JP3357203B2 - 合成樹脂製パレット - Google Patents

合成樹脂製パレット

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JP3357203B2
JP3357203B2 JP26875194A JP26875194A JP3357203B2 JP 3357203 B2 JP3357203 B2 JP 3357203B2 JP 26875194 A JP26875194 A JP 26875194A JP 26875194 A JP26875194 A JP 26875194A JP 3357203 B2 JP3357203 B2 JP 3357203B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フォーク差込口を二側
面に有し、二方向からフォークを差し込み可能な二方差
し合成樹脂製パレットに係り、パレットを回転あるいは
移動させる際にフォークを突き当てるパレットの側面部
分の補強に関する。
【0002】
【背景技術】従来より、様々な物品を運搬するにあたっ
て、パレットの上にその物品を積載し、フォークリフト
を用いてこのパレットとともに物品を持ち上げて運ぶ方
法が行われている。このような物品を積載して運ぶため
のパレットには、種々のタイプのものがあるが、フォー
クを差し込むためのフォーク差込口が設けられた方向に
よって、二方差しタイプのもの、四方差しタイプのもの
がある。また、材質により木製パレット、金属製パレッ
ト、合成樹脂製パレット等がある。
【0003】このうち二方差しパレットは、強度が高い
という利点があり、特に木製パレットでは二方差しタイ
プのものが最も多い。ところが、二方差しパレットは、
フォークを四方向のうち二方向からしか差し込むことが
できないため、パレットを持ち上げる際には、フォーク
差込方向に回り込んでからフォークを差し込まなければ
ならず、手間がかかり、使い勝手が悪いという問題があ
る。また、二方差しパレットでは、例えばパレットの姿
勢修正を行う際などに、差込口が設けられていないパレ
ットの側面部分(フォーク差込方向に沿って配置された
複数本の桁のうち両端に位置する端桁の側面部分)にフ
ォークを突き当ててパレットを回転あるいは移動させる
必要が生じることがあるが、この際にパレットの側面部
分が損傷するおそれがある。このため、現状では四方向
のうちいずれの方向からもフォークを差し込むことがで
きて前述したような操作性不良や損傷の問題の生じない
四方差しパレットが好まれる傾向にある。
【0004】一方、材質上の観点では、木製パレットは
木材資源の逼迫から供給が安定しないうえ、耐久性、耐
薬品性に乏しく、かつ製作上の煩雑さ等の欠陥がある。
また、金属製パレットは高価である、重い、腐食しやす
いなどのことから、近年では合成樹脂製パレットが多く
採用されるようになってきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、四方差
しパレットでは、二方差しパレットに比べてフォーク差
込口が多いことから強度が低くなるため、この分だけ強
度確保を図らなければならないが、強度確保を図ると重
量が大きくなるという問題がある。特に、合成樹脂製パ
レットの場合には、高強度化を図ると非常に重量が大き
くなるという問題がある。このため、軽量なままで必要
強度を確保できる二方差しパレットを、四方差しパレッ
トと同等の操作性を有するものに改良することが望まれ
ている。ところで、二方差しパレットの操作性を向上さ
せるには、前述した端桁の側面部分の損傷の問題を解消
しなければならない。つまり、操作性を向上させるため
には、二方差しパレットの方向転換を円滑に行える必要
があり、円滑な方向転換を行うためには、二方差しパレ
ットの端桁の側面部分をフォークの先端(爪)で突くと
効率的だからである。
【0006】ところが、従来の合成樹脂製の二方差しパ
レットでは、物品の積載に必要な全体的な強度は十分に
確保されているものの、端桁の内部は中空で側面部分は
板状になっていることからフォーク突きに十分に対応で
きる程には側面部分の強度は確保されておらず、特に、
上下二分割成形により形成された二分割タイプの二方差
しパレットの場合には、上下方向の中央部に溶着ライン
があるため、さらに側面部分の強度が低いため、フォー
ク突きを行うと溶着が剥がれて破損しやすいという問題
があった。
【0007】また、端桁の側面部分のフォーク突きによ
る方向転換に対し、フォーク差込口に斜めにフォークを
差し込み、フォークの側面で押しながら二方差しパレッ
トの方向転換を図ることも考えられるが、この場合には
一回の操作での回転幅が小さいため、操作を何度も繰り
返さなければならず、四方差しパレットと同等の操作性
を確保するまでには到らない。なお、合成樹脂製の二方
差しパレットの各部の補強を行う各種の提案(特公昭5
2−4374号、特開昭50−117145号、実公昭
58−9868号公報等参照)がなされているが、これ
らはいずれも端桁の側面部分の補強を行うものではな
く、これらではフォーク突きに対応できるパレットを提
供することはできない。
【0008】本発明の目的は、二方差しパレットの回転
あるいは移動操作を端桁の側面部分から行うことがで
き、操作性の向上を図ることができるとともに、軽量な
合成樹脂製パレットを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、二方差しパレ
ットの端桁の側板部(側面部分)を補強して前記目的を
達成しようとするものである。具体的には、本発明の合
成樹脂製パレットは、フォーク差込口を二側面に有し、
二方向からフォークを差し込み可能な二方差し合成樹脂
製パレットにおいて、前記フォーク差込口が形成された
二側面と直交する方向の二側面は、フォーク差込方向に
沿って配置された複数本の桁のうち両端に位置する端桁
の側板部により形成され、これらの側板部の少なくとも
一部分には、フォークの突き当てに対応するための補強
が行われた補強区画が形成され、この補強区画には、
板部と交差する方向に側板部から内側に向かって複数の
補強リブが設けられ、これらの補強リブは、それぞれ前
記端桁の高さ全体に渡ってかつ前記端桁の幅の1/10
以上に渡って設けられるとともに、各補強リブと前記側
板部との接続箇所は100mm以下の間隔で配置されて
おり、補強リブの側板部とは反対側の端部には各補 強リ
ブの端部を連結する連結リブが設けられていることを特
徴とする。ここで、補強リブでの補強に加え、側板部の
少なくとも一部分の外側に、補強用の当て板を設けてお
いてもよい。
【0010】そして、以上に述べた合成樹脂製パレット
において、補強リブを含む補強の行われた補強区画の側
板部の板厚は、補強の行われていない非補強区画の側板
部の板厚よりも10%以上厚肉とされていることが好ま
しく、20%以上厚肉とされていることがより好まし
い。さらに、以上に述べた合成樹脂製パレットにおい
て、補強リブを含む補強の行われる補強区画は、側板部
の長手方向の全長に渡って形成されていてもよく、ある
いは側板部の一部分に形成されていてもよい。しかし、
補強を必要最小限として軽量化を図るという観点から、
側板部の長手方向の寸法をL、同一側面に形成された複
数のフォーク差込口の最も外側の端縁間の距離であるフ
ォーク差込幅をAとして、補強区画は、側板部の長手方
向両端部からそれぞれL−A以上でかつL/2よりも小
さい長さに渡って形成されていることが好ましい。そし
て、より好ましくは、L−A以上でかつ(2/5)×L
よりも小さい長さに渡って形成されているのがよい。こ
こで、「補強リブを含む補強」とされているのは、パレ
ットでは、コーナー部(パレットの四つの角部)専用の
補強が行われている場合があるが、このような場合に
は、そのコーナー補強の行われた部分の側板部を含めて
補強区画とする意味である。なお、コーナー部のみの補
強は、従来より行われている(特開昭50−11714
5号公報参照)。
【0011】また、補強リブを含む補強の行われた補強
区画の側板部に、凹部を形成し、フォークから受ける力
が確実に補強区画のみにかかるようにしてもよい。
【0012】
【作用】このような本発明においては、二方差しパレッ
トのフォーク差込口が形成されてない二側面である端桁
の側板部にフォークの先端を突き当てることにより、二
方差しパレットの回転あるいは移動を行う。この際、端
桁の側板部には補強リブまたは補強リブ及び当て板によ
り補強された補強区画が形成されているので、この補強
区画にフォークの先端を突き当てれば、端桁の側板部を
損傷させることなく、二方差しパレットの円滑な回転あ
るいは移動が行われ、これにより二方差しパレットの操
作性の向上が図られる。つまり、フォーク差込方向に回
り込んでフォークを差し込む必要がなくなり、四方差し
パレットと同等な操作性が得られる。
【0013】また、端桁の側板部のみの補強であるた
め、パレット全体としては、この部分の補強の行われて
いない従来の合成樹脂製の二方差しパレットに比べ、殆
ど重量は増加していないので、四方差しパレットに比
べ、軽量なものとなり、これらにより前記目的が達成さ
れる。
【0014】そして、補強リブまたは補強リブ及び当て
板による補強に加え、補強区画の側板部の板厚を非補強
区画の側板部の板厚よりも10%以上厚肉化しておけ
ば、より一層の補強効果が得られる。さらに、側板部の
長手方向の寸法をL、同一側面に形成された複数のフォ
ーク差込口の最も外側の端縁間の距離であるフォーク差
込幅をAとして、補強区画を、側板部の長手方向両端部
からそれぞれL−A以上でかつL/2よりも小さい長さ
に渡って形成した場合には、補強を必要最小限のものと
することができるため、軽量化が図られる。
【0015】また、補強リブまたは補強リブ及び当て板
を含む補強の行われた補強区画の側板部に、凹部を形成
しておけば、フォークの先端をこの凹部に突き当てるこ
とにより、フォークから受ける力は確実に補強区画のみ
にかかるようになり、操作中に誤って補強区画以外の部
分に過大な力が作用することはなくなるため、パレット
の破損はより確実に防止される。
【0016】
【実施例】以下、本発明の各実施例を図面に基づいて説
明する。 [第一実施例] 図1には、本発明の第一実施例の合成樹脂製パレット1
0の全体斜視図が示されている。パレット10は、互い
に平行に配置された矩形形状を有する上下のデッキボー
ド11,12と、これらのデッキボード11,12の間
に設置されてこれらを接続する互いに平行に配置された
三本の桁13とを備えている。三本の桁13は、それぞ
れ上下方向の中央位置で二分割されており、この分割面
は、溶着面14となっている。そして、パレット10
は、上側のデッキボード11およびこれと同時に成形さ
れる各桁13の上側部分と、下側のデッキボード12お
よびこれと同時に成形される各桁13の下側部分とを、
それぞれ別々に分割して形成しておき、これらを溶着面
14で溶着することにより一体に形成されている。ま
た、デッキボード11,12の大きさの一例を挙げる
と、桁13に直交する方向の外形寸法W=1300m
m、桁13に沿う方向の外形寸法L=980mmなどで
ある。
【0017】各桁13の間であって上下のデッキボード
11,12により挟まれた空間には、フォークリフトの
フォーク18を差し込む差込部15が二本形成されてい
る。そして、これらの各差込部15はその両側にフォー
ク差込口16を有しており、パレット10は二方向(図
1中C,D方向)からフォークを差し込むことができ
る、いわゆる二方差しタイプのパレットとなっている。
また、パレット10の同一側面に形成された二つのフォ
ーク差込口16の外側端縁間の寸法(フォーク差込幅)
Aの一例を挙げると、A=1000mmなどである。
【0018】図2には、三本の桁13のうち両端に位置
する端桁13Aの詳細断面図が示されている。端桁13
Aは、外周部分を形成する周壁21と、この周壁21お
よび上下のデッキボード11,12により囲まれた空間
の内部に適宜な間隔で形成された複数の内部リブ22と
を備えた中空構造を有している。端桁13Aの周壁21
のうち図2中左側部分である側板部23、つまりパレッ
ト10の四側面のうちフォーク差込口16の形成されて
ない二側面に位置する部分には、フォーク突き方向(図
1中E,F方向)からのフォーク突きに対応するための
補強が行われた補強区画50が形成されている。なお、
図1中には二点鎖線によるハッチングで補強区画50が
示されている。この補強区画50は、側板部23の長手
方向両端部から始まり、その長さBは、それぞれL−A
≦B<L/2、より好ましくはL−A≦B<(2/5)
×Lとされている。例えば、L=980mm、A=10
00mmの時に、B=290mmなどである。また、補
強区画50は、側板部23の長手方向両端部近傍の外側
の補強区画40と、これよりも中央寄りの内側の補強区
画30とにより構成されている。
【0019】内側の補強区画30には、側板部23と直
交する方向に側板部23から内側に向かって互いに平行
に配置された複数の補強リブ31が設けられている。各
補強リブ31は、それぞれ端桁13Aの高さ全体に渡っ
て、つまり上下のデッキボード11,12間全体に渡っ
て設けられている。各補強リブ31の長さYは、端桁1
3Aの幅Xの1/10以上、好ましくは1/7以上に渡
っている。例えば、端桁13Aの幅X=150mmに対
して各補強リブ31の長さY=40mmなどである。各
補強リブ31は、互いに100mm以下の間隔Zで設け
られている。例えば、図2において、補強区画30の長
さがN=200mmの場合に、Z=33.3mmなどで
ある。なお、各補強リブ31は、必ずしも等間隔で設け
られている必要はなく、各間隔Zがそれぞれ100mm
以下(つまり、フォーク18の先端幅以下)となってい
ればよい。
【0020】各補強リブ31の側板部23とは反対側の
端部には、各補強リブ31の端部を連結する連結リブ3
2が設けられている。これにより、補強区画30には、
各補強リブ31と連結リブ32と側板部23とにより囲
まれた複数のセル33が形成され、補強効果のより一層
の向上が図られている。
【0021】端桁13Aの周壁21には、溶着面14に
おける溶着面積確保のための複数の溶着用リブ25が、
側板部23および差込部15に面する部分から内側に向
かって適宜な間隔で設けられている。また、補強区画3
0においては、これらの溶着用リブ25の設置間隔が狭
められ、各セル33にそれぞれ一個ずつの溶着用リブ2
5が設けられている。このため、補強区画30では溶着
強度のより一層の向上が図られている。
【0022】一方、端桁13Aのコーナー部には、コー
ナー補強用のコーナーリブ41が放射状に複数設けられ
ており、これらにより前述した外側の補強区画40が形
成されている。このコーナーリブ41によってもフォー
ク突きに対応できる強度が確保されているので、この部
分にフォークを突き当ててパレット10の回転あるいは
移動操作を行ってもよい。
【0023】補強区画50(内側および外側の補強区画
30,40)における側板部23の肉厚Tは、フォーク
突きに対応した補強の行われていない非補強区画60に
おける側板部23の肉厚Kよりも10%以上厚肉化され
ている。例えば、非補強区画60の肉厚がK=4mmの
場合に、補強区画50の肉厚がT=6mmなどである。
また、補強リブ31、連結リブ32、内部リブ22、ま
たは溶着用リブ25の各肉厚は、任意であるが、軽量化
の観点から非補強区画60における側板部23の肉厚K
=4mmと同等としておけばよい。
【0024】このような第一実施例においては、図1中
二点鎖線で示す如く、フォーク18の先端を図1中E,
F方向(フォーク突き方向)から補強区画50に突き当
ててパレット10の回転および移動操作を行う。そし
て、これらの操作により、パレット10の姿勢修正、あ
るいは比較的短い距離の移動などを行ってもよく、ある
いはこのようなフォーク突きによる回転操作の後に、フ
ォーク差込口16からフォーク18を差し込んでパレッ
ト10を持ち上げ、比較的長い距離の移動(運搬)を行
ってもよい。
【0025】このような第一実施例によれば、次のよう
な効果がある。すなわち、端桁13Aの側板部23に補
強リブ31により補強された補強区画30が形成されて
いるので、この補強区画30にフォーク18の先端を突
き当ててパレット10の回転あるいは移動操作を行うこ
とができ、パレット10の操作性を向上することができ
る。また、端桁13Aのコーナー部に設けられたコーナ
ーリブ41により補強区画40が形成されているので、
この補強区画40にフォーク18の先端を突き当ててる
ことによってもパレット10の回転あるいは移動操作を
行うことができる。このため、パレット10を回転ある
いは移動させるにあたって、フォーク差込方向に回り込
んでフォーク18を差し込む必要がなくなるので、四方
差しパレットと同等な操作性を得ることができる。
【0026】また、端桁13Aの側板部23のみの補強
であるため、パレット10全体としては、この部分の補
強の行われていない従来の合成樹脂製の二方差しパレッ
トに比べ、殆ど重量は増加していないので、四方差しパ
レットに比べ、軽量なものとすることができる。
【0027】さらに、各補強リブ31は、互いに100
mm以下の間隔Zで設けられているので、フォーク突き
を行った際には、フォーク18の先端が各補強リブ31
と側板部23との接続箇所に確実に当たるようになり、
確実に補強効果を発揮することができる。
【0028】そして、補強区画50(内側および外側の
補強区画30,40)における側板部23の肉厚Tは、
非補強区画60における側板部23の肉厚Kよりも10
%以上厚肉化されているので、補強効果をより一層向上
させることができる。
【0029】さらに、補強区画50の形成範囲は、側板
部23の全長Lに渡るものではなく、必要最小限の範囲
(つまり、側板部23の長手方向両端部から始まり、そ
れぞれL−A≦B<L/2、より好ましくはL−A≦B
<(2/5)×Lという長さBの範囲)とされているの
で、パレット10の軽量化をより一層図ることができ
る。
【0030】また、各補強リブ31の端部を連結する連
結リブ32が設けられ、補強区画30には、複数のセル
33が形成されているので、これにより補強効果を一層
向上させることができる。
【0031】[第実施例] 図には、本発明の第実施例の合成樹脂製パレット9
0の部分断面図が示されている。パレット90は、前記
第一実施例のパレット10と略同様な構成を備え、内側
の補強区画30の側板部23の構造が一部異なるのみで
あるので、同一部分には同一符号を付して詳しい説明は
省略し、以下には異なる部分のみを詳述する。図にお
いて、補強区画30における側板部23には、非補強区
画60における側板部23の位置よりも内側に窪んだ凹
部91が設けられている。凹部91は、パレット90の
高さ全体(デッキボード11,12の部分を含めた高さ
全体)に渡って形成されている。また、凹部91の深さ
Sは、任意であってよく、例えば、20mm程度などで
ある。
【0032】このような第実施例においては、フォー
ク18の先端を凹部91に突き当ててパレット10の回
転および移動操作を行う。このような第実施例によれ
ば、補強区画30に補強リブ31が設けられているの
で、前記第一実施例と全く同様な補強効果を得ることが
でき、パレット90の操作性を向上できることに加え、
次のような効果を得ることができる。すなわち、補強区
画30に凹部91が設けられているので、フォーク18
を用いてパレット90の回転あるいは移動操作を行う際
に、フォーク18の先端をこの凹部91に突き当てるこ
とにより、フォーク18から受ける力を確実に補強区画
30のみに作用させることができ、操作中に誤って補強
区画以外の部分に過大な力が作用することはなくなるた
め、パレット90の破損をより確実に防止できる。
【0033】なお、本発明の効果を確かめるために次の
ような比較実験を行った。先ず、本発明のパレットに対
する比較例として、端桁13Aの側板部23に前記第一
実施例のような補強リブ31による補強を全く行ってい
ない従来の二方差しタイプの合成樹脂製パレットを用
意した。なお、パレットは、ポリプロピレン(MI6g
/10分)60重量%とタルク(3μ)40重量%とか
らなる複合材料を射出成形したものを溶着することによ
り組み立てた。一方、本発明のパレットとして、前記第
一実施例の補強リブ31による補強を行ったパレット
用意した。
【0034】各パレット、大きさは、桁13に直
交する方向の外形寸法W=1300mm、桁13に沿う
方向の外形寸法L=980mm、フォーク差込幅A=1
000mmとし、これらの各パレット、上に重さ
500kgの物品を載せた状態で、フォーク18の先端
を端桁13Aの側板部23に突き当てた。また、フォー
ク速度は、それぞれのパレットについて1m/分、5m
/分、10m/分の三通りとした。さらに、それぞれの
パレットについて側板部23のフォーク突きを行う部分
(補強区画30に相当する部分)の肉厚を4mm、5m
m、6mmと変化させた。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】表1および表2には、比較実験の結果が示
されている。表1は、パレットの結果であり、表2
は、パレット果である。表1によれば、パレット
については、フォーク速度が最も遅い1m/分でかつ
肉厚が最も厚い6mmの場合にのみ損傷が生じなかった
が、残りの場合においては損傷が発生し、補強を行って
いない従来のパレットでは、フォーク突きに十分に対
応できないことが示された。表2によれば、パレット
ついては、全ての場合において損傷が発生せず、本発
明のパレット用いればフォーク突きに十分に対応で
きることが示された。これらの比較実験により、本発明
の効果(側板部23の補強による効果)が顕著に示され
た。
【0038】なお、本発明は前記各実施例に限定される
ものではなく、本発明の目的を達成できる範囲内での変
形等は本発明に含まれるものである。すなわち、前記各
実施例では、パレット10,90は、載物デッキ面が平
坦でかつ載物デッキ面の周囲に枠のない平パレットとな
っていたが、本発明のパレットは、このような平パレッ
トに限定されるものではなく、例えば、載物デッキ面が
曲面状のパレット、載物デッキ面上にリブが設けられた
パレット、載物デッキ面の周囲に枠が設けられたパレッ
トなどであってもよく、要するに二方差しタイプの合成
樹脂製パレットであればよい。
【0039】また、本発明のパレットは、片面使用形
(スキッドタイプ)でもよく、両面使用形でもよい。さ
らに、デッキボード11,12の形状は、前記各実施例
のような矩形形状に限定されるものではなく、正方形形
状であってもよく、あるいは矩形や正方形の各角部を丸
くしたり斜めに切ったりした形状などであってもよく、
要するに四側面を有する略方形状であればよい。
【0040】また、前記各実施例では、補強リブ3
、側板部23の一部分に設けられていたが、本発明の
補強リブ31は、側板部23の全長に渡って設けられて
いてもよい。さらに、前記各実施例では、補強区画30
には補強リブ31のみによる補強行われていたが、
強リブ31が設けられている補強区画30における側板
部23の外側に、側板部23に沿って補強用の当て板を
設けてもよい。
【0041】また、前記第一実施例では、補強リブ31
は、側板部23に直交する方向に設けられていたが、本
発明の補強リブは、直交する方向に限定されるものでは
なく、要するに、側板部23に交差する方向に設けられ
ていればよい。例えば、図に示すように、側板部23
に斜めに接続される補強リブ80としてもよく、あるい
は側板部23に直角に接続される補強リブ82と斜めに
接続される補強リブ83とを備えた補強構造としてもよ
く、このような場合においては、各接続箇所Pの間隔Q
を100mm以下としておけばよい。
【0042】また、前記第実施例では、凹部91は、
パレット90の高さ全体(デッキボード11,12の部
分を含めた高さ全体)に渡って形成されていたが、図
(A),(B)に示すように、パレットの高さHの一部
分に形成された凹部92,93としてもよい。このよう
にすることで、フォーク18の先端で各凹部92,93
の上面92A,93Aを突き上げることができるため、
パレットに物品が積載されていない時あるいは軽過重時
には、パレットを浮かせるようにして回転操作や移動操
作を行うことができる らに、前記第実施例では、
凹部91は、内側の補強区画30の位置のみに形成され
ていたが、外側の補強区画40の位置まで延ばして形成
されていてもよい。
【0043】そして、パレット10,90の材質は、合
成樹脂であれば任意であり、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレ
ン)、不飽和ポリエステル、ポリウレタン、スチロール
樹脂、塩化ビニル樹脂等が好ましい。
【0044】
【発明の効果】以上に述べたように本発明によれば、端
桁の側板部に補強リブまたは補強リブ及び当て板による
補強を行ったので、この補強区画にフォークの先端を突
き当てることにより、二方差しパレットの円滑な回転あ
るいは移動操作を行うことができるため、二方差しパレ
ットの操作性を向上でき、四方差しパレットと同等な操
作性を得ることができるうえ、端桁の側板部のみの補強
であるため、四方差しパレットに比べ、軽量なものとす
ることができるという効果がある。
【0045】また、補強リブまたは補強リブ及び当て板
による補強に加え、補強区画の側板部の板厚を非補強区
画の側板部の板厚よりも10%以上厚肉化した場合に
は、補強効果をより一層向上できるという効果がある。
さらに、側板部の長手方向の寸法をL、同一側面に形成
された複数のフォーク差込口の最も外側の端縁間の距離
であるフォーク差込幅をAとして、補強区画を、側板部
の長手方向両端部からそれぞれL−A以上でかつL/2
よりも小さい長さに渡って形成した場合には、補強を必
要最小限のものとすることができるため、軽量化を図る
ことができるという効果がある。
【0046】また、補強リブまたは補強リブ及び当て板
を含む補強の行われた補強区画の側板部に、凹部を形成
した場合には、フォークの先端をこの凹部に突き当てる
ことにより、フォークから受ける力を確実に補強区画の
みに作用させることができ、パレットの破損をより確実
に防止できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例を示す全体斜視図。
【図2】第一実施例の要部を示す詳細断面図。
【図3】本発明の第実施例を示す部分断面図。
【図4】本発明の変形例を示す概略断面図。
【図5】本発明の別の変形例を示す概略断面図。
【符号の説明】 10,90 合成樹脂製パレット 13 桁 13A 端桁 16 フォーク差込口 18 フォーク 23 側板部 30 内側の補強区画 31,80,82,83 補強リブ 40 外側の補強区画 50 補強区画 60 非補強区画 91,92,93 凹部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65D 19/32

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フォーク差込口を二側面に有し、二方向
    からフォークを差し込み可能な二方差し合成樹脂製パレ
    ットにおいて、前記フォーク差込口が形成された二側面
    と直交する方向の二側面は、フォーク差込方向に沿って
    配置された複数本の桁のうち両端に位置する端桁の側板
    部により形成され、これらの側板部の少なくとも一部分
    には、フォークの突き当てに対応するための補強が行わ
    れた補強区画が形成され、この補強区画には、側板部と
    交差する方向に側板部から内側に向かって複数の補強リ
    ブが設けられ、これらの補強リブは、それぞれ前記端桁
    の高さ全体に渡ってかつ前記端桁の幅の1/10以上に
    渡って設けられるとともに、各補強リブと前記側板部と
    の接続箇所は100mm以下の間隔で配置されており、
    補強リブの側板部とは反対側の端部には各補強リブの端
    部を連結する連結リブが設けられていることを特徴とす
    る合成樹脂製パレット。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した合成樹脂製パレット
    において、前記側板部の少なくとも一部分の外側には、
    補強用の当て板が設けられていることを特徴とする合成
    樹脂製パレット。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載した合成
    樹脂製パレットにおいて、前記補強リブを含む補強の行
    われた補強区画の前記側板部の板厚は、補強の行われて
    いない非補強区画の前記側板部の板厚よりも10%以上
    厚肉とされていることを特徴とする合成樹脂製パレッ
    ト。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項のいずれかに記載
    した合成樹脂製パレットにおいて、前記側板部の長手方
    向の寸法をL、同一側面に形成された複数のフォーク差
    込口の最も外側の端縁間の距離であるフォーク差込幅を
    Aとして、前記補強リブを含む補強の行われた補強区画
    は、前記側板部の長手方向両端部からそれぞれL−A以
    上でかつL/2よりも小さい長さに渡って形成されてい
    ることを特徴とする合成樹脂製パレット。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項のいずれかに記載
    した合成樹脂製パレットにおいて、前記補強リブを含む
    補強の行われた補強区画の前記側板部には、凹部が形成
    されていることを特徴とする合成樹脂製パレット。
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