体) A カードハンドラ S 分離部 S1 第1分離部 S2 第2分離部

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一人の利用者によって自動改札機本体に
    挿入された複数枚の乗車券でその一人の利用者の自動改
    札を行うことのできる自動改札機において、 前記自動改札機本体の挿入口に挿入された挿入物の厚さ
    を検出する厚さ検出手段と、 前記厚さ検出手段が前記自動改札機本体で処理可能な乗
    車券の積層された枚数分の厚さを越えているときに、前
    記挿入口に異物が投入されたと判定する判定手段と、 前記判定手段が異物の投入を判定したときに前記自動改
    札機本体への挿入物の取込みを禁止する禁止手段と、前記自動改札機本体に、積層して挿入された乗車券を1
    枚ずつに分離する分離機構を設けるとともに、前記厚さ
    検出手段が乗車券を1枚と検出したときに、その分離機
    構が積層された乗車券を分離するときの速度よりも速い
    速度で処理する分離機構速度制御手段と、 を有することを特徴とする自動改札機。
  2. 【請求項2】 前記分離機構を乗車券の搬送方向に沿っ
    て複数段に構成するとともに、前記厚さ検出手段をそれ
    ら各段毎に設け、その分離機構の途中において1枚の乗
    車券が検出されたときは、その検出された位置よりもそ
    の搬送方向下流側の段の分離機構の速度を積層された乗
    車券を分離するときの速度よりも速くなるように制御す
    る分離機構速度制御手段を設けたことを特徴とする請求
    項1記載の自動改札機。
  3. 【請求項3】 前記厚さ検出手段を前記最終段の分離機
    構の乗車券の送出される側に設けるとともに、その厚さ
    検出手段が乗車券の積層状態を検出したときは、それら
    乗車券に対してデータの読取処理等の乗車券処理を行う
    ことなく前記自動改札機本体の排出口へ排出することを
    特徴とする請求項1又は2記載の自動改札機。
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