JP3357135B2 - 眼用レンズ材料 - Google Patents

眼用レンズ材料

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、含水性眼用レンズ材料
に関する。本発明により提供される含水性眼用レンズ材
料は高含水であり、強度および耐蛋白汚染性に優れてい
るのみならず、含水性眼用レンズ材料として必要な柔軟
性と光学的特性をも具備しており、ソフトコンタクトレ
ンズ、眼内レンズおよび人工硝子体等の眼用レンズ材料
として有用である。特にソフトコンタクトレンズ材料と
して好適に使用される。
【0002】
【従来の技術】従来、2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ート(以下HEMAと略す)を主成分とするヒドロゲル
が、ソフトコンタクトレンズ材料として汎用されてき
た。HEMAを主成分とする共重合体は機械による切削
研摩性に優れているため容易に成形加工できるうえ、水
和膨潤状態では適度な強度および柔軟性を有している。
しかし、このHEMAを主成分とするヒドロゲルは含水
率が40%程度と低いため酸素透過性が劣っており、ソ
フトコンタクトレンズとして長期連続装用した場合、角
膜組織が酸素不足となり角膜障害を引き起こす場合があ
った。さらに、該ヒドロゲルは耐蛋白汚染性にも劣って
いるため、ソフトコンタクトレンズとして装用した場
合、ソフトコンタクトレンズ表面への蛋白の固着が起こ
り易く、それによりアレルギー反応が誘発される場合が
あった。
【0003】ソフトコンタクトレンズの酸素透過性を向
上させるため、例えば、N−ビニル−2−ピロリドン
(以下NVPと略す)とメタクリル酸エステルとのコポ
リマーより得られる高含水性のヒドロゲルを用いて、高
含水性のソフトコンタクトレンズを作製することが試み
られたが、このソフトコンタクトレンズは強度が不十分
であり、取扱い中に破損しやすいものであった。このた
め、HEMAを主成分としたヒドロゲルと同等またはそ
れ以上の強度を有する高含水性のヒドロゲルの開発が望
まれた。例えば、強度の向上を目的に、フッ素含有モノ
マーをヒドロゲルに導入する試みがなされている。特開
昭63−30820号公報には、フッ素含有モノマーと
モノまたはジ−ヒドロキシアルキルまたはアレキレンオ
キシド(メタ)アクリレートとN−ビニルラクタムとか
らなる透明ヒドロゲルコンタクトレンズ材料が記載され
ている。特開平2−176624号公報には、NVP、
N,N’−ジアルキル(メタ)アクリルアミド、場合に
よりフッ素置換基および/またはシロキサン結合を有す
る炭化水素基含有(メタ)アクリレート、および水酸基
を1つ以上含み、場合によっては鎖内エーテル結合を有
する炭化水素基含有(メタ)アクリレートとを共重合さ
せて得られる共重合体からなる高含水率のソフトコンタ
クトレンズ材料が記載されている。また、特定の環状構
造を有する(メタ)アクリレートをヒドロゲルの成分と
して添加することによって、強度を向上させる試みもな
されている。例えば、特開昭61−292612号公報
には、N−ビニルピロリドン、特定の環状構造を有する
疎水性モノマー、酢酸ビニル、エチレン性不飽和結合を
1個有する不飽和カルボン酸および特定の架橋剤を成分
とする共重合体からなる、含水率60%以上の高強度ソ
フトコンタクトレンズが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の特開昭63−3
0820号公報および特開平2−176624号公報に
記載のソフトコンタクトレンズ材料は、HEMAを主成
分とするソフトコンタクトレンズ材料に比べて強度の点
では優れているものの、柔軟性に欠けており、ソフトコ
ンタクトレンズ特有の優れた装用感が得られない。上記
の特開昭61−292612号公報に記載のソフトコン
タクトレンズ材料は、芳香族環や極性基であるカルボン
酸基を含んでいるため耐蛋白汚染性が劣っており、ソフ
トコンタクトレンズ表面に蛋白が固着しやすい。
【0005】本発明の目的は、強度および耐蛋白汚染性
に優れているのみならず、眼用レンズ材料として必要な
柔軟性と光学的特性をも具備したトータルバランスに優
れる高含水性眼用レンズ材料を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
目的はN−ビニルラクタム、フルオロアルキル基の末端
が−CF H基であるフルオロアルキル(メタ)アクリ
レート、炭素原子数が6〜24個の脂肪酸ビニルおよび
重合性基を1分子中に少なくとも2個有する架橋性モノ
マーを重合して得られた共重合体からなる含水性眼用レ
ンズ材料を提供することにより達成される。
【0007】N−ビニルラクタムは本発明の眼用レンズ
材料に親水性を付与するための構成成分である。N−ビ
ニルラクタムとしては、例えば、NVP、N−ビニル−
2−ピペリドン、N−ビニル−2−カプロラクタム、N
−ビニル−3−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−
3−メチル−2−ピペリドン、N−ビニル−3−メチル
−2−カプロラクタム、N−ビニル−4−メチル−2−
ピロリドン、N−ビニル−4−メチル−2−ピペリド
ン、N−ビニル−4−メチル−2−カプロラクタム、N
−ビニル−5−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−
5−メチル−2−ピペリドン、N−ビニル−3−エチル
−2−ピロリドン、N−ビニル−4,5−ジメチル−2
−ピロリドン、N−ビニル−5,5−ジメチル−2−ピ
ロリドン、N−ビニル−3,3,5−トリメチル−2−
ピロリドン、N−ビニル−5−メチル−5−エチル−2
−ピロリドン、N−ビニル−3,4,5−トリメチル−
3−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−6−メチル
−2−ピペリドン、N−ビニル−6−エチル−2−ピペ
リドン、N−ビニル−3,5−ジメチル−2−ピペリド
ン、N−ビニル−4,4−ジメチル−2−ピペリドン、
N−ビニル−7−メチル−2−カプロラクタム、N−ビ
ニル−7−エチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−
3,5−ジメチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−
4,6−ジメチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−
3,5,7−トリメチル−2−カプロラクタム等が挙げ
られる。本発明の眼用レンズ材料の加工性等の点から、
NVPを用いることが好ましい。これらのN−ビニルラ
クタムは、単独または2種類以上の組合わせで用いるこ
とができる。
【0008】N−ビニルラクタムの使用量が原料モノマ
ーの合計量に対して40重量%未満の場合には、得られ
る眼用レンズ材料の含水率が低下し、酸素透過性が低下
する。一方、N−ビニルラクタムの使用量が原料モノマ
ーの合計量に対して90重量%を超える場合には、得ら
れる眼用レンズ材料の強度が低下する。したがって、N
−ビニルラクタムの使用量は、原料モノマーの合計量に
対して40〜90重量%が好ましく、50〜80重量%
がより好ましい。
【0009】フルオロアルキル基の末端が−CF H基
であるフルオロアルキル(メタ)アクリレートは、本発
明の眼用レンズ材料に耐蛋白汚染性および強度を付与す
るための構成成分である。フルオロアルキル基の末端が
−CF H基であるフルオロアルキル(メタ)アクリレ
ートとしては、2,2,3,3−テトラフルオロプロピ
ル(メタ)アクリレート、3,3,4,4−テトラフル
オロブチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,
4,4,5,5−オクタフルオロペンチル(メタ)アク
リレート、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,
7,7−ドデカフルオロヘプチル(メタ)アクリレー
ト、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,
7,8,8,9,9−ヘキサデカフルオロノニル(メ
タ)アクリレート等を挙げることができる。フルオロア
ルキル基の末端が−CFH基であるフルオロアルキル
(メタ)アクリレートを使用することにより、さらに光
学的に透明な眼用レンズ材料が得られる。これらのフル
オロアルキル基の末端が−CF H基であるフルオロア
ルキル(メタ)アクリレートは単独または2種類以上の
組み合わせで用いることができる。
【0010】フルオロアルキル基の末端が−CF H基
であるフルオロアルキル(メタ)アクリレートの使用量
が原料モノマーの合計量に対して10重量%未満の場合
には、得られる眼用レンズ材料の強度、耐蛋白汚染性が
低下してしまい、また50重量%を越える場合には、得
られる眼用レンズ材料の柔軟性が低下してしまう。従っ
て、フルオロアルキル基の末端が−CF H基である
ルオロアルキル(メタ)アクリレートの使用量は、原料
モノマーの合計量に対して10〜50重量%であること
が好ましく、15〜40重量%であることがより好まし
い。
【0011】炭素原子数6〜24個の脂肪酸ビニルは、
本発明の眼用レンズ材料の柔軟性を調整する成分であ
る。炭素原子数5個以下または25個以上の脂肪酸ビニ
ルを使用した場合には、眼用レンズ材料に柔軟性を付与
できるものの強度が低下するので、脂肪酸ビニルの炭素
原子数は6〜24個であり、炭素原子数が6〜14個で
あることが好ましい。該脂肪酸ビニルとしては、例え
ば、酪酸ビニル、クロトン酸ビニル、デカン酸ビニル、
ヘキサン酸ビニル、ラウリル酸ビニル、オクタン酸ビニ
ル、パルミチン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、ソルビン
酸ビニル、ステアリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、
バーサチック酸ビニル等が挙げられる。なかでもデカン
酸ビニル、ヘキサン酸ビニル、ラウリル酸ビニル、オク
タン酸ビニル、ソルビン酸ビニル、バーサチック酸ビニ
ルが好ましい。
【0012】この脂肪酸ビニルの使用量が原料モノマー
の合計量に対して5重量%未満の場合には、得られる眼
用レンズの柔軟性が低下し、30重量%を越える場合に
は得られる眼用レンズの強度が低下してしまう。したが
って、脂肪酸ビニルの使用量は、原料モノマーの合計量
に対して5〜30重量%が好ましく、5〜20重量%が
より好ましい。
【0013】重合性基を1分子中に少なくとも2個有す
る架橋性モノマーは、本発明の眼用レンズ材料を水に対
して不溶性なヒドロゲルとするために必要な成分であ
り、眼用レンズ材料に耐熱性、形状安定性および機械的
強度を付与する。架橋性モノマーとしては、例えば、エ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、2,2’−ビス
[p−(γ−(メタ)アクリロキシ−β−ヒドロキシプ
ロポキシ)フェニル]プロパン、メチレンビス(メタ)
アクリルアミド、アリル(メタ)アクリレート、ビニル
(メタ)アクリレート、シアヌル酸トリアリル、イソシ
アヌル酸トリアリル、アジピン酸ジビニル、ジビニルベ
ンゼン等が挙げられる。(メタ)アクリル酸アリルおよ
び(メタ)アクリル酸ビニルの様に、1分子中に(メ
タ)アクリル基とアリル基または(メタ)アクリル基と
ビニル基を合わせ持つ架橋性モノマーを使用することに
より、より光学的特性に優れたレンズ材料を得ることが
できるので好ましい。架橋度が高いと得られる眼用レン
ズ材料の含水率が低下して硬くなり、また架橋度が低い
と得られる眼用レンズ材料の形状安定性および機械的強
度が劣る傾向に有る。したがって、架橋性モノマーの使
用量は原料モノマーの合計量に対して0.01〜5重量
%が好ましく、0.05〜2重量%がより好ましい。
【0014】また、本発明を阻害しない範囲内で、他の
重合性モノマーおよびポリマーを共重合させることがで
きる。例えば、強度を更に補強する目的で、イタコン酸
エステル;フマル酸エステル;分鎖構造を持つイソプロ
ピル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリ
レート;および環状構造を有するシクロヘキシル(メ
タ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ス
チレン等を共重合させたり、ポリメチルメタクリレート
等の疎水性ポリマーを共重合させることも可能である。
また含水率をあげて酸素透過性を高める目的で、グリシ
ジル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモ
ノ(メタ)アクリレート等のアルキレンオキシド(メ
タ)アクリレート;およびアクリルアミド、メタクリル
アミド、ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアク
リルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、ジアセ
トンアクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド等を共
重合させても良い。
【0015】本発明の眼用レンズ材料は、原料モノマー
の混合物に熱活性化重合開始剤あるいは光活性化重合開
始剤を添加して、重合させることにより得られる。重合
開始剤として熱活性化重合開始剤を使用する場合は、原
料モノマーの混合物を温度制御が容易な恒温水槽または
熱風循環式乾燥器等を使用して加熱することにより重合
させる。代表的な熱活性化重合開始剤としては、ベンゾ
イルパーオキサイド、イソプロピルパーカーボネート、
ラウロイルパーオキシド、メチルエチルケトンパーオキ
シド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,
2’−アゾビスメチルイソブチレート、2,2’−アゾ
ビスジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビスイソ
ブチルアミド、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル等
が挙げられる。また、重合開始剤として光活性化重合開
始剤を使用する場合は、紫外線、X線、電子ビームある
いは可視光線等を原料モノマーの混合物に照射すること
により重合させる。代表的な光活性化重合開始剤として
は、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロ
ヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フ
ェニルアセトフェノン、フェノチアジン、ジイソプロピ
ルキサントゲンジスルフィド、ベンゾイン、ベンゾイン
メチルエーテル等が挙げられる。これら重合開始剤は原
料モノマーの合計量に対して0.01〜5重量%使用す
るのが好ましい。
【0016】上記のようにして得られた共重合体を切削
研磨加工することによりレンズ形状の成形物を作製して
もよく、また、原料モノマーの混合物を所望のレンズ形
状を有する成形型内で重合することにより、直接レンズ
形状の成形物を作製してもよい。このようにして得られ
た成形物を、生理食塩水または蒸留水等の水溶液に浸漬
して水和膨潤させることにより含水性眼用レンズが得ら
れる。
【0017】一般的には、眼用レンズ材料の機械的物性
を評価する方法の1つとして、引張破壊強度が採用され
ている。稲葉昌丸らによれば白内障術後の高含水ソフト
コンタクトレンズ連続装用において、含水率が71%、
引張破壊強度100g/mm2のレンズの破損率は26
%であったのに対して、含水率78%、引張破壊強度1
90g/mm2のレンズの破損率は2%であったことを
報告している〔日本コンタクトレンズ学会誌,第25
巻,第156〜161頁(1983年)参照〕。このよ
うに、装用中に破損しにくいソフトコンタクトレンズを
得るためには、水和膨潤後の眼用レンズ材料の引張破壊
強度が130g/mm2以上であることが好ましく、1
80g/mm2以上であることがより好ましい。
【0018】眼用レンズ材料の機械的物性を評価する他
の方法として、引張弾性率が知られている。この引張弾
性率より、眼用レンズ材料の柔軟性やレンズの自立性
(レンズが指の上で、レンズ形状を保持しているかどう
か)等が評価できる。この引張弾性率が30g/mm2
以下の眼用レンズ材料を用いて作製したソフトコンタク
トレンズは、たいへん変形しやすくレンズの自立性が欠
如している。一方、引張弾性率が110g/mm2以上
のソフトコンタクトレンズ材料を用いて作製したソフト
コンタクトレンズは、ソフトコンタクトレンズの変形も
少なく自立性にも優れているものの、柔軟性が低下する
ため、装用感が低下する。したがって、引張弾性率は4
0〜100g/mm2の範囲内であることが好ましい。
【0019】一般に、眼用レンズ材料は光学的に曇りの
ない透明性に優れたものでなければならない。光学的透
明性は、蒸留水中で眼用レンズ材料の光線透過率および
曇度を測定することにより評価することが可能である。
光線透過率とは入射光量に対する眼用レンズ材料を透過
した光量の割合を示すものであり、曇度とは入射光量に
対する眼用レンズ材料を透過する際に散乱した光量の割
合を示すものである。この光線透過率の値が100%に
近づくほど、かつ曇度の値が0%に近づくほど透明性に
優れた材料であるといえる。眼用レンズ材料としては、
この光線透過率が98%以上でかつ曇度が0.5%以下
であることが好ましい。
【0020】
【実施例】本発明を実施例により具体的に説明するが、
本発明はこれらに限定されるものではない。
【0021】実施例1〜4 表1に示した実施例1〜4の各組成物10.0gと、重
合開始剤として2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル
0.01gとを混合した後、ポリプロピレン製試験管に
入れ、窒素置換後、密封した。これを40℃の恒温水槽
中に24時間浸漬した。次いで、50℃の恒温水槽中に
24時間浸漬した後、60℃の恒温水槽中に移して5時
間、さらに80℃の恒温水槽中に2時間、最後に100
℃の恒温水槽中に1時間放置した。冷却後、試験管から
共重合体を取り出して、直径15mm、厚さ0.2mm
になるように切断して円形フィルム状のサンプルを得
た。このフィルムを生理食塩水中に浸漬することで、水
和膨潤させた。
【0022】上記の方法で得た水和膨潤後の眼用レンズ
材料について、下記の試験方法に従って含水率、引張破
壊強度、引張弾性率、光線透過率、曇度および耐蛋白汚
染性を測定し、その結果を表2に示した。
【0023】〔含水率〕水和膨潤後のレンズ材料の重量
(Wa)および脱水乾燥後の重量(Wb)を測定し、下記
の式により含水率を計算した。 含水率(重量%)=[(Wa−Wb)/Wa]×100
【0024】〔引張破壊強度、引張弾性率〕水和膨潤後
の眼用レンズ材料を長さ10mm、厚さ0.3mm、幅
2mmの短冊状の平板に切断したものを試験片とし、島
津製作所製のオートグラフ(IM-100型)を用いて引張試
験を行なった。該試験片の両端を試験機のつかみ具に固
定し、25℃の蒸留水中、50mm/分の速度で試験片
が破断するまで引張り、破断時の応力を引張破壊強度と
した。引張弾性率は、引張試験より得られた引張応力−
ひずみ曲線の変形開始点の接線の傾斜より算出した。
【0025】〔光線透過率および曇度〕東京電色(株)
製のヘイズメーター(MODEL TC-HIII型)を用いて測定
した。光源にはハロゲンランプを使用した。水和膨潤後
の眼用レンズ材料を25℃の蒸留水中に浸漬した状態
で、ハロゲンランプからの入射光量(T1)、眼用レン
ズ材料および蒸留水を透過した光量(T2)、蒸留水に
より拡散された光量(T3)および眼用レンズ材料およ
び蒸留水によって拡散された光量(T4)を測定し、下
記に示す計算式より光線透過率および曇度を算出した。 光線透過率(%)=(T2/T1)×100 曇度(%)=[(T4/T2)−(T3/T1)]×100
【0026】〔耐蛋白汚染性〕5gの牛血清γーグロブ
リンを100mlのPBS溶液に溶解し、蛋白溶液を調
整した。この蛋白溶液中に水和膨潤後の眼用レンズ材料
を一晩浸漬した後、85℃で2時間加熱した。眼用レン
ズ材料を蛋白溶液から取り出し、軽く水洗した後、眼用
レンズ材料に付着した蛋白を0.1Nの水酸化ナトリウ
ム2.5mlにて抽出した。この蛋白抽出液2.0ml
にバイオラッド社製の蛋白染色液0.5mlを混合した
後、595nmの吸光度を測定することにより眼用レン
ズ材料に付着した蛋白量を求めた。
【0027】比較例1 表1に示した比較例1の組成物を用いて、実施例1〜4
におけると同様の方法でHEMAからなる眼用レンズ材
料を調製し、測定した物性値を合わせて表2に示す。
【0028】比較例2〜4 表1に示した比較例2〜4の各組成物を用いて、水和膨
潤後の含水率が実施例1〜4とほぼ等しくなるような眼
用レンズ材料を調製し、測定した物性値を合わせて表2
に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】試験例1〜4 実施例1〜4で得られた眼用レンズ材料を、直径15m
m、厚さ10mmになるように切断し、これを通常の加
工技術によりコンタクトレンズの形状に切削、研摩し
た。該眼用レンズ材料の切削性および研摩性はともに良
好であった。次いでこのコンタクトレンズを生理食塩水
に24時間浸漬して水和膨潤させることにより、ベース
カーブ8.7mm、パワー −1.0ジオプトリー、直
径13.5mmで光学的に問題のないソフトコンタクト
レンズが得られた。
【0032】
【発明の効果】本発明の眼用レンズ材料は高含水であ
り、強度および耐蛋白汚染性に優れているのみならず、
眼用レンズ材料として必要な柔軟性と光学的特性をも具
備したトータルバランスに優れたものである。本発明の
含水性眼用レンズ材料を用いれば、安全性が高く、耐久
性に優れた眼用レンズが得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G02C 7/04 G02C 7/04 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61L 15/00 - 33/18 G02C 7/04 CA(STN) MEDLINE(STN) REGISTRY(STN) BIOSIS(STN) EMBASE(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 N−ビニルラクタム、フルオロアルキル
    基の末端が−CF H基であるフルオロアルキル(メ
    タ)アクリレート、炭素原子数が6〜24個の脂肪酸ビ
    ニルおよび重合性基を1分子中に少なくとも2個有する
    架橋性モノマーを重合して得られる共重合体からなる含
    水性眼用レンズ材料。
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