JP3357241B2 - 超純水中の微粒子測定用膜等の洗浄方法 - Google Patents

超純水中の微粒子測定用膜等の洗浄方法

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JP3357241B2 JP09516796A JP9516796A JP3357241B2 JP 3357241 B2 JP3357241 B2 JP 3357241B2 JP 09516796 A JP09516796 A JP 09516796A JP 9516796 A JP9516796 A JP 9516796A JP 3357241 B2 JP3357241 B2 JP 3357241B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超純水中の微粒子
数を測定するための膜等を洗浄する方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来技術】超純水の代表的用途である半導体製品の洗
浄用水や薬品製造等の用水については近年高い水質が要
求されるようになってきている。これは、例えば微粒子
は半導体製造の露光−エッチングの過程でパターンの欠
陥原因となるため極僅かな不純物も含まないように製造
された超純水が求められるからである。
【0003】このような超純水は、一般的には、1次純
水装置で有機性,無機性の微粒子、イオン等を除去して
1次純水を製造し、更に1次純水中に僅かに残存する微
粒子、イオン等を2次純水装置で極限まで除去するよう
にした設備で製造された水であり、例えば、要求される
水質基準にもよるが、微粒子について言えば粒径0.1
μm以上のものが1ml当たり1個以下というレベルの
水質が求められる。
【0004】この超純水を製造する設備にあっては、製
造された超純水の水質が目的レベルに維持されているこ
との確認が必要であり、例えば上述した微粒子について
の確認法としては、レーザー散乱や音波を利用したオン
ライン法が知られる他、サンプル採水した超純水をろ過
膜でろ過し、このろ過膜に捕捉された微粒子数を光学式
顕微鏡や走査型電子顕微鏡等を用いて計数する直接検鏡
法(例えば特開昭59−83036号)が一般的な方法
として知られている。
【0005】上記直接検鏡法は、超純水製造設備の出口
水、一般的には2次純水装置の出口水が流れる配管から
サンプリング配管を分岐して超純水の一部を流し、途中
に配置したろ過膜(微粒子数測定用ろ過膜)で一定水量
の超純水をろ過して、該超純水中に含まれる微粒子を捕
捉する操作と、この微粒子捕捉操作を行ったろ過膜につ
いて上記走査型電子顕微鏡等による膜表面の撮影、画像
処理などを行って微粒子数を計数する計数操作とにより
行われるものである。
【0006】なお、微粒子測定用のろ過膜は例えば直径
25mm程度の大きさのものであって走査型電子顕微鏡
等により全膜面を直接観察することは実際上は困難であ
ることから、通常は、視野を移動させて有効ろ過面積の
0.01%前後を実観察し、全有効ろ過面積による捕捉
微粒子数は計算で求めるようにしている。
【0007】ところで、上記操作により行われる超純水
中に含まれる微粒子数の測定は、上記基準で言えば、理
論的には1mlの超純水を通水させた時にろ過膜表面に
捕捉される0.1μm以上の微粒子数が1個以下である
ことを確認すればよいことになる。しかし上記膜は新品
であってもその使用前の段階において製膜過程や取扱過
程で多数の微粒子が不可避的に付着しているのが普通で
あり、膜の種類、製膜法、計数する微粒子の粒径基準値
等にもよるが、この付着微粒子(測定対象の超純水に由
来しない汚染微粒子)の数は、測定範囲を粒径0.1μ
m以上としても105 〜106 個あり、より小さな粒径
(例えば粒径0.05μm以上)まで測定対象とする場
合には107 〜108 個にも及ぶ。
【0008】このため、例えば付着している汚染微粒子
数が106 個程度の膜を用いて水質監視を1個/1ml
以下を基準として行う場合とすれば、捕捉された微粒子
の数が測定精度上の有意な差を示すためには、捕捉数が
汚染微粒子数と同数ないしそれ以上となる程度の水量を
通水させることが必要であり、かつ実測したろ過膜と、
ろ過しない他は条件を同じにした膜をブランク膜として
準備し、両膜に付着している微粒子数を計数しその差分
を求めることでろ過で捕捉された超純水中の微粒子数を
算出する作業が必要で、実際にも従来法ではこのように
して測定が行われていた。
【0009】しかし、この方法では実測定に供した膜と
ブランク膜が別のものであるため、汚染程度が同じでな
いことの影響が避けられない。そこでこの影響をできる
だけ少なくする提案として、膜面の半分を通水できない
ように封じた一つのろ過膜を測定に供する提案がされて
いる(特開平7−167852号)。
【0010】また、水質監視はできるだけリアルタイム
に近い状態で行うことが望ましく、したがってろ過時間
に比例するろ過水量を少なくするために、製膜をクリー
ンルーム内で行いかつ膜作製用の溶液を発塵性の少ない
支持材の上に展開させて膜に付着する汚染微粒子数をで
きるだけ少なくするという提案もされている(特開平3
−248040号)。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、種々の用水
として用いられる超純水は、近時、更に高レベルの水質
が要求される傾向にあり、このため超純水中に含まれる
より小さな粒径の微粒子についても測定が必要になって
微粒子測定用のろ過膜も従来より更に孔径の小さな膜を
使用する必要が増えている。
【0012】このように小さな粒径(例えば粒径0.0
5μm以上)まで測定範囲に含むようになると、次のこ
とが問題になる。その問題の一つは、測定範囲の粒径が
小さくなると計数される汚染微粒子数は107 〜108
個に及ぶほど多くなることは上述した通りであり、その
分測定に必要な通水量が増すことにある。つまり捕捉微
粒子数は、汚染微粒子数かそれ以上とする必要があるか
ら、仮に超純水中の0.05μm以上の微粒子が1個/
1mlとすれば、通水量は108 ml=100klとい
う多量が必要となる。もう一つの問題は、超純水を通水
させるろ過膜のろ過速度は、その孔径が小さくなれば遅
くなるのが通常で、例えば孔径0.1μmのメンブレン
フィルター(ニュークリポア社製)のろ過速度は27.
7ml/min(25℃、0.75kgf/cm2 )で
あるのに対し、孔径0.05μmの同フィルターのろ過
速度は0.7ml/min(25℃、0.75kgf/
cm2 )と大幅に遅くなる。
【0013】したがって、より小さな微粒子まで測定範
囲に含む場合は、孔径が小さくろ過速度が遅い膜に、従
来よりも多量の通水を行わなければならないことになっ
てろ過時間が大幅に延長することになり、例えば通水時
間が数百日以上にも及ぶためにそのままでは実際の装置
に到底適用できないことになる。
【0014】この問題に対しては、製造時の条件で付着
汚染微粒子数を少なくする上記従来提案(特開平3−2
48040号)の方式が解決策として考えられるが、し
かしこの方法は、特殊な環境で製膜する必要があること
に加えて、製膜方法が制限されるという難があり、一般
的、普遍的には採用し難い。
【0015】また、ろ過時間短縮の方法として、例え
ば、微粒子数測定用ろ過膜装置の上流側にポンプ,ガス
を利用した適宜の加圧手段を設けたり、透過側に減圧手
段を設けてろ過速度を増大させることが考えられるが、
加圧手段を用いることは超純水中に加圧手段由来の微粒
子が混入して測定結果に悪影響する虞れを招き、また付
帯設備が増えるという問題がある。
【0016】本発明者は、以上のような従来技術の下
で、製膜法等に制限されることなく、例えば汚染微粒子
数が107 〜108 個の状態で製造されるろ過膜の汚染
微粒子数を105 〜106 個程度まで低減できれば、超
純水中に含有される微粒子を測定する時に膜に通すろ過
水量を大きく低減でき、したがってこれに比例するろ過
時間の短縮に有効である点に着目して、製造時に膜に付
着した微粒子の除去方法を検討した。
【0017】そして、膜表面付着物を洗浄で除去する場
合に、一般的な洗浄では微粒子の汚染状況の改善は不十
分であるが、本発明者が見出した方法によれば、製造に
由来して膜に付着している微粒子を高率に除去すること
ができることを知見して本発明をなすに至ったものであ
る。
【0018】本発明は、この知見に基づいて、上記測定
用膜に付着している汚染微粒子をできるだけ高率に除去
でき、したがって超純水中に含有される微粒子の測定に
有効に用いることができる測定用ろ過膜の洗浄方法を提
供するためになされたものである。
【0019】また本発明は、超純水をサンプル採水して
測定用膜に通水する系に用いる種々の部品の接液面を洗
浄することで、該超純水に含まれる微粒子以外の微粒子
が測定用膜に捕捉されて測定誤差を招くことを防止する
ことを別の目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本願
の請求項1の本発明は、超純水製造装置で製造された超
純水の通水により該超純水中に含まれる微粒子を捕捉し
て測定する測定用膜を洗浄する方法において、超純水を
電気分解(以下単に「電解」という)して得られる電解
カソード水により前記測定用膜を洗浄することを特徴と
する。
【0021】なお、洗浄は、測定用膜の全面について行
う必要はなく、測定のために微粒子を捕捉する面、すな
わち、測定対象の超純水を透過させる際の非透過側の面
のみを洗浄すれば足りる。
【0022】また本願の請求項2の発明は、超純水製造
装置で製造された超純水を測定用膜に通水して該超純水
中の微粒子を捕捉測定する測定通水系を構成する部品の
接液面を、超純水を電気分解して得られる電解カソード
水により洗浄することを特徴とする。このような部品と
しては、例えば測定用膜を測定系にセットするためのホ
ルダー、超純水通水配管から採水するためのジョイン
ト、採水した超純水の通水配管等を挙げることができ
る。
【0023】このような部品を洗浄することで、本来超
純水に含まれていたものでない部品付着の微粒子が測定
用膜に捕捉される結果、測定誤差を招くという問題の影
響を可及的に小さくすることができる。
【0024】上記において、電解カソード水のpHは特
に限定されるものではないが、好ましくはpH6以上、
より好ましくはpH8以上、最適にはpH9〜11とし
て用いることがよい場合が多い。このようなpH調整は
塩基を添加して行うことができ、pH調整した電解カソ
ード水は、電解質を添加した電解質水溶液を電気分解し
て得てもよいし、超純水を電解した電解カソード水に塩
基を添加することで得てもよい。添加する電解質として
は、各種の塩基、例えばアンモニア、アミン系等の塩基
等を用いることができ、特にアンモニアが好ましい。
【0025】また電解反応時にカソード電極付近で生成
する水素により還元性を示す電解カソード水は、標準水
素電極電位に対して酸化還元電位−100mV以下、よ
り好ましくは(標準水素電極電位に対して:以下におい
て同じ)酸化還元電位−600mV〜−100mVのも
のを用いるのが好ましい場合が多い。
【0026】本発明においては、電解カソード水を得る
ために電解する超純水は、微粒子含有量が、測定対象の
超純水と同等ないしこれよりも少ない超純水を被処理水
として用いることが好ましい。
【0027】本発明において「超純水を電解」するとい
うのは、超純水に単に直流電圧を印加することを意味し
ていて、その結果として直流電流が通電されて水が酸
素,水素に分解されるなどの電気分解反応が起こる場合
を必ずしも意味するものではないが、本発明において
は、上記測定用膜の洗浄のために超純水を電解したカソ
ード水を用いることが必須であり、非電解の超純水、超
純水の電解アノード水、あるいは通常の洗浄薬剤(アン
モニア水等)を用いた場合に比べて優れた汚染微粒子の
除去効果を得ることができる。
【0028】超純水の電解は例えば、隔膜により槽内
を、正の電圧を印加する電極(アノード電極)を配した
アノード室と、負の電圧を印加する電極(カソード電
極)を配したカソード室とに区分した二槽式電解装置、
あるいはアノード室とカソード室の間にそれぞれ隔膜で
された中間室を有する三槽式電解装置を用いて行う
ことができ、本発明の上記超純水の電解カソード水はこ
のカソード室から得られる電解水をいい、カソード電極
付近で水素等が生成するためにそのままで還元性を示
す。なおこの電解装置の構造材,電極等の構成部材は、
微粒子が溶出しない素材のものを用いて構成することが
好ましい。例えば構造材としては、ポリ塩化ビニル(P
VC)、ポリプロピレン(PP)、アクリル樹脂等の有
機材料や、セラミックス、ガラス等の無機材料、及び接
液面にゴムライニングや酸化皮膜処理等の表面処理を施
した金属材料等から好ましいものを選択することがで
き、また隔膜としては、例えばセルロース、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、フ
ッ素樹脂等の高分子材料や、セラミックス等の無機材料
等よりなるフィルタ又は有孔性フィルム、イオン交換膜
等を用いることができる。イオン交換膜を用いれば、イ
オン交換膜の導電性によって電解電圧を低下させ一定の
電解電流を流す場合の消費電力を節約できる。また電極
とイオン交換膜を密着させるように配置することは、更
に電解電圧を低下させ、消費電力を節約できる利点があ
るので好ましい構成である。更にまた、カソード室と中
間室を区分する隔膜にアニオン交換膜を用いた場合に
は、膜のイオン排除効果により、カソード室より中間室
へ拡散する還元性物質の量を低減することもできる。こ
のようなアニオン交換膜としては、フッ素樹脂母体に陰
イオン交換基を導入したアニオン交換膜、例えばTOS
FLEX IE−SA,TOSFLEX IE−DF,T
OSFLEX IE−SF(東ソー社製)等や、又はス
チレン−ジビニルベンゼン共重合体を母体とするアニオ
ン交換膜、例えばネオセプタAMH(徳山曹達社製)等
を挙げることができる。
【0029】アノード,カソードの電極としては、金
属、合金、金属酸化物等、あるいはこれらの金属等基板
に前記いずれかの金属等をメッキ又はコーティングした
ものや、焼結炭素等の導電性材料を用いることができ、
その形状としては、板状、パンチングプレート、メッシ
ュ等のものを用いることができる。特に、カソードの材
質としては、耐アルカリ性に優れたものであることが望
ましく、例えばPt、Pd、Au、炭素鋼、ステンレ
ス、Ag、Cu、グラファイト、ガラス質カーボン等の
使用が望ましい。
【0030】洗浄操作は、限定されるものではないが、
例えば槽内に膜、該膜をセットするためのホルダー等を
保持して、超純水の電解カソード水を連続してオーバー
フローするように流す方法が好ましく採用される。配管
については管内に電解カソード水を通水させる方法を挙
げることができる。この電解カソード水を接触させる洗
浄操作は、例えば3分間以上、好ましくは30〜60分
程度行うことがよい。3分未満では洗浄効果が不十分で
あり、他方あまり長時間洗浄しても時間のわりに効果の
増大が乏しいので上記範囲とされる。
【0031】カソード水の流水を膜表面に流した後は、
この膜表面に同様の操作により超純水の流水を流してす
すぎ処理することが好ましい。これにより電解質の析出
を抑制することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
実施形態1 図1は、本発明の測定用膜を洗浄するための装置の一例
を示しており、この図において、1は洗浄対象の測定用
膜であり、バッチ式測定用膜洗浄槽2の槽内に適宜の保
持手段で洗浄用水に浸漬した状態とし、洗浄用水を供給
しながらオーバーフローさせる操作方法で洗浄した後、
三方弁3で流路を切換え、同様のオーバーフロー方式に
よりすすぎ水ですすぎ処理することで本発明の膜洗浄を
行うものである。洗浄処理された膜は、汚染の虞のない
雰囲気下において所定のホルダーに装填され、測定に使
用される。
【0033】そして本例においては、洗浄用水とすすぎ
水は、上記洗浄槽2に対して次のように供給される。す
なわち、従来の一般的な構成である超純水製造装置4の
二次純水(超純水)製造系の出口(超純水送出口)から
一次純水製造系と該二次純水製造系の間に設置される一
次純水タンクに戻すように循環系41が配管されると共
に、その循環系41の途中でユースポイントに超純水を
給水する分岐配管(図示せず)が設けられている超純水
製造設備において、その循環系41の途中から、上記の
洗浄槽2に超純水をすすぎ水として供給する配管42を
分岐接続すると共に、洗浄槽2に供給する洗浄用水を製
造するための電解装置(電解質水溶液電解装置)5に超
純水を給水する配管43を分岐接続し、この電解装置5
のカソード室51で生成されたカソード水を配管55を
介して洗浄槽2に供給するように設けられている。54
は上記配管43を三つに分岐してカソード室51,アノ
ード室52,中間室53にそれぞれ超純水を供給するよ
うに接続された配管のうちのカソード室51への供給配
管である。なお6は、カソード水を洗浄槽2に供給する
配管55の途中に設けられたろ過用フィルタであり、こ
れは例えば次記するアルカリ添加手段からの微粒子混入
等を考慮して、これを除去するために設けられる。
【0034】なお本例では、アンモニア水貯槽7からポ
ンプ8により供給管9を介して上記カソード室への配管
54にアンモニア水を注入できるように設けられてお
り、このようなアルカリ添加手段を設けることで、例え
ば、アンモニア濃度2mM/リットルのカソード供給水
を電気分解した希薄アンモニア電解水としてのカソード
水を得ることができる。
【0035】図2は、上記図1の洗浄装置の洗浄用水で
ある電解カソード水を製造する装置の一例、すなわち上
記した三槽式構造の電解装置5と、これに流れる水の配
管接続の関係を模式図として拡大して示したものであ
り、この図2において、カソード室51、アノード室5
2と、これらの間に仕切りとして設けた固体電解質であ
るイオン交換膜15,16により区分された中間室53
を有するように設けられていて、各室に入口管17から
超純水が供給されるようになっている。なお中間室53
には固体電解質であるイオン交換樹脂が充填されてい
る。
【0036】そして、カソード室51に配置されたカソ
ード電極18と、アノード室52に配置されたアノード
電極19との間に印加された直流通電により、供給され
る超純水が電解され、生成されたカソード水はカソード
水出口管20(図1の55)から流出され、アノード水
はアノード水出口管21から流出される。なお中間室水
は出口管22から流出される。
【0037】このような構成の図2の電解装置5は、電
解質を殆ど含まない超純水を電解する際に、カソード電
極18とアノード電極19との間の固体電解質であるイ
オン交換膜15,16および中間室53内のイオン交換
樹脂が、電極間の電子の授受の担体となり、低電圧で超
純水の電解が行えると共に、イオン交換樹脂を充填した
中間室53を設けたことによって、カソード室51とア
ノード室52との間の液が混じり合うことを防止でき
る。
【0038】そして本例の図2に示した電解装置5で
は、図1に示したようにカソード室51への超純水供給
管54に、アンモニア水添加を行うことで、例えば所定
濃度のアンモニア電解カソード水が出口管20から流出
され、これを上記図1の洗浄槽2に供給することで、測
定用膜1の洗浄が行われる。
【0039】
【実施例】
実施例1 図1,図2の装置を用いて、以下の条件で測定用膜の洗
浄を行った。
【0040】測定用膜 アノポアメンブレン(ワットマンジャパン(株)社製) 孔径0.02μm、流速98ml/min(1.2kg
f/cm2 ) 洗浄水 超純水にアンモニアを2mM/リットル添加し20A、
電圧26Vで電解した電解カソード水、酸化還元電位−
600mV、pH10以上の洗浄を、図1の洗浄槽の排
水管から流出される排水中に含まれる微粒子の濃度が1
個/mlになるまで継続して行い、その時間を計ったと
ころ、洗浄初期には排水中に1268個/mlの微粒子
が含まれていたが、上記アルカリ性の電解カソード水で
30分洗浄後、非電解超純水の1時間洗浄により、排水
中微粒子が1個/mlとなった。
【0041】なお、排水中の微粒子数は、SPLCA
(富士電機(株)社製)を用いて計数した。
【0042】比較例1 比較のために、電解を行わない非電解超純水のみで洗浄
を行ったところ、排水中微粒子が1個/mlとなるまで
に6時間を要した。
【0043】これら実施例1と比較例1の比較から、本
発明方法の洗浄により、迅速に微粒子が膜表面から除去
されることが確認された。
【0044】実施例2(A,B),比較例2(C,D,
E,F,G) 図1,図2の装置を用いて、測定用膜の洗浄を下記表1
に示した各洗浄液を用いてそれぞれ同じ時間(30分
間)だけ洗浄を行った。結果を下記表1に示した。
【0045】膜表面の微粒子数測定は、次の走査型電子
顕微鏡を用いた直接検鏡法により行った。
【0046】 走査型電子顕微鏡:S−570(日立製作所社製) エミッション電流:100mA 加速電圧 :20kV なお、本例における洗浄試験は、より厳しい0.03μ
m以上の微粒子を対象として行い、上記測定用膜の洗浄
前の膜表面付着微粒子数は、0.03μm以上を基準と
した場合7.3×108 個であり、下記表1の各洗浄後
の汚染微粒子数は0.03μm以上を基準として計数し
た場合を示している。
【0047】
【表1】
【0048】この表1の結果から分かるように、電解ア
ノード水では非電解超純水と同程度の微粒子除去しかで
きないのに対し、本発明の電解カソード水を用いた洗浄
によれば、他の液を用いた洗浄よりも高率に汚染微粒子
を除去できることが確認された。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、超純水に含まれる微粒
子を捕捉して測定する測定用膜に付着している汚染微粒
子を、例えば非電解超純水を用いて洗浄する場合に比べ
て3倍以上という高率で除去でき、したがって実際の超
純水製造装置で製造されている超純水中に含有される微
粒子を測定する場合に、この膜に通水する超純水の必要
水量を低減でき、短時間で測定を行えるという効果が得
られる。
【0050】これにより、短い間隔で超純水中の微粒子
数を測定することができて、実際の工業的装置に適用す
ることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法により超純水中の微粒子測定用膜を
洗浄するための装置の構成概要の一例を模式的に示した
図。
【図2】図1の洗浄装置に給水する電解カソード水を製
造する電解装置の一例を模式的に示した図。
【符号の説明】 1・・・測定用膜、 2・・・洗浄槽、 3・・・三方弁、 4・・・超純水製造装置、 41・・・循環系、 42・・・(すすぎ水供給)配管、 43・・・(電解装置への給水)配管、 5・・・電解装置、 51・・・カソード室、 52・・・アノード室、 53・・・中間室、 54・・・(カソード室への供給)配管、 55・・・(洗浄槽へのカソード水供給)配管 6・・・ろ過用フィルタ、 7・・・アンモニア水貯槽、 8・・・ポンプ、 9・・・供給管、 15,16・・・イオン交換膜、 17・・・入口管、 18・・・カソード電極、 19・・・アノード電極、 20・・・カソード水出口管、 21・・・アノード水出口管、 22・・・中間室水出口管。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−16438(JP,A) 特開 平7−148423(JP,A) 特開 昭59−55312(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 65/06 B01D 65/02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超純水製造装置で製造された超純水の通
    水により該超純水中に含まれる微粒子を捕捉して測定す
    る測定用膜を洗浄する方法であって、超純水を電気分解
    して得られる電解カソード水により前記測定用膜を洗浄
    することを特徴とする超純水中の微粒子測定用膜の洗浄
    方法。
  2. 【請求項2】 超純水製造装置で製造された超純水を測
    定用膜に通水して該超純水中の微粒子を捕捉測定する測
    定通水系を構成する部品の接液面を、超純水を電気分解
    して得られる電解カソード水により洗浄することを特徴
    とする超純水中の微粒子測定通水系に用いる部品の洗浄
    方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、電解カソード
    水は、pH6以上に調整されたものであることを特徴と
    する超純水中の微粒子測定用膜等の洗浄方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
    電解カソード水は、標準水素電極電位に対して酸化還元
    電位−100mV以下の還元性を有することを特徴とす
    る超純水中の微粒子測定用膜等の洗浄方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかにおいて、
    電解カソード水を得るために電気分解する超純水は、微
    粒子含有量が測定対象の超純水と同等ないしこれよりも
    少ない超純水であることを特徴とする超純水中の微粒子
    測定用膜等の洗浄方法。
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